JP4893567B2 - サイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維 - Google Patents

サイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維 Download PDF

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Description

本発明は、優れた捲縮特性を有するサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維およびそれを用いた布帛に関するものである。
更に詳しくは、セルロース脂肪酸混合エステル組成物を主たる成分とする組成物とポリアミドからなるサイドバイサイド型複合繊維において、特定の複合比率であることを特徴とするサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維に関するものである。
セルロースエステル繊維は、ポリエステルやポリアミドなどの合成繊維にはない優れた特徴を有する繊維である。すなわち優雅な光沢、深みのある色調、発色性、ドライ感、吸湿性など衣料用繊維として多くの特性を有することから高級衣料用途として位置づけられてきた。
近年、衣料分野においては消費者ニーズの多様化、高級化の志向から、取扱性に優れ、しかもよりふっくらとした嵩高感、ソフト感などの性能を付与した繊維が求められている。
しかしながらセルロースエステル繊維は、ポリエステルやポリアミド等の合成繊維対比、収縮特性あるいは熱セット性が劣っているため、嵩高性等を付与することは困難であるが、近年以下の提案がなされている。
例えば特許文献1〜4では、しなやかなソフト風合いおよび大きなふくらみ感を発現できる潜在捲縮性セルロースアセテート繊維が提案されている。該文献では、酢化度の異なる2種のセルロースアセテートをサイドバイサイド型複合乾式紡糸した後、低酢化度のセルロースアセテート成分をセルロース化することで糸長差を発生させて捲縮特性を発現させている。該繊維は優れた捲縮特性を有しているものの、複合繊維の片側をセルロース化しているため、該繊維を用いた布帛は、湿潤下、例えば洗濯後には、プリーツの消失(プリーツの耐久性の低下)、寸法安定性の低下、シワが残るなどの懸念があった。またセルロース系ポリマーの特性に起因して、湿潤下での強度低下による染色工程で被る擦れおよび洗濯時に被る擦れによって、フィブリル化しやすい懸念があった。
一方、特許文献5では、熱可塑性樹脂の特徴である強度、タフネス、靭性、耐摩耗性など優れた力学特性と、セルロースの優れた易加工性を併せ持った機能性繊維を提供することを目的として、セルロースエステルとナイロンをブレンドしたブレンド繊維が提案されている。
このブレンド繊維では熱処理を行っても捲縮特性は発現しないものであり、該繊維を用いた布帛は優れたソフト風合いを有するものではなかった。
このように嵩高感、ソフト感が付与され、しかも吸湿特性を維持しつつ湿潤下での各種特性に優れたセルロース系繊維はこれまで得られていなかった。
特開平7−109622号公報 特開平8−3820号公報 特開平7−102419号公報 特開2005−23431号公報 特開2001−159030号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、捲縮特性に優れたサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を提供することにある。更には該繊維を用いたソフト感、ふっくら感に優れた布帛を提供することにある。
本発明者らは上記した課題を解決するために鋭意検討を行った結果、セルロース脂肪酸混合エステルを主たる成分とする組成物(A)とポリアミド(B)とからなる繊維であって、その複合比率(A)/(B)が重量比で80/20〜20/80であるサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を熱処理や熱水処理などを行うことにより優れた捲縮特性が発現することを見出し、該繊維を用いることでソフト風合い、大きなふくらみ感を有する布帛を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の構成を要旨とするものである。
本発明の第1の発明は、セルロース脂肪酸混合エステルを主たる成分とする組成物(A)とポリアミド(B)とからなる繊維であって、その複合比率(A)/(B)が重量比で80/20〜20/80であるサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維である。
第2の発明は、セルロース脂肪酸混合エステルがセルロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセテートブチレートであることを特徴とする上記第1の発明に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維である。
