JP5176328B2 - 静電特性計測方法及び静電特性計測装置 - Google Patents

静電特性計測方法及び静電特性計測装置 Download PDF

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Description

本発明は、静電特性計測方法及び静電特性計測装置に関し、特に、感光体上に生じている電荷分布又は電位分布をミクロンオーダーで高性能に計測する静電特性計測方法及び静電特性計測装置に関する。
従来、電子ビームによる静電潜像の観察方法として特許文献1などが提案されているが、試料がLSIチップや静電潜像を記憶・保持できる試料に限定されている。すなわち、暗減衰を生じる通常の感光体は、測定することができない。通常の誘電体は電荷を半永久的に保持することができるので、電荷分布を形成後、時間をかけて測定を行っても、測定結果に影響を与えることはない。しかしながら、感光体の場合は抵抗値が無限大ではないので、電荷を長時間保持することができず、暗減衰が生じて時間とともに表面電位が低下する。そのため、感光体が電荷を保持できる時間は、暗室であってもせいぜい数十秒である。従って、帯電・露光後に電子顕微鏡(SEM)内で観察しようとしても、その準備段階で静電潜像は消失してしまう。
そこで、暗減衰を有する感光体試料であっても静電潜像を測定する方式として以下の技術が提案されている。試料表面に電荷分布があると、空間に表面電荷分布に応じた電界分布が形成される。このため、入射電子によって発生した2次電子は、この電界によって押し戻され、検出器に到達する量が減少する。従って、電界強度が強い部分は暗く、弱い部分は明るくコントラストがつき、表面電荷分布に応じたコントラスト像を検出することができる。従って、露光した場合には、露光部が黒、非露光部が白となり、これより形成された静電潜像を測定することができる(図4に示す)。
特開平03−49143号公報
しかし、上記の発明は以下の問題を有している。
感光体は、与えられる総露光エネルギー密度は同じでも、光量と露光時間の関係が異なると潜像形成状態が異なる相反則不軌の現象がある。一般的に、露光エネルギーが一定の場合、光量が強いほど、感度(潜像深さ)が低下し、その結果として画像濃度の違いとして現れる(図19に示す)。光量が強いとキャリアの再結合量が増大し、表面に到達するキャリア量が減少することが、原因と考えられている。これがマルチビーム走査光学系の場合、顕著に画像濃度むらとなってあらわれてくる。
図20は、画像形成装置の走査光学系として4chLDAを用いた例である。LD1とLD2の境界領域は、ほぼ同時に露光されているため、短い時間で多くの光量が当たっている。これに対し、LD4とLD1の境界領域は、まずLD4により露光された後、LD1により露光されるため、時間差を生じ、結果的に長い時間に弱い光量が当たったことになる。この場合、遅延時間の長い露光の方が潜像電位分布が深く形成され、トナーが付着しやすくなる。この結果、LD4とLD1とによって露光される境界領域は、画像濃度が濃くなり画像濃度むらを生じることになる。
相反則不軌現象は、感光体の特性値中でも、CGL膜厚やキャリア移動度、量子効率、キャリア発生量に依存する。このため、相反則不軌の起きにくい感光体、走査光学系を含めた作像システムを提供することが望ましいが、従来の計測手法では、空間分解能が数ミリ程度しか得られず、メカニズムを解析するのに十分な精度が得られなかった。
また、従来、レーザやLED露光によって生成されたキャリアの移動度は、サンプル片側で生成したキャリアが対面迄移動する時間を求めて計算されるタイムオブフライト法などを用いて算出されていたが、CGLは、0.1um程度と薄膜であり、十分な精度が得られなかった。キャリアの移動速度あるいは移動時間は、潜像形成に大きく影響を与えるため、高画質な画像品質を得るためにも非常に重要なファクターである。
そこで、本発明は、従来技術では極めて困難であった感光体の表面に生じている電荷分布又は電位分布をミクロンオーダーで高分解能に計測する静電特性計測方法及び静電特性計測装置を提案することを目的としている。
なお、厳密には、電荷は試料内に空間的に散らばっていることは周知の通りである。このため、表面電荷とは、電荷分布状態が厚さ方向に比べ、面内方向に大きく分布している状態を指すことにする。また、電荷は、電子だけでなくイオンも含める。
また、表面に導電部があり、導電部分に電圧が印加されることにより、試料表面又はその近傍が電位分布を生じている状態を表面電荷としてもよい。
発明は、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して、荷電粒子ビームを照射し、該照射によって得られる検出信号により、試料の静電潜像を測定する静電特性計測装置の静電特性計測方法において、総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測するとともに、露光エネルギー密度を固定して、単位面積当たりの像面光量を変えたときの1ビームスポット潜像の潜像径を計測することにより、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測することを特徴とする。
