JP5242482B2 - ポリエチレン樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
このチーグラー触媒はいわゆる単段重合法、および二段重合法により様々な分子量分布・組成分布を有するポリエチレンが製造される。しかし、この触媒により得られるポリエチレンは、基本的には長鎖分岐を有していないため成型加工性に難があり、特に溶融張力が必要な吹き込み成型分野においては成形性の改良が求められていた。
一方、吹き込み成型分野においては、いわゆるフィリップス触媒により製造されるポリエチレンが広く使用されている。一般に、フィリップス触媒により製造されるポリエチレンは長鎖分岐を有しているため、溶融張力が高いという特徴を有する。しかし、このフィリップス触媒から得られるポリエチレンは末端ビニルが多いという特徴を有しているため、熱安定性に劣っていた。また、吹き込み成型品に必要な特性の一つである耐ストレスクラッキング性がチーグラー触媒で得られたポリエチレンと比較して劣っていた。このため、熱安定性および耐ストレスクラッキング性の向上が望まれていた。
これらのように、特に吹き込み成型分野において、溶融張力が高く成型加工性に優れ、耐ストレスクラッキング性に優れ、なおかつ熱安定性に優れた材料が求められていた。
1) 下記の要件を満たすことを特徴とする、ポリエチレン樹脂組成物。
(A)MFRが0.05g/10min以上2.0g/10min以下である。
(B)密度が950kg/m3以上967kg/m3以下である。
(C)MIRが65以上120以下である。
(D)スウェル比が1.60以上1.90以下である。
(E)溶融張力が7.1g以上8.2g以下である。
(F)溶融伸びが21m/min以上28m/min以下である。
(G)末端ビニル含有量が0.02個/1000C以上0.15個/1000C以下である。
(H)耐ストレスクラッキング性が10時間以上である。
(I)該ポリエチレン樹脂組成物が、少なくとも低分子量成分を重合する工程と高分子量成分を重合する工程とを含みかつ下記の(a)および(b)の要件を満たす多段重合を利用した方法により、製造される。
(a)多段重合における低分子量成分を重合する工程において、
(a−1)重合器内の気相部における水素濃度が40モル%以上90モル%以下である
(a−2)重合器で製造されるポリエチレンの全体に対する割合が、40重量%以上70重量%以下である
(a−3)重合器で製造されるポリエチレンのMFRが1g/10min以上1000g/10min以下である
(b)この多段重合に使用される触媒がチタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]と有機アルミニウム化合物[B]からなり、
(b−1)チタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]が、
(i)一般式(1)
Al n Mg m R 1 3n R 2 2m ・・・(1)
[式中、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立して、炭素原子数1以上10以下の炭化水素基を表し、nとmとは0よりも大きい値であり、m/nは0.1以上10以下である。]
で表されるアルミニウムとマグネシウムとを含む不活性炭化水素溶媒に可溶な錯体と、
(ii)少なくとも1個のハロゲン原子を含有するチタン化合物とを反応させ、次いで
(iii)アルミニウム、ケイ素またはスズのハロゲン化物の1種以上と反応させることにより生成し、
(b−2)有機アルミニウム化合物[B]が下記一般式(2)により表される。
AlR 3 p X (3−p) ・・・(2)
[式中、R 3 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン、アルコキシ基、アリロキシ基、またはシロキシ基からなる群に含まれる基であり、pは1以上3以下の実数である。]
(a)多段重合における低分子量成分を重合する工程において、
(a−1)重合器内の気相部における水素濃度が40モル%以上90モル%以下である
(a−2)重合器で製造されるポリエチレンの全体に対する割合が、40重量%以上70重量%以下である
(a−3)重合器で製造されるポリエチレンのMFRが1g/10min以上1000g/10min以下である
(b)この多段重合に使用される触媒がチタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]と有機アルミニウム化合物[B]からなり、
(b−1)チタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]が、
(i)一般式(1)
AlnMgmR1 3nR2 2m・・・(1)
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素原子数1以上10以下の炭化水素基を表し、nとmとは0よりも大きい値であり、m/nは0.1以上10以下である。]
で表されるアルミニウムとマグネシウムとを含む不活性炭化水素溶媒に可溶な錯体と、
(ii)少なくとも1個のハロゲン原子を含有するチタン化合物とを反応させ、次いで
(iii)アルミニウム、ケイ素またはスズのハロゲン化物の1種以上と反応させることにより生成し、
(b−2)有機アルミニウム化合物[B]が下記一般式(2)により表される。
