JP3361698B2 - Fetチャネルプロファイル抽出方法 - Google Patents

Fetチャネルプロファイル抽出方法

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JP3361698B2 JP18481696A JP18481696A JP3361698B2 JP 3361698 B2 JP3361698 B2 JP 3361698B2 JP 18481696 A JP18481696 A JP 18481696A JP 18481696 A JP18481696 A JP 18481696A JP 3361698 B2 JP3361698 B2 JP 3361698B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FET(電界効果
形トランジスタ)チャネルにおける不純物プロファイル
(不純物濃度分布)を抽出するFETチャネルプロファ
イル抽出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばMOSFETでなるLSIを評価
し、見直す際には、MOSFETチャネルの不純物プロ
ファイル(以下、場合によってはチャネルプロファイル
と呼ぶ)を把握することが重要である。すなわち、最終
的には、所望の電気特性が達成されているかが重要であ
るが、この電気特性には他の要因と共にMOSFETチ
ャネルの不純物プロファイルが大きく影響を与えるから
である。
【0003】文献「半導体表面の測定技術(I)−概
要、2次イオン質量分析法(SIMS)−」、電子情報
通信会誌 従来、MOSFETチャネルの不純物プロファイルを抽
出する方法として、上記文献に開示されている2次イオ
ン質量分析法(以下、SIMS法と呼ぶ)がある。SI
MS法は、不純物濃度分布を直接的に測定するものであ
る。
【0004】SIMS法は、図2に示すように、評価対
象のMOSFETチャネルと同様なプロセスで形成され
た例えば縦横100μm×100μm程度の試料1の表
面に、イオン源2から射出され、加速された1次イオン
(試料1を構成していない原子のイオン)を照射し、そ
のイオン衝撃によってスパッタされて飛び出してくる試
料構成元素からなる2次イオンを質量分析器3で捕捉し
て質量分析することにより、試料構成元素の同定及び定
量を行なう。そして、同一プロセスで形成されているが
異なる試料1を用い、1次イオンの照射速度を代えたり
して、かかる処理を繰返すことにより、深さ方向の不純
物濃度分布を求めるものであった。
【0005】なお、その他の不純物濃度分布の測定方法
もあるが、その測定環境や装置との関係から、上述のS
IMS法と同様に、通常は、特別なTEG(試料グルー
プ)やモニターウエハを使用している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
MOSFETのチャネルプロファイル抽出方法では、以
下のような課題を有するものであった。
【0007】測定環境や測定装置との関係から、実際に
製作したMOSFETからチャネルプロファイルを抽出
できない。そのため、抽出された不純物プロファイル
は、真の不純物プロファイルとの一致性が低いものであ
り、また、必ずしも電気特性を保証し得ない。例えば、
質量分析器3の測定誤差等により得られた不純物濃度の
測定値に誤差があれば、不純物濃度から計算によって得
られる電気特性も真値から大きくずれてしまう。
【0008】また、上述のように、不純物プロファイル
を測定するためには、特別なTEGや十分大きなデバイ
スが必要であり、しかも、スパッタするため1度の測定
で試料を破壊してしまい、評価コストが大きくなる。
【0009】このような課題は、MOSFETだけでな
く、MISFETやMESFET等の他のFETチャネ
ルの不純物プロファイル抽出時にも同様に生じている。
【0010】そのため、実際に製作されたFETの不純
物プロファイルとの一致性が高いプロファイルを抽出で
き、抽出された不純物プロファイルが電気特性を保証で
き、しかも、できれば非破壊的な方法によるFETチャ
ネルプロファイル抽出方法が求められている。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明は、FETチャネルの不純物プロファイルを
抽出するFETチャネルプロファイル抽出方法におい
て、不純物プロファイルの抽出の出発値となる初期不純
物プロファイルを定めた後、不純物プロファイルをB−
スプライン関数を用いて関数表現化し、この関数表現化
された不純物プロファイルを用いて、FETのしきい値
電圧及びその基板バイアスの依存性を演算し、この演算
されたしきい値電圧及びその基板バイアスの依存性と目
標とするしきい値電圧及びその基板バイアスの依存性と
を比較し、演算されたしきい値電圧及びその基板バイア
スの依存性が目標とするしきい値電圧及びその基板バ
アスの依存性に許容誤差内で一致するまで関数表現化さ
れた不純物プロファイルを修正し、演算されたしきい値
電圧及びその基板バイアスの依存性が目標とするしきい
電圧及びその基板バイアスの依存性に許容誤差内で一
致したときの関数表現化された不純物プロファイルを抽
出結果とし、不純物プロファイルの関数表現化に供した
濃度データと、関数表現化後の濃度データとの偏差の2
乗又は絶対値にその濃度に応じた重み付けを行ない、こ
の重み付け偏差2乗又は重み付け偏差絶対値の総和を評
価値として、B−スプライン関数の節点位置を追加する
か否かを決定し、追加する場合には関数表現化をやり直
すことを特徴とするものである。
【0012】電気特性を指標とし、電気特性の目標値に
合わせ込むように関数表現化された不純物プロファイル
を修正して、抽出結果となる不純物プロファイルを得る
ようにしているので、抽出結果の不純物プロファイルは
所望の電気特性を保証することができ、また、電気特性
の目標値を実際に製作されたFETから得ている場合に
は、抽出された不純物プロファイルは真の不純物プロフ
ァイルに非常に一致したものとなる。また、初期不純物
プロファイルとして非破壊的な方法で得たものを適用で
き、この場合には、抽出結果となる不純物プロファイル
を得るにつき、一切の破壊的な測定方法等を不要にでき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態 以下、本発明によるFETチャネルプロファイル抽出方
法の第1の実施形態を図面を参照しながら説明する。な
お、この第1の実施形態において、不純物プロファイル
の抽出対象をMOSFETとする。なお、不純物プロフ
ァイルとしては、イオン化されている不純物のプロファ
イルを意図しているが、イオン化されていない不純物の
プロファイルの抽出にも、この第1の実施形態及び以下
に説明する実施形態を適用することができる。
【0014】図3は、第1の実施形態に係るFETチャ
ネルプロファイル抽出方法を実現する装置の全体構成を
示すものである。
【0015】図3において、第1の実施形態に係るFE
Tチャネルプロファイルの抽出装置は、半導体電気特性
測定装置10と、チャネルプロファイル演算装置11と
から構成されている。
【0016】半導体電気特性測定装置10は、実際のM
OSFETにおけるしきい値電圧Vthとその基板バイア
ス依存性ΔVthを求めるものであれば良く、その詳細構
成は問わない。
【0017】ここで、しきい値電圧Vthは、周知のよう
に、また、図4に示すように、ドレイン電圧VD の一定
下で、ゲート電圧VG を変化させていった際に、ドレイ
ン電流ID が急激に変化するゲート電圧VG と定義され
