JP5668288B2 - 熱可塑性セルロースエステル組成物およびそれからなる繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、高温染色処理後も優れた機械的特性を維持することができ、特にポリエステル繊維との混繊、交編および交織に適した熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維と、その繊維を構成する熱可塑性セルロースエステル組成物に関するものである。
セルロースアセテートやセルロースアセテートプロピオネート等からなるセルロースエステル繊維は、ポリエステル繊維やポリアミド繊維などの合成繊維にはない優れた特徴を有する繊維である。すなわち、セルロースエステル繊維は、優雅な光沢、深みのある色調、発色性、ドライ感および吸放湿性など衣料用繊維として多くの特性を有することから、高級衣料用途として位置づけられてきた。
近年、衣料分野においては消費者ニーズの多様化と高級化の志向から、セルロースエステル繊維とポリエチレンテレフタレート繊維等の他の合成繊維の特徴を利用し、両者を優性複合した高付加価値繊維の検討がなされている。
このような高付加価値繊維として、溶融紡糸して得られる新規なセルロースエステル繊維が提案されている(特許文献1〜3参照)。具体的に、特許文献1では発色性および速乾性に優れたセルロースアセテートプロピオネート繊維が提案されており、特許文献2、3では機械的特性の優れたセルロース脂肪酸混合エステル繊維が提案されている。しかしながら、これらの提案にかかるセルロースエステル繊維は、それを120℃の温度で高温染色すると、繊維強度が大きく低下してしまい実用上に耐えうるものではなくなってしまうため、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維などと同浴で染色できないという課題があった。そのため、セルロース脂肪酸混合エステル繊維は、PET繊維等と混用して衣料用複合素材とすることが困難であることから、単独使用にほとんど限られてしまい、利用展開には制限を受けていた。ちなみに、特許文献1の実施例において、セルロース脂肪酸混合エステル繊維(セルロースアセテートプロピオネート)の染色温度は90℃であり、PETの染色温度(比較例)は130℃であり、同浴での染色は困難であった。
また別に、本発明とは異なる置換度を有する2種類のセルロースエステルをブレンドした成形品が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この提案では、本発明のように、ある特定要件を満たす可塑剤とセルロースアセテートの添加により溶融紡糸に好適である熱可塑性セルロースエステル組成物が得られ、さらに得られる繊維は高温染色処理後の機械的特性が改善される点については何ら示唆されていない。
特開2004−169242号公報 特開2004−27378号公報 特開2004−182979号公報 特開2007−277582号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、120℃の温度のような高温染色処理を行った後も優れた機械的特性を維持することができ、特にポリエステル繊維との混繊、交編および交織に適した繊維のための熱可塑性セルロースエステル組成物およびそれからなる繊維を提供することにある。
本発明者らは上記した課題を解決するために鋭意検討を行った結果、セルロース脂肪酸混合エステルと可塑剤に、特定のセルロースアセテートを添加した熱可塑性組成物を繊維化することにより、高温染色処理後も優れた機械的特性を維持できる繊維を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成を有するものである。
本発明の第1の発明は、平均置換度が2.4〜2.8のセルロース脂肪酸混合エステル70〜95重量%と、可塑剤5〜25重量%と、平均置換度が2.3〜2.6のセルロースアセテート1〜10重量%とを少なくとも含んでなる熱可塑性セルロースエステル組成物である。
第2の発明は、前記のセルロース脂肪酸混合エステルがセルロースアセテートプロピオネートである。
第3の発明は、平均置換度が2.4〜2.8のセルロース脂肪酸混合エステル70〜95重量%と、可塑剤5〜25重量%と、平均置換度が2.3〜2.6のセルロースアセテート1〜10重量%とを少なくとも含んでなる熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維である。
第4の発明は、前記の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維を少なくとも一部に用いてなる繊維構造物である。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維は、高温染色処理を行った後も実用上に耐えうる良好な機械的特性を有するものであり、衣料用繊維として好適に用いることができる。このように、本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維は、120℃の温度のような高温染色処理を行った後も優れた機械的特性を維持することができることから、高温染色処理されるポリエステル繊維との混繊、交編および交織に適している。
以下、本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物およびそれからなる繊維について詳細に説明する。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物は、平均置換度が2.4〜2.8のセルロース脂肪酸混合エステル70〜95重量%と、可塑剤5〜25重量%と、平均置換度が2.3〜2.6のセルロースアセテート1〜10重量%とを少なくとも含んでなることが重要である。
本発明で用いられるセルロース脂肪酸混合エステルとは、セルロースのグルコースユニットに存在する3つの水酸基が2種類以上のアシル基により封鎖されたものをいう。配合される可塑剤や別種の構成成分であるセルロースアセテートとの混和性、熱可塑性、製糸操業性およびコスト面等の観点から、セルロース脂肪酸混合エステルとしては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート、セルロースアセテートヘキサノエート、セルロースアセテートオクタノエート、セルロースアセテートデカノエートなどが挙げられ、なかでもセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられる。
本発明で用いられるセルロース脂肪酸混合エステルの平均置換度は2.4〜2.8である。平均置換度を2.4〜2.8の範囲内とすることでセルロース脂肪酸混合エステルの熱可塑性が良好となり、溶融紡糸法による安定した繊維化が可能となる。また、このようにすることによりセルロースアセテートとの混和性にも優れ、混練性や製糸操業性が良好となる。セルロース脂肪酸混合エステルの平均置換度は、より好ましくは2.5〜2.7である。なお平均置換度とは、セルロースのグルコース単位あたりに存在する3つの水酸基のうちアシル基が化学的に結合した数を指し、平均置換度の最大値は3.0である。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物中のセルロース脂肪酸混合エステルの含有量は、70〜95重量%である。セルロース脂肪酸混合エステルの含有量が70重量%未満では、セルロース脂肪酸混合エステルが有する吸湿性や発色性などの特徴が損なわれ、また95重量%を超えると熱流動性が不十分となり溶融紡糸が困難となる。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物中のセルロース脂肪酸混合エステルの重量平均分子量は、繊維の機械的特性、製糸操業性およびポリマーの耐熱分解性の観点から5〜30万であることが好ましく、より好ましくは8〜27万であり、更に好ましくは10〜25万である。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物は、セルロースアセテートを1〜10重量%の範囲で含有するものである。本発明の効果は、特定要件を満たすセルロースアセテートを用いることにより発現する。アセテートを含んでいないセルロース脂肪酸エステルを主成分とする組成物からなる繊維を高温染色処理すると、繊維構造の秩序化が著しく進行してしまい、高温染色処理後の機械的特性が低下してしまう。
