JP5249432B2 - 帯域制御方法、通信システムおよび通信装置 - Google Patents

帯域制御方法、通信システムおよび通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、帯域制御機能を有する通信装置に関し、たとえば複数の子局装置(加入者側の通信装置)と親局装置(局側の通信装置)の接続によって構成される通信システムにおいて、親局装置が子局装置に対して帯域を割り当てる場合の帯域制御方法に関する。
複数の子局装置とこれらを収容する親局装置により構成された通信システムにおける従来の帯域制御方法では、帯域割当を要求した子局装置に対して、各子局装置を使用する加入者の契約帯域比で、上り帯域を動的に分配する制御などを用いていた。
たとえば、下記特許文献1に記載された通信システムにおいては、上り帯域を各加入者の契約帯域比で分配するために、各加入者の契約帯域に加えて、各子局装置に対して過去に割り当てた帯域の累積値または各子局装置が過去に送信したデータの累積値に基づいて帯域を割り当てるように構成している。
特開2003−87283号公報
近年、機器の省電力化についての検討が盛んに行われてきている。そして、省電力化を実現するための手法の一つとして、通信を行っていない子局装置を省電力動作状態にさせるパワーセーブ制御を適用することが考えられる。
しかしながら、上記従来の帯域制御においては、通信が行われていない子局装置をパワーセーブ制御した際にも、該当する子局装置を使用する加入者の契約帯域に基づいて帯域割り当てが行われる。具体的には、各加入者に対して最低保証帯域を設定しておき、全帯域から各加入者の最低保証帯域の合計値を差し引き、残った帯域を各子局装置へ動的に割り当てる。そのため、上記従来の帯域制御を実施している通信システムにパワーセーブ制御を適用した場合、上りデータを送信することのないパワーセーブ状態の子局装置のために確保された最低保証帯域の合計分に相当する帯域が無駄になり、帯域の有効利用が出来ないという問題があった。
例えば、IEEE802.3に準拠した、1Gbpsの伝送帯域を備えたGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標) Passive Optical Network)方式による光アクセスシステムにより、32の子局装置を1つの親局装置に接続し、各子局装置の契約帯域として、最低保証帯域が10Mbpsである場合を想定すると、32台の子局装置のうち半数の16台がパワーセーブ状態の場合、全体帯域(1Gbps)の16%におよぶ160Mbpsの帯域が使用されないことになる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、帯域利用効率を従来よりも向上させることが可能な帯域制御方法、通信システムおよび通信装置を得ることを目的とする。
また、パワーセーブ状態へ移行可能な子局装置が存在する場合であっても帯域の有効利用が可能で、なおかつ各子局装置への帯域割り当ての公平性を保つことが可能な帯域制御方法、通信システムおよび通信装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の通信装置、および第1の通信装置に接続された複数の第2の通信装置により構成された通信システムにおいて、前記第1の通信装置が前記第2の通信装置に対して信号送信用の帯域を割り当てる場合の帯域制御方法であって、前記第2の通信装置の中の所定の条件を満たしている装置をパワーセーブ状態へ移行させるスリープ制御ステップと、前記スリープ制御ステップの実行結果に基づいて、制御対象とする装置を選択する制御対象選択ステップと、前記選択した制御対象装置に対して割り当てる帯域を決定する帯域決定ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明にかかる帯域制御方法は、伝送帯域の有効利用が実現できる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1の帯域制御方法を適用する通信システムの構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1の帯域制御部の構成例を示す図である。 図3は、実施の形態1の帯域パラメータ処理部の構成例を示す図である。 図4は、実施の形態1のOLTが実行する制御動作例を示したフローチャートである。 図5は、実施の形態2の帯域制御方法を適用する通信システムの構成例を示す図である。 図6は、実施の形態2の帯域制御部の構成例を示す図である。 図7は、同期制御部の構成例を示す図である。 図8は、実施の形態2の制御を適用した場合の帯域割り当て結果の一例を示す図である。 図9は、実施の形態2のOLTが実行する制御動作例を示したフローチャートである。 図10は、実施の形態2の通信システムにおける制御動作の一例を示したシーケンス図である。 図11は、実施の形態3の帯域制御方法を適用する通信システムの構成例を示す図である。 図12は、実施の形態3の帯域パラメータ処理部の構成例を示す図である。 図13は、実施の形態3の帯域制御を適用した場合の帯域割り当て結果の一例を示す図である。 図14は、実施の形態4の帯域制御方法を適用する通信システムの構成例を示す図である。 図15は、実施の形態4の帯域制御部の構成例を示す図である。 図16は、実施の形態4の制御を適用した場合の帯域割り当て結果の一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる帯域制御方法および通信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
本実施の形態では、一例として、PON方式の光通信システムに適用した場合の帯域制御方法について説明する。
図1は、実施の形態1の帯域制御方法を適用する通信システムの構成例を示す図である。また、帯域制御を実施する親局装置の構成例も併せて記載している。この通信システムは、親局装置であるOLT(Optical Line Terminal)1と、子局装置である複数のONU(Optical Network Terminal)2とを備え、各ONU2は、光ファイバおよび光カプラを介してOLT1に接続されている。各ONU2は、OLT1に対してデータを送信する場合、帯域の割り当てを要求し、その結果OLT1から割り当てられた帯域(送信が許可された期間)でデータを送信する。また、各ONU2は、OLT1からの指示に応じて、通常動作時よりも消費電力を低く抑えたパワーセーブ状態に移行し、このパワーセーブ状態においては上りデータの送信を行わない。各ONU2は、たとえば、データ送信動作においてのみ使用される各デバイスへの電力供給を停止する,当該デバイスが低消費電力モードで動作する機能を有していれば低消費電力モードで動作させる,などの制御を実施してパワーセーブ状態へ移行する。
