JP5934576B2 - 導電性部材の製造方法 - Google Patents

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本発明は導電性インク組成物およびこれを用いて得られた導電性部材に関する。
近年、印刷により例えばTFTやメモリ、アンテナ、タッチパネル、センサー等を形成する、プリンテッドエレクトロニクスが注目されている。プリンテッドエレクトロニクスは従来のフォトリソあるいはエッチングによる製造方法に対し、印刷による製造方法であるため、高い生産性や材料使用効率、省電力、製造コストの低減等が期待されている。
印刷により導電性部材を製造する手法として、従来は銀粉等の導電性粉と樹脂等の有機バインダーあるいはガラス等の無機バインダー、有機溶剤を含む高粘度の導電性樹脂ペーストを、スクリーン印刷を用い基材等の対象物へ印刷していた。しかしながら、スクリーン版のメッシュサイズや、導電性粉のサイズが大きいため、細線の印刷が困難であった。そのため、近年はグラビアオフセット印刷、反転オフセット印刷、フレキソ印刷等の凹版や凸版を用いた印刷方法が盛んに検討されている。例えば、特開2003−266583号公報(特許文献1)にはCTP製版による印刷版を用いたフレキソ印刷により、細線を形成する方法が開示されている。
また、印刷に使用するペーストあるいはインクの検討も進んでおり、導電性粉のサイズを1μm以下のサイズまで微小化した導電性樹脂ペーストや、ナノサイズの導電性粉、例えば銀ナノ粒子や銅ナノ粒子といった金属超微粒子を用いたペーストあるいはインクが提案されている。例えば、特許第4641384号公報(特許文献2)には水溶性の多糖類を含有した導電性インクが開示されている。また、特表2005−530005号公報(特許文献3)には導電性及び透明性を有する被膜物として変性尿素を結合剤として用いたインクが開示されている。
これらのペーストあるいはインクは、水系のバインダーあるいは分散剤が含まれる場合でも100℃から200℃の温度で30分程度焼成する必要があり、生産性向上の阻害要因となっていた。
一方で支持体上にあらかじめ受容層を設けた基材を用いることにより焼成を不要とする提案がなされており、例えば特開2004−127851号公報(特許文献4)においては、少なくとも多孔質の無機フィラーを含む受容層と前記導電性被膜とが接するように、金属コロイド液を塗布し乾燥して導電性被膜を形成する方法が開示され、特開2008−4375号公報(特許文献5)では、金属超微粒子を加熱することなく、非常に高い導電性を得ることが可能な導電性部材形成用基材として、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を有する導電性部材形成用基材が開示されており、特開2010−165997号公報(特許文献6)では、導電性部材の基材に対する密着性が高く、にじみが少なく、かつ優れた導電性が得られる導電性部材形成用基材として、支持体上に微粒子と樹脂バインダーからなる多孔質層と該多孔質層の上に樹脂を主成分とする層を有する導電性部材形成用基材が開示されている。
しかしながら、これらの多孔質層を有する導電性部材形成用基材に対して上記、導電性ペーストあるいはインクにてフレキソ印刷等の凸版印刷法を用いて、あるいはグラビア印刷や彫刻印刷等の凹版印刷法を用いて印刷を行った場合、刷版上のインクが導電性部材形成用基材へ転写する割合が低く、刷版側にインクが残る現象が生じることで、一回の印刷で得ることの出来る導電性部材の抵抗値は高く、優れた導電性を有する導電性部材を得るには複数回の印刷を重ねる必要があった。
また、複数回印刷することで十分な抵抗値を得たとしても、印刷場所による抵抗値のムラが生じるという問題があり、一回の印刷で十分な抵抗値が得られ、かつ抵抗値のムラが生じない導電性インクが望まれていた。
特開2003−266583号公報 特許第4641384号公報 特表2005−530005号公報 特開2004−127851号公報 特開2008−4375号公報 特開2010−165997号公報
本発明の目的は、印刷を行った際に一回の印刷で十分な抵抗値が得られ、かつ抵抗値のムラがない導電性部材を形成することの出来る導電性インク、およびこれらに優れた導電性部材を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.水および金属超微粒子を含有し、更にウレタン変性ポリアマイド化合物及びウレアウレタンから選ばれる少なくとも1種の化合物とポリオキシアルキレン類を含有する導電性インク組成物を用いて、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物、チオ硫酸のアルカリ金属塩、チオ硫酸のアルカリ土類金属塩、チオ硫酸のアンモニウム塩から選ばれる導電性発現剤を含有する多孔質層を有する導電性部材形成用基材に凸版印刷法あるいは凹版印刷法によってパターン印刷することを特徴とし、加熱による焼成を行わない導電性部材の製造方法。
本発明によれば、一回の印刷で十分な導電性が得られ、かつ抵抗値のムラが生じにくい導電性インク組成物、およびこれらに優れた導電性部材を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性インク組成物は、水および金属超微粒子を含有する導電性インク組成物であって、詳しくは水および必要に応じて用いられる有機溶媒中に金属超微粒子が分散されている導電性インク組成物である。かかる金属超微粒子としては、金、銀、銅、ニッケル等を例示することができる。金属超微粒子は高い導電性、価格、生産性、扱いやすさ等の点から主に銀からなることが好ましい。主に銀からなるとは、導電性インク組成物に含まれる全金属超微粒子に銀が占める割合が少なくとも50質量%以上であることを意味し、好ましくは銀の占める割合が70質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上である。銀以外に含まれる金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、ニッケル、ビスマス等を挙げることができる。銀以外の金属は銀超微粒子中に含まれていても良く、銀超微粒子と銀以外の金属の超微粒子が導電性インク組成物中に混在していても良い。