一方、本発明のセルロースアセテートを含む熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維の場合、高温染色処理後も良好な機械的特性を有している。本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物の主成分であるセルロース脂肪酸混合エステルの溶融粘度に比較して、セルロースアセテートの溶融粘度は大幅に高い値を示す。そのため、溶融紡糸による繊維化を行った場合、セルロースアセテートを含んでいない組成物の繊維糸条の細化変形挙動に比べて、セルロースアセテートを含む組成物の繊維糸条の細化変形挙動は、紡糸線上流側で細化変形が進行する。そのため、セルロース脂肪酸混合エステルが本来細化変形しない領域で、セルロースアセテートによりセルロース脂肪酸混合エステルの細化変形が強制的に進行することとなる。その結果、セルロースアセテートを含む熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維の紡糸応力は低減し、得られる繊維は、セルロース脂肪酸混合エステルの分子配向が抑制されたものとなる。なおアセテートを含む熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維では、セルロースアセテートが繊維内にnmオーダーで微分散している。この繊維を高温染色処理すると、セルロースアセテートが主成分であるセルロース脂肪酸混合エステルの繊維構造の秩序化を抑制するため、その結果、高温染色処理後も良好な機械的特性を保持できる。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物は、セルロースアセテートを1〜10重量%の範囲で含有するものである。セルロースアセテートの含有量が1重量%未満では、繊維としたときの高温染色処理時の機械的特性を保持する効果が小さくなる。また、その含有量が10重量%を超えると、繊維化の際に製糸操業性が不十分となったり、溶融紡糸が困難となったり、機械的特性が低下してしまう。熱可塑性セルロースエステル組成物中のセルロースアセテートの含有量は、より好ましくは2〜9重量%であり、更に好ましくは3〜8重量%である。
本発明で用いられるセルロースアセテートの平均置換度は、2.3〜2.6である。セルロースアセテートの平均置換度が上記範囲を満たしている場合、高温染色処理後の機械的特性の低下を抑制できる。また、セルロース脂肪酸混合エステルとの混和性が良好となり、セルロース脂肪酸混合エステル中に微分散するため溶融紡糸での繊維化を行っても、製糸操業性の悪化が生じない。平均置換度は、上記のとおりセルロースのグルコース単位あたりに存在する3つの水酸基のうちアシル基が化学的に結合した数を指し、平均置換度の最大値は3.0である。
本発明で用いられるセルロースアセテートの平均重合度は100〜200であることが好ましい。セルロースアセテートの平均重合度が前記範囲を満たす場合、熱可塑性セルロースエステル組成物を加熱溶融させると、該組成物に含まれるセルロースアセテートの熱流動性が良化し、繊維化の際、変形性が十分となるため、糸切れが多発せず製糸操業性が安定化し、またセルロースアセテートは繊維内にnmオーダーで微分散化するため、紡出糸や高温染色処理後の機械的特性も良好となる。セルロースアセテートの平均重合度は120〜180であることがより好ましい。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物中の可塑剤の含有量は、5.0〜25.0重量%である。可塑剤を5.0重量%以上とすることにより、組成物の溶融粘度を低減でき溶融紡糸の製糸操業性が良好となる。また、可塑剤を25.0重量%以下とすることにより、得られる繊維はセルロース脂肪酸混合エステルとしての特性を維持し、また繊維の機械的特性の低下を生じさせず、高次加工工程での通過性が良好となる。可塑剤の含有量は、より好ましくは8.0〜22.0重量%であり、更に好ましくは10.0〜20.0重量%である。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物に含まれる可塑剤としては、例えば、ポリアルキレングリコール系化合物、グリセリン系化合物、カプロラクトン系化合物、フタル酸エステル化合物、脂肪族二塩基酸エステル、ポリエステル系化合物、エポキシ系化合物、リン酸エステル系化合物およびトリメリット酸エステル系化合物などが挙げられるが、これらを単独もしくは併用して使用することができる。特に、熱可塑性セルロースエステル組成物の構成成分であるセルロース脂肪酸混合エステルおよびセルロースアセテートとの相溶性が良好であり、溶融紡糸の可能な熱可塑化効果が顕著に現れるポリアルキレングリコール系化合物、グリセリン系化合物、カプロラクトン系化合物、フタル酸エステル化合物および脂肪族二塩基酸エステルがより好ましく用いられる。なかでも、高次加工工程で水などを用いて可塑剤を溶出することができ、溶融紡糸の際に発煙などを起こすことがないポリアルキレングリコール系化合物が特に好ましく用いられる。
ポリアルキレングリコール系化合物の具体的な例としては、重量平均分子量が好ましくは200〜4000であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリブチレングリコールなどが挙げられ、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物は、ホスファイト系酸化防止剤を含有していることが好ましく、ホスファイト系酸化防止剤としては特にペンタエリスリトール系化合物が好ましく用いられる。熱可塑性セルロースエステル組成物がホスファイト系酸化防止剤を含有している場合、紡糸温度が高い範囲および低吐出領域においてもセルロース脂肪酸混合エステルの熱分解防止効果が非常に顕著であり、繊維の機械的特性の悪化が抑制され、得られる繊維の色調が良好になる。ホスファイト系酸化防止剤の配合量は、熱可塑性セルロースエステル組成物に対して0.005重量%〜0.500重量%であることが好ましい。
また、本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物は、安定した溶融紡糸を可能とするため、適度な熱流動性を有している必要がある。紡糸パック内での剪断速度は30sec−1以下と非常に低剪断速度であり、安定した溶融紡糸を可能とするためには、温度が260℃で剪断速度が24sec−1における溶融粘度が、50〜500Pa・secの範囲であることが好ましく、100〜450Pa・secの範囲であることがより好ましい態様である。温度が260℃で剪断速度が24sec−1における溶融粘度は、毛管形レオメーターで求められる値であり、実施例で詳細に説明する。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物には、その特性を損なわない範囲で艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、着色防止剤、着色顔料、染料、制電剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤および蛍光増白剤等として、無機微粒子や有機化合物を必要に応じて含有しても良い。
