JP2008058247A - 表面電位分布測定方法、表面電位分布測定装置及び画像形成装置 - Google Patents

表面電位分布測定方法、表面電位分布測定装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料へ入射する荷電粒子の行路の曲がりを抑制して、表面電位分布の形状及び大きさを正確に測定する。
【解決手段】試料SPの、荷電粒子ビーム走査面側に等電位面である導電板27を配置する構成にする。印加電圧発生部36によって導電板27に電圧を印加して、試料SP荷電粒子ビーム走査面側における導電板27で覆われていない部分と同電位にする。なお、導電板27はグリッドメッシュ状でもよい。また、導電板27は、試料SPに密着させるが、試料SP上方の適当な距離の近傍に密着させない形で覆設しても同じ効果が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面電位分布測定方法、表面電位分布測定装置及び画像形成装置に関する。
複写機やレーザプリンタといった電子写真方式の画像形成装置では、画像の出力に際して、通常、以下の作像工程を経る。
a.光導電性の感光体を均一に帯電させる帯電工程
b.感光体に光を照射して光導電性により静電潜像を形成する露光工程
c.帯電したトナー粒子を用いて、感光体上に可視画像を形成する現像工程
d.現像された可視画像を紙片等の転写材に転写する転写工程
e.転写された画像を転写材上に融着・固定する定着工程
f.可視画像転写後の感光体上の残留トナーを清掃するクリーニング工程
g.感光体上の残留電荷を除電する除電工程
これら工程それぞれでのプロセスファクタやプロセスクォリティは、最終的な出力画像の品質に大きく影響を与える。近年は、高画質に加え、高耐久性、高安定性、さらには省エネルギなど、環境に優しい作像プロセスの要求がより高まってきており、各工程のプロセスクォリティの向上が強く求められている。
作像工程において、帯電・露光により感光体上に形成される静電潜像は、「トナー粒子の挙動に直接影響を与えるファクタ」であり、感光体上における静電潜像の品質評価が重要となる。感光体上の静電潜像を観測し、その結果を設計にフィードバックすることにより、帯電工程や露光工程のプロセスクォリティの向上を図ることができ、その結果、画質・耐久性・安定性や省エネルギのさらなる向上が期待できる。
したがって、試料の表面電荷分布を精度よく測定する方法及び装置の実現が、従来から課題とされてきた。また、画質・耐久性・安定性や省エネルギ性の優れた画像形成装置の実現も、従来から課題とされてきた。
近年、画像の高密度化に対応して、光学系の最適化及び光源波長を680nm以下に短波長化することによりビームスポット径を60μm以下に小径化し、鮮鋭な画像を出力できる画像形成装置の開発が行われている。
しかし、従来の感光体では短波長の光に対して感度が低いことや小径化ビームでは感光体内での光の散乱及び電荷の拡散の影響を強く受け、潜像径が広がり、潜像の深さも浅くなり、階調性、鮮鋭性の安定性が得られないという不具合が発生している。
ここでのビームスポット径は、ビームスポット光量分布が最大光量のe-2以上である範囲の径で定義している。潜像径は、潜像電荷密度分布が光の当たっていない部分の電荷密度を基準として、最も電荷密度差が大きい部分の電荷密度差のe-2以上である範囲の径で定義している。
図11に、ビームスポット光量分布(a)と、それによって生じる潜像電荷密度分布(b)の一例を示す。この図では、Aがビームスポット径であり、Bが潜像径である。
上記の課題を解決するためになされた従来技術として、光導電性の感光体に帯電と露光とにより形成された静電潜像を測定する方法及び装置(特許文献1)などが知られている。
この従来装置の構成を図12に示す。
この従来装置は、荷電粒子銃11、アパーチャ12、アパーチャ12a、荷電粒子に対するコンデンサレンズ13、ビームブランカ14、荷電粒子ビームに対するビーム偏向手段15、荷電粒子ビームに対する対物レンズ16からなる荷電粒子射出手段より荷電粒子を試料SPに照射することにより試料SPを帯電させ、半導体レーザ17、コリメートレンズ18、アパーチャ19、結像レンズ21、結像レンズ22、結像レンズ23からなる露光手段により試料SPを露光することにより静電潜像を形成し、さらに荷電粒子SPを走査し、試料近傍から放出される荷電粒子を荷電粒子捕獲器24及び荷電粒子検出部25で検出することにより電位分布を測定する。
特開2004−251800号公報
しかしながら、上述の従来技術には、以下のような問題点があった。
図12の試料SP上の帯電領域は、電荷が蓄積されているために絶対値として電位が高い。一方、帯電領域以外では、蓄積電荷がないので0Vである。
このように、帯電領域と帯電領域外とで電位差があるため、試料SP近傍に電場分布が生じ、等電位線は、試料SP表面と平行にはならず、荷電粒子ビームの曲がりが生ずるという問題点である。
図13に、試料近傍の等電位線と電子ビームの行路を模式的に示す。試料SP内の斜線部の上方の面が帯電している領域である。
荷電粒子ビーム光路4の点線は、電位分布がない場合の狙いの荷電粒子ビーム光路であり、荷電粒子ビーム光路4の実線は、電場分布により曲げられた実際の荷電粒子ビームである電子ビームの光路である。
図示のように、帯電領域の外周に近づくにつれて、曲がり量が大きくなっている。つまり、観測倍率が場所によって異なり、このために、結果的に測定される像に歪みが生じ、正確な測定ができない。
例えば、荷電粒子を電子とし、試料SPを厚さ30μm、比誘電率3の誘電体であり、帯電領域は、1.5×1.1mmの矩形領域において、電荷密度7.08×10―4C/m2で帯電しており、帯電領域の中心から0.6mmの位置を狙った場合の実際の荷電粒子到達点は、加速電圧2kVでは0.67mm、3kVでは0.64mmとなり、大幅なずれが生ずる。
