JP2008076100A - 表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法、及び測定装置、並びに画像形成装置 - Google Patents

表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法、及び測定装置、並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複写機等の画像形成装置に用いる潜像担持体(感光体)などの表面電位分布を有する試料に対して、電位分布測定をミクロンオーダーの高分解能で測定し、高画質の画像形成装置を得る。
【解決手段】感光体試料Sに対して裏面に電位を加えて、荷電粒子光学系10で電子ビームを走査する。検出器21で感光体試料Sからの反転された1次電子を検出する。試料S裏面に加える電位を複数設定し、試料Sの表面のある位置が電子ビームが反射するか吸収される境界となった場合のVth分布を加速電圧Vaccと、裏面の印加電圧Vsubから、Vacc-Vsub により定義する。予め電荷分布試料モデルに対する電位分布Vth分布を記憶しておき、測定結果と比較し、電荷分布試料モデルの電荷分布を基本として、電荷分布試料モデルのVth分布と測定結果のVth分布の差を補正することにより、試料の表面電荷分布あるいは表面電位分布を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式による画像形成装置の感光体静電気潜像等における表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法、及び測定装置、並びに該測定方法または測定装置評価した潜像担持体を用いた画像形成装置に関する。
従来、複写機やレーザプリンタといった電子写真方式の画像形成装置では、画像の出力に際して、通常、以下の作像工程を経る。
a.光導電性の感光体を均一に帯電させる帯電工程
b.感光体に光を照射して光導電性により静電潜像を形成する露光工程
c.帯電したトナー粒子を用いて、感光体上に可視画像を形成する現像工程
d.現像された可視画像を紙片等の転写材に転写する転写工程
e.転写された画像を転写材上に融着・固定する定着工程
f.可視画像転写後の感光体上の残留トナーを清掃するクリーニング工程
g.感光体上の残留電荷を除電する除電工程
これら工程それぞれでのプロセスファクタやプロセスクオリティは、最終的な出力画像の品質に大きく影響を与える。近年は、高画質に加え、高耐久性、高安定性、さらには省エネルギーなど環境に優しい作像プロセスの要求がより高まって来ており、各工程のプロセスクォリティの向上が強く求められている。
また、作像工程において、帯電・露光により感光体上に形成される静電潜像は「トナー粒子の挙動に直接影響を与えるファクタ」であり、感光体上における静電潜像の品質評価が重要となる。感光体上の静電潜像を観測し、その結果を設計にフィードバックすることにより、帯電工程や露光工程のプロセスクォリティの向上を図ることができ、その結果、画質・耐久性・安定性や省エネルギーのさらなる向上が期待できる。
このような感光体上に形成される静電潜像を観測する本発明法として、従来から市販品としてある振動容量型の表面電位計を用いることも考えられるが、原理的にセンサプローブを試料から離れた場所に設置せざるを得ないため、詳細に観測することが困難である。そこで、例えば特開2004−251800号公報に開示されているように、電子ビームを用いた静電潜像の観察方法を本出願人は提案している。
さらに近年、画像の高密度化に対応して、光学系の最適化および光源波長を680nm以下に短波長化することによりビームスポット径を60μm以下に小径化し、鮮鋭な画像を出力できる画像形成装置の開発が行われている。
特開2004−251800号公報
しかし、従来の感光体では短波長の光に対して感度が低いことや小径化ビームでは感光体内での光の散乱及び電荷の拡散の影響を強く受け、潜像径が広がり、潜像の深さも浅くなり、階調性、鮮鋭性の安定性が得られないという不具合が発生している。ここでのビームスポット径はビームスポット光量分布が最大光量のe-2以上である範囲の径で定義している。潜像径は潜像電荷密度分布が光の当たっていない部分の電荷密度を基準として最も電荷密度差が大きい部分の電荷密度差のe-2以上である範囲の径で定義している。図13にビームスポット光量分布とそれによって生じる潜像電荷密度分布及び帯電電位の一例を示す。同図(a) に示すビームスポット光量分布においてAがビームスポット径であり、これに対応して同図(b) に示す潜像電荷密度分布においてBが潜像径である。また、同図(c) のDが潜像深さである。
ところで、試料面上および試料周辺の電荷分布または電位分布が分かればそこへ照射された荷電粒子の振る舞いはシミュレーションが可能である。但し、荷電粒子の振る舞いから試料面上および試料周辺の電荷分布または電位分布を解析的に予測することは出来ない。一般的には試料面上および試料周辺の電荷分布または電位分布のモデルを仮定し、そこへ照射された荷電粒子の振る舞いをシミュレーションし、これが実際の現象と異なっていれば、モデルを作り直し、これを実際の現象とシミュレーションが一致するまで繰り返すことになる。これには膨大な時間がかかってしまう。
本発明は、表面電荷分布を精度良く測定する表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法及び測定装置を提供するとともに、測定方法および測定装置により評価した高性能な潜像担持体を備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の本発明の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法は、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する試料に対して、裏面に電位を加えて荷電粒子ビームを走査し、該裏面に加える電位を複数設定し、荷電粒子ビームが該試料近傍で反射されて検出手段に至る領域と該試料に吸収されて該検出手段に至らない領域分布計測により、表面電荷分布あるいは表面電位分布の状態を測定する方法において、