本発明における、導電性インク組成物は水を含有する。水はインク組成物中の溶媒成分として用いられるが、本発明の導電性インク組成物は溶媒成分として水を主体に含有することが好ましい。ここで主体とは導電性インク組成物が含有する固形分を除く溶媒成分として、少なくとも水が50質量%以上であることを意味し、好ましくは65質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上であることを意味する。水以外に含まれる溶媒としては、アルコール類、グリコール類、アセトン等の水と混和性の高い有機溶媒を例示することができる。
本発明における導電性インク組成物に含まれる金属超微粒子の含有量は、インク組成物全体の質量に対して1〜95質量%が好ましく、より好ましくは3〜50質量%である。
金属超微粒子の平均粒径としては、100nm以下であることが好ましいが、低温焼成可能という観点から50nm以下がより好ましい。なお、金属超微粒子の平均粒径は、電子顕微鏡下での観察により求めることができる。詳細にはポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、金属超微粒子分散液を塗布、乾燥させ、走査型電子顕微鏡にて観察し、一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均し求める。
金属超微粒子の製造方法としては、不活性ガス中で金属を蒸発させガスとの衝突により冷却・凝縮し回収するガス中蒸発法、レーザー照射のエネルギーにより液中で蒸発・凝縮し回収するレーザーアブレーション法、水溶液中で金属イオンを還元し生成・回収する化学的還元法、有機金属化合物の熱分解による方法、金属塩化物の気相中での還元による方法、酸化物の水素中還元法等、公知の種々の方法により製造されたものを好ましく用いることができる。本発明においては、金属超微粒子分散液の作製が容易になる点より化学的還元法で作製された金属超微粒子がより好ましい。
本発明における導電性インク組成物に含まれるウレア変性ポリアマイド化合物及びウレアウレタンの具体的な例としては、ビックケミージャパン(株)から市販されているBYK−430及びBYK−431(商品名)等のウレア変性ポリアマイド化合物や、BYK−410、BYK−411、BYK−420、BYK−E420及びBYK−425(商品名)等のウレアウレタンが挙げられる。
本発明の導電性インク組成物に含有されるウレア変性ポリアマイド化合物及びウレアウレタンの含有量としては、少なすぎると抵抗値ムラが起こりやすくなる場合があり、多すぎると所望の抵抗値を得ることができなくなる場合があるため、導電性インク組成物全質量に対して0.001〜5質量%を含有することが好ましく、更に好ましくは0.01〜1質量%である。
本発明における導電性インク組成物に含まれるポリオキシアルキレン類としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類のポリオキシエチレンラウリルエーテルおよびその硫酸エステル塩、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等や、ポリオキシエチレンアリールエーテル類のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルおよびその硫酸エステル塩等、またはポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類のポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。特に好ましくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル類でHLB(Hydorophile−Lipophile Balance)が10〜20の親水性の大きいものが特に望ましい。
本発明における導電性インク組成物に含まれるポリオキシアルキレン類は、特に上記のウレア変成ポリアマイド化合物及びウレアウレタンと併用することによって、インク量を調整する印刷機のロール(凸版印刷ではフレキソ印刷におけるアニロックスロール、凹版印刷におけるグラビア印刷ロール)に対して均一に広がりやすく、かつ刷版からのインク離れが良好となり抵抗値を阻害しない効果がみられる。ポリオキシアルキレン類の含有量としては導電性インク組成物の全質量に対して0.01〜5質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜1質量%である。
本発明における導電性インク組成物にはその他の添加剤として増粘剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、湿潤剤、消泡剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよく、例えば、消泡剤として、アニロックスロールでの泡立ちを抑制するために、市販されている信越化学工業株式会社製のKM−7750、KM−90等のシリコーン乳濁液を添加することも出来る。
次に本発明の導電性部材を得るために用いる導電性部材形成用基材について説明する。かかる導電性部材形成用基材は支持体上に微粒子と樹脂バインダーからなる多孔質層を有する。
