JP2007170949A - 表面電位分布測定方法、表面電位分布測定装置、潜像担持体及び画像形成装置 - Google Patents

表面電位分布測定方法、表面電位分布測定装置、潜像担持体及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の表面電位分布を精度良く測定することができる表面電位分布測定方法及び表面電位分布測定装置を提供する。
【解決手段】試料を介した荷電粒子を検出効率が互いに異なる複数の条件で検出する(ステップ505〜ステップ517)。これにより、試料を介した荷電粒子量が走査位置に依存して変化しても、表面電位に関する情報をムラなく取得することができる。従って、試料の表面電位分布を精度良く測定することが可能となる。
【選択図】図7

Description

本発明は、表面電位分布測定方法、表面電位分布測定装置、潜像担持体及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、荷電粒子ビームを走査して試料の表面電位分布を測定する表面電位分布測定方法及び表面電位分布測定装置、該表面電位分布測定装置によって評価された潜像担持体、及び該潜像担持体を備える画像形成装置に関する。
レーザプリンタやデジタル複写機などの電子写真方式の画像形成装置では、画像情報に応じて変調された光源からの光を走査光学系などを介して感光体上に集光させるとともに、所定の方向(主走査方向)に走査させ、感光体上に静電潜像を形成している。そして、その静電潜像にトナーを付着させ、該トナーを紙などに転写して出力画像としている。
感光体上に形成される静電潜像は、出力画像の品質に大きく影響する。そこで、感光体上に形成された静電潜像を評価する方法及び装置が種々提案されている。そして、その評価結果を画像形成装置の設計にフィードバックすることにより、出力画像の品質向上を図っている。
例えば、特許文献1には、試料面を電子ビームで走査し、該走査で放出される二次電子を用いて静電潜像を観察する方法が提案されている。しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、観察の準備に時間を要するため、試料が通常の誘電体のように電荷を半永久的に保持することができるものであれば観察可能であるが、通常の感光体では、電荷を長時間保持することができないため、例えば、観察の準備段階で静電潜像が消失してしまい、正確な観察は不可能である。
そこで、出願人は、電荷を長時間保持することができない感光体であっても静電潜像を測定する方式を提案した(例えば、特許文献2〜特許文献5参照)。
ところで、近年、画像情報のデジタル化が急速に進み、画像形成装置の出力画像の更なる高品質化への要求が年々高くなっている。これに伴い、静電潜像の評価精度の更なる向上が望まれている。
特開平3−49143号公報 特開2003−295696号公報 特開2003−305881号公報 特開2004−251800号公報 特開2004−233261号公報
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、試料の表面電位分布を精度良く測定することができる表面電位分布測定方法及び表面電位分布測定装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、静電潜像を精度良く担持することができる潜像担持体を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、高品質の画像を形成することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明は、第1の観点からすると、荷電粒子ビームで走査して試料の表面電位の分布状態を測定する表面電位分布測定方法であって、前記試料を介した荷電粒子を検出効率が互いに異なる複数の条件で検出する工程を、含む表面電位分布測定方法である。
これによれば、試料を介した荷電粒子は、検出効率が互いに異なる複数の条件で検出されるため、例えば試料を介した荷電粒子量が走査位置に依存して変化しても、表面電位に関する情報をムラなく取得することができる。従って、試料の表面電位分布を精度良く測定することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、荷電粒子ビームを走査して試料の表面電位の分布状態を測定する表面電位分布測定装置であって、前記荷電粒子ビームを発生するビーム発生装置と;前記ビーム発生装置と試料との間に配置され、前記ビーム発生装置からの荷電粒子ビームを前記試料表面に集束する光学系と;前記試料を介した荷電粒子の少なくとも一部が取り込まれ、その検出効率を変更することが可能な検出装置と;前記検出効率が互いに異なる条件での前記検出装置の複数の検出結果に基づいて、前記試料の表面電位の分布状態を求める処理装置と;を備える表面電位分布測定装置である。
これによれば、処理装置により、検出効率が互いに異なる条件での検出装置の複数の検出結果に基づいて、試料の表面電位の分布状態が求められる。この場合に、例えば試料を介した荷電粒子量が走査位置に依存して変化しても、表面電位に関する情報をムラなく取得することができる。従って、試料の表面電位分布を精度良く測定することが可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、本発明の表面電位分布測定装置で表面電位分布が測定され、その測定結果から得られた耐絶縁性又は解像度が予め設定されている条件を満足している潜像担持体である。
これによれば、耐絶縁性又は解像度が予め設定されている条件を満足しているため、静電潜像を精度良く担持することが可能となる。
本発明は、第4の観点からすると、本発明の潜像担持体と;前記潜像担持体に対して光を走査する光走査装置と;前記潜像担持体に形成された像を転写対象物に転写する転写装置と;を備える画像形成装置である。
これによれば、本発明の潜像担持体を備えているため、高品質の画像を形成することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11(C)に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る表面電位分布測定装置100の概略構成が示されている。