試料裏面にVsub[V] の電圧を印加し、加速電圧Vacc[V] で荷電粒子ビームを照射した場合、試料表面のある位置(x,y) が荷電粒子ビームが反射するか吸収される境界となった場合のVth分布を
Vth(x,y)=Vacc-Vsub …式(1)
と定義し、
予め、電荷分布試料モデルに対する電位分布Vm(x,y) と、Vth分布Vth#m(x,y)を記憶しておき、測定結果と比較し、電荷分布試料モデルの電荷分布を基本として、電荷分布試料モデルのVth分布Vth#m(x,y)と測定結果のVth分布Vth#s(x,y)の差を補正することにより、試料の表面電荷分布あるいは表面電位分布を算出することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置は、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する試料に対して、裏面に電位を加えて荷電粒子ビームを走査し、該裏面に加える電位を複数設定し、荷電粒子ビームが該試料近傍で反射されて検出手段に至る領域と該試料に吸収されて該検出手段に至らない領域分布計測により、表面電荷分布あるいは表面電位分布の状態を測定する装置において、
試料裏面にVsub[V] の電圧を印加し、加速電圧Vacc[V] で荷電粒子ビームを照射した場合、試料表面のある位置(x,y) が荷電粒子ビームが反射するか吸収される境界となった場合のVth分布を
Vth(x,y)=Vacc-Vsub …式(1)
と定義し、
予め、電荷分布試料モデルに対する電位分布Vm(x,y) と、Vth分布Vth#m(x,y)を記憶する記憶手段と、測定結果と比較し、電荷分布試料モデルの電位分布を基本として、電荷分布試料モデルのVth分布Vth#m(x,y)と測定結果のVth分布Vth#s(x,y)の差を補正することにより、試料の表面電荷分布あるいは表面電位分布を算出する演算手段を有することを特徴とする。
請求項3に記載の本発明の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置は、請求項2に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置であって、前記電荷分布試料モデルを複数用意し、測定結果のVth分布をVth#s(x,y)と、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m(x,y)、電位分布をVm(x,y) として、試料の電位分布V(x,y)を算出するために、
Vm(x,y)×Vth#s(x,y)/Vth#m(x,y)
を演算する手段を有することを特徴とする。
請求項4に記載の本発明の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置は、請求項2に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置であって、前記電荷分布試料モデルを複数用意し、測定結果のVth分布をVth#s(x,y)、試料のVth分布で最も広い領域を占めるVth値をVth#s#max 、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m(x,y)、モデルのVth分布で最も広い領域を占めるVth値をVth#m#max 、電位分布をVm(x,y) として、試料の電位分布V(x,y)を算出するために、
Vth#s#max+(Vm(x,y)−Vth#s#max)×(Vth#s(x,y)−Vth#s#max)/(Vth#m(x,y)−Vth#m#max)
を演算する手段を有することを特徴とする。
請求項5に記載の本発明の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置は、請求項2に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置であって、前記電荷分布試料モデルを複数用意し、測定結果のVth分布をVth#s(x,y)、試料のVth分布で最も広い領域を占めるVth値をVth#s#max 、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m1(x,y) 、電位分布をVm1(x,y)、2番目に近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m2(x,y) 、電位分布をVm2(x,y)として、試料の電位分布V(x,y)を算出するために、
Vm1(x,y)+(Vm2(x,y)−Vm1(x,y))×(Vth#s(x,y)−Vth#m1(x,y))/(Vth#m2(x,y)−Vth#m1(x,y))
を演算する手段を有することを特徴とする。
請求項6に記載の本発明の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置は、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置であって、試料に対して、荷電粒子を照射することで帯電電荷を生成させる手段と、露光させるための光学系手段と、試料面を電子ビームで走査し、該走査によって得られる検出信号により、試料面の静電潜像分布を測定する手段を有することを特徴とする。
請求項7に記載の本発明の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置は、請求項5に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置であって、Vth#m1(x,y) とVth#m2(x,y) の差分が20V以下の場所では、