導電性部材形成用基材が有する支持体としては、ポリオレフィン樹脂被覆紙や、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂類よりなる各種フィルムを挙げることができ、可撓性が要求されない場合には、石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)等の各種ガラス、各種金属、各種セラミックス等を挙げることができる。
これらの中でも価格および汎用性の観点から、ポリオレフィン樹脂被覆紙、ポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミドから選ばれる樹脂フィルム、および各種ガラス等から選ばれる支持体が好ましい。
また、各種樹脂からなるフィルム、各種ガラス、ポリオレフィン樹脂被覆紙等の非吸液性支持体を用いる場合には、多孔質層を形成する塗液の塗布性と、支持体に対する多孔質層の接着性を改善するために、支持体は、ゼラチンや各種ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール等からなる公知の下塗り層を有していても良く、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムでは易接着処理品として下塗り層をあらかじめ設けた状態で市販されている。また、これら支持体の表面はコロナ処理あるいはプラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
本発明において多孔質層とは、微粒子と微粒子に対し80質量%以下の樹脂バインダーを含有する層であることを意味する。用いられる微粒子としては、公知の微粒子を広く用いることが出来る。例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、非晶質合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の無機微粒子、アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、スチレン/イソプレン系樹脂、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の少なくとも1種以上の樹脂からなる真球状あるいは不定型の、無孔質あるいは多孔質の有機微粒子等を挙げることが出来る。また、上記した無機微粒子の1種以上と有機微粒子の1種以上を混合して用いることも出来る。上記した微粒子の中でも、金属超微粒子含有組成物に含まれる水や高沸点溶媒等の吸収性の観点から無機微粒子を用いることが好ましく、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物がより好ましく、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物がより緻密な構造の多孔質層を形成することが可能であることから特に好ましく、更にこれら無機微粒子の平均二次粒子径は500nm以下であることが好ましく、より好ましい無機微粒子の平均二次粒子径は10〜300nmであり、更には20〜200nmである。また、導電性部材形成用基材に可撓性が要求される場合には、アルミナ水和物を用いることが特に好ましい。
また、多孔質層は複数層から構成されていても良く、支持体に近い層には軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク等の安価な無機微粒子を用い、支持体から遠い層に非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物を用いた層を設けても良い。
本発明に好ましく利用される非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、およびその他に大別することが出来る。
湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソーシリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、珪酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
本発明では、平均二次粒子径500nm以下に粉砕した湿式法シリカを好ましく使用出来る。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカ粒子が好ましく、これをカチオン性化合物の存在下で平均二次粒子径500nm以下、好ましくは10〜300nm程度まで、更に好ましくは20〜200nm程度まで微粉砕した湿式法シリカ微粒子を使用することが好ましい。平均二次粒子径を500nm以下に微粉砕することにより、形成される多孔質層中の細孔径が微粉砕を行わない場合よりも微細となるため、金属超微粒子が細孔中に入り込み非導通状態となることが少なくなり、得られる導電性が良好となる。粉砕方法としては、水性媒体中に分散した湿式法シリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用され、これにはビーズミル等のメディアミルを用いることが好ましい。ビーズミルは密閉されたベッセル内に充填されたビーズとの衝突により顔料粉砕を行うものであり、(株)シンマルエンタープライゼスよりダイノミルとして、浅田鉄工(株)よりグレンミルとして、アシザワ・ファインテック(株)よりスターミルとして市販されている。メディアミル等を用いて粉砕した後、更に高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、および薄膜旋回型分散機等を用いて分散することが好ましい。
なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものである。また平均二次粒子径とは、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることが出来るが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、(株)堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することが出来る。また、平均凝集粒子径とは、粉体として供給される湿式シリカの平均粒子径を示し、例えばコールターカウンター法で求めることが出来る。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することが出来る。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は40nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250〜500m/g)のものを用いることである。
ここで、BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカを用いた場合においても、湿式法シリカと同様に、平均二次粒子径を500nm以下に分散することが好ましい。分散された気相法シリカの平均二次粒子径は、より好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと水を主体とする分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、および薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。
平均二次粒子径500nm以下の湿式法シリカあるいは気相法シリカのスラリーを製造する際に、スラリーの高濃度化や分散安定性を向上させるため、公知の種々の方法を用いても良い。例えば、特開2002−144701号公報、特開2005−1117号公報に記載されているが如くアルカリ性化合物の存在下で分散する方法、特開2001−19421号公報に記載されているが如くカチオン性化合物の存在下で分散する方法、特開2006−110770号公報に記載されているが如くシランカップリング剤存在下で分散する方法等を挙げることが出来、カチオン性化合物の存在下で分散あるいは粉砕する方法がより好ましい。
上記湿式法シリカあるいは気相法シリカの粉砕あるいは分散に使用するカチオン性化合物としては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオンポリマーの分子量は2,000〜100,000が好ましく、特に2,000〜30,000が好ましい。
本発明に使用するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用出来る。
本発明に使用するアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。アルミナ水和物は、一般にアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、およびアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用されることが望ましい。
本発明において、多孔質層を構成する微粒子と共に用いられる樹脂バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられ、その他としては、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤等を挙げることが出来、これらを単独あるいは混合して用いることが出来る。この他、公知の天然、あるいは合成樹脂バインダーを単独であるいは混合して用いることは特に限定されない。
これら樹脂バインダーの内、ポリビニルアルコールあるいはシラノール変性ポリビニルアルコールが好ましく、特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したポリビニルアルコールあるいはシラノール変性ポリビニルアルコールである。平均重合度は200〜5,000のものが好ましい。
微粒子を用い多孔質層を形成するためには、樹脂バインダーの含有量は、微粒子に対して80質量%以下とすることが必要であり、更には3〜80質量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜60質量%の範囲であり、特に好ましくは10〜40質量%の範囲である。
多孔質層は上記した樹脂バインダーと共に必要に応じ硬膜剤を用いることも出来る。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることが出来る。硬膜剤の使用量は特に限定されないが、樹脂バインダーに対して、50質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは30質量%以下である。
樹脂バインダーとしてケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したポリビニルアルコールあるいはシラノール変性ポリビニルアルコールを用いる場合には、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類が好ましく、ホウ酸が特に好ましく、使用量はポリビニルアルコールに対し、40質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、特に好ましくは1〜20質量%である。
