JP5265392B2 - 導電性パターン形成用基材および導電性部材 - Google Patents

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Description

本発明は金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを基材に印刷あるいは塗布する事により、プラズマディスプレイパネル、航空機用液晶パネル、カーナビゲーション用液晶パネル等、各種のフラットディスプレイパネルに貼合して用いられる透明電磁波シールド、RFID、無線LAN、電磁誘導による給電、電磁波吸収等に用いられる種々のアンテナ、各種フラットディスプレイパネルに用いられるバス電極やアドレス電極、あるいは半導体インクや抵抗インク、誘電体インクを併用し多数回の印刷を重ね作製される電子回路等を製造するために用いられる導電性パターン形成用基材および、これを用いて得られる導電性部材に関する。
近年、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを用いたプリンタブルエレクトロニクスが注目されている。
印刷による導電性パターンの製造に関し、従来は銀粉と樹脂バインダーおよび有機溶剤を含む高粘度の導電性樹脂ペーストを、スクリーン印刷方法等の高粘度ペーストに適した印刷方法を用いパターン化していた。しかしながら、適用出来る印刷方法が少ない事、銀粉のサイズが大きいために細線の印刷が困難である事等の理由により、近年は金属超微粒子を含むインクあるいはペーストをインクジェット印刷によりパターン化する試みが盛んになされている。なお、金属超微粒子は分散剤により被覆されているため、塗布・乾燥するだけでは形成されたパターンは導電性を有さず、導電性を発現させるためには分散剤を揮散させ金属超微粒子同士を融合させるために200℃程度での焼結が必要とされる。また、基材に安価なポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる検討も多くされており、ポリエチレンテレフタレートフィルムが軟化しない150℃以下の温度で焼結が可能な銀の金属超微粒子が求められている。
このような150℃以下の低温で焼結可能な金属超微粒子の製造方法として、例えば特開2002−338850号公報(特許文献1)や特開2005−81501号公報(特許文献2)にその製造方法が開示されている。
印刷に用いられる導電性パターン形成用基材としては従来、ガラス類やセラミック類のみならず、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム等の各種フィルムが使用されるが、導電性パターンのにじみによりパターンの微細化への対応が難しく、これらの基材に加工を施した基材も開示されている。例えば特開2003−229653号公報(特許文献3)には金属超微粒子層の下側に、あらかじめ無機酸化物微粒子からなる凝集促進層を設け、金属超微粒子溶液を塗布した際に、下層の無機酸化物微粒子により形成された細孔へ主として溶媒が選択的に浸透することで、金属超微粒子の凝集を促進することが出来る導電性パターン形成用基材が開示されている。
また、本発明者は、特開2008−4375号公報(特許文献4)、特開2008−235224号公報(特許文献5)にて、銀超微粒子を加熱することなく、非常に高い導電性を得ることが可能な導電性パターン形成用基材として、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物や還元性物質等を含有する多孔質層を有する導電性パターン形成用基材を開示している。
しかしながらこれらの多孔質層を有する基材において、形成された導電性パターンの多孔質層に対する密着性が弱いために、擦過等により導電性パターンが簡単に剥がれる、あるいは断線するといった問題があった。
特開2002−338850号公報 特開2005−81501号公報 特開2003−229653号公報 特開2008−4375号公報 特開2008−235224号公報
本発明の目的は、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを用いて形成された導電性パターンの基材に対する密着性が高く、にじみが少なく、かつ優れた導電性が得られる導電性パターン形成用基材および導電性部材を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.支持体上に微粒子と樹脂バインダーからなる多孔質層と該多孔質層の上に樹脂を主成分とする層であって固形分塗布量が0.05〜1g/m の層を有する事を特徴とする導電性パターン形成用基材。
2.上記1に記載の導電性パターン形成用基材に、金属超微粒子を含有するインクあるいはペーストを像様に印刷あるいは塗布することで得られた導電性部材。
3.前記金属超微粒子が主に銀からなる事を特徴とする上記2に記載の導電性部材。
本発明によれば、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを用いて形成された導電性パターンの基材に対する密着性が高く、にじみが少なく、かつ優れた導電性が得られる導電性パターン形成用基材および導電性部材を提供する事が出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における導電性パターン形成用基材とは、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを印刷や塗布等の各種手法を用いてパターン化し導電性パターンを形成するために用いられる基材である。
本発明における導電性パターン形成用基材は、支持体の上に形成された微粒子と樹脂バインダーからなる多孔質層と、更に該多孔質層の上に形成された樹脂を主成分とする層を有する。また、多孔質層および樹脂を主成分とする層は必要に応じ、支持体の両面に設けても良い。
多孔質層は金属超微粒子を含むインクあるいはペーストが含有する分散媒を速やかに吸収する役目を担い、これにより印刷あるいは塗布された導電性パターンのにじみやハジキを抑制する。濡れ広がり易いインクやペーストの場合には、にじみによる配線間の誤接続(所謂ブリッジ)を抑制し、逆に濡れ広がりにくいインクやペーストの場合には、ハジキによる断線を抑制する事が出来る。
樹脂を主成分とする層は、インクあるいはペーストが含有する金属超微粒子同士が融合し形成された金属被膜である導電性パターンと多孔質層間の密着性の向上を担い、擦過や粘着性物質の脱着による剥離を抑制する事が出来る。
本発明における支持体としては、特に限定されるものではなく、ポリエチレン・ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル・塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂類よりなるフィルム、石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)等の各種ガラス、紙、不織布、布、各種金属、各種セラミックス等を挙げる事が出来る。また用途に応じこれら基材を適宜組み合わせる事が出来、例えば、銅箔とポリイミドを積層したフレキシブルプリント基板材料や、紙とポリオレフィン樹脂を積層したポリオレフィン樹脂被覆紙を用いる事が出来る。更には、これらの樹脂等を使用し、立体形状に成型された物体も支持体として使用可能である。