なお、本実施の形態では、簡単化のため、システム内のすべてのONU2がパワーセーブ状態へ移行可能であるものとして説明を行うが、後述する帯域制御方法は、一部のONU2(1つ以上のONU2)のみがパワーセーブ状態へ移行する機能を有している場合であっても適用可能である。また、パワーセーブ状態へ移行するのではなく、単に上りデータの送信を実施しない状態へ移行する1つ以上のONU2が存在しているシステムに対しても適用可能である。
つづいて、OLT1の構成および動作について、図1および図2〜図4を参照しながら説明する。
OLT1は、図1に示したように、各ONU2とのインタフェースを終端する回線IF11、各ONU2との通信を制御するPON制御部12および上位のネットワークとのインタフェースを終端する網IF13を主データの伝送系として備え、さらに、各ONU2の上り帯域の制御を行う帯域制御部14、各ONU2をパワーセーブ状態へ移行させる制御であるスリープ制御を実施するスリープ制御部15、帯域制御部14における上り帯域割り当て制御で使用するパラメータを生成する帯域パラメータ処理部16、および各ONU2を使用する加入者の契約帯域等を管理するユーザ管理部17を備える。帯域制御部14および帯域パラメータ処理部16は、帯域割り当て手段を構成する。
上記構成のOLT1において、主データの伝送系を構成している回線IF11、PON制御部12および網IF13は、適用するインタフェースに対応するプロトコルに準じた処理を実施することにより、各ONU2と上位ネットワークを接続して通信するための伝送リンクを確立する。
スリープ制御部15は、PON制御部12から各ONU2の回線使用状態の情報を入手し、この情報に基づいて各ONU2のスリープ制御を行う。制御の方法としては、例えば、IEEE802.3 インタリム会合資料の「EPON Power saving via Sleep Mode(3av_0809_mandin_4.pdf)」の4ページ,5ページに示されたような、スリープ開始時刻とスリープ時間を指示する信号を、各ONU2に対して送信するようにPON制御部12へ指示する方法が考えられる。スリープ制御部15は、所定の条件を満たしたONU2を検出した場合、このONU2をパワーセーブ状態に移行させることに決定する。そして、このONU2宛にスリープ開始時刻とスリープ時間を指示する信号を送信するよう、PON制御部12に対して指示を行う。ここで、所定の条件を満たしたONU2とは、たとえば、PON制御部12から取得した情報である各ONU2の回線使用状態の情報が、一定期間にわたって上りデータの送信を行わなかった(上り回線を使用していない)ことを示しているONU2とする。また、パワーセーブ状態への移行を希望する信号を送信してきたONU2、などとしてもよい。さらに、これらの条件を組み合わせてもよい。たとえば、スリープ制御部15は、上り回線を一定期間にわたって使用していないことを検出した場合、またはパワーセーブ状態への移行を希望する信号を受信した場合、該当するONU2をパワーセーブ状態に移行させる。
パワーセーブ状態への移行指示を受けたONU2は、パワーセーブ状態へ移行し、その後、所定の条件を満たした場合には通常動作状態(非パワーセーブ状態)へ復帰する。パワーセーブ状態への移行指示においてパワーセーブ状態への移行期間が指定された場合、ONU2は、少なくとも、この移行期間(後述するスリープ制御周期に相当)が終了すると非パワーセーブ状態へ復帰する。また、ONU2は、パワーセーブ状態においてもOLT1から送信された信号を受信するように動作し、なおかつ、OLT1から送信された送信許可信号(上り帯域を割り当てる信号)を受信した場合、非パワーセーブ状態に復帰するかどうかを判断する。そして、復帰すると判断した場合には、非パワーセーブ状態に復帰してOLT1への信号送信を行う。復帰するかどうかは、たとえば、送信許可信号を受信した時点で上りデータを保持しているかどうかで判断する。非パワーセーブ状態に復帰してOLT1へ送信する信号は、保持している上りデータを送信するための帯域の割り当てを要求する信号である。
なお、各ONU2が、OLT1側でも検出可能な、予め設定されていた条件を満たした場合に自律的にパワーセーブ状態に移行するようにしてもよい。たとえば、パワーセーブ状態へ移行する時刻および期間をOLT1へ予め通知しておき、ONU2は、OLT1へ通知しておいた時刻となった時点でパワーセーブ状態へ移行する。
帯域制御部14は、PON制御部12経由で各ONU2からの帯域要求を受信し、この帯域要求やPON制御部12から入手可能な各ONU2の回線使用状態と、帯域パラメータ処理部16から出力される帯域パラメータ情報とに基づいて、帯域の割り当てを要求しているONU2(帯域要求を送信してきた各ONU2)へ割り当てる帯域を決定する。このとき、パワーセーブ状態に移行中の各ONU2の最低保証帯域の合計値も含めて、帯域の割り当てを要求している各ONU2に対して割り当てる帯域の配分を算出する。最低保証帯域とは、ONU2からの帯域の割り当て要求を受けた場合に割り当てる帯域の最低値であり、この帯域については、通常時は、帯域割り当てを要求している他のONU2へ割り当てることなく確保しておくものである。
帯域制御部14は、さらに、ONU2へ割り当てる帯域の決定結果を示す送信許可信号を生成して、PON制御部12経由で各ONU2あてに送信する。
図2は、帯域制御部14の構成例を示す図である。図示したように、帯域制御部14は、帯域要求受信部141、送信許可送信部142、帯域割り当て算出部143および割当帯域管理部144を備える。
帯域要求受信部141は、ONU2から送信された帯域要求信号をPON制御部12経由で受信し、受信信号から帯域要求情報を抽出して帯域割り当て算出部143へ出力する。帯域要求情報は、その送信元のONU2がOLT1に対して送信するために保持しているデータの情報であり、たとえばデータ量を示す情報である。
送信許可送信部142は、帯域割り当て算出部143から送信制御情報を受け取った場合、その情報を含んだ送信許可信号を生成する。送信許可信号はPON制御部12経由でONU2へ送信される。