多孔質層の層厚(乾燥時)は、一般に1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
また更に、前述した多孔質層上には、樹脂を主成分とする層を設けることにより、導電性インク組成物が含有する金属超微粒子同士が融合し形成された金属被膜と多孔質層間の密着性が向上し、擦過や粘着性物質の脱着による剥離を抑制することが出来るため、より好ましい。
樹脂を主成分とする層の主成分とは、樹脂を主成分とする層の全固形分に対して、50質量%以上が樹脂であることを意味し、樹脂の含有量は好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。樹脂には、各種水溶性樹脂、各種有機微粒子等、塗布により被膜を形成することが可能な樹脂を広く用いることが出来る。樹脂を主成分とする層は緻密な被膜として多孔質層上に形成されていても良く、微細な孔を無数に有していても良い。
本発明の樹脂を主成分とする層に用いる水溶性樹脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース等の水溶性セルロース類、膠、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、フタル化ゼラチン等のゼラチン類、ポリビニルアルコール、シラノール変成ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変成ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カラギーナン、アラビアガム等の多糖類等を広く用いることができる。使用する水溶性樹脂は1種類であってもよいし、2種以上混合して用いても良い。水溶性樹脂の分子量は10,000以上であることが好ましく、より好ましくは50,000以上である。
本発明の樹脂を主成分とする層に用いる有機微粒子としては、主に水からなる分散媒中に単独重合体や共重合体等各種公知の有機微粒子が分散されたエマルジョンあるいはラテックスを用いることが好ましい。有機微粒子の材質としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル−アクリル等の多元樹脂、SBR、NBR、MBR、カルボキシル化SBR、カルボキシル化NBR、カルボキシル化MBR、ビニルピリジン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、エポキシ樹脂等、従来公知のものから広く選ぶことが出来る。
また、これら有機微粒子のモノマー組成、粒子径、重合度の異なる複数の重合体が混合されて単一粒子内に存在する異相構造粒子を使用することもできる。
異相構造微粒子としては、特にその構造は限定しない。異相構造粒子の構造例及び調製方法は「合成ラテックスの応用(杉村孝明・片岡靖男・鈴木聡一・笠原啓司編集(株)高分子刊行会発行(1993))」に記載されている。例として、コア−シェル構造、複合構造、局在構造、だるま状構造、ラズベリー状構造、多粒子複合構造、みずかき構造、IPN(相互貫入網目構造)等があるが、本発明においてそれらの構造は特に限定はしない。
使用する有機微粒子は1種類であっても良いし、2種以上混合して用いても良い。また、水溶性樹脂と有機微粒子を併用することも出来る。
このように樹脂を主成分とする層には様々な種類の樹脂を使用することが出来るが、金属被膜の密着性の観点から水溶性樹脂としてはポリビニルアルコール類、ゼラチン類、多糖類がより好ましく、有機微粒子としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル樹脂、エチレン−塩化ビニル樹脂のようにモノマー単位としてアクリル基やビニル基を有する樹脂、およびウレタン結合を有するウレタン樹脂がより好ましい。
これら水溶性樹脂、有機微粒子は、水、有機溶剤、必要に応じレベリング剤、界面活性剤等を添加し、樹脂を主成分とする層の形成用塗液として調製される。
樹脂を主成分とする層の固形分塗布量としては、0.01〜5g/mが好ましく、0.03〜0.5g/mがより好ましい。0.01g/m未満では金属超微粒子含有組成物を印刷し形成された金属被膜の密着性が不十分となる場合があり、5g/mを超えると、金属超微粒子含有組成物に含まれる溶媒の多孔質層への吸収を阻害し、形成される金属被膜の導電性が低下する場合がある。また、固形分塗布量が0.5g/mを超えると、光学干渉により例えば赤色や紫色に発色することがあるため、0.03〜0.5g/mが特に好ましい。
本発明における導電性部材形成用基材において、前述した下塗り層、多孔質層、樹脂を主成分とする層等は支持体の両面に設けても良い。また導電性部材形成用基材の多孔質層を有する側の面(パターンが印刷される面)はJIS−B−0601に規定される基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定した時の十点平均粗さ(Rz)が3.1〜13.1μmであることが好ましい。これにより一回の印刷でより低い抵抗値の導電性部材を得ることができる。なお、この十点平均粗さの調整には前述した多孔質層や樹脂を主成分とする層に球状粒子やマット剤を含有せしめることで調整することが可能であるが、支持体の表面にあらかじめ凸凹を設けておくことがより好ましい。
多孔質層および樹脂を主成分とする層を形成する塗液は、スライドカーテン方式、スライドビード方式、スロットダイ方式、ダイレクトグラビアロール方式、リバースグラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式等による塗布、スクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンサー印刷、オフセット印刷、反転オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等によるパターンの形成等、公知の各種塗布あるいは印刷方法を利用して、支持体表面の全面、あるいは必要とされる(任意の)部位への選択的な塗布を行い、形成することが出来る。また、支持体が立体である場合には、ディップ方式や曲面に対応したスクリーン印刷、タンポ印刷(パッド印刷とも言う)等を用いることが出来る。