これらの中でもコスト、汎用性の観点から、紙、ポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートからなる支持体が好ましい。
上記した支持体の中でも、各種樹脂からなるフィルム、ガラス、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸液性支持体を用いる場合には、多孔質層を形成する塗液の塗布性と多孔質層の支持体に対する接着性を改善するために、支持体と多孔質層との間に、ゼラチンや各種ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等からなる公知の下塗層を設ける事が好ましい。また、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムでは易接着処理品として下塗層をあらかじめ設けた状態で市販されており、これを用いても良い。また、コロナ処理あるいはプラズマ処理により支持体の濡れ性を改善することも好ましい。
下塗層の固形分塗布量としては、0.5g/m以下であり、好ましくは0.3g/m以下、更に好ましくは0.1g/m以下である。
本発明の多孔質層とは、微粒子と微粒子に対し80質量%以下の樹脂バインダーを含有する層である。用いられる微粒子としては、公知の微粒子を広く用いる事が出来る。例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、非晶質合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の無機微粒子、アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、スチレン/イソプレン系樹脂、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の少なくとも1種以上の樹脂からなる真球状あるいは不定型の無孔質あるいは多孔質の有機微粒子等を挙げることが出来る。無論、上記した無機微粒子の1種以上と有機微粒子の1種以上を混合して用いることも出来る。上記の中でも、吸収性の観点からは無機微粒子を用いる事が好ましく、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物がより好ましく、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物が特に好ましい。また、導電性パターン形成用基材に可撓性が要求される場合には、アルミナ水和物を用いる事が特に好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、およびその他に大別することが出来る。
湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソーシリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。ゾル法シリカは球状の粒子であり多孔質層を形成し難いため沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、沈降法シリカがより好ましい。
本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均凝集粒子径が1〜50μmである湿式法シリカ粒子が好ましい。
平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカ粒子を、平均二次粒子径500nm以下に分散する事がより好ましい。平均二次粒子径を500nm以下に分散する事により、形成される多孔質層中の細孔径が分散を行わない場合よりも微細となるため、金属超微粒子が細孔中に入り込み非導通状態となる事が少なくなり、得られる導電性が良好となる。分散された湿式法シリカの平均二次粒子径は、より好ましくは10〜300nm、導電性パターン形成用基材に透明性が要求される場合には、透明性の観点から更に好ましくは20〜200nmである。分散方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用され、これにはビーズミルなどのメディアミルを用いることが好ましい。ビーズミルは密閉されたベッセル内に充填されたビーズとの衝突により顔料粉砕を行うものであり、(株)シンマルエンタープライゼスよりダイノミルとして、浅田鉄工(株)よりグレンミルとして、アシザワ・ファインテック(株)よりスターミルとして市販されている。メディアミル等を用いて分散した後、更に高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、および薄膜旋回型分散機等を用いて分散することが好ましい。
ここで、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものである。また平均二次粒子径とは、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることが出来るが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することが出来る。また、平均凝集粒子径とは、粉体として供給される湿式シリカの平均粒子径を示し、例えばコールターカウンター法で求めることが出来る。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することが出来る。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
導電性パターン形成用基材に透明性が要求される場合には、本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は40nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250〜500m/g)のものを用いることである。
本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカを用いた場合においても、湿式法シリカと同様に、平均二次粒子径500nm以下に分散する事が好ましい。分散された気相法シリカの平均二次粒子径は、より好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと水を主体とする分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、および薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