V(x,y)=(Vth#m1(x,y)+Vth#m2(x,y))/2 …式(5)
とみなすことを特徴とする。
請求項8に記載の本発明の画像形成装置は、請求項1に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法または、請求項2乃至7のいずれか一項に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置で評価された潜像担持体を用いたことを特徴とする。
請求項9に記載の本発明の画像形成装置は、請求項に8記載の画像形成装置であって、書込光源波長が680nm以下であり、かつ感光体面でのビームスポット径が60μm以下であり、感光体面でのビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに以下の式(6)を満足することを特徴とする。
1.0<B/A<2.0 …式(6)
請求項10に記載の本発明の画像形成装置は、請求項8に記載の画像形成装置であって、感光体の帯電電位の絶対値をC[V] 、1ビームスポットの潜像深さをD[V] としたときに以下の式(7)を満足するように書込光量を設定したことを特徴とする。
0.7<D/C<0.9 …式(7)
請求項11に記載の本発明の画像形成装置は、請求項8に記載の画像形成装置であって、書込光源波長が680nm以下であり、かつ感光体面でのビームスポット径が60μm以下であり、感光体面でのビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに以下の式(6)を満足する潜像担持体を用いたことを特徴とする。
1.0<B/A<2.0 …式(6)
請求項12に記載の本発明の画像形成装置は、請求項11に記載の画像形成装置であって、感光体の帯電電位の絶対値をC[V] 、1ビームスポットの潜像深さをD[V] としたときに以下の式(7)を満足するように書込光量を設定したことを特徴とする。
0.7<D/C<0.9 …式(7)
請求項1〜5に記載の発明によれば、従来はきわめて困難であった試料の電位状態に伴う走査領域の歪曲や電位の深さを適切に補正し、電位分布測定がミクロンオーダーの高分解能で測定することが可能となる。また、特に省エネルギーに関しては、感光体の特性が詳細に分かれば露光や帯電に必要なエネルギーも必要最小限ぎりぎりに抑えることが出来る。さらに、過度な帯電による感光体の短寿命化も防ぐことが出来る。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加えて、試料に対して、荷電粒子を照射することで帯電電荷を生成させる手段と、露光させるための光学系手段と、試料面を電子ビームで走査し、該走査によって得られる検出信号により、試料面の静電潜像分布を測定する手段を有することにより、リアルタイム測定が可能となり、時間とともに表面電荷量が減衰する感光体の静電潜像をミクロンオーダーの高分解能で測定することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1〜5と同様に、従来はきわめて困難であった試料の電位状態に伴う走査領域の歪曲や電位の深さを適切に補正し、電位分布測定がミクロンオーダーの高分解能で測定することが可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、画像形成装置に請求項1記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法または、請求項2〜7記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置で評価された潜像担持体潜像担持体を用いているので、露光量を最適化することが出来、感光体に負担のかからない帯電及び露光条件がわかるので、省エネルギー、高耐久が実現出来る。
請求項9に記載の発明によれば、請求項8の効果に加えて、静電潜像が拡散し、潜像の深さが浅くなることを抑制出来、露光過剰による感光体の早期劣化も抑制出来る。また、最終出力画像として高密度でかつ、階調性、鮮鋭性の安定性が実現出来る。
請求項10に記載の発明によれば、請求項8の効果に加えて、1ビームスポットの再現性が向上し、かつ感光体の耐久性を損なわないので、最終出力画像として高密度でかつ、階調性、鮮鋭性の安定性が実現出来る。
請求項11に記載の発明によれば、静電潜像が拡散し、潜像の深さが浅くなることを抑制出来、露光過剰による感光体の早期劣化も抑制出来る。また、最終出力画像として高密度でかつ、階調性、鮮鋭性の安定性が実現出来る。
請求項12に記載の発明によれば、請求項11の効果に加えて、1ビームスポットの再現性が向上し、かつ感光体の耐久性を損なわないので、最終出力画像として高密度でかつ、階調性、鮮鋭性の安定性が実現出来る。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態において同様な要素には同符号を付記して説明する。また、荷電粒子とは、電子ビームあるいはイオンビームなど電界や磁界の影響を受ける粒子を指すが、以下、電子ビームを照射する実施例で説明する。図1は請求項1〜3に対応する第1実施形態の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置(以下、「表面電位分布測定装置」という。)の要部を示す図であり、この表面電位分布測定装置は、荷電粒子ビームとして電子ビームを照射する荷電粒子光学系10、検出部20及び測定制御部30で構成されている。なお、荷電粒子光学系10と検出部20は同一のチャンバ内に配置され、チャンバ内は真空になっている。