る。実際上の測定においては、例えば、ゲート電圧VG
を変化させ、ドレイン電流ID が所定値を越えたゲート
電圧VG をしきい値電圧Vthとして求める方法を適用で
きる。
【0018】ここで、しきい値電圧Vthは、基板バイア
ス電圧VB によっても変化する。この第1の実施形態に
おいては、基板バイアス電圧VB を、実製品に対して適
用する基板バイアス電圧(例えば0V)から変化させ、
そのバイアス電圧VB の変化量に対応したしきい値電圧
Vthの変化量である基板バイアス依存性ΔVthも求め
る。この際、基板バイアス電圧VB の変化量(例えば−
1V、−2V、…)も種々変化させて基板バイアス依存
性ΔVthも複数求める。
【0019】このようにして半導体電気特性測定装置1
0によって得られたしきい値電圧Vth及び基板バイアス
依存性ΔVthが、チャネルプロファイル演算装置11に
対して、チャネルプロファイル演算装置11が実行する
後述する繰返し演算を打ち切るか否かを決定するための
目標情報(ターゲット情報)として与えられる。
【0020】チャネルプロファイル演算装置11は、実
際上、ワークステーション等の情報処理装置で構成され
ており、この第1の実施形態の場合、チャネルプロファ
イル演算装置11は、図1に示すソフトウェア処理によ
り、MOSFETチャネルの不純物プロファイルを得る
ようになされている。
【0021】チャネルプロファイル演算装置11は、ま
ず、プロセスシミュレーションによって、不純物プロフ
ァイルの初期値(出発値)を得る(ステップ100)。
ここで、プロセスシミュレーションは、周知のように、
イオン注入、酸化、拡散、エッチング等のLSI製造工
程を一貫して最後まで解析し、最終の不純物プロファイ
ル、酸化膜形状等を出力するシミュレーションであり、
ここでは、MOSFETチャネルの不純物プロファイル
の情報を得る。一般に、プロセスシミュレーションによ
って得られる不純物プロファイルは、チャネル表面から
の深さについて離散値として得られる。
【0022】次に、チャネルプロファイル演算装置11
は、不純物プロファイルの初期値をB−スプライン関数
で表現する(ステップ101)。すなわち、B−スプラ
イン補間処理を行なう。
【0023】MOSFETのチャネルの不純物プロファ
イルは、概ね図5に示すような形状を有するので、非対
称ガウス分布やピアソン分布等を用いて補間することが
できる(このような関数を用いたものは本発明の他の実
施形態を構成している)。しかし、B−スプライン関数
は、任意の分布形状を表現できて複雑な形状の不純物プ
ロファイルを関数表現できるので、また、パラメータを
変化させることにより、不純物プロファイルの各深さ領
域で部分的な不純物プロファイルの修正が容易にできる
ので、この実施形態においては、補間関数としてB−ス
プライン関数を適用することとしている。
【0024】以上のようにして不純物プロファイルにつ
いて関数表現化が終了すると、チャネルプロファイル演
算装置11は、その関数表現化された不純物プロファイ
ルを用いて、しきい値電圧Vth及び基板バイアス依存性
ΔVthを計算する(ステップ102)。
【0025】その後、関数表現化された不純物プロファ
イルに基づいて得られたしきい値電圧Vth及び基板バイ
アス依存性ΔVthのそれぞれを、半導体電気特性測定装
置10が実製品のMOSFETから測定したしきい値電
圧Vth及び基板バイアス依存性ΔVthのそれぞれと比較
して、関数表現化された不純物プロファイルの妥当性を
判断する(ステップ103)。
【0026】ここで、妥当と判断された場合には、その
ときの関数表現化された不純物プロファイルを出力して
一連の処理を終了し、他方、妥当でないと判断された場
合には、上述したしきい値電圧Vth及び基板バイアス依
存性ΔVthのそれぞれの比較結果に基づいて、関数表現
でのパラメータを変更して(ステップ104)、関数表
現化に戻る。
【0027】以上のように、この第1の実施形態のチャ
ネルプロファイル演算装置11は、プロセスシミュレー
ションによって得られた不純物プロファイルを出発値と
して、その不純物プロファイルをB−スプライン関数を
用いて関数表現化し、関数表現化された不純物プロファ
イルに基づいてしきい値電圧Vth及び基板バイアス依存
性ΔVthを演算し、演算されたしきい値電圧Vth及び基
板バイアス依存性ΔVthが、半導体電気特性測定装置1
0が実製品のMOSFETから測定したしきい値電圧V
th及び基板バイアス依存性ΔVthと一致すると見なせる
まで、関数のパラメータを変更させて関数表現された不
純物プロファイルの修正を繰返し、修正後の不純物プロ
ファイルから演算されたしきい値電圧Vth及び基板バイ
アス依存性ΔVthが、半導体電気特性測定装置10が実
製品のMOSFETから測定したしきい値電圧Vth及び
基板バイアス依存性ΔVthと一致すると見なせるように
なったときに、その際の関数表現された不純物プロファ
イルを出力する。
【0028】以下、上述したステップ101及び104
の処理、ステップ102の処理、ステップ103の処理
について、この順序で補完説明する 不純物プロファイルの曲線形状f(x)は、隣合う節点
間の関数をk−1次(これより低次を含む概念)の多項
式とした場合には、(1) 式に示すように、節点位置ti
(i(i≦N−k)はi番目の節点位置を意味し、ti
≦ti+1 )で定まるB−スプライン関数Bi,k (x)と
係数Ci との積の総和として表すことができる。なお、
xは酸化膜(例えばSiO2 でなる)との境界を0とし
たMOSFETチャネル(例えば基本的にはSiでな
る)の深さを表す変数である。
【0029】
【数1】 ここで、各B−スプライン関数Bi,k (x)は、(2) 式
に示す0次のB−スプライン関数Bi,0 (x)を出発値
とした(3) 式に示す漸化式(ドブァ・コックスの算出方
法)で求めることができる。
【0030】
【数2】 次に、図6を用いて、(1) 式の意味合いを説明する。図
6は、隣合う節点間の関数を3次の多項式とした場合を
示している。また、MOSFETチャネルの不純物濃度
が問題となる深さの範囲の所定倍(例えば1〜2倍)の
範囲を、図6(a)に示すように、3個の領域に分割
し、各分割点に対して、図6(b)に示すように、節点
を割り振った場合の例を示している。この場合、各B−
スプライン関数Bi,4 (x)は、図6(c)に示すよう
になる。このような各B−スプライン関数Bi,4 (x)
に係数Ci を乗算した後の総和が、図5に示すような不
純物プロファイルの曲線形状になるように係数Ci を定
めれば良い。
【0031】ここで、初期不純物プロファイル又は直前
での関数表現化された不純物プロファイルにおいて、図
6(d)に示すような深さxj (jは1〜n)での不純
物濃度をyj とすると、(1) 式から、次の(4) 式が得ら
れる。ここで、深さxj を与えると、B−スプライン関
数は定値となるので、係数Ci だけが変数となり、深さ
xj 及び不純物濃度yj の複数のデータ対に対して、
(4) 式を立て、その連立方程式を解くことにより、係数
Ci を求めることができる。
【0032】
【数3】 以上、係数Ci だけがパラメータ(変数)の場合のB−
スプライン関数を用いた補間方法を説明したが、過去の
実験や測定結果等から係数Ci を固定値として取り扱え
る場合には、節点位置ti をパラメータ(変数)とし
て、B−スプライン関数を用いた補間を適用するように
しても良い。この場合において、各節点位置を±10%
や±20%ふらせるようにしても良い。それまでのさら
に、係数Ci 及び節点位置ti を共にパラメータ(変