次に本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維について説明する。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維は、平均置換度が2.4〜2.8のセルロース脂肪酸混合エステル70〜95重量%と、可塑剤5〜25重量%と、平均置換度が2.3〜2.6のセルロースアセテート1〜10重量%とを少なくとも含んでなるものである。本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維を構成するセルロース脂肪酸混合エステル、可塑剤およびセルロースアセテートの詳細は、前述した熱可塑性セルロースエステル組成物と同じである。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維は、このような組成とすることにより、高温染色処理を行った後も、優れた機械的特性を維持することができる。セルロースアセテートプロピオネート等の従来のセルロース脂肪酸混合エステルからなる繊維は、例えば特開2004−169242号公報で見られるように、機械的特性の低下を抑制するため、通常100℃未満で染色されている。そのため、ポリエステル繊維等の高温下での染色処理は困難であり、高温染色処理を行うと機械的特性が大きく低下してしまうため、もはや実用上に耐えるものではなかった。しかしながら、本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維は、高温染色処理を施しても、繊維の機械的特性の低下を抑制することができるため、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルからなる繊維との混用が可能である点が大きな特徴である。
高温染色処理後の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維の強度は、0.5cN/dtex以上であり、またその伸度は、5%以上であることが好ましい。強度および伸度が前記特性値を満たすことにより、着用時や使用時等、実用上、十分に耐えうるものとなり、製品品位の悪化や実用上での耐久性不良が起こらない。高温染色処理後の強度は高ければ高いほど好ましいが、0.6cN/dtex以上であることがより好ましく、更に好ましくは0.7cN/dtex以上である。また、伸度はより好ましくは10%以上であり、更に好ましくは15%以上である。なおここでいう高温染色処理とは、ポリエステル繊維の染色温度を想定した120℃の温度で60分間の熱水処理を指す。
なお、本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維における可塑剤の含有量は、例えば次のような方法により定量できる。可塑剤は水や有機溶剤等を用いた抽出処理により抽出できるため、処理前後で減少した重量分が組成物に含まれる可塑剤量に相当する。例えば可塑剤がポリアルキレングリコールである場合、メタノールを用いたソックスレー抽出法により可塑剤量を定量できる。あるいは精練工程前後の重量変化を測定することでも定量が可能である。
また、本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維から、セルロース脂肪酸混合エステルおよびセルロースアセテートは、両成分の溶剤溶解性の差異を利用して次のような方法により分離して評価することができる。すなわち溶剤として、塩化メチレンあるいはクロロホルムを用いると、該溶剤にはセルロース脂肪酸混合エステルは溶解し、一方、セルロースアセテートは溶解せず沈殿する。これを濾過で固液分離した後、溶剤を除去することで、セルロース脂肪酸混合エステルとセルロースアセテートを分離することができる。そして分離後のそれぞれの重量を測定することで、組成物中の両成分の含有量を定量することができる。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維の製造方法としては、例えば次のような方法を採用することができる。
すなわち、平均置換度が2.4〜2.8のセルロース脂肪酸混合エステルと可塑剤と平均置換度が2.3〜2.6のセルロースアセテートとを少なくとも含んでなる組成物を、2軸混練機などを用いて、成形温度180〜280℃の範囲でペレット化する。この熱可塑性セルロースエステル組成物には、前述したホスファイト系着色防止剤を含んでいても構わず、発明の主旨を損ねない範囲でその他の樹脂や添加剤を含んでいても構わない。
本発明では、溶融紡糸を行う前に、この熱可塑性セルロースエステル組成物を乾燥させ、この組成物の含水分率を0.3%以下としておこくことが好ましい。含水分率が0.3%以下である場合、溶融紡糸時、水分により発泡することもなく、安定して紡糸を行うことができ、得られるマルチフィラメント等の繊維の機械的特性も良好となる。含水分率は、より好ましくは0.2%以下であり、更に好ましくは0.1%以下である。
本発明では、この熱可塑性セルロースエステル組成物を溶融紡糸して繊維を得ることができる。溶融紡糸を行うことにより、熱可塑性セルロースエステル組成物の溶融状態から冷却固化に至るまでに十分に発達した繊維構造を形成させることが可能となり、加えて環境負荷が小さく、生産性にも優れている。
溶融紡糸の方法としては、乾燥したペレットを、例えばエクストルーダーにより溶融し計量ポンプで計量後、紡糸ブロックに内蔵された紡糸パックに送り、パック内でポリマーを濾過した後、紡糸口金より吐出して繊維糸条とする。
紡出された繊維糸条は、冷却装置によって一旦冷却・固化された後、給油装置で油剤が付与され、第1ゴデットローラーで引き取られ、第2ゴデットローラーを介して、巻取機で巻き取られて、巻取糸となる。製糸安定性と機械的特性を向上させるために、必要に応じて、紡糸口金下に2〜20cmの加熱筒や保温筒を設置しても良いし、交絡装置で交絡を付与しても良い。
溶融紡糸における紡糸温度は、220℃〜280℃の範囲であることが好ましい。紡糸温度を220℃以上とすることにより、紡糸口金より吐出された繊維糸条の伸長粘度が十分に低下するため、メルトフラクチャー(紡糸口金孔通過時においてポリマーの剪断応力が高いと流線乱れが発生し、紡糸口金より吐出された糸条の形状が不規則になる現象)起因の短ピッチの周期斑が現れず、均一な繊維を得ることができる。更には、紡糸口金から吐出された繊維糸条の細化過程がスムーズになるため、機械的特性が良好となり、また紡糸張力が過度に高くならないため糸切れが多発せず、製糸操業性が安定する。また、紡糸温度を280℃以下とすることにより、熱可塑性セルロースエステル組成物の熱分解を抑制することができるため、得られる繊維の分子量低下による機械的特性不良や着色による品位悪化が発生しない。紡糸温度は、より好ましくは230℃〜270℃の範囲である。
紡糸速度は、500m/分〜3000m/分であることが好ましい。紡糸速度を500m/分〜3000m/分とすることにより、発達した繊維構造を形成することが可能となり、機械的特性に優れた繊維を得ることができる。紡糸速度は、より好ましくは1000m/分〜2500m/分である。
巻き取られた繊維は、延伸しても良い。延伸を施すことにより、高温染色処理時の強度低下の改善効果を高めることができる。延伸は引き取った繊維を一旦巻き取った後、別工程でローラーを用いて延伸しても良いし、引き取った繊維を巻き取ることなく連続して延伸させても良い。延伸する際には、均一な延伸を行うために繊維を軟化させることが好ましく、加熱ローラーや熱板に繊維を連続して接触させるなど、公知の手法によって繊維を熱軟化させる手法が好適に採用できる。この際の加熱温度は、繊維同士を融着させることなく適度に軟化させるため80〜180℃程度の温度が好ましく、100〜160℃の温度がより好ましい。また、本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維は、湿潤下で軟化するため、温水や有機溶媒および水/有機溶媒混合液に接触させ軟化させることも好ましい実施態様である。延伸倍率は、1.03〜1.70倍が好ましい。延伸倍率が1.03倍未満では、高温染色処理時の強度低下の改善効果は小さく、延伸倍率が1.70倍以上では糸切れなどにより延伸性が不良となる。