発明は、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して、荷電粒子ビームを照射し、該照射によって得られる検出信号により、試料の静電潜像を測定する静電特性計測装置の静電特性計測方法において、総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測するとともに、複数回露光の遅延時間を変えたときの潜像深さ変動量を、1回露光による露光エネルギー密度を変えたときの潜像深さ変動量に換算することを特徴とする
発明は、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して、荷電粒子ビームを照射し、該照射によって得られる検出信号により、試料の静電潜像を測定する静電特性計測装置の静電特性計測方法において、総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測するとともに、複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアの移動状態を計測することを特徴とする。
発明は、上述の記載において、複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアがCGLからCTLに移動する時間を計測することを特徴とする。
発明は、上述の記載において、複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアが表面に到達する時間を計測することを特徴とする。
本発明は、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する試料に対して、荷電粒子ビームを照射し、該照射によって得られる検出信号により、試料の電荷分布あるいは電位分布の状態を測定する方法において、露光条件を変えたときの潜像状態を計測することにより、感光体の静電特性を把握することで、高画質かつ高耐久な感光体を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る静電特性計測装置、光走査装置、及び画像形成装置の構成及び動作について説明する。
まず、図1を用いて感光体の静電特性を計測する静電特性計測装置の構成について説明する。本実施形態に係る静電特性計測装置は、荷電粒子照射部10、電子銃11、引き出し電力(エキストラクタ)12、加速電極13、静電レンズ(コンデンサレンズ)14、ビームブランキング電極(ビームブランカ)15、仕切り板16、可動絞り17、非点補正(スティングメータ)18走査レンズ(偏向電極)19、静電対物レンズ20、ビーム射出開口部21、露光光学系22、感光体試料23、検出器24、及び導体からなる試料設置部(GND)を有して構成される。
静電特性計測装置は、大きく分けて荷電粒子ビームを照射する荷電粒子照射部10、露光光学系22、試料設置部、1次反転荷電粒子や2次電子などの検出部24からなる。
ここでいう、荷電粒子とは、電子ビームあるいはイオンビームなど電界や磁界の影響を受ける粒子を指す。
以下、電子ビームを照射する実施例で説明する。電子ビーム照射部10は、電子ビームを発生させるための電子銃11と、電子ビームを制御するためのサプレッサ電極(引き出し電極)12、電子ビームのエネルギーを制御するための加速電極13、電子銃から発生された電子ビームを集束させるためのコンデンサレンズ14、電子ビームの照射電流を制御するためのアパーチャ、電子ビームをON/OFFさせるためのビームブランカ15、ビームブランカ15を通過した電子ビームを走査させるための走査レンズ19、走査レンズ19を再び集光させるための対物レンズ20からなる。それぞれのレンズ等には、図示しない駆動用電源が接続されている。なお、イオンビームの場合には、電子銃の代わりに液体金属イオン銃などを用いる。
露光光学系22の詳細を図2に示す。露光光学系22は、真空チャンバ31、試料移動ステージ32、LD制御手段としてコンピュータ33、感光体に関して感度を持つ波長のLD(レーザダイオード)などの光源34、コリメートレンズ35、アパーチャ36、集光レンズ37、除電用LED38などからなり、試料上に所望のビーム径、ビームプロファイルを生成することが可能となっている。また、コンピュータ33により適切な露光時間、露光エネルギーを照射できるようになっている。
次に、本実施形態に係る静電特性計測装置の動作について説明する。
まず、感光体試料23に電子ビームを照射させる。加速電圧|Vacc|は、2次電子放出比が1となる加速電圧より高い加速電圧に設定することにより、入射電子量が、放出電子量より上回るため電子が試料に蓄積され、チャージアップを起こす。この結果、試料はマイナスの一様帯電を生じることができる。加速電圧と照射時間を適切に行うことにより、所望の帯電電位を形成することができる。
次に、露光光学系22により感光体試料23に、露光を行う。露光光学系22は、所望のビーム径及びビームプロファイルを形成するように調整されている。必要露光エネルギーは、感光体特性によって決まるファクターであるが、通常、2〜6mJ/m2程度である。感度が低い感光体では、十数mJ/m2必要なこともある。帯電電位や必要露光エネルギーは、感光体特性やプロセス条件に合わせて設定すると良い。これにより、感光体試料に静電潜像を形成することができる。この後、入射電子量を下げて観察モードに変更する。