そこで、本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みて、試料へ入射する荷電粒子の行路の曲がりを抑制して、表面電位分布の形状及び大きさを正確に測定することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、試料面を荷電粒子ビームで走査して前記試料を帯電させる第1の工程と、荷電粒子ビームの電流量を減少させて走査し、該走査によって得られる前記試料からの荷電粒子を検出して検出信号を得る第2の工程とを有し、前記試料の荷電粒子ビーム走査面側の領域であって、前記第1の工程によって帯電させられる領域以外の領域に、第1の等電位面を設け、前記第2の工程を実行することを特徴とする表面電位分布測定方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の表面電位分布測定方法において、前記第1の等電位面の電位は、前記第1の工程によって帯電させられる領域の電位と、略等しいことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の表面電位分布測定方法において、前記試料の荷電粒子ビーム走査面と反対側に前記試料に密着する第2の等電位面を有し、前記第1の等電位面の電位は、前記第1の工程によって帯電させられる領域の電位と、前記第2の等電位面の電位と、の和に略等しいことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法において、前記第1の等電位面は、前記試料に接していることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法において、前記第1の等電位面は、前記試料の近傍にあることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法において、前記第1の等電位面は、導電性を持つ板であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法において、前記第1の等電位面は、導電性を持つグリッドメッシュであることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法において、前記試料は、感光体であって、前記試料を露光する露光手段を有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、荷電粒子ビーム発生手段と、試料を走査し電流量を調整可能な荷電粒子ビーム走査手段と、前記荷電粒子ビーム走査手段による走査により得られる前記試料からの荷電粒子を検出して検出信号を得る検出手段とを有し、前記試料の荷電粒子ビーム走査面側の領域であって、前記荷電粒子ビーム走査手段によって帯電させられる領域以外の領域に、第1の等電位面を有することを特徴とする表面電位分布測定装置である。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の表面電位分布測定装置において、前記第1の等電位面に電圧を印加する第1の電圧印加手段を有し、前記第1の等電位面の電位は、前記荷電粒子ビーム走査手段によって帯電させられる領域の電位と、略等しいことを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項9記載の表面電位分布測定装置において、前記試料の荷電粒子ビーム走査面と反対側に前記試料に密着する第2の等電位面と、該第2の等電位面に電圧を印加する第2の電圧印加手段と、を有し、前記第1の等電位面の電位は、前記荷電粒子ビーム走査手段によって帯電させられる領域の電位と、前記第2の等電位面の電位と、の和に略等しいことを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項9から11のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置において前記第1の等電位面は、前記試料に接していることを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項9から11のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置において前記第1の等電位面は、前記試料の近傍にあることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項9から13のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置において、前記第1の等電位面は、導電性を持つ板であることを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項9から13のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置において、前記第1の等電位面は、導電性を持つグリッドメッシュであることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項9から15のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置において、前記試料は、感光体であって、前記試料を露光する露光手段を有することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項8記載の表面電位分布測定方法又は請求項16記載の表面電位分布測定装置で評価された感光体を潜像担持体として用いることを特徴とする画像形成装置である。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の画像形成装置において、書込光源は長が680nm以下であり、且つ前記感光体面でのビームスポット径が60μm以下であり、前記ビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに、以下の式を満足することを特徴とする。
1.0<B/A<2.0
本発明によれば、試料へ入射する荷電粒子の行路の曲がりを抑制して、表面電位分布の形状及び大きさを正確に測定することができる。
以下で、本発明の好適な実施の形態を説明する。
上述したように、本発明の目的は、試料へ入射する荷電粒子の行路の曲がりを抑制して、表面電位分布の形状及び大きさを正確に測定することである。
