JP5262322B2 - 静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5262322B2
JP5262322B2 JP2008152206A JP2008152206A JP5262322B2 JP 5262322 B2 JP5262322 B2 JP 5262322B2 JP 2008152206 A JP2008152206 A JP 2008152206A JP 2008152206 A JP2008152206 A JP 2008152206A JP 5262322 B2 JP5262322 B2 JP 5262322B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latent image
electrostatic latent
sample
measuring
potential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008152206A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009300535A (ja
Inventor
浩之 須原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2008152206A priority Critical patent/JP5262322B2/ja
Priority to US12/481,209 priority patent/US8168947B2/en
Publication of JP2009300535A publication Critical patent/JP2009300535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5262322B2 publication Critical patent/JP5262322B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/244Detectors; Associated components or circuits therefor
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/04Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for exposing, i.e. imagewise exposure by optically projecting the original image on a photoconductive recording material
    • G03G15/043Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for exposing, i.e. imagewise exposure by optically projecting the original image on a photoconductive recording material with means for controlling illumination or exposure
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/50Machine control of apparatus for electrographic processes using a charge pattern, e.g. regulating differents parts of the machine, multimode copiers, microprocessor control
    • G03G15/5033Machine control of apparatus for electrographic processes using a charge pattern, e.g. regulating differents parts of the machine, multimode copiers, microprocessor control by measuring the photoconductor characteristics, e.g. temperature, or the characteristics of an image on the photoconductor
    • G03G15/5037Machine control of apparatus for electrographic processes using a charge pattern, e.g. regulating differents parts of the machine, multimode copiers, microprocessor control by measuring the photoconductor characteristics, e.g. temperature, or the characteristics of an image on the photoconductor the characteristics being an electrical parameter, e.g. voltage
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • H01J37/28Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes with scanning beams
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/20Positioning, supporting, modifying or maintaining the physical state of objects being observed or treated
    • H01J2237/206Modifying objects while observing
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/245Detection characterised by the variable being measured
    • H01J2237/24571Measurements of non-electric or non-magnetic variables
    • H01J2237/24578Spatial variables, e.g. position, distance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/248Components associated with the control of the tube
    • H01J2237/2482Optical means

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

本発明は、静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置に関するもので、特に、試料としての誘電体の表面に生じている電荷分布あるいは電位分布をミクロンオーダーで高分解能に計測することを特徴とするものである。
なお、上記誘電体表面の電荷は、厳密には、試料内に空間的に散らばっていることは周知の通りである。このため、誘電体表面の電荷とは、電荷分布状態が、厚さ方向に比べて、表面に沿って表面方向に大きく分布するので、表面方向に分布している状態を指すものとする。また、電荷は、電子だけでなく、イオンも含む。表面に導電部があり、導電部分に電圧が印加され、それにより、試料表面あるいはその近傍が電位分布を生じている状態であってもよく、この状態も含むものとする。
従来、表面電位を計測する方法としては、電位分布を有する試料にセンサヘッドを近づけ、そのときの相互作用として生じる静電引力や誘導電流を計測し、この計測値を電位分布に換算する方式がある。この方式では、原理的に分解能が数ミリ程度と悪く、1μmオーダーの分解能を得ることはできない。
また、LSIチップの評価として、電子ビームを用い、1ミクロンオーダーの電位を計測する方法が従来から知られている。しかし、その評価は、LSIの電気が流れる導電部に対する評価であり、電位は高々+5V程度の低電位に限定され、本発明が対象としている電子写真用感光体のような誘電体表面における数百〜数千Vの負電荷に対応することはできない。
電子ビームによる静電潜像の観察方法として、例えば、特許文献1記載の発明がある。これは、走査型電子顕微鏡による電子ビーム走査と、二次電子信号の処理と、電源を制御する制御部により、試料を予め部分的に電子ビームで走査し、得られた二次電子信号の量により、適切な電位コントラストが得られるバックバイアス値を検知してこのバックバイアスを試料に印加するように電源を制御し、改めて試料を電子ビーム走査して得られる二次電子信号により静電潜像を表す画像信号を出力するものである。
