JP5245248B2 - 混繊糸 - Google Patents
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Description
(I)2.5≦アセチル置換度+アシル置換度≦3.0
アセチル置換度とアシル置換度は、繊維および布帛とした場合でも熱軟化温度が高く、適度な吸湿性を有するために、下記式(II)、(III)を満たすことが好ましい。
(II)1.5≦アセチル置換度≦2.5
(III)0.5≦アシル置換度≦1.5
本発明におけるセルロースエステルの重量平均分子量(Mw)は5万〜25万であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が5万以上の場合、セルロースエステル繊維の強度が高くなるため好ましい。重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは6万以上であり、更に好ましくは8万以上である。重量平均分子量(Mw)が25万以下の場合、柔軟な繊維が得られるため好ましい。重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは22万以下であり、更に好ましくは20万以下である。重量平均分子量(Mw)とは、GPC測定により算出した値をいい、実施例にて詳細に説明する。
沸水収縮率が5%以下であれば熱水処理時に大きく収縮することがなく、混繊糸構造としての外周を占めることとなり、セルロースエステル繊維の有する良好な風合いが混繊糸構造物の特性として発現することとなるので好ましい。また、0.2%以上であれば収縮不足に起因して布帛がペーパーライクとなることがないため好ましい。セルロースエステルを主成分とする繊維の沸水収縮率は、1.0%以上が好ましく、2.0%以上がより好ましく、3.0%以上がさらに好ましい。また、4.0%以下が好ましい。
(III)染料吸尽率の差=染料吸尽率(120℃)−染料吸尽率(100℃)
本発明におけるポリエステルとはアルキレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするものを言う。ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが最も汎用的であり好ましい。また、ジオール成分および酸成分の一部が他の共重合可能な成分で置換されたものであってもよい。
2〜7モル%であることがより好ましく、3〜6モル%であることがさらに好ましい。
本発明の混繊糸を製造する方法としては、従来より知られている後混繊方式および紡糸混繊方式のいずれもが適用できる。後混繊方式としては、撚糸工程で両方の繊維を供給して混繊する方法、延伸工程において両方の繊維を供給して混繊する方法、仮撚加工工程で両方の繊維を供給して混繊する方法、エアー交絡によって混繊する方法、タスラン加工によって混繊する方法、合撚や合糸、引き揃えによって混繊する方法、紡績工程において2種類のステープルを供給して紡績する混紡によって混繊する方法、交織によって混繊する方法、交編によって混繊する方法などが挙げられるがこれらに限定されない。また、紡糸混繊方式としては、孔形状や孔数の異なる2種以上の口金より糸条を吐出して巻き取り時に合糸して巻き取る方法や、複数の吐出孔を穿孔した一つの口金から複数の糸条を同時に吐出して巻き取る方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
A.GPCによる重量平均分子量(Mw)測定
セルロース脂肪酸エステルの濃度が0.15重量%となるようにテトラヒドロフランに完全に溶解させ、GPC測定用試料とした。この試料を用い、以下の条件のもと、Waters2690でGPC測定を行い、ポリスチレン換算により重量平均分子量(Mw)を求めた。なお測定回数は3回であり、その平均値をMwとした。
出器 :Waters2410 示差屈折計RI
移動層溶媒:テトラヒドロフラン
流速 :1.0ml/分
注入量 :200μl
B.強伸度、ヤング率
温度20℃、湿度65%の環境下において、島津製作所製オートグラフAG−50NISMS形を用い、試料長20cm、引張速度20cm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重の示す点の応力(cN)を繊度(dtex)で除した値を繊維の強度(cN/dtex)とし、破断時の伸度を繊維の伸度(%)とした。また、初期引張抵抗度を繊維のヤング率(cN/dtex)とした。なお、測定は1試料につき5回行い、その平均値を繊維の強度、伸度、ヤング率とした。
C.沸騰水収縮率
試料をかせ取りし、0.09cN/dtexの荷重下で試料長L0を測定した後、無荷重の状態で15分間、沸騰水中で処理を行った。処理後、風乾し0.09cN/dtexの荷重下で試料長L1を測定し、下式を用いて算出した。なお測定回数は5回であり、その平均値を沸騰水収縮率とした。
D.吸尽率の測定方法
ポリエステルフィラメントの繊維から丸筒編を編成し、ついで精練剤としてSUNMORLBK−80を用い常法により80℃、20分間煮沸下で、精練処理し、風乾後、これをフリー状態で160℃、2分間乾熱セットをした後に以下の条件で染色を行う。
染色濃度 : 3%owf
染液pH : 6
染色浴比 : 1/100
染色温度 : 100℃
染色時間 : 60分
染色前の染液と染色後の染色残液を、アセトンで同倍率に希釈した溶液を測定溶液とし、日立製作所(株)製分光光度計U3010型を用いて各染料の主波長で吸光度を測定し、下式によって染料吸尽率を算出した。染料吸尽率は値が大きいほど染料が繊維に良く染着していることを意味する。
/染色前の染液の吸光度}×100
E.染色特性