AlR3 pX(3−p) ・・・(2)
[式中、R3は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン、アルコキシ基、アリロキシ基、またはシロキシ基からなる群に含まれる基であり、pは1以上3以下の実数である。]
本発明におけるポリエチレン樹脂組成物とは、モノマーとしてエチレン単独あるいはエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとを共重合することにより得られる樹脂を成分とした組成物である。なお、本発明における炭素数3以上のα−オレフィンとは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましい。また、このうちのいくつかを組み合わせて、エチレンと共重合することもできる。
{ただし、dは重合体の密度(kg/m3)、ΔAはピークの吸光度、tはフィルムの厚み(mm)} ・・・数式(3)
本発明におけるポリエチレン樹脂組成物の製造方法においては、この低分子量成分を重合する工程において、重合器内の気相部における水素濃度が40モル%以上90モル%以下であることが好ましく、50モル%以上85モル%以下であることが好ましく、60モル%以上80モル%以下であることがさらに好ましい。この水素濃度が40モル%以上であれば低分子量成分の分子量が高くなるため、ポリエチレン樹脂組成物の流動性や耐ストレスクラック性が悪化する懸念が回避される。また、この水素濃度が90モル%以下であれば、重合器内のエチレン分圧が低くなりすぎないため、重合活性が低下してポリエチレン樹脂組成物中に含まれる触媒残渣含有量が高くなりすぎてポリエチレン樹脂組成物の熱安定性が悪化する懸念が回避される。また、この水素濃度は、重合器に添加するエチレンと水素とのモル比を制御することにより調整することが可能であり、エチレンに対する水素のモル比を増大させることにより水素濃度を増大させることが可能である。
本発明においては、このチタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]が、
(i)一般式(1)
AlnMgmR1 3nR2 2m ・・・(1)
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素原子数1以上10以下の炭化水素基を表し、nとmとは0よりも大きい値であり、m/nは0.1以上10以下である。]
で表されるアルミニウムとマグネシウムとを含む不活性炭化水素溶媒に可溶な錯体と、(ii)少なくとも1個のハロゲン原子を含有するチタン化合物とを反応させ、次いで
(iii)アルミニウム、ケイ素、またはスズのハロゲン化物の1種以上と反応させることにより生成することが好ましい。
本願発明では特定の構造を有する錯体を用いて調製された固体成分を特定のアルミニウム、ケイ素またはスズのハロゲン化物を用いて反応させることにより調製されたチタン−マグネシウム複合型固体触媒により製造された特定のエチレン重合体組成物において、溶融張力が高く成型加工性に優れ、耐ストレスクラッキング性に優れ、なおかつ熱安定性に優れたポリエチレン樹脂組成物を提供することができることは驚くべきことである。
AlR3 pX(3−p) ・・・(2)
[式中、R3は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン、アルコキシ基、アリロキシ基、またはシロキシ基からなる群に含まれる基であり、pは1以上3以下の実数である。]
重合溶媒としては、スラリー重合に通常使用される不活性炭化水素溶媒が用いられる。重合温度は室温以上120℃以下であり、50℃以上100℃以下であることが好ましい。重合圧力は常圧以上10MPa以下の範囲で実施される。得られる重合体の分子量は、重合系に存在させる水素の濃度を変化させるか、重合温度を変化させか、あるいは有機金属化合物[B]の濃度を変化させることによって調節することができる。
次に、実施例などに基づき、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例中のポリマーの密度は、JIS K7112の密度勾配管法により測定した。
実施例中のMIRは、JIS K7120に従い、東洋精機製メルトインデクサ−を用いて温度190℃、荷重21.6kgで測定される値を荷重2.16kgで測定される値で除すことにより算出した。
実施例中のスウェル比は、東洋精機製メルトインデクサ−を用いてMFRを測定する際に、190℃において21.6kgの荷重を用いてストランド状に10cm押出した後に空気中で冷却して得られた固体状のストランドの重量を測定して得られる値を、直径がオリフィスのストランド径である2.095mmであり長さが10cmの円柱状の該ポリエチレン樹脂組成物の重量で除すことにより得られた値である。
実施例中の溶融伸びは、MT測定と同条件で溶融樹脂を押出し、ストランドの巻取り速度を1m/1分の割合で上げていき、ストランドが破断する巻取り速度として測定した。単位は、m/分である。
1gの重合体を0.2mmのアルミ板上に載せた縦×横×厚みが5cm×5cm×0.5mmの金型に入れ、アルミ板を載せて180℃でプレスしてフィルムを作成した。このフィルムの赤外吸収スペクトルを日本分光製FT−IR5300Aを用いて測定した。ビニル基は910cm−1のピークの吸光度、重合体の密度、およびフィルムの厚みから、次式を用いて算出した。