第3の発明は、捲縮率が5〜40%であることを特徴とする上記第1〜2の発明のいずれか1項に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維である。
第4の発明は、上記第1〜3の発明のいずれか1項に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を少なくとも一部に用いてなることを特徴とする布帛である。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維は良好な捲縮特性を有するものである。該繊維を用いた布帛は、ソフト感および大きなふくらみ感を有しており、また湿潤下における各種特性も良好であり、更には適度な吸放湿特性を有しており、衣料用途に好適なものである。
以下、本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維について詳細に説明する。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維は、セルロース脂肪酸混合エステルを主たる成分とする組成物(A)とポリアミド(B)とからなる繊維であって、その複合比率(A)/(B)が重量比で80/20〜20/80である。
本発明のサイドバイサイド型複合繊維とは、組成物(A)と(B)が繊維長手方向に沿って張り合わされた複合繊維をいう。
本発明におけるサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の片側の成分はセルロース脂肪酸混合エステルを主成分とする組成物である。セルロース脂肪酸混合エステルとは、セルロースのグルコースユニットに存在する3つの水酸基が2種類以上のアシル基により封鎖されたものであり、サイドバイサイド型複合繊維の製糸操業性、コスト面等からセルロース脂肪酸混合エステルとしては、アセチル基とプロピオニル基を有するセルロースアセテートプロピオネート、アセチル基とブチリル基を有するセルロースアセテートブチレートが好ましい。この場合、アセチル基およびアシル基(プロピオニル基またはブチリル基)の平均置換度は、下記式を満たすことが好ましい。なお平均置換度とはセルロースのグルコース単位あたりに存在する3つの水酸基のうちアシル基が化学的に結合した数を指す。
2.2≦(アセチル基の平均置換度+アシル基の平均置換度)≦2.9
上記式を満たすセルロース脂肪酸混合エステルは、可塑剤との混和性が良好となり複合紡糸における溶融紡糸性、製糸操業性が格段に良好となる。また複合繊維の捲縮特性および機械的特性を良好なものとすることができ、また布帛にした際、プリーツ保持性、耐シワ性が良好となり、更には湿潤時の強度低下幅が小さく、適度な吸湿特性を有するため好ましい。
セルロース脂肪酸混合エステルの重量平均分子量は、繊維の機械的特性、製糸操業性、ポリマーの耐熱分解性の観点から5〜30万であることが好ましく、8〜27万であることがより好ましく、10〜25万であることが更に好ましい。
本発明におけるセルロース脂肪酸混合エステルを主成分とする組成物には、可塑剤を含有していても良い。製糸操業性および得られる繊維の機械的特性、捲縮特性の観点から、可塑剤の含有量は、3〜25重量%であることが好ましく、5〜22重量%がより好ましい。
可塑剤としては、多価アルコール系化合物が好ましく、具体的にはセルロース脂肪酸混合エステルとの相溶性が良好であり、また溶融紡糸可能な熱可塑化効果が顕著に現れるポリアルキレングリコール、グリセリン系化合物、カプロラクトン系化合物などであり、なかでもポリアルキレングリコールが好ましい。
ポリアルキレングリコールの具体的な例としては、重量平均分子量が200〜4000であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられるがこれらに限定されず、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
本発明におけるセルロース脂肪酸混合エステルを主成分とする組成物は、リン系酸化防止剤を含有していることが好ましく、特にペンタエリスリトール系化合物が好ましい。リン系酸化防止剤を含有している場合、紡糸温度が高い範囲および低吐出領域においてもセルロース脂肪酸混合エステルの熱分解防止効果が非常に顕著であり、繊維の機械的特性の悪化が抑制され、得られる繊維の色調が良好になる。リン系酸化防止剤の配合量は、セルロース脂肪酸混合エステル組成物に対して0.005重量%〜0.500重量%であることが好ましい。
本発明におけるセルロース脂肪酸混合エステルには、その物性を損なわない範囲で艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、着色防止剤、着色顔料、染料、制電剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤等として、無機微粒子や有機化合物を必要に応じて含有することができる。