特許文献1記載の発明によれば、試料として、LSIチップや静電潜像を記憶・保持できる試料に限定される。したがって、本願発明が対象としている暗減衰を生じる通常の電子写真用感光体は測定することができない。通常の誘電体は電荷を半永久的に保持することができるので、電荷分布を形成後、時間をかけて測定を行っても、測定結果に影響を与えることはない。しかしながら、感光体の場合は、抵抗値が無限大ではないので、電荷を長時間保持できず、暗減衰が生じて時間とともに表面電位が低下してしまう。感光体が電荷を保持できる時間は、暗室であってもせいぜい10〜60秒である。従って、帯電・露光後に電子顕微鏡(SEM)内で観察しようとしても、その準備段階で静電潜像は消失してしまう。潜像形成後、遅くても3秒以下で計測しなければならない。
また、特許文献2には、試料のX線透過像を撮影する電子写真感光体をX線源に対向して配置し、電子写真感光体の他面に対峙させて走査型電子ビーム放射器を設け、電子写真感光体の光導電層から放出される2次電子を検出する2次電子検出器を配設し、2次電子検出器の出力を画像に変換する制御部を設けたX線顕微鏡が記載されている。
特許文献2記載の発明は、本発明が採用しようとしている静電潜像評価装置および評価方法とは、使用するビームの波長が全く異なる上に、任意のラインパターンや、所望のビーム径およびビームプロファイルの潜像を形成することは不可能であり、本発明の目的と同様の目的を達成することはできない。
そこで、本発明者らは、暗減衰を有する感光体試料であっても静電潜像を測定することができる装置ないしは方法を発明し、特許出願をした。特願2002−103355,特願2003−43587,特願2007−070836に係る発明がその例である。
ところで、デジタルPPC(普通紙複写機)、レーザープリンタなどの画像形成装置において、帯電・露光・現像・転写・定着の各工程のプロセス品質は、最終的な出力画像品質に大きく影響を与える。このため、より高い画質の画像を得るためには、各工程のプロセスク品質を向上させる必要があり、中でも露光後の静電潜像の品質を評価することは、質の高い画像を得る上で極めて重要である。しかしながら、露光エネルギーが静電潜像へ変換されるときのメカニズムが明らかになっていない。したがって、電子写真感光体と書込光学系を含めた潜像形成能力に関して、最適条件がわからず、所定の画像品質を得るために、各部の仕様を過剰仕様とする傾向にあり、コストアップの要因となっていた。
本出願人による上記各特許出願にかかる発明は、電子写真プロセスで用いられる感光体上に形成される静電潜像を真空装置内で再現し、μmスケールでの潜像計測が可能な計測システムに関するものである。このような計測システムを新たに考案し開発したことで、従来は不可能であった、静電潜像の潜像形成能力そのものを評価できる環境を構築できるようになった。
特開平03−049143号公報 特開平3−200100号公報
本発明は、前記各特許出願に係る発明をさらに改良し、従来技術ではきわめて困難であった、試料として誘電体からなる電子写真用感光体の表面に生じている電荷分布あるいは電位分布をμmオーダーで高分解能に計測する装置を用いて、電子写真プロセス上で起こる静電潜像の潜像形成能力を評価することができる静電潜像評価装置、静電潜像評価方法を提供すること、さらに、この評価装置または評価方法で評価された電子写真感光体およびこの感光体を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して荷電粒子ビームを照射し、荷電粒子ビームの照射で得られる検出信号により試料の静電潜像を計測する静電潜像評価装置において、上記試料に波長400〜800nmのレーザー光を照射して静電潜像を形成する光走査装置と、上記静電潜像の大きさを計測するとともに感光体試料に照射される露光エネルギー密度を変えて複数回計測する静電潜像計測手段と、上記計測手段による複数回の計測結果から感光体試料に照射される露光エネルギー密度の違いで生じる複数の静電潜像の大きさの変動量を比較して静電潜像を評価する比較手段と、を有することを最も主要な特徴とする。
上記静電潜像計測手段は、静電潜像の面積を算出するようにするとよい。
上記静電潜像計測手段は、潜像面積より潜像円相当径を算出するようにしてもよい。
上記静電潜像計測手段は、潜像円相当径から空間周波数を計測する手段と、露光エネルギー密度を基準に対して一定量変化させたときの潜像面積変動比率を評価値として算出する手段と、上記空間周波数毎の潜像面積変動比率を計測する手段と、を有するものであってもよい。
上記静電潜像評価装置において、基準光量P1に対して、潜像面積変動比率を計測するときの光量をP2,P3としたとき、P2,P3の露光量は、
P2=(1−α)×P1
P3=(1+α)×P1
0.03<=α<=0.3
の条件に設定するとよい。
上記静電潜像評価装置において、露光エネルギー密度を変化させる手段は、光源のレーザーパワーを変えるようにするとよい。
上記静電潜像評価装置において、試料表面の電位ポテンシャルを変えるための電圧印加手段と、潜像深さを計測する潜像深さ計測手段と、を有し、潜像深さ計測手段は、試料に入射する荷電粒子の試料に対する垂直方向の速度ベクトルが反転するような領域が存在する条件下で計測することができ、レーザーパワーを変えたときの潜像深さ変動比率により静電潜像を評価するようにするとよい。
本発明に係る静電潜像評価方法は、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して荷電粒子ビームを照射し、荷電粒子ビームの照射で得られる検出信号により試料の静電潜像を計測する静電潜像評価方法であって、上記試料に波長400〜800nmのレーザー光を照射して静電潜像を形成する工程と、上記静電潜像の大きさを計測するとともに感光体試料に照射される露光エネルギー密度を変えて複数回計測する静電潜像計測工程と、上記複数回の計測結果から感光体試料に照射される露光エネルギー密度の違いで生じる複数の静電潜像の大きさの変動量を比較して静電潜像を評価する工程と、を有していることを特徴としている。
本発明に係る電子写真感光体は、本発明に係る静電潜像評価装置を用いて評価した電子写真感光体であって、電子ビームの加速電圧を2次電子より高い加速電圧に設定して狙いの帯電電位を設定する手段と、光源からの光束を光偏向器により等角速度的に偏向させ走査結像光学系により偏向光束を被走査面上に光スポットとして集光して感光体試料面に等速度的な光走査を行なう光走査装置と、を用い、上記光走査装置で、電子写真装置における帯電電位、露光量、ビームスポット径の条件と同じ条件下で既知の潜像パターンを真空内で形成し、形成された潜像を取り込んだデータから、書き込み光源波長が780nm以下であり、かつ、平均ビームスポット径が65μm以上の条件において、基準光量に対して潜像円相当径が平均ビームスポット径以上であり、基準光量に対して+10%と基準光量に対して−10%の光量を照射させて潜像面積を計測したときの潜像面積変動比率が60%以上であることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、感光体に対して電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、上記感光体は請求項9記載の電子写真感光体であることを特徴とする。
本発明に係る静電潜像評価装置によれば、従来の技術では実現することができなかった、電子写真感光体上に形成される静電潜像の潜像形成能力を、定量的に評価する装置を提供することが可能となる。
静電潜像の大きさを計測する手段が、潜像面積を算出するものによれば、潜像形成能力を定量的に評価する装置を提供することが可能となる。
静電潜像の大きさを計測する手段が、潜像面積より潜像円相当径を算出するものによれば、静電潜像が、縦長や横長あるいは異型など形状が異なっていても、同じ空間周波数として、定量評価することが可能となる。
静電潜像計測手段が、潜像円相当径から空間周波数を計測する手段と、露光エネルギー密度を基準に対して一定量変化させたときの潜像面積変動比率を評価値として算出する手段と、上記空間周波数毎の潜像面積変動比率を計測する手段と、を有するものによれば、2次電子検出による潜像画像により、静電潜像形成能力を評価することが可能となる。
上記静電潜像評価装置において、基準光量P1に対して、潜像面積変動比率を計測するときの光量をP2,P3としたとき、P2,P3の露光量を、
P2=(1−α)×P1
P3=(1+α)×P1
0.03<=α<=0.3
の条件に設定すれば、SN比(信号対雑音比)が高く、精度の良い静電潜像の評価が可能となる。
露光エネルギー密度を変化させる手段として、光源のレーザーパワーを変えるようにすれば、様々な静電潜像条件に対応した静電潜像の評価を実現することが可能となる。
上記静電潜像評価装置において、試料表面の電位ポテンシャルを変えるための電圧印加手段と、潜像深さを計測する潜像深さ計測手段と、を有し、潜像深さ計測手段は、試料に入射する荷電粒子の試料に対する垂直方向の速度ベクトルが反転するような領域が存在する条件下で計測することができ、レーザーパワーを変えたときの潜像深さ変動比率により静電潜像を評価するようにすれば、潜像の電位深さを定量化して計測することが可能となるため、潜像深さ変動比率を評価することができ、より詳細な潜像形成能力評価が可能となる。
本発明に係る静電潜像評価方法によれば、形成された静電潜像の性能を定量的に評価する方法を提供することが可能となる。