上記方法で得られた熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維の強度は、0.5〜2.0cN/dtexであり、伸度は10〜60%であることが好ましい。強度が0.5cN/dtex以上であれば、単独であるいは他素材との混繊、撚糸、仮撚などの糸加工工程や製織や製編時など高次加工工程の通過性や取扱性が良好となる。良好な強度特性の観点から、強度は高ければ高いほど好ましいが、0.6cN/dtex以上であることがより好ましく、更に好ましくは0.7cN/dtex以上である。
一方、伸度については、伸度を10%以上とすることにより、高温染色処理後の繊維特性が良好となるほか、紡糸の際、毛羽の発生を抑制することができ、また紡糸工程以降の例えば撚糸、整経、製織および製編工程等の通過性が向上する。また、低応力下での繊維の変形を抑制し、また製織時の緯ひけなどによる最終製品の染色欠点を防止するために、伸度は60%以下であることが好ましい。伸度は、より好ましくは15〜55%であり、更に好ましくは20〜50%である。
繊度変動値(U%)は、1.5%以下であることが好ましい。繊度変動値(U%)は、繊維長手方向における太さ斑の指標であり、ツェルベガーウースター社製ウースターテスターにより求めることができる。繊度変動値(U%)が1.5%以下であれば、繊維長手方向の均一性が優れていることを指し、織編物に加工する際、毛羽や糸切れが発生しにくく、また染色を行っても、部分的に強い染め斑、染め筋などの欠点が発生せず、高品位な織編物となる。繊度変動値(U%)は小さい程よく、より好ましくは1.3%以下であり、更に好ましくは1.0%以下である。繊度変動値(U%)の測定条件に関しては、実施例で詳細に説明する
単繊維繊度については、必要特性に応じて任意に設定することができる。また単糸断面形状に関しても、例えば円形、楕円形、三角および四角等の多角形、および扁平や中空等の異型断面形状などを採用することができる。また、繊維の形態についても、モノフィラメント、マルチフィラメントおよびステープル等のいずれの形態でも良い。
紡糸して得られた繊維、あるいは紡糸、延伸して得られた繊維からは、セルロース脂肪酸混合エステル繊維としての特徴をさらに高め、また製品耐久性の向上や熱軟化温度も高くなるなど製品の取扱性を向上させるために、可塑剤を溶出しても良い。可塑剤はその全てを溶出しても良いが、一部でも溶出すれば、セルロース脂肪酸混合エステル繊維の特徴や製品の取扱性を高めることができる。可塑剤を溶出した場合、染色処理後の最終製品における熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維に含まれる可塑剤量は、好適には0〜25重量%の範囲となる。
可塑剤の溶出は製糸工程と連続して行っても良く、また一旦巻き取った後、パッケージの形態で抽出しても良く、さらに織編物や不織布とした状態で抽出しても良い。抽出方法としては、可塑剤の温水、熱水および有機溶剤等の溶剤を繊維に接触させることが工業的な簡便性の点から好ましく、溶剤は水を主成分とすることが環境負荷を低減させる観点から好ましい態様である。抽出する温度および時間は、可塑剤の種類や添加量によって変わるため一概に限定できないが、本発明者らの知見からは処理温度は20〜90℃程度が、そして処理時間は1秒〜120分程度が好ましい。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維は、高温染色処理を施しても、繊維の機械的特性の低下を抑制することができるため、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維との混用が可能であり、他種繊維の混用の形態としては、混繊、混紡、交織および交編などの手法が採用される。
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維を用いた織編物等の布帛は、上記繊維を常法によって製織あるいは製編することにより得られるが、布帛を形成する際には熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維を構成成分とすることが重要である。布帛が複数種の繊維から構成される場合は、布帛を構成する複数の繊維の中でも、熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維の混率を1番目もしくは2番目に高くする必要がある。
複数種の繊維からなる布帛の例として、ストレッチ性を持たせるためにポリウレタン繊維等の弾性繊維と混合した織編物が挙げられる。また、熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維を経糸または緯糸のみに用いた織物、さらには綿、絹、麻および羊毛等の天然繊維、レーヨンやセルロースアセテート等の再生繊維・化学繊維およびポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリオレフィン、ポリウレタン等からなる合成繊維と合撚、複合加工する方法などが挙げられる。
編物の組織としては、平編、ゴム編、パール編および両面編等のよこ編やトリコット等のたて編が挙げられる。編物の場合には、製編を行った後、精練し、必要に応じて熱セット、染色、仕上げセットを行う。また、織物の組織としては、平織、斜文織および朱子織等が挙げられる。織物の場合には、整経、糊付けおよび製織を行った後、精練し、必要に応じて熱セット、染色、仕上げセットを行う。またこれらの前工程として仮撚や流体噴射加工などを行い、繊維に嵩高性を持たせることも可能である。
染色方法としては、チーズ染色、液流染色およびドラム染色などの手法を採用することができる。染料は、アセテート用およびポリエステル用の分散染料を好適に用いることができる。染色温度も80〜140℃の温度であれば、機械的特性および発色性に優れた繊維または布帛を得ることができる。染色加工に用いる装置としては、繊維の状態で染色するチーズ染色機、布帛の状態で染色する液流式染色機、ウインス、ジッカー、ビーム染色機、ガーメント染色を行うドラム染色機のような通常使用されている公知の染色機を用いることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。実施例中の各特性値は、次の方法で求めたものである。
A.セルロース脂肪酸混合エステルの平均置換度
80℃の温度で8時間乾燥したセルロース脂肪酸混合エステル0.9gを秤量し、これにアセトン35mlとジメチルスルホキシド15mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。これに、撹拌しながら0.5N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化処理した。次にこれに熱水50mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5N−硫酸で滴定した。別に上記の試料と同じ方法で、空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式によりセルロース脂肪酸混合エステルの平均置換度を計算した。
・TA=(B−A)×F/(1000×W)
・DSace=(162.14×TA)/[{1−(Mwace−(16.00+1.01))×TA}+{1−(Mwacy−(16.00+1.01))×TA}×(Acy/Ace)]
DSacy=DSace×(Acy/Ace)
上記式中、
TA:全有機酸量(ml)
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:硫酸の力価
W:試料重量(g)
DSace:アセチル基の平均置換度
DSacy:アシル基の平均置換度
Mwace:酢酸の分子量
Mwacy:他の有機酸の分子量
Acy/Ace:酢酸(Ace)と他の有機酸(Acy)とのモル比
162.14:セルロースの繰り返し単位の分子量
16.00:酸素の原子量
1.01:水素の原子量。
B.セルロースアセテートの平均置換度
セルロースアセテートの平均置換度は、セルロースアセテートの酢化度を求めた後、下記式により算出した。
平均置換度=(酢化度×3.86)/(142.9−酢化度)