なお、樹脂を主成分とする層と多孔質層は、多層スライドカーテン方式等の多層塗布が可能な塗布方法を用い、重層塗布を行っても良く、あるいは、あらかじめ支持体上に形成された多孔質層表面上に樹脂を主成分とする層を形成する場合には、樹脂を主成分とする層の塗液の湿分塗布量を多孔質層の空隙容量以下に制御して塗布することが、均一な塗布面が得られるため好ましい。
本発明において、導電性部材は導電性インク組成物および、上記導電性部材形成用機材を用いて凸版印刷法あるいは凹版印刷法によりパターンが形成される。具体的には、凸版印刷法としてフレキソ印刷、凹版印刷法としてグラビア印刷や彫刻印刷を例示することが出来る。またブランケットを介して印刷を行っても良い。
これらの方法によりパターン化された導電性インク組成物は、加熱により焼成し導電性パターンとしても良いが、主に銀からなる金属超微粒子を用い、特開2008−4375号公報、特開2008−235224号公報に記載される主に銀からなる金属超微粒子に作用し導電性を発現させることが可能な物質(以下、導電性発現剤とする)を支持体、多孔質層、下塗り層、樹脂を主成分とする層の何れか、あるいは複数層にわたり含有させ、化学的な作用により金属超微粒子同士を結合し導電性パターンとすることがより好ましい。導電性発現剤として特に好ましいのは、例えば塩化ナトリウムや塩化カリウム等のイオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物、チオ硫酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩である。また、これらの物質を複数種類併用することも好ましい態様の一つである。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
<銀超微粒子分散液の作製>
10Lのステンレスビーカーに焙焼デキストリン(日澱化学(株)製、デキストリンNo.1−A)653gと純水5772gを加え、約30分間撹拌し溶解した。その後、硝酸銀1582gを加え、約30分間撹拌し溶解した。この液を氷浴中にて約5℃まで冷却し、水酸化カリウム730gを純水1007gに溶解した10℃の液を添加し、氷浴中で撹拌しながら1時間の還元反応を行った。得られた溶液に酢酸を添加し、pH=5.6に調整した後、ビオザイムF10SD(天野エンザイム(株)製)を添加し1時間撹拌した。得られた液を遠心分離法により精製した後、銀の固形分濃度が45質量%になるように純水を加え再分散し銀超微粒子分散液を得た。含まれる銀超微粒子の平均粒径は20nmであり、収率は87%であった。
<導電性インク組成物1の作製>
銀超微粒子分散液を500g取り、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(HLB=14)を1g、エチレングリコールを150g、BYK−E420(ビックケミー・ジャパン株式会社)を4.5g、KM−7750(信越化学工業株式会社)を0.07g加え、純水にて全量を調整し、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インク組成物を750g作製した。
<導電性インク組成物2の作製>
導電性インク組成物の作製1においてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムからポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(HLB=12)に変更した以外は同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インク組成物2を作製した。
<導電性インク組成物3の作製>
導電性インク組成物の作製1においてBYK−E420からBYK−430に変更した以外は同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インク組成物3を作製した。
<導電性インク組成物4の作製>
導電性インク組成物の作製1においてBYK−E420からヒドロキシルエチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製HECダイセルSP900)に変更した以外は同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インク組成物4を作製した。
<導電性インク組成物5の作製>
導電性インク組成物の作製1においてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムからドデシル硫酸ナトリウムに変更した以外は同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インク組成物5を作製した。
<導電性インク組成物6の作製>
導電性インク組成物の作製1においてポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを含有しない以外は同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インク組成物6を作製した。
<導電性インク組成物7の作製>
導電性インク組成物の作製1においてBYK−E420を含有しない以外は同様にして、銀の固形分濃度が30質量%の導電性インク組成物7を作製した。