帯域割り当て算出部143は、帯域要求受信部141から出力された帯域要求情報を受け取り、また、帯域パラメータ処理部16から出力された帯域パラメータ情報を割当帯域管理部144経由で受け取る。そして、これらの帯域要求情報および帯域パラメータ情報に基づいて、帯域要求情報の送信元の各ONU2へ割り当てる帯域を算出する。また、算出結果である帯域算出情報を割当帯域管理部144へ出力するとともに、算出結果に基づいて送信制御情報を生成して送信許可送信部142へ出力する。帯域割り当て算出部143は、たとえば、ONU2へ割り当て可能なすべての帯域を、帯域要求情報を送信してきた各ONU2の契約帯域(最大帯域)の比で分配する(契約帯域が大きいONU2へより多くの帯域を割り当てる)。ただし、帯域の算出方法をこれに限定するものではない。各ONU2からの帯域の要求量に応じて分配比を調整するようにしてもよい。また、帯域割り当て算出部143は、上記の帯域要求情報および帯域パラメータ情報に加え、割当帯域管理部144で管理されている情報である各ONU2への帯域割り当て結果の履歴情報を使用して各ONU2へ割り当てる帯域を算出するようにしてもよい。たとえば、サービスの契約内容が同一で、なおかつ帯域割り当ての要求量が同じONU2が複数存在する場合、過去の一定期間の間により多くの帯域が割り当てたONU2については、割り当てる帯域を他のONU2よりも少なくする。そして、その分を他のONU2(契約内容および帯域の要求量が同一の他のONU2)へ割り当てるようにする。これにより、契約内容が同一のONU2に対して帯域が公平に割り当てられるようになる。
割当帯域管理部144は、帯域割り当て算出部143における、帯域要求情報の送信元の各ONU2へ割り当てる帯域の算出結果を取得し、この情報を各ONU2への帯域割り当て結果の履歴情報として保持しておく。
帯域パラメータ処理部16は、スリープ制御部15から出力されるスリープ情報、およびユーザ管理部17で管理されているユーザ情報に基づいて、帯域制御部14が帯域制御を実施する際に使用する帯域パラメータ情報を生成する。
図3は、帯域パラメータ処理部16の構成例を示す図である。図示したように、帯域パラメータ処理部16は、スリープ情報格納部161、ユーザ帯域格納部162および帯域パラメータ決定部163を備える。
スリープ情報格納部161は、スリープ制御部15から出力される情報である各ONU2のスリープ情報(パワーセーブ中かどうかを示す情報)を取得した場合、それを保持しておき、所定のタイミングで、スリープ情報に含まれている情報の一つであるパワーセーブ中ONUの識別情報を除外ONU情報として帯域パラメータ決定部163へ出力する。たとえば、帯域パラメータ決定部163からの要求に応じて除外ONU情報を出力する。
ユーザ帯域格納部162は、ユーザ管理部17で管理されている各ONU2のユーザ情報を取得して保持しておき、所定のタイミングで、契約帯域に基づくユーザ帯域情報として帯域パラメータ決定部163に出力する。
帯域パラメータ決定部163は、スリープ情報格納部161およびユーザ帯域格納部162から、除外ONU情報およびユーザ帯域情報を取得し、これらの情報に基づいて、各ONU2の帯域制御用のパラメータ(帯域パラメータ)を決定する。帯域パラメータの決定動作においては、帯域パラメータ決定部163は、まず、ユーザ帯域情報を確認することにより各ONU2に最低限割り当てるべき帯域(最低保証帯域)を把握し、各ONU2(システム内の全ONU2)の最低保証帯域の合計値を算出する。次に、除外ONU情報に基づいて、パワーセーブ中のONU2を検出し、パワーセーブ中の各ONU2の最低保証帯域の合計値を算出し、上記の全ONU2の最低保証帯域の合計値からパワーセーブ中の全ONU2の最低保証帯域の合計値を差し引く。すなわち、非パワーセーブ中のONU2に対する最低保証帯域の合計値を算出する。そして、得られた算出結果を、非パワーセーブ中の各ONU2のために確保しておく帯域(最低保証帯域)とし、この帯域の情報を帯域パラメータ情報として帯域制御部14へ出力する。
帯域制御部14は、帯域パラメータ処理部16の帯域パラメータ決定部163で決定された上記帯域パラメータ情報を用いて、上述したように、接続中の全ONU2に対する帯域割り当て計算を行う。そして、その結果を反映した送信制御情報を送信許可信号に含めて各ONU2あてに送信することにより、各ONU2の上り帯域の割り当て制御を行う。
図4は、本実施の形態のOLT1が実行する制御動作例を示したフローチャートであり、ONU2のスリープ制御動作と帯域制御動作の一例を示している。
図示したように、OLT1は、各ONU2の回線使用状態を確認する(ステップS1)。このステップS1では、スリープ制御部15が、PON制御部12から各ONU2の回線使用状態の情報を取得し、一定期間にわたって上り回線を使用していない状態のONU2を検出する。すなわち、パワーセーブ状態へ移行させるONU2を検出する。
OLT1は、次に、スリープ制御を実施する(ステップS2)。すなわち、上記ステップS1で検出したONU2(一定期間にわたって上り回線を使用していないONU2)に対して、パワーセーブ状態へ移行するように指示を行う。このステップS2では、スリープ制御部15が、たとえば、スリープ開始時刻とスリープ時間を指示する信号を、各ONU2に対して送信するようにPON制御部12へ指示し、PON制御部12が指示内容に従ったスリープ制御信号を生成して送信する。このとき、パワーセーブ状態に移行させたONU2と移行期間についての情報を帯域パラメータ処理部16へ出力する。なお、スリープ制御部15が自らスリープ制御信号を生成し、PON制御部12経由で送信してもよい。また、スリープ開始時刻とスリープ時間(パワーセーブ状態へ移行している期間)は、パワーセーブ状態へ移行させる全てのONU2で共通としてもよいし、ONU2ごとに異なる設定としてもよい。たとえば、長期間にわたって上り回線を使用していないONU2に対して指定するスリープ時間を上り回線の未使用時間に応じた値とする(長期間にわたって上り回線を使用していない場合、スリープ時間を大きな値、または小さな値とする),過去のデータ送信量に応じてスリープ時間を設定する(データ送信量が大きい場合、スリープ時間を小さな値とする),過去に送信したデータの種別に応じてスリープ時間を設定する(低遅延が要求されるデータを送信する頻度が高いONU2のスリープ時間をより小さな値とする),などとしてもよい。また、契約帯域に応じた長さ(最低保証帯域が大きい場合、スリープ時間を小さな値とする)としてもよい。