本発明に係る電子写真感光体によれば、本発明かかる静電潜像評価装置によって評価され、かつ、評価された結果、所定の条件を満たす電子写真感光体が選択されるため、電子写真を形成するための各工程の品質が向上し、高画質の電子写真を得ることができる。また、評価結果を画像形成装置の設計にフィードバックすることができ、高画質、高耐久性、高安定性の、また、省エネルギー性能に優れた電子写真感光体を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、感光体に対して電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、上記感光体として本発明かかる静電潜像評価装置によって評価され、かつ、評価された結果、上記の条件を満たす電子写真感光体が選択されるため、電子写真を形成するための各工程の品質が向上し、高画質の電子写真を得ることができる。また、評価結果を画像形成装置の設計にフィードバックすることができ、高画質、高耐久性、高安定性の、また、省エネルギー性能に優れた画像形成装置を提供することができる。また、静電潜像を現像し可視化して評価することにより、高密度・高画質・高耐久性の画像形成装置を提供することができる。特にVCSELなどのマルチビーム走査光学系を搭載した画像形成装置に適する。
以下、本発明にかかる静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、静電潜像計測装置の例を示している。この静電潜像計測装置は、荷電粒子ビームを照射する荷電粒子照射部1と、露光光学系を構成する光走査装置30と、試料設置部と、1次反転荷電粒子や2次電子などの検出部40を備えている。ここでいう「荷電粒子」とは、電子ビームあるいはイオンビームなど電界や磁界の影響を受ける粒子を指す。
図1に示す実施例は、電子ビームを照射する実施例であって、荷電粒子照射部1は以下のように構成されている。荷電粒子照射部1すなわち電子ビーム照射部は、電子ビームを発生させるための電子銃11と、電子ビームを制御するためのサプレッサ電極12と、引き出し電極すなわちエキストラクタ13と、電子ビームのエネルギーを制御するための加速電極14と、電子銃11から放出された電子ビームを集束させるためのコンデンサレンズ15と、電子ビームをON/OFFさせるためのビームブランキング電極16と、電子ビームの照射量を制御するためのアパーチャとして機能する仕切り弁17および可動絞り18と、ビームブランキング電極16を通過した電子ビームを走査させるための偏向電極からなる走査レンズ20と、走査される電子ビームを再び収束させるための対物レンズ21を備えている。可動絞り18と走査レンズ20との間には電子ビームの非点補正を行うスティグメータ19が配置されている。対物レンズ21を通過した電子ビームはビーム射出開口部22を通って感光体試料25に向かうように構成されている。それぞれのレンズ、電極等には、図示しない駆動用電源が接続されてそれぞれの機能を果たすようになっている。荷電粒子照射部1は、真空チャンバ2内に組み込まれ、このチャンバ2内に配置された感光体試料25に対して電子ビームを照射するように構成されている。
なお、電子ビームに変えてイオンビームを用いる場合は、電子銃11の代わりに液体金属イオン銃などを用いる。
露光光学系を構成する光走査装置30につき図2を併せて参照しながら詳細に説明する。
光走査装置30は、感光体試料25に関して感度を持つ波長のLD(レーザーダイオード)などからなる光源31、コリーメートレンズ32、アパーチャ33、集光レンズ34などを有してなる。さらに、後述の光偏向器、結像走査レンズなどを経て試料25上に所望のビーム径、ビームプロファイルを生成することが可能となっている。また、LDパワー駆動制御部46により、適切な露光時間、露光エネルギーで光ビームを照射できるようになっている。図1に示す例では、平板状の試料載置台26上に平板状の感光体試料25が載置され、この試料25の上面に光ビームを照射し、試料25の面に静電潜像を形成するようになっている。
図示の実施例は、光ビームを感光体試料25の面上で走査するための光偏向器を備え、光偏向器としてポリゴンミラー41を備えている。図2に示すように、集光レンズ34を透過した光ビームはミラー35で反射されてポリゴンミラー41の偏向反射面に導かれ、ポリゴンミラー41が所定の回転速度で回転駆動されることにより、光ビームが偏向されるようになっている。偏向光の進路上には、走査レンズ42および長尺レンズ43が配置されていて、これらのレンズ42,43を透過した光ビームが感光体試料25の面で収束されかつ感光体試料25の面を走査するようになっている。図2において符号44は被走査面を示しており、この被走査面44は感光体試料25の面に相当する。こうして、感光体試料25の面を光ビームで走査することにより感光体試料25の面にラインパターンを形成することができる。上記ポリゴンミラー41に代えて、例えばガルバノミラーを用いたスキャニング機構としても良い。また、図2(b)に示すように、光源を面発光レーザー(VCSEL)などからなるマルチビーム光源とし、この光源を回転させることにより感光体試料25上に線状のパターンを形成する走査光学系を構成してもよい。図2において符号45は同期検知器を示している。
図1に示すように、光走査装置30は、ポリゴンモータなど光偏向器の動作による振動や、電磁場の影響が荷電粒子照射部1における電子ビームの軌道に影響を与えないように、真空チャンバ2の外に配置すると良い。光偏向器を電子ビーム軌道位置から遠ざけることにより、外乱の影響を抑制することが可能となる。光走査装置30による偏向光は、真空チャンバ2内に光学的に透明な入射窓38から入射するようになっている。
図5は、上記実施における真空チャンバ2の主要な構成部分の断面図である。図5に示すように、光走査装置30からの光ビームが、真空チャンバ2の鉛直軸に対して45°の角度で、真空チャンバ2内部に入射することができる入射窓38を配置し、真空チャンバ2の外部に走査ユニット30を配置した構成となっている。図5において、走査ユニット30は、前述のとおり、光源部、走査レンズ、同期検知器45、光偏向器としてのポリゴンミラー41等を有している。
真空チャンバ2および光走査装置30は、外部からの振動が伝わらないように除振台51の上に取り付けられている。光走査装置30を構成する上記光学部品は、光学ハウジング54とこのハウジング54に被せられたカバー55で形成されている密閉空間に組み込まれている。上記光学ハウジング54は、除振台51から立ち上がった構造体としての複数の支柱52と、平行移動台53を介して除振台51上で支持されている。光学ハウジング54とカバー55で走査光学系全体が覆われることにより、走査ユニット30から真空チャンバ2内部へ入射する外光(有害光)を遮光する構成になっている。走査ユニット30に含まれる前記走査レンズ42はfθ特性を有しており、ポリゴンミラー41が一定速度で回転しているときに、光ビームは被走査面44上においてほぼ一定のビームスポット径で略等速度で移動する構成となっている。
走査光学系が組み込まれた光走査装置30は、真空チャンバ2から離れて配置されているので、ポリゴンミラー41などからなる光偏向器を駆動することによって発生する振動は、真空チャンバに直接伝播されることがなく、走査ユニット30からの振動の影響は少ない。さらに、図5には示されていないが、除振台51と支柱52との間にダンパを挿入すれば更に効果の高い防振効果を得ることができる。
走査ユニット30から真空チャンバ2に向かう光ビーム60の射出部には、内部遮光筒56、遮光部材57、ラビリンス部58、外部遮光筒59が組み込まれていて、真空チャンバ2への外乱光の入射が規制されるようになっている。
真空チャンバ2内には、前述のとおり試料載置台26が設けられ、試料載置台26に感光体試料25が載置されるようになっている。真空チャンバ2を貫いて、上記感光体試料25から放出される電子を検出する検出器40が配置され、検出器40からはチャンバ2の外側において検出信号を取り出すことができるようになっている。
このようにして走査ユニット30を組み付けることにより、表面を均一に帯電させた感光体試料25の母線方向に光ビームを走査して、ラインパターンを含めた任意の潜像パターンを感光体試料25の面に形成することができる。
また、感光体試料25面の所定の位置に潜像パターンを形成するために、光偏向手段からの走査ビームを検知する前記同期検知器45の検知信号を活用すると良い。
感光体試料25の形状は、平面であっても曲面であっても良い。
図3は、感光体試料が、円筒形状の感光体である場合の実施例を示す。以下、図3に示す実施例について説明するが、基本的には図1に示す実施例の構成と同じであるから、構成を簡略化して示し、共通の構成部分には共通の符号を付している。以下、重複した説明は簡略化しながら、図3に示す実施例について説明する。図3において、符号1は荷電粒子すなわち電子ビームの照射部を、2は真空チャンバを、11は電子銃を、15はコンデンサレンズを、20は偏向電極からなる走査レンズを、21は対物レンズをそれぞれ示している。また、真空チャンバ2の外側には光走査装置30が設けられ、光による偏向走査ビームが真空チャンバ2内に導かれて感光体試料65の表面に照射されるようになっている。光走査装置30の内部構造は図1に示す光走査装置30の構造と実質的に同じでよい。感光体試料65は画像形成装置の実機に用いられる円筒形状の電子写真感光体と同じ円筒形状であって、中心軸線の周りに回転駆動されながら表面が一様に帯電され、この表面に走査ユニット30から光ビームが偏向走査されつつ照射されることにより、感光体試料65の表面に適宜の静電潜像が形成される。図3において符号66は、感光体試料65の表面に残っている電荷を除去する除電器、符号40は前記検出器を示す。