末端ビニル基含量(個/100C)=0.114×ΔA/(t×d/1000)
{ただし、dは重合体の密度(kg/m3)、ΔAはピークの吸光度、tはフィルムの厚み(mm)}
実施例中の触媒活性とは、チタン−マグネシウム複合型固体触媒成分1gあたり、一時間あたりのポリマー生成量(g)を表し、単位はg/g/hである。
実施例中の化合物および容器等は全て十分に脱水し脱酸素した後に使用した。
(1)チタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]の調製
(1−1)不活性炭化水素溶媒に可溶な錯体の合成
ジブチルマグネシウム140gとトリエチルアルミニウム30gとを、ヘキサン1リットルと共に容量4リットルのステンレス製反応器にいれ、85℃で2時間撹拌しながら反応させることにより、組成AlMg4(C2H5)3(C4H9)8の錯体を合成した。
(1−2)固体成分の合成
容量8リットルのステンレス製反応器にヘキサン1.6リットルを添加し、これを−20℃に冷却した。この後、(1−1)で合成した錯体1リットルと0.5モル/リットルの四塩化チタンヘキサン溶液1リットルとを、同時に1時間かけて添加した。添加後、さらに−20℃で3時間反応させた。生成したスラリーを1時間沈降させた後、2リットルの上澄み液を除去し、2リットルのヘキサンを添加した、この操作を2回繰り返した。この反応により、120gの固体成分を得た。
(1−3)ハロゲン化物との反応
上記合成により得られた固体成分100gをヘキサン1リットルと共に容量4リットルのステンレス製反応器に入れ80℃に加熱した。撹拌しながら、1モル/リットルのエチルアルミニウムジクロリドヘキサン溶液を1リットルを添加し、2時間反応を継続した。反応後、1リットルの上澄み液を除去し、1リットルのヘキサンを添加した。この操作を4回繰り返すことにより、固体触媒[A−1]を調製した。
触媒として、固体触媒[A−1]とトリイソブチルアルミニウムを組み合わせて使用した。
最初に、1段目の重合では低分子量成分を製造するために、反応容積300リットルのステンレス製重合器1を用いた。γ線を使用した液面計により測定された重合器内の溶媒の体積とポリエチレンの体積との和は170Lであり、重合器から溶媒とポリエチレンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度は51リットル/hであった。従って、1段目の平均滞留時間は3.3時間であった。重合器1から低分子量成分は10kg/hの速度で抜き取られた。重合温度85℃、重合圧力1MPaの条件で、触媒は上記の固体触媒[A−1]を1g/h、上記の有機アルミニウム化合物[B−1]をAl原子換算で20ミリモル/h、またヘキサンは40リットル/hの速度で導入した。分子量調整剤としては水素を用い、エチレンと水素とを水素の気相濃度が69モル%、エチレンの供給量が10kg/hになるように重合器に供給し重合を行った。重合器1における触媒活性は3900g/g/hであった。重合器1で製造された低分子量成分のMFRは50g/10minであった。
次に、2段目の重合では高分子量成分を製造するために、反応容積300リットルのステンレス製重合器2を用いた。ポリマースラリー溶液とヘキサンとが合わせて146リットル/hの速度で重合器2に導入された。上記の有機アルミニウム化合物[B−1]をAl原子換算で47ミリモル/hで導入した。γ線を使用した液面系により測定された重合器内の溶媒の体積とポリエチレンの体積との和は146リットルであり、重合器から溶媒とポリエチレンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度は157リットル/hであった。従って、一段目の平均滞留時間は0.90時間であった。重合器2から、低分子量成分および高分子量成分からなるポリエチレン組成物は20kg/hの速度で抜き取られた。
上記重合により、MFRが0.46g/10分、MIRが89.3、密度が964kg/m3であるパウダー状のポリエチレンを製造した。
(3)物性測定
上記重合により得られたパウダーを乾燥し、造粒することによりペレットを得た。このペレットを用いて物性測定を行った。その結果を表1に示す。
(1)チタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]の調製
(1−1)不活性炭化水素溶媒に可溶な錯体の合成
ジブチルマグネシウム138gとトリエチルアルミニウム28.5gとを、ヘキサン1リットルと共に容量4リットルのステンレス製反応器にいれ、85℃で2時間撹拌しながら反応させることにより、組成AlMg4(C2H5)3(C4H9)8の錯体を合成した。続いて、この溶液を10℃に冷却し、1−オクタノール0.5モルを含有するヘキサン溶液0.5リットルを撹拌しながら、溶液の温度は10℃に保つように冷却しながら添加することにより、アルコキシ基含有有機アルミニウム−マグネシウム錯体を合成した。この溶液の一部を分取して加水分解した後に金属およびアルコールを定量することにより、上記錯体の組成はAlMg4(O−C8H17)2(C2H5)2.7(C4H9)6.7であることが確認された。