平均二次粒子径500nm以下の湿式法シリカあるいは気相法シリカのスラリーを製造する際に、スラリーの高濃度化や分散安定性を向上させるため、公知の種々の方法を用いても良い。例えば、特開2002−144701号公報、特開2005−1117号公報に記載されているが如くアルカリ性化合物の存在下で分散する方法、カチオン性化合物の存在下で分散する方法、シランカップリング剤存在下で分散する方法等を挙げることが出来、カチオン性化合物の存在下で分散する方法がより好ましい。
上記湿式法シリカあるいは気相法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
本発明に使用するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用出来る。
本発明のアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。アルミナ水和物は、一般にアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、およびアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明において、多孔質層を構成する微粒子とともに用いられる樹脂バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコールなど、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂系などの水性接着剤、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤等を挙げることが出来、これらを単独あるいは混合して用いることが出来る。この他、公知の天然、あるいは合成樹脂バインダーを単独であるいは混合して用いることは特に限定されない。
これらの内、ポリビニルアルコールあるいはシラノール変性ポリビニルアルコールが好ましく、特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したポリビニルアルコールあるいはシラノール変性ポリビニルアルコールである。平均重合度は200〜5000のものが好ましい。
微粒子に対する樹脂バインダーの含有量は特に限定されないが、微粒子を用い多孔質層を形成するためには、樹脂バインダーの含有量は、微粒子に対して80質量%以下、更には3〜80質量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜60質量%の範囲であり、特に好ましくは10〜40質量%の範囲である。
本発明は、多孔質層を構成する上記樹脂バインダーと共に必要に応じ硬膜剤を用いることも出来る。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることが出来る。硬膜剤の使用量は特に限定されないが、樹脂バインダーに対して、50質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは30質量%以下である。
樹脂バインダーとしてケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したポリビニルアルコールあるいはシラノール変性ポリビニルアルコールを用いる場合には、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類が好ましく、ホウ酸が特に好ましく、使用量はポリビニルアルコールに対し、40質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、特に好ましくは20質量%以下である。
多孔質層は2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらの多孔質層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。例えば湿式法シリカによる多孔質層の上に、アルミナ水和物による多孔質層が形成されていても良い。
多孔質層の層厚(乾燥時)は、一般に1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
多孔質層は、微粒子と樹脂バインダー等を適当な溶媒に溶解または分散させて塗布液を調製し、該塗布液をスライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式、ダイレクトグラビアロール方式、リバースグラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式等による塗布、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等によるパターンの形成等、公知の各種塗布あるいは印刷方法を利用して、支持体表面の全面、あるいは必要とされる部位への選択的な塗布を行い、形成することが出来る。また、塗布を行った後、鏡面ロールに圧接するキャスト処理を行い表面を平滑にする事や、カレンダー処理を行い表面を平滑にする事も出来る。また、支持体が立体である場合には、ディップ方式や曲面に対応したスクリーン印刷、タンポ印刷(パッド印刷ともいう)等を用いる事が出来る。
本発明の樹脂を主成分とする層の主成分とは、樹脂を主成分とする層の全固形分に対して、65質量%以上が樹脂であり、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。樹脂には、各種水溶性樹脂、各種有機溶剤可溶性樹脂、各種有機微粒子等、塗布により被膜を形成する事が可能な樹脂を広く用いる事が出来る。樹脂を主成分とする層は緻密な被膜として多孔質層上に形成されていても良く、微細な孔を無数に有していても良い。
本発明の樹脂を主成分とする層に用いる水溶性樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース等の水溶性セルロース類、膠、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、フタル化ゼラチン等のゼラチン類、ポリビニルアルコール、シラノール変成ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変成ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カラギーナン、アラビアガム等の多糖類等を広く用いることが出来る。使用する水溶性樹脂は1種類であってもよいし、2種以上混合して用いても良い。水溶性樹脂の分子量は10,000以上であることが好ましく、より好ましくは50,000以上である。水溶性樹脂を用いる場合には、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストに水が含まれている事が好ましい。