数)として、B−スプライン関数を用いた補間を適用す
るようにしても良い。いずれのパラメータ選定方法にせ
よ、B−スプライン関数を用いた補間のアルゴリズム
は、既に種々確立されており、ステップ101のB−ス
プライン関数表現化においては、既に確立されているど
のアルゴリズムを適用しても良い。
【0033】ところで、図6(c)からは、表面側のチ
ャネル領域1においては、B−スプライン関数B1,4
(x)〜B4,4 (x)(従って、係数C1 〜C4 )が寄
与し、中間部のチャネル領域2においては、B−スプラ
イン関数B2,4 (x)〜B5,4(x)(従って、係数C2
〜C5 )が寄与し、奥部のチャネル領域3において
は、B−スプライン関数B3,4 (x)〜B6,4 (x)
(従って、係数C3 〜C6 )が寄与していることが分か
る。
【0034】周知のように、MOSFETチャネルの不
純物プロファイルは、しきい値電圧Vth及び基板バイア
ス依存性ΔVthを決定するパラメータとなっている。図
7は、このことの説明図である。図7において、右上り
ハッチ部分は、対象とするMOSFETに対して使用時
の基板バイアスVB (ここでは0Vとする)を印加した
場合でのしきい値電圧(ここではVth(0)で表す)に
影響を与える不純物濃度分布部分を表しており、右下り
ハッチ部分は、本来の基板バイアスVB =0より低い基
板バイアス(ここでは−1Vとする)を印加した場合で
のしきい値電圧(ここではVth(−1)で表す)に影響
を与える不純物濃度分布部分を表している。このよう
に、不純物プロファイル形状において、しきい値電圧V
thや基板バイアス依存性ΔVth(例えば、ΔVth=Vth
(0)−Vth(−1))に影響を与える形状部分が定ま
っている。他の基板バイアス依存性ΔVth(例えば、Δ
Vth=Vth(−1)−Vth(−2))についても同様な
ことが言える。
【0035】逆に言えば、関数表現化された不純物プロ
ファイルに基づいて得られたしきい値電圧Vth及び基板
バイアス依存性ΔVthのそれぞれが、半導体電気特性測
定装置10が実製品のMOSFETから測定したしきい
値電圧Vth及び基板バイアス依存性ΔVthのそれぞれと
の相違に基づいて、ステップ104でのパラメータの修
正方向をある程度定めることができ、ステップ101〜
104でなるシミュレーションにおいては、この点を考
慮して、パラメータを修正して、目標となっている実製
品のMOSFETから測定したしきい値電圧Vth及び基
板バイアス依存性ΔVthを得られる不純物プロファイル
を探索すれば良い。
【0036】すなわち、ステップ104におけるパラメ
ータの更新においては、関数表現化された不純物プロフ
ァイルに基づいて得られたしきい値電圧Vth及び基板バ
イアス依存性ΔVthのそれぞれが、半導体電気特性測定
装置10が実製品のMOSFETから測定したしきい値
電圧Vth及び基板バイアス依存性ΔVthのそれぞれとの
相違方向等と、各パラメータの更新方向とを予め対応付
けた更新ルール等を定めてパラメータを更新させるよう
にすれば良い。
【0037】このようにして得られた関数表現化された
不純物プロファイルから、しきい値Vth及び基板バイア
ス依存性ΔVthを得る方法(ステップ102の処理方
法)としては、既に、デバイスシミュレーションとして
確立されている方法を適用できる。デバイスシミュレー
ションでは、予め設定されたデバイス形状や不純物濃度
分布(不純物プロファイル)のもとで、電極に電圧を加
えたときのデバイス内部のポテンシャル、電子濃度、正
孔濃度を数値的に求め、それらの値を用いてデバイス内
部の電流、電界分布や電極電流等を求めるものである。
印加した電極電圧や求められた電極電流等から、しきい
値Vth及び基板バイアス依存性ΔVthを得ることができ
る。
【0038】ここで、デバイス内部の電流、電界分布や
電極電流等を求める際に解く方程式は、(5) 式〜(9) 式
に示すいわゆる半導体支配方程式である。
【0039】
【数4】 なお、(5) 式〜(9) 式において、ψはポテンシャル、n
は電子濃度、pは正孔濃度、tは時間、qは電荷素量、
εは誘電率、Γは符号を含めた正味の不純物濃度(=ド
ナー濃度−アクセプタ濃度)、μはキャリヤ移動度、C
はキャリヤ発生速度、Rはキャリヤ再結合速度である。
ここで、抽出する不純物プロファイルは、電気特性に影
響を与えるものであるので、上述した正味の不純物プロ
ファイルである。
【0040】現時点で関数表現化された不純物プロファ
イルの妥当性を判断するステップ103においては、具
体的には、例えば、(10)式及び(11)式の条件を共に満足
するか否かによって妥当性を判断している。なお、しき
い値電圧の基板バイアス依存性については、基板バイア
スVB が異なる全ての基板バイアス依存性についてそれ
ぞれ、(11)式の条件を満足することを要する。
【0041】
【数5】 これら(10)式及び(11)式において、Vth(Sim) 及びΔV
th(Sim) は上述したステップ102の処理で得られたし
きい値電圧及びしきい値電圧の基板バイアス依存性を示
しており、Vth(Tar) 及びΔVth(Tar) は、半導体電気
特性測定装置10の測定により得られた目標値としての
しきい値電圧及びしきい値電圧の基板バイアス依存性を
示している。また、err1及びerr2は、しきい値
電圧及びしきい値電圧の基板バイアス依存性について、
目標値からのずれの許容できる限界値である。
【0042】しきい値電圧Vth(Sim) について(10)式を
満足し、かつ、全てのしきい値電圧の基板バイアス依存
性ΔVth(Sim) のそれぞれについて(11)式を満足したと
きには、上述したように、ステップ101でB−スプラ
イン関数表現化された不純物プロファイルが最終的に得
られた不純物プロファイルとして出力される。
【0043】これに対して、しきい値電圧Vth(Sim)
各しきい値電圧の基板バイアス依存性ΔVth(Sim) のい
ずれか一つでも、(10)式又は(11)式の条件を満足しない
場合には、上述したように、ステップ104に移行し
て、(1) 式におけるパラメータの変更を行なうことにな
る。ここで例えば、しきい値電圧Vth(Sim) についての
み条件を満足しない場合には、図7を用いて説明したよ
うに、しきい値電圧は、チャネル表面側の不純物濃度に
よって変化するものであるので、(1) 式に示す関数f
(x)においてチャネル表面側の形状に影響を与えるパ
ラメータを変更させることになる。
【0044】以上のように、第1の実施形態によれば、
実際に製作されたMOSFETの電気特性に合わせるよ
うにチャネルプロファイルを抽出するようにしたので、
実際に製作されたMOSFETのチャネルプロファイル
に良くマッチしたチャネルプロファイルを抽出すること
ができる。
【0045】また、第1の実施形態によれば、実際に製
作されたMOSFETの電気特性に合わせるようにチャ
ネルプロファイルを抽出するようにしたので、抽出した
不純物プロファイルは当然に電気特性を保証することが
できる。
【0046】さらに、第1の実施形態によれば、しきい
値電圧等の測定を含め、試料や製作されたMOSFET
を破壊することなく、不純物プロファイルを抽出するこ
とができる。
【0047】さらにまた、第1の実施形態によれば、不
純物プロファイルの補間関数として、任意の形を表現で
きるB−スプライン関数を利用しているので、複雑な形
状の不純物プロファイルを適切に関数表現することがで
きる。また、B−スプライン関数のパラメータ変数は、
不純物プロファイルの各領域で設定可能なため、不純物
プロファイルの部分的な修正を容易にすることができ、