図3はビームスポット径と潜像径の関係を示す図である。同図(a)〜(c)は潜像形成領域、同図(d)はビーム断面のプロファイル、同図(e)は露光時間と潜像径の関係をそれぞれ示す図である。
感光体試料23を電子ビームで走査し、放出される2次電子をシンチレータで検出し、電気信号に変換してコントラスト像を観察する。このようにすると、帯電部が2次電子検出量が多く、露光部が2次電子検出量が少ない明暗のコントラスト像が生じる。暗の部分を露光による潜像部とみなすことができるので、ビームを走査せずにスポット露光した場合の明暗の境界を2ビームスポット潜像の潜像径Dとすることができる。
試料表面に電荷分布があると、空間に表面電荷分布に応じた電界分布が形成される。このため、入射電子によって、発生した2次電子はこの電界によって押し戻され、検出器に到達する量が減少する。従って、電荷リーク箇所は、露光部が黒、非露光部が白となり、表面電荷分布に応じたコントラスト像を測定することができる。
図4(a)は、荷電粒子捕獲器24と、試料SPとの間の空間における電位分布を、等高線表示で説明図的に示したものである。試料SPの表面は、光減衰により電位が減衰した部分を除いては負極性に一様に帯電した状態であり、荷電粒子捕獲器24には正極性の電位が与えられているから、「実線で示す電位等高線群」においては、試料SPの表面から荷電粒子捕獲器24に近づくに従い「電位が高く」なる。
従って、試料SPにおける「負極性に均一帯電している部分」である図のQ1点やQ2点で発生した2次電子el1、el2は、荷電粒子捕獲器24の正電位に引かれ、矢印G1や矢印G2で示すように変位し、荷電粒子捕獲器24に捕獲される。
一方、図4(a)において、Q3点は「光照射されて負電位が減衰した部分」であり、Q3点近傍では電位等高線の配列は「破線で示す如く」であり、この部分電位分布では「Q3点に近いほど電位が高く」なっている。換言すると、Q3点の近傍で発生した2次電子el3には、矢印G3で示すように、試料SP側に拘束する電気力が作用する。このため2次電子el3は、破線の電位等高線の示す「ポテンシャルの穴」に捕獲され、荷電粒子捕獲器24に向って移動しない。
図4(b)は、上記「ポテンシャルの穴」を模式的に示している。即ち、荷電粒子捕獲器24により検出される2次電子の強度(2次電子数)は、強度の大きい部分が「静電潜像の地の部分(均一に負帯電している部分 図4(a)の点Q1やQ2に代表される部分)」に対応し、強度の小さい部分が「静電潜像の画像部(光照射された部分 図4(a)の点Q3に代表される部分)」に対応することになる。
従って、2次電子検出部25で得られる電気信号を、信号処理部で適当なサンプリング時間でサンプリングすれば、前述の如く、サンプリング時刻:Tをパラメータとして、表面電位分布:V(X、Y)を「サンプリングに対応した微小領域」ごとに特定でき、信号処理部25により上記表面電位分布(電位コントラスト像):V(X、Y)を2次元的な画像データとして構成し、これをアウトプット装置で出力すれば、静電潜像が可視的な画像として得られる。
例えば、捕獲される2次電子の強度を「明るさの強弱で表現」すれば、静電潜像の画像部分は暗く、地の部分は明るくコントラストがつき、表面電荷分布に応じた明暗像として表現(出力)することができる。勿論、表面電位分布が知れれば、表面電荷分布も知ることができる。
上述の構成によれば、表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する試料に対して、荷電粒子ビームを照射し、該照射によって得られる検出信号により、試料の電荷分布あるいは電位分布の状態を測定する方法において、露光条件を変えたときの潜像状態を計測することにより、感光体の静電特性を把握することで、高画質かつ高耐久な感光体を提供することが可能となる。
相反則が成立する場合は、露光エネルギー密度=単位面積当たりの像面光量×露光時間であるため、露光エネルギー密度が一定であれば、静電潜像が変わることは無い。しかしながら、相反則不軌現象があると、
単位面積当たりの像面光量×露光時間=露光エネルギー密度
が一定でも露光時間が長い条件では、静電潜像の潜像径や潜像深さは大きく異なってくる。これは、光量が強いとキャリアの再結合量が増大し、表面に到達するキャリア量が減少するためである。
相反則不軌現象は、感光体材料やCGL膜厚によっても変わるため、書込条件と感光体の関係を予め把握する必要がある。もし同一機種内で条件を変えるなら、補正する必要がある。
まず、露光エネルギー密度が一定となるように、単位面積当たりの像面光量と露光時間を設定する。例えば、露光エネルギー密度:4mJ/m2の場合、
単位面積当たりの像面光量:4000W/m2,露光時間:1us
単位面積当たりの像面光量:2000W/m2,露光時間:1us
単位面積当たりの像面光量:1000W/m2,露光時間:4us
である。その他の条件(ビームスポット径や感光体など)は固定で、上記方式による2次電子検出により、静電潜像を可視化計測する(図3(a)〜(c))。可視化された画像より、条件ごとに潜像径Dを算出する。