荷電粒子光学系10は、電子ビームを発生させるための電子銃11、電子ビームを制御するための引き出し電極12、電子ビームのエネルギーを制御するための加速電圧を印加する加速電極13、電子銃11から発生された電子ビームを集束させるためのコンデンサレンズ(静電レンズ)14、電子ビームをON/OFFさせるためのビームブランカ15、電子ビームの照射電流を制御するためのアパーチャ(可動絞り)16、非点収差を補正するスティグメータ17、スティグメータを通過した電子ビームを走査させるための走査レンズ(偏向電極)18、走査レンズ18を再び集光させるための静電対物レンズ(静電レンズ)19を備えている。また、ビームブランカ15とアパーチャ16との間には仕切り弁(ゲートバルブ)10aが配置され、静電対物レンズ19の下にはビーム射出開口部10bが配置されている。それぞれのレンズ等には、図示しない駆動用電源が接続されている。
図1(B) に電子銃11、引き出し電極12及び加速電極13の詳細を示したように、電子銃11はサプレッサ電極11aによりエミッタ11bから電子が放出される電界放出型電子銃であり、引き出し電極12はエミッタ11bの近傍に配置され、エミッタ11bに強電界を発生させるための電圧Vextが印加される。これにより、エミッタ11bの先端から電子ビームが放出される。加速電極13には、エミッタ11bから放出された電子ビームに所望のエネルギを与えるがめの電圧Vaccが印加される。なお、荷電粒子がイオンビームの場合には、電子銃の代わりに液体金属イオン銃などを用いる。
検出部20は、1次反転電子を検出する検出器21、試料Sを載置する試料台22などをを備えている。検出器21は、シンチレータ(蛍光体)と光電子倍増管を組み合わせたものである。試料Sから発生した1次電子はエネルギーが低いためシンチレータの表面に印加した高電圧の電界の影響で加速され、光に変換される。この光は、ライトパイプを通って光電子倍増管(PMT)で電流として増幅され電流信号として取り出される。また、試料台22は図示しないXY駆動機構により試料Sの面と平行な2次元的に移動可能になっている。これにより、電子ビーム試料S上で走査することにより像が観察できる。
測定制御部30はコンピュータ等で構成されており、検出器21に接続された信号検出部31、検出信号処理手段32、演算手段33、記憶手段34及び測定結果出力手段35を備えている。なお、これらの信号検出部31、検出信号処理手段32、演算手段33、記憶手段34、測定結果出力手段35は、コンピュータにおける入出力インターフェース、メモリ、CPUがプログラムを実行することで得られる演算処理機能等の各種機能、プリンタやディスプレイ等の出力装置により構成される。
図2は、試料Sに照射される電子(入射電子)の加速電圧Vaccと試料Sの表面電位ポテンシャルとの関係を示す図である。ここで、入射電子の試料Sに対する垂直方向の速度ベクトルが、試料Sへの到達前に反転するような状態が存在する領域が存在し、その1次入射荷電粒子を検出する構成となっている。なお、加速電圧は、正で表現することが一般的であるが、加速電圧の印加電圧Vaccは負であり、電位ポテンシャルとして物理的意味を持たせるためには、表現する方が説明しやすいため、ここでは加速電圧は負(Vacc<0)と表現し、電子ビームの加速電位ポテンシャルをVacc(<0),試料の電位ポテンシャルをVp(<0)とする。電位とは、単位電荷が持つ電気的な位置エネルギーである。したがって、入射電子は、電位0(V) では加速電圧Vaccに相当する速度で移動するが、試料面に接近するに従い、電位が高くなり、試料電荷のクーロン反発の影響を受けて速度が変化する。したがって、一般的に以下のような現象が起こる。
|Vacc|>|Vp|の場合は、図2(a) に示したように、入射電子は、B地点を過ぎるとその速度は徐々に減速されるものの、ほとんどの入射電子は試料Sの表面に到達する。したがって、入射電子は速度は減速されるものの試料Sに到達し、1次反転電子は検出器21で検出されない。
|Vacc|<|Vp|の場合は、図2(b) に示したように、入射電子は、B地点を過ぎるとその速度は徐々に減速され、試料Sの表面に到達する前に0となる。そして、そこを基点として試料Sの表面から離れる方向に進む。すなわち入射電子の速度は試料Sの電位ポテンシャルの影響を受けて、徐々に減速し、試料に到達する前に速度が0となって、反対方向に進む。こうして、この試料Sの表面に到達しなかった入射電子の一部が1次反転電子として検出器21で検出される。
ここで、空気抵抗の無い真空中では、エネルギー保存則がほぼ完全に成立する。したがって、入射電子のエネルギー変えたときの、試料S面上でのエネルギーすなわちランディングエネルギーがほぼ0となる条件を計測することで、表面の電位を計測することができる。ここでは1次反転荷電粒子、特に電子の場合を1次反転電子と呼ぶことにする。試料Sに到達したとき発生する1次電子と1次反転荷電粒子では、検出器21に到達する量が大きく異なるので、例えば図11に具体例を示したように、明暗のコントラストの境界より、識別することができる。
図11は、試料を二次元的に走査したときの検出信号強度(コントラスト像)とVth分布Vth(x)の測定結果の一例を示す図である。図11(a) に試料表面の電荷分布によって生じたVth分布Vth(x)を示す。ここで、Vth分布をVth(x)=Vacc-Vsub とする。Vacc=−1800kVとすると、電子の加速電圧Vsub=−1150Vの場合には、図11(b) のような測定結果となり、検出信号量に差のある白部と黒部の境界は、Vth(x)=−650Vをスレッシュレベル電位とする等高線である。Vsub=−1100Vの場合は、図11(C) のような測定結果となり、Vth(x)=−700Vをスレッシュレベル電位とする等高線である。ここでは、コントラスト像における白い領域は検出器21での検出量が多い領域を示し、黒い領域は検出器21での検出量が少ない領域を示している。そして、白い領域と黒い領域との境界は、検出器21の出力信号が大きく変化するところである。Vth(x)=−700Vの場合にはVth(x)=−650Vの場合に比べて入射電子の速度が速いため、入射電子が反発される領域が減少し、その結果、コントラスト像における黒い領域が増えている。