この点からも、複雑な形状の不純物プロファイルを適切
に関数表現することができる。
【0048】また、第1の実施形態によれば、初期不純
物プロファイルとしてプロセスシミュレーションから得
られた不純物プロファイルを用いるようにしたので、チ
ャネルプロファイルの解の存在範囲を保証し、全てシミ
ュレーション上での作業でチャネルプロファイルを求め
られ、TATを削除でき、開発コストを節約することが
できる。
【0049】因に、初期不純物プロファイルとして、作
業者が任意の形状を設定したり、既に製品化された同種
の他のMOSFETの形状を設定したりすることも可能
であるが(これ自体、本発明の他の実施形態を構成して
いる)、チャネルプロファイルの解の存在範囲を保証で
きない。
【0050】(B)第2の実施形態 図8は、本発明によるFETチャネルプロファイル抽出
方法の第2の実施形態における、チャネルプロファイル
演算装置11の処理を示すフローチャートである。な
お、図8において、図1との同一、対応処理には同一符
号を付して示している。
【0051】図8及び図1のステップ100の処理の比
較から明らかなように、この第2の実施形態は、初期不
純物プロファイルとして、従来の技術の項で説明したS
IMS法を適用して得た不純物プロファイルを用いてい
る点が、第1の実施形態とは異なっており、その他の点
は、第1の実施形態と同様である。
【0052】この第2の実施形態によっても、最終的な
不純物プロファイルを得るためには試料グループ(TE
G)を用いた破壊検査が必要であるという点を除き、第
1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0053】(C)第3の実施形態 次に、本発明によるFETチャネルプロファイル抽出方
法の第3の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0054】上記第1の実施形態の説明においては、ス
テップ101の処理におけるB−スプライン関数の節点
の位置の決定には、B−スプライン補間における既存の
アルゴリズムを適用できると説明した。第3の実施形態
は、この節点位置の決定に特徴を有するものであり、第
1又は第2の実施形態のステップ101の処理を改良し
たものである。
【0055】図9は、第3の実施形態におけるステップ
101のB−スプライン関数表現化の処理を、節点位置
の決定面から詳細に示したものである。また、図10
は、かかる処理の補助説明図である。
【0056】B−スプライン関数表現化の処理において
はまず、(1) 式に示した不純物プロファイル関数f
(x)を算出する(ステップ200)。この処理には、
第3の実施形態の特徴はないので、その詳細説明は省略
する。
【0057】次に、不純物プロファイルを関数表現する
補間領域の全領域(図10の例においては深さHSから
HEの範囲)について、得られた不純物プロファイル
(関数f(x))と、その算出前の不純物プロファイル
(初期不純物プロファイル又は1回前のステップ101
による不純物プロファイル)とのずれパラメータ(後述
するERR)を算出して一致性を判断する(ステップ2
01、202)。
【0058】ここで、1回前のステップ101による不
純物プロファイルにおける補間領域の全領域内の深さx
j (jは1〜n)の不純物濃度をyj とすると、このス
テップ201の処理は、まず、(13)式に示す重み係数w
j を用いた(12)式に示す重み付け偏差2乗和ERRを求
め、これを予め定められている判断用しきい値THERR
と比較することで、一致性を判断する。
【0059】
【数6】 (12)式は、深さxj における今回のステップ200で得
られた不純物プロファイル関数f(x)での値f(xj
)と、1回前のステップ101による不純物プロファ
イルの深さxj におけるデータ濃度yj との差分2乗
に、重み係数wj を乗算し、この重み付け偏差2乗を、
補間領域の全領域におけるデータ群(xj ,yj )につ
いて累積したものをずれパラメータERRとすることを
表している。ここで、重み係数wj としては、(13)式に
示すように、最大不純物濃度ymax に対するそのデータ
濃度yj の比であるので、データ濃度yj が大きい深さ
xj ほど重みが大きくなっている。従って、データ濃度
yj が大きいほど、今回の濃度f(xj )とのずれが大
きくずれパラメータERRに寄与するようになってお
り、一致性の判断にも大きく影響するようになってい
る。
【0060】ステップ202の判断の結果、今回の不純
物プロファイル関数f(x)が直前の不純物プロファイ
ルとほぼ一致しているという結果を得た場合には、今回
の不純物プロファイル関数f(x)を、ステップ102
の処理に引き渡す。
【0061】これに対して、ずれパラメータERRが大
きいと判断すると、全補間領域が節点に分けられた各部
分補間領域毎に、(12)式を適用して、ずれパラメータ
(重み付け偏差2乗和)ERRs (sは各部分補間領域
を特定するパラメータ)を算出し(ステップ203)、
ずれパラメータERRs が最も大きい部分補間領域の例
えば中央の深さに節点を追加して(ステップ204)、
不純物プロファイル関数f(x)の算出ステップ200
に戻る。
【0062】図10(b)に示すように節点が割り当て
られ、図10(a)に示すように、全補間領域HS〜H
Eが3個に区分されている場合において、例えば、全補
間領域に対するずれパラメータERRが大きく、それに
より各領域1、2、3について求めたずれパラメータE
RR1 、ERR2 、ERR3 のうち、ずれパラメータE
RR1 が最も大きいときには、図10(d)に示すよう
に、今までの領域1の中間に節点を追加し、図10
(c)に示すように、全補間領域HS〜HEを4区分
し、不純物プロファイル関数f(x)を算出し直すこと
になる。
【0063】この第3の実施形態によっても、基本的な
処理の流れは、第1及び第2の実施形態と同様であるの
で、同様な効果を奏することができる。
【0064】これに加えて、第3の実施形態によれば、
B−スプライン関数を用いた補間精度を一段と高めるこ
とができるという効果を奏する。すなわち、節点を追加
させる処理において、不純物濃度を反映させた重み付け
を考慮しない場合、SIMS法による初期不純物プロフ
ァイル等のB−スプライン関数表現では、基板の深い低
濃度領域で誤差を多く含むため、不純物プロファイル上
重要度が低い基板の深い領域に節点位置を増やすことに
なるが、不純物濃度の関数として重み付けを扱うことに
より、不純物プロファイル上重要度が高いチャネル表面
側に節点位置を多く発生でき、チャネル表面の補間精度
を向上させることができる。
【0065】なお、この第3の実施形態において、節点
の追加判断、追加処理は、初期不純物プロファイルが得
られてステップ101の関数表現化に移行してきたとき
のみ実行するようにしても良く、また、この場合に加え
て、ステップ104のパラメータ更新が実行された後に
ステップ101の関数表現化に移行してきたときにも実
行するようにしても良い。
【0066】また、節点の追加判断に供するずれパラメ
ータとして、重み付け偏差2乗和に代えて、重み付け偏
差絶対値の総和を適用するようにしても良い。
【0067】(D)第4の実施形態 次に、本発明によるFETチャネルプロファイル抽出方
法の第4の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0068】この第4の実施形態は、不純物プロファイ
ルをB−スプライン関数を用いて関数表現化する補間領
域をもパラメータとして出力する不純物プロファイル関