容量8リットルのステンレス製反応器にヘキサン1.6リットルを添加し、これを−20℃に冷却した。この後、(1−1)で合成した錯体1リットルと0.5モル/リットルの四塩化チタンヘキサン溶液1リットルとを、同時に1時間かけて添加した。添加後、さらに−20℃で3時間反応させた。生成したスラリーを1時間沈降させた後、2リットルの上澄み液を除去し、2リットルのヘキサンを添加した、この操作を2回繰り返した。この反応により、118gの固体触媒[A−2]を調製した。
(2)エチレンの重合
上記触媒を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、MFRが0.42g/10分、MIRが76.7、密度が964kg/m3であるパウダー状のポリエチレンを製造した。
(3)物性測定
上記重合により得られたパウダーを乾燥し、造粒することによりペレットを得た。このペレットを用いて物性測定を行った。その結果を表1に示す。
Claims (2)
- 下記の要件を満たすことを特徴とする、ポリエチレン樹脂組成物。
(A)MFRが0.05g/10min以上2.0g/10min以下である。
(B)密度が950kg/m3以上967kg/m3以下である。
(C)MIRが65以上120以下である。
(D)スウェル比が1.60以上1.90以下である。
(E)溶融張力が7.1g以上8.2g以下である。
(F)溶融伸びが21m/min以上28m/min以下である。
(G)末端ビニル含有量が0.02個/1000C以上0.15個/1000C以下である。
(H)耐ストレスクラッキング性が10時間以上である。
(I)該ポリエチレン樹脂組成物が、少なくとも低分子量成分を重合する工程と高分子量成分を重合する工程とを含みかつ下記の(a)および(b)の要件を満たす多段重合を利用した方法により、製造される。
(a)多段重合における低分子量成分を重合する工程において、
(a−1)重合器内の気相部における水素濃度が40モル%以上90モル%以下である
(a−2)重合器で製造されるポリエチレンの全体に対する割合が、40重量%以上70重量%以下である
(a−3)重合器で製造されるポリエチレンのMFRが1g/10min以上1000g/10min以下である
(b)この多段重合に使用される触媒がチタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]と有機アルミニウム化合物[B]からなり、
(b−1)チタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]が、
(i)一般式(1)
Al n Mg m R 1 3n R 2 2m ・・・(1)
[式中、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立して、炭素原子数1以上10以下の炭化水素基を表し、nとmとは0よりも大きい値であり、m/nは0.1以上10以下である。]
で表されるアルミニウムとマグネシウムとを含む不活性炭化水素溶媒に可溶な錯体と、
(ii)少なくとも1個のハロゲン原子を含有するチタン化合物とを反応させ、次いで
(iii)アルミニウム、ケイ素またはスズのハロゲン化物の1種以上と反応させることにより生成し、
(b−2)有機アルミニウム化合物[B]が下記一般式(2)により表される。
AlR 3 p X (3−p) ・・・(2)
[式中、R 3 は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン、アルコキシ基、アリロキシ基、またはシロキシ基からなる群に含まれる基であり、pは1以上3以下の実数である。] - 少なくとも低分子量成分を重合する工程と高分子量成分を重合する工程とをその構成に含む多段重合を利用し、かつ下記の(a)および(b)の要件を満たす、ポリエチレン樹脂組成物の製造方法。
(a)多段重合における低分子量成分を重合する工程において、
(a−1)重合器内の気相部における水素濃度が40モル%以上90モル%以下である
(a−2)重合器で製造されるポリエチレンの全体に対する割合が、40重量%以上70重量%以下である
(a−3)重合器で製造されるポリエチレンのMFRが1g/10min以上1000g/10min以下である
(b)この多段重合に使用される触媒がチタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]と有機アルミニウム化合物[B]からなり、
(b−1)チタン−マグネシウム複合型固体触媒[A]が、
(i)一般式(1)
AlnMgmR1 3nR2 2m・・・(1)
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素原子数1以上10以下の炭化水素基を表し、nとmとは0よりも大きい値であり、m/nは0.1以上10以下である。]
で表されるアルミニウムとマグネシウムとを含む不活性炭化水素溶媒に可溶な錯体と、
(ii)少なくとも1個のハロゲン原子を含有するチタン化合物とを反応させ、次いで
(iii)アルミニウム、ケイ素またはスズのハロゲン化物の1種以上と反応させることにより生成し、
(b−2)有機アルミニウム化合物[B]が下記一般式(2)により表される。
AlR3 pX(3−p) ・・・(2)
[式中、R3は炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン、アルコキシ基、アリロキシ基、またはシロキシ基からなる群に含まれる基であり、pは1以上3以下の実数である。]
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