その目的を達成するための本発明の好適な第1の実施形態は、「感光体等の試料であって、表面に電荷を有する試料に荷電粒子ビームを1次元若しくは2次元的に走査しながら照射することにより帯電させ、光源から光線により静電潜像を形成し、荷電粒子ビームを1次元若しくは2次元的に走査しながら照射し、試料に荷電粒子ビームがあたることにより発生する2次荷電粒子か、試料近傍で反射した荷電粒子を検出することにより、静電潜像を測定する方法」であって、試料面を荷電粒子ビームで走査して該試料を帯電させ表面電位分布を形成する第1の工程と、荷電粒子ビームの電流量を減少させて走査し、この走査によって得られる試料からの荷電粒子を検出して検出信号を得る第2の工程とを有し、該試料の第1の工程により帯電した領域以外の領域の荷電粒子ビーム走査面側に第1の等電位面を設けることを特徴とする表面電位分布測定装置である。
上記目的を達成するための本発明の好適な第2の実施形態は、上記第1の実施形態に係る表面電位分布測定装置において、試料の裏面(荷電粒子ビーム走査面と反対側)に密着して第2の等電位面を設けることを特徴とする表面電位分布測定装置である。
この第2の実施形態において、第1の等電位面の電位は、第1の工程で形成した表面電位と、第2の等電位面の電位との和に略等しい構成にすることがより好ましい。
上記第1、第2の実施形態のいずれの構成においても、第1の等電位面は、電位が帯電領域の帯電電位に略等しいことがより好ましく、また、第1の等電位面は、試料に接している或いは近傍にあることがより好ましく、また、第1の等電位面は、導電性を持つ板である或いは導電性を持つグリッドメッシュであることがより好ましい。
上記第1、第2の実施形態のいずれの構成においても、荷電粒子ビームは、電子ビームやイオンビーム等の電場や磁場の影響を受ける荷電粒子のビームであることが好ましい。
上記第1、第2の実施形態のいずれの構成においても、試料は、感光体であって、第1の工程と第2の工程の間、又は第2の工程中に露光させることができるもので構成することがより好ましい。
上記目的を達成するための本発明の好適な第3の実施形態は、上記第1、第2の実施形態によって評価された試料を、潜像担持体として用いることを特徴とする画像形成装置である。
上記第3の実施形態において、書込光源波長が680nm以下であり、且つ感光体面でのビームスポット径が60μm以下であり、潜像担持体面でのビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに、以下の式を満足することが好ましい。
1.0<B/A<2.0
上記第1の実施形態によれば、試料へ入射する荷電粒子の光路の曲がりを抑制することができるため、表面電位分布の形状及び大きさを正確に測定することができる。
また、上記第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加え、さらに、試料にバイアス電圧をかけることができるため、表面電位分布の深さ情報まで正確に測定することができる。
また、上記第2の実施形態によれば、第1の等電位面の電位を第1の工程で形成した帯電による電位と第2の等電位面の電位との和に略等しく構成した場合、上記第2の実施形態の効果に加え、表面電位分布の領域まで正確に測定することができる。
また、上記第1、第2の実施形態において、試料に感光体を用いた構成によれば、試料は感光体であって、試料を露光する露光手段を有するので、試料へ入射する荷電粒子の光路の曲がりを抑制することができ、試料にバイアス電圧をかけることができ、かつ露光した場合の状態も再現できるため、感光体露光による静電潜像の形状及び大きさを正確に測定することができる。
また、上記第3の実施形態によれば、上記第1、第2の実施形態によって評価された潜像担持体を用いているので、露光量を最適化することができ、感光体に負担の掛からない帯電及び露光条件がわかるため、省エネルギと高耐久性が実現できる。
また、上記第3の実施形態によれば、静電潜像が拡散し、潜像の深さが浅くなることを抑制でき、最終出力画像として高密度で且つ、階調性、鮮鋭性の安定性が実現できる。
以上は、いずれも本発明の好適な実施の形態である。以下で、上述した実施形態をさらに具体的に示した実施例を、図面を参照して説明する。
上記第1の実施形態に該当する表面電位分布測定装置の1具体例として、測定対象を静電潜像とする静電潜像測定装置を説明する。
図1は、その静電潜像測定装置の構成を示す図である。
図1の装置は、荷電粒子銃11、アパーチャ12、アパーチャ12a、荷電粒子に対するコンデンサレンズ13、ビームブランカ14、荷電粒子ビームに対するビーム偏向手段15、荷電粒子ビームに対する対物レンズ16を有する。
荷電粒子銃11,アパーチャ12と12A、コンデンサレンズ13、ビームブランカ14、走査レンズ15及び対物レンズ16は、荷電粒子ビーム駆動部31により、電子計算機であるコンピュータ40からの命令に従い、駆動されるようになっている。
また、装置は、第1の光源である半導体レーザ17、コリメートレンズ18、アパーチャ19、結像レンズ21、結像レンズ22、結像レンズ23を有する。これらは光像照射部を構成するものであり、半導体レーザ駆動部32とともに、露光手段を構成している。
半導体レーザ駆動部32は、コンピュータ40からの命令に従い、半導体レーザ17を発光させる。
また、装置は、荷電粒子捕獲器24、荷電粒子検出部25、信号処理部26を有する。荷電粒子捕獲部24、電子検出部25、信号処理部26は観測手段を構成する。
また、装置は、試料載置台28、除電用の発光素子29を有し、試料載置台28の上に試料SPを置く。試料SPは光導電性の感光体である。第2の光源29はこの実施例において、試料SPが感度を持つ波長領域の光を放射するLEDであり、コンピュータ40からの命令に従いL命令に従い、試料台駆動部34により駆動され、試料SPを適正な測定位置に位置される。
上記各部は、図示のようにケーシング30内に配設され、ケーシング30内部は、排気手段(吸気部)33により高度に減圧できるようになっている。すなわち、ケーシング30は、真空チャンバとしての機能を有している。
試料SPは、試料載置台28に保持され、試料台駆動部34により適正な測定位置に位置させられ、ケーシング30内部が真空ポンプ等の排気手段(吸気部)33で高度に減圧されることにより測定状態となる。
また、図1に示したように、装置全体は、電子計算機であるコンピュータ40により制御されるようになっている。図における、荷電粒子ビーム制御部31や信号処理部26、半導体レーザ駆動部32、LED制御部35等は、コンピュータ40の機能の一部として設定できる。
この状態で、荷電粒子ビームにより2次元的に走査する。
すなわち、荷電粒子銃11から荷電粒子のビームを放射させると、放射された荷電粒子ビームは、アパーチャ12を通過してビーム径を規制されたのち、コンデンサレンズ13により集束されつつアパーチャ12Aとビームブランカ14を通過する。