数f(x)を得るようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0069】図11は、この第4の実施形態の特徴処理
の説明図である。なお、この図11における曲線部分C
i Bi (x)の形状は実際上のものとは異なり、特徴処
理の説明の便宜上、簡単な形状で示している。また、図
11においては、B−スプライン関数Bi,k (x)をそ
の多項式の次数を表すパラメータkを省略して示してい
る。
【0070】今、図11(a)に示すように、補間領域
がHS〜HEの範囲で、不純物プロファイルについて、
ある程度良好なB−スプライン関数表現化(関数f
(x))が実行されたとする。このような状態におい
て、図11(b)に示すように、係数Ci を固定したま
ま、補間領域をHS〜HE’に変化させ、各節点の位置
も(HS−HE)/(HS−HE’)の比率で変化さ
せ、これによって得られた新たなB−スプライン関数B
i ’(x)に今までの係数Ci を適用して、新たな不純
物プロファイル関数f(x)を求める。
【0071】このように係数Ci を固定化させておき、
補間領域をパラメータとして種々変化させ、実製品から
のしきい値電圧Vth及び基板バイアス依存性ΔVthに最
もフィットするように不純物プロファイルを得る。
【0072】ここで、補間領域の初期値としては、基板
と酸化膜の界面から基板に向かって拡がる空乏層幅の
1.2倍や1.5倍等の1倍から2倍の間の任意の長さ
に選定しておき、補間領域をパラメータとして変更させ
る場合には、例えば、その空乏層幅の1〜2倍の間で変
化させる。
【0073】補間領域をパラメータとしたチャネルプロ
ファイル演算装置11の処理の流れは任意であるが、一
例を示すと、図12に示すものを挙げることができる。
なお、図12は、この実施形態の特徴を分かり易いよう
に示したものであり、ステップ101A〜104Aは、
ステップ101〜104と融合させた形で処理を実現す
るようにしても良いことは勿論である。
【0074】補間領域以外をパラメータとした最適な不
純物プロファイルのシミュレーション探索を最初に実行
し(ステップ100〜104)、その後、その不純物プ
ロファイルの係数Ci を固定化した、しかも、補間領域
だけをパラメータとした最適な不純物プロファイルのシ
ミュレーション探索を実行するようにする(ステップ1
01A〜104A)。なお、ステップ103の判断基準
を、ステップ103Aの判断基準より甘くしておく。ま
た、ステップ101AのB−スプライン関数表現化にお
いては、係数Ci を固定値として取扱う。
【0075】この第4の実施形態によっても、基本的な
処理の流れは、第1及び第2の実施形態と同様であるの
で、同様な効果を奏することができる。
【0076】これに加えて、第4の実施形態によれば、
B−スプライン関数を用いた補間領域をもパラメータと
して、実製品の電気特性にフィットする最適な不純物プ
ロファイルを探索するようにしたので、補間精度を一段
と高めることができるという効果を奏する。ここで、補
間領域だけをパラメータとして処理する際には、処理パ
ラメータ数が少なく、処理を容易かつ迅速に実行するこ
とができる。
【0077】なお、上記の説明においては、最適な係数
Ci の探索をも行なうものを示したが、初期不純物プロ
ファイルを処理して係数Ci を決定した後は、補間領域
だけをパラメータとして処理するようにしても良い。
【0078】(E)第5の実施形態 次に、本発明によるFETチャネルプロファイル抽出方
法の第5の実施形態を図面を参照しながら説明する。こ
こで、図13は、第5の実施形態のチャネルプロファイ
ル演算装置11が実行する処理を示すフローチャートで
あり、図1との同一、対応部分には同一符号を付して示
している。
【0079】この第5の実施形態は、図13に示すよう
に、不純物プロファイル関数f(x)を算出したときに
は、更新するパラメータ変数を定義するためにしきい値
電圧Vth及びその基板バイアス依存性ΔVthの感度解析
を行ない、その後ステップ104に進んだときには、感
度の高いパラメータだけを変数として更新させるように
したことを特徴とするものである。
【0080】不純物プロファイル関数f(x)の算出後
に実行されるしきい値電圧Vth及びその基板バイアス依
存性ΔVth(t) (tは第t番目の基板バイアス依存性を
表す)の感度解析処理例として、図14に示すものを挙
げることができる。
【0081】全てのパラメータのそれぞれについて、所
定量だけ変化させた場合のしきい値電圧Vth及びその基
板バイアス依存性ΔVth(t) の変化量を算出して格納す
る(ステップ300〜303)。ここで、パラメータの
変化量も複数段階にしても良い。例えば、係数C1 を変
化させた場合、図7に示した不純物プロファイルの山の
部分が持ち上がり、図7を用いて説明したように、不純
物濃度分布の影響を受けるしきい値電圧Vth及びその基
板バイアス依存性ΔVth(t) もそれに応じて変化する。
【0082】その後、各パラメータの変化量に対するし
きい値電圧Vth及びその基板バイアス依存性ΔVth(t)
の変化量に基づいて、(10)式及び(11)式に示した収束条
件の不満足の組み合わせ(ここではその符号も問題とす
る)と、更新すべきパラメータ及び更新方向との対応関
係を作成する(ステップ304)。
【0083】このような感度解析結果が、ステップ10
4のパラメータ更新処理で利用され、必要なパラメータ
だけが更新される。
【0084】この第5の実施形態によっても、基本的な
処理の流れは、第1及び第2の実施形態と同様であるの
で、同様な効果を奏することができる。
【0085】これに加えて、第5の実施形態によれば、
不純物プロファイル関数f(x)が得られた際に感度解
析を行ない、しきい値電圧Vth及びその基板バイアス依
存性ΔVth(t) に感度のないパラメータを予め除き、感
度のあるパラメータのみを変数として更新させるように
したので、ステップ101の処理時間を平均的に見て低
減できるという効果をも奏する。
【0086】(F)第6の実施形態 次に、本発明によるFETチャネルプロファイル抽出方
法の第6の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0087】第6の実施形態は、イオン種の異なる2つ
以上の不純物プロファイルを有する埋め込み型MOSF
ETのチャネルプロファイルを抽出するものである。
【0088】所望の各種電気特性を得るための不純物プ
ロファイルが、2つ以上のイオン種の異なる不純物から
構成される場合、(5) 式で扱われる不純物濃度が正味の
不純物濃度Γとして扱われるため、得られる不純物プロ
ファイルは、図15(a)に示す正味の不純物濃度であ
る。この正味の不純物濃度を得るための方法として、2
つ以上のイオン種の異なる不純物(図15(b)ではA
及びBで表している)に分離して取扱うことで、最終的
に所望するチャネルプロファイルを得るようにしてい
る。例えば、2種類の不純物をドーピングする場合であ
れば、不純物の組み合わせとして、ボロン及びリンや、
ボロン及びヒ素の組み合わせが用いられることが多い。
【0089】図16は、このようなイオン種の異なる2
つ以上の不純物を用いた埋め込みチャネル型MOSFE
Tのチャネルプロファイルの抽出処理を示すフローチャ
ートである。以下では、不純物種類が2個として説明す
る。
【0090】まず、各種類の不純物についてそれぞれ、
SIMS法やプロセスシミュレーションによって、以下
の処理の出発値となる初期の不純物プロファイルを得る
(ステップ400)。そして、得られた各初期不純物プ