図1に示される表面電位分布測定装置100は、電子銃10、筐体30、コンデンサレンズ(静電レンズ)35、ビームブランキング電極37、アパーチャ51、スティグメータ53、走査レンズ(偏向電極)55、対物レンズ57、試料台81、検出器91、制御系3、排出系83及び駆動用電源(図示省略)などを備えている。
電子銃10は、電子ビームを放出する。この電子銃10は、エミッタ11、引き出し電極31、及び加速電極33などを有している。引き出し電極31は、エミッタ11の−Z側に配置され、エミッタ11に強電界を発生させるための電圧が印加される。これにより、エミッタ11の先端から電子ビームが放出される。なお、本実施形態では、−Z方向に向けて電子ビームが放出されるものとする。加速電極33は、引き出し電極31の−Z側に配置され、エミッタ11から放出された電子ビームに所望のエネルギを与えるための電圧(加速電圧Vaccとする。)が印加される。
コンデンサレンズ35は、加速電極33の−Z側に配置され、電子ビームを細く絞る。
ビームブランキング電極37は、コンデンサレンズ35の−Z側に配置され、電子ビームをオン/オフする。
アパーチャ51は、ビームブランキング電極37の−Z側に配置され、ビームブランキング電極37からの電子ビームのビーム径を規定する。
スティグメータ53は、アパーチャ51の−Z側に配置され、非点収差を補正する。
走査レンズ55は、スティグメータ53の−Z側に配置され、スティグメータ53からの電子ビームを偏向する。
対物レンズ57は、走査レンズ55の−Z側に配置され、走査レンズ55からの電子ビームをビーム射出開口部61を介して試料71の表面に集束する。
以下では、コンデンサレンズ35、ビームブランキング電極37、アパーチャ51、スティグメータ53、走査レンズ55、及び対物レンズ57を含む光学系を電子ビーム光学系5ともいう。
試料台81は、その上に試料71が載置され、不図示の駆動機構によりXY面内で2次元的に移動可能である。この試料台81は導電性を有しており、接地されている。
検出器91は、試料71の近傍に配置され、試料71から放出された二次電子を取り込む。この検出器91は、一例として図2に示されるように、試料71から放出された二次電子が入射するシンチレータ(蛍光体)91aと、該シンチレータ91aからの光を増倍する光電子増倍管91bとを有している。図2におけるVpullはシンチレータ91aからの引き込み電圧であり、Vgaは光電子増倍管91bのバイアス電圧である。試料71から放出された二次電子はエネルギーが低いためシンチレータ91aの表面に印加した高電圧の電界の影響で加速され、光に変換される。この光は、ライトパイプを通って光電子倍増管91bで電流として増幅され電流信号として取り出される。
図3には光電子増倍管91bの断面が示されている。光電子増倍管91bの光電面(陰極)から放出された光電子は、第1ダイノードに衝突し、その数倍の二次電子を放出する。その二次電子は後続のダイノードでさらに増倍を繰り返し、陽極に達したときは、10〜10倍に増幅される。
ダイノード一段当たりの二次電子放出率δは、次の(1)式で示される。ここで、Vdiはダイノード間の印加電圧、αはダイノードの形状及び材質によって決まる値であり、通常0.7〜0.8である。また、Aは定数である。
δ=A×Vdiα ……(1)
n段のダイノードを有し、陰極と陽極との間に電圧Vallが印加されたときのゲインμは、次の(2)式で示される。Kは定数である。電圧Vallとゲインμとの関係が、一例として図4に示されている。わずかな電圧差で大きな利得変化を得ることができる。表面電位の絶対値が数百V〜数kV以上になると、検出信号強度が5倍以上と極端に変化する場合がある。このように検出効率が5倍以上も差があるときにも電圧Vallの変化は数百V程度で良いため、コントラストが極端に変化する場合であっても対応可能である。
μ=K×Vallαn ……(2)
上記電子銃10、電子ビーム光学系5、試料台81及び検出器91は、筐体30内に収容されている。
排気系83は、複数の排気装置から構成され、筐体30内を高真空状態にする。ここでは、筐体30の下方(−Z側)から排気しているが、これに限定されるものではない。また、複数個所から排気しても良い。
制御系3は、コンピュータ、入力装置、表示装置及びプリンタ装置などを有している。そして、コンピュータは、あらかじめインストールされているプログラムにしたがって、電子銃10、電子ビーム光学系5、試料台81、及び排気系83などをそれぞれ制御するとともに、検出器91の出力信号に基づいて試料71の表面電位分布を求める。なお、本実施形態では、一例として試料71の表面電位ポテンシャルは負であるものとする。
ところで、試料71の表面に電荷分布があると、該電荷分布に応じた電界分布が空間に形成される。このため、入射電子によって発生した二次電子はこの電界によって押し戻され、検出器91に到達する量が減少する。従って、電荷リーク箇所は、露光部が黒、非露光部が白となり、表面電荷分布に応じたコントラスト像を得ることができる。図5(A)は、検出器91と試料71との間の空間における電位分布を等高線で示したものである。試料71の表面は、光減衰により電位が減衰した部分を除いては負極性に一様に帯電した状態であり、検出器91には正の電位が与えられているので、実線で示された電位等高線群においては、試料71の表面から検出器91に近づくにつれて電位が高くなる。従って、試料71における負に均一帯電している部分である図5(A)におけるQ1点で発生した二次電子el1、及びQ2点で発生した二次電子el2は、検出器91の正電位に引かれ、矢印G1及び矢印G2で示されるように変位し、検出器91に捕獲される。一方、図5(A)におけるQ3点は、光照射されて負電位が減衰した部分であり、Q3点近傍では電位等高線の配列は破線で示す如くであり、この部分電位分布ではQ3点に近いほど電位が高くなっている。換言すると、Q3点の近傍で発生した二次電子el3には、矢印G3で示すように、試料71側に拘束する電気力が作用する。このため二次電子el3は、破線の電位等高線の示す「ポテンシャルの穴」に捕獲され、検出器91に向って移動しない。図5(B)は、上記「ポテンシャルの穴」を模式的に示している。すなわち、検出器91により検出される二次電子の強度(二次電子数)は、強度の大きい部分が「静電潜像の地の部分(均一に負帯電している部分、図5(A)の点Q1やQ2に代表される部分)」に対応し、強度の小さい部分が「静電潜像の画像部(光照射された部分、図5(A)の点Q3に代表される部分)」に対応することになる。