本発明におけるサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の一部を構成するポリアミド(B)とは、アミド結合を有する熱可塑性重合体のことをいうが、例えばナイロン6、ナイロン11、ナイロン12などのラクタムの開環重合で得られる脂肪族ポリアミドやナイロン66、ナイロン610、ナイロン46などジアミンとジカルボン酸の重縮合で得られる脂肪族ポリアミドを挙げることができ、また前記ポリマーのブレンド物、共重合ポリマーであっても良い。なかでも繊維形成性、製造コスト、汎用性およびセルロース脂肪酸混合エステルとの溶融成形温度が近いことなどから、相対粘度が2.0以上2.8以下であるナイロン6が好ましい。
またポリアミドには、本発明の効果を損なわない範囲で可塑剤、紫外線安定化剤、艶消し剤、酸化防止剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤あるいは着色顔料などとして無機微粒子や有機化合物などを必要に応じて添加しても良い。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維において、セルロース脂肪酸混合エステルを主たる成分とする組成物(A)とポリアミド(B)の複合比率(A)/(B)は、重量比で80/20〜20/80である。A成分とB成分の複合比率を前記範囲とすることで、十分な捲縮特性が発現し、また布帛にした際、プリーツ保持性、防シワ性が良好となる。また製糸操業性を安定化させることができる。複合比率(A)/(B)において、A成分の比率が80%より大きい場合および20%未満の場合、2成分間の吐出線速度差、溶融粘度差が大きくなりすぎ、その結果、紡糸口金の吐出孔直下で糸の曲がり現象が生じ、これにより繊維特性および捲縮特性の低下が生じることがあり、また時には紡糸口金に紡糸組成物が付着して操業性を困難にしてしまう。更にはA成分が80%より大きい場合、収縮応力が小さくなるため、複合繊維を用いた布帛のふっくら感が大きく低下し、防シワ性(シワになりにくい特性)、プリーツ保持性が低下してしまう。一方、A成分の比率が20%未満では、セルロース系ポリマー由来の特性が消失してしまうだけでなく、収縮が大きくなりすぎ、複合繊維を用いた布帛の粗硬感が増してしまう。複合比率(A)/(B)は、75/25〜25/75であることがより好ましく、70/30〜30/70であることが更に好ましい。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の捲縮率は5〜40%である。本発明者らは、布帛拘束下での捲縮発現能力が重要であることに着目し、以下に示すような方法で熱処理を行い、下記式(1)にて捲縮率を定義した。なお本式は、例えば特許第3485070号等でも用いられている式である。
(1)捲縮率(%)=[(L0−L1)/L0]×100
L0:繊維カセに0.9×10−3cN/dtex荷重を吊した状態で沸騰水処理を15分間行い、風乾し、さらに150℃乾熱処理を15分間行った後、前記熱処理荷重を取り除き、180×10−3cN/dtex荷重を吊した時のカセ長
L1:L0測定後、L0測定荷重を取り除いて再び0.9×10−3cN/dtex荷重を吊した時のカセ長
すなわち、布帛内での拘束力に相当する0.9×10−3cN/dtexと同じ荷重を繊維カセに吊して熱処理することで、布帛拘束下での捲縮発現能力を繊維カセの捲縮率で表せるとした。この捲縮率が高いほど捲縮発現能力が高いことを示しており、5%以上であれば本発明の目的とする適度なふくらみ感、ソフト感などを与えることができる。捲縮率は、好ましくは10%以上である。捲縮率が5%未満の場合、伸縮性が不足してしまい、布帛に使用すると通常のセルロース脂肪酸混合エステル系繊維を用いた場合とほとんど差がなくなり、本発明の目的とする布帛を得ることができない。一方、捲縮率が40%を越えると、布帛のふかつきが大きくなったり、締め付け感が大きくなり粗硬感の大きなものとなってしまう。
また強撚、布帛の拘束力に打ち勝って、安定的に捲縮を発現させるためには収縮応力も重要であり、収縮応力が高いほど、布帛における交錯点でのクリンプ構造が深くなるため、布帛は優れたふくらみ感を有するものとなる。また収縮応力の極大値は0.05cN/dtex以上であることが好ましく、0.10cN/dtex以上であることがより好ましく、0.15cN/dtex以上であることが更に好ましい。