ロファイルをB−スプライン関数を用いて関数表現化す
る(ステップ401)。その後、パラメータ感度解析を
行ない、それそれの不純物についての不純物プロファイ
ル関数で更新処理に供するパラメータ(数や領域分割位
置)を決定する(ステップ402)。
【0091】その後、最適な合成不純物プロファイル
(チャネルプロファイル)の探索に進むが、まず、しき
い値電圧の基板バイアス依存性ΔVthに与える影響が大
きい、深い領域までドーピングされている不純物(図1
5(b)における不純物Bが該当する)について、その
不純物プロファイルを決定する。
【0092】なお、以下では、図15(b)における不
純物Bに該当する不純物のチャネルプロファイルを第1
の不純物プロファイルと呼び、図15(b)における不
純物Aに該当する不純物のチャネルプロファイルを第2
の不純物プロファイルと呼ぶこととする。
【0093】第1の不純物プロファイルの決定処理にお
いては、第1及び第2の不純物プロファイルを融合させ
たチャネルプロファイルから、しきい値電圧の基板バイ
アス依存性ΔVth(=ΔVth(Sim) )を求め(ステップ
403)、その算出された基板バイアス依存性ΔVth
(Sim) と、半導体電気特性測定装置11が実製品から測
定した基板バイアス依存性ΔVth(=ΔVth(Tar) )と
の偏差絶対値が予め定められている所定値err3以下
になっているか否かを判定し(ステップ404)、否定
結果を得たときには、上述したパラメータ感度解析結果
に基づいて、『第1の不純物プロファイル』のパラメー
タを更新し(ステップ405;必要ならば再度の関数表
現化を含む)、上述したしきい値電圧の基板バイアス依
存性ΔVth(=ΔVth(Sim) )の算出処理に戻り、この
ようなステップ403〜405でなる処理ループを、ス
テップ404で肯定結果が得られるまで繰返す。
【0094】このように、深い領域までドーピングされ
ている不純物の第1の不純物プロファイルの決定処理に
おいては、他方の第2の不純物プロファイルを固定化さ
せ、しきい値電圧の基板バイアス依存性ΔVthについて
の許容誤差条件を満足させるように、『第1の不純物プ
ロファイル』だけを逐次修正させて決定する。
【0095】以上のようにして、第1の不純物プロファ
イルを決定すると、次に、しきい値電圧Vthに与える影
響が大きい、浅い領域にドーピングされている不純物
(図15(b)における不純物Aが該当する)につい
て、その第2の不純物プロファイルを決定する。
【0096】ここで、最初に第1の不純物プロファイル
を決定した後、第2の不純物プロファイルを決定するよ
うにしたのは、第1の不純物プロファイルの方が広い範
囲に渡っていてその形状が第2の不純物プロファイルよ
り単純で決定し易いこと、第2の不純物プロファイルの
方がしきい値電圧に影響を与えるのでより正確に決定す
る必要があり、その決定のために他の要素を補償してお
く必要があること、に基づいている。
【0097】第2の不純物プロファイルの決定処理にお
いては、第1及び第2の不純物プロファイルを融合させ
たチャネルプロファイルから、しきい値電圧Vth(=V
th(S im) )を求め(ステップ406)、その算出された
しきい値電圧Vth(Sim) と、半導体電気特性測定装置1
1が実製品から測定したしきい値電圧Vth(=Vth(T
ar) )との偏差絶対値が予め定められている所定値er
r4以下になっているか否かを判定し(ステップ40
7)、否定結果を得たときには、上述したパラメータ感
度解析結果に基づいて、『第2の不純物プロファイル』
のパラメータを更新し(ステップ408;必要ならば再
度の関数表現化を含む)、上述したしきい値電圧Vth
(=Vth(Sim) )の算出処理に戻り、このようなステッ
プ406〜408でなる処理ループを、ステップ408
で肯定結果が得られるまで繰返す。
【0098】このように、浅い領域にドーピングされて
いる不純物の第2の不純物プロファイルの決定処理にお
いては、他方の第1の不純物プロファイルを固定化さ
せ、しきい値電圧Vthについての許容誤差条件を満足さ
せるように、『第2の不純物プロファイル』だけを逐次
修正させて決定する。
【0099】以上のようにして、第1及び第2の不純物
プロファイルが決定されると、第2の不純物プロファイ
ルの決定(修正)により、しきい値電圧の基板バイアス
依存性ΔVthも変化するので、その許容誤差条件を満足
しているかを再確認する。すなわち、決定された第1及
び第2の不純物プロファイルを融合させたチャネルプロ
ファイルから、しきい値電圧の基板バイアス依存性ΔV
th(=ΔVth(Sim) )を求め(ステップ409)、その
算出された基板バイアス依存性ΔVth(Sim) と、半導体
電気特性測定装置11が実製品から測定した基板バイア
ス依存性ΔVth(=ΔVth(Tar) )との偏差絶対値が予
め定められている所定値err3以下になっているか否
かを判定する(ステップ410)。
【0100】ここで、否定結果を得た場合には、第1の
不純物プロファイルの決定処理(ステップ403〜40
5)に戻り、肯定結果を得た場合には、チャネルプロフ
ァイルを出力する。
【0101】第6の実施形態は、埋め込みチャネル型M
OSFETを対象としているが、この第6の実施形態に
よっても、実際に製作されたMOSFETの電気特性に
合わせるようにチャネルプロファイルを抽出するように
しているので、既述した各実施形態におけると同様な効
果を得ることができる。しかも、しきい値電圧の基板バ
イアス依存性ΔVthに感度がある深い領域のプロファイ
ルを先に決定することにより、解の存在範囲を限定で
き、解を収束の方向に良好に導け、チャネルプロファイ
ルを高精度に抽出することができる。
【0102】なお、3個以上の不純物がドーピングされ
ている場合には、深い領域までドーピングされている不
純物のプロファイルから浅い位置にドーピングされてい
る不純物の順序で各不純物プロファイルを決定し、その
際、深い領域ほど基板バイアス電圧の逆バイアスが大き
い基板バイアス依存性ΔVthを指標とし、浅い領域でし
きい値電圧Vth自体を指標とする。また、しきい値電圧
Vth及びその基板バイアス依存性ΔVthに対する各不純
物プロファイルの感度が同じ、又は、同等の場合、それ
らのプロファイルを1つにまとめることもでき、あたか
もイオン種が少ないように取扱うこともできる。
【0103】(G)第7の実施形態 次に、本発明によるFETチャネルプロファイル抽出方
法及び装置の第7の実施形態を図面を参照しながら説明
する。この第7の実施形態も、イオン種の異なる2つ以
上の不純物プロファイルを有する埋め込み型MOSFE
Tのチャネルプロファイルを抽出するものである。
【0104】図17は、第7の実施形態のチャネルプロ
ファイル演算装置11の処理を示すフローチャートであ
り、図1との同一、対応処理には同一符号を付して示し
ている。
【0105】この第7の実施形態においては、イオン種
の異なる2つ以上の不純物プロファイルを有する埋め込
み型のチャネルプロファイルを抽出するために、まず、
各不純物についての初期不純物プロファイルを、例え
ば、SIMS法等によって得た場合には、それぞれのイ
オン種の異なる不純物のプロファイルをネットドーピン
グ(Net Doping;正味の不純物濃度)として
1本化する(ステップ100)。
【0106】これにより、あたかも1種類の不純物と同
様に取扱うことができるようになり、これ以降は、第1
の実施形態と同様に処理する(ステップ101〜10
4)。
【0107】第7の実施形態も、埋め込みチャネル型M
OSFETを対象としているが、この第7の実施形態に