最終的に荷電粒子ビームは、対物レンズ16により、試料SPの表面(試料面)上に集束される。
このとき、試料SPへ向かう電流量は、コンデンサレンズ13の屈折力を変化させることにより、変化させることができる。さらに、走査レンズ15により、荷電粒子ビームの向きを変更させることにより、荷電粒子ビームが集束する位置を、試料SP面上で2次元的(例えば、図面の左右方向と図面に直交する方向)に変位させることができる。
走査される領域は、走査レンズの倍率設定により、走査領域のサイズを変えることが可能であり、例えば、5mm×5mm程度の広領域や、1μm×1μm程度の微小領域等、様々な広さの領域を走査することができる。
これにより、試料SP上に電荷を蓄積させ、一様帯電部分を作る。
次に、半導体レーザ17を点灯すると、放射されるレーザ個は、コリメートレンズ17によりコリメートされ、アパーチャ19で光束径を規制され、結像レンズ21と22と23にょり、試料SPの均一帯電された試料面上に光スポットとして集光される。
半導体レーザ17は、コンピュータ40からの発光強度や発光時間の命令に従い、半導体レーザ駆動部32により駆動され、適切な露光時間、露光エネルギを照射できる。すなわち、試料SPに所望の光ビームを照射することができる。
このような露光手段の光学系に、ガルバノミラーやポリゴンミラーを用いたスキャニング機構を付加し、光走査によりラインパターンを露光し、ライン状の静電潜像を形成するようにすることもできる。
上記のようにして、試料SPが、所望のスポット径、ビームプロファイルを持った光スポットで露光され、この光スポットの光強度分布に応じた静電潜像、すなわち、表面電荷分布が形成される。
このように静電潜像が形成された試料面を、電流量を絞って荷電粒子ビームにより2次元的に走査する。ここで、同時に荷電粒子の加速電圧を変化させても構わない。
この走査領域のサイズを変えることにより、様々な倍率で走査することができる。
上記走査が行われるとき、荷電粒子捕獲器24には、所定極性の捕獲電圧が印加されている。そして、この捕獲電圧の作用により、静電潜像パターンによる電気的影響を受けた荷電粒子が荷電粒子捕獲器24に捕獲され、その強度(単位時間当たりの捕獲粒子数)が検出され、電気信号に変換される。
試料SPの荷電粒子ビームにより2次元的に走査される領域:Sを、2次元座標を用いてS(X,Y)で表すと、例えば、0mm≦X≦1mm、0mm≦Y≦1mmである。
この領域:S(X,Y)に形成されている静電潜像パターンを、その表面電位分布:V(X,Y)とする。
荷電粒子ビームによる上記領域の2次元的な走査は、所定の条件で行われるので、2次元的な走査の開始から終了に到る時間をT0≦T≦TFとすると、走査が行われているときの時間:Tは、走査領域:S(X,Y)内の各走査位置と、1:1(一対一)に対応する。
したがって、走査領域内の捕獲粒子数の分布が測定できる。
この情報は、信号処理部26によってビデオ信号に変換され、コンピュータ40で画像処理、記録及び表示がなされる。
荷電粒子捕獲器24に捕獲される荷電粒子は、静電潜像パターンの表面電位分布:V(X,Y)の電気的影響を受けているので、時間:Tにおいて捕獲される荷電粒子の強度:F(T)は、時間:Tをパラメータとした表面電位分布:V{X(T),Y(T)}と、対応関係にある。
この対応関係は、基準の電位:VNにより影響される荷電粒子の強度を観測することにより知ることができ、このように知られた対応関係に基づき、荷電粒子の強度:Fを較正することにより、強度:Fに対応する電位:Vを知ることができる。
上記の荷電粒子ビームは、先にも述べたように、電子ビームやイオンビーム等、電場や磁場の影響を受ける粒子のビームであり、電子ビームを用いる場合であれば、荷電粒子銃11としては電子銃が用いられ、イオンビームを用いる場合であれば、液体金属イオン銃等が用いられる。
本実施例では、荷電粒子銃11は電子銃であるので、以下、荷電粒子ビームとして電子ビームを用いる場合につき、具体的に説明する。このとき、試料SPの「静電潜像の形成された試料面」は、電子ビームにより2次元的に走査される。
試料SPに、静電潜像を形成するには、光像による露光に先立ち、その表面を均一に帯電する必要がある。
荷電粒子ビーム走査手段を用いて、電子ビームによる帯電を行う。
電子ビームを試料SPに照射すると、照射される電子による衝撃で、試料SPから「2次電子(先に説明したように3次電子等の高次の放出電子を含む)」が発生する。電子ビームとして試料SPに照射される電子量と発生する2次電子の量との収支において、2次電子の放出量:R2に対する照射電子量:R1の比:R1/R2が1以上であれば、差し引きで照射される電子の量が2次電子量を上回り、両者の差が試料SPに蓄積して光導電性試料SPを帯電させる。
したがって、電子銃11から放射される電子の量とその加速電圧を調整し、「比:R1/R2が1以上になる条件」を設定して電子ビームを2次元的に走査することにより、試料SPを均一帯電させることができる。
このような放出電子量と、加速電電厚の調整は、コンピュータ40が計算を行い、荷電粒子ビーム駆動部31へ命令を送ることにより行われる。また、電子ビームの走査に伴う電子ビームのオン/オフもコンピュータ40の命令により荷電粒子ビーム駆動部31により、ビームブランカ14を駆動する。
図5は、試料SPの表面を、上記のように電子ビームにより帯電させた状態をモデル(模型)的に示している。試料SPとして図5に示すのは、いわゆる「機能分離型感光体」と呼ばれるものであり、導電層1上に電荷発生層2を設け、その上に電荷輸送層3を形成したものである。
電子銃により照射される電子は、電荷輸送層3の表面に撃ち込まれ、電荷輸送層3の表面にある電荷輸送層材料分子の電子軌道に捕獲され、その分子をマイナスイオン化した状態で、電荷輸送層3の表面部に留まる。この状態が、「試料SPを帯電させた状態」である。
このように帯電した状態の試料SPに光LTが照射されると、照射された光LTは、電荷輸送層3を透過して電荷発生層2に至り、そのエネルギにより電荷発生層2内に正/負の電荷キャリヤを発生させる。発生した正/負の電荷キャリヤのうち、負キャリヤは、電荷輸送層3の表面の負電荷による反発力の作用で、導電層1(接地電位にある)へ移動し、正キャリヤは電荷輸送層3を輸送されて、電荷輸送層3の表面部の負電荷(捕獲された電子)と相殺しあう。
