JP5245248B2 - 混繊糸 - Google Patents

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Description

本発明は、布帛にした際に優れた力学特性、良好なふくらみ感、高い発色性を有する混繊糸に関するものである。
セルロースエステルやセルロースエーテルなどのセルロース系材料は、地球上で最も大量に生産されるバイオマス系材料として、また自然環境下にて生分解可能な材料として、昨今、大きな注目を集めつつある。加えて、セルロース系材料は屈折率が低いため、それを繊維にした場合には鮮明発色性に優れるという長所も併せ持っている。
溶液紡糸法または溶融紡糸法によってセルロース系繊維を得ることができるが、得られた繊維は沸騰水収縮率が低いため、布帛にした際にふくらみ感が得られないという問題があった。このような問題を解決するために、セルローストリアセテート繊維と沸騰水収縮率が高いポリエステル繊維からなる複合交絡糸(特許文献1参照)、セルロース系マルチフィラメント糸と沸騰水収縮率の高い共重合ポリエステル系マルチフィラメントを用いた複合織物(特許文献2参照)、セルロースエステルを主成分とする繊維とポリヒドロキシカルボン酸からなる混繊糸(特許文献3参照)が提案されている。
ポリエステル系繊維及びセルロースエステル繊維はともに分散染料で染まるため、一般的に同浴で染色が行われる。緻密な内部構造を有するポリエステルは染料分子が拡散しにくいことから染まりにくく、ポリエステルを含む複合糸を発色性良く染色する際には120〜130℃の染色温度で行う高温高圧染色法を採用する必要がある。
上述の混繊糸とウール、シルク、コットン、レーヨン、キュプラ、ナイロン、アクリルなどの繊維と混用する時に、ポリエステルの染色条件である高温高圧染色法である120〜130℃の染色温度では、混用相手の繊維の物性の悪化があり好ましくない。また、物性の悪化を招かないように常圧で染めると、ポリエステル系繊維の染色性が十分ではなく、染色後の布帛に濃淡色差が現れ、イラツキの原因となり、得られた布帛の品位を著しく低下させるという問題があった。
また、混繊糸を単独で用いる場合においても、セルロース脂肪酸エステルからなる繊維の中には120〜130℃の染色温度で高温高圧染色を行うと、繊維として使用できないほど強度および伸度が大幅に低下するという問題がある。ちなみに、特許文献4のセルロース脂肪酸エステル繊維であるセルロースアセテートプロピオネート繊維の染色温度(実施例)は90℃であり、ポリエチレンテレフタレートの染色温度(比較例)は130℃である。
すなわち、既存のポリエステル系繊維とセルロースエステル繊維との混繊糸では、常圧の染色性が高く、十分な沸騰水収縮率差を有することでふくらみ感の得られる混繊糸がないというのが現状である。
特開平11−350270号公報(第1頁) 特開平10−72741号公報(第1頁) 特開2004−250798号公報(第1頁) 特開2004−169242号公報(第6〜8頁)
本発明の課題は、上記の従来技術の問題点を解決し、十分な沸騰水収縮率差を有し、布帛にした際に優れた風合い、良好なふくらみ感、高発色性を有するセルロースエステル繊維と常圧染料可染型ポリエステル系繊維からなる混繊糸を提供することにある。
上記の本発明の課題は、沸騰水収縮率が0.2〜5%であるセルロース脂肪酸エステル繊維(A)と沸騰水収縮率が17〜35%である常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)を少なくとも含み、セルロースエステル繊維(A)の主成分であるセルロースエステルのアシル基の少なくとも一部が炭素数3〜18であり、かつ下記式(I)を満足することを特徴とする混繊糸によって解決することができる。
(I)10%≦常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の沸騰水収縮率−セルロースエステル繊維(A)の沸騰水収縮率≦30%
本発明によれば、従来の混繊糸よりもふくらみ感と発色性に優れ、常圧で染色可能な混繊糸を得ることができる。そのため、この混繊糸を用いた布帛などの繊維構造物は、良好なふくらみ感と発色性を有し、特に衣料用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の混繊糸について詳細に説明する。
本発明における混繊糸は、セルロースエステル繊維(A)と、常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)とから構成される。セルロースエステル繊維(A)と常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)との沸騰水収縮率差{沸騰水収縮率(B)−沸騰水収縮率(A)}は10%以上30%以下である。沸騰水収縮率差が10%以上であれば、目的とするふくらみ感が得られる。一方、沸騰水収縮率差が30%以下であれば、収縮率が異なりすぎることによるふかつきや染色斑の発生がないため好ましい。沸騰水収縮率差は、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることが更に好ましい。