また収縮応力の極大を示す温度が高いほど布帛の熱セット工程での工程制御が容易になり、布帛に皺や筋を発生することなく、高品位な布帛とすることができる。また布帛の熱処理工程で捲縮発現性を高めるためには、70〜200℃であることが好ましい。70℃未満である場合、例えば糊付け工程や撚り止めセットの工程など乾燥工程での収縮が大きくなり、ビームに巻かれた内層と外層の繊維間および隣り合う繊維間で収縮差が発生しやすくなって収縮斑が発生し、布帛品位が低下してしまう。一方、200℃より高い場合、熱セット温度を高くする必要が生じ、セルロース脂肪酸エステルの熱軟化温度に近づくために布帛が硬くなってペーパーライクとなり好ましくない。収縮応力の極大を示す温度は75℃〜195℃であることがより好ましく、80〜190℃であることが更に好ましい。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の強度は0.5cN/dtex以上であることが好ましい。強度が0.5cN/dtex以上であれば、製織や製編時など高次加工工程の通過性が良好となり、また最終製品の強力も不足することがないため好ましい。良好な強度特性の観点から、強度は高ければ高いほど好ましいが、0.7cN/dtex以上であることがより好ましく、0.9cN/dtex以上であることが更に好ましい。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の伸度は10%以上であることが好ましい。伸度が10%以上である場合には、紡糸工程で毛羽が発生せず、また製織や製編時など高次加工工程において毛羽や糸切れが多発することがなく高次加工の工程通過性が良好となる。伸度は、15%以上であることがより好ましい。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の繊度変動値(U%)は15%以下であることが好ましい。繊度変動値(U%)は繊維長手方向における太さ斑の指標であり、ツェルベガーウースター社製ウースターテスターにより求めることができる。繊度変動値(U%)が1.5%以下であれば、繊維長手方向の均一性が優れていることを指し、織編物に加工する際、毛羽や糸切れが発生せず、また染色を行っても、部分的に強い染め斑、染め筋などの欠点が発生せず、高品位な織編物となる。また布帛にした際の繊維の収縮斑を抑制し、美しい布帛表面を得ることができる。繊度変動値(U%)は小さい程よく、より好ましくは1.3%以下、更に好ましくは1.1%以下である。なお繊度変動値(U%)の測定条件に関しては、実施例にて詳細に説明する。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の繊維断面形状は、丸断面、三角断面、マルチローバル断面、扁平断面、その他公知の断面形状のいずれでも良いが、捲縮発現性と風合いのバランスから、丸断面の半円状サイドバイサイド、ドライ風合いを目的とした三角断面サイドバイサイドなどが好ましく用いられる。
次に本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の製造方法について説明する。図1は、本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の製造方法に用いる装置の一実施態様を示す図である。
セルロース脂肪酸混合エステル組成物およびポリアミドをそれぞれ別々にエクストルーダー1にて溶融し、計量ポンプ2で計量した後、紡糸ブロック3に内蔵された紡糸パック4に送り、パック内でポリマーを濾過した後、紡糸口金5でサイドバイサイド構造に貼り合わせた後、吐出して糸条を得る。紡出された糸条6は冷却装置7によって一旦冷却・固化された後、給油ガイド8で油剤を付与され、交絡装置9で適度に交絡を与えられた後、ゴデットロール10に引き取られ、ゴデットロール11を介して、巻取機12で巻き取られ、巻取糸(サイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維)13を得ることができる。なお製糸性、機械的特性を向上させるために必要に応じて紡糸口金下に2〜20cmの加熱筒や保温筒を設置しても良い。
また一旦巻き取った糸13を延伸する2工程法によって製造しても良いし、ゴデットロール10で引き取った後、そのまま延伸する直接紡糸延伸法によって製造しても良い。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を少なくとも一部に用いた布帛は、上記サイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を、使用目的によっては撚糸した後、常法の製織、製編工程を経て得られる。そして染色加工工程の熱処理により、本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維は捲縮を発現する。その結果、本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を用いた布帛は優れたふくらみ感を有する。またポリアミド成分とセルロース脂肪酸混合エステル成分は染色加工を経た後においてもソフト性を有しているため、ソフト風合いを有する布帛が得られ、更には該布帛は湿潤下における特性(プリーツ保持性、防シワ性など)も優れたものである。