従って、検出器91の出力信号を適当なサンプリング時間でサンプリングすれば、サンプリング時刻をパラメータとして、表面電位分布をサンプリングに対応した微小領域毎に特定できる。そして、例えば、捕獲される二次電子の強度を明るさの強弱で表現すれば、静電潜像の画像部分は暗く、地の部分は明るく、コントラストがつき、表面電荷分布に応じた明暗像として表現(出力)することができる。さらに、表面電位分布から表面電荷分布を知ることができる。
次に、前述のように構成される表面電位分布測定装置100を用いて、試料71の表面電位分布を測定する方法について図6〜図11(C)を用いて説明する。図6のフローチャートは、オペレータによって行われる処理であり、図7のフローチャートは、制御系3を構成するコンピュータによって行われる処理である。なお、試料71の表面はXY面内を2次元的に走査されるものとする。
最初のステップ401では、試料台81に潜像が形成されている試料71を載置する。
次のステップ403では、排気系83を稼動させ、筐体30内を高真空状態とする。
次のステップ405では、制御系3のコンピュータに表面電位分布の測定を指示する。そして、オペレータによって行われる処理は終了する。
制御系3のコンピュータは、表面電位分布の測定の指示を受けると、最初のステップ501では、加速電圧Vaccを変化させた回数が格納されるカウンタiに初期値1をセットする。
次のステップ503では、加速電圧Vaccを予め設定されている初期値にセットする。
次のステップ505では、検出器91での信号検出条件を変化させた回数が格納されるカウンタjに初期値1をセットする。
次のステップ507では、最初の信号検出条件をセットする。ここでは、一例として図8(A)に示されるように、シンチレータ91aからの引き込み電圧VpullをVp1からVpNまで変化させるものとする。引き込み電圧Vpullを変えると、試料71から検出器91に至る電場を変える事ができる。引き込み電圧Vpullを上げると検出器91に到達する二次電子の量が増大する。具体的には、1〜15kVの範囲内で設定する。
ところで、検出器91に到達する二次電子量は、試料71の電場の影響により、検出器91に近い側と検出器91から遠い側とで極端に異なる。その結果本来は均一の電位条件であっても感度むらを生じ、従来のように信号検出条件が一定の場合には、実際の電位コントラストの情報なのか、単なる検出感度むらなのかの区別がつきにくい(図9参照)。検出器91に近い側の感度を最適にすると、検出器91から遠い側が暗くなり、検出器91から遠い側を最適にすると、検出器91に近い側の輝度が明るすぎてしまう(図10参照)。
なお、一例として図8(B)に示されるように、引き込み電圧VpullをVpNからVp1まで変化させても良いし、一例として図8(C)に示されるように、二次電子検出信号のバイアスレベル(ブライトネスともいう)をVb1からVbNまで変化させても良い。また、一例として図8(D)に示されるように、前記VallをVa1からVaNまで変化させ、光電子増倍管91bのゲインμを変化させても良い。この場合には、各フレームでのゲインμの差を少なくとも5倍とする。
次のステップ509では、電子ビームの走査を開始する。
次のステップ511では、検出器91を介して試料71から放出された二次電子を検出する。電子ビームの走査が完了するとステップ513に移行する。
このステップ513では、カウンタjの値が予め設定されている値N(2以上の整数)と等しいか否かを判断する。カウンタjの値がNと等しくなければ、ここでの判断は否定され、ステップ515に移行する。
このステップ515では、カウンタjの値に1を加算する。
次のステップ517では、次の信号検出条件をセットする。そして、前記ステップ509に戻る。
以下、ステップ513での判断が肯定されるまで、ステップ509〜ステップ517の処理を繰り返し行う。
そして、カウンタjの値がNと等しくなると、上記ステップ513での判断は肯定され、ステップ521に移行する。
このステップ521では、検出器91から得られたN個の検出信号を平均化する。
次のステップ523では、平均化された検出信号に基づいてコントラスト像を取得する(図11(A)及び図11(B)参照)。コントラスト像における白い領域は検出器91での検出量が多い領域であり、黒い領域は検出器91での検出量が少ない領域を示している。
次のステップ525では、コントラスト像に対して2値化処理を行い、2値化データを取得する。例えばX軸方向及びY軸方向についての表面電位の分布状態を測定する場合には、X軸方向及びY軸方向について2値化データを取得する。
次のステップ527では、2値化データに基づいて潜像の径を算出する。例えばX軸方向及びY軸方向についての表面電位の分布状態を測定する場合には、X軸方向及びY軸方向について潜像の径を算出する。ここで算出された潜像の径は、加速電圧Vaccに対応付けて不図示のメモリに保存する。
次のステップ529では、カウンタiの値が予め設定されている値M(2以上の整数)と等しいか否かを判断する。カウンタiの値がMと等しくなければ、ここでの判断は否定され、ステップ531に移行する。
このステップ531では、カウンタiの値に1を加算する。
次のステップ533では、現在の加速電圧Vaccの値に予め設定されている増分(Δvとする)を加算する。そして、上記ステップ505に戻る。
以下、ステップ529での判断が肯定されるまで、ステップ505〜ステップ533の処理を繰り返し行う。
そして、カウンタiの値がMと等しくなると、上記ステップ529での判断は肯定され、ステップ541に移行する。
このステップ541では、前記メモリに保存されている表面電位分布を示すデータ(加速電圧Vacc毎の潜像の径)に基づいて、一例として図11(C)に示されるように、表面電位分布プロファイルを算出する。