本発明の樹脂を主成分とする層に用いる有機微粒子としては、主に水からなる分散媒中に分散状態にあるポリマー微粒子のことであり、各種ラテックスとして容易に入手出来る。材質としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル等の多元樹脂、SBR、NBR、MBR、カルボキシル化SBR、カルボキシル化NBR、カルボキシル化MBR、ビニルピリジン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、エポキシ樹脂等、従来公知のものから広く選ぶ事が出来る。ガラス転移点温度(Tg)が室温以上の有機超微粒子を用いる場合には、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを印刷あるいは塗布した後に、ガラス転移点温度(Tg)以上に加熱することが好ましい。
また、これら有機微粒子のモノマー組成、粒子径、重合度の異なる複数の重合体が混合されて単一粒子内に存在する異相構造粒子を使用することも出来る。
異相構造微粒子としては、特にその構造は限定しない。異相構造粒子の構造例および調整方法は「合成ラテックスの応用(杉村孝明・片岡靖男・鈴木聡一・笠原啓司編集(株)高分子刊行会発行(1993))」に記載されている。例として、コア−シェル構造、複合構造、局在構造、だるま状構造、ラズベリー状構造、多粒子複合構造、みずかき構造、IPN(相互貫入網目構造)などがあるが、本発明においてそれらの構造は特に限定はしない。
使用する有機微粒子は1種類であっても良いし、2種以上混合して用いても良い。また、水溶性樹脂と有機微粒子を併用することも出来る。
本発明の樹脂を主成分とする層に用いる有機溶剤可溶性樹脂としては、ラテックスに使用される樹脂を広く用いることが出来る。また、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ナイロン樹脂等を用いる事も出来る。有機溶剤としては、エタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等、使用する樹脂を溶解可能な溶剤を広く用いる事が出来る。使用する有機溶剤可溶性樹脂は1種類であってもよいし、2種以上混合して用いても良い。有機溶剤可溶性樹脂の分子量は10,000以上であることが好ましい。有機溶剤可溶性樹脂の場合においても、ガラス転移点温度(Tg)が室温以上の有機溶剤可溶性樹脂を用いる場合には、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを印刷あるいは塗布した後に、ガラス転移点温度(Tg)以上に加熱することが好ましい。また、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストには、有機溶剤可溶性樹脂を溶解あるいは膨潤することが可能な溶媒を含むことが好ましい。
このように樹脂を主成分とする層には様々な種類の樹脂を使用する事が出来るが、水溶性樹脂あるいは有機微粒子が使用の簡便さから好ましく、密着性の観点から水溶性樹脂としてはポリビニルアルコール類、ゼラチン類、多糖類がより好ましく、有機微粒子としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル樹脂、エチレン−塩化ビニル樹脂のようにモノマー単位としてアクリル基やビニル基を有する樹脂、ウレタン結合を有するウレタン樹脂がより好ましい。
これら水溶性樹脂、有機微粒子、有機溶剤可溶性樹脂は、水、有機溶剤、必要に応じレベリング剤、界面活性剤等を添加し、樹脂を主成分とする層の形成用塗液として調整される。
樹脂を主成分とする層の固形分塗布量としては、0.01〜5g/mが好ましく、0.05〜1g/mがより好ましい。0.01g/m未満では導電性パターンの導電性パターン形成用基材に対する密着性の改善が不十分となる場合があり、5g/mを超えると、導電性パターン形成用基材表面に強い接着性が発生し、取り扱いが困難となる場合や、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストに含まれる分散媒の多孔質層への吸収を阻害する場合がある。また、固形分塗布量が0.2g/mを超えると、光学干渉により例えば赤色や紫色に発色する事があるため、0.05〜0.2g/mが特に好ましい。
樹脂を主成分とする層の形成用塗液は、スライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式、ダイレクトグラビアロール方式、リバースグラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式、インクジェット方式等による塗布、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等によるパターンの形成等、公知の各種塗布あるいは印刷方法を利用して、あらかじめ支持体上に作製された多孔質層表面の全面、あるいは必要とされる部位への選択的な塗布を行い、樹脂を主成分とする層を形成することが出来る。また、多孔質層が形成された支持体が立体である場合には、多孔質層の形成と同様の方式を用いる事により樹脂を主成分とする層を形成する事が出来る。
樹脂を主成分とする層の形成用塗液の溶剤あるいは分散媒が主に水である場合には、多層スライドカーテン方式、多層スライドビード方式、多層スロットダイ方式等の多層同時塗布が可能な塗布方式を用い、多孔質層と樹脂を主成分とする層を同時に塗布しても良い。また、支持体が搬送されるライン上に複数の塗布装置が設置されるタンデム型の多層塗布装置を用いても良い。
あらかじめ支持体上に形成された多孔質層表面上に樹脂を主成分とする層を形成する場合には、樹脂を主成分とする層の形成用塗液の湿分塗布量を多孔質層の空隙容量以下に制御して塗布する事が、均一な塗布面を得ることが出来るため好ましい。湿分塗布量は、スライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式では塗布する部分(所謂コーターヘッド)への送液量の変化、ダイレクトグラビアロール方式あるいはグラビア印刷ではグラビアロールに刻まれたパターンの細かさや深さの変化、リバースグラビア方式ではグラビアローに刻まれたパターンの細かさや深さの変化および多孔質層を有する支持体の搬送速度とグラビアロールの周速との比率の変化、スクリーン印刷ではスクリーンメッシュの厚み・開口率・線数等の変化、インクジェット方式あるいはインクジェット印刷ではノズル径・駆動周波数・駆動波形・駆動電圧等の変化、ディスペンサー方式ではピストンを駆動する空気の流量の変化、フレキソ印刷であれば刷版に塗液を付与するロールに刻まれたパターンの細かさ・深さ・回転数等の変化により塗布液の供給量を制御する事が出来る。
本発明でいう多孔質層の空隙容量とは、水銀ポロシメーター(測定器名称 Autopore II 9220 製造者 micromeritics instrument corporation)を用い測定・処理された、多孔質層部分における細孔半径3nmから400nmまでの累積細孔容積(ml/g)に、多孔質層の塗布固形分(g/平方メートル)を乗ずる事で、単位面積(平方メートル)当たりの数値として求める事が出来る。