本発明のセルロースエステル繊維(A)は、セルロースエステルを主成分とするものである。セルロースエステルを主成分とする繊維は、セルロースエステル特有の優れた発色性を得ることができるため好ましい。
本発明におけるセルロースエステルとは、セルロースのグルコース単位あたり3つある水酸基の少なくとも一部がエステル結合で置換されているものをいう。セルロースのグルコース単位あたり3つある水酸基のうち、2つ以上がエステル結合で置換されたセルロースエステルであることが好ましく、残りの水酸基は置換されていないもの、カルバメート、エーテル結合で置換されているものが好ましく用いられるがこれに限定されない。
本発明のセルロースエステルは、セルロースのグルコース単位あたり3つある水酸基の少なくとも一部が炭素数3〜18のアシル基であるセルロースエステルである。少なくとも一部が炭素数3〜18のアシル基とすることにより、より柔軟な繊維を得ることができる。
少なくとも一部が炭素数3〜18のアシル基で置換されているセルロースエステルの具体例としては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースブチレートなどを例示することができるが、なかでもセルロースにアシル基炭素数が2であるアセチル基とアシル基炭素数が3であるプロピオニル基が結合したセルロースアセテートプロピオネート、およびセルロースにアシル基炭素数が2であるアセチル基とアシル基炭素数が4であるブチリル基が結合したセルロースアセテートブチレートからなる繊維は、適度な吸湿性や良好な力学特性を有するため、本発明では特に好ましく用いられる。
セルロースエステルとして、セルロースアセテートプロピオネートおよび/またはセルロースアセテートブチレートを用いる場合、セルロースエステル全置換度(アセチル置換度+アシル置換度)は下記式(I)を満たすことが好ましい。すなわち、セルロースエステル全置換度(アセチル置換度+アシル置換度)が2.5以上3.0以下の範囲にあれば、溶融成形時の熱流動性が良好であるため、繊維の着色を防止することができ、色調が良好な繊維が得られるため好ましい。セルロースエステル全置換度は、より好ましくは2.6以上2.9以下である。
(I)2.5≦アセチル置換度+アシル置換度≦3.0
アセチル置換度とアシル置換度は、繊維および布帛とした場合でも熱軟化温度が高く、適度な吸湿性を有するために、下記式(II)、(III)を満たすことが好ましい。
(II)1.5≦アセチル置換度≦2.5
(III)0.5≦アシル置換度≦1.5
本発明におけるセルロースエステルの重量平均分子量(Mw)は5万〜25万であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が5万以上の場合、セルロースエステル繊維の強度が高くなるため好ましい。重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは6万以上であり、更に好ましくは8万以上である。重量平均分子量(Mw)が25万以下の場合、柔軟な繊維が得られるため好ましい。重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは22万以下であり、更に好ましくは20万以下である。重量平均分子量(Mw)とは、GPC測定により算出した値をいい、実施例にて詳細に説明する。
本発明においてセルロースエステルを主成分とする繊維は、溶融紡糸法によって製造されることが、製糸効率及び製造時に有害な薬剤を使用しなくて良いという製糸環境の面からも望ましい要件である。また、溶融紡糸法を適用するにあたっては、セルロースエステルの他に可塑剤を含有することができる。可塑剤については、公知の可塑剤を適宜用いることができるが、セルロースエステルとの相溶性が良い多価アルコール系可塑剤が好ましく、グリセリン骨格を有したエステル化合物やポリアルキレングリコール、カプロラクトン系化合物などが特に好ましく用いられるが特に限定はされない。
具体的なグリセリン骨格を有したエステル化合物としては、グリセリンアセテートステアレート、グリセリンアセテートパルミテート、グリセリンアセテートラウレート、グリセリンアセテートカプレート、グリセリンアセテートオレート、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリンテトラプロピオネート、ジグリセリンテトラブチレート、ジグリセリンテトラカプリレートおよびジグリセリンテトララウレートなどが挙げられる。
ポリアルキレングリコールの具体的な例としては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
これらの可塑剤を単独もしくは併用して使用することができる。
これらの可塑剤は、溶融紡糸にあたって揮発しにくいことが重要であり、分子量が200以上であることが好ましい。しかし、分子量が高すぎる場合には可塑化効率が低下し、またセルロースエステルとの相溶性が不良となる場合があるので10000以下であることが好ましい。可塑剤の分子量は、より好ましくは300〜5000であり、最も好ましくは400〜2000である。