このようにして、試料SPにおいて光LTで照射された部分では帯電電荷が減衰し、光LTの強度分布にしたがう表面電荷分布が形成される。この表面電荷分布が、静電潜像に他ならない。
上記の如く均一に帯電された試料SPに対して光ビームによる露光を施して静電潜像を形成する。この露光は、前述の「露光手段」により行う。すなわち、半導体レーザ17を点灯し、コリメートされた光ビームを結像レンズ21と22と23の作用により試料SPの表面に集光させる。
半導体レーザ17としてはもちろん、試料SPが感度を持つ波長領域内に発光波長を持つものが用いられる。また、露光エネルギは、試料SPの面での「光パワーの時間積分」となるので、半導体レーザ17の点灯時間を制御することにより、試料SPに所望の露光エネルギによる露光を行うことができる。
試料SPに上記のようにして、静電潜像を形成した状態において、試料SPの走査領域を電子ビームにより2次元的に走査する。この走査により発生する2次電子を荷電粒子捕獲器24により検出する。検出の対象が2次電子で負極性であるので、荷電粒子捕獲器24は、2次電子捕獲用に正電圧(引き込み電圧)を印加し、電子ビームの走査に伴って発生する2次電子を正電圧により吸引して捕獲する。捕獲された電子は、荷電粒子検出器25において、シンチレーション輝度に変換され、さらに電気信号(検出信号)に変換される。
試料SPの表面と、荷電粒子捕獲器24との間の空間部分には、試料SP表面の電荷(静電潜像を形成する負電荷)と、荷電粒子捕獲器24に印加されている正極性の捕獲電圧とにより「電位勾配」が形成されている。
図6(a)は、荷電粒子捕獲器24と試料SPとの間の空間における電位分布を、等高線表示で説明図的に示したものである。
試料SPの表面は、光減衰により電位が減衰した部分を除いては負極性に一様に帯電した状態であり、荷電粒子捕獲器24には正極性の電位が与えられているから、「実線で示す電位等高線群」においては、試料SPの表面から荷電粒子捕獲器24に近づくにしたがい「電位が高く」なる。
したがって、試料SPにおける「負極性に均一帯電している部分」である、図6(a)のQ1点やQ2点で発生した2次電子el1、el2は、荷電粒子捕獲器24の正電位に引かれ、矢印G1や矢印G2で示すように変位し、荷電粒子捕獲器24に捕獲される。
一方、図6(a)において、Q3点は、「光照射されて負電位が減衰した部分」であり、Q3点近傍では電位等高線の配列は「破線で示す如く」であり、この部分電位分布では「Q3点に近いほど電位が高く」なっている。換言すると、Q3点の近傍で発生した2次電子el3には、矢印G3で示すように、試料SP側に拘束する電気力が作用する。
このため、2次電子el3は、破線の電位等高線の示す「ポテンシャルの穴」に捕獲され、荷電粒子捕獲器24に向かって移動しない。
図6(b)は、上記「ポテンシャルの穴」を模式的に示す図である。
すなわち、荷電粒子捕獲器24により検出される2次電子の強度(2次電子数)は、強度の大きい部分が、「静電潜像の地の部分(均一に負帯電している部分、例えば図6(a)の点Q1やQ2に代表される部分)」に対応し、強度の小さい部分が、「静電潜像の画像部(光照射された部分、例えば図6(a)の点Q3に代表される部分)」に対応することになる。
したがって、荷電粒子検出部25で得られる電気信号を、信号処理部26で適当なサンプリング時間でサンプリングすれば、前述の如く、サンプリング時刻:Tをパラメータとして、表面電位分布:V(X,Y)を「サンプリングに対応した微小領域」ごとに特定でき、信号処理部25により上記表面電位分布(電位コントラスト像):V(X,Y)を2次元的な画像データとして構成すれば、静電潜像が可視的な画像として得られる。
例えば、捕獲される2次電子の強度を「明るさの強弱で表現」すれば、静電潜像の画像部分は暗く、地の部分は明るくコントラストがつき、表面電荷分布に応じた明暗像として表現(出力)することができる。
もちろん、表面電位分布を知ることができれば、表面電荷も知ることができる。
また、暗部の径を測れば、潜像径が得られる。
なお、ケーシング30内にセットされた試料SPが当初、何らかの原因によりその表面が不均一に帯電しているような場合には、このような帯電状態が測定ノイズとなるので、測定における帯電工程に先立ち、コンピュータ40の命令によりLED駆動部35が除電用の発光素子29を発光させ、試料SPの光除電を行うのがよい。
本実施例が、従来技術と異なり新規性と進歩性を有している部分は、帯電領域と略等しい開口を持つ導電板27を試料SPに接して設ける点と、導電板27に電圧を印加する印加電圧発生部36を設ける点の2点である。
印加電圧発生部36は、導電板27に、帯電により発生する電位分の電圧を印加する。
図3は、試料SP近傍の等電位線と電子ビームの行路の模式図である。
この場合には、等電位線は、試料と平行になり、電子ビームの行路も曲がることなく試料近傍に達し、像の歪みは発生しない。
例えば、荷電粒子を電子とし、試料SPを厚さ30μm、比誘電率3の誘電体であり、帯電領域は、1.5×1.1mmの矩形領域において、電荷密度7.08×10―4C/m2で帯電させたとすると、帯電領域の電位は−800Vであり、印加電圧発生部36もそれと等しい−800Vを発生させ導電板27に印加している。
そのとき、帯電領域の中心から0.6mmの位置を狙った場合の実際の荷電粒子到達点は、加速電圧2kVでは0.63mm、3kVでは0.62mmであり、ずれ量は5%以下に抑えられる。
これにより、静電潜像の形状及び大きさを正確に測定することができる。
試料の比誘電率や電荷密度が上記と異なる場合には、荷電粒子ビームの加速電圧、照射時間と電荷密度の関係を予め掴んでおき、荷電粒子ビームの加速電圧、照射時間から電荷密度を見積もり、次の式で計算できる。
電位=電荷密度×厚さ/比誘電率/真空の誘電率
或いは、表面電位計等で直接電位を測定してもよい。
次に、導電板27を説明する。
図9は、導電板27の1例を示す外形図である。
この例では、中心近傍に開口部を持つ導電板である。なお、ここでは1つの部材であるが、複数の部材の組み合わせで構成されていても構わない。
開口は、なるべく帯電領域と等しいことが望ましいが、帯電領域より大きな開口でも、帯電領域を囲むように導電板27が配置されていれば、効果は得られる。
図10は、導電板27の他の1例を示す外形図である。
この例では、導電板27は、導電性を持つグリッドメッシュである。