またセルロース脂肪酸混合エステルおよびポリアミドは適度な吸湿特性を有しているため布帛は吸湿性に優れたものとなる。吸湿特性を示す吸放湿パラメーター(ΔMR)は1.5%以上であることが好ましい。ここでΔMRは衣服着用時の衣服内の湿気を外気に放出することにより快適性を得るための指標であり、軽〜中作業あるいは軽〜中運動を行った際の30℃×90%RHに代表される衣服内温度と20℃×65%RHに代表される外気温湿度との吸湿率の差である。ΔMRは大きければ大きいほど吸放湿能力が高く、着用時の快適性が良好であることに対応し、ΔMRは1.8%以上であることがより好ましく、2.0%以上であることが更に好ましい。
サイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を少なくとも一部に用いた布帛を形成する際には、サイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を主要な構成成分とする必要がある。すなわちサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維のみを用いて布帛とするか、あるいは布帛が複数種の繊維より構成される場合は、布帛を構成する複数の繊維の中でもサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の混率を1番目もしくは2番目に高くする必要がある。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を用いて製織、製編する際、編物組織としては、平編、ゴム編、パール編、両面編(スムース)、トリコット等が挙げられ、織物組織としては平織、斜文織、朱子織などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
A.ポリアミド相対粘度(ηr)
(a)試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が1g/100mlとなるように溶解する。
(b)(a)項の溶液をオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。
(c)試料を溶解していない98重量%濃硫酸の25℃での落下秒数(T2)を(2)項と同様に測定する。
(d)試料の98%硫酸相対粘度(ηr)を下式により算出する。測定温度は25℃とする。
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000−C)}。
B.セルロース脂肪酸混合エステルの平均置換度
80℃で8時間の乾燥したセルロース脂肪酸混合エステル0.9gを秤量し、アセトン35mlとジメチルスルホキシド15mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら0.5N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水50mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5N−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
TA=(B−A)×F/(1000×W)
DSace=(162.14×TA)/[{1−(Mwace−(16.00+1.01))×TA}+{1−(Mwacy−(16.00+1.01))×TA}×(Acy/Ace)]
DSacy=DSace×(Acy/Ace)
TA:全有機酸量(ml)
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:硫酸の力価
W:試料重量(g)
DSace:アセチル基の平均置換度
DSacy:アシル基の平均置換度
Mwace:酢酸の分子量
Mwacy:他の有機酸の分子量
Acy/Ace:酢酸(Ace)と他の有機酸(Acy)とのモル比
162.14:セルロースの繰り返し単位の分子量
16.00:酸素の原子量
1.01:水素の原子量
C.セルロース脂肪酸混合エステルの重量平均分子量測定
試料をテトラヒドロフランに完全溶解させ、これを用いてWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー2690を用い、ポリスチレン換算で重量平均分子量を算出した。
D.繊度
温度20℃、湿度65%RHの環境下において、INTEC社製の検尺機を用いて測定した。測定回数は5回であり、その平均値を繊度とした。
E.強度および伸度
温度20℃、湿度65%の環境下において、島津製作所製オートグラフAG−50NISMS形を用い、試料長20cm、引張速度20cm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重の示す点の応力(cN)を初期繊度(dtex)で除した値を引張強度(cN/dtex)とした。またそのときの伸度を伸度(%)とした。なお測定回数は5回とし、その平均値を引張強度、伸度とした。
F.繊度変動値(U%)
U%測定(ノーマルモード)は、ツェルベガーウースター社製ウースターテスター4−CXにより、下記条件にて測定して求めた。 なお測定回数は5回であり、その平均値をU%とした。