なお、走査電子顕微鏡などには、反射電子検出器があるが、この場合の反射電子とは、一般的に試料の物質との相互作用により、入射電子が後方背面に反射(散乱)され、試料の表面から飛び出す電子のことを指している。反射電子のエネルギーは入射電子のエネルギーに匹敵する。反射電子の強度は試料の原子番号が大きいほど大きいといわれ、試料の組成の違い、凹凸がわかるための検出方法である。これに対して、1次反転電子は、試料表面の電位分布の影響を受けて、試料表面に到達する前に反転する電子のことで有り、全く異なる現象である。
したがって、加速電圧Vaccを変えながら、試料表面を電子で走査させ、入射電子を検出できる構成とすることにより、試料の表面電位Vpを計測することが可能となる。また、試料の電位ポテンシャルVp>0の場合には、ガリウムなどプラスのイオンや陽子を入射すればよい。
したがって、試料Sの電位分布をVp(x)したとき、加速電圧Vaccを、
Min |Vp|≦|Vacc|≦ Max|Vp|
の範囲で、荷電粒子の加速電圧Vaccを試料に走査させることにより、入射する荷電粒子の試料垂直方向の速度ベクトルが、反転する状態が存在し、その反転した1次反転荷電粒子を検出することにより、試料の表面電位分布の測定することが可能となる。そして、各走査位置(x,y) で、加速電圧Vaccと、試料下部印加電圧Vsubとの差を Vth(=Vacc-Vsub)とすれば、ランディングエネルギーがほぼ0となるときのVth(x,y)を測定することで電位分布V(x,y)を測定することができる。Vth(x,y)は、電位分布V(x,y)とは、一意的な対応関係がある。
ここで、この方法を用いることにより、従来困難であった、潜像プロファイルをミクロンオーダーで可視化することが可能となるが、入射電子のエネルギーが極端に変わるため、入射電子の軌道がずれてくる現象が生じる。その結果として、走査倍率が変わったり、歪曲収差を生じたりすることになる。
例えば、入射電子の起動は、一例として図3に示したように試料Sの表面電位によって曲がる場合がある。これにより、例えば走査領域が図4(a) に示した矩形の「正常型」ではなく、図4(b) に示した「タル型」、あるいはは図4(c) に示した「糸巻き型」になるおそれがある。試料がマイナスに帯電している場合には、糸巻き型になることが多い。つまり、上記計測結果Vth(x,y)がそのまま試料の電位分布V(x,y)となるわけではない。Vth(x,y)からV(x,y)を解析的に導くことは出来ない。
上記の問題を解決する手段について説明する。これを解決するための手段を以下に示す。まず、測定開始以前に、試料Sの電位分布V(x,y)の様々な場合をモデル化し、電磁場解析で例えば図5のように入射電子軌道を計算し、入射電子軌道が試料に到達した場合(入射電子1)は、検出器21には試料は到達しなかったものとみなして、それそれのモデルからVth分布を算出し、図6のデータテーブルのように、Vth#m(x,y)群として記憶手段に保存しておく。この場合、電子軌道に大きく影響を与えるファクタ、例えば試料形状・膜厚、グリッド位置、印加電圧検出器位置だけでも良いが、厳密に計算するなら、電磁場を与える要因となる電子鏡筒のレンズ構成や部品を正確にモデリングするとなお良い。
次に、図6のように、検出信号処理及びVth#s(x,y)の測定を行い、測定したVth#s(x,y)に最も近いVth#m(x,y)をVth#m(x,y)群より抽出する。この最も近いVth#m(x,y)を抽出する方法としては、例えば、全てのVth#m(x,y)群について次式(8)を実行し、値が最小となるVth#m(x,y)を選び出せば良い。
Figure 2008076100
そして、この測定したVth#s(x,y)と抽出したVth#m(x,y)との差を補正し、電位分布V(x,y)の測定結果を算出する。すなわち、測定結果のVth分布をVth#s(x,y)と、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m(x,y)、電位分布をVm(x,y)として、試料の電位分布V(x,y)を
V(x,y)=Vm(x,y)×Vth#s(x,y)/Vth#m(x,y) …式(2)
で与える。この変換の例は例えば図7のようになる。
次に、請求項4に対応する第2実施形態を説明する。第1実施形態と異なる部分は上記式(2)で変換する処理である。すなわち、この第2実施形態では、測定結果のVth分布をVth#s(x,y)、試料のVth分布で最も広い領域を占める Vth値を Vth#s#max、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m(x,y)、モデルのVth分布で最も広い領域を占める Vth値を Vth#m#max、電位分布をVm(x,y)として、試料の電位分布V(x,y)を
V(x,y)=Vth#s#max+(Vm(x,y)−Vth#s#max)×(Vth#s(x,y)−Vth#s#max)/(Vth#m(x,y)−Vth#m#max) …式(3)
で与える。
次に、請求項請求項5及び7に対応する第3実施形態を説明する。第1実施形態と異なる部分は上記式(2)で変換する処理である。すなわち、この第3実施形態では、測定結果のVth分布をVth#s(x,y)、試料のVth分布で最も広い領域を占める Vth値を Vth#s#max、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布を Vth#m1(x,y)、電位分布をVm1(x,y)、2番目に近いVth分布を与えるモデルのVth分布を Vth#m2(x,y)、電位分布をVm2(x,y)として、試料の電位分布V(x,y)を
V(x,y)=Vm1(x,y)+(Vm2(x,y)−Vm1(x,y))×(Vth#s(x,y)−Vth#m1(x,y))/(Vth#m2(x,y)−Vth#m1(x,y)) …式(4)
で与える。この変換の例は例えば図8のようになる。