可塑剤量は、得られる繊維がセルロースエステルとしての特性を維持するという観点から、セルロースエステルと可塑剤からなる組成物全体に対して5〜25重量%の範囲であることが好ましい。可塑剤量は10重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上が更に好ましい。また、可塑剤量は20重量%以下であることが好ましい。
本発明のセルロースエステル繊維は、ホスファイト系着色防止剤を含有していることが好ましい。ホスファイト系着色防止剤を含有している場合、着色防止効果が非常に顕著であり、得られる繊維の色調が良好になるためである。
ホスファイト系着色防止剤の具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル−4−メチル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、ビス(2.6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2−t―ブチル−4−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−t−ブチル−2−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2.6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2.4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
ホスファイト系着色防止剤の配合量は、セルロースエステル組成物に対して0.005〜0.5重量%の範囲であることが好ましい。配合量を0.005重量%以上とすることでセルロースエステル繊維の着色を抑制することができる。ホスファイト系着色防止剤の配合量は、より好ましくは0.01重量%以上であり、更に好ましくは0.05重量%以上である。一方、ホスファイト系着色防止剤の配合量を0.5重量%以下とすることでセルロースエステル繊維の劣化を抑制することができ、繊維特性が良好となる。ホスファイト系着色防止剤の配合量は、より好ましくは0.3重量%以下であり、更に好ましくは0.2重量%以下である。
本発明のセルロースエステル繊維は、上述した成分以外にも、アシル基が異なる脂肪酸エステルを含む他の樹脂や、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、消臭剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、酸化防止剤、着色顔料、静電剤、抗菌剤等酸化防止剤、難燃剤および滑剤等の添加剤を含んでいても構わない。
本発明のセルロースエステル繊維(A)の沸騰水収縮率は、0.2〜5%である。
沸水収縮率が5%以下であれば熱水処理時に大きく収縮することがなく、混繊糸構造としての外周を占めることとなり、セルロースエステル繊維の有する良好な風合いが混繊糸構造物の特性として発現することとなるので好ましい。また、0.2%以上であれば収縮不足に起因して布帛がペーパーライクとなることがないため好ましい。セルロースエステルを主成分とする繊維の沸水収縮率は、1.0%以上が好ましく、2.0%以上がより好ましく、3.0%以上がさらに好ましい。また、4.0%以下が好ましい。
本発明のセルロースエステル繊維(A)の単繊維繊度は、0.5〜20dtexであることが好ましい。単繊維繊度が0.5dtex以上であれば、染色により鮮明で深みのある発色性を得ることができる。単繊維繊度は1dtex以上であることがより好ましく、1.3dtex以上であることが更に好ましい。一方、単繊維繊度が20dtex以下であれば、柔軟性を得ることができる。単繊維繊度は15dtex以下であることが好ましく、10dtex以下であることがより好ましく、5dtex以下であることがさらに好ましい。セルロースエステル繊維(A)の単繊維繊度を、常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)より小さくすることで、より優れたふくらみ感を出すことが可能であるため好ましい。セルロースエステル繊維(A)は、上記の単繊維繊度であれば、モノフィラメントでもマルチフィラメントでも良く、また、長繊維以外に短繊維(ステープル)でも構わない。
本発明のセルロースエステル繊維(A)の繊維物性は、特に限定されるものではないが、高次加工での工程通過性などの観点から、強度が0.5〜2.0cN/dtex、伸度が8〜50%であることが好ましい。伸度が8%以上であれば、製織や製編時など高次加工工程において毛羽や糸切れの発生が少なくなる。伸度は10%以上であることがより好ましく、15%以上であることが更に好ましい。一方、伸度が50%以下であれば、布帛の大きさの変化が小さくなる。伸度は40%以下であることがより好ましく、35%以下であることが更に好ましい。
本発明のセルロースエステル繊維(A)は、繊維の断面形状に関して特に制限がなく、真円状の円形断面であっても良いし、また、多葉形、扁平形、楕円形、W字形、S字形、X字形、H字形、C字形、田字形、井桁形および中空などの異形断面糸でも良い。
本発明の混繊糸を構成するもう一方の成分である常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)とは、常圧下で染色可能なポリエステル系繊維である。