測定速度 :200m/分
測定時間 :2.5分
測定繊維長:500m
撚り :S撚り、12000/m
G.捲縮率
繊維カセに0.9×10−3cN/dtex荷重を吊した状態で沸騰水処理を15分間行った後、風乾させ、さらに160℃乾熱処理を15分間行う。熱処理が完了したら処理荷重を取り除き、180×10−3cN/dtex荷重を吊して30秒間保持後、カセ長L0を測定し速やかに荷重を取り除き、5分間保持した後、0.9×10−3cN/dtex荷重を吊して30秒間保持後、カセ長L1を測定する。得られたカセ長L0、L1より、下記式にて捲縮率を求めた。
捲縮率(%)=[(L0−L1)/L0]×100
H.収縮応力およびピーク温度
鐘紡エンジニアリング社製KE−2熱収縮応力測定装置を用いて測定した。測定は糸を結んで周長20cmの輪を作り、装置に装着した後、初荷重0.01cN/dtex、昇温速度2.2℃/秒の条件で収縮応力の温度変化をチャートに描かせた。この時の収縮応力のピーク極大値を収縮応力とし、またその時の温度をピーク温度とした。なお測定回数は5回であり、その平均値を収縮応力値(cN/dtex)、ピーク温度(℃)とした。
I.ソフト感・ふくらみ感の評価
複合繊維からなる織物を用いて、パネラー10名で官能評価を実施し、下記の基準で評価し、◎および○を合格とした。
◎:9名以上が優れていると判定
○:7〜8名が優れていると判定
△:5〜6名が優れていると判定
×:5名未満が優れていると判定
J.プリーツ耐久性評価
複合繊維からなる織物を二つ折りにして、0.4kg/cm×130℃×30秒間のアイロン掛けを行い、プリーツを付与せしめた。その後、プリーツ付与した織物を家庭用洗濯機にて5分間撹拌・洗浄し、洗濯後のプリーツの残存状況を下記基準で評価した。なお○のみを合格とした。
○:はっきりとプリーツが残っている。
△:わずかにプリーツが残っている。
×:プリーツがほとんど消失。
K.シワ評価
複合繊維からなる織物を家庭用洗濯機にて5分間攪拌・洗浄し、洗濯後、物干し竿に一晩風乾させた後、シワの状況を下記基準で評価した。なお○のみを合格とした。
○:シワが全く見られない。
△:わずかにシワが見られる。
×:多数のシワが発生。
L.吸湿率差(ΔMR )
布帛サンプル約2gを用い、その絶乾時の重量(W)を測定した。この布帛サンプルを20℃×65%RHの状態に調湿された恒温恒湿(ナガノ科学機械製LH−20−11M)中に24時間放置し、平衡状態となった試料の重量(W20)を測定し、その後30℃×90%RHの状態に変更して24時間放置し、平衡状態となった試料の重量(W30)を測定した。下記式により求めた。
吸湿率差(△MR )(%)={(W30−W20)/W}×100
合成例1
セルロース(コットンリンター)100重量部に、酢酸240重量部とプロピオン酸67重量部を加え、50℃で30分間混合した。混合物を室温まで冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸172重量部と無水プロピオン酸168重量部をエステル化剤として、硫酸4重量部をエステル化触媒として加えて、150分間撹拌を行い、エステル化反応を行った。エステル化反応において、40℃を越える時は、水浴で冷却した。反応後、反応停止剤として酢酸100重量部と水33重量部の混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸333重量部と水100重量部を加えて、80℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム6重量部を含む水溶液を加えて、析出したセルロースアセテートプロピオネートを濾別し、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネート(CAP)のアセチル基およびプロピオニル基の平均置換度は各々1.9、0.7であり、重量平均分子量(Mw)は17.7万であった。
実施例1〜2
合成例1で製造したCAP82重量%と平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.9重量%およびリン系酸化防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%を二軸エクストルーダーを用いて240℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロース脂肪酸混合エステル組成物ペレット(Mw16.0万)を得た。
このセルロース脂肪酸混合エステル組成物(A)とナイロン6(B)(相対粘度=2.61)を別々に溶融し、紡糸温度265℃でサイドバイサイド型構造を有する紡糸口金(吐出孔直径0.5mm)を用い、表1に示す複合比率で吐出させた。この紡出糸条を冷却長1mの冷却装置を用いて風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却・固化し、紡糸口金下1800mmに位置にて給油装置を用いて油剤を付与して収束させ、交絡を付与した後、第1ゴデットローラー(速度1750m/分)にて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機にて巻き取った。実施例1、2ともに得られた繊維の物性は極めて良好であった。