次のステップ543では、算出結果を表示装置に表示する。そして、表面電位分布の取得処理を終了する。なお、図11(C)にはX軸方向における電位分布プロファイルが示されている。ここでは、表示装置に表示される電位分布プロファイルの方向について、オペレータが指示することができる。そして、電位分布プロファイルを3次元的に表示することも可能である。さらに、算出結果をプリンタ装置で印刷することもできる。また、オペレータの要求により、更に上記測定結果に基づいて、試料71の表面電荷分布、及び表面電荷分布プロファイルを求めても良い。
ここで、試料71としての感光体が用いられる場合に、該感光体の表面に静電潜像を形成する方法の一例について説明する。感光体は、一例として図12(A)に示されるように、導電性支持体の上に下引き層(以下、「UL」という。)、電荷発生層(以下、「CGL」という。)、電荷輸送層(以下、「CTL」という。)が、順に積層されている。感光体表面が帯電され電荷(以下、「帯電電荷」ともいう。)が存在する状態で露光されると、一例として図12(B)に示されるように、CGLの電荷発生材料によって光が吸収され、正負両極性のチャージキャリアが発生する。このキャリアは、電界によって、一方はCTLに、他方は導電性支持体に注入される。CTLに注入されたキャリアは、CTL中を電界によってCTL表面にまで移動し、感光体表面の電荷と結合して消滅する(図12(C)参照)。なお、ULは、いわゆるホールブロック層であり、導電性支持体からの電荷注入を阻止する働きがある。これにより、感光体表面に電荷分布すなわち静電潜像が形成される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る表面電位分布測定装置100では、制御系3を構成するコンピュータ及び該コンピュータにて実行されるプログラムによって、処理装置が実現されている。なお、コンピュータによるプログラムに従う処理によって実現した処理装置の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
また、本実施形態では、電子銃10によってビーム発生装置が実現され、電子ビーム光学系5によって光学系が実現され、検出器91によって検出装置が実現されている。そして、光電子増倍管91bによって増幅手段が実現されている。
そして、上記表面電位分布の取得処理において、本発明の表面電位分布測定方法が実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る表面電位分布測定装置100によると、電子ビームを発生する電子銃10と、該電子銃10と試料71との間に配置され、電子銃10からの電子ビームを試料71表面に集束する電子ビーム光学系5と、試料71からの二次電子の少なくとも一部が取り込まれ、その検出効率を変更することが可能な検出器91と、検出効率が互いに異なる条件での検出器91の複数の検出結果に基づいて、試料71の表面電位の分布状態を求める制御系3とを備えている。これにより、試料71からの二次電子量が走査位置に依存して変化しても、表面電位に関する情報をムラなく取得することができる。従って、試料の表面電位分布を精度良く測定することが可能となる。
なお、上記実施形態において、一例として図13に示されるように、その表面に電子が衝突すると、二次電子を放出する電子放出板93を更に設けても良い。この電子放出板93は、入射電子が通過可能な開口部を有し、電子ビーム光学系5と試料71との間であって、電子ビーム光学系5の光軸に対して30度以上の見込み角をカバーするように、試料71に対向して配置されている。これにより、試料71からの二次電子の多くが電子放出板93に一度当たることになる。そして、電子放出板93から放出される二次電子が、検出器91に到達することで、検出精度を上げることができる。また、多くの二次電子が電子放出板93に衝突するため、測定領域全体の感度を均一に保つことができる。さらに、電子ビーム光学系5の光軸に対して見込み角が対称であるため、画像品質を向上させることができる。
また、この場合に、一例として図14に示されるように、電子放出板93は、磁性体のシャフトを有していても良い。これにより、外部磁場の影響を抑えて入射電子の曲がりを抑制することができる。また、電子放出板93が試料71に近づく構成となるため、同一面積であっても見込み角を広げることができる。
また、上記実施形態では、加速電圧Vaccを変化させる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、試料71にバイアス電圧(Vsubとする)が印加されるようにし、加速電圧Vaccを一定として、バイアス電圧Vsubを変化させても良い。具体的には、一例として図15に示されるように、試料台81上に電極85を形成し、該電極85にVsubを印加する電源86を更に設けても良い。これにより、例えば、Vacc=−1800V、Vsub=−1200Vのときには、上記実施形態におけるVacc=−600Vのときとほぼ同じコントラスト像が得られる。また、Vacc=−1800V、Vsub=−1050Vのときには、上記実施形態におけるVacc=−750Vのときとほぼ同じコントラスト像が得られる。
また、上記実施形態では、二次電子に基づいて表面電位分布を求める場合について説明したが、これに限らず、試料71の表面に到達する前に、試料71の表面近傍で反発された電子(以下、「一次反発電子」ともいう)に基づいて表面電位分布を求めても良い。
ここで、試料71に照射される電子(以下、「入射電子」ともいう。)の加速電圧Vaccと試料71の表面電位ポテンシャルとの関係について図16(A)及び図16(B)を用いて説明する。図16(A)及び図16(B)は、わかりやすくするために簡略化されている。ここでは、試料71の表面における入射電子が照射される位置での表面電位ポテンシャルをVp(<0)とする。そこで、B地点と試料71の表面との間に電圧Vpが印加されているとみなすことができる。また、図16(A)及び図16(B)では、電位を単位電荷が持つ電気的な位置エネルギーとして図示している。
入射電子は、電位ポテンシャルが0(V)の区間(AB間)では、表面電位ポテンシャルVpの影響を受けることなく、加速電圧Vaccに対応する速度で試料71の表面に向かう方向(−Z方向)に移動する。そして、B地点を過ぎると、入射電子は表面電位ポテンシャルVpの影響を受けるようになる。