露光のビームスポット径(1/e^2径)をAとしたときの比A/Dを算出する。潜像径の変化からグラフをすると図3(e)のようになる。これにより、像面光量に対する潜像径の変化量が把握でき、相反則不軌現象を計測することができる。
上述の構成によれば、露光エネルギー密度を固定して、単位面積当たりの像面光量を変えたときの、1ビームスポット潜像の潜像径を計測することにより、相反則不軌のメカニズムを解析することができ、この結果、画像濃度むらの発生原因と対策を実施することができ、出力画像品質を向上させることができる。
LDの発光パターンを変えるだけでも潜像状態は変化する。LDによる発光パターンの実施例を図5に示す。図5(a)及び(b)は、光量及び照射時間が異なり、試料単位面積あたりの露光エネルギーは一定で1回だけ露光する発光パターンである。図5(c)及び(d)は複数回露光させる発光パターンである。
図5(c)は、1度発光した後、遅延時間T(s)後に再び発光する2回露光であり、図5(d)は3回露光させる発光パターンである。光学系は固定しており、LD発光パターン以外は変わらないので同一領域を複数回露光で重ね打ちを行っている。
図5(a)は遅延時間0、図5(b)は遅延時間Δtとみなす事ができる。図5(a)〜(d)は試料単位面積あたりの露光エネルギーは一定であるが、相反則不軌の影響で潜像状態は異なってくる。複数パルスの遅延時間に対する潜像深さの変化量を計測することで、相反則不軌の影響を計測することができる。
表面電荷分布や表面電位分布のプロファイルを測定することにより、さらに高精度に測定することが可能である。
潜像深さを計測するためには、以下の方法を用いる。
まず、図6を用いて感光体の静電特性を計測する静電特性計測装置の構成について説明する。本実施形態に係る静電特性計測装置は、荷電粒子照射部10、電子銃11、引き出し電極(エキストラクタ)12、加速電極13、静電レンズ(コンデンサレンズ)14、ビームブランキング電極(ビームブランカ)15、仕切り板16、可動絞り17、非点補正(スティングメータ)18走査レンズ(偏向電極)19、静電対物レンズ20、ビーム射出開口部21、露光光学系22、感光体試料23、検出器24、及び導体からなる試料設置部(GND)を有して構成される。
静電特性計測装置は、大きく分けて荷電粒子ビームを照射する荷電粒子照射部(電子ビーム照射部)10、露光光学系22、試料設置部、1次反転荷電粒子や2次電子などの検出部24からなる。ここでいう荷電粒子とは、電子ビームあるいはイオンビームなど電界や磁界の影響を受ける粒子を指す。
以下電子ビームを照射する実施例で説明する。電子ビーム照射部10は電子ビームを発生させるための電子銃11と、電子ビームを制御するためのサプレッサ電極(引き出し電極)12と、電子ビームのエネルギーを制御するための加速電極13と、電子銃11から発生された電子ビームを集束させるためのコンデンサレンズ14と、電子ビームの照射電流を制御するためのアパーチャと、電子ビームをON/OFFさせるためのビームブランカとビームブランカを通過した電子ビームを走査させるための走査レンズ(偏向コイル)と、走査レンズを再び集光させるための対物レンズとからなる。それぞれのレンズ等には、図示しない駆動用電源が接続されている。
なお、イオンビームの場合には、電子銃11の代わりに液体金属イオン銃などを用いる。1次反転電子を検出する手段として、シンチレータや光電子増倍管などを用いている。試料下部に電圧Vsubを印加できる構成となっている。
図7に入射電子と試料の関係図を示す。入射する荷電粒子の試料垂直方向の速度ベクトルが、試料到達前に反転するような状態が存在する領域が存在し、その1次入射荷電粒子を検出する構成となっている。なお、加速電圧は、正で表現することが一般的であるが、加速電圧の印加電圧Vaccは負であり、電位ポテンシャルとして、物理的意味を持たせるためには、表現する方が説明しやすいため、ここでは加速電圧は負(Vacc<0)と表現する。電子ビームの加速電位ポテンシャルをVacc(<0)、試料の電位ポテンシャルをVp(<0)とする。電位とは、単位電荷が持つ電気的な位置エネルギーである。従って、入射電子は、電位0(V)では加速電圧Vaccに相当する速度で移動するが、試料面に接近するに従い、電位が高くなり、試料電荷のクーロン反発の影響を受けて速度が変化する。従って、一般的に以下のような現象が起こる。
|Vacc|>|Vp|の場合、電子は、速度は減速されるものの、試料に到達する(図7(a)に示す)。
|Vacc|<|Vp|場合には、入射電子の速度は試料の電位ポテンシャルの影響を受けて、徐々に減速し、試料に到達する前に速度が0となって、反対方向に進む(図7(b)に示す)。
空気抵抗の無い真空中では、エネルギー保存則がほぼ完全に成立する。従って、入射電子のエネルギー変えたときの、試料面上でのエネルギーすなわちランディングエネルギーがほぼ0となる条件を計測することで、表面の電位を計測することができる。ここでは1次反転荷電粒子、特に電子の場合を1次反転電子と呼ぶことにする。試料に到達したとき発生する二次電子と1次反転荷電粒子では、検出器に到達する量が大きく異なるので、明暗のコントラストの境界より、識別することができる。