酢化度は、ASTM D−817−91(セルロースアセテートなどの試験方法)の酢化度の測定方法に準拠して測定できる。まず、乾燥したセルロースアセテート1.9gを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)150mlに溶解した後、1N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを添加し、25℃で2時間ケン化した。次に、フェノールフタレイン溶液を指示薬として添加し、1N−硫酸で過剰の水酸化ナトリウムで滴定した後、下記式にしたがって酢化度を算出した。なお、同様の方法により、ブランクテストを行った。
酢化度(%)=[6.005×(B−A)×F]/W(式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸のml数、Bはブランクテストの滴定に要した1N−硫酸のml数、Fは1N−硫酸の濃度ファクター、Wは試料重量を示す)。
C.セルロース脂肪酸混合エステルの重量平均分子量の測定
試料をテトラヒドロフランに完全溶解させ、これを用いてWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー2690を用い、ポリスチレン換算で重量平均分子量を算出した。
D.溶融粘度
東洋精機社製キャピログラフ1Bを用い、L=40mm、D=1mmのダイを用いて、温度260℃、剪断速度24sec−1(ヘッドスピード2mm/min)で測定した値を溶融粘度[Pa・sec]とした。測定に供したペレットは、測定前に80℃の温度で8時間の真空乾燥を行い、測定時には組成物の熱分解の影響を避けるためペレットの充填開始後10分以内に測定を行った。
E.紡出糸と延伸糸の強度と伸度
温度20℃、湿度65%の環境下において、島津製作所製オートグラフAG−50NISMS形を用いて、試料長20cm、引張速度20cm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重を示す点の応力[cN]を初期繊度[dtex]で除した値を引張強度[cN/dtex]とした。また、そのときの伸度を伸度[%]とした。測定回数は5回とし、その平均値を強度と伸度とした。
F.高温染色処理前後の強度と伸度
紡糸して得られた繊維を英光産業株式会社製筒編機(MODEL No.NCR−BL、釜径3インチ半、針本数300本)を用いて筒編地を作成し、得られた筒編地(長さ15cm程度)を精練処理した。この処理の際、繊維に水溶性可塑剤が含まれている場合には、可塑剤を溶出させた。その後、ポリエステル繊維の染色条件を想定した120℃の温度で60分間の高温染色処理を行った。高温染色処理前(精練処理後)および高温染色処理後の強度および伸度の測定は、筒編地を分解し繊維を取り出し、上記D項と同様の測定方法で実施した。
G.繊度変動値(U%)
U%測定(ハーフモード)は、ツェルベガーウースター社製ウースターテスター4−CXにより、下記条件にて測定して求めた。測定回数は5回であり、その平均値をU%とした。
測定速度 :200m/分
測定時間 :2.5分
測定繊維長:500m
撚り :S撚り、12000/m
H.製糸操業性評価
熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維を製糸する際、10kgの製糸評価を行い、下記の基準で評価した。◎および○を合格とした。
◎:糸切れ回数が0回(製糸操業性が極めて良好)
○:糸切れ回数が1〜2回(製糸操業性が良好)
×:糸切れ回数が3回以上(製糸操業性が不良)。
(製造例1)
セルロース(コットンリンター)100重量部に、酢酸240重量部とプロピオン酸67重量部を加え、50℃の温度で30分間混合した。得られた混合物を室温(20℃)まで冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸172重量部と無水プロピオン酸168重量部をエステル化剤として、硫酸4重量部をエステル化触媒として加えて、150分間撹拌を行い、エステル化反応を行った。エステル化反応において、40℃の温度を超えるときは、水浴で冷却した。反応後、反応停止剤として酢酸100重量部と水33重量部の混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸333重量部と水100重量部を加えて、80℃の温度で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム6重量部を含む水溶液を加えて、析出したセルロースアセテートプロピオネートを濾別し、続いて水で洗浄した後、60℃の温度で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネート(CAP)のアセチル基およびプロピオニル基の平均置換度は、各々1.9と0.7であり、重量平均分子量は17.2万であった。
このようにして得られたCAP81.5重量%と、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)18.4重量%およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%を、二軸エクストルーダーを用いて240℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして熱可塑性セルロースエステル組成物ペレットを得た。
(実施例1)
製造例1で得られたCAP/PEG600/酸化防止剤組成物と、セルロースアセテート/ジエチルフタレート(63/37)組成物(ダイセルファインケム株式会社製「アセチ(グレード37%)」、セルロースアセテートの平均置換度2.4、平均重合度140)を、表1に示す重量比率で混合し、この混合物を紡糸組成物とした。この混合物を80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率450ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度260℃で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.46mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機で巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が0.75cN/dtexで伸度は48.2%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.08cN/dtexで伸度が19.0%であり、良好な特性を維持していた。
(実施例2〜3)
製造例1で得られたCAP/PEG600/酸化防止剤組成物とセルロースアセテート/ジエチルフタレート(63/37)組成物(ダイセルファインケム株式会社製「アセチ(グレード37%)」)を、表1に示す重量比率に変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸を行った。
実施例2で得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が0.55cN/dtexで、伸度が53.9%であり、良好な特性を有していた。この繊維を用いて実施例1と同条件で筒編地を作成し、続いて精練および高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が0.87cN/dtexで伸度が22.1%であり、良好な特性を維持していた。製糸操業性に関しては、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
また、実施例3で得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が0.95cN/dtexであり、伸度が34.6%であり、良好な特性を有していた。この繊維を用いて実施例1と同条件で筒編地を作成し、続いて精練および高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.24cN/dtexで伸度が7.5%であり、良好な特性を維持していた。製糸操業性に関しては、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