よっても、実際に製作されたMOSFETの電気特性に
合わせるようにチャネルプロファイルを抽出するように
しているので、既述した第1〜第5実施形態におけると
同様な基本的な効果を得ることができる。ここで、第6
の実施形態と比較した場合、イオン種の異なる2つ以上
の埋め込み型のチャネルプロファイルをネットドーピン
グとして1本化して不純物プロファイルを抽出するの
で、抽出精度が若干悪くなる恐れがある反面、パラメー
タ数を低減できて高速に不純物プロファイルを抽出でき
る利点がある。
【0108】(H)他の実施形態 上述においては、本発明の各種特徴を理解し易いよう
に、特徴毎に別個の実施形態を示したが、上記各実施形
態の技術的思想を組み合わせるようにしても良い。例え
ば、第1又は第2の実施形態に、第3〜第5の実施形態
の技術的思想を盛り込むようにしても良く、また、第6
の実施形態に第3〜第5の実施形態の技術的思想を盛り
込むようにしても良い。
【0109】図18は、前者の組み合わせ例における初
期不純物プロファイル、真の不純物プロファイル及び抽
出された不純物プロファイルを示しており、図19は、
後者の組み合わせ例における初期不純物プロファイル、
真の不純物プロファイル及び抽出された不純物プロファ
イルを示している。これらの図18及び図19からは、
初期不純物プロファイルが真の不純物プロファイルから
かなりずれていても、抽出結果の不純物プロファイルが
真の不純物プロファイルに非常に良く一致していること
が分かる。
【0110】また、上記各実施形態においては、不純物
プロファイルの抽出対象がMOSFETの場合を示した
が、MESFETやMISFET等の他のFETの不純
物プロファイルの抽出に本発明を適用できることは勿論
である。
【0111】さらに、上記各実施形態においては、不純
物プロファイルの関数表現化を、B−スプライン関数を
用いて行なうものを示したが、既述したように、非対称
ガウス分布やピアソン分布等の他の関数を用いて不純物
プロファイルを関数表現化するものであっても良い。
【0112】さらにまた、上記各実施形態においては、
最適な不純物プロファイルを探索するための初期値とし
ての不純物プロファイルを、プロセスシミュレーション
又はSIMS法によって得るものを示したが、これ以外
の方法によっても良いことは勿論である。例えば、同様
なFET構造の他のFETについて過去に抽出した不純
物プロファイルを初期不純物プロファイルとすることも
できる。
【0113】また、上記各実施形態においては、最適な
不純物プロファイルの探索を打ち切るか否かを決定する
ための電気特性がしきい値電圧(及びその基板バイアス
依存性)であるものを示したが、不純物プロファイルに
よって特性値が変化する、しかも、実製品から測定可能
な他の電気特性を用いるようにしても良い。例えば、ゲ
ート電圧(VG )−ドレイン電流(ID )特性の非飽和
領域における所定のゲート電圧でのドレイン電流(及び
その基板バイアス依存性)を、最適な不純物プロファイ
ルの探索を打ち切るか否かを決定するための電気特性と
することもできる。
【0114】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、不純物
プロファイルの抽出の出発値となる初期不純物プロファ
イルを定めた後、不純物プロファイルをB−スプライン
関数を用いて関数表現化し、この関数表現化された不純
物プロファイルを用いて、FETのしきい値電圧及びそ
の基板バイアスの依存性を演算し、この演算されたしき
い値電圧及びその基板バイアスの依存性と目標とするし
きい値電圧及びその基板バイアスの依存性とを比較し、
演算されたしきい値電圧及びその基板バイアスの依存性
が目標とするしきい値電圧及びその基板バイアスの依存
性に許容誤差内で一致するまで関数表現化された不純物
プロファイルを修正し、演算されたしきい値電圧及びそ
の基板バイアスの依存性が目標とするしきい値電圧及び
その基板バイアスの依存性に許容誤差内で一致したとき
の関数表現化された不純物プロファイルを抽出結果と
し、不純物プロファイルの関数表現化に供した濃度デー
タと、関数表現化後の濃度データとの偏差の2乗又は絶
対値にその濃度に応じた重み付けを行ない、この重み付
け偏差2乗又は重み付け偏差絶対値の総和を評価値とし
て、B−スプライン関数の節点位置を追加するか否かを
決定し、追加する場合には関数表現化をやり直すことと
したので、抽出結果の不純物プロファイルは所望の電気
特性を保証でき、また、電気特性の目標値を実際に製作
されたFETから得ている場合には、抽出された不純物
プロファイルは真の不純物プロファイルに非常に一致し
たものとなる。
【0115】ここで、初期不純物プロファイルとして非
破壊的な方法で得たものを適用でき、この場合には、抽
出結果となる不純物プロファイルを得るにつき、一切の
破壊的な測定方法等を不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のプロファイル抽出処理を示す
フローチャートである。
【図2】SIMS法によるプロファイル抽出方法の説明
図である。
【図3】第1の実施形態に係る装置構成を示すブロック
図である。
【図4】抽出処理で指標とするしきい値電圧の説明図で
ある。
【図5】一般的なプロファイル形状を示す説明図であ
る。
【図6】第1の実施形態のB−スプライン関数表現化の
説明図である。
【図7】しきい値電圧及びその基板バイアス依存性と、
プロファイルとの関係説明図である。
【図8】第2の実施形態のプロファイル抽出処理を示す
フローチャートである。
【図9】第3の実施形態の節点追加判断処理を示すフロ
ーチャートである。
【図10】第3の実施形態の節点追加判断処理の説明図
である。
【図11】第4の実施形態の補間領域の変更処理の説明
図である。
【図12】第4の実施形態の補間領域の変更処理を含む
プロファイル抽出処理を示すフローチャートである。
【図13】第5の実施形態のプロファイル抽出処理を示
すフローチャートである。
【図14】第5の実施形態のパラメータ感度解析の詳細
フローチャートである。
【図15】埋め込み型MOSFETのチャネルプロファ
イルの説明図である。
【図16】第6の実施形態のプロファイル抽出処理を示
すフローチャートである。
【図17】第7の実施形態のプロファイル抽出処理を示
すフローチャートである。
【図18】本発明により抽出された不純物プロファイル
を示す説明図(1)である。
【図19】本発明により抽出された不純物プロファイル
を示す説明図(2)である。
【符号の説明】
10…半導体電気特性測定装置、11…チャネルプロフ
ァイル演算装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 林洋一、黒田茂樹、甲斐和彦、劉国 林、福田浩一、西謙二,インバースモデ リング技術を用いたMOSFETチャネ ルプロファイル抽出法の検討,電子情報 通信学会技術研究報告 信学技報,日 本,社団法人電子情報通信学会,1995年 9月14日,Vol.95,No.231, PP.23−28 林洋一、黒田茂樹、甲斐和彦、劉国 林、福田浩一、西謙二,インバースモデ リングによるMOSFETチャネルプロ ファイルの抽出法の検討〜B−スプライ ン関数を用いた,1995年(平成7年)春 季第42回応用物理学関係連合講演会予稿 集第0分冊,日本,(社)応用物理学 会,1995年 3月28日,28a−TF− 4,タイトル欠損有り 林洋一、黒田茂樹、甲斐和彦、劉国 林、福田浩一、西謙二,インバースモデ リングによるMOSFETチャネルプロ ファイル抽出法〜埋込みチャネルプロフ ァイルへの適用,1995年(平成7年)秋 季第56回応用物理学会学術講演会予稿集 第2分冊,日本,(社)応用物理学会, 1995年 8月26日,27a−ZQ−2,タ イトル欠損有り (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/336 H01L 29/78 G01R 31/26 H01L 29/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FETチャネルの不純物プロファイルを