なお、走査電子顕微鏡などには、反射電子検出器があるが、この場合の反射電子とは、一般的に試料の物質との相互作用により、入射電子が後方背面に反射(散乱)され、試料の表面から飛び出す電子のことを指す。反射電子のエネルギーは入射電子のエネルギーに匹敵する。反射電子の強度は試料の原子番号が大きいほど大きいといわれ、試料の組成の違い、凹凸がわかるための検出方法である。
これに対して、1次反転電子は、試料表面の電位分布の影響を受けて、試料表面に到達する前に反転する電子のことで有り、全く異なる現象である。
各走査位置(x、y)で、加速電圧Vaccと、試料下部印加電圧Vsubとの差をVth(=Vacc-Vsub)とすれば、ランディングエネルギーがほぼ0となるときのVth(x、y)を測定することで電位分布V(x、y)を測定することができる。Vth(x、y)は、電位分布V(x、y)とは、一意的な対応関係があり、Vth(x、y)はなだらかな電荷分布などであれば、近似的に電位分布V(x、y)と等価となる。
従って、加速電圧Vacc又は印加電圧Vsubを変えながら試料表面を電子で走査させ、Vth分布を計測することにより、試料の表面電位情報を計測することが可能となる。潜像深さ計測結果の一例を図8、潜像深さ計測のフローを図9に示す。この方法を用いることにより、従来困難であった、潜像プロファイルをミクロンオーダーで可視化することが可能となる。
試料の電荷又は電位の分布をモデリングしておき、電子ビームの軌道を算出して、電子ビームの軌道に基づいて、表面電位分布を取得するための電荷又は電位の分布モデルを修正する方法を用いることで電位分布をさらに高精度に計測することも可能となる(図10に示す)。またグリッドメッシュや導電板を配置した別の実施例を図11に示す。制御部の構成を図12に示す。
上述の構成によれば、露光エネルギー密度を固定して、発光タイミングを変化させる手段を有することにより、相反則不軌のメカニズムを解析することが可能となる装置を提供することができる。
上述のように遅延時間が長くなると、潜像電位が深く形成される傾向にあり、全体としては、遅延時間に対してS字カーブ的に変化する。すなわち、照射光量と照射時間を一定にして、複数回発光させたときの遅延時間により、感光体上の潜像形成状態が異なってくる。従って、感光体上の潜像形成状態を揃える為には、次のようにする(図13に示す)。
2回露光で遅延時間Tの場合で説明する(図13(a)に示す)。
まず、露光エネルギー密度がEeのときの、潜像深さを測定する(図13(c)に示す条件A)。なお、ここで述べる潜像深さとは、帯電電位とボトム電位との差を指す(図13(b)に示す)。
1/2の露光エネルギー密度1/2×Eeで遅延時間Tを与えて、2回照射し、潜像電位深さを測定する(図13(c)に示す条件B)。
条件Aと条件Bでの潜像深さ変化量ΔVpvを算出する。1回露光で、露光エネルギー密度をα×Eeとしたときに露光エネルギー密度係数αを変えたときの潜像深さを測定する(図13(d)に示す)。α=1のとき、露光エネルギー密度は、2回露光のときの総露光エネルギー密度と同じになる。
露光エネルギー密度係数αを変えたときの潜像深さ変化量がΔVpvとなるときの係数βを算出する。すなわち、2回露光で遅延時間Tの場合、1/2×β×Eeで露光すれば、Eeで1回露光したときと、同じ潜像深さが形成されることになる。ちなみに、2回露光の方が潜像電位が深くなるので、β<=1である。
このようにして、複数回露光で遅延時間が生じている場合と1回露光の潜像状態を揃えることが可能となる。3回以上の複数回露光でも同様に算出することができる。
上述の構成によれば、複数回露光の遅延時間を変えたときの潜像深さ変動量を、1回露光による露光エネルギー密度を変えたときの潜像深さ変動量に換算することにより、相反則不軌現象によって起こる画像濃度への影響を解析することが可能となる装置を提供することができる。また感光体の静電潜像を測定して、設計にフィードバックすることにより、各工程のプロセスクォリティが向上するため、高画質、高耐久、高安定、省エネルギー化が実現できる。
潜像深さが、遅延時間に対してS字カーブ的に変化する現象は、2回目露光のときの1回目露光で発生したキャリア位置が関係する(図14及び図15に示す)。
CGL移動時間内(数−数十us程度)では、1回目と2回目に発生したキャリアがCGL内に共存しているため、再結合条件が時間に依存せず、ほぼ一定となる。
CTL移動時間内遅延時間(数10usから数ms)の範囲では、時間が長くなるに従い、潜像が深く形成される。これは、1回目キャリアのCTL移動に伴う、再結合量が減少する。また、1回目キャリア位置で、CGL電界強度が変化し、2回目露光時の量子効率(キャリア生成量)が変化することから生じる。
遅延時間数ms以上では、最表面到達後は、キャリア位置が不変のため、キャリア生成量及び再結合量に変化は無く、潜像深さは一定となる。
従って、遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアの移動状態を計測することができる。すなわち、上述のS字カーブの立ち上がりはじめてが急になるところが、生成キャリアがCGLからCTLに変化した場所であり、S字カーブの立ち上がりがなだらかで、一定になるところが、生成キャリアが最表面に到達した時間だと判断できる。