また、樹脂を主成分とする層の形成用塗液の塗布は、剪断速度1000(1/s)以上を与えて塗布することがより好ましい。剪断速度を与えることにより、より均一な塗布面を得ることが出来る。また、特に有機微粒子を用いる場合、有機微粒子が剪断速度を受ける事により、剪断方向に扁平に変形した状態になりながら多孔質層表面に吸着されるため、より均一な厚みの樹脂を主成分とする層を形成することが出来る。剪断速度を与える塗布方式として、スライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式のような塗布液を塗布巾方向に均一に流出するためのスリットを持つ塗布方式、リバースグラビアロール方式等を例示する事が出来、スロットダイ方式、リバースグラビアロール方式がより好ましく、特に好ましくは、リバースグラビアロール方式の中でも、ロールの直径が100mm以下(より好ましくは20〜80mm)の斜線グラビアロール(斜線の溝を有するグラビアロール)を用いる方式である。
本発明における、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストとは、水および/または有機溶媒中に金属超微粒子がコロイドとして分散されているインクあるいはペーストであり、金属種としては、金、銀、銅、ニッケル等を例示する事が出来る。特に高い導電性、価格、生産性、扱いやすさ等の点から主に銀からなる事が好ましい。主に銀からなるとは、金属超微粒子を含むインクあるいはペースト中に含まれる全金属超微粒子の50質量%以上が銀である事であり、好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上であり、銀のみであってもよい。分散している金属超微粒子の平均一次粒子径は、金属超微粒子がコロイドとして安定した分散状態を保持する観点より、平均一次粒子径が200nm以下であることが好ましく、100nm以下である事がより好ましく、更に50nm以下であることが特に好ましい。ここで平均一次粒子径とは、金属超微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均し求めたものである。
本発明における金属超微粒子を含むインクあるいはペースト中に含まれる金属超微粒子の含有量は、金属超微粒子を含むインクあるいはペースト全体の質量に対して1質量%から95質量%が好ましく、より好ましくは、3質量%から90質量%である。
金属超微粒子を含むインクあるいはペーストに用いられる金属超微粒子の分散媒は水および/または有機溶媒であり、水のみ、水と有機溶媒の混合物、有機溶媒のみの構成を挙げることが出来る。水と有機溶媒の混合物の構成としては、有機溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等の水溶性の低沸点溶媒や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の水溶性の高沸点有機溶媒を添加することが出来る。有機溶媒のみの構成としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール系高沸点有機溶媒、ジアセトンアルコール、イソホロン、γ−ブチルラクトン等のケトン系高沸点有機溶媒、2−フェノキシエタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系高沸点有機溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート等のエステル系高沸点有機溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の非プロトン性アミド系高沸点有機溶媒、テレピン油、α−テルピネオール、ミネラルスピリット等が使用される。
金属超微粒子は、不活性ガス中で金属を蒸発させガスとの衝突により冷却・凝縮し回収するガス中蒸発法、真空中で金属を蒸発させ有機溶剤と共に回収する金属蒸気合成法、レーザー照射のエネルギーにより液中で蒸発・凝縮させ回収するレーザーアブレーション法、水溶液中で金属イオンを還元し生成・回収する化学的還元法、有機金属化合物の熱分解による方法、金属塩化物の気相中での還元による方法、酸化物の水素中還元法、紫外線や超音波、マイクロウェーブ等のエネルギーを利用する方法等、公知の種々の方法により製造された金属超微粒子を好ましく用いることが出来る。
金属超微粒子を含むインクあるいはペーストには増粘剤、帯電防止剤、UV吸収剤、可塑剤、高分子バインダー等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよく、例えば、UV硬化樹脂成分を含ませることにより、UV印刷あるいはUVインクジェット方式によるパターン形成に適した特性(UV硬化特性)を持たせることも出来る。
本発明において、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストは、低粘度の溶液状態から高粘度のペースト状態まで任意の形態に調整される。具体的には、導電性パターン形成用基材上に金属超微粒子を付与する方法に適した粘度、表面張力、金属超微粒子の大きさ・含有率等が調整される。例えば、グラビア印刷、インクジェット方式を用いる場合には、粘度を1〜100mPa・sの範囲に調整することが好ましく、凸版印刷やスクリーン印刷を用いる場合には、1〜500Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
高粘度のペースト状態に調整する場合には、金属超微粒子の濃度を高くするだけでは所望の粘度を得ることは困難であるため、高分子バインダーあるいは増粘剤を添加することが好ましい。高分子バインダーとしては、セルロース樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等、公知の各種高分子バインダーを使用することが出来る。増粘剤としてヒドロキシルプロピルセルロースやカルボキシメチルセルロース、ペクチン、ポリスチレンスルホン酸塩類、ポリアクリル酸等、公知の各種増粘剤を使用することが出来る。
本発明に用いられる金属超微粒子を含むインクあるいはペーストには、公知あるいは市販の導電性パターンを形成するために供されている金属超微粒子が含まれるコロイド、インクあるいはペーストを広く用いることが出来る。また、製造方法が簡便であり、下記の導電性発現剤を用いた場合における導電性にも優れている事から、例えばExperiments in Colloid Chemistry,1940,p.19,Hauser,E.A.and Lynn,J.E.に記載される方法の如く、デキストリンを用いて作製される銀超微粒子を用いることが好ましい。