OLT1は、次に、パワーセーブ状態のONU2(スリープ中ONU2)の最低保証帯域(最小帯域)の合計を算出する(ステップS3)。このステップS3では、帯域パラメータ処理部16が、スリープ制御部15から出力された、各ONU2のスリープ情報(パワーセーブ中かどうかを示す情報であり、どのONU2がパワーセーブ状態にあるのかを帯域パラメータ処理部16が常に把握できるように、パワーセーブ状態となっている期間の情報などを含むものとする)に基づいてパワーセーブ状態のONU2を把握し、また、ユーザ管理部17が保持している各ONU2のユーザ情報(各ONU2へ割り当てる最低保証帯域の情報を含むものとする)を確認して各ONU2の最低保証帯域を把握し、パワーセーブ状態の各ONU2の最低保証帯域の合計を算出する。さらに、算出結果を帯域制御部14へ出力する。なお、非パワーセーブ状態の各ONU2の最低保証帯域の合計を算出するようにしてもよい。どちらを算出するかは帯域制御部14が採用する帯域決定手順に応じて決定すればよい。
OLT1は、次に、各ONU2からの帯域要求をチェックする(ステップS4)。このステップS4では、帯域制御部14が、前回帯域要求チェックを実施した後に受信した各ONU2からの帯域要求を確認し、帯域の割り当てを要求しているONU2、およびその要求量を把握する。
OLT1は、次に、上記ステップS3で算出した合計値を考慮した帯域割り当てを実施する(ステップS5)。このステップS5では、帯域制御部14が、上記ステップS3で帯域パラメータ処理部16により算出された合計値、およびステップS4での確認結果に基づいて、各ONU2に割り当てる上り帯域を決定する。このとき、パワーセーブ状態の各ONU2の最低保証帯域も含めて、帯域割り当てを要求している各ONU2に分配する帯域を決定する。帯域の決定方法については特に規定しない。たとえば、まず全てのONU2の最低保証帯域の合計値をシステムに割り当てられている全帯域から差し引き、得られた帯域を帯域要求の送信元の各ONU2へ分配する(ここまでは、従来実施されていた制御と同様の処理となる)。さらに、これらのONU2に対して、上記パワーセーブ状態のONU2の最低保証帯域の合計値を追加分配し、各ONU2へ割り当てる最終的な帯域を決定する。決定結果は、PON制御部12経由で、帯域割り当てを要求してきた各ONU2へ通知する。これにより、従来は上りデータの送信を実施することのないパワーセーブ状態のONU2のために確保しておいた帯域(最低保証帯域)を解放して非パワーセーブ状態のONU2へ割り当てることとなるので、帯域の有効利用が実現できる。
上記ステップS5を実行すると、OLT1は、帯域更新周期が終了したかどうかを確認し(ステップS6)、帯域更新周期の終了を検出するまで確認動作を継続する(ステップS6:No)。また、帯域更新周期が終了した場合(ステップS6:Yes)、スリープ制御周期が終了したかどうかを確認し(ステップS7)、スリープ制御周期が終了していなければ(ステップS7:No)、ステップS4へ遷移し、上述したステップS4およびS5の処理(帯域割り当て動作)を再度実行する。一方、スリープ制御周期が終了していれば(ステップS7:Yes)、ステップS1へ遷移し、上述したステップS1からS4の処理(スリープ制御動作)を再度実行してから、ステップS4〜S6の帯域割り当て動作を実行する。
なお、帯域更新周期は、OLT1が帯域割り当て動作(上記のステップS4およびS5に相当)を実行する周期であり、スリープ制御周期は、OLT1がスリープ制御動作(上記のステップS1〜S4に相当)を実行する周期である。スリープ制御周期は、帯域更新周期よりも小さくならないように設定する。
このように、本実施の形態の通信システムでは、OLT1は、ONU2に対して帯域を割り当てる際、パワーセーブ状態の各ONU2のために確保している帯域(最低保証帯域)を非パワーセーブ状態のONU2へ割り当てるために解放することとした。これにより、従来であればパワーセーブ状態のONU2に確保され続け、使用することが出来なかった帯域についても、非パワーセーブ状態のONU2で使用することができ、伝送帯域の有効利用が実現できる。
なお、パワーセーブ状態のONU2すべてについての最低保証帯域を解放するのではなく、一部についての最低保証帯域を解放するようにしてもよい。たとえば、すべてのONU2(パワーセーブ状態のものを含む)の最低保証帯域の合計値を確保した上で帯域を割り当てると帯域を要求しているONU2に対してその要求量未満の帯域しか割り当てられない場合に、不足分相当の帯域が解放されるように、パワーセーブ状態のONU2の一部について、その最低保証帯域を解放する。この場合にも伝送帯域の有効利用が実現できる。
また、本実施の形態では、一例として、帯域を時分割して複数の装置(ONU)へ分配する光通信システムにおける制御方法について示した。しかしながら、この制御方法は、パワーセーブ中の装置に対しても帯域を保証するような帯域制御を実施している通信システムであれば、他の方法で帯域を分配するように構成されているシステムであっても適用可能である。
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2について説明する。実施の形態1では、帯域制御とスリープ制御の処理タイミングについては特に規定しなかったが、本実施の形態では、これらのタイミングを同期させる場合について説明する。なお、本実施の形態においてもPON方式の光通信システムに適用した場合について説明する。
図5は、実施の形態2の帯域制御方法を適用する通信システムの構成例を示す図であり、実施の形態1で説明したOLT1(図1参照)をOLT1aに置き換えたものである。図5においては、図1に示した実施の形態1の通信システムと共通する部分に同一の符号を付している。本実施の形態では、実施の形態1の通信システムと共通する部分の説明は省略する。
OLT1aは、実施の形態1のOLT1の帯域制御部14およびスリープ制御部15を帯域制御部14aおよびスリープ制御部15aに置き換え、さらに同期制御部18を追加したものである。
帯域制御部14aは、ONU2に対する帯域割り当て動作を実施した場合、その旨を示す帯域制御タイミング信号を同期制御部18へ出力する。帯域割り当て動作そのものについては、実施の形態1で説明したとおりである。すなわち、OLT1の帯域制御部14と同様の処理を実行することにより各ONU2へ割り当てる帯域を決定する。
図6は、帯域制御部14aの構成例を示す図である。実施の形態1で示した帯域制御部14(図2参照)との違いは、送信許可送信部142を送信許可送信部142aに置き換え、ONU2への帯域割り当て動作が終了すると、送信許可送信部142aがその旨を示す帯域制御タイミング信号を同期制御部18に対して出力することである。