(実施例4)
イーストマンケミカル社製セルロースアセテートプロピオネート(CAP482−20、置換度2.7(アセチル基平均置換度0.2、プロピオニル基平均置換度2.5)、重量平均分子量18.5万)とダイセル化学工業株式会社製セルロースアセテート(品種L−40、平均置換度2.4、平均重合度160)と平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを、表1に示す重量比率で二軸エクストルーダーを用いて230℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして、熱可塑性セルロースエステル組成物のペレットを得た。
この混合物のペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率510ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度265℃で紡糸口金(吐出孔直径0.18mm、孔長0.54mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1000m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機に巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−48フィラメント)は、強度が0.86cN/dtexで伸度が38.0%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.22cN/dtexで伸度が10.1%であり、良好な特性を維持していた。
(実施例5)
セルロース脂肪酸混合エステル、セルロースアセテートおよび可塑剤の比率を、表1に示す比率に変更したこと以外は、実施例4と同様の方法で熱可塑性セルロースエステル組成物からなるペレットを得た。このペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率600ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度250℃で紡糸口金(吐出孔直径0.25mm、孔長0.5mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度2500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機に巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは2回であり、製糸操業性は良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−12フィラメント)は、強度が0.92cN/dtexで伸度が36.1%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を50℃の温度で30分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.05cN/dtexで伸度が21.1%であり、良好な特性を維持していた。
(製造例2)
製造例1においてエステル化剤の仕込み量を変更することにより、アセチル基およびプロピオニル基の平均置換度が各々1.7、0.8であるセルロースアセテートプロピオネート(CAP)を得た(重量平均分子量は17.2万)。
(実施例6)
製造例2のセルロースアセテートプロピオネート、ダイセル化学工業株式会社製セルロースアセテート(品種L−40、平均置換度2.4、平均重合度160)、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)、リン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(0.1重量%)、艶消し剤として二酸化チタン(0.3重量%)を、表1に示す重量比率で二軸エクストルーダーを用いて240℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして、熱可塑性セルロースエステル組成物のペレットを得た。
このペレットを、80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率410ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度255℃で紡糸口金(吐出孔直径0.2mm、孔長0.4mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度2000m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機に巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは1回であり、製糸操業性は良好であった。得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−36フィラメント)は、強度が0.80cN/dtexで伸度が42.6%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を80℃の温度で20分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が0.95cN/dtexで伸度が26.1%であり、良好な特性を維持していた。
Figure 0005668288
(実施例7)
実施例1で紡糸して得られた繊維を、予熱温度140℃、セット温度160℃、延伸倍率1.10倍、および延伸速度200m/分の条件で延伸し延伸糸を得た。得られた延伸糸の強度は0.89cN/dtexで伸度は34.2%であり、良好な特性を有していた。次に、このようにして得られた延伸糸を用いて、実施例1と同様に筒編地を作成し、精練処理と高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.15cN/dtexで伸度が15.3%であり、良好な特性を維持していた。
(実施例8)
製造例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート77重量%と、ダイセル化学社製セルロースアセテート(品種L−70、平均置換度2.4、平均重合度180)5重量%、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.9重量%およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%を、二軸エクストルーダーを用いて250℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして熱可塑性セルロースエステル組成物ペレットを得た。
この混合物のペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率440ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度260℃で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.60mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機に巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が1.06cN/dtexで伸度が31.5%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.26cN/dtexで伸度が10.1%であり、良好な特性を維持していた。
(実施例9)