入射電子に対する表面電位ポテンシャルVpの影響は、加速電圧Vaccと表面電位ポテンシャルVpとの大小関係によって大きく異なっている。
(1)|Vacc|>|Vp|の場合
この場合には、図16(A)に示されるように、入射電子は、B地点を過ぎるとその速度は徐々に減速されるものの、ほとんどの入射電子は試料71の表面に到達する。従って、一例として図17(A)に示されるように、検出器91では、一次反発電子は検出されない。
(2)|Vacc|>|Vp|の場合
この場合には、図16(B)に示されるように、入射電子は、B地点を過ぎるとその速度は徐々に減速され、試料71の表面に到達する前に0となる。そして、そこを起点として、試料71の表面から離れる方向(+Z方向)に進む。すなわち、入射電子のZ軸方向の速度ベクトルが、試料71の表面に到達する前に反転し、入射電子は試料71の表面に到達せずに戻ることとなる。この試料71の表面に到達しなかった入射電子の一部が、一例として図17(B)に示されるように、一次反発電子として検出器91で検出される。また、電子放出板93に向かう一次反発電子は、電子放出板93に衝突して二次電子を放出させ、該二次電子が検出器91で検出される。
なお、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)などで観察や分析などに利用されている「反射電子」は、「試料最表面や少し内部で散乱し、そのうちの一部の電子が空間に脱出したもの」であり(日本表面科学会編「表面分析辞典」p235、共立出版株式会社、1986年発行)、本明細書における「一次反発電子」とは全く異なるものである。
また、上記実施形態では、潜像が形成された試料を表面電位分布測定装置にセットする場合について説明したが、表面電位分布測定装置内で試料に潜像を形成しても良い。この場合には、表面電位分布測定装置が潜像を形成する機能を有することとなる。これにより、リアルタイムでの表面電位分布測定が可能となる。
一例として、図18に潜像を形成する機能を有する表面電位分布測定装置200が示されている。この表面電位分布測定装置200は、試料71の表面を光で走査し、潜像のパターンを形成するパターン形成装置220が、上記実施形態における表面電位分布測定装置100に付加されたものである。なお、図18では、制御系が省略されている。
図18におけるパターン形成装置220は、半導体レーザ201、コリメートレンズ203、アパーチャ205、及び3つのレンズ(207、209、211)からなる結像レンズなどを備えている。また、試料71の近傍には、試料表面を除電するためのLED213が配置されている。このパターン形成装置220及びLED213は、不図示の制御系によって制御される。
表面電位分布測定装置200における潜像の形成方法について簡単に説明する。
(1)LED213を点灯させ、試料71の表面を除電する。
(2)電子銃10から放出される電子ビームを用いて、試料71の表面を均一に帯電する。ここでは、加速電圧を、二次電子放出比が1となる電圧より高い電圧に設定することにより、入射電子量が、放出二次電子量を上回るため電子が試料71に蓄積され、チャージアップを起こす。この結果、試料71はマイナスに帯電することとなる。なお、加速電圧と照射時間とを制御することにより、所望の電位に帯電させることができる。
(3)半導体レーザ201を発光させる。半導体レーザ201からのレーザ光は、コリメートレンズ203で略平行光となり、アパーチャ205で規定のビーム径とされた後、結像レンズで試料表面に集光される。これにより、試料表面に潜像が形成される。
従って、表面電位分布測定装置200では、電子銃10、電子ビーム光学系5、パターン形成装置220及びLED213によって潜像形成装置が構成されている。
ところで、感光体には、耐絶縁性が要求される。上記表面電位分布測定装置200を用いて、試料71が静電破壊を起こしているか否かを評価することができる。そして、静電破壊を起こしている場合に、どこで発生しているかを特定することもできる。すなわち、試料71の耐絶縁性を評価することが可能である。
ULが感光体の厚さ方向にかかる電界強度に耐えられなくなると、最も弱いところから電荷リークが発生し、ホール(正孔)が表面にまで達する。そうすると感光体表面のマイナス電荷と相殺されて、表面に電荷分布が生じることとなる。そこで、帯電された感光体を電子ビームで走査し、一次反発電子及び二次電子を検出することにより、静電破壊を起こしているか否か、及び静電破壊を起こしている場合に、どこで電荷リークが発生しているかをミクロンオーダーで特定することができる。
トナーの大きさは小さくても5μm程度であるため、5μm以上の電荷リークの発生がなければ、電荷リークの発生はないと考えて良い。そこで、画像形成装置に用いられる感光体では、その厚さ方向にかかる電界強度が10V/μm以下のときに、5μm以上の電荷リークの発生がないことが、少なくとも必要である。
また、出力画像における地汚れを発生させないために、感光体の厚さ方向にかかる電界強度を30V/μm以上かつ40V/μm以下として、電荷を約1×10-8クーロン/mm2照射したときに、99%以上の耐絶縁領域が存在することが必要である。
そこで、表面電位分布測定装置200を用いて感光体の絶縁耐圧性能を評価する方法について図19のフローチャートを用いて説明する。図19のフローチャートは、制御系3のコンピュータによって行われる処理である。制御系3のコンピュータは、オペレータから感光体の絶縁耐圧性能の評価の指示を受けると、図19のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスをプログラムカウンタにセットする。
最初のステップ601では、感光体に電子ビームを照射し、帯電させる。ここでは、照射電流が1×10-9A、照射面積が1.47mm2、照射時間が4分間という条件で、感光体を帯電させる。すなわち、総電荷量は、1.6×10-7クーロン/mm2である。
次のステップ603では、感光体の表面を電子ビームで走査する。そして、走査中に検出器91から出力される信号を不図示の作業用メモリに格納する。