本発明における常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)とは、低温染色タイプの分散染料、例えばSumikaron Red SE−RPDを用い、染料使用量3%owf、浴比100倍、pH6の染浴中で100℃にて60分間の染色後、染料に染着した染料の吸尽率(下記式IIによる)が90%以上である繊維を言う。測定法の詳細は実施例に記載する。
Figure 0005245248
また、下記式(III)に示す常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の100℃での染料吸尽率(100℃)と120℃での染料吸尽率(120℃)の差が5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。
(III)染料吸尽率の差=染料吸尽率(120℃)−染料吸尽率(100℃)
本発明におけるポリエステルとはアルキレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするものを言う。ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが最も汎用的であり好ましい。また、ジオール成分および酸成分の一部が他の共重合可能な成分で置換されたものであってもよい。
本発明で用いられる常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)は、常圧分散染料可染型ポリエステル系繊維あるいは常圧カチオン染料可染型ポリエステル系繊維であることが好ましい。
常圧分散染料可染型ポリエステル系繊維は常圧分散染料可染性を発現するため、第3成分として平均分子量500〜4000のポリエチレングリコールを共重合していることが好ましい。平均分子量が500以上の場合には、ポリエステルの重合時に添加したポリエチレングリコールの一部が高温減圧の反応条件下で飛散しポリエステル中へのポリエチレングリコールの共重合率が一定化しないことを抑制できるため、得られたポリエステル原糸の強伸度、収縮特性のばらつきが小さく、染色時に染め斑等がない布帛が得られる。また、分子量500以上の低分子量ポリエチレングリコールは、低分子量のものに比較して共重合モル数が少なくて良いため、得られたポリエステルの軟化点の低下を抑制でき、最終的に得られる製品の品位が向上する。
一方、平均分子量が4000以下のポリエチレングリコールを使用した場合には、ポリエステル中に共重合しない高分子量物が減るため、染色性が向上するばかりではなく、染色後の布帛を熱処理した際の染料のブリードアウト、退色堅牢度、及び種々の染色堅牢度の低下を抑制することができる。
また、ポリエチレングリコールの共重合率は5〜10重量%であることが好ましい。ポリエチレングリコールの共重合率が5重量%以上であれば、染色性は十分であり良好な常圧可染性を付与できる。10重量%以下では、良好な染色性を保ちながら、耐光堅牢度、耐アルカリ性等の物性を改善でき、最終製品の品位が良好になる。
なお、ポリエチレングリコールをポリエステルに共重合するため、通常のポリエステル系繊維に比較して耐酸化分解性が低下する傾向があるため、これを改善するためにポリエステル中に酸化防止剤を配合することが好ましく行われる。
好ましい酸化防止剤としては、例えば、フェノール系水酸基の隣接位置に立体障害を有する置換基を持つフェノール誘導体であるヒンダードフェノール系化合物をあげることができる。
ヒンダードフェノール系化合物をポリエステル系繊維へ配合する場合の配合量は耐酸化分解性及び口金ノズル汚れ防止の観点から、ポリエステル系繊維に対して、0.05〜1重量%が好ましい。
常圧カチオン染料可染型ポリエステル系繊維は常圧カチオン染料可染性を発現するため、第3成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸及び/またはアジピン酸を共重合していることが好ましい。5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合することで、カチオン染料を用いた時の染色性が向上するため好ましく、アジピン酸を共重合することで、常圧での染色性が向上するため好ましい。
5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合率は0.8〜4.0モル%であることが好ましい。0.8モル%以上であることで、カチオン染料可染性が向上し、4.0モル%以下であることで良好な繊維強度が保たれるため好ましい。1.5〜4.0モル%であることが好ましく、2.0〜3.0モル%であることがより好ましい。
アジピン酸の共重合率は2〜17モル%であることが好ましい。2モル%以上であることで、常圧での染色性が向上することで好ましく、17モル%以下であることで繊維のガラス転移点の低下を抑制することができ、得られた布帛の品位が良好になるため好ましい。
2〜7モル%であることがより好ましく、3〜6モル%であることがさらに好ましい。