次に、これまで説明してきた実施例に係る静電潜像評価装置の動作ないしはこの評価装置を用いた評価方法について詳細に説明する。まず、真空チャンバ2内の載置台26にセットした感光体試料25に荷電粒子照射部1によって電子ビームを照射させる。加速電圧|Vacc|は、2次電子放出比が1となる加速電圧より高い電圧に設定することにより、入射電子量が放出電子量より上回るため電子が試料25に蓄積され、チャージアップを起こす(図4(a)参照)。この結果、試料25の表面にはマイナスの電荷が一様に帯電する。試料25の表面を一様に帯電させるには、試料載置台26を一方向に直線移動させながら、偏向電極20により試料載置台26の移動方向に直交する方向に電子を偏向させる。加速電圧と帯電電位は、図4(b)に示すような関係があり、加速電圧と照射時間を適切に設定することにより、電子写真装置の実機における感光体と同じ帯電電位を形成することができる。照射電子量は大きい方が、短時間で、目的の帯電電位に到達することができるため、数nAで照射する。この後、静電潜像を観察することができるように、入射電子量を1/100〜1/1000に下げる。
次に、露光光学系すなわち光走査装置30により感光体試料25に、光ビームを照射して露光を行う。光走査装置30は、所望のビーム径及びビームプロファイルを形成するように調整されている。必要な露光エネルギーは、感光体試料25の特性によって決まるファクタであるが、通常、2〜10mJ/m程度である。感度が低い感光体試料では、十数mJ/m必要なこともある。帯電電位や必要露光エネルギーは、感光体特性やプロセス条件に合わせて設定すると良い。このようにして、感光体試料25に静電潜像を形成することができる。
感光体試料25を電子ビームで走査し、放出される2次電子をシンチレータすなわち検出器40で検出して電気信号に変換し、これを画像化してコントラスト像を観察する。図1の右下部に観察手順を示している。検出器40で信号を検出すると、この検出信号を画像処理手段に入力して画像化し、この画像を潜像面積比率判断手段に入力して潜像の面積比率を判断し、その結果を出力する。露光されることなく帯電電荷が残っている部分では2次電子検出量が多く、露光されて帯電電荷がなくなっている部分では2次電子検出量が少ない明暗のコントラスト像が生じるので、上記潜像面積比率判断手段では、「暗」の部分を露光による潜像部とみなすことができる。
試料25の表面に電荷分布があると、空間に表面電荷分布に応じた電界分布が形成される。このため、入射電子によって、発生した2次電子はこの電界によって押し戻され、検出器40に到達する量が減少する。従って、電荷リーク箇所は、露光部が黒、非露光部が白となり、表面電荷分布に応じたコントラスト像を測定することができる。
図6(a)は、荷電粒子捕獲器24と、試料SPとの間の空間における電位分布を、等高線表示で説明図的に示したものである。試料SPの表面は、光減衰により電位が減衰した部分を除いては負極性に一様に帯電した状態であり、荷電粒子捕獲器24には正極性の電位が与えられているから、「実線で示す電位等高線群」においては、試料SPの表面から荷電粒子捕獲器24に近づくに従い電位が高くなる。
従って、試料SPにおける「負極性に均一帯電している部分」である図のQ1点やQ2点で発生した2次電子el1、el2は、荷電粒子捕獲器24の正電位に引かれ、矢印G1や矢印G2で示すように変位し、荷電粒子捕獲器24に捕獲される。
一方、図6(a)において、Q3点は「光照射されて負電位が減衰した部分」であり、Q3点近傍では電位等高線の配列は破線で示すような配列になり、この部分の電位分布ではQ3点に近いほど電位が高くなっている。換言すると、Q3点の近傍で発生した2次電子el3には、矢印G3で示すように、試料SP側に拘束する電気力が作用する。このため2次電子el3は、破線の電位等高線で示す「ポテンシャルの穴」に捕獲され、荷電粒子捕獲器24に向って移動しない。図6(b)は、上記「ポテンシャルの穴」を模式的に示している。
換言すれば、荷電粒子捕獲器24により検出される2次電子の強度(2次電子数)は、強度の大きい部分が静電潜像の地の部分すなわち均一に負帯電している部分(図6(a)の点Q1やQ2に代表される部分)に対応し、強度の小さい部分が静電潜像の画像部すなわち光照射された部分(図6(a)の点Q3に代表される部分)に対応することになる。
従って、2次電子の検出器40で得られる電気信号を、信号処理部で適当なサンプリング時間でサンプリングすれば、前述の如く、サンプリング時刻:Tをパラメータとして、表面電位分布:V(X,Y)を「サンプリングに対応した微小領域」ごとに特定でき、信号処理部により上記表面電位分布(電位コントラスト像):V(X,Y)を2次元的な画像データとして構成し、これをアウトプット装置で出力すれば、静電潜像が可視的な画像として得られる。
例えば、捕獲される2次電子の強度を「明るさの強弱」で表現すれば、静電潜像の画像部分は暗く、地の部分は明るくコントラストがつき、表面電荷分布に応じた明暗像として表現(出力)することができる。勿論、表面電位分布を知ることができれば、表面電荷分布も知ることができる。
次に、上記静電潜像評価装置の動作および静電潜像評価方法について説明する。
感光体試料に狙いの潜像を形成したときにレーザーパワーを変えても静電潜像の潜像面積が変化しにくいこと、すなわちロバスト性が高く、理想的な潜像が形成されていることを見出した。この着眼点に基づいて、静電潜像形成能力を評価するという発想に至った。
図7は、試料25に形成された1ドットの孤立パターンにおける露光エネルギー密度と、潜像面積の関係を示す。露光エネルギーの増加と共に、潜像径、したがって線像面積は増加し、ほぼ直線的に変化することがわかった。そして、直線の傾きは、潜像面積やビームスポット径などの露光条件、感光体条件によって変化する。傾きが小さいほど良好な潜像が形成することがわかった。従って、図8に示すように、露光量を変えて最低2水準計測し、この2水準間の傾きを算出することで、潜像形成システムの潜像形成能力を定量的に評価することができる。
図9に、潜像形成状態と潜像面積との関係を示す。図9(a)は、潜像が深く形成された、潜像形成能力の高い条件1の場合を示しており、光量変動に伴う潜像面積変化の割合が少ない。図9(b)は、潜像が浅く形成された、潜像形成能力の低いすなわちドット再現性の悪い条件2の場合を示しており、光量変動に伴う潜像面積変化の割合が大きくなっている。
従って、感光体試料25に照射される露光エネルギー密度の違いで生じた複数の静電潜像の大きさの変動量を比較することによる評価値を新たに導入とすることで、潜像形成能力を定量的に評価できることがわかる。
静電潜像の評価を行う場合、必要な書き込み密度から画周波数を決定し、ビームスポット径、デューティ、露光エネルギー等をパラメータとすることで、各種の評価を行うことができる。
まず、電子写真プロセスに用いる400〜800nmの光に感度を有する有機感光体に対して、電子ビームをその加速電圧を2次電子より高い加速電圧に設定して照射することにより、帯電電位を設定することができる。電子写真装置の実機では、コロナ帯電、スコロトロン帯電などを用いるが、図4(b)に示すにように、電子ビームの加速電圧と感光体上の帯電電位には直線関係が成立するので、真空中であっても、実機環境を再現するために、狙った帯電電位を設定する。
次に、露光により静電潜像を形成する。露光光学系としては、前述の光走査装置30を用い、電子写真装置の実機に合わせた露光条件、例えば露光エネルギー密度0.5〜10mJ/m、ビームスポット径30−100μm、デューティ、画周波数、書込密度、画像パターン等の条件を設定すると良い。画像パターンとしては、1ドット孤立のほか、図10に示すように、1dot格子、2by2,2ドット孤立など、また、2ドットラインなど様々なパターンを用いることができる。
次に、基準光量として、像面光量がP1の条件にて、静電潜像パターンを形成する。そして、上記計測手段を用いて信号を検出し、画像データとして取り込む。露光エネルギー密度を変えて静電潜像パターンを形成し、これを計測する。露光エネルギー密度を変える手段としては、減衰板を用いても良いし、前記LDパワー制御手段46により、LDのレーザーパワーを変更して、像面光量をP2の条件に設定し、その他の条件は固定して、同じように潜像画像を取り込んでも良い。
潜像画像から、潜像面積を算出するためには、例えば図1に示す画像処理手段により画像処理を行って潜像パターンの輪郭を抽出し、輪郭の内側に占める画素数をカウントすることでP1,P2における潜像面積S1,S2を算出する。2つの条件での潜像の大きさを比較するために、(S2−S1)/(P2−P1)を演算させることで、潜像面積の変化を傾きαとして、計測することができる。αは以下の式で表される。
tan(α)=(S2−S1)/(P2−P1) ・・・・(1)
次に、潜像面積の変化を定量的な指標で評価する別の方法について説明する。
まず、基準光量として、像面光量がP1の条件にて、静電潜像パターンを形成し、上述の手段を用いて、潜像面積S1を算出する。同様に像面光量P2,P3にて潜像面積S2,S3を算出する。P2,P3は以下の条件に設定する(図11参照)。
P2=(1−α)×P1
P3=(1+α)×P1