次のステップ605では、走査が終了すると、作業用メモリに格納されている検出器91の出力信号に基づいて、二次元画像マッピングを行う。
次のステップ607では、二次元画像マップに対して2値化処理を行う。
次のステップ609では、電荷リーク箇所を特定する。
次のステップ611では、電荷リーク面積を算出する。
次のステップ613では、算出結果を表示装置に表示する。そして、絶縁耐圧性能の評価処理を終了する。
電荷リークが発生している領域の面積率が小さいほど、耐絶縁性が高いといえる。一例として図20に示される二次元画像マップの場合には、電荷リーク面積比は1.2%すなわち耐絶縁領域が88.8%であり、地汚れが発生しやすい感光体であると評価できる。一方、一例として図21に示される二次元画像マップの場合には、電荷リーク面積比は0.4%すなわち耐絶縁領域が99.6%であり、耐絶縁性に優れた感光体であると評価できる。
また、表面電位分布測定装置200のパターン形成装置220を、図22に示されるように、一部変更し、パターン形成装置220´とすることにより、感光体の解像度を評価することも可能である。このパターン形成装置220´は、半導体レーザ201、コリメートレンズ203、アパーチャ205、及び結像レンズ206などを備えている。そして、アパーチャ205と結像レンズ206との間の光路上にマスクMがセットされる。結像レンズ206におけるマスクMの物体距離をL1、像距離をL2とすると、結像レンズ206の光軸に垂直な方向の結像倍率はL2/L1であり、この倍率に応じたマスクMのパターン(以下、「マスクパターン」ともいう。)の像が試料71の表面に結像される。すなわち、L1=L2であれば、等倍である。また、結像レンズ206の光軸に対する試料71の表面の傾き角をθ、結像レンズ206の光軸に対するマスクMの傾き角をαとすると、L1×tanα=L2×tanθの関係が成り立つ。
ここでは、マスクパターンは、一例として図23に示されるように、3つの同一の長方形が所定ピッチで並列した基本パターンを、長方形の長手方向が互いに直交するように対とし、その対における長方形の大きさ及びピッチをそれぞれ段階的に異ならせた5組の基本パターン対(P1、P2、P3、P4、P5)から構成されている。図23において、白部は光透過部であり、黒部は遮光部である。
そして、同じ条件で帯電された2種類の感光体(感光体A、感光体B)を試料として、それぞれ同じ条件でマスクパターンを各感光体に転写し、それぞれの電位コントラスト像を得た。感光体Aから得られた電位コントラスト像の例(以下、「コントラスト像A」とする。)が図24(A)に示され、感光体Bから得られた電位コントラスト像の例(以下、「コントラスト像B」とする。)が図24(B)に示されている。このコントラスト像Bでは、基本パターン対P1及び基本パターン対P2の転写像において、いずれも長方形に対応する部分が互いに繋がり、分離されていない。従って、感光体Bの解像度は基本パターン対P3のレベルである。一方、コントラスト像Aでは、パターンピッチの最も小さい基本パターン対P1の転写像において、各長方形に対応する部分が分離している。従って、感光体Aの解像度は基本パターン対P1のレベル以上である。
このように、互いにピッチの異なる複数の基本パターン対を感光体に転写し、得られた電位コントラスト像から、感光体の解像度を識別・評価することができる。また、マスクパターンのサイズ、ピッチ及び形状等を適切に選択することにより、感光体に形成される静電潜像の特性を評価することが可能となる。
例えば、書き込み密度600dpiの画像形成装置であれば、感光体の必要解像度42.3μm(25.4mm/600)の解像度が必要であり、1200dpiの画像形成装置であれば21.2μmの解像度が必要となる。従って、白黒のペアで42.3μmの2倍のパターンピッチを転写し、得られた電位コントラスト像においてパターンピッチを識別できれば、それが感光体の解像度と判断することができる。そこで、図23において、P1の感光体上での幅を21.2μm、P2の感光体上での幅を42.3μmとすれば、感光体Aは、1200dpiの画像形成装置に対応可能な解像度を有しているが、感光体Bは、600dpiの画像形成装置に対応可能な解像度を有していないことがわかる。このように、解像度を把握して、設計にフィードバックすることにより、高密度書き込みが可能な感光体を得ることができる。
従って、耐絶縁性又は解像度が予め設定されている条件を満足する感光体を容易に取得することができる。そして、この感光体は、所望の静電潜像を精度良く担持することが可能となる。
また、上記実施形態では、試料が板状の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば試料が円筒形状であっても良い。また、この場合に、一例として図25に示される表面電位分布測定装置250のように、潜像形成装置を備えていても良い。この表面電位分布測定装置250は、上記実施形態における表面電位分布測定装置100に潜像形成装置が付加されたものである。この潜像形成装置は、帯電部75、露光部76、及び除電部77を有している。ここでは、試料71の表面は、帯電部75により帯電され、露光部76により潜像が形成される。表面電位分布の測定後は、試料71の表面は、除電部77で除電される。この場合に、試料がレーザプリンタやデジタル複写機などの電子写真方式の画像形成装置に用いられる感光ドラムであれば、表面電位分布の測定結果を画像形成装置の設計にフィードバックすることにより、画像形成に関する各工程のプロセスクォリティが向上し、高画質化、高耐久性、高安定性、及び省エネルギー化が実現できる。
また、この場合に、露光部76は、一例として図26に示されるように、半導体レーザ110、コリメートレンズ111、アパーチャ112、シリンダレンズ113、2つの折り返しミラー(114、118)、ポリゴンミラー115、及び2つの走査レンズ(116、117)などを備えていても良い。