本発明において、金属超微粒子を含むインクあるいはペーストは、様々な印刷方法あるいは塗布方式によりパターンが形成される。例えば線状の塗布を行う事が出来るディスペンサー印刷方法を用いた任意の線状のパターン形成、サーマル、ピエゾ、マイクロポンプ、静電気等の各種方式のインクジェット印刷方法を用いた任意の線状あるいは面状のパターン形成、凸版印刷方法、フレキソ印刷方法、平版印刷方法、凹版印刷方法、グラビア印刷方法、反転オフセット印刷方法、枚葉スクリーン印刷方法、ロータリースクリーン印刷方法等の公知の各種印刷方法により任意のパターンを形成する事が出来る。また、グラビアロール方式、スロットダイ方式、スピンコート方式等、公知の各種塗布方式を用い、導電性パターン形成用基材の全面あるいは一部に連続した面としてパターンを形成する事、間欠塗工ダイコーター等を用い導電性パターン形成用基材の全面あるいは一部に断続した面としてパターンを形成する事、あるいは浸漬塗布方法(ディップ方式ともいわれる)を用い、導電性パターン形成用基材全体に金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを付着させる事も出来る。より好ましい印刷方法としては、インクジェット印刷方法、フレキソ印刷方法、グラビア印刷方法、反転オフセット印刷方法、枚葉スクリーン印刷方法、ロータリースクリーン印刷方法を挙げることが出来る。
これらの方法によりパターン化された金属超微粒子を含むインクあるいはペーストは、含まれている分散媒を揮散させた後、加熱により焼成し導電性パターンとしても良いが、主に銀からなる金属超微粒子を含むインクあるいはペーストを用い、特開2008−4375号公報、特開2008−235224号公報、特願2007−184064号公報に記載される主に銀からなる金属超微粒子に作用し導電性を発現させることが可能な物質(以下、導電性発現剤とする)を支持体、多孔質層、樹脂を主成分とする層、下塗層の何れか、あるいは複数層にわたり含有させ、化学的な作用により金属超微粒子同士を結合し導電性パターンとする事がより好ましい。含有させる層として、多孔質層あるいは樹脂を主成分とする層が特に好ましい。導電性発現剤として特に好ましいのは、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物、チオ硫酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩である。また、これらの物質を複数種類併用することも好ましい態様の一つである。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
《実施例1》
<銀超微粒子分散液1の作製>
内容積250mlのポリプロピレン製容器中に、直径1mmのジルコニアビーズを見かけ上の体積として50mlを投入した。この容器に、純水126gに硝酸銀73.2gおよびデキストリン(日澱化學株式会社製、デキストリンNo.1−A)30.2gを溶解した溶液を入れ、容器全体を氷浴中に浸漬し約5℃まで冷却を行った。これに、純水54.6gに水酸化ナトリウム25.8gを溶解し、約10℃まで冷却した溶液を加え、直ちに容器を密閉し、容器の周囲に冷却済みの市販の保冷剤を巻き付け、毎分600回の振盪速度に設定したペイントシェイカーに装着し、1時間の混練を行い、銀超微粒子の生成を行った。混練後の溶液を酢酸でpH5に調整し、α−アミラーゼ(天野エンザイム株式会社製、ビオザイムF10SD)0.1gを加え撹拌した後、40℃で1時間放置した。その後、遠心分離により銀超微粒子を沈殿させ、この沈殿物に純水を加え再分散した後、エタノールを加え、再び遠心分離を行い銀超微粒子を沈殿させた。この沈殿物に純水を適量入れ、再分散を行い、銀超微粒子が約50質量%含まれた銀超微粒子分散液1を得た。電子顕微鏡にて観察した結果、得られた銀超微粒子の平均一次粒子径は約15nmであった。
<導電性パターン形成用基材1の作製>
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30質量%の無機微粒子分散液を得た。無機微粒子分散液中に分散しているアルミナ水和物の平均二次粒子径は160nmであった。この無機微粒子分散液を用い、下記組成の多孔質層形成塗液1を作製した。
<多孔質層形成塗液1>
無機微粒子分散液 (アルミナ水和物固形分として) 100g
ポリビニルアルコール 12g
(ケン化度88%、平均重合度3500、分子量約150,000)
ホウ酸 0.5g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が16質量%になるように水で調整した。
支持体として、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用い、支持体上に多孔質層形成塗液1をアルミナ水和物の固形分として30g/mとなるようにスライドビード方式を用いて塗布を行い、乾燥機により乾燥し、多孔質層を有する導電性パターン形成用基材1を形成した。支持体上に形成された多孔質層の厚みは約40μmであり、水銀ポロシメーターを用いて測定された空隙容量は23ml/mであった。
<導電性パターン形成用基材2の作製>
上記導電性パターン形成用基材1に、下記組成の導電性発現塗液1を斜線グラビアロールを用いた塗布方式を用いて塗布を行い、乾燥機により乾燥し、導電性パターン形成用基材2を得た。ここで用いた斜線グラビアロールは、直径60mm、斜線角度45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmのグラビアロールであり、リバース回転で用いた。導電性発現剤塗液1の湿分塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し20g/mに設定した。湿分塗布量は塗布中における単位時間当たりの塗布液減少量から求めた。導電性パターン形成用基材2の断面をエネルギー分散型X線分析装置により観察し、塗布された塩化ナトリウムは多孔質層内に存在する事を確認した。
<導電性発現剤塗液1>
塩化ナトリウム 1.0g
水 99.0g
<導電性パターン形成用基材3の作製>
上記導電性パターン形成用基材2上に、下記組成の層形成塗液1を、斜線グラビアロールを用いた塗布方式を用いて塗布を行い、乾燥機により乾燥し、導電性パターン形成用基材3を得た。ここで用いた斜線グラビアロールは、直径60mm、斜線角度45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmのグラビアロールであり、リバース回転で用いた。層形成塗液1の湿分塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し20g/mに設定した。湿分塗布量は塗布中における単位時間当たりの塗布液減少量から求めた。導電性パターン形成用基材3の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にポリビニルアルコールとコロイダルシリカからなる層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液1>
ポリビニルアルコール 0.1g
(ケン化度88%、平均重合度3500、分子量約150,000)
コロイダルシリカ (シリカ固形分として) 0.5g
(日産化学工業株式会社製 スノーテックスAKYL 平均一次粒径60nm)
水 99.4g
<導電性パターン形成用基材4の作製>