得られた混繊糸を用いて、丸編地を作成し、70℃×20分の温水精練を行った後、乾熱160℃×2分のセットを行った。その後、分散染料であるMiketonFastBlueZを2%owf用い、浴比20、染色温度100℃、染色時間60分の条件で染色加工を行った。得られた丸編地の均染性および鮮明性について、10人の被験者により目視による官能試験を総合して染色特性を評価した。均染性とは、布帛全体が均等に染まり、イラツキが見られない状態とした。官能試験により、「イラツキなし」を○、「イラツキ若干あり」を△、「イラツキあり」を×とし、「イラツキなし」の○以上を合格とした。一方、鮮明性とは、染料により鮮やかで深みのある発色が得られた状態とした。本発明では、セルロースエステル繊維同士を混繊した混繊糸が極めて優れた鮮明性を示す基準とした。官能試験により、「極めて優れている」を◎、「優れている」を○、「普通」を△、「劣っている」を×とし、「優れている」の○以上を合格とした。
F.風合い特性
染色後の丸編地の柔軟性およびふくらみ感について、10人の被験者により触手による官能試験を総合して風合い特性を評価した。柔軟性およびふくらみ感について評価し、「極めて優れている」を◎、「優れている」を○、「普通」を△、「劣っている」を×とし、「優れている」の○以上を合格とした。
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)100重量部に、酢酸240重量部とプロピオン酸67重量部を加え、50℃で30分間混合した。混合物を室温まで冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸172重量部と無水プロピオン酸168重量部をエステル化剤として、硫酸4重量部をエステル化触媒として加えて、150分間撹拌を行い、エステル化反応を行った。エステル化反応において、40℃を越える時は、水浴で冷却した。反応後、反応停止剤として酢酸100重量部と水33重量部の混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸333重量部と水100重量部を加えて、80℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム6重量部を含む水溶液を加えて、析出したセルロースアセテートプロピオネートを濾別し、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネートのアセチル置換度は2.0、プロピオニル置換度は0.7(セルロースエステル全置換度2.7)であり、重量平均分子量(Mw)は17.8万であった。
合成例1で製造したセルロースアセテートプロピオネート82重量%、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.9重量%、およびホスファイト系着色防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%を二軸エクストルーダーを用いて230℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースエステル組成物ペレット(Mw16.6万)を得た。
表1、2に示したポリマー及び製糸・延伸条件で参考例1と同様にセルロースエステル繊維(A)と常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)を得た。参考例1と同様の方法で混繊糸を得た。結果は表1、2に示す。
セルロースエステル組成物にマレイミド系共重合体(電気化学工業「DENKAIP MS−NA」スチレン/無水マレイン酸/N−フェニルマレイミド=50.1/1.8/48.1、MFR(260℃)=2.5、Tg196℃)5.0重量%添加したものを用いた以外は、実施例1と同様に混繊糸を得た。得られた繊維の特性は、表3の通りである。
表3に示したポリマー及び製糸・延伸条件で実施例1と同様にセルロースエステル繊維(A)とポリエステル系繊維(B)を得た。続いて、実施例1と同様の方法で混繊糸を得た。結果は表3に示す。
Claims (4)
- 沸騰水収縮率が0.2〜5%であるセルロースエステル繊維(A)と沸騰水収縮率が17〜35%である常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)を少なくとも含み、セルロースエステル繊維(A)の主成分であるセルロースエステルのアシル基の少なくとも一部が炭素数3〜18であり、かつ下記式(I)を満足することを特徴とする混繊糸。
(I) 10%≦常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の沸騰水収縮率−セルロースエステル繊維(A)の沸騰水収縮率≦30% - 常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)の構成ポリマが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の混繊糸。
- 常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)が、平均分子量500〜4000のポリエチレングリコールを5〜10重量%共重合したポリエステルを主たる構成成分とする常圧分散染料可染型であることを特徴とする請求項1または2記載の混繊糸。
- 常圧染料可染型ポリエステル系繊維(B)が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸及び/またはアジピン酸を共重合したポリエステルを主たる構成成分とする常圧カチオン染料可染型であることを特徴とする請求項1または2記載の混繊糸。
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