また、本発明に用いる常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)は、本発明の目的を達成する範囲内で、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、消臭剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、酸化防止剤、着色顔料、静電剤、抗菌剤等酸化防止剤、難燃剤および滑剤等の添加剤を含んでいても構わない。
本発明の常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の沸騰水収縮率は1〜35%である。沸騰水収縮率が35%以下であれば著しい収縮によって布帛が硬化してしまうことがない。また、1%以上であれば熱水処理時に十分な収縮が生じて、混繊糸構造としての内層を占めることとなり、逆にセルロースエステル繊維を外周に押し出すこととなって、良好な風合いが混繊糸構造物の特性として発現する。また、30%以下が好ましく、25%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
常圧染料可染型ポリエステル系繊維に高収縮性を付与する方法は、特に限定されないが、ポリエステル未延伸糸の延伸条件及び/またはポリエステルの共重合成分によって繊維に高収縮性を付与する方法が好ましく採用される。
本発明において、常圧染料可染型ポリエステル未延伸糸を延伸する際に、延伸温度はガラス転移温度以上110℃以下であることが好ましい。本発明において延伸温度とは延伸直前の糸条の予熱温度を意味し、ホットローラー延伸機の場合、延伸直前の第一ホットローラー温度を指すものである。延伸温度がガラス転移温度以上110℃以下にすることで、延伸が均一となり好ましい。さらに好ましくは80〜90℃である。なお、ガラス転移温度は、PETチップをPerkin Elmer 社製 DSC 7 を用い試料量10mg、昇温速度16℃/分で測定したものである。本発明において、熱セット温度は室温以上130℃以下であることが好ましい。熱セット温度とは延伸後の糸条の熱処理温度を意味し、ホットローラー延伸機の場合、延伸後の第2ホットローラー温度を指すものである。熱セット温度を室温以上とすることで、繊維の収縮性を抑制することができ、布帛にした時の寸法安定性が良好になるため好ましい。40℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましい。熱セット温度を130℃より低くすることで延伸糸の結晶化が進まないため配向非晶分子鎖の固定が不十分となり、繊維に高収縮性を付与することができる。好ましくは110℃以下であり、より好ましくは100℃以下であり、さらに好ましくは90℃以下である。
本発明において、ポリエステルの共重合成分によって常圧染料可染型ポリエステル系繊維に高収縮性を付与する場合には、ポリエステルに嵩高い構造を有する化合物を共重合することができる。共重合成分としてイソフタル酸及び/または2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンを用いることが好ましい。
本発明の常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の単繊維繊度は、0.5〜20dtexであることが好ましい。単繊維繊度が0.5dtex以上であれば、染色により鮮明で深みのある発色性を得ることができる。単繊維繊度は1dtex以上であることがより好ましく、1.3dtex以上であることが更に好ましい。一方、単繊維繊度が20dtex以下であれば、柔軟性を得ることができる。単繊維繊度は15dtex以下であることがより好ましく、10dtex以下であることが更に好ましい。セルロースエステル繊維(A)の単繊維繊度を、常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)より小さくすることで、より優れたふくらみ感を出すことが可能であるため好ましい。セルロースエステル繊維(A)は、上記の単繊維繊度であれば、モノフィラメントでもマルチフィラメントでも良く、また、長繊維以外に短繊維(ステープル)でも構わない。
本発明の常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の繊維物性は、特に限定されるものではないが、強度が3.0〜6.0cN/dtexが好ましい。伸度が8〜50%であることが好ましい。強度が3.0cN/dtex以上であることで、交撚、交絡などの糸加工時に問題がないため好ましい。強度は3.5cN/dtex以上であることがさらに好ましい。また、強度が6.0cN/dtex以上を超えるポリエステル系繊維を得ることは一般的に困難である。常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の伸度は8〜50%であることが好ましい。伸度が8%以上であれば、製織や製編時など高次加工工程において毛羽や糸切れの発生が少なくなる。伸度は10%以上であることがより好ましく、15%以上であることが更に好ましい。一方、伸度が50%以下であれば、布帛の大きさの変化が小さくなる。伸度は40%以下であることがより好ましく、35%以下であることが更に好ましい。