αは、0から1の間で適切な値を設定すると良い。αの値が1になると、潜像が形成されない条件が生じ、αの値が0に近くなるにしたがって潜像面積の変化が小さく、計測のSN比が低下する。
従って、0.03<=α<=0.3の範囲が好適である。
上記評価方法によれば、潜像面積を計測することができるので、主走査方向及び副走査方向の潜像の径を計測することは容易である。
ただし、潜像は、主副ビームスポット径、デューティ、画像パターンによって、縦長形状や横長形状などになるため、空間周波数で評価する場合の指標としては、潜像面積を円相当径で表すとなお良い。潜像面積をSとしたときの円相当径:Dは、図12に示すように、
D=2×(S/π)^0.5 ・・・(2)
で表すことができる。(2)式より、基準光量P1における円相当径D1を算出することができる。また、「光量P2の潜像面積S2/光量P3の潜像面積S3」を演算させることにより、潜像面積が変動した比率を表す潜像面積比率を出すことができる。従って、露光エネルギー密度を3回計測することで、円相当径D1における潜像面積比率Mを、
M=S2/S3
によって求めることができ、これによって定量的な評価値を導出することができる。
図13は、潜像面積比率の算出に至る解析フローを示す。図13において、s1,s2,・・・はステップを表している。iは円相当径の算出回数を示す。i=1でスタートし、LDパワーPiを設定して(s1)、このパワーで静電潜像パターンを形成し(s2)、静電潜像データを取込む(s3)。このデータから画像処理を行い(s4)、潜像パターンを抽出し(s5)、潜像面積Siを算出して(s6)、円相当径Diを算出する(s7)。ステップs8ではi=3に達したか否かを見て、達していなければステップs9でiに1を加え、ステップs1に戻って同じ動作を繰り返す。ただし、動作を繰り返す際のLDパワーは前回のパワーと異なるパワーに設定する。こうして同じ動作が3回繰り返されて異なる円相当径Diが3回求められたら、潜像面積比率算出ステップ(s10)に進み、前述の式を適用して潜像面積比率Mを求める。
ちなみに、円相当径の算出では、S2,S3の結果から得られたD2,D3の平均で潜像面積比率Mを算出しても良い。これにより、2回の計測で、3回計測と同等の結果を得ることもできる。
また、解析のタイミングは、複数の計測データを先に取得した後であっても良い。
図14は、潜像面積比率を算出するための別の解析フローを示す。i=1でスタートし、LDパワーPiを設定して(s11)、このパワーで静電潜像パターンを形成し(s12)、静電潜像データを取込む(s13)。次に、i=2に達したか否かを判断し(s14)、達していなければステップs15でiに1を加え、ステップs11に戻り前回のパワーと異なるパワーに設定して同じ動作を繰り返す。同じ動作が2回繰り返されて異なる円相当径Diが2回求められたら、画像処理(s16)、潜像パターン抽出(s17)、潜像面積S1,S2算出(s18)、円相当径D1,D2算出(s19)と進み、潜像面積比率算出ステップ(s20)を実行して終了する。
上記iの値は任意で、静電潜像データを2回以上n回繰り返して取り込み、その平均をとることで、SN比を向上させることもできる。
潜像面積比率は、円相当径すなわち空間周波数特性に依存することがわかった。空間周波数が大きいほど、潜像面積比率の値は0に近くなり、潜像形成能力は低下したことを意味する。従って、1ドット,2ドットなどの露光パターンや、デューティや、基準となる露光エネルギー密度を変えることで、潜像相当径を変え、それぞれの条件下での潜像面積比率を計測し、各空間周波数帯域で評価することにより、さらに詳細な潜像状態を評価することができる。
空間周波数は円相当径の逆数すなわち、
空間周波数=1/円相当径
とみなして評価している。
ビームスポット径や感光体膜厚など潜像形成に起因する特性値を変えた時の空間周波数特性は図15のようになる。この図からわかるように、通常、空間周波数が大きいほど、潜像形成能力は低下する。従って、特性値1の方が特性値2よりも潜像形成能力が高いことを意味する。
このように、潜像相当径を変えて、潜像面積比率Mを計測し、各空間周波数帯域で評価することによりさらに詳細な潜像状態を評価し、システムの違いによる潜像形成能力を定量的に評価することができる。
具体的実施例として、CTL膜厚30μmで400〜800nmの光に対して、感度を有する有機感光体に−800Vに帯電させ、波長655nmのLD光源を用い、ビームスポット径が主走査方向60μm,副走査方向80μm、書込密度600dpi,画周波数40MHz,デューティ(Duty)20−100%の条件で、基準光量となる露光エネルギー密度0.5〜4mJ/m2で1dot孤立パターンの静電潜像を形成したとき、基準光量に対してα=0.1の条件にて計測したときの結果は、
円相当径128μmのときM=0.87
円相当径65μmのときM=0.74
円相当径44μmのときM=0.41
であった。
基本的には、円相当径が小さく、空間周波数(1/円相当径)が高いほど、潜像面積比率Mは小さくなり、同じ潜像形成手段であっても、空間周波数に依存することがわかった。潜像面積比率Mの空間周波数特性の測定結果を図16に示す。図16からわかるように、M=0.6以下になると、潜像は形成できても、変動が大きくて、安定したドットを得ることができない。M>=0.6以上であれば潜像形成が十分にあるものとみなすことができる。この条件では空間周波数0.02mm以下(円相当径50μm以上)に対して、潜像を形成しているとみなす。また、異なるビームスポット径で円相当径65μmとなるように、デューティと露光エネルギー密度を設定した場合、
ビームスポット径が主走査方向60μm,副走査方向80μmのとき、M=0.74であり、
ビームスポット径が主走査方向45μm,副走査方向60μmのとき、M=0.87であり、
ビームスポット径が小径の方がMの値が大きく、潜像形成能力が高いことを定量的に評価できることがわかった。
VCSELなどのマルチビーム走査光学系では、4以上の複数光源を用い、多くのビームが重なり合いながら、複雑な露光条件のもとで、ひとつの潜像パターンを形成することになる。このような場合には、それぞれのパラメータの影響度合いがわかりにくい。このような潜像形成条件のもとにおいて、本発明にかかる静電潜像評価装置および静電潜像評価方法は特に有効である。
感光体資料の表面電荷分布や表面電位分布のプロファイルを測定することにより、さらに高精度に静電潜像を評価することが可能である。図18は、感光体試料の表面電位分布測定による本発明に係る静電潜像評価装置の他の実施例を示す。図18において、試料載置台26は、接地電極板261と、この接地電極板261の上面に絶縁体262を介して一体に設けられた導電板263によって構成され、導電板263の上に感光体試料25が載置されるようになっている。上記導電板263は電圧源28から電圧±Vsubを印加できる電圧印加部となっている。すなわち、感光体試料25の下部は電圧±Vsubの印加部となっている。また、 試料25の上部は、入射電子ビームが試料25の電荷による影響を受けることを抑制するために、対物レンズ21の下方において、電子ビーム通路の周囲を囲む導電板71、導電板を兼ねたサイドグリッド72および電子ビーム通路を横切って配置されたグリッドメッシュ73が配置されている。これら導電板71、サイドグリッド72、グリッドメッシュ73は接地電位に保たれている。感光体試料25から放出され、グリッドメッシュ73およびサイドグリッド72をすり抜けた電子ビームからなる荷電粒子が検出器40で検出されるようになっている。検出器40には約10kvの電圧が印加されている。このように、図18に示す静電潜像評価装置は、グリッドメッシュを配置した装置として構成されていることを特徴としている。
図19は、入射電子と感光体試料の関係を示す図である。同図(a)は、加速電圧が表面電位ポテンシャルより大きい場合を、同図(b)は加速電圧が表面電位ポテンシャルより小さい場合をそれぞれ示す。入射する荷電粒子の試料垂直方向の速度ベクトルが、試料到達前に反転するような状態が存在する領域が存在し、その1次入射荷電粒子を検出する構成となっている。なお、加速電圧は、正で表現することが一般的であるが、加速電圧の印加電圧Vaccは負であり、電位ポテンシャルとして、物理的意味を持たせるためには、負で表現する方が説明しやすいため、ここでは加速電圧は負(Vacc<0)と表現している。電子ビームの加速電位ポテンシャルをVacc(<0)、試料の電位ポテンシャルをVp(<0)とする。
電位とは、単位電荷が持つ電気的な位置エネルギーである。したがって、入射電子は、電位0(V)では加速電圧Vaccに相当する速度で移動する。すなわち、電子の電荷量をeとし電子の質量をmとすると、電子の初速度v0は、
(m×v0^2)÷2=e×|Vacc|
で表される。真空中ではエネルギー保存の法則により、加速電圧の働かない領域では等速で運動し、試料面に接近するに従い、電位が高くなり、試料電荷のクーロン反発の影響を受けて速度が遅くなる。したがって、一般的に以下のような現象が起こる。
同図(a)において、|Vacc|≧|Vp|なので、電子は、その速度が減速されるものの、試料に到達する。
同図(b)において、|Vacc|<|Vp|場合には、入射電子の速度は試料の電位ポテンシャルの影響を受けて徐々に減速し、試料に到達する前に速度が0となって、反対方向に進む。