ここで、 Vth#m2(x,y)− Vth#m1(x,y)が20V以下の場合、Vth#s(x,y)の誤差が過剰にV(x,y)の値に影響していまう。これを防ぐ為に、 Vth#m2(x,y)− Vth#m1(x,y)が20V以下の場所では、V(x,y)=( Vth#m2(x,y)− Vth#m1(x,y))/2とみなすことが望ましい。ここで、許容値を20Vとしたのは、20V以下の変動であれば後工程のトナー付着量として大きな差がないためである。
次に、請求項6に対応する第4実施形態について説明する。図9は第4実施形態の表面電位分布測定装置の要部を示す図である。この表面電位分布測定装置は、荷電粒子ビームを照射する荷電粒子光学系10と、検出部20と、測定制御部30及び露光部40を有しており、この荷電粒子光学系10、検出部20及び露光部40はすべて同一のチャンバ内に配置され、チャンバ内は真空になっている。荷電粒子光学系10は図示を一部省略してあるが図1のものと略同様であり、その要部を図1と同様の符号を付記して示す。すなわち。電子ビームを発生させるための電子銃11と、引き出し電極12と、加速電極13と、電子ビームを集束させるためのコンデンサレンズ14と、非点収差を補正するスティグメータ17と、電子ビームを走査させるための走査レンズ18と、走査レンズ18を通過した電子ビームを再び集光させるための対物レンズ19とを有している。
露光部40は、後述のように構成される感光体試料Sに関して感度を持つ波長の光源41、コリーメートレンズ42、アパーチャ43、結像レンズ45,46,47などを有してなり、この露光部40の各光学系は、検出部20の試料台22に載置された試料Sに、所望のビーム径、ビームプロファイルを生成するように調整されている。上記光源41としては、LD(レーザ・ダイオード)などを用いることができる。この実施形態では検出部20内に感光体試料Sと平行に導電性のグリッドメッシュ23が配置配設されており、このグリッドメッシュ23により、入射電子ビームを遮ることなく電界強度のバイアス成分を変えることができる。また、LD制御部330などにより光源41を制御し、適切な露光時間、露光エネルギーを照射できるようになっている。試料S上に静電潜像からなるラインのパターンを形成するために、露光部40の光学系にガルバノミラーやポリゴンミラーを用いたスキャニング機構を付けても良い。
なお、測定制御部は、前記同様な信号検出部31、検出信号処理手段32、演算手段としてVth算出手段33a及びデータ補正手段33b、測定結果出力手段34を備えている。また、ホストコンピュータ310、荷電粒子光学系10を制御する荷電粒子制御部320、前記光源41を制御するLED制御部330、除電用のLEDを制御するLED制御部340、試料台22を駆動する試料台駆動部350を備えている。
以上の実施形態における感光体試料Sは平面形状である場合について説明したが、曲面であってもよい。すなわち、画像形成装置における潜像担持体として用いる感光体試料Sの場合には一般に円筒形状であり、このような円筒形状の場合には、図10のような構成とすることができる。この表面電位分布測定装置は、荷電粒子ビームを照射する荷電粒子光学系10は図9と同様であり、検出部80内に、検出器21、露光部60、帯電部70A及び除電部70Bが配設されている。なお、荷電粒子光学系10及び検出部80はすべて同一のチャンバ内に配置され、チャンバ内は真空になっている。そして、この表面電位分布測定装置で前述の方法を用いることにより、潜像担持体としての感光体試料Sの静電潜像を測定することが可能となる。
次に、請求項8〜12に対応する第5実施形態について説明する。図12はは実施形態の画像形成装置100の要部構成を示す図である。この実施形態の画像形成装置100は光プリンタであり、感光媒体として円筒状に形成された光導電性の感光体(潜像担持体)111を有している。この感光体111に本発明の表面電位分布の測定方法または表面電位分布測定装置で評価された試料と同じ組成を持つ感光体を使っている。感光体111を本発明の表面電位分布の測定方法または表面電位分布測定装置で評価することにより、潜像形成の過程が定量的に詳細に解析出来るので、露光量を最適化することが出来、感光体に負担のかからない帯電及び露光条件が分かり、省エネルギー、高耐久が実現出来る。
さらに、出力画像の高画質化の為に光学系の最適化および光源波長を680nm以下に短波長化することによりビームスポット径を60μm以下に小径化する試みが行われているが、現在の感光体が短波長の光に対して感度が低いことや小径化ビームでは感光体内での光の散乱及び電荷の拡散の影響を強く受け、潜像径が広がり、潜像の深さも浅くなり、最終出力画像では階調性、鮮鋭性の安定性が得られないという不具合が発生している。ここでのビームスポット径はビームスポット光量分布が最大光量のe-2以上である範囲の径で定義している。潜像径は潜像電荷密度分布が光の当たっていない部分の電荷密度を基準として最も電荷密度差が大きい部分の電荷密度差のe-2以上である範囲の径で定義している。
感光体111の周囲には、帯電手段112(帯電ローラによる接触式のものを示しているが、コロナチャージャや帯電ブラシを用いることもできる)、現像装置113、転写手段114(転写ローラを示しているがコロナチャージャを用いるものであってもよい)、クリーニング装置115、定着装置116が配備されている。また、光走査装置117が設けられ、帯電手段112と現像装置113との間で光走査による画像書き込みを行うようになっている。
感光体において、電荷輸送層の組成及び膜厚が光の散乱及び電荷の拡散度合いに影響し、電荷発生層の組成が感度に影響を与えることは知られているが、明確な相関関係が分かっていない。そこで、電荷輸送層の組成及び膜厚、電荷発生層の組成を変えて感光体を作り、本発明の表面電位分布の測定方法または表面電位分布測定装置において、画像形成装置で使用する条件と同じ、例えば大電電位800V、露光エネルギー4mJ/m2として、光源波長が680nm以下、ビームスポット径が60μm以下の条件で露光し潜像測定を行い、感光体面でのビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに、
1.0<B/A<2.0