得られたサイドバイサイド型複合繊維(100デシテックス−24フィラメント)を経糸および緯糸に用いてエアージェットルームにより経糸密度120本/2.54cm、緯糸密度95本/2.54cmのタフタ織物を製織した。このタフタ織物を常法で精練(温度70℃、時間20分)した後、100℃で30分の熱水処理を行った。
実施例1、2で得られた布帛のソフト感、ふくらみ感は非常に優れており、またプリーツ耐久性、シワ評価結果は良好であった。また吸放湿特性は極めて良好であった。
実施例3〜4
イーストマンケミカル社製セルロースアセテートプロピオネート(CAP482−20、アセチル基置換度0.1、プロピオニル基置換度2.5)90重量%と平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)10重量%を二軸エクストルーダーを用いて210℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロース脂肪酸混合エステル組成物ペレット(Mw18.3万)を得た。
このセルロース脂肪酸混合エステル組成物(A)とナイロン6(B)(相対粘度2.60)を別々に溶融し、紡糸温度260℃でサイドバイサイド型構造を有する紡糸口金(吐出孔直径0.5mm)を用い、表1に示す複合比率で吐出させた。この紡出糸条を冷却長1mの冷却装置を用いて風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却・固化し、紡糸口金下1800mmに位置にて給油装置を用いて油剤を付与して収束させ、交絡を付与した後、第1ゴデットローラー(速度2000m/分)にて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機にて巻き取った。
得られたサイドバイサイド型複合繊維(100デシテックス−24フィラメント)を経糸および緯糸に用いてエアージェットルームにより経糸密度120本/2.54cm、緯糸密度95本/2.54cmのタフタ織物を製織した。このタフタ織物を常法で精練(温度70℃、時間20分)した後、100℃で30分の熱水処理を行った。
実施例3で得られた布帛のソフト感、ふくらみ感は非常に優れており、またプリーツ耐久性、シワ評価結果は良好であった。さらには、吸放湿特性は極めて良好であった。
実施例4で得られた布帛は良好なソフト風合いおよびふくらみ感を有しており、またプリーツ耐久性、シワ評価結果も良好であった。さらには、吸放湿特性は極めて良好であった。
実施例5
イーストマンケミカル社製セルロースアセテートブチレート(CAB171:アセチル基置換度1.0、ブチリル基置換度1.7)87重量%と平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)13重量%を二軸エクストルーダーを用いて220℃で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロース脂肪酸混合エステル組成物ペレット(Mw17.3万)を得た。
このセルロース脂肪酸混合エステル組成物(A)とナイロン6(B)(相対粘度2.15)を別々に溶融し、紡糸温度250℃でサイドバイサイド型構造を有する紡糸口金(吐出孔直径0.5mm)を用い、表1に示す複合比率で吐出させた。この紡出糸条を冷却長1mの冷却装置を用いて風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却・固化し、紡糸口金下1800mmに位置にて給油装置を用いて油剤を付与して収束させ、交絡を付与した後、第1ゴデットローラー(速度1500m/分)にて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機にて巻き取った。得られた繊維の強伸度特性は極めて良好であり、また捲縮特性は良好なものであった。
得られたサイドバイサイド型複合繊維(100デシテックス−24フィラメント)を経糸および緯糸に用いてエアージェットルームにより経糸密度120本/2.54cm、緯糸密度95本/2.54cmのタフタ織物を製織した。このタフタ織物を常法で精練(温度70℃、時間20分)した後、100℃で30分の熱水処理を行った。
得られた布帛は良好なソフト感、ふくらみ感を有していたが、プリーツ耐久性、シワ評価結果はやや劣る結果であった。また吸放湿特性は極めて良好であった。
Figure 0004893567
比較例1〜2
表2に示す複合比率以外は、実施例1と同様に複合紡糸を行った。