空気抵抗の無い真空中では、エネルギー保存則がほぼ完全に成立する。したがって、入射電子のエネルギーを変えたときの、試料面上でのエネルギーすなわちランディングエネルギーがほぼ0となる条件を計測することで、表面の電位を計測することができる。ここでは1次反転荷電粒子、特に電子の場合を1次反転電子と呼ぶことにする。試料に到達したとき発生する2次電子と1次反転荷電粒子では、検出器に到達する量が大きく異なるので、明暗のコントラストの境界より、識別することができる。
なお、走査電子顕微鏡などには、反射電子検出器があるが、この場合の反射電子とは、一般的に試料の物質との相互作用により、入射電子が後方背面に反射(散乱)され、試料の表面から飛び出す電子のことを指す。反射電子のエネルギーは入射電子のエネルギーに匹敵する。反射電子の強度は試料の原子番号が大きいほど大きいといわれ、反射電子検出器による検出方法は、試料の組成の違い、凹凸がわかるための検出方法である。
これに対して、1次反転電子は、試料表面の電位分布の影響を受け、試料表面に到達する前に反転する電子のことで有り、全く異なる現象である。
図20は潜像深さ計測結果の一例を示す。各走査位置(x,y)で、加速電圧Vaccと、試料下部印加電圧Vsubとの差をVth(=Vacc−Vsub)とすれば、ランディングエネルギーがほぼ0となるときのVth(x,y)を測定することで電位分布V(x,y)を測定することができる。Vth(x,y)は、電位分布V(x,y)との間に一意的な対応関係があり、Vth(x,y)はなだらかな電荷分布などであれば、近似的に電位分布V(x,y)と等価となる。
図20上段の曲線は、試料表面の電荷分布によって生じた表面電位分布の一例を示している。2次元的に走査する電子銃の加速電圧は−1800Vとした。中心(横軸座標=0の位置)の電位が約−600Vであり、中心から外側に向かうに従って、電位がマイナス方向に大きくなり、中心から半径が75μmを超える周辺領域の電位は約−850V程度になっている。同図中段に示す楕円形は、試料の裏面をVsub=−1150Vに設定したときの検出器出力を画像化したものである。このとき、Vth=Vacc−Vsub=−650Vとなっている。同図下段に示す楕円形はVsub=−1100Vとしたほかは上記条件と同じ条件で得られた検出器出力を画像化したものである。このときのVthは−700Vになっている。
図20からわかるように、加速電圧Vaccまたは印加電圧Vsubを変えながら、試料表面を電子で走査させ、Vth分布を計測することにより、試料の表面電位情報を計測することが可能となる。
この方法を用いることにより、従来困難であった、潜像電位分布をμmオーダーで計測することが可能となる。レーザーパワーを変えると潜像電位深さが変化する。このため、上記方式を用いて、潜像深さを測定し,レーザーパワーを変えたときの潜像深さ変動比率より同様の評価することができる。
光量P2のときの潜像深さをVp2
光量P3のときの潜像深さをVp3
とすれは、潜像深さ比率をMvとしたとき、
Mv=Vp2/Vp3
で表すことができる。空間周波数については、例えば潜像電位プロファイルの半値全幅で設定することができる。
1次反転電子で潜像プロファイルを計測する方式では、入射電子のエネルギーが極端に変わるため、入射電子の軌道がずれてくることがあり、その結果として、走査倍率が変わり、あるいは歪曲収差を生じることになる。その場合には、静電場環境や電子軌道をあらかじめ計算しておき、それをもとに補正することにより、さらに高精度に計測することが可能となる。
感光体に求められる機能としては、ビームスポット径より大きな潜像に対して、十分な潜像形成能力を有していることが求められる。また、電子写真として、ドット再現性は高画質化のための必要条件であり、最低でも65μm以上のドット再現性が求められる。 感光体の潜像形成能力向上に有効なパラメータとしては、感光体膜厚や残電特性及び耐絶縁性などがある。そこで、光学系パラメータを固定し、感光体処方の特性パラメータのみを変動させることで、感光体の潜像形成能力を評価することができる。
標準光学パラメータ条件として、書き込み光源波長が400nm以上780nm以下、かつ、ビームスポット径の円相当径が65μm以上の条件のときに、基準光量に対して+10%と、基準光量に対して−10%の光量を照射させ、そのときの潜像面積を計測したとき、ビームスポット径の円相当径以上となる潜像において、潜像面積変動比率が60%以上であることが望まれる。
上記評価方法を用いて得られた結果が、図17に示す感光体処方2のような場合は、静電潜像形成能力がNGすなわち不可であるとみなすことができる。この場合は、CTL膜厚を薄膜化することで、静電潜像形成能力を向上させることができる。厚膜の方が高耐久な感光体であるため、高耐久性の要求には相反することになるが、上記評価方法を採用することにより、高画質と高耐久性を両立する最適な膜厚を有する感光体を設計することが可能となる。
以下に、本発明に係る画像形成装置の実施の1形態を説明する。図22は画像形成装置の実施の1形態であるレーザープリンタの例を略示している。レーザープリンタ100は像担持体111として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。像担持体111の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配備されている。この実施の形態では「帯電手段」として、オゾン発生の少ない接触式の帯電ローラ112を用いているが、コロナ放電を利用するコロナチャージャを帯電手段として用いることもできる。また、光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「レーザビームLBの光走査による露光」を行うようになっている。図22において、符号116は定着装置、符号118は給紙カセット、符号119はレジストローラ対、符号120は給紙コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ローラ対、符号123はトレイを示している。
画像を形成するときは、光導電性の感光体である像担持体111が図22において時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ112により均一に帯電され、光走査装置117のレーザビームによる光書込による露光により静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置113により反転現像され、像担持体111上にトナー画像が形成される。転写紙を収納したカセット118は画像形成装置100本体に着脱可能で、図のごとく装着された状態において、収納された転写紙の最上位の1枚が給紙コロ120により給紙される。給紙された転写紙は、その先端部をレジストローラ対119に銜えられる。レジストローラ対119は、像担持体111上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングをあわせて転写紙を転写部へ送りこむ。送りこまれた転写紙は、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ、転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転写される。トナー画像が転写された転写紙は定着装置116でトナー画像が定着されたのち、搬送路21を通り、排紙ローラ対122によりトレイ123上に排出される。トナー画像が転写されたのち、像担持体111の表面はクリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
上記画像形性装置100の像担持体111をなす光導電性の感光体として、これまで説明してきた静電潜像評価装置または静電潜像評価方法によって評価され、前述の条件を満たす感光体を選択した採用することにより、解像力に優れて精彩度の高い画像を形成することができ、かつ高耐久で信頼性の高い画像形成装置を製作することができる。
特にVCSELなどのマルチビーム走査光学系を搭載した画像形成装置に適する。
本発明に係る静電潜像評価装置の実施例を模式的に示す正面図である。 上記実施例中の光走査装置の部分を示す(a)は平面図、(b)は光源部の斜視図である。 本発明に係る静電潜像評価装置の別の実施例を模式的に示す正面図である。 本発明に係る静電潜像評価装置において狙いの帯電電位を設定するときの加速電圧と帯電の関係および加速電圧と帯電電位の関係を示すグラフである。 本発明の静電潜像評価装置に用いることができる真空チャンバの主要な構成部分の断面図である。 2次電子による電荷分布および電位分布検出の原理を示すモデル図である。 感光体試料における書き込み光の露光エネルギー密度と潜像面積との関係を示すグラフである。 感光体試料における像面での光量と潜像面積の関係を示すグラフである。 感光体試料における潜像形成能力の違いと潜像面積の関係を示すモデル図である。 本発明に適用可能な走査光学系による各種潜像パターンの例を示すモデル図である。 本発明に適用可能な潜像面積比率評価の例を示すグラフである。 本発明による静電潜像評価に用いることができる円相当径の概念を示すモデル図である。 本発明に適用可能な潜像面積比率算出の解析手順の一例を示すフローチャートである。 本発明に適用可能な潜像面積比率算出の解析手順の別の例を示すフローチャートである。 感光体試料における潜像面積比率の空間周波数依存性を示すグラフである。 感光体試料における潜像面積比率の計測評価結果を示すグラフである。 感光体試料における潜像面積比率と感光体処方の関係を示すグラフである。 本発明に適用可能なグリッドメッシュの配置による静電潜像評価装置の他の実施例を示すモデル図である。 入射電子と感光体試料の関係を示すモデル図である。 感光体試料における潜像深さ計測結果の一例を示すグラフおよびモデル図である。 感光体試料における潜像電位プロファイルと光量との関係を示すグラフである。 本発明に係る画像形成装置の実施例を示すモデル図である。