常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)は、繊維の断面形状に関して特に制限がなく、真円状の円形断面であっても良いし、また、多葉形、扁平形、楕円形、W字形、S字形、X字形、H字形、C字形、田字形、井桁形および中空などの異形断面糸でも良い。
次に本発明の混繊糸について説明する。
混繊糸中におけるセルロースエステル繊維(A)と常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の比率は、任意に決定することができる。例えば、セルロースエステル繊維(A)と常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の比率が、2:98〜20:80であれば、ふくらみ感はやや劣るものの柔軟性の高い混繊糸が得られる。逆に80:20〜98:2であれば、柔軟性は低いもののふくらみ感に優れた混繊糸が得られる。20:80〜80:20の領域では柔軟性とふくらみ感のバランスのとれた混繊糸が得られる。
本発明の混繊糸の物性は、特に限定されるものではないが、高次加工での工程通過性などの観点から、強度が2.0〜5.0cN/dtex、伸度が8〜40%であることが好ましい。混繊糸の伸度が8%以上であれば、製織や製編時など高次加工工程において毛羽や糸切れの発生が少なくなる。混繊糸の伸度は9%以上であることがより好ましく、10%以上であることが更に好ましい。一方、伸度が40%以下であれば、布帛の大きさの変化が小さくなる。混繊糸の伸度は35%以下であることがより好ましく、30%以下であることが更に好ましい。
本発明の混繊糸の全繊度は、50〜400dtexであることが好ましい。全繊度が、50dtex以上であれば、ふくらみ感が発現する。全繊度は、好ましくは70dtex以上であり、更に好ましくは100dtex以上である。一方、全繊度が400dtex以下であれば、柔軟性を損なうことがないため好ましい。全繊度は、好ましくは350dtex以下であり、更に好ましくは300dtex以下である。
本発明の混繊糸は、一般の繊維と同様に延伸や仮撚などの加工が可能である。また、製織や製編についても、一般の繊維と同等に扱うことができる。
本発明の混繊糸の染色方法は特に制限されず、チーズ染色、液流染色およびドラム染色などの手法を採用することができる。染料はアセテート用およびポリエステル用分散染料を好適に用いることができる。染色温度は、80〜100℃であることが好ましく、発色性とふくらみ感に優れた繊維または布帛を得ることができる。
本発明の混繊糸を製造する方法としては、従来より知られている後混繊方式および紡糸混繊方式のいずれもが適用できる。後混繊方式としては、撚糸工程で両方の繊維を供給して混繊する方法、延伸工程において両方の繊維を供給して混繊する方法、仮撚加工工程で両方の繊維を供給して混繊する方法、エアー交絡によって混繊する方法、タスラン加工によって混繊する方法、合撚や合糸、引き揃えによって混繊する方法、紡績工程において2種類のステープルを供給して紡績する混紡によって混繊する方法、交織によって混繊する方法、交編によって混繊する方法などが挙げられるがこれらに限定されない。また、紡糸混繊方式としては、孔形状や孔数の異なる2種以上の口金より糸条を吐出して巻き取り時に合糸して巻き取る方法や、複数の吐出孔を穿孔した一つの口金から複数の糸条を同時に吐出して巻き取る方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明の混繊糸は、混繊糸単独のみならず、ウール、シルク、コットン、レーヨン、キュプラ、ナイロン、アクリルなどの繊維と混用して用いることができる。
また、本発明の混繊糸を用いた織編物や不織布などの布帛を製造する場合において、織編機、織編組織、不織布形態などについては特に制約することはなく、公知の方法を利用することができる。
本発明のセルロースエステル混繊糸は、織物、編物および不織布などの繊維構造物として用いることができ、特に風合い、ふくらみ感、発色性に優れているため、婦人・紳士衣料用途全般に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。実施例中の各特性値は、次の方法で求めたものである。
A.GPCによる重量平均分子量(Mw)測定
セルロース脂肪酸エステルの濃度が0.15重量%となるようにテトラヒドロフランに完全に溶解させ、GPC測定用試料とした。この試料を用い、以下の条件のもと、Waters2690でGPC測定を行い、ポリスチレン換算により重量平均分子量(Mw)を求めた。なお測定回数は3回であり、その平均値をMwとした。
カラム :東ソー製TSK gel GMHHR−Hを2本連結
出器 :Waters2410 示差屈折計RI
移動層溶媒:テトラヒドロフラン
流速 :1.0ml/分
注入量 :200μl
B.強伸度、ヤング率
温度20℃、湿度65%の環境下において、島津製作所製オートグラフAG−50NISMS形を用い、試料長20cm、引張速度20cm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重の示す点の応力(cN)を繊度(dtex)で除した値を繊維の強度(cN/dtex)とし、破断時の伸度を繊維の伸度(%)とした。また、初期引張抵抗度を繊維のヤング率(cN/dtex)とした。なお、測定は1試料につき5回行い、その平均値を繊維の強度、伸度、ヤング率とした。