グリッドメッシュは、導電板ほど均一な等電位面を形成することはできない。しかし、導電板では開口部以外を一切観察できないが、グリッドメッシュでは観察倍率を下げて広範囲の状態を観察することができるという有利な点がある。
導電板27に印加される電圧は、試料SPの帯電電位と等しいことが望ましいが、20%程度のずれは許容できる。
また、本実施例では、試料SPに導電板27が接して(又は、着接して)設けられているが、試料SPに導電性物質を蒸着等で付着させて、導電板27の代わりとしてもよい。
(変形例)
導電板27は、試料SPに接して設置した方が、等電位線の曲がりが生じないため、望ましい。しかし、試料SPの移動時に問題が生じる可能性がある。
そこで、導電板27を試料上方近傍に配置する。この場合、等電位線の曲がりは若干生じるものの、効果は期待でき、試料SPの移動時の問題も生じない。
図4は、導電板27を試料SPの上方近傍に配置したときの、等電位線と電子ビームの行路の模式図である。
図4で示すように、この場合、電子ビームの行路は曲がるものの、試料SP到達点のずれは小さい。
例えば、荷電粒子を電子とし、試料SPを厚さ30μm、比誘電率3の誘電体であり、帯電領域は、1.5×1.1mmの矩形領域において、電荷密度7.08×10―4C/m2で帯電させたとすると、帯電領域の電位は−800Vであり、印加電圧発生部36もそれと等しい−800Vを発生させ導電板27に印加し、なおかつ導電板27を試料SPの0.5mm上に配置する。
そのとき、帯電領域の中心から0.6mmの位置を狙った場合の実際の荷電粒子到達点は、加速電圧2kVでは0.63mm、3kVでは0.62mmであり、ずれ量は5%以下に抑えられ、導電板27を試料SPに接して設置する場合と同等の効果が得られる。
上記第2の実施形態に該当する表面電位分布測定装置の1具体例として、上記の実施例1を改良した静電潜像測定装置を説明する。
図2は、その静電潜像測定装置の構成を示す図であるが、実施例1の図1と共通する部分については、同じ符号を付して、説明を省略する。
実施例1では、試料載置台28がアースされている。しかし、本実施例では、印加電圧発生部37に接続して、試料載置台28を第2の等電位面とする。
このような構成にすることにより、試料SPにバイアス電圧をかけることができる。つまり、印加電圧発生部37の出力電圧がバイアス電圧にあたる。
試料載置台28にバイアス電圧が印加されると、試料SPの上面側の試料表面側電位分布は、試料SPの表面電荷分布に「均一なバイアス電位」を重畳したものになる。
試料SP本来の表面電位分布をV(x,y)、バイアス電圧をVBとすると、入射する電子に作用する電場は、試料SP表面近傍において、
V(x,y)+VB
となるから、電子ビームの加速電圧:Vaに対して、
a<−{V(x,y)+VB
であれば電子は反射電子となって荷電粒子捕獲器24に検出され、
a>−{V(x,y)+VB
であれば電子は試料SPに達する。
例えば、図7に示す例で説明する。図7は、表面電位分布とコントラスト像の1例を示す図である。コントラスト像とは、図7のS600やS750で示したようなある電位で輪切りにした領域である。
このとき、加速電圧:Va=1.6kVを設定し、バイアス電圧:VB=−1000Vを印加すれば、試料表面近傍で反射された反射電子が検出されない領域としてS600が得られ、VB=−850Vを印加すれば、試料表面近傍で反射された反射電子が検出されない領域としてS750が得られる。
このように、バイアス電圧を変化させることにより、測定の閾値を変化させることができ、表面電位分布の全体像を求めることができる。
本実施例の場合では、試料SPの帯電領域の、帯電による電位をVc、バイアス電圧をVBとすれば、
帯電領域の電位は、
c+VB
帯電領域外の電位は、
B
となり、実施例1同様に、帯電領域内外で帯電による電位分の電位差があり、試料近傍に電場分布が生じる。
このため、観測時に荷電粒子ビームで試料を走査する場合に、荷電粒子ビームが曲がり結果的に測定される像に歪みが生じ、正確な測定ができない。
そこで、導電板27に、帯電による電位と試料SPに密着して配置された試料載置台28に印加されたバイアス電圧との和と略等しい電位(すなわち、帯電領域の電位:Vc+VB)を与える。
すると、荷電粒子ビームが曲がることがなくなり、静電潜像が歪まず、正確な測定ができる。
例えば、荷電粒子を電子とし、試料SPを厚さ30μm、比誘電率3の誘電体であり、帯電領域は、1.5×1.1mmの矩形領域において、電荷密度7.08×10―4C/m2で帯電させて、バイアス電圧としてVBを−500V印加されているとすると、帯電領域の電位:Vcは−800Vであり、印加電圧発生部36は、Vc+VBである−1300Vを発生させて、導電板27に印加する。
そのとき、帯電領域の中心から0.6mmの位置を狙った場合の実際の荷電粒子到達点は、加速電圧2kVでは0.65mm、3kVでは0.63mmであり、ずれ量は5%以下に抑えられる。
これにより、静電潜像の形状及び大きさを正確に測定することができる。
試料の比誘電率や電荷密度が上記と異なる場合には、荷電粒子ビームの加速電圧、照射時間と電荷密度の関係を予め掴んでおき、荷電粒子ビームの加速電圧、照射時間から電荷密度を見積もり、次の式で計算できる。
電位=電荷密度×厚さ/比誘電率/真空の誘電率
或いは、表面電位計等で直接電位を測定してもよい。
次に、導電板27を説明する。
図9は、導電板27の1例を示す外形図である。
この例では、中心近傍に開口部を持つ導電板である。なお、ここでは1つの部材であるが、複数の部材の組み合わせで構成されていても構わない。
開口は、なるべく帯電領域と等しいことが望ましいが、帯電領域より大きな開口でも、帯電領域を囲むように導電板27が配置されていれば、効果は得られる。
図10は、導電板27の他の1例を示す外形図である。
この例では、導電板27は、導電性を持つグリッドメッシュである。
グリッドメッシュは、導電板ほど均一な等電位面を形成することはできない。しかし、導電板では開口部以外を一切観察できないが、グリッドメッシュでは観察倍率を下げて広範囲の状態を観察することができるという有利な点がある。
導電板27に印加される電圧は、Vc+VBと等しいことが望ましいが、20%程度のずれは許容できる。
また、本実施例では、試料SPに導電板27が接して(又は、着接して)設けられているが、試料SPに導電性物質を蒸着等で付着させて、導電板27の代わりとしてもよい。