スリープ制御部15aは、同期制御部18からの指示に応じて、スリープ制御動作を実行する。スリープ制御動作そのものについては、実施の形態1で説明したとおりである。すなわち、OLT1のスリープ制御部15と同様の処理を実行することにより、所定の条件を満たしたONU2(たとえば、一定期間にわたって上り回線を使用していないONU2)をパワーセーブ状態へ移行させる。
同期制御部18は、帯域制御部14aから出力される帯域制御タイミング信号を基に、その整数倍の周期の信号を生成し、スリープ制御タイミング信号としてスリープ制御部15aへ出力する。
図7は、同期制御部18の構成例を示す図である。図示したように、同期制御部18は、同期タイミング生成部181および逓倍処理部182を備える。
同期タイミング生成部181は、帯域制御タイミング信号に同期した同期タイミング信号を生成する。逓倍処理部182は、同期タイミング信号およびユーザ管理部17で保持されているスリープ周期設定情報に基づき、同期タイミング信号の受信周期の整数倍の周期で、スリープ制御の実施を指示するスリープ制御タイミング信号を生成する。ここで、スリープ周期設定情報とは、帯域割り当て動作の実行周期(=帯域更新周期)の何倍の周期でスリープ制御動作を実行するかを示す情報であり、1以上の整数とする。
これにより、スリープ制御の実行周期(スリープ制御周期)が帯域更新周期に同期するので、帯域利用効率をさらに向上させることができる。以下、本実施の形態の制御方法を適用した場合の効果を説明する。
図8は、実施の形態2の制御を適用した場合の帯域割り当て結果の一例を示す図である。本実施の形態の制御を適用した場合、帯域制御(帯域割り当て動作)とスリープ制御が連動し、図示したように、スリープ制御動作と帯域割り当て動作を同期して処理することが出来る。図示した最初の(左側の)スリープ制御周期においては、ONU#3がスリープ制御されてパワーセーブ状態へ移行しており、帯域割り当てはONU#1およびONU#2を対象として実施している(パワーセーブ状態のONU#3を除外して帯域割り当てを実施している)。スリープ制御周期の開始タイミングおよび終了タイミングは、帯域更新周期の開始タイミングおよび終了タイミングと一致しているため、OLT1aは、図示したように、ONU#3がスリープしている期間の全体に渡ってONU#1とONU#2に帯域割り当てを行うことが出来る。仮に、スリープ制御周期と帯域更新周期の開始/終了タイミングがずれている場合、ONU#3が帯域更新周期の途中で通常動作状態(非パワーセーブ状態)に復帰することとなる。この結果、ONU#3は、非パワーセーブ状態に復帰してすぐにデータの送信(帯域の割り当て)を希望したとしても、次の帯域更新周期となるまで帯域の割り当てを要求することができなくなり、ずれた期間における帯域利用効率が低下する。また、データの伝送遅延が増大する。なお、2番目の(真ん中の)スリープ制御周期においては、パワーセーブ状態のONUが存在していないため、このスリープ制御周期内の各帯域更新周期においては、すべてのONUを対象として帯域割り当てを実施している。また、3番目の(右側の)スリープ制御周期においては、ONU#1,#2がパワーセーブ状態であるため、このスリープ制御周期内の各帯域更新周期においては、ONU#3のみに対して帯域を割り当てている。
図8では、帯域制御の3回に1回の割合でスリープ制御を行う例を示しているが、設定により他の倍数に変更することが可能である。
図9は、本実施の形態のOLT1aの制御動作例を示したフローチャートであり、ONU2のスリープ制御動作と帯域制御動作の一例を示している。
図示したように、本実施の形態の制御動作は、実施の形態1の制御動作(図4参照)に含まれていたステップS7をステップS8に置き換えたものである。
OLT1aは、ステップS4およびS5の帯域割り当て動作を実行し、ステップS6で帯域更新周期が終了したかどうかを確認すると、次に、帯域更新周期の終了回数が規定値(上述したスリープ周期設定情報が示す1以上の整数N)に達したかどうかを確認する(ステップS8)。そして、規定値に達していない場合(ステップS8:No)、ステップS4へ遷移して帯域割り当て動作を開始する。一方、規定値に達している場合には(ステップS8:Yes)、ステップS1へ遷移してスリープ制御動作を開始する。この規定値に達したかどうかを確認する処理は同期制御部18で行い、規定値に達したことを検出した場合、同期制御部18はスリープ制御タイミング信号をスリープ制御部15aへ出力する。
図10は、本実施の形態の通信システムにおける制御動作の一例を示したシーケンス図である。この例では、OLTは、スリープ制御周期#1が開始となると、まず、制御対象のONUのうち、ONU#3をパワーセーブ状態へ移行させることに決定し、決定結果を示すスリープ制御信号を各ONUへ送信する。なお、図10では、パワーセーブ状態への移行を指示する信号を「スリープ制御(OFF)」で表現している。パワーセーブ状態への移行指示を受けたONU#3は、応答信号(スリープ制御応答)を返送してパワーセーブ状態へ移行する。その後、スリープ制御周期#1が終了するまでの間においては、OLTは、帯域更新周期が終了するごとに、制御対象のONU#1およびONU#2に対して、それらからの帯域要求に応じた帯域割り当てを実施する。また、ONU#3は、所定の条件を満たした場合には非パワーセーブ状態へ復帰する。
このように、本実施の形態の通信システムでは、OLT1aは、スリープ制御動作を、帯域割り当て動作の実行周期(帯域更新周期)の整数倍のタイミングで実行することとした。これにより、実施の形態1の通信システムよりもさらに帯域利用効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、パワーセーブ状態のONU2の最低保証帯域を解放して非パワーセーブ状態のONU2へ割り当てる、実施の形態1で説明した帯域制御(帯域割り当て動作)を実行するシステムにおいて、帯域制御の実行タイミングとスリープ制御の実行タイミングが同期するように制御を行う場合の方法について説明を行ったが、この制御方法は、従来の帯域制御(パワーセーブ状態のONU2の最低保証帯域を解放して他のONU2へ割り当てることのない制御)を実行するシステムに対して適用することも可能である。すなわち、従来の帯域制御を実行するシステムにおいて、スリープ制御を行う場合には、その実行タイミングが帯域制御の実行タイミングと同期するように構成することにより、パワーセーブ状態から非パワーセーブ状態に復帰したONU2に対する帯域割り当てがその時点の帯域更新周期が終了するまでできなくなる、という状態が発生するのを回避できるので、帯域利用効率を向上させることができる。
実施の形態3.