C.沸騰水収縮率
試料をかせ取りし、0.09cN/dtexの荷重下で試料長L0を測定した後、無荷重の状態で15分間、沸騰水中で処理を行った。処理後、風乾し0.09cN/dtexの荷重下で試料長L1を測定し、下式を用いて算出した。なお測定回数は5回であり、その平均値を沸騰水収縮率とした。
沸騰水収縮率(%)={(L0−L1)/L0}×100
D.吸尽率の測定方法
ポリエステルフィラメントの繊維から丸筒編を編成し、ついで精練剤としてSUNMORLBK−80を用い常法により80℃、20分間煮沸下で、精練処理し、風乾後、これをフリー状態で160℃、2分間乾熱セットをした後に以下の条件で染色を行う。
染料 : Sumikaron Red SE−RPD
染色濃度 : 3%owf
染液pH : 6
染色浴比 : 1/100
染色温度 : 100℃
染色時間 : 60分
染色前の染液と染色後の染色残液を、アセトンで同倍率に希釈した溶液を測定溶液とし、日立製作所(株)製分光光度計U3010型を用いて各染料の主波長で吸光度を測定し、下式によって染料吸尽率を算出した。染料吸尽率は値が大きいほど染料が繊維に良く染着していることを意味する。
染料吸尽率(%)={(染色前の染液の吸光度−染色後の染色残液の吸光度)
/染色前の染液の吸光度}×100
E.染色特性
得られた混繊糸を用いて、丸編地を作成し、70℃×20分の温水精練を行った後、乾熱160℃×2分のセットを行った。その後、分散染料であるMiketonFastBlueZを2%owf用い、浴比20、染色温度100℃、染色時間60分の条件で染色加工を行った。得られた丸編地の均染性および鮮明性について、10人の被験者により目視による官能試験を総合して染色特性を評価した。均染性とは、布帛全体が均等に染まり、イラツキが見られない状態とした。官能試験により、「イラツキなし」を○、「イラツキ若干あり」を△、「イラツキあり」を×とし、「イラツキなし」の○以上を合格とした。一方、鮮明性とは、染料により鮮やかで深みのある発色が得られた状態とした。本発明では、セルロースエステル繊維同士を混繊した混繊糸が極めて優れた鮮明性を示す基準とした。官能試験により、「極めて優れている」を◎、「優れている」を○、「普通」を△、「劣っている」を×とし、「優れている」の○以上を合格とした。
F.風合い特性
染色後の丸編地の柔軟性およびふくらみ感について、10人の被験者により触手による官能試験を総合して風合い特性を評価した。柔軟性およびふくらみ感について評価し、「極めて優れている」を◎、「優れている」を○、「普通」を△、「劣っている」を×とし、「優れている」の○以上を合格とした。
合成例1
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)100重量部に、酢酸240重量部とプロピオン酸67重量部を加え、50℃で30分間混合した。混合物を室温まで冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸172重量部と無水プロピオン酸168重量部をエステル化剤として、硫酸4重量部をエステル化触媒として加えて、150分間撹拌を行い、エステル化反応を行った。エステル化反応において、40℃を越える時は、水浴で冷却した。反応後、反応停止剤として酢酸100重量部と水33重量部の混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸333重量部と水100重量部を加えて、80℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム6重量部を含む水溶液を加えて、析出したセルロースアセテートプロピオネートを濾別し、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネートのアセチル置換度は2.0、プロピオニル置換度は0.7(セルロースエステル全置換度2.7)であり、重量平均分子量(Mw)は17.8万であった。
参考例1
合成例1で製造したセルロースアセテートプロピオネート82重量%、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.9重量%、およびホスファイト系着色防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%を二軸エクストルーダーを用いて230℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースエステル組成物ペレット(Mw16.6万)を得た。
このペレットを80℃、8時間の真空乾燥を行い、紡糸温度260℃にて吐出量10g/minの条件で0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を12ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を、温度25℃、風速0.25m/secの冷却風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、1000m/minで回転する第1ゴデットローラーにて引き取った後ワインダーにて巻き取り、セルロースエステル繊維(A)を得た。得られた繊維の特性は、表1の通りである。