    抽出するFETチャネルプロファイル抽出方法におい
    て、 不純物プロファイルの抽出の出発値となる初期不純物プ
    ロファイルを定めた後、不純物プロファイルをB−スプ
    ライン関数を用いて関数表現化し、この関数表現化され
    た不純物プロファイルを用いて、FETのしきい値電圧
    及びその基板バイアスの依存性を演算し、この演算され
    たしきい値電圧及びその基板バイアスの依存性と目標と
    するしきい値電圧及びその基板バイアスの依存性とを比
    較し、演算されたしきい値電圧及びその基板バイアスの
    依存性が目標とするしきい値電圧及びその基板バイアス
    の依存性に許容誤差内で一致するまで関数表現化された
    不純物プロファイルを修正し、演算されたしきい値電圧
    及びその基板バイアスの依存性が目標とするしきい値
    及びその基板バイアスの依存性に許容誤差内で一致し
    たときの関数表現化された不純物プロファイルを抽出結
    果とし、不純物プロファイルの関数表現化に供した濃度
    データと、関数表現化後の濃度データとの偏差の2乗又
    は絶対値にその濃度に応じた重み付けを行ない、この重
    み付け偏差2乗又は重み付け偏差絶対値の総和を評価値
    として、B−スプライン関数の節点位置を追加するか否
    かを決定し、追加する場合には関数表現化をやり直すこ
    とを特徴とするFETチャネルプロファイル抽出方法。
  2. 【請求項2】 B−スプライン関数のパラメータを一定
    として、不純物プロファイルの関数表現化を行なう補間
    領域を調節し、関数のフィッティング精度を高めること
    を特徴とする請求項1に記載のFETチャネルプロファ
    イル抽出方法。
  3. 【請求項3】 FETチャネルの不純物プロファイルを
    抽出するFETチャネルプロファイル抽出方法におい
    て、 不純物プロファイルの抽出の出発値となる初期不純物プ
    ロファイルを定めた後、不純物プロファイルをB−スプ
    ライン関数を用いて関数表現化し、この関数表現化され
    た不純物プロファイルを用いて、FETのしきい値電圧
    及びその基板バイアスの依存性を演算し、この演算され
    たしきい値電圧及びその基板バイアスの依存性と目標と
    するしきい値電圧及びその基板バイアスの依存性とを比
    較し、演算されたしきい値電圧及びその基板バイアスの
    依存性が目標とするしきい値電圧及びその基板バイアス
    の依存性に許容誤差内で一致するまで関数表現化された
    不純物プロファイルを修正し、演算されたしきい値電圧
    及びその基板バイアスの依存性が目標とするしきい値
    及びその基板バイアスの依存性に許容誤差内で一致し
    たときの関数表現化された不純物プロファイルを抽出結
    果とし、B−スプライン関数のパラメータを一定とし
    て、不純物プロファイルの関数表現化を行なう補間領域
    を調節し、関数のフィッティング精度を高めることを特
    徴とするFETチャネルプロファイル抽出方法。
  4. 【請求項4】 イオン種の異なる2つ以上の不純物がド
    ーピングされている埋め込み型FETのチャネルの不純
    物プロファイルを抽出するFETチャネルプロファイル
    抽出方法において、 イオン種の異なるそれぞれの不純物について初期不純物
    プロファイルを得た後、各初期不純物プロファイルをネ
    ットドーピングとして1本化して不純物プロファイルを
    関数表現化し、その後、1種類の不純物がドーピングさ
    れている場合と同様に、この関数表現化された不純物プ
    ロファイルを用いて、FETの所定の電気特性を演算
    し、この演算された電気特性と目標とする電気特性とを
    比較し、演算された電気特性が目標とする電気特性に許
    容誤差内で一致するまで関数表現化された不純物プロフ
    ァイルを修正し、演算された電気特性が目標とする電気
    特性に許容誤差内で一致したときの関数表現化された不
    純物プロファイルを抽出結果とし、所定の電気特性を指
    標とした最適な不純物プロファイルの探索を行なうこと
    を特徴とするFETチャネルプロファイル抽出方法。
  5. 【請求項5】 上記電気特性が、しきい値電圧及びその
    基板バイアスの依存性であることを特徴とする請求項4
    に記載のFETチャネルプロファイル抽出方法。
  6. 【請求項6】 不純物プロファイルの関数表現化を、B
    −スプライン関数を用いて行なうことを特徴とする請求
    項4又は5に記載のFETチャネルプロファイル抽出方
    法。
  7. 【請求項7】 不純物プロファイルの関数表現化に供し
    た濃度データと、関数表現化後の濃度データとの偏差の
    2乗又は絶対値にその濃度に応じた重み付けを行ない、
    この重み付け偏差2乗又は重み付け偏差絶対値の総和を
    評価値として、B−スプライン関数の節点位置を追加す
    るか否かを決定し、追加する場合には関数表現化をやり
    直すことを特徴とする請求項6に記載のFETチャネル
    プロファイル抽出方法。
  8. 【請求項8】 B−スプライン関数のパラメータを一定
    として、不純物プロファイルの関数表現化を行なう補間
    領域を調節し、関数のフィッティング精度を高めること
    を特徴とする請求項6又は7に記載のFETチャネルプ
    ロファイル抽出方法。
  9. 【請求項9】 上記初期不純物プロファイルとして、2
    次イオン質量分析法によって得られた不純物プロファイ
    ル、又は、FETの製造工程についてのプロセスシミュ
    レーションによって得られた不純物プロファイルを適用
    することを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の
    FETチャネルプロファイル抽出方法。
  10. 【請求項10】 関数表現化した少なくても初期不純物
    プロファイルのパラメータに対し、そのパラメータが電
    気特性に与える影響を検出する感度解析を行ない、最適
    な不純物プロファイルの探索中にパラメータの変更が必
    要になったときに、感度解析結果に基づいて、パラメー
    タの変更を行なうことを特徴とする請求項4〜9のいず
    れかに記載のFETチャネルプロファイル抽出方法。
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林洋一、黒田茂樹、甲斐和彦、劉国林、福田浩一、西謙二,インバースモデリング技術を用いたMOSFETチャネルプロファイル抽出法の検討,電子情報通信学会技術研究報告 信学技報,日本,社団法人電子情報通信学会,1995年 9月14日,Vol.95,No.231,PP.23−28

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