つづいて、実施の形態3について説明する。図11は、実施の形態3の帯域制御方法を適用する通信システムの構成例を示す図であり、実施の形態2で説明したOLT1a(図5参照)をOLT1bに置き換えたものである。図11においては、実施の形態1または2の通信システム(図1,図5参照)と共通する部分に同一の符号を付している。本実施の形態では、先の実施の形態で説明した通信システムと共通する部分の説明は省略する。
OLT1bは、実施の形態2のOLT1aの帯域パラメータ処理部16を帯域パラメータ処理部16bに置き換えたものである。
帯域パラメータ処理部16bは、帯域制御部14aから出力される帯域制御タイミング信号を受け取り、この信号およびスリープ制御部15aから出力されたスリープ情報に基づいて、帯域パラメータ情報を生成する。このとき、それまでに実施したスリープ制御に伴って帯域の割り当てを除外した影響が補正された帯域制御が帯域制御部14aで実施されるように考慮した帯域パラメータ情報を生成する。
図12は、帯域パラメータ処理部16bの構成例を示す図である。帯域パラメータ処理部16bは、実施の形態1で示した帯域パラメータ処理部16(図3参照)の帯域パラメータ決定部163を帯域パラメータ決定部163bに置き換え、さらに、積算部164を追加したものである。
積算部164は、スリープ制御部15aから出力され、スリープ情報格納部161で保持されているスリープ情報内の除外ONU情報(パワーセーブ中ONUの識別情報)、および帯域制御部14aから出力された帯域制御タイミング信号に基づいて、各ONU2が、これまでの帯域更新周期で帯域割り当て処理から除外された回数を積算し、その結果を積算時間情報として帯域パラメータ決定部163bへ出力する。この積算時間情報は、各ONU2が過去に何回パワーセーブ状態に移行したかを示す情報である。
帯域パラメータ決定部163bは、積算部164から取得した積算時間情報に基づいて、帯域制御部14aの各ONU2に対する帯域割り当てが長期的に公平になるような帯域パラメータ情報を生成する。
図13は、本実施の形態の帯域制御を適用した場合の帯域割り当て結果の一例を示す図である。この図を用いて、上記補正の効果を説明する。なお、図13では、横軸を時間、縦軸を割り当て帯域としている。
通常の通信システムでは、ユーザ毎の契約帯域により、最低保証帯域(最小帯域)と最大帯域が設定され、他のユーザとの関係から、各ONUに対する長期的な目標帯域が計算される。そして、OLTは、各ONUへ帯域を割り当てる場合、各ONUに対して割り当てた帯域の積算値が目標帯域に収束するように帯域制御を行う。ここで、パワーセーブ状態へ移行するONUが存在しない場合の帯域制御では、各ONUが接続されている時間の積算値のみを考慮すれば良いが、本明細書で説明している、パワーセーブを考慮した帯域制御では、パワーセーブ中に割り当てを除外した時間が含まれているため、図示した「補正なし」の場合のように目標帯域からずれてしまう可能性がある。この場合にはパワーセーブ状態となる頻度が高いONUと低いONUとの間で帯域割り当てに関する公平性が損なわれてしまう。
しかしながら、本実施の形態の上記の補正を行うことによって、図示した「補正あり」の場合のように、目標帯域に収束させることが可能となり、ユーザ毎の公平性を保つことが可能となる。たとえば、帯域パラメータ決定部163bにおいて、帯域パラメータ情報を生成する際に、各ONU2がパワーセーブ状態に移行した回数の比較を行うようにして、移行回数が他のONU2よりも多いONU2については、パワーセーブ状態となった場合でも帯域制御の対象ONU2から除外しないようにする(該当するパワーセーブ状態のONU2を非パワーセーブ状態のONU2として扱って帯域パラメータ情報を生成する)。このとき、各ONU2の契約帯域が異なる場合には、パワーセーブ状態への移行回数を契約帯域に基づいて補正し、補正後の移行回数を比較する。
このように、本実施の形態の通信システムでは、OLT1bは、スリープ制御に伴って過去の帯域制御で処理対象から除外した頻度を考慮しつつONU2への帯域割り当てを行うこととした。具体的には、各ONU2に対する帯域割り当てが長期的に公平になるように考慮して帯域を割り当てることとした。これにより、パワーセーブ状態のONU2を除外して帯域制御を行うように構成したシステムにおいてもユーザ毎の公平性を保つことができる。
実施の形態4.