(変形例)
導電板27は、試料SPに接して設置した方が、等電位線の曲がりが生じないため、望ましい。しかし、試料SPの移動時に問題が生じる可能性がある。
そこで、導電板27を試料上方近傍に配置する。この場合、等電位線の曲がりは若干生じるものの、効果は期待でき、試料SPの移動時の問題も生じない。
図4は、導電板27を試料SPの上方近傍に配置したときの、等電位線と電子ビームの行路の模式図である。
図4で示すように、この場合、電子ビームの行路は曲がるものの、試料SP到達点のずれは小さい。
例えば、荷電粒子を電子とし、試料SPを厚さ30μm、比誘電率3の誘電体であり、帯電領域は、1.5×1.1mmの矩形領域において、電荷密度7.08×10―4C/m2で帯電させ、バイアス電圧:VBとして−500V印加されているとすると、帯電領域の電位は−800Vであり、印加電圧発生部36はVc+VBである−1300Vを発生させ導電板27に印加し、なおかつ導電板27を試料SPの0.5mm上に配置する。
そのとき、帯電領域の中心から0.6mmの位置を狙った場合の実際の荷電粒子到達点は、加速電圧2kVでは0.65mm、3kVでは0.63mmであり、ずれ量は5%以下に抑えられ、導電板27を試料SPに接して設置する場合と同等の効果が得られる。
上記第3の実施形態に該当する画像形成装置の1具体例として、光導電性の感光体を有する光プリンタを説明する。
図8は、上記光プリンタの要部の構成を示す横断断面図である。
この光プリンタは、感光媒体として円筒状に形成された光導電性の感光体111を有する。この感光体111は、上記実施例の表面電位分布の測定方法又は装置で評価された試料と同じ組成を持つ感光体である。
感光体111を、上記実施例の表面電位分布の測定方法又は装置で評価することにより、潜像形成の過程が定量的に詳細に解析できるので、露光量を最適化することができ、感光体に負担の掛からない帯電条件及び露光条件がわかり、省エネルギ性と高耐久性に優れた光プリンタ/画像形成装置が実現する。
さらに、出力画像の高画質化のために、光学系の最適化及び光源は徴を680nm以下に短波長化することにより、ビームスポット径を60μm以下に小径化する試みが行われているが、現在の感光体が短波長の光に対して感度が低いことや、小径化ビームでは感光体内での光の散乱及び電荷の拡散の影響を強く受け、潜像径が広がり、潜像の深さも浅くなり、最終出力画像では階調性、鮮鋭性の安定性が得られないという不具合が発生している。
電荷輸送層の組成及び膜厚が、光の散乱及び電荷の拡散度合いに、電荷発生層の組成が感度に影響を与えることは知られているが、明確な相関関係がわかっていない。
そこで、電荷輸送層の組成及び膜厚、電荷発生層の組成を代えて感光体を作り、上記実施例の表面電位分布の測定方法又は装置において、画像形成装置で使用する条件と同じ、光源は徴が680nm以下、ビームスポット径を60μm以下の条件で露光し潜像測定を行い、感光対面でのビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに、
1.0<B/A<2.0
を満足する感応体を選定すれば、最終出力画像で階調性、鮮鋭性の安定性が実現できる。
なお、ここで、下限の1.0は、光の散乱及び電荷の拡散は、どんな感光体でも必ず起こるのでこれ以下にはならないという原理的な限界である。また、上限の2.0は、最終出力画像で階調性、鮮鋭性の安定性を確保するために必要な限界である。
そこで、上記実施例の表面電位分布の測定方法又は装置で、潜像径を実際に測定し、感光体を同じく上記実施例の表面電位分布の測定方法又は装置で評価することにより、露光量を最適化することができ、過剰露光による無駄なエネルギ消費が抑えられる。さらに、感光体に負担の掛からない帯電及び露光条件がわかり、感光体の長寿命化が可能になる。
本実施例の光プリンタは、感光体111の周辺に、帯電手段112(帯電ローラによる接触式のものを図示しているが、コロナチャージャや帯電ブラシを用いてもよい)、現像装置113、転写手段114(転写ローラを図示しているが、コロナチャージャを用いてもよい)、クリーニング装置115、定着装置116を有する。。
また、光走査装置117を有し、帯電手段112と現像装置113との間で、光走査による画像書込を行うようになっている。
光プリンタが画像形成を行うには、感光体111が矢印方向へ等速回転され、その表面が帯電手段112により均一帯電され、ついで、光走査装置117による光走査により画像が書き込まれ、書き込まれた画像に対応する静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、いわゆる「ネガ潜像」であり、画像部が露光されている。
この静電潜像は、現像装置113により反転現像されて、トナー画像として可視化される。トナー画像は、転写紙やOHPシートなどのシート状記録媒体S上に、転写手段114により転写され、定着装置116により、定着される。
トナー画像を定着されたシート状記録媒体Sは、装置外へ排出され、トナー画像転写後の感光体111は、クリーニング装置115によりクリーニングされて、残留トナーや紙粉が除去される。
(変形例)
なお、本実施例は、上述した本発明の好適な実施形態をさらに具体的に示した1例にすぎない。本発明は、本実施例のみに範囲を限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した態様での実施が可能である。
例えば、光走査装置117は、複数の光源を設けたマルチビームとしてもよい。
また、複数の光走査装置と感光体を用いて、複数の色の異なるトナー画像を作り、それらを重ね合わせてカラー画像を作ってもよい。
本発明は、試料の表面電位分布又は表面電荷分布の測定に適用可能である。また、電子写真プロセスを有する、潜像担持体を用いた複写機、光プリンタ、レーザプリンタ等の、電子写真方式の画像形成装置に適用可能である。