生成キャリアの移動時間がわかれば、キャリアのCTL移動度を算出することができる。今、CTLの膜厚をLとし、CTL移動度をμ(キャリア移動距離/(単位時間・単位電界))とし、帯電電位をVsとすれば、μ=L/T*E=L^2/|(T×Vs)|である。
従って、Vs=-800V、T=3ms、L=30umの場合、
μ=(30*10^-6)^2/|(3*10^-3)/(-800)|=0.375*10^-9(m^2/V・t)
と算出することができる。
上述の構成によれば、複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測し、生成キャリアの移動状態を計測することにより、感光体の潜像形成に影響を与える材料特性値を把握することができ、かつ帯電・露光及び現像時間を適切に設定することが可能となる。
また、複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測して生成キャリアがCGLからCTLに移動する時間を計測することにより、従来技術では薄膜のため、測定困難であったCGL移動度を測定することが可能となる。帯電・露光及び現像時間を適切に設定することが可能となる。
また、複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測して生成キャリアが表面に到達する時間を計測することにより、CTL移動度を測定することが可能となる。この結果、帯電・露光及び現像時間といった電子写真プロセス条件を適切に設定することが可能となる。
上述の結果を、複数の光源を有する光走査装置に用いることで、ポリゴンの走査間隔時間に相当する遅延時間で発生する潜像深さ変化量を相殺するように補正する光走査装置が可能となる。ポリゴンモータの回転数を例えばR=40000rpm、ポリゴン面数をN=6面とすると、ポリゴンの1つの面の走査から、次の面の走査に要する時間は、
1/R/N*60(s)=/40000/6*60=250us
であるため、ポリゴンの走査間隔時間に相当する遅延時間は、250usとなる。従って、境界の画像は、遅延時間が250usで、2回露光したときの静電潜像となり、相反則不軌の影響で静電潜像が深く形成され、その結果、濃度の高い画像となる。これを同じ濃度にするには、図13で示したように補正係数βを算出することで、光量をその分減らす方向に補正してあげればよい。
すなわち、予め遅延時間の違いによる潜像深さの関係を算出しておき、LD光源からの出力光量を補正する制御すれば良いことがわかる。潜像深さ変動量は、潜像深さの10%以内であれば、濃度の差としては識別しにくい程度に目立たなくなるので、その範囲内に補正すると良い。すなわち、潜像深さが250Vであれば、25V以下が許容値といえる。
このときのLD発光パターンを図16に示す。また、マルチビーム露光や高画質などで、3回以上露光する場合も同様な処理で適用でき、相反則不軌現象が顕著に表れてくる。従って、マルチビーム走査光学系に特に有効である。
図17(a)に示すように、半導体レーザを含む光源ユニットから射出した光ビームは、シリンダレンズを介してポリゴンミラーで偏向走査され、走査レンズ、折り返しミラーにより被走査媒体としての感光体上に結像される。各発光点の発光信号を制御する画像処理装置内のバッファメモリには、各発光点に対応する1ライン分の印字データが蓄えられている。ポリゴンミラーの偏向反射面1面毎に上記印字データが読み出され、被走査媒体上の走査線上で印字データに対応して光ビームが点滅し、走査線に従って静電潜像が形成される。
図17(b)に示す構成例では、4個の光源が配列された半導体レーザアレイが、コリメートレンズの光軸垂直方向に配置されている。
図17(c)に、発光点をx軸方向と、y軸方向に平面に配置した面発光レーザからなる光走査装置の光源部の構成例を示す。この構成例は、水平方向(主走査方向)に3個、垂直方向(副走査方向)に4個、計12個の発光点を有する面発光レーザを用いた例である。この構成例を、図17(a)に示す光走査装置に適用することにより、一つの走査線上を水平方向に配置した3つの光源により走査し、垂直方向4本の走査線を同時に走査するように構成することができる。
このように複数の光ビームで露光する場合は、相反則不軌現象が顕著に表れてくる。従って、マルチビーム走査光学系に特に有効であり、高精度でかつ高速の光走査が可能となる。
上述の構成によれば、ポリゴン走査による遅延時間や露光エネルギーを考慮して、静電潜像が一定になるようにLDを制御することにより、高画質・高耐久な出力画像を得ることができる。
以下に、本発明を適用した画像形成装置の一実施形態について説明する。図18は、一実施形態に係るレーザプリンタの概略図である。
レーザプリンタ100は像担持体111として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。像担持体111の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配備されている。この実施の形態では「帯電手段」として、オゾン発生の少ない接触式の帯電ローラ112を用いているが、コロナ放電を利用するコロナチャージャを帯電手段として用いることもできる。また、光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「レーザビームLBの光走査による露光」を行うようになっている。