を満足する感光体を選定すれば、最終出力画像で階調性、鮮鋭性の安定性が実現出来る。
ここで、下限の1.0は光の散乱及び電荷の拡散はどんな感光体でも必ず起こるのでこれ以下にはならないという原理的な限界であり、上限の2.0は最終出力画像で階調性、鮮鋭性の安定性を確保する為に必要な限界である。
さらに、感光体の帯電電位の絶対値をC[V] 、1ビームスポットの潜像深さをD[V] としたときに、
0.7<D/C<0.9
を満足するように書込光量を設定すれば、1ビームスポットの再現性が向上し、かつ感光体の耐久性を損なわないため、望ましい。ここで、下限の1ビームスポットが確実に現像される為に必要な潜像深さであり、上限の0.9はこれ以上に潜像深さが深くなるほどの光を当てた場合には感光体の早期劣化が懸念される限界である。
そこで、本発明の表面電位分布測定装置で潜像径を実際に測定し、感光体を本発明の表面電位分布測定装置で評価することにより、露光量を最適化することが出来、過剰露光による無駄なエネルギー消費が抑えられる。さらに、感光体に負担のかからない帯電及び露光条件がわかり、感光体の長寿命化が可能になる。
なお、この実施形態の画像形成装置において画像形成を行うときは、感光体111が矢印方向へ等速回転され、その表面が帯電手段112により均一に帯電され、次いで、光走査装置117による光走査により画像が書き込まれ、書き込まれた画像に対応する静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置113により反転現像されてトナー画像として可視化される。トナー画像は、転写紙やOHPシート等のシート状記録媒体S上に転写手段114により転写され、定着装置116により定着される。トナー画像を定着されたシート状記録媒体Sは装置外へ排出され、トナー画像転写後の感光体111はクリーニング装置115によりクリーニングされて残留トナーや紙粉が除去される。
なお、光走査装置に複数の光源を設けてマルチビームとしても良い。また、複数の光走査装置と感光体を用いて複数の色の異なるトナー画像を作り、それを重ね合わせてカラー画像を作っても良い。
このように、本発明による非常に望ましい感光体を用いることにより、解像力に優れて高精彩、かつ高耐久で信頼性の高い画像形成装置を製作することができる。
本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施形態の中で示唆した以外にも、上記各実施形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
本発明の実施形態の表面電位分布測定装置の要部を示す図である。 本発明の実施形態における試料に照射される入射電子の加速電圧と試料の表面電位ポテンシャルとの関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る入射電子の曲がりを説明する図である。 本発明の実施形態に係る入射電子の走査領域のディストーションを説明する図である。 本発明の実施形態における電磁場解析で求める入射電子軌道の例を示す図である。 本発明の第1実施形態における処理の例を説明する図である。 本発明の第1及び第2実施形態における変換の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態における変換の一例を示す図である。 本発明の第4実施形態の表面電位分布測定装置の要部を示す図である。 本発明の実施形態における円筒形状の感光体を用いた表面電位分布測定装置の要部を示す図である。 本発明の実施形態における試料を二次元的に走査したときの検出信号強度とVth分布の測定結果の一例を示す図である。 本発明の実施形態を示す画像形成装置の模式図である。 本発明に代わるビームスポット光量分布とそれによって生じる潜像電荷密度分布及び帯電電位の一例を示す図である。
符号の説明
10 荷電粒子光学系
20 検出部
21 検出器
22 試料台
30 測定制御部
100 画像形成装置
111 潜像担持体
S 感光体試料

Claims (12)

  1. 表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する試料に対して、裏面に電位を加えて荷電粒子ビームを走査し、該裏面に加える電位を複数設定し、荷電粒子ビームが該試料近傍で反射されて検出手段に至る領域と該試料に吸収されて該検出手段に至らない領域分布計測により、表面電荷分布あるいは表面電位分布の状態を測定する方法において、
    試料裏面にVsub[V] の電圧を印加し、加速電圧Vacc[V] で荷電粒子ビームを照射した場合、試料表面のある位置(x,y) が荷電粒子ビームが反射するか吸収される境界となった場合のVth分布を
    Vth(x,y)=Vacc-Vsub …式(1)
    と定義し、
    予め、電荷分布試料モデルに対する電位分布Vm(x,y) と、Vth分布Vth#m(x,y)を記憶しておき、測定結果と比較し、電荷分布試料モデルの電荷分布を基本として、電荷分布試料モデルのVth分布Vth#m(x,y)と測定結果のVth分布Vth#s(x,y)の差を補正することにより、試料の表面電荷分布あるいは表面電位分布を算出することを特徴とする表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法。
  2. 表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する試料に対して、裏面に電位を加えて荷電粒子ビームを走査し、該裏面に加える電位を複数設定し、荷電粒子ビームが該試料近傍で反射されて検出手段に至る領域と該試料に吸収されて該検出手段に至らない領域分布計測により、表面電荷分布あるいは表面電位分布の状態を測定する装置において、
    試料裏面にVsub[V] の電圧を印加し、加速電圧Vacc[V] で荷電粒子ビームを照射した場合、試料表面のある位置(x,y) が荷電粒子ビームが反射するか吸収される境界となった場合のVth分布を