半導体レーザ110は、露光用のレーザ光を出射する。コリメートレンズ111は、半導体レーザ110から出射されたレーザ光を略平行光とする。アパーチャ112は、コリメートレンズ111からの光のビーム径を規定する。ここでは、アパーチャ112の大きさを替えることで、20μm〜200μmの範囲で任意のビーム径とすることが可能である。シリンダレンズ113は、アパーチャ112を透過した光を整形する。折り返しミラー114は、シリンダレンズ113からの光の光路をポリゴンミラー115の方向に折り曲げる。ポリゴンミラー115は、複数の偏向面を有し、折り返しミラー114からの光を所定角度範囲で等角速度的に偏向する。
この露光部76の動作について簡単に説明する。半導体レーザ110から出射された光は、コリメートレンズ111、アパーチャ112、シリンダレンズ113、及び折り返しミラー114を介して、ポリゴンミラー115の偏向面近傍に一旦結像される。ポリゴンミラー115は、不図示のポリゴンモータによって一定の速度で図26中の矢印方向に回転しており、その回転に伴って偏向面近傍に結像された光は等角速度的に偏向される。この偏向された光は、2つの走査レンズ(116、117)及び折り返しミラー118を介して、試料71の表面を走査する。すなわち、光スポットが試料71の長手方向に移動する。
また、上記実施形態では、荷電粒子ビームとして電子ビームを用いる場合について説明したが、これに限らず、イオンビームを用いても良い。この場合には、前記電子銃に代えてイオン銃が用いられる。そして、例えばイオン銃としてガリウム(Ga)液体金属イオン銃が用いられる場合には、加速電圧は正の電圧となり、試料71には、表面電位が正となるようにバイアス電圧が付加される。
また、上記実施形態では、試料の表面電位ポテンシャルが負の場合について説明したが、試料の表面電位ポテンシャルが正であっても良い。すなわち、表面の電荷が正電荷であっても良い。この場合には、ガリウムなど正のイオンビームを試料に照射すれば良い。
また、上記実施形態では、増幅手段として光電子増倍管91bを用いる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、図27には、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ500の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ500は、感光体ドラム511、帯電ローラ512、現像装置513、転写ローラ514、クリーニング装置515、定着装置516、光走査装置517、カセット518、レジストローラ対519、給紙コロ520、排紙ローラ対522、及びトレイ523などを備えている。
上記帯電ローラ512、現像装置513、転写ローラ514及びクリーニング装置515は、それぞれ感光体ドラム511の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム511の回転方向に沿って、帯電ローラ512→現像装置513→転写ローラ514→クリーニング装置515の順に配置されている。
前記感光体ドラム511は、上記のようにして十分な絶縁耐圧性能及び対応可能な解像度を有することが評価された潜像担持体であり、その表面には光導電性を有する感光層が形成されている。ここでは、感光体ドラム511は、画像形成が行われる際には、図27における面内で時計回り(矢印方向)に等速回転するようになっている。
前記帯電ローラ512は、感光体ドラム511の表面を均一に帯電させる帯電手段である。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。
前記光走査装置517は、帯電ローラ512で帯電された感光体ドラム511の表面に、上位装置(例えばパソコン)からの画像情報に基づいて変調された光LBを照射し、光書込による露光を行う。これにより、感光体ドラム511の表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像(静電潜像)が感光体ドラム511の表面に形成される。ここで形成された潜像は、いわゆるネガ潜像であり、感光体ドラム511の回転に伴って前記現像装置513の方向に移動する。なお、感光体ドラム511の長手方向(回転軸に沿った方向)は「主走査方向」と呼ばれ、感光体ドラム511の回転方向は「副走査方向」と呼ばれている。
前記現像装置513は、トナーが格納されているトナーカートリッジを有しており、感光体ドラム511の表面の光が照射された部分にだけトナーを付着させる。すなわち、現像装置513は、感光体ドラム511の表面に形成された潜像にトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着された潜像(以下、「トナー画像」ともいう)は、感光体ドラム511の回転に伴って前記転写ローラ514の方向に移動する。
前記カセット518は、レーザプリンタ500の本体に脱着可能であり、その中には転写対象物としての転写紙Pが収納されている。このカセット518の近傍には前記給紙コロ520が配置されており、該給紙コロ520は、カセット518に収納されている転写紙Pの最上位の1枚を取り出す。
前記レジストローラ対519は、転写ローラ514の近傍に配置され、給紙コロ520により取り出された転写紙の先端部を捕捉する。そして、レジストローラ対519は、感光体ドラム511上のトナー画像が転写位置へ移動するタイミングに合わせて、転写紙を転写ローラ514と感光体ドラム511との間隙へ送り込む。送り込まれた転写紙は、転写ローラ514によりトナー画像と重ね合わされ、トナー画像が静電転写される。
トナー画像が転写された転写紙は、定着装置516へ送られ、定着装置516においてトナー画像が定着され、搬送路521を通り、排紙ローラ対522によりトレイ523上に排出される。
トナー画像が転写された後の感光体ドラム511の表面は、クリーニング装置515によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