図18において、符号116は定着装置、符号118はカセット、符号119はレジストローラ対、符号120は給紙コロ、符号121は搬送路、符号122は排紙ローラ対、符号123はトレイを示している。画像形成を行うときは、光導電性の感光体である像担持体111が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ112により均一に帯電され、光走査装置117のレーザビームによる光書込による露光により静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置113により反転現像され、像担持体111上にトナー画像が形成される。
転写紙を収納したカセット118は画像形成装置100本体に着脱可能で、図のごとく装着された状態において、収納された転写紙の最上位の1枚が給紙コロ120により給紙される。給紙された転写紙は、その先端部をレジストローラ対119に銜えられる。レジストローラ対119は、像担持体111上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングをあわせて転写紙を転写部へ送りこむ。送りこまれた転写紙は、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ、転写ローラ114の作用によりトナー画像を静電転写される。トナー画像を転写された転写紙は定着装置116でトナー画像を定着されたのち、搬送路21を通り、排紙ローラ対122によりトレイ123上に排出される。トナー画像が転写されたのち、像担持体111の表面はクリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
本発明による非常に望ましい潜像担持体を用いることにより、解像力に優れ、高精彩かつ高耐久で信頼性の高い画像形成装置を製作することができる。
上述の構成によれば、図17に示す光走査装置を用いて潜像を形成し、現像して可視化することを特徴とする画像形成装置を用いることにより、相反則不軌のおきにくい作像システムとすることで、画像濃度むらの現れない高画質な画像形成装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る静電特性計測装置の概略図である。 露光光学系の概略図である。 (a)〜(c)はビームスポットを示す図である。(d)はビームスポット径を示す図である。(e)は潜像径を示す図である。 2次電子による電荷分布・電位分布検出の原理モデルを示す図である。 (a)〜(d)はLDの発光パターンを示す図である。 本発明の一実施形態に係る静電特性計測装置の概略図である。 (a)及び(b)は入射電子と試料の関係を示す図である。 (a)〜(c)は試料を2次元的に走査したときの検出信号強度(コントラスト像)とVth(x)測定結果の関係を示す図である。 潜像深さを計測する処理のフローチャートである。 電荷分布修正による電位分布測定結果を算出する処理のフローチャートである。 グリッドメッシュ配置による測定例を示す図である。 本実施形態に係る静電特性計測装置の制御部の構成を示す図である。 (a)は2回露光で遅延時間Tの場合のLD発光パターンを示す図である。(b)は潜像深さを示す図である。(c)は潜像深さと遅延時間の関係を示す図である。(d)は潜像深さと1回露光の露光エネルギー密度係数αの関係を示す図である。 潜像深さが遅延時間に対してS字カーブ的に変化する現象を示す図である。 潜像深さとキャリア位置の関係を示す図である。 マルチビーム走査光学系のLD光量制御パターンを示す図である。 (a)は光走査装置の概略図である。(b)は4個の光源が配列された半導体レーザアレイがコリメートレンズの光軸垂直方向に配置されている例を示す図である。(c)は発光点をx軸方向とy軸方向に平面に配置した面発光レーザからなる光走査装置の光源部の構成を示す図である。 レーザプリンタの概略図である。 相反則不軌現象を示す図である。 4chLDAでの発光タイミングを示す図である。
符号の説明
10 荷電粒子光学系
11 電子銃
12 引き出し電極
13 加速電極
14 コンデンサレンズ
15 ビームブランキング電極
16 仕切り弁
17 可動絞り
18 スティングメータ
19 偏向電極
20 静電対物レンズ
21 ビーム射出開口部
22 露光光学系
23 感光体試料
24 検出器
31 真空チャンバ
32 試料移動ステージ
33 コンピュータ
34 光源
35 コリメートレンズ
36 アパーチャ
37 集光レンズ
38 除電用LED

Claims (12)

  1. 表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して、荷電粒子ビームを照射し、該照射によって得られる検出信号により、試料の静電潜像を測定する静電特性計測装置の静電特性計測方法において、
    総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測するとともに、
    露光エネルギー密度を固定して、単位面積当たりの像面光量を変えたときの1ビームスポット潜像の潜像径を計測することにより、相反則不軌を計測することを特徴とする静電特性計測方法。