得られた複合繊維を用い、実施例1と同様に織物を作成した。比較例1の布帛は、ふくらみ感が優れていたが、ふかついたものであった。また収縮力が高すぎるため、布帛に粗硬感が生じており、ソフト感は劣っていた。プリーツ耐久性およびシワ評価結果は良好であったが、吸放湿特性は良好であった。
一方、比較例2の布帛は収縮応力が低すぎるために捲縮率が小さく、ふくらみ感が劣っていた。またプリーツ耐久性、シワ評価はともにやや劣る結果であったが、吸放湿特性は極めて良好であった。
比較例3
表2に示す複合比率以外は、実施例1と同様に紡糸を行ない、織物を作成した。評価した繊維はセルロースアセテートプロピオネート単独糸のため、吸放湿特性は極めて良好であったものの捲縮特性は劣るものであり、得られた布帛のふくらみ感は全くないものであった。
比較例4
平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートと平均酢化度55.2%のセルロースジアセテートをそれぞれ塩化メチレン/メタノール(重量比91/9)の混合溶剤に溶解し、セルローストリアセテート濃度21重量%の紡糸原液及びセルロースジアセテート濃度21重量%の紡糸原液を調製した。これらの紡糸原液を用い、乾式紡糸法により、セルロースジアセテート成分とセルローストリアセテート成分を重量比で35:65の複合比率でサイドバイサイド型複合紡糸し、複合繊維前駆体を得た。
次に得られた複合繊維前駆体を用いて実施例1と同様に織物を作成し、その後、アルカリ水溶液(1wt%NaOH水溶液、浴比1:100、温度60℃、時間10分)に浸漬してアセテート複合繊維を得た。得られたアセテート複合繊維は、セルロース(酢化度0%)と平均酢化度61.6%のセルローストリアセテートが重量比で25:75にサイドバイサイドに複合されたアセテート複合繊維であった。
また、布帛は優れたソフト感、ふくらみ感を有し、吸放湿特性も極めて良好であった。しかしながらプリーツ耐久性評価を実施したところ、プリーツはほとんど消えており、プリーツ耐久性は劣るものであった。またシワ評価を実施したところ、シワが多数発生していた。
比較例5
実施例1で用いたセルロース脂肪酸混合エステル組成物(A)とPPT(B)(固有粘度IV=1.50)を別々に溶融し、紡糸温度265℃でサイドバイサイド型構造を有する紡糸口金(吐出孔直径0.5mm)を用い、表2に示す複合比率で吐出させた。この紡出糸条を冷却長1mの冷却装置を用いて風温20℃、風速0.5m/秒の冷却風によって冷却・固化し、紡糸口金下1800mmに位置にて給油装置を用いて油剤を付与して収束させ、交絡を付与した後、第1ゴデットローラー(速度1850m/分)にて引き取り、第1ゴデットローラーと同じ速度で回転する第2ゴデットローラーを介して巻取機にて巻き取った。
得られたサイドバイサイド型複合繊維(100デシテックス−24フィラメント)を経糸および緯糸に用いてエアージェットルームにより経糸密度120本/2.54cm、緯糸密度95本/2.54cmのタフタ織物を製織した。このタフタ織物を常法で精練(温度70℃、時間20分)した後、100℃で30分の熱水処理を行った。
得られた布帛のソフト感、ふくらみ感は非常に優れており、またプリーツ耐久性、シワ評価結果は良好であったが、吸放湿特性は不良であった。
Figure 0004893567
潜在捲縮性サイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維は、衣料用繊維をはじめとして、ソフト性、ふくらみ感が要求される用途に好適に用いることができる。
本発明のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維の製造方法に用いる溶融紡糸装置の一実施態様を示す図である。
符号の説明
1.エクストルーダー
2.計量ポンプ
3.紡糸ブロック
4.紡糸パック
5.紡糸口金
6.紡出糸条
7.冷却装置
8.給油装置
9.交絡付与装置
10.第1ゴデットロール
11.第2ゴデットロール
12.巻取機
13.巻取糸

Claims (4)

  1. セルロース脂肪酸混合エステルを主たる成分とする組成物(A)とポリアミド(B)とからなる繊維であって、その複合比率(A)/(B)が重量比で80/20〜20/80であるサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維。
  2. セルロース脂肪酸混合エステルがセルロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセテートブチレートであることを特徴とする請求項1に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維。
  3. 捲縮率が5〜40%であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のサイドバイサイド型セルロース脂肪酸混合エステル系複合繊維を少なくとも一部に用いてなることを特徴とする布帛。
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