<ポリオレフィン樹脂被覆支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して0.1質量%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の原紙とした。抄造した原紙に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100部の樹脂に対して、10部のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ35μmになるように押出コーティングし、マット面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、表面(受容層塗設面)とした。もう一方の面には密度0.962g/cmの高密度ポリエチレン樹脂70部と密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン樹脂30部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、微粒面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆し、裏面とした。
上記ポリオレフィン樹脂被覆支持体の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下塗り層をゼラチンの付着量が60mg/mとなるように塗布乾燥した。
<下塗り層>
ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 8部
<導電性部材形成用基材の作製>
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30質量%の無機微粒子分散液を得た。無機微粒子分散液中に分散しているアルミナ水和物の平均二次粒子径は160nmであった。この無機微粒子分散液を用い、下記組成の多孔質層形成用塗液を作製した。
<多孔質層形成用塗液>
無機微粒子分散液 (アルミナ水和物固形分として) 100g
ポリビニルアルコール 12g
(ケン化度88%、平均重合度3500、分子量約150,000)
ホウ酸 0.5g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が16質量%になるように水で調整した。
ポリオレフィン樹脂被覆支持体上に上記、多孔質層形成塗液をアルミナ水和物の固形分として30g/mとなるようにスライドビード方式を用いて塗布を行い、乾燥機により乾燥した。断面観察により得られた多孔質層の厚みは35μmであった。
次いで、下記の導電性発現剤を含有した、樹脂を主成分とする層形成用塗液を斜線グラビアロールを用いた塗布方式により塗布を行い、乾燥機により乾燥した。ここで用いた斜線グラビアロールは、直径60mm、斜線角度45度、線数90線/インチ、溝深さ110μmのグラビアロールであり、リバース回転で用いた。湿分塗布量は、斜線グラビアロールの回転数を調整し20g/mに設定し、乾燥機により乾燥し導電性部材形成用基材を得た。
<樹脂を主成分とする層形成用塗液>
塩化ナトリウム 0.5g
エチレン塩化ビニル樹脂有機微粒子水分散体(濃度50質量%) 1.0g
(スミエリート1010、住友化学株式会社、平均粒子径200nm、Tg0℃)
水 98.5g
得られた導電性部材形成用基材の多孔質層を有する側の表面をJIS−B−0601に則り、(株)東京精密Surfcom1400A型を用いて、基準長4.0mm、カットオフ値0.8mmで測定した時の十点平均表面粗さ(Rz)値を求めたところ5.6μmであった。
<導電性部材1〜7の作製>
上記、導電性インク組成物1〜7をそれぞれ用い、導電性部材形成用基材の多孔質層を有する側の面にフレキソ印刷法を用いてベタパターンと幅0.3mm×長さ20mmの線パターンが等間隔で5点あるパターンを印刷し、導電性部材1〜7を作製した。印刷版は旭化成イーマテリアルズ製のADS60を用い、アニロックスロールには線数80線、セル容積13ml/mのロールを用い、印刷速度は30m/分とした。
<導電性部材8〜9の作製>
上記、導電性インク組成物1および4を用いて、導電性部材形成用基材の多孔質層を有する側の面にグラビア印刷法を用いてベタパターンと幅0.3mm×長さ20mmの線パターンが等間隔で5点あるパターンを印刷し、導電性部材8〜9を作製した。グラビア印刷版のセル容積は20ml/m、印刷速度50m/分とした。
<導電性の評価>
導電性部材1〜9について、ベタパターンのシート抵抗値を測定器((株)ダイアインスツルメンツ製 ロレスターGP)を用いて測定した。また、線パターン部5点についてはテスターを用いて抵抗(Ω)を測定し、更に最大値と最小値の差を求めた。この結果を表1に示す。
Figure 0005934576
表1の結果より明らかなように、本発明により、一回の印刷であっても充分な抵抗値が得られ、かつ抵抗値のムラが生じない導電性部材が得られることが判る。

Claims (1)

  1. 水および金属超微粒子を含有し、更にウレタン変性ポリアマイド化合物及びウレアウレタンから選ばれる少なくとも1種の化合物とポリオキシアルキレン類を含有する導電性インク組成物を用いて、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物、チオ硫酸のアルカリ金属塩、チオ硫酸のアルカリ土類金属塩、チオ硫酸のアンモニウム塩から選ばれる導電性発現剤を含有する多孔質層を有する導電性部材形成用基材に凸版印刷法あるいは凹版印刷法によってパターン印刷することを特徴とし、加熱による焼成を行わない導電性部材の製造方法。
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