また、PEG1000を7.5重量%共重合したポリエチレンテレフタレートを140℃、8時間の真空乾燥を行い、紡糸温度285℃にて吐出量11g/minの条件で0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を12ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を、温度25℃、風速0.25m/secの冷却風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、1000m/minで回転する第1ゴデットローラーにて引き取った後ワインダーにて巻き取り、ポリエステル系繊維を得た。このポリエステル系繊維を80℃に加熱した第1ゴデッドローラーと90℃(セット温度)に加熱した第2ゴデッドローラー、及び室温の第3ゴデッドローラー及びワインダーからなる延伸機を用いて、延伸を行った。第1ゴデッドローラーと第2ゴデッドローラーの間で延伸を行い、33T−12Fの常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)を得た。
セルロースエステル繊維(A)と常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)を100:33の混繊比率で、エアー交絡によって混繊し、均一な混繊糸とした後に丸編み機を用いて編み地にした。この編み地を前述の方法で精練、セット、染色を行った。得られた編み地の染色特性、風合い特性は、表1の通りであ
実施例2、5、9、12、参考例3、4、6〜8、10、11
表1、2に示したポリマー及び製糸・延伸条件で参考例1と同様にセルロースエステル繊維(A)と常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)を得た。参考例1と同様の方法で混繊糸を得た。結果は表1、2に示す。
Figure 0005245248
Figure 0005245248
比較例1
セルロースエステル組成物にマレイミド系共重合体(電気化学工業「DENKAIP MS−NA」スチレン/無水マレイン酸/N−フェニルマレイミド=50.1/1.8/48.1、MFR(260℃)=2.5、Tg196℃)5.0重量%添加したものを用いた以外は、実施例1と同様に混繊糸を得た。得られた繊維の特性は、表3の通りである。
得られた編み地の染色特性、風合い特性は、表3の通りであり、ふくらみ感が劣るものであった。
比較例2〜6
表3に示したポリマー及び製糸・延伸条件で実施例1と同様にセルロースエステル繊維(A)とポリエステル系繊維(B)を得た。続いて、実施例1と同様の方法で混繊糸を得た。結果は表3に示す。
Figure 0005245248
本発明のセルロースエステル繊維(A)と常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)からなる混繊糸は、優れた風合い、ふくらみ感、発色性を有している。そのため、この混繊糸を用いた布帛などの繊維構造物は、良好なふくらみ感と発色性を有し、特に衣料用途に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 沸騰水収縮率が0.2〜5%であるセルロースエステル繊維(A)と沸騰水収縮率が17〜35%である常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)を少なくとも含み、セルロースエステル繊維(A)の主成分であるセルロースエステルのアシル基の少なくとも一部が炭素数3〜18であり、かつ下記式(I)を満足することを特徴とする混繊糸。
    (I) 10%≦常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の沸騰水収縮率−セルロースエステル繊維(A)の沸騰水収縮率≦30%
  2. 常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の構成ポリマが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の混繊糸。
  3. 常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)が、平均分子量500〜4000のポリエチレングリコールを5〜10重量%共重合したポリエステルを主たる構成成分とする常圧分散染料可染型であることを特徴とする請求項1または2記載の混繊糸。
  4. 常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸及び/またはアジピン酸を共重合したポリエステルを主たる構成成分とする常圧カチオン染料可染型であることを特徴とする請求項1または2記載の混繊糸。
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