上記導電性パターン形成用基材3の作製において、層形成塗液1を下記組成の層形成塗液2へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材4を得た。導電性パターン形成用基材4の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にポリビニルアルコールとコロイダルシリカからなる層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液2>
ポリビニルアルコール 0.3g
(ケン化度88%、平均重合度3500、分子量約150,000)
コロイダルシリカ (シリカ固形分として) 0.3g
(日産化学工業株式会社製 スノーテックスAKYL 平均一次粒径60nm)
水 99.4g
<導電性パターン形成用基材5の作製>
上記導電性パターン形成用基材3の作製において、層形成塗液1を下記組成の層形成塗液3へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材5を得た。導電性パターン形成用基材5の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にポリビニルアルコールとコロイダルシリカからなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液3>
ポリビニルアルコール 0.4g
(ケン化度88%、平均重合度3500、分子量約150,000)
コロイダルシリカ (シリカ固形分として) 0.2g
(日産化学工業株式会社製 スノーテックスAKYL 平均一次粒径60nm)
水 99.4g
<導電性パターン形成用基材6の作製>
上記導電性パターン形成用基材3の作製において、層形成塗液1を下記組成の層形成塗液4へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材6を得た。導電性パターン形成用基材6の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にポリビニルアルコールとコロイダルシリカからなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液4>
ポリビニルアルコール 0.5g
(ケン化度88%、平均重合度3500、分子量約150,000)
コロイダルシリカ (シリカ固形分として) 0.1g
(日産化学工業株式会社製 スノーテックスAKYL 平均一次粒径60nm)
水 99.4g
<導電性パターン形成用基材7の作製>
上記導電性パターン形成用基材3の作製において、層形成塗液1を下記組成の層形成塗液5へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材7を得た。導電性パターン形成用基材7の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にポリビニルアルコールからなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液5>
ポリビニルアルコール 0.6g
(ケン化度88%、平均重合度3500、分子量約150,000)
水 99.4g
<導電性パターン形成用基材8の作製>
上記導電性パターン形成用基材3の作製において、層形成塗液1を下記組成の層形成塗液6へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材8を得た。導電性パターン形成用基材8の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にゼラチンからなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液6>
ゼラチン (分子量約100,000) 2.0g
水 98.0g
<導電性パターン形成用基材9の作製>
上記導電性パターン形成用基材3の作製において、層形成塗液1を下記組成の層形成塗液7へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材9を得た。導電性パターン形成用基材9の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にエチレン塩化ビニル樹脂からなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液7>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50質量%) 1.0g
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
水 99.0g
<導電性パターン形成用基材10の作製>
上記導電性パターン形成用基材3の作製において、層形成塗液1を下記組成の層形成塗液8へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材10を得た。導電性パターン形成用基材10の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にウレタン樹脂からなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液8>
ウレタン樹脂有機微粒子水分散体(濃度30.3質量%) 1.7g
(スーパーフレックス820、第一工業製薬株式会社、
平均粒子径30nm、Tg46℃)
水 98.3g
<導電性パターン形成用基材11の作製>
上記導電性パターン形成用基材3の作製において、層形成塗液1を下記組成の層形成塗液9へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材11を得た。導電性パターン形成用基材11の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にポリアミド樹脂からなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液9>
アルコール可溶メトキシメチル化ポリアミド(濃度20質量%) 5.0g
(トレジン M−20K、分子量約50,000、ナガセケムテックス株式会社)
エタノール 95.0g
<導電性パターン形成用基材12の作製>
上記導電性パターン形成用基材2の作製において、導電性発現剤塗液1を下記組成の層形成塗液10へ変更した以外は同様に作製し、導電性パターン形成用基材12を得た。導電性パターン形成用基材12の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にエチレン塩化ビニル樹脂からなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。
<層形成塗液10>
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50質量%) 1.0g
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
塩化ナトリウム 0.5g