製造例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート77重量%と、ダイセル化学社製セルロースアセテート(品種L−20、平均置換度2.4、平均重合度140)5重量%、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.9重量%およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%を、二軸エクストルーダーを用いて250℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして熱可塑性セルロースエステル組成物ペレットを得た。
この混合物のペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率390ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度260℃で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.60mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機に巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種200デシテックス−48フィラメント)は、強度が0.73cN/dtexで伸度が28.1%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が0.98cN/dtexで伸度が7.6%であり、良好な特性を維持していた。
(実施例10)
製造例1で得られたセルロースアセテートプロピオネート77重量%と、ダイセル化学社製セルロースアセテート(品種L−30、平均置換度2.4、平均重合度150)5重量%、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.9重量%およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%を、二軸エクストルーダーを用いて250℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして熱可塑性セルロースエステル組成物ペレットを得た。
この混合物のペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率370ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度260℃で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.60mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機に巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が0.99cN/dtexで伸度が33.8%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.18cN/dtexで伸度が7.8%であり、良好な特性を維持していた。
(実施例11)
イーストマンケミカル社製セルロースアセテートブチレート(CAB171−15、アセチル基平均置換度2.0、ブチリル基平均置換度0.7)76重量%と、ダイセル化学社製セルロースアセテート(品種L−70、平均置換度2.4、平均重合度180)3重量%、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)20.8重量%およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.2重量%を、二軸エクストルーダーを用いて240℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして熱可塑性セルロースエステル組成物ペレットを得た。
この混合物のペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率300ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度260℃で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.60mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度2000m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機に巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−36フィラメント)は、強度が0.91cN/dtexで伸度が35.8%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.20cN/dtexで伸度が14.4%であり、良好な特性を維持していた。
(実施例12)
実施例8で用いた可塑剤をPEG600からPEG400/トリアセチン混合物(重量比1:1)に変更した以外は実施例8と同様に混練を行い、熱可塑性セルロースエステル組成物ペレットを得た。
この混合物のペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率540ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度260℃で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.60mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機に巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が1.00cN/dtexで伸度が34.8%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が1.23cN/dtexで伸度が12.0%であり、良好な特性を維持していた。
Figure 0005668288
(比較例1)
製造例1で得られたCAP/PEG600/酸化防止剤組成物を、80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率470ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度260℃の温度で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.46mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機にて巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり、製糸操業性は極めて良好であった。
得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が1.25cN/dtexで伸度が26.4%であり、良好な特性を有していた。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が0.20cN/dtexで伸度が3.2%であり、紡出糸や処理前の繊維と比べ繊維特性は大きく低下していた。
(比較例2)
製造例1で得られたCAP/PEG600/酸化防止剤組成物とセルロースアセテート/ジエチルフタレート(63/37)組成物(ダイセルファインケム株式会社製「アセチ(グレード37%)」)を、表2に示す重量比率に変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸を行った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは0回であり製糸操業性は極めて良好であった。得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が1.20cN/dtexで伸度が25.4%であり、良好な特性を有していた。この繊維を用いて実施例1と同条件で筒編地を作成し、続いて精練および高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が0.22cN/dtexで伸度が3.4%であり、紡出糸や処理前の繊維と比べ繊維特性は大きく低下していた。