つづいて、実施の形態4について説明する。本実施の形態では、各スリープ制御周期内における処理負荷を効率的に分散して動作する通信システムについて説明する。
図14は、実施の形態4の帯域制御方法を適用する通信システムの構成例を示す図であり、実施の形態3で説明したOLT1b(図11参照)をOLT1cに置き換えたものである。図14においては、先の実施の形態の通信システム(図1,図5,図11参照)と共通する部分に同一の符号を付している。本実施の形態では、先の実施の形態で説明した通信システムと共通する部分の説明は省略する。
OLT1cは、実施の形態3のOLT1bの帯域制御部14aを帯域制御部14cに置き換えたものである。
帯域制御部14cは、PON制御部12経由で受け取った各ONU2からの帯域要求信号、帯域パラメータ処理部16bから出力された帯域パラメータ情報、および同期制御部18から出力されたスリープ制御タイミング信号に基づいて、帯域制御を行う。
図15は、帯域制御部14cの構成例を示す図である。帯域制御部14cは、実施の形態2で示した帯域制御部14a(図6参照)の送信許可送信部142aおよび帯域割り当て算出部143を、送信許可送信部142cおよび帯域割り当て算出部143cに置き換えたものである。
帯域割り当て算出部143cは、帯域要求信号(PONシステムにおけるREPORT信号に相当)を送信するための帯域を各ONU2へ割り当てる際、各ONU2から送信された帯域要求信号の到達タイミングがスリープ制御の実行タイミングを基準とした一定範囲内に収まるように帯域を割り当て、割り当て結果を示す送信制御情報を生成して送信許可送信部142cへ出力する。
送信許可送信部142cは、帯域要求信号の送信用帯域の割り当て結果、を示す送信制御情報を帯域割り当て算出部143cから受け取った場合、それを含んだ送信許可信号を生成して、スリープ制御タイミング信号から導き出されるスリープ制御周期に同期させたタイミングで各ONU2へ送信する。例えば、パワーセーブ中の各ONU2に対する送信許可信号を、図16に示したスリープ制御周期が終了する直前の帯域更新周期に集約して送信する。つまり、本実施の形態のOLT1cにおいては、帯域制御部14cの帯域割り当て算出部143cが、パワーセーブ中の各ONU2を対象とした帯域要求信号の送信用帯域の割り当て計算をスリープ制御周期の最後に行い、他の処理をスリープ制御周期の前半などに行う。図16では、パワーセーブ状態の各ONU2に対して送信許可信号送信用の帯域を割り当てる処理を、各スリープ制御周期内の最後の帯域更新周期へ集約しその結果、これらの帯域更新周期では帯域計算処理に90%のパワーを使用し、他の帯域更新周期では帯域計算処理に60%のパワーを使用している場合の例を示している。
帯域割り当て算出部143cは、多数のONU2に対する帯域割り当て計算を1ms程度の短時間で実施する必要があるため、高速動作可能な専用H/Wエンジンや高性能なCPUを用いて構成することが多い。そのため、処理が短時間に集中すると、より高速・高性能な回路が必要となり、消費電力の増大や装置コストの増大につながる。
このように、本実施の形態の通信システムでは、OLT1cは、パワーセーブ中のONU2に対して帯域要求信号の送信用帯域を割り当てる制御を、パワーセーブ中のONU2が起動する(非パワーセーブ状態に移行する)可能性のあるタイミングで実行することとした。これにより、パワーセーブ中のONU2に対する帯域割り当て処理(帯域要求信号の送信用帯域を割り当てる処理)がスリープ制御周期の最後に集中するので、その他の処理をそれ以外の時間帯で行うようにして処理負荷を分散させることが可能となり、消費電力やコストが増大するのを防止できる。
なお、本実施の形態の制御を適用した場合の帯域割り当て結果の一例をした図16では、パワーセーブ中のONU2に対する上記帯域制御動作をスリープ制御周期の最後に集約させた場合の例を示したが、均等に分散させるなどの別の配置を行うことも可能であり、パワーセーブ中のONU2の台数によって配置を変更することも可能である。
以上説明したように、実施の形態1〜4にかかる帯域制御方法によれば、パワーセーブ中のONU2のための最低保証帯域を非パワーセーブ中のONU2で使用できるため、PONなどの複数の子局装置(ONU)を接続する通信システムにおいて、伝送帯域の使用効率の向上が実現できる。また、その際にパワーセーブ状態となった子局装置と、パワーセーブ状態になっていない子局装置間で、帯域割り当ての公平性を保つことができる。さらに、親局装置における帯域割り当て処理に要する回路コストや消費電力を抑えることができる。
以上のように、本発明にかかる帯域制御方法は、たとえば、局側の通信装置とこれに接続された複数の加入者側の通信装置からなる通信システムにおいて、局側の通信装置が加入者側の通信装置に対して信号送信用の帯域を割り当てる場合に有用であり、特に、加入者側の通信装置の中に、送信動作を停止してパワーセーブ状態となる装置が含まれている場合の帯域制御方法に適している。
1、1a、1b、1c OLT
2 ONU
11 回線IF
12 PON制御部
13 網IF
14、14a、14c 帯域制御部
15、15a スリープ制御部
16、16b 帯域パラメータ処理部
17 ユーザ管理部
18 同期制御部
141 帯域要求受信部
142、142a、142c 送信許可送信部
143、143c 帯域割り当て算出部
144 割当帯域管理部
161 スリープ情報格納部
162 ユーザ帯域格納部
163b 帯域パラメータ決定部
164 積算部
181 同期タイミング生成部
182 逓倍処理部

Claims (19)

  1. 親局装置、および前記親局装置に接続された複数の子局装置を備え、前記親局装置が前記子局装置に対して信号送信用の帯域を割り当てる通信システムに適用可能な帯域制御方法であって、
    前記複数の子局装置の中の所定の条件を満たした子局装置をパワーセーブ状態へ移行させるスリープ制御ステップと、
    前記スリープ制御ステップの実行結果に基づいて、制御対象とする子局装置を選択する制御対象選択ステップと、
    前記制御対象選択ステップにおいて選択した子局装置に対して帯域を割り当て、この帯域割り当て動作が終了すると帯域制御タイミング信号を出力する帯域割当ステップと、
    前記帯域割当ステップで出力された帯域制御タイミング信号に基づいて終了回数が規定値に達したことを検出するとスリープ制御タイミング信号を出力する同期制御ステップと、
    を含み、
    前記帯域割当ステップを一定周期で実行し、前記同期制御ステップで出力されたスリープ制御タイミング信号による指示に応じて、前記スリープ制御ステップを前記一定周期の整数倍の周期で、前記帯域割当ステップと同期させて実行する
    ことを特徴とする帯域制御方法。
  2. 親局装置、および前記親局装置に接続された複数の子局装置を備え、前記親局装置が前記子局装置に対して信号送信用の帯域を割り当てる通信システムに適用可能な帯域制御方法であって、
    前記複数の子局装置の中の所定の条件を満たした子局装置をパワーセーブ状態へ移行させるスリープ制御ステップと、
    前記スリープ制御ステップの実行結果に基づいて、制御対象とする子局装置を選択する制御対象選択ステップと、