    Vth(x,y)=Vacc-Vsub …式(1)
    と定義し、
    予め、電荷分布試料モデルに対する電位分布Vm(x,y) と、Vth分布Vth#m(x,y)を記憶する記憶手段と、測定結果と比較し、電荷分布試料モデルの電位分布を基本として、電荷分布試料モデルのVth分布Vth#m(x,y)と測定結果のVth分布Vth#s(x,y)の差を補正することにより、試料の表面電荷分布あるいは表面電位分布を算出する演算手段を有することを特徴とする表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置。
  3. 前記電荷分布試料モデルを複数用意し、
    測定結果のVth分布をVth#s(x,y)と、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m(x,y)、電位分布をVm(x,y) として、
    試料の電位分布V(x,y)を算出するために、
    Vm(x,y)×Vth#s(x,y)/Vth#m(x,y)
    を演算する手段を有することを特徴とする請求項2に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置。
  4. 前記電荷分布試料モデルを複数用意し、
    測定結果のVth分布をVth#s(x,y)、試料のVth分布で最も広い領域を占めるVth値をVth#s#max 、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m(x,y)、モデルのVth分布で最も広い領域を占めるVth値をVth#m#max 、電位分布をVm(x,y) として、
    試料の電位分布V(x,y)を算出するために、
    Vth#s#max+(Vm(x,y)−Vth#s#max)×(Vth#s(x,y)−Vth#s#max)/(Vth#m(x,y)−Vth#m#max)
    を演算する手段を有することを特徴とする請求項2に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置。
  5. 前記電荷分布試料モデルを複数用意し、
    測定結果のVth分布をVth#s(x,y)、試料のVth分布で最も広い領域を占めるVth値をVth#s#max 、最も近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m1(x,y) 、電位分布をVm1(x,y)、
    2番目に近いVth分布を与えるモデルのVth分布をVth#m2(x,y) 、電位分布をVm2(x,y)として、
    試料の電位分布V(x,y)を算出するために、
    Vm1(x,y)+(Vm2(x,y)−Vm1(x,y))×(Vth#s(x,y)−Vth#m1(x,y))/(Vth#m2(x,y)−Vth#m1(x,y))
    を演算する手段を有することを特徴とする請求項2に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置。
  6. 試料に対して、荷電粒子を照射することで帯電電荷を生成させる手段と、露光させるための光学系手段と、試料面を電子ビームで走査し、該走査によって得られる検出信号により、試料面の静電潜像分布を測定する手段を有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置。
  7. Vth#m1(x,y) とVth#m2(x,y) の差分が20V以下の場所では、
    V(x,y)=(Vth#m1(x,y)+Vth#m2(x,y))/2 …式(5)
    とみなすことを特徴とする請求項5に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置。
  8. 請求項1に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定方法または、請求項2乃至7のいずれか一項に記載の表面電荷分布あるいは表面電位分布の測定装置で評価された潜像担持体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 書込光源波長が680nm以下であり、かつ感光体面でのビームスポット径が60μm以下であり、感光体面でのビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに以下の式(6)を満足することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
    1.0<B/A<2.0 …式(6)
  10. 感光体の帯電電位の絶対値をC[V] 、1ビームスポットの潜像深さをD[V] としたときに以下の式(7)を満足するように書込光量を設定したことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
    0.7<D/C<0.9 …式(7)
  11. 書込光源波長が680nm以下であり、かつ感光体面でのビームスポット径が60μm以下であり、感光体面でのビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに以下の式(6)を満足する潜像担持体を用いたことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
    1.0<B/A<2.0 …式(6)
  12. 感光体の帯電電位の絶対値をC[V] 、1ビームスポットの潜像深さをD[V] としたときに以下の式(7)を満足するように書込光量を設定したことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
    0.7<D/C<0.9 …式(7)
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