本発明の実施例1に該当する静電潜像測定装置の構成を示す図である。 本発明の実施例2に該当する静電潜像測定装置の構成を示す図である。 実施例1の試料近傍の等電位線と電子ビームの光路の模式的に示した図である。 実施例1の変形例である、導電板27を試料SPの上方近傍に配置したときの等電位線と電子ビームの光路を模式的に示した図である。 光導電性試料への静電潜像の形成をモデル的に説明するための図である。 (a)は、荷電粒子捕獲器24と試料SPとの間の空間における電位分布を、等高線を用いて説明するための図であり、(b)は、2次電子el3が捕獲される「ポテンシャルの穴」を模式的に示す図である。 実施例2の表面電位分布の測定を説明するための図である。 本発明の実施例3に該当する光プリンタの要部の構成を示す図である。 導電板27の一例を示す図である。 導電板27の一例を示す図である。 (a)は、ビームスポット光量分布を示したグラフであり、(b)は、潜像電荷密度分布を示したグラフである。 従来技術の静電潜像測定装置の構成を示す図である。 従来技術の試料近傍の等電位線と電子ビームの光路を模式的に示した図である。
符号の説明
1 導電層
2 電荷発生層
3 電荷輸送層
4 荷電粒子ビーム光路
11 荷電粒子銃
12、12a アパーチャ
13 コンデンサレンズ
14 ビームブランカ
15 走査レンズ(ビーム偏向手段)
16 対物レンズ(コリメートレンズ)
17 半導体レーザ
18 対物レンズ(コリメートレンズ)
19 アパーチャ
21、22、23 結像レンズ
24 荷電粒子捕獲器
25 荷電粒子検出部
26 信号処理部
27 導電板
28 試料載置台
29 除電用の発光素子(第2の光源)
30 ケーシング
31 荷電粒子ビーム駆動部
32 半導体レーザ駆動部
33 吸気部
34 試料台駆動部
35 LED駆動部
36 印加電圧発生部
37 印加電圧発生部
40 コンピュータ
111 感光体
112 帯電手段
113 現像装置
114 転写手段
115 クリーニング装置
116 定着装置
117 光走査装置
LT 光
S シート状記録媒体
S600 コントラスト像
S750 コントラスト像
SP 試料

Claims (18)

  1. 試料面を荷電粒子ビームで走査して前記試料を帯電させる第1の工程と、
    荷電粒子ビームの電流量を減少させて走査し、該走査によって得られる前記試料からの荷電粒子を検出して検出信号を得る第2の工程とを有し、
    前記試料の荷電粒子ビーム走査面側の領域であって、前記第1の工程によって帯電させられる領域以外の領域に、第1の等電位面を設け、前記第2の工程を実行することを特徴とする表面電位分布測定方法。
  2. 前記第1の等電位面の電位は、前記第1の工程によって帯電させられる領域の電位と、略等しいことを特徴とする請求項1記載の表面電位分布測定方法。
  3. 前記試料の荷電粒子ビーム走査面と反対側に前記試料に密着する第2の等電位面を有し、
    前記第1の等電位面の電位は、前記第1の工程によって帯電させられる領域の電位と、前記第2の等電位面の電位と、の和に略等しいことを特徴とする請求項1記載の表面電位分布測定方法。
  4. 前記第1の等電位面は、前記試料に接していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法。
  5. 前記第1の等電位面は、前記試料の近傍にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法。
  6. 前記第1の等電位面は、導電性を持つ板であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法。
  7. 前記第1の等電位面は、導電性を持つグリッドメッシュであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法。
  8. 前記試料は、感光体であって、前記試料を露光する露光手段を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の表面電位分布測定方法。
  9. 荷電粒子ビーム発生手段と、
    試料を走査し電流量を調整可能な荷電粒子ビーム走査手段と、
    前記荷電粒子ビーム走査手段による走査により得られる前記試料からの荷電粒子を検出して検出信号を得る検出手段とを有し、
    前記試料の荷電粒子ビーム走査面側の領域であって、前記荷電粒子ビーム走査手段によって帯電させられる領域以外の領域に、第1の等電位面を有することを特徴とする表面電位分布測定装置。
  10. 前記第1の等電位面に電圧を印加する第1の電圧印加手段を有し、
    前記第1の等電位面の電位は、前記荷電粒子ビーム走査手段によって帯電させられる領域の電位と、略等しいことを特徴とする請求項9記載の表面電位分布測定装置。
  11. 前記試料の荷電粒子ビーム走査面と反対側に前記試料に密着する第2の等電位面と、
    該第2の等電位面に電圧を印加する第2の電圧印加手段と、を有し、
    前記第1の等電位面の電位は、前記荷電粒子ビーム走査手段によって帯電させられる領域の電位と、前記第2の等電位面の電位と、の和に略等しいことを特徴とする請求項9記載の表面電位分布測定装置。
  12. 前記第1の等電位面は、前記試料に接していることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置。
  13. 前記第1の等電位面は、前記試料の近傍にあることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置。
  14. 前記第1の等電位面は、導電性を持つ板であることを特徴とする請求項9から13のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置。
  15. 前記第1の等電位面は、導電性を持つグリッドメッシュであることを特徴とする請求項9から13のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置。
  16. 前記試料は、感光体であって、前記試料を露光する露光手段を有することを特徴とする請求項9から15のいずれか1項記載の表面電位分布測定装置。
  17. 請求項8記載の表面電位分布測定方法又は請求項16記載の表面電位分布測定装置で評価された感光体を潜像担持体として用いることを特徴とする画像形成装置。
  18. 書込光源は長が680nm以下であり、且つ前記感光体面でのビームスポット径が60μm以下であり、前記ビームスポット径をAとし、形成される潜像径をBとしたときに、以下の式を満足することを特徴とする請求項17記載の画像形成装置。
    1.0<B/A<2.0
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