(比較例3)
製造例1で得られたCAP/PEG600/酸化防止剤組成物とセルロースアセテート/ジエチルフタレート(63/37)組成物(ダイセルファインケム株式会社製「アセチ(グレード37%)」)を、表2に示す重量比率に変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸を行ったが、組成物中のセルロースアセテートの含有量が多いことに起因して、糸切れが多発し巻取糸を得ることができなかった。
(比較例4)
製造例1のセルロースアセテートプロピオネートと、ダイセル化学工業株式会社製セルローストリアセテート(LT−105、平均置換度2.9、平均重合度360)と、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイを、表2に示す重量比率で二軸エクストルーダーを用いて260℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして、熱可塑性セルロースエステル組成物のペレットを得た。このペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後、実施例1と同様にして紡糸を行ったが、溶融紡糸組成物の粘度が高いため、糸切れが多発し繊維の巻取を行うことができなかった。
(製造例3)
製造例1においてエステル化剤の仕込み量を変更することにより、アセチル基およびプロピオニル基の平均置換度が各々2.0、0.9であるセルロースアセテートプロピオネート(CAP)を得た(重量平均分子量は18.7万)。
(比較例5)
製造例3のセルロースアセテートプロピオネート(置換度2.9(アセチル基平均置換度2.0、プロピオニル基平均置換度0.9)、重量平均分子量18.7万)と、ダイセル化学工業株式会社製セルロースアセテート(品種L−40、平均置換度2.4、平均重合度160)と、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを、表2に示す重量比率で二軸エクストルーダーを用いて260℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして、熱可塑性セルロースエステル組成物の混合物からなるペレットを得た。このペレットを80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率605ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度270℃で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.46mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機にて巻き取った。製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは4回であり、製糸操業性は不良であった。得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が0.35cN/dtexで伸度が9.4%であり、繊維特性は不良であった。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機を用いて筒編地を作成したが、筒編地の作成中に糸切れが多発し、筒編地を得ることができなかった。
(製造例4)
製造例1においてエステル化剤の仕込み量を変更することにより、アセチル基およびプロピオニル基の平均置換度が各々1.8、0.4であるセルロースアセテートプロピオネート(CAP)を得た(重量平均分子量は14.3万)
(比較例6)
製造例4のセルロースアセテートプロピオネートを用い(平均置換度2.2(アセチル基平均置換度1.8、プロピオニル基平均置換度0.4)、重量平均分子量14.3万)と、ダイセル化学工業株式会社製セルロースアセテート(品種L−40、平均置換度2.4、平均重合度160)と、平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを、表2に示す重量比率で二軸エクストルーダーを用いて260℃の温度で混練し、得られたガットを5mm程度にカッティングして、熱可塑性セルロースエステル組成物のペレットを得た。このペレットを、80℃の温度で12時間真空乾燥した後(乾燥後の水分率490ppm)、二軸エクストルーダーに供給し溶融させ、紡糸温度260℃の温度で紡糸口金(吐出孔直径0.23mm、孔長0.46mm)から吐出させ紡出糸条を得た。この紡出糸条を、風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却し、給油装置で油剤を付与して収束させ、第1ゴデットローラー(紡糸速度1500m/分)で引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機にて巻き取った。得られた繊維は、CAPとセルロースアセテートの混和性が悪く、製糸操業性評価を行ったところ、糸切れは3回であり製糸操業性は不良であった。得られた繊維(紡出糸品種100デシテックス−24フィラメント)は、強度が0.44cN/dtexで伸度が13.3%であり、繊維特性は不良であった。
次に、この繊維を用いて英光産業株式会社製筒編機にて筒編地を作成した。得られた筒編地を70℃の温度で15分間精練処理し、このとき繊維に含まれている水可溶性可塑剤であるPEG600を全量溶出させた。その後、120℃の温度で60分間の高温熱水処理を行った。高温熱水処理後の繊維特性は、強度が0.28cN/dtexで伸度が4.5%であり、処理前と比べ繊維特性は大きく低下していた。
Figure 0005668288
本発明の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維は、衣料用繊維、産業用繊維および不織布などとして用いることができ、高温染色が可能であることから特に衣料用繊維として、ポリエステルなどとの混繊、交織および交編に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 平均置換度が2.4〜2.8のセルロース脂肪酸混合エステル70〜95重量%と、可塑剤5〜25重量%と、平均置換度が2.3〜2.6のセルロースアセテート1〜10重量%とを少なくとも含んでなり、配合される前記各成分の総量は100重量%以下であることを特徴とする熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維。
  2. セルロース脂肪酸混合エステルがセルロースアセテートプロピオネートである請求項1記載の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維。
  3. 請求項1または2に記載の熱可塑性セルロースエステル組成物からなる繊維を少なくとも一部に用いてなる繊維構造物。
  4. 平均置換度が2.4〜2.8のセルロース脂肪酸混合エステル70〜95重量%と、可塑剤5〜25重量%と、平均置換度が2.3〜2.6のセルロースアセテート1〜10重量%とを少なくとも含んでなり、配合される前記各成分の総量は100重量%以下であることを特徴とす繊維用熱可塑性セルロースエステル組成物。
  5. 可塑剤がポリアルキレングリコール系化合物であることを特徴とする請求項4載の熱可塑性セルロースエステル組成物。
  6. セルロース脂肪酸混合エステルがセルロースアセテートプロピオネートである請求項4または5に記載の熱可塑性セルロースエステル組成物。
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