符号の説明
1 荷電粒子照射部
2 真空チャンバ
11 電子銃
20 偏向電極
21 対物レンズ
25 感光体試料
30 光走査装置
40 検出器
54 光学ハウジング
65 感光体試料

Claims (10)

  1. 表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して荷電粒子ビームを照射し、荷電粒子ビームの照射で得られる検出信号により試料の静電潜像を計測する静電潜像評価装置において、
    上記試料に波長400〜800nmのレーザー光を照射して静電潜像を形成する光走査装置と、
    上記静電潜像の大きさを計測するとともに感光体試料に照射される露光エネルギー密度を変えて複数回計測する静電潜像計測手段と、
    上記計測手段による複数回の計測結果から感光体試料に照射される露光エネルギー密度の違いで生じる複数の静電潜像の大きさの変動量を比較して静電潜像を評価する比較手段と、を有することを特徴とする静電潜像評価装置。
  2. 静電潜像計測手段は、静電潜像の面積を算出することを特徴とする請求項1記載の静電潜像評価装置。
  3. 静電潜像計測手段は、潜像面積より潜像円相当径を算出することを特徴とする請求項2記載の静電潜像評価装置。
  4. 静電潜像計測手段は、潜像円相当径から空間周波数を計測する手段と、露光エネルギー密度を基準に対して一定量変化させたときの潜像面積変動比率を評価値として算出する手段と、上記空間周波数毎の潜像面積変動比率を計測する手段と、を有することを特徴とする請求項3記載の静電潜像評価装置。
  5. 基準光量P1に対して、潜像面積変動比率を計測するときの光量をP2,P3としたとき、P2,P3の露光量は、
    P2=(1−α)×P1
    P3=(1+α)×P1
    0.03<=α<=0.3
    の条件であることを特徴とする請求項4記載の静電潜像評価装置。
  6. 露光エネルギー密度を変化させる手段は、光源のレーザーパワーを変えるものであることを特徴とする請求項1記載の静電潜像評価装置。
  7. 試料表面の電位ポテンシャルを変えるための電圧印加手段と、潜像深さを計測する潜像深さ計測手段と、を有し、潜像深さ計測手段は、試料に入射する荷電粒子の試料に対する垂直方向の速度ベクトルが反転するような領域が存在する条件下で計測することができ、レーザーパワーを変えたときの潜像深さ変動比率により静電潜像を評価することを特徴とする請求項1記載の静電潜像評価装置。
  8. 表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して荷電粒子ビームを照射し、荷電粒子ビームの照射で得られる検出信号により試料の静電潜像を計測する静電潜像評価方法において、
    上記試料に波長400〜800nmのレーザー光を照射して静電潜像を形成する工程と、
    上記静電潜像の大きさを計測するとともに感光体試料に照射される露光エネルギー密度を変えて複数回計測する静電潜像計測工程と、
    上記複数回の計測結果から感光体試料に照射される露光エネルギー密度の違いで生じる複数の静電潜像の大きさの変動量を比較して静電潜像を評価する工程と、を有してなる静電潜像評価方法。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載の静電潜像評価装置を用いて評価した電子写真感光体であって、
    電子ビームの加速電圧を2次電子より高い加速電圧に設定して狙いの帯電電位を設定する手段と、光源からの光束を光偏向器により等角速度的に偏向させ走査結像光学系により偏向光束を被走査面上に光スポットとして集光して感光体試料面に等速度的な光走査を行なう光走査装置と、を用い、
    上記光走査装置で、電子写真装置における帯電電位、露光量、ビームスポット径の条件と同じ条件下で既知の潜像パターンを真空内で形成し、形成された潜像を取り込んだデータから、書き込み光源波長が780nm以下であり、かつ、平均ビームスポット径が65μm以上の条件において、基準光量に対して潜像円相当径が平均ビームスポット径以上であり、基準光量に対して+10%と基準光量に対して−10%の光量を照射させて潜像面積を計測したときの潜像面積変動比率が60%以上であることを特徴とする電子写真感光体。
  10. 感光体に対して電子写真プロセスを実行することにより画像を形成する画像形成装置であって、上記感光体は請求項9記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
JP2008152206A 2008-06-10 2008-06-10 静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置 Expired - Fee Related JP5262322B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008152206A JP5262322B2 (ja) 2008-06-10 2008-06-10 静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置
US12/481,209 US8168947B2 (en) 2008-06-10 2009-06-09 Electrostatic latent image evaluation device, electrostatic latent image evaluation method, electrophotographic photoreceptor, and image forming device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008152206A JP5262322B2 (ja) 2008-06-10 2008-06-10 静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009300535A JP2009300535A (ja) 2009-12-24
JP5262322B2 true JP5262322B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=41399447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008152206A Expired - Fee Related JP5262322B2 (ja) 2008-06-10 2008-06-10 静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8168947B2 (ja)
JP (1) JP5262322B2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7745786B2 (en) * 2008-03-19 2010-06-29 Fama Leo A Method and apparatus allowing simultaneous direct observation and electronic capture of scintillation images in an electron microscope
JP5742101B2 (ja) * 2010-03-11 2015-07-01 株式会社リコー 静電潜像の測定方法と測定装置
JP5756585B2 (ja) * 2010-04-07 2015-07-29 エフ・イ−・アイ・カンパニー 組合せレーザおよび荷電粒子ビーム・システム
JP5581910B2 (ja) * 2010-09-02 2014-09-03 株式会社リコー 静電潜像計測装置および静電潜像計測方法
JP5568419B2 (ja) 2010-09-06 2014-08-06 株式会社リコー 表面電荷分布の測定方法および表面電荷分布の測定装置
JP5609579B2 (ja) * 2010-11-17 2014-10-22 株式会社リコー 表面電荷分布測定方法および表面電荷分布測定装置
JP5652651B2 (ja) * 2010-11-26 2015-01-14 株式会社リコー 静電潜像計測方法および静電潜像計測装置
TWI457598B (zh) * 2012-01-20 2014-10-21 Academia Sinica 光學模組及顯微鏡
JP5884523B2 (ja) * 2012-02-02 2016-03-15 株式会社リコー 潜像電荷総量の測定方法、潜像電荷総量の測定装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP5871670B2 (ja) * 2012-03-14 2016-03-01 日置電機株式会社 帯電体検出装置および帯電体検出方法