水 98.5g
<導電性パターン形成用基材13の作製>
上記導電性パターン形成用基材2の作製において、導電性発現剤塗液1を下記組成の導電性発現剤塗液2へ変更した以外は導電性パターン形成用基材2と同様にして作製した後に、更に導電性パターン形成用基材7と同様に層形成塗液5の塗布を行い、乾燥機により乾燥し、導電性パターン形成用基材13を得た。導電性パターン形成用基材13の断面を電子顕微鏡にて観察し、多孔質層の上にポリビニルアルコールからなる樹脂を主成分とする層が形成されている事を確認した。また、断面をエネルギー分散型X線分析装置により観察し、塗布されたチオ硫酸ナトリウム・5水和物は多孔質層内に存在する事を確認した。
<導電性発現剤塗液2>
チオ硫酸ナトリウム・5水和物 5.0g
水 95.0g
<導電性パターン形成用基材14の作製>
支持体として、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)を用い、支持体上に下記組成の樹脂層形成塗液1を乾燥厚みで15ミクロンとなるようにスライドビード方式を用いて塗布を行い、乾燥機により乾燥し、樹脂層を有する導電性パターン形成用基材14を形成した。
<樹脂層形成塗液1>
ポリビニルアルコール 10.0g
(ケン化度80〜83%、平均重合度500、分子量約22,000)
ホウ酸 1.0g
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系ノニオン性界面活性剤 0.2g
水 88.8g
<導電性パターン形成用基材15の作製>
導電性パターン形成用基材14に、導電性パターン形成用基材2の作製と同様に下記組成の導電性発現剤塗液3の塗布を行い、導電性パターン形成用基材15を得た。
<導電性発現剤塗液3>
塩化ナトリウム 1.0g
アルキレングリコール系ノニオン性界面活性剤 0.1g
水 98.9g
<ベタ様の金属超微粒子含有部の形成>
導電性パターン形成用基材1から15にワイヤーバーを用いて銀超微粒子分散液1の塗布を行い、導電性パターン形成用基材上にベタ様の金属超微粒子含有部を形成した。
上記のベタ様の金属超微粒子含有部が形成された導電性パターン形成用基材1から15について、以下の評価を行い、その結果を表1に示した。導電性パターン形成用基材2から13および15上に形成されているベタ様の金属超微粒子含有部は、導電性発現剤の作用により若干ポーラスな構造を有する銀被膜へと変化しているため、金属超微粒子はほぼ含まれていないと考えられるが、便宜上金属超微粒子含有部と表記した。
<導電性>
ベタ様の金属超微粒子含有部が形成された導電性パターン形成用基材1から15各々について、シート抵抗値を測定器((株)ダイアインスツルメンツ製 ロレスターGP)を用いて測定した。測定環境は23℃50%RHとした。次に、蛍光X線分析装置(理学電機工業(株)製 RIX1000)により測定された銀量より算出される理論的なシート抵抗値と、実際に測定されたシート抵抗値との比較を行った。理論的なシート抵抗値算出について例示すると、例えば塗布されている銀量が2g/mである場合、計算される厚みは銀の比重の10.5で除して1.905×10−5cmとなる。シート抵抗値は銀の体積抵抗値1.59×10−6Ω・cmをこの厚みで除して得られ、その値は0.083Ω/□と算出される。
この理論的なシート抵抗値に対し、以下の基準に従って導電性を評価した。
◎ :理論的なシート抵抗値の10倍未満
○ :理論的なシート抵抗値の10倍以上30倍未満
× :理論的なシート抵抗値の30倍以上
××:測定不能(オーバーレンジ)
例えば、ある金属超微粒子含有部が形成された導電性パターン形成用基材の銀量が2g/mである場合、測定されたシート抵抗値が、0.83Ω/□未満であれば◎、0.83Ω/□以上2.49Ω/□未満であれば○、2.49Ω/□以上であれば×、測定不能(オーバーレンジ)であれば××の評価となる。
<密着性>
ベタ様の金属超微粒子含有部が形成された導電性パターン形成用基材1から15各々について、カッターナイフを用いて5mm間隔のクロスカットを行い、形成されている金属超微粒子含有部に多数の交点を有する切り傷を付けた。このクロスカット部に積水化学工業社製セキスイセロハン粘着テープ(テープ規格JIS Z 1522)を貼り付け、馬楝で粘着テープ表面を上から擦った後、いきおいよくテープを剥がし、ベタ様の金属超微粒子含有部の導電性パターン形成用基材に対する密着性を確認した。密着性は以下の基準に従い評価した。
○ :クロスカット部の交点において、剥がれが殆ど観察されない。
△ :クロスカット部の交点において、多少の剥がれが観察される。
× :クロスカット部の交点のみならず、テープを貼り付けた部分の金属超微粒子含有部の多くが剥がれている。
<直線様の金属超微粒子含有部の形成>
導電性パターン形成用基材1から15に、下記組成の銀超微粒子インク1を入れた市販のピエゾ方式のインクジェットプリンタを用いて、幅2mm、長さ10cmの直線を描画し、導電性パターン形成用基材上に直線様の金属超微粒子含有部を形成した。描画する直線の長手方向は、インクジェットヘッドの走査方向と同一とした。
<銀超微粒子インク1>
銀超微粒子分散液1 40.0g
エチレングリコール 10.0g
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系ノニオン性界面活性剤 0.2g
水 49.8g
上記の直線様の金属超微粒子含有部が形成された導電性パターン形成用基材1から15について、直線様の金属超微粒子含有部の形状に関して以下の基準に従い評価を行い、その結果を表1に示した。
○ :直線のエッジ部ににじみは殆どなく、線はシャープに形成されている。
× :直線のエッジ部ににじみがあり、線はシャープに形成されていない。
Figure 0005265392
表1より明らかなように、樹脂を主成分とする層を有する本発明の導電性パターン形成用基材5から13は、にじみが少なく高い導電性と良好な密着性を有する金属超微粒子含有部(導電性パターン)を得ることが出来ることが判る。
《実施例2》
導電性パターン形成用基材10上に形成されたベタ様の金属超微粒子含有部を80℃の温風に1分間暴露した後、実施例1と同様の密着性の評価を行い、その結果を表2に示した。
Figure 0005265392
表2より明らかなように、樹脂を主成分とする層の樹脂が有するTgよりも高い温度に暴露することにより、金属超微粒子含有部の導電性パターン形成用基材に対する密着性が向上することが判る。

Claims (3)

  1. 支持体上に微粒子と樹脂バインダーからなる多孔質層と該多孔質層の上に樹脂を主成分とする層であって固形分塗布量が0.05〜1g/m の層を有する事を特徴とする導電性パターン形成用基材。
  2. 請求項1に記載の導電性パターン形成用基材に、金属超微粒子を含有するインクあるいはペーストを像様に印刷あるいは塗布することで得られた導電性部材。
  3. 前記金属超微粒子が主に銀からなる事を特徴とする請求項2に記載の導電性部材。
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