このレーザプリンタ500は、十分な絶縁耐圧性能及び対応可能な解像度を有することが評価された感光体ドラム511を備えているため、高品質の画像を形成することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る表面電位分布測定装置を説明するための図である。 図1における検出器を説明するための図である。 図2における光電子増倍管を説明するための図である。 図3の光電子増倍管における陽極−陰極間電圧Vallとゲインμとの関係を説明するための図である。 図5(A)及び図5(B)は、それぞれ二次電子を用いた表面電位分布の測定を説明するための図である。 表面電位分布の測定方法を説明するためのフローチャート(その1)である。 表面電位分布の測定方法を説明するためのフローチャート(その2)である。 図8(A)〜図8(D)は、それぞれ図7における信号検出条件を説明するための図である。 従来の検出信号を説明するための図である。 濃度むらを説明するための図である。 図11(A)及び図11(B)は、それぞれコントラスト像を説明するための図であり、図11(C)は、電位分布プロファイルを説明するための図である。 図12(A)は、感光体の構造を説明するための図であり、図12(B)及び図12(C)は、それぞれ電位分布の形成を説明するための図である。 電子放出板を説明するための図である。 シャフト付きの電子放出板を説明するための図である。 試料に印加されるバイアス電圧を説明するための図である。 図16(A)及び図16(B)は、それぞれ加速電圧と試料表面の電位ポテンシャルとの関係を説明するための図である。 図17(A)及び図17(B)は、それぞれ加速電圧による入射電子の挙動を説明するための図である。 図1の表面電位分布測定装置の変形例1を説明するための図である。 絶縁耐圧性能の評価方法を説明するためのフローチャートである。 絶縁耐圧性能の評価において得られるコントラスト像を説明するための図(その1)である。 絶縁耐圧性能の評価において得られるコントラスト像を説明するための図(その2)である。 感光体の解像度を評価するのに適したパターン形成装置の光学系を説明するための図である。 感光体の解像度を評価するのに用いたマスクパターンを説明するための図である。 図24(A)及び図24(B)は、それぞれ図23のマスクパターンが転写された感光体から得られたコントラスト像を説明するための図である。 図1の表面電位分布測定装置の変形例2を説明するための図である。 図25における露光部を説明するための図である。 絶縁耐圧性能及び解像度が評価された感光体を備えるレーザプリンタを説明するための図である。
符号の説明
3…制御系(処理装置)、5…電子ビーム光学系(光学系)、10…電子銃(ビーム発生装置)、76…露光部(潜像形成装置)、91…検出器(検出装置)、91b…光電子増倍管(増幅手段)、100…表面電位分布測定装置、200…表面電位分布測定装置、220…パターン形成装置(潜像形成装置)、250…表面電位分布測定装置、500…レーザプリンタ(画像形成装置)、511…感光体ドラム(潜像担持体)、517…光走査装置、514…転写ローラ(転写装置)、P…転写紙(転写対象物)。

Claims (13)

  1. 荷電粒子ビームを走査して試料の表面電位の分布状態を測定する表面電位分布測定方法であって、
    前記試料を介した荷電粒子を検出効率が互いに異なる複数の条件で検出する工程を、含む表面電位分布測定方法。
  2. 荷電粒子ビームを走査して試料の表面電位の分布状態を測定する表面電位分布測定装置であって、
    前記荷電粒子ビームを発生するビーム発生装置と;
    前記ビーム発生装置と試料との間に配置され、前記ビーム発生装置からの荷電粒子ビームを前記試料表面に集束する光学系と;
    前記試料を介した荷電粒子の少なくとも一部が取り込まれ、その検出効率を変更することが可能な検出装置と;
    前記検出効率が互いに異なる条件での前記検出装置の複数の検出結果に基づいて、前記試料の表面電位の分布状態を求める処理装置と;を備える表面電位分布測定装置。
  3. 前記検出装置は、前記検出装置の引き込み電圧を変更することにより、前記検出効率が変更されることを特徴とする請求項2に記載の表面電位分布測定装置。
  4. 前記検出装置は、前記検出装置における検出信号のバイアスレベルを変更することにより、前記検出効率が変更されることを特徴とする請求項2に記載の表面電位分布測定装置。
  5. 前記検出装置は増幅手段を有し、
    前記検出装置は、前記増幅手段の増幅率を変更することにより、前記検出効率が変更されることを特徴とする請求項2に記載の表面電位分布測定装置。
  6. 前記増幅率は、少なくとも5倍単位で変更されることを特徴とする請求項5に記載の表面電位分布測定装置。
  7. 前記処理装置は、前記複数の検出結果を平均化して、前記試料の表面電位の分布状態を求めることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の表面電位分布測定装置。
  8. 前記試料表面に潜像を形成する潜像形成装置を更に備えることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載の表面電位分布測定装置。
  9. 請求項2〜8のいずれか一項に記載の表面電位分布測定装置で表面電位分布が測定され、その測定結果から得られた耐絶縁性が予め設定されている条件を満足している潜像担持体。
  10. 前記予め設定されている条件は、厚さ方向にかかる電界強度が10V/μmのときに、5μm以上の大きさの電荷リークが検出されないこと、であることを特徴とする請求項9に記載の潜像担持体。
  11. 前記予め設定されている条件は、厚さ方向にかかる電界強度を30V/μm以上かつ40V/μm以下とし、少なくとも電荷を1×10-8クーロン/mm2照射したときに、99%以上の耐絶縁領域が存在すること、であることを特徴とする請求項9に記載の潜像担持体。
  12. 請求項2〜8のいずれか一項に記載の表面電位分布測定装置で表面電位分布が測定され、その測定結果から得られた潜像の解像度が予め設定されている条件を満足している潜像担持体。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項に記載の潜像担持体と;
    前記潜像担持体に対して光を走査する光走査装置と;
    前記潜像担持体に形成された像を転写対象物に転写する転写装置と;を備える画像形成装置。
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