    前記制御対象選択ステップにおいて選択した子局装置に対して帯域を割り当てる帯域割当ステップと、
    を含み、
    前記制御対象選択ステップでは、
    前記子局装置が過去にパワーセーブ状態で動作していた時間の子局装置ごとの積算値に基づいて、制御対象から除外する子局装置を決定することを特徴とする帯域制御方法。
  3. 前記制御対象選択ステップでは、
    パワーセーブ状態の子局装置の一部またはすべての子局装置を制御対象から除外する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の帯域制御方法。
  4. 前記帯域割当ステップでは、
    前記制御対象選択ステップにおいて選択された子局装置に対して予め設定されている最低保証帯域の合計値を全帯域から差し引き、残りの帯域を、帯域割り当てを要求している子局装置へ分配する
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の帯域制御方法。
  5. パワーセーブ状態の子局装置に対し、前記スリープ制御ステップの実行タイミングに基づいたタイミングで所定の信号を送信する信号送信ステップ、
    をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の帯域制御方法。
  6. 親局装置、および前記親局装置により割り当てられた帯域でデータを送信する複数の子局装置を備えた通信システムであって、
    前記親局装置は、
    前記子局装置に対して一定周期で帯域の割当てを実行し、この帯域の割り当て動作が終了すると帯域制御タイミング信号を出力し、この出力された帯域制御タイミング信号に基づいて終了回数が規定値に達したことを検出するとスリープ制御タイミング信号を出力し、この出力されたスリープ制御タイミング信号による指示に応じて、所定の条件を満たした子局装置をパワーセーブ状態に移行させるスリープ制御を前記一定周期の整数倍の周期で、前記子局装置に対する帯域の割当てと同期させて実行する制御部、
    を備えることを特徴とする通信システム。
  7. 前記制御部は、
    前記子局装置それぞれの動作状態に基づいて制御対象とする子局装置を選択し、選択された子局装置に対して予め設定されている最低保証帯域の合計値を全帯域から差し引き、残りの帯域を、帯域割り当てを要求している子局装置へ分配する
    ことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
  8. 前記制御部は、
    パワーセーブ状態の子局装置の一部またはすべてを制御対象から除外する
    ことを特徴とする請求項7に記載の通信システム。
  9. 前記制御部は、
    前記子局装置が過去にパワーセーブ状態で動作していた時間の子局装置ごとの積算値に基づいて、制御対象から除外する子局装置を決定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の通信システム。
  10. パワーセーブ状態の子局装置に対して信号を送信する場合、前記スリープ制御の実行タイミングに基づいたタイミングで送信する
    ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の通信システム。
  11. 自身に接続された複数の子局装置からの要求に応じて、当該子局装置が自身に向けて信号を送信する際の帯域を割り当てる親局装置として動作する通信装置であって、
    子局装置それぞれの動作状態に基づいて選択した子局装置を制御対象とし、制御対象装置に対して予め設定されている最低保証帯域のうち、その時点で帯域割り当てを要求していない制御対象装置の最低保証帯域の合計値を全帯域から差し引き、残りの帯域を、帯域割り当てを要求している制御対象装置へ分配する帯域割り当て手段、
    を備え、
    前記帯域割り当て手段は、
    前記子局装置が過去にパワーセーブ状態で動作していた時間の子局装置ごとの積算値に基づいて、制御対象から除外する子局装置を決定する
    ことを特徴とする通信装置。
  12. 前記帯域割り当て手段は、
    パワーセーブ状態の子局装置の一部またはすべてを制御対象から除外する
    ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
  13. 前記帯域割り当て手段が制御対象装置に対して帯域を割り当てる制御を実行する周期、の整数倍の周期で、所定の条件を満たしている子局装置をパワーセーブ状態に移行させるスリープ制御を実行するスリープ制御手段、
    をさらに備えることを特徴とする請求項11または12に記載の通信装置。
  14. パワーセーブ状態の子局装置に対して信号を送信する場合、前記スリープ制御手段がスリープ制御を実行するタイミングに基づいたタイミングで送信する
    ことを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
  15. 自身に接続された複数の通信装置である子局装置からの要求に応じて、当該子局装置が自身に向けて信号を送信する際の帯域を割り当てる通信装置であって、
    前記子局装置に対して帯域を割り当てる帯域制御を一定周期で実行し、この帯域を割り当てる動作が終了すると帯域制御タイミング信号を出力する帯域割り当て手段と、
    前記帯域割り当て手段で出力された帯域制御タイミング信号に基づいて終了回数が規定値に達したことを検出するとスリープ制御タイミング信号を出力する同期制御手段と、
    前記同期制御手段で出力されたスリープ制御タイミング信号による指示に応じて、所定の条件を満たしている子局装置をパワーセーブ状態に移行させるスリープ制御を前記一定周期の整数倍の周期で、前記帯域割り当て手段により実行される帯域制御と同期させて実行するスリープ制御手段と、
    を備えることを特徴とする通信装置。
  16. 前記帯域割り当て手段は、
    前記子局装置それぞれの動作状態に基づいて制御対象とする子局装置を選択し、制御対象装置に対して予め設定されている最低保証帯域のうち、その時点で帯域割り当てを要求していない制御対象装置の最低保証帯域の合計値を全帯域から差し引き、残りの帯域を、帯域割り当てを要求している制御対象装置へ分配する
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  17. 前記帯域割り当て手段は、
    パワーセーブ状態の子局装置の一部またはすべてを制御対象から除外する
    ことを特徴とする請求項16に記載の通信装置。
  18. 前記帯域割り当て手段は、
    前記子局装置が過去にパワーセーブ状態で動作していた時間の対向装置ごとの積算値に基づいて、制御対象から除外する対向装置を決定する
    ことを特徴とする請求項17に記載の通信装置。
  19. パワーセーブ状態の子局装置に対して信号を送信する場合、前記スリープ制御手段がスリープ制御を実行するタイミングに基づいたタイミングで送信する
    ことを特徴とする請求項15〜18のいずれか一つに記載の通信装置。
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