  2. 表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して、荷電粒子ビームを照射し、該照射によって得られる検出信号により、試料の静電潜像を測定する静電特性計測装置の静電特性計測方法において、
    総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測するとともに、
    複数回露光の遅延時間を変えたときの潜像深さ変動量を、1回露光による露光エネルギー密度を変えたときの潜像深さ変動量に換算することを特徴とする静電特性計測方法。
  3. 表面電荷分布あるいは表面電位分布を有する感光体試料に対して、荷電粒子ビームを照射し、該照射によって得られる検出信号により、試料の静電潜像を測定する静電特性計測装置の静電特性計測方法において、
    総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測するとともに、
    複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアの移動状態を計測することを特徴とする静電特性計測方法。
  4. 複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアがCGLからCTLに移動する時間を計測することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の静電特性計測方法。
  5. 複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアが表面に到達する時間を計測することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の静電特性計測方法。
  6. 露光エネルギー密度を固定して、発光タイミングを変化させることにより、前記感光体の相反則不軌を計測することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の静電特性計測方法。
  7. 試料に対して、荷電粒子ビームを照射する手段と、該照射によって得られる荷電粒子の信号検出手段と、前記試料の電荷分布の状態を測定する手段と、露光条件を変える手段と有する静電特性計測装置において、前記試料は感光体であり、
    総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測するとともに、
    露光エネルギー密度を固定して、単位面積当たりの像面光量を変えたときの1ビームスポット潜像の潜像径を計測することにより、相反則不軌を計測することを特徴とする静電特性計測装置。
  8. 試料に対して、荷電粒子ビームを照射する手段と、該照射によって得られる荷電粒子の信号検出手段と、前記試料の電荷分布の状態を測定する手段と、露光条件を変える手段と有する静電特性計測装置において、前記試料は感光体であり、
    総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測するとともに、
    複数回露光の遅延時間を変えたときの潜像深さ変動量を、1回露光による露光エネルギー密度を変えたときの潜像深さ変動量に換算することを特徴とすることを特徴とする静電特性計測装置。
  9. 試料に対して、荷電粒子ビームを照射する手段と、該照射によって得られる荷電粒子の信号検出手段と、前記試料の電荷分布の状態を測定する手段と、露光条件を変える手段と有する静電特性計測装置において、前記試料は感光体であり、
    総露光エネルギー密度を固定して、一度だけ試料を露光して静電潜像の状態を計測した場合と、試料を一度露光した後、遅延時間をおいて同一領域を露光していく複数回露光で形成された静電潜像の状態を計測した場合を比較することで、相反則不軌を計測することにより感光体の静電特性を計測するとともに、
    複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアの移動状態を計測することを特徴とする静電特性計測装置。
  10. 複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアがCGLからCTLに移動する時間を計測することを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の静電特性計測装置。
  11. 複数回露光させたときの遅延時間を変えて、潜像深さを計測することにより、生成キャリアが表面に到達する時間を計測することを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の静電特性計測装置。
  12. 露光エネルギー密度を固定して、発光タイミングを変化させることにより、前記感光体の相反則不軌を計測することを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の静電特性計測装置。
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