US20140022326A1 (en) * 2012-07-18 2014-01-23 Fuji Xerox Co., Ltd. Surface-emitting semiconductor laser, surface-emitting semiconductor laser device, optical transmission device, and information processing device
JP6115191B2 (ja) 2013-03-07 2017-04-19 株式会社リコー 静電潜像形成方法、静電潜像形成装置及び画像形成装置
JP6322922B2 (ja) 2013-08-08 2018-05-16 株式会社リコー 画像形成方法、画像形成装置
JP6418479B2 (ja) 2013-12-25 2018-11-07 株式会社リコー 画像形成方法、画像形成装置
US9513573B2 (en) 2014-09-04 2016-12-06 Ricoh Company, Ltd. Image forming method, image forming apparatus, and printed matter production method
JP6702807B2 (ja) * 2016-06-14 2020-06-03 日本電子株式会社 電子顕微鏡および画像取得方法
DE102019203493A1 (de) * 2019-03-14 2020-09-17 BLZ Bayerisches Laserzentrum Gemeinnützige Forschungsgesellschaft mbH Verfahren zur ultrahochaufgelösten Modifikation, insbesondere zur physischen Materialabtragung oder internen Materialänderung, eines Werkstücks
KR20220031093A (ko) * 2019-08-08 2022-03-11 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 하전 입자 시스템 내 ACC(advanced charge controller) 모듈의 빔 조정

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0349143A (ja) 1989-07-18 1991-03-01 Fujitsu Ltd 電子ビームによる静電潜像の画像取得方法
JPH03200100A (ja) 1989-12-28 1991-09-02 Toretsuku Japan Kk X線顕微鏡
JP3200100B2 (ja) 1991-08-26 2001-08-20 株式会社アマダ 自動溶接機のトーチ姿勢保持方法
JPH0761036A (ja) * 1993-08-24 1995-03-07 Oki Electric Ind Co Ltd 露光装置
JP3841928B2 (ja) * 1997-07-15 2006-11-08 富士ゼロックス株式会社 画像形成方法、画像形成装置及び静電潜像現像剤
JP3616276B2 (ja) * 1999-06-11 2005-02-02 シャープ株式会社 画像形成装置および画像形成方法
JP2002099118A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Canon Inc 画像形成装置
JP2003295696A (ja) 2002-04-05 2003-10-15 Ricoh Co Ltd 静電潜像形成方法および装置、静電潜像の測定方法および測定装置
JP4344909B2 (ja) 2002-04-11 2009-10-14 株式会社リコー 静電潜像の測定装置および静電潜像の測定方法
JP2004109702A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Ricoh Co Ltd 画像形成装置・画像形成方法
JP2004251800A (ja) 2003-02-21 2004-09-09 Ricoh Co Ltd 表面電荷分布測定方法および装置
US7138629B2 (en) * 2003-04-22 2006-11-21 Ebara Corporation Testing apparatus using charged particles and device manufacturing method using the testing apparatus
US7239148B2 (en) * 2003-12-04 2007-07-03 Ricoh Company, Ltd. Method and device for measuring surface potential distribution
JP4559063B2 (ja) 2003-12-04 2010-10-06 株式会社リコー 表面電位分布の測定方法および表面電位分布測定装置
US7403316B2 (en) * 2004-01-14 2008-07-22 Ricoh Company, Ltd. Optical scanning device, image forming apparatus and liquid crystal device driving method
JP2008047393A (ja) * 2006-08-14 2008-02-28 Ricoh Co Ltd 静電潜像測定方法、静電潜像測定装置、画像形成装置、プログラム、記録媒体
US8314627B2 (en) * 2006-10-13 2012-11-20 Ricoh Company, Limited Latent-image measuring device and latent-image carrier
JP5086671B2 (ja) 2007-03-19 2012-11-28 株式会社リコー 静電潜像の評価方法・静電潜像評価装置
JP5103644B2 (ja) * 2007-08-24 2012-12-19 株式会社リコー 光走査装置及び潜像形成装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US8168947B2 (en) 2012-05-01
US20090302218A1 (en) 2009-12-10
JP2009300535A (ja) 2009-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5262322B2 (ja) 静電潜像評価装置、静電潜像評価方法、電子写真感光体および画像形成装置
JP5086671B2 (ja) 静電潜像の評価方法・静電潜像評価装置
JP6332623B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2004251800A (ja) 表面電荷分布測定方法および装置
JP5176328B2 (ja) 静電特性計測方法及び静電特性計測装置
JP2008076100A (ja) 表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法、及び測定装置、並びに画像形成装置
JP5434164B2 (ja) 静電潜像の評価方法、静電潜像の評価装置および画像形成装置
JP5091081B2 (ja) 表面電荷分布測定方法および装置
JP5116134B2 (ja) 表面電位分布測定装置、潜像担持体及び画像形成装置
JP4438439B2 (ja) 表面電荷分布測定方法及び装置並びに、感光体静電潜像分布測定方法及びその装置
JP2008047393A (ja) 静電潜像測定方法、静電潜像測定装置、画像形成装置、プログラム、記録媒体
JP2004233261A (ja) 静電潜像観測方法および装置
JP5374816B2 (ja) 静電潜像の測定装置、潜像担持体、及び画像形成装置
JP5884523B2 (ja) 潜像電荷総量の測定方法、潜像電荷総量の測定装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP5089865B2 (ja) 表面電位分布測定方法及び表面電位分布測定装置
JP5369369B2 (ja) 表面電位分布の測定方法、表面電位の測定装置、感光体静電潜像の測定装置、潜像担持体及び画像形成装置
JP5072081B2 (ja) 感光体静電潜像の測定装置、画像形成装置及び感光体静電潜像の測定方法
JP6031959B2 (ja) 静電潜像評価方法、静電潜像評価装置および画像形成装置
JP5454099B2 (ja) 静電潜像の評価方法
JP2007170949A (ja) 表面電位分布測定方法、表面電位分布測定装置、潜像担持体及び画像形成装置
JP5742101B2 (ja) 静電潜像の測定方法と測定装置
JP5299085B2 (ja) 潜像形成方法、潜像形成装置、画像形成装置および静電潜像計測装置
JP2008058247A (ja) 表面電位分布測定方法、表面電位分布測定装置及び画像形成装置
JP5609579B2 (ja) 表面電荷分布測定方法および表面電荷分布測定装置
JP5673866B2 (ja) 静電潜像の評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5262322

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees