JP5240850B2 - クロック信号分周回路及びクロック信号分周方法 - Google Patents

クロック信号分周回路及びクロック信号分周方法 Download PDF

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Description

本発明は、クロックの任意の有理数分周を低電力、低面積かつ低設計コストで実現するクロック信号分周回路及びクロック信号分周方法に関する。
ある周波数のクロック信号から、より低い周波数のクロック信号を分周して生成するクロック分周回路において、分周比、すなわち分周前のクロック信号の周波数と分周後のクロック信号の周波数との比が1/M (Mは整数)の分周回路(整数分周回路)は、カウンタ回路を用いることで、容易に実現することができる。
一方、分周比がN/M(N、Mは整数)であっても、分周が可能な分周回路(有理数分周回路)が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
これらの関連する技術によれば、分周比の分子を設定する値(分周比N/MにおけるNの値)を、入力クロック信号のサイクル毎に累積的に加算し、その加算結果が分周比の分母を設定する値(分周比N/MにおけるMの値)より大きくなった場合には、その加算結果からMを引く、という動作を行い、その加算結果を参照して、入力クロック信号のパルスを適切に間引くことにより、有理数分周を実現している。
また関連する技術として、位相補間回路(Phase Interporator)を使用したクロック生成回路が提案されている(例えば、特許文献3)。特許文献3によれば、位相補間回路によって、入力クロック信号のエッジ以外のタイミングでエッジを生成することができるので、サイクル時間が一定の有理数分周クロック信号を生成することができる。
特開2005‐45507号公報 特開2006‐148807号公報 特開2002‐57578号公報
特許文献1、または特許文献2に記載のクロック分周回路は、入力クロック信号のパルスを選択的に間引くことで分周を実現しているため、分周クロック信号のパルス出力のタイミングは、入力クロック信号のパルスのタイミングに制限される。
そのため、分周クロック信号のサイクル時間がサイクル毎に大きく変化してしまうという問題がある。また、サイクル時間の最小値が分周比に比例して増加しないので、分周クロック信号で駆動される回路の最大遅延の制約を周波数に応じて緩和できないという問題がある。特に分周比が1から1/2の場合にサイクル時間が増加しないので、電力を削減する為にサイクル時間に応じて電圧を制御する動的周波数電圧制御(DVFS:Dynamic Voltage Frequency Scaling)向けのクロック生成には、適用できないという問題がある。
図10を参照して、上記関連する技術による有理数分周における問題の具体例を説明する。図10には、上記技術によるクロック分周例であり、入力クロック信号(8/8)に対して、分周比7/8〜1/8で分周した出力クロック信号を示している。
図10からも明らかなように、分周比が1/2を越え1未満である分周比7/8〜5/8において、分周クロック信号のサイクル時間の最小値は入力クロック信号の1サイクルのままであり、分周比に応じて増加しないという問題がある。また、例えば分周比が5/8の場合において、分周クロック信号のサイクル時間の最大値は入力クロック信号の2サイクルであり、従って、分周クロック信号のサイクル時間は、入力クロック信号の1〜2サイクルの間をサイクル毎に変動するという問題がある。
特許文献3に記載のクロック分周回路は、位相補間回路によって、サイクル時間が一定の有理数分周クロック信号を生成することができるものの、位相補間回路は比較的低周波数の入力クロック信号、例えば500MHz以下の周波数の入力クロック信号を分周する場合、大きな容量を必要とするため、消費電力やレイアウト面積が大きく、ノイズに弱いという問題がある。また、アナログ回路のため専用設計を必要とし、設計・検証コストが大きいという問題がある。
本発明の目的は、上記問題点を解決するものであって、分周クロック信号のサイクル時間の変動が小さく、分周クロック信号の最小のサイクル時間が分周比に応じて拡大される機会が多く、消費電力やレイアウト面積が小さく、設計・検証コストが小さいクロック信号分周回路及びクロック信号分周方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係るクロック信号分周回路は、分周比が2つの整数N及びMの比であるN/Mで規定されるクロック信号分周回路において、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択するクロック選択回路と、前記クロック選択回路の前記選択を制御する制御信号を生成する制御手段とを備え、前期制御手段は前記入力クロック信号のサイクル毎に、前記クロック選択回路の前記選択を制御することを特徴とするものである。
本発明のクロック信号分周方法は、分周比が2つの整数N及びMの比であるN/Mで規定されるクロック信号を出力するクロック信号分周方法において、
入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択する選択ステップと、
前記選択ステップでの前記選択を制御する制御信号を生成する制御ステップとを有し、
前記制御ステップにおいて、前記入力クロック信号のサイクル毎に、前記クロック選択回路の前記選択を制御することを特徴とするものである。
本発明によれば、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを、サイクル時間が一定の理想的な分周クロック信号の位相を近似するように選択して、分周クロック信号を生成するので、分周クロック信号の最小のサイクル時間が分周比に応じて拡大される機会が多く、サイクル時間の変動が小さい有理数分周クロック信号を生成することができる。
また、本発明によれば、ディジタル論理回路のみで構成され、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択する機能を提供すれば十分であるので、消費電力やレイアウト面積が小さく、設計・検証コストが小さい有理数分周回路を実現することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係るクロック信号分周回路は図1に示すように、クロック選択制御回路100と、出力クロック選択回路200とから構成され、入力クロック信号を分周比N/M(M、Nは整数)で分周し、出力クロック信号として出力するものである。
クロック選択制御回路100は、入力クロック信号のタイミングで動作し、分周比の設定信号M−N,−N、及びNを参照して、クロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102を、入力クロック信号のサイクル毎に生成する。クロック選択制御回路100は、位相計算回路105と、クロック出力判定回路106と、クロック位相判定回路107とから構成されている。
位相計算回路105は、分周比がN/Mであり、かつサイクル時間が一定である理想的な分周クロック信号の、入力クロック信号に対する位相を、入力クロック信号のサイクル毎に計算する。
クロック出力判定回路106は、位相計算回路105が計算した位相計算結果を参照して、入力クロック信号を出力クロック信号に出力するか否かを判定し、クロックマスク制御信号102として出力する。
より詳細には、クロック出力判定回路106は、位相計算結果が入力クロック信号の1サイクル未満を示している場合、クロック選択回路200が入力クロック信号を出力クロック信号に出力するように制御する制御値を、クロックマスク制御信号102に出力する。クロック出力判定回路106は、位相計算結果が入力クロック信号の1サイクル以上を示している場合、クロック選択回路200が入力クロック信号を出力クロック信号に出力しないように制御する制御値を、クロックマスク制御信号102に出力する。
クロック位相判定回路107は、位相計算回路105が計算する入力クロック信号に対する理想的な分周クロック信号の位相を参照し、入力クロック信号をそのまま出力する場合の出力クロック信号の位相と、入力クロック信号を反転してそのまま出力する場合の出力クロック信号の位相のいずれかのうち、より理想的な分周クロック信号の位相に近い方を判断し、より理想的な分周クロック信号の位相に近い方をクロック選択回路200が選択する制御値を、クロック位相制御信号101に出力する。
より詳細には、クロック位相判定回路107は、位相計算結果が入力クロック信号の0.5サイクル未満を示している場合、クロック選択回路200が入力クロック信号をそのまま出力クロック信号に出力するように制御する制御値を、クロック位相制御信号101に出力する。クロック位相判定回路107は、位相計算結果が入力クロック信号の0.5サイクル以上を示している場合、クロック選択回路200が入力クロック信号を反転して出力クロック信号に出力するように制御する制御値を、クロック位相制御信号101に出力する。
クロック選択回路200は、クロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102で与えられる出力クロック制御信号に基づいて、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択する。
クロック選択回路200は、AND回路210と、インバータ回路211と、及びセレクタ回路212とから構成されている。
AND回路210は、入力クロック信号を、クロックマスク制御信号102に基づいてマスクする。具体的に説明すると、AND回路210は、クロックマスク制御信号102の値が0の場合、入力クロック信号をマスクする。AND回路210は、クロックマスク制御信号102の値が1の場合、入力クロック信号をマスクしない。
インバータ回路211は、入力クロック信号を反転する。セレクタ回路212は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号に出力するか、あるいは入力クロック信号を反転した信号を出力クロック信号に出力するかを、クロック位相制御信号101に基づいて選択する。
セレクタ回路212は、クロック位相制御信号101の値が0の場合、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号に出力する。セレクタ回路212は、クロック位相制御信号101の値が1の場合、入力クロック信号を反転した信号を出力クロック信号に出力する。
以上のように、クロック選択回路200は、クロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102に基づいて、クロック位相制御信号101の値が0、クロックマスク制御信号102の値が1の場合、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。クロック選択回路200は、クロック位相制御信号101の値が1、クロックマスク制御信号102の値が1の場合、入力クロック信号を反転して出力クロック信号として出力する。クロック選択回路200は、クロックマスク制御信号102の値が0の場合、入力クロック信号をマスクすることで、出力クロック信号としてのクロック信号を出力しない。
クロック選択制御回路100は、分周比の設定信号M−N,−N、Nを入力し、入力クロック信号の各サイクルにおけるクロック選択回路200の制御信号である、クロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102を生成する。
図2を参照して、クロック選択制御回路100の構成の詳細について説明する。クロック選択回路100の位相計算回路105は、セレクタ回路114と、加算器110と、フリップフロップ回路120及び121から構成されている。クロック選択制御回路100のクロック出力判定回路106は、大小比較器112から構成されている。クロック選択制御回路100のクロック位相判定回路107は、2倍乗算器115と、大小比較器113とから構成されている。
位相計算回路105のフリップフロップ回路120及び121は、入力クロック信号の立ち上がりエッジのタイミングに基づいて動作する(図2においては、入力クロック信号の図示は省略している)。
次に図3を参照して、クロック選択制御回路100の動作について説明する。図3は、分周比N/M=5/8の時のクロック選択制御回路100の動作を示すタイミング図である。図3には、入力クロック信号、出力クロック信号、及び、加算器110の出力である遅延計算値103、大小比較器113の出力であるクロック位相制御信号101、大小比較器112の出力であるクロックマスク制御信号102、を図示している。また、比較のために、分周比が5/8でかつ、サイクル時間が一定である理想的な分周クロック信号、及びその入力クロック信号に対する位相を図示している。
図3において、サイクル0では、遅延計算値103の値は0であるとする。2倍乗算器115は、遅延計算値103の値を2倍にして、大小比較器113へ出力する。
大小比較器113は、遅延計算値103の値を2倍した値と、Nの比較結果とを参照して、遅延計算値103の2倍の値がN以上であれば値1を、遅延計算値103の2倍の値がNの未満であれば値0を、クロック位相制御信号101に出力する。
サイクル0では、クロック位相制御信号101の値は0である。大小比較器112は、遅延計算値103とNの比較結果とを参照して、遅延計算値103がN以上であれば値0を、遅延計算値103がN未満であれば値1を、クロックマスク制御信号102に出力する。サイクル0では、クロックマスク制御信号102の値は1である。
従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。これは、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する方が、入力クロック信号を反転して出力するよりも、理想的な分周クロック信号の位相により近いことに対応する。
次に、サイクル1において、フリップフロップ121はサイクル0における大小比較器112の結果、すなわち遅延計算値103がN未満であった旨を保持している。
セレクタ回路114は、フリップフロップ121に保持されている前サイクルの大小比較器112の結果を参照して、遅延計算値103がN以上であったならば入力−Nを選択し、遅延計算値103がN未満であったならば入力M−Nを選択する。
従ってサイクル1では、セレクタ回路114は入力M−N=8−5=3を選択する。フリップフロップ120は、サイクル0における遅延計算値103の値0を保持している。従って、遅延計算値103の値は、加算器110の出力0+3=3となる。
大小比較器113は、遅延計算値103の値を2倍した値6と、N(=5)の比較結果とを参照して、遅延計算値103の2倍の値がN以上であるので、クロック位相制御信号101に値1を出力する。大小比較器112は、遅延計算値103とNの比較結果とを参照して、遅延計算値103の値3はN(=5)未満であるので、クロックマスク制御信号102に値1を出力する。
従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号を反転して出力クロック信号に出力する。これは、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号に出力するよりも、入力クロック信号を反転して出力する方が、理想的な分周クロック信号の位相により近いことに対応する。
次にサイクル2において、フリップフロップ121は、サイクル1において遅延計算値103がN未満であった旨を保持している。
従って、セレクタ回路114は、入力M−N=3を選択して出力する。フリップフロップ120は、サイクル1における遅延計算値103の値3を保持している。従って、遅延計算値103の値は、加算器110の3+3=6となる。
大小比較器113は、遅延計算値103の値を2倍した値12と、N(=5)の比較結果とを参照して、遅延計算値103の2倍の値がN以上であるので、クロック位相制御信号101に値1を出力する。大小比較器112は、遅延計算値103とNの比較結果とを参照して、遅延計算値103の値3はN(=5)以上であるので、クロックマスク制御信号102に値0を出力する。従って、クロック選択回路200は、出力クロック信号として入力クロック信号を出力しない。
次にサイクル3において、フリップフロップ121は、サイクル2において遅延計算値103の値がN以上であった旨を保持している。
従って、セレクタ回路114は入力−N=−5を選択して出力する。フリップフロップ120は、サイクル2における遅延計算値103の値6を保持している。従って、遅延計算値103の値は、加算器110の出力6−5=1となる。
大小比較器113は、遅延計算値103の値を2倍した値2と、N(=5)の比較結果とを参照して、遅延計算値103の2倍の値がN未満であるので、クロック位相制御信号101に値0を出力する。大小比較器112は、遅延計算値103とNの比較結果とを参照して、遅延計算値103の値3はN(=5)未満であるので、クロックマスク制御信号102に値1を出力する。
従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。これは、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号に出力する方が、入力クロック信号を反転して出力するよりも、理想的な分周クロック信号の位相により近いことに対応する。
同様にサイクル4において、遅延計算値103の値は1+3=4、クロック位相制御信号101の値は1、クロックマスク制御信号102の値は1、となる。従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号を反転して出力クロック信号として出力する。これは、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号に出力するよりも、入力クロック信号を反転して出力する方が、理想的な分周クロック信号の位相により近いことに対応する。
同様にサイクル5において、遅延計算値103の値は4+3=7、クロック位相制御信号101の値は1、クロックマスク制御信号102の値は0、となる。従って、クロック選択回路200は、出力クロック信号として入力クロック信号を出力しない。
同様にサイクル6において、遅延計算値103の値は7−5=2、クロック位相制御信号101の値は0、クロックマスク制御信号102の値は1、となる。従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。これは、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号に出力する方が、入力クロック信号を反転して出力するよりも、理想的な分周クロック信号の位相により近いことに対応する。
同様にサイクル7において、遅延計算値103の値は2+3=5、クロック位相制御信号101の値は1、クロックマスク制御信号102の値は0、となる。従って、クロック選択回路200は、出力クロック信号として入力クロック信号を出力しない。
次にサイクル7の次のサイクル0において、フリップフロップ121は、サイクル7において遅延計算値103がN以上であった旨を保持している。
従って、セレクタ回路114は入力−N=−5を選択して出力する。フリップフロップ120は、サイクル7における遅延計算値103の値5を保持している。従って、遅延計算値103の値は、加算器111の5−5=0となる。
大小比較器113は、遅延計算値103の値を2倍した値と、Nの比較結果とを参照して、遅延計算値103の2倍の値がN未満であるので、クロック位相制御信号101の値は0である。大小比較器112は、遅延計算値103とNの比較結果とを参照して、遅延計算値103の値がN未満であるので、クロックマスク制御信号102の値は1である。
従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。この状況は、先に説明したサイクル0の状況と同様である。従って、この後、サイクル0からサイクル7の動作を繰り返すこととなる。
以上説明したように、実施形態1においては、サイクル1とサイクル4とにおいて、入力クロック信号を反転して出力クロック信号として出力している。
従って、例えばサイクル0での出力クロック信号の立ち上がりから、サイクル1での出力クロック信号の立ち上がりまでのサイクル時間は、入力クロック信号の1.5サイクルに拡大される。同様に、サイクル3での出力クロック信号の立ち上がりから、サイクル4での出力クロック信号の立ち上がりまでのサイクル時間は、入力クロック信号の1.5サイクルに拡大される。
以上のように、実施形態1に係る有理数分周回路によれば、分周クロック信号の最小のサイクル時間は、分周比に応じて入力クロック信号の1.5サイクルに拡大することが可能である。また、分周クロック信号のサイクル時間の最大値は、例えばサイクル6での出力クロック信号の立ち上がりから、サイクル0での出力クロック信号の立ち上がりまでの、入力クロック信号の2サイクルである。
実施形態1に係る有理数分周回路によれば、分周クロック信号の最小のサイクル時間の変動は、入力クロック信号の1.5〜2サイクルであり、サイクル時間のサイクル毎の変動が小さいという特徴がある。
実施形態1に係るクロック分周回路は、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択するようにクロック選択回路200を制御して、分周クロック信号を生成する。上記その選択の制御は、サイクル時間が一定の理想的な分周クロック信号の位相を近似するように動作するので、分周クロック信号の最小のサイクル時間が分周比に応じて拡大される機会が多く、サイクル時間の変動が小さい有理数分周クロック信号を生成することができる。
実施形態1によるクロック選択回路200は、ディジタル論理回路のみで構成され、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択する機能を提供すれば十分であるので、消費電力やレイアウト面積が小さいという特徴がある。また、アナログ回路や専用設計を必要とする回路を使用しないので、設計・検証コストが小さいという特徴がある。
尚、実施形態1では、クロック選択制御回路100は、分周比の設定信号M−N,−N、及びNを入力して使用したが、これに限るものではない。例えばM及びNを入力して、内部でM−N及び−Nを生成して使用しても良い。
(実施形態2)
分周比N/Mを規定する2つの整数N及びMにおいて、分周比の分母Mの値を2の累乗に限定する場合、実施形態によるクロック信号分周回路の実現に必要なハードウェア量を、さらに小さくすることが可能である。
実施形態2では、分周比の分母Mの値を2の累乗の値に限定することで、必要なハードウェア量を削減したクロック信号分周回路の実現方法について説明する。
ここで、2の累乗の値とは、例えば、2=2x2x2=8、2=2x2x2x2=16、2=2x2x2x2x2=32などの、2(kは整数)で表される、2を複数回累乗した数である。
実施形態2に係る分周回路は図4に示すように、クロック選択制御回路150と、出力クロック選択回路200とから構成されている。出力クロック選択回路200は上述した実施形態1と同一の構成であり、同一番号を付して詳細な説明は省略する。
クロック選択制御回路150は、入力クロック信号のタイミングで動作し、分周比の設定信号2M−Nを入力して、入力クロック信号の各サイクルにおけるクロック選択回路200の制御信号である、クロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102を生成する。
具体的に説明すると、クロック選択制御回路150は、加算器160及び161と、フリップフロップ回路162と、NAND素子163とから構成されている。
フリップフロップ回路162は、入力クロック信号の立ち上がりエッジのタイミングに基づいて動作する(図4においては、入力クロック信号の図示は省略している)。
ここで、分周比の分母Mは、2の累乗の値M=2で表されるとすると、加算器160及び161は、k+1ビット幅の加算器である。すわなち、加算結果が2(k+1)以上になる場合、キャリー出力に値1が出力される。
クロック選択制御回路150は、実施形態1のクロック選択制御回路100における、位相計算回路105、クロック出力判定回路106、及びクロック位相判定回路107を共通化した構成である。これは、分周比の分母Mの値を2の累乗の値に限定したことで可能となった。そのため、クロック選択制御回路150の実現に必要なハードウェア量が小さいという特長がある。
次に図5を参照して、クロック選択制御回路150の動作について説明する。図5は、分周比N/M=5/8の時のクロック選択制御回路150の動作を示すタイミング図である。入力クロック信号、出力クロック信号、及び、加算器160の結果出力である遅延計算値(a)155、加算器160のキャリー出力である遅延計算キャリー値(a)153、加算器161の結果出力である遅延計算値(b)158、加算器161のキャリー出力である遅延計算キャリー値(b)154、遅延計算キャリー値(a)153の値をそのまま出力するクロック位相制御信号101、NAND素子163の出力であるクロックマスク制御信号102、を図示している。
ここで、分周比の分母MはM=8=2=2、すなわちk=3であるので、加算器160、及び161はk+1=3+1=4ビット幅の加算器であり、従って、加算結果が2(k+1)=2=16以上の場合、キャリー出力に値1が出力される。
図5において、サイクル0ではフリップフロップ162が保持する値は、0であるとする。加算器160は、フリップフロップ162が保持する値0と、入力する分周比設定信号の値2M−N=2x8−5=11とを加算し、遅延計算値(a)155に値11を、遅延計算キャリー値(a)153として値0を出力する。
加算器161は、上記遅延計算値(a)155の値11と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算する。加算結果は11+11=22となるので、加算器161は、遅延計算キャリー値(b)154として値1を出力する。加算器161は、遅延計算値(b)158156として下位4ビットの値6を出力する。
従って、サイクル0ではクロック位相制御信号101の値は0、クロックマスク制御信号102の値は1である。従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。
次にサイクル1において、フリップフロップ162はサイクル0における遅延計算値(b)158の値6を保持している。
加算器160は、上記フリップフロップ162が保持する値6と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算する。加算結果は6+11=17となるので、加算器160は、遅延計算キャリー値(a)153として値1を出力する。加算器160は、遅延計算値(a)155として下位4ビットの値1を出力する。加算器161は、上記遅延計算値(a)155の値1と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算し、遅延計算値(b)158として値12を、遅延計算キャリー値(b)154として値0をそれぞれ出力する。
従って、サイクル1ではクロック位相制御信号101の値は1、クロックマスク制御信号102の値は1である。従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号を反転して出力クロック信号として出力する。
次にサイクル2において、フリップフロップ162はサイクル1における遅延計算値位相計算値(b)158の値12を保持している。
加算器160は、上記フリップフロップ162が保持する値12と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算し、遅延計算値(a)155として値7を、遅延計算キャリー値(a)153として値1をそれぞれ出力する。加算器161は、上記遅延計算値(a)155の値7と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算し、遅延計算値(b)158として値2を、遅延計算キャリー値(b)154として値1をそれぞれ出力する。
従って、サイクル2ではクロック位相制御信号101の値は1、クロックマスク制御信号102の値は0である。従って、クロック選択回路200は、出力クロック信号として入力クロック信号を出力しない。
次にサイクル3において、フリップフロップ162はサイクル2における遅延計算値(b)158の値2を保持している。
加算器160は、上記フリップフロップ162が保持する値2と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算し、遅延計算値(a)155として値13を、遅延計算キャリー値(a)153として値0をそれぞれ出力する。加算器161は、上記遅延計算値(a)155の値13と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算し、遅延計算値(b)158として値8を、遅延計算キャリー値(b)154として値1をそれぞれ出力する。
従って、サイクル3ではクロック位相制御信号101の値は0、クロックマスク制御信号102の値は1である。従って、クロック選択回路200は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。
同様にサイクル4において、遅延計算値(a)155の値は3、遅延計算キャリー値(a)153の値は1、遅延計算値(b)158の値は14、遅延計算キャリー値(b)154の値は0になる。従って、サイクル4ではクロック位相制御信号101の値は1、クロックマスク制御信号102の値は1である。クロック選択回路200は、入力クロック信号を反転して出力クロック信号として出力する。
同様にサイクル5において、遅延計算値(a)155の値は9、遅延計算キャリー値(a)153の値は1、遅延計算値(b)158の値は4、遅延計算キャリー値(b)154の値は1になる。従って、サイクル5ではクロック位相制御信号101の値は1、クロックマスク制御信号102の値は0である。クロック選択回路200は、出力クロック信号として入力クロック信号を出力しない。
同様にサイクル6において、遅延計算値(a)155の値は15、遅延計算キャリー値(a)153の値は0、遅延計算値(b)158の値は10、遅延計算キャリー値(b)154の値は1になる。従って、サイクル6ではクロック位相制御信号101の値は0、クロックマスク制御信号102の値は1である。クロック選択回路200は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。
同様にサイクル7において、遅延計算値(a)155の値は5、遅延計算キャリー値(a)153の値は1、遅延計算値(b)158の値は0、遅延計算キャリー値(b)154の値は1になる。従って、サイクル7ではクロック位相制御信号101の値は1、クロックマスク制御信号102の値は0である。クロック選択回路200は、出力クロック信号として入力クロック信号を出力しない。
次にサイクル7の次のサイクル0において、フリップフロップ162はサイクル7における遅延計算値(b)158の値0を保持している。加算器160は、上記フリップフロップ162が保持する値0と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算し、遅延計算値(a)155として値11を、遅延計算キャリー値(a)153として値0をそれぞれ出力する。加算器161は、上記遅延計算値(a)155の値11と、入力する分周比設定信号の値2M−N=11とを加算し、遅延計算値(b)158として値6を、遅延計算キャリー値(b)154として値1をそれぞれ出力する。
従って、クロック位相制御信号101の値は0、クロックマスク制御信号102の値は1である。クロック選択回路200は、入力クロック信号をそのまま出力クロック信号として出力する。この状況は、先に説明したサイクル0の状況と同様である。従って、この後、サイクル0からサイクル7の動作を繰り返すこととなる。
以上説明したように実施形態2による分周回路が出力する分周クロック信号は、実施形態1による分周回路が出力する分周クロック信号と同一であり、実施形態2によるクロック分周回路も同様に、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択するようにクロック選択回路200を制御して、分周クロック信号を生成する。上記その選択の制御は、サイクル時間が一定の理想的な分周クロック信号の位相を近似するように動作するので、分周クロック信号の最小のサイクル時間が分周比に応じて拡大される機会が多く、サイクル時間の変動が小さい有理数分周クロック信号を生成することができる。
実施形態2によれば、分周比N/Mを規定する2つの整数N及びMにおいて、分周比の分母Mの値を2の累乗に限定することで、クロック選択回路を制御するクロック選択制御回路の実現に必要なハードウェア量を削減することが可能であり、従って、消費電力やレイアウト面積がより小さい有理数クロック信号分周回路を実現することができる。
尚、実施形態2では、クロック選択制御回路150は、分周比の設定信号2M−Nを入力して使用したが、これに限るものではない。例えばM及びNを入力して、内部で2M−Nを生成して使用しても良い。
(実施形態3)
次に図6を参照して、クロック選択回路の別の例を実施形態3として説明する。図6は、実施形態3によるクロック選択回路300を示す構成図である。
クロック選択回路300は図6に示すように、選択制御信号変換回路350と、AND素子310及び311と、OR素子312と、インバータ素子313と、フリップフロップ回路314及び315とから構成される。
選択制御信号変換回路350は、AND素子351及び352と、インバータ353とから構成され、クロック選択制御回路が生成するクロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102を、クロック選択回路300の構成での使用に適するように、それぞれクロック出力制御信号(p)301、及びクロック出力制御信号(n)302に変換する。
フリップフロップ回路314は、入力クロック信号の立ち下りのタイミングでクロック出力制御信号(p)301をラッチし、クロックマスク制御信号(p)303として出力する。フリップフロップ回路315は、入力クロック信号の立ち上りのタイミングでクロック出力制御信号(p)302をラッチし、クロックマスク制御信号(p)304として出力する。
AND素子310は、入力クロック信号を、クロックマスク制御信号(p)303に基づいてマスクする。具体的に説明すると、AND素子310は、クロックマスク制御信号303の値が0の場合、入力クロック信号をマスクする。クロックマスク制御信号303の値が1の場合、入力クロック信号をマスクしない。
インバータ回路313は、入力クロック信号を反転する。AND素子311は、入力クロック信号を反転した信号を、クロックマスク制御信号(n)304に基づいてマスクする。OR素子312は、AND素子310を通過する入力クロック信号と、AND素子311を通過する入力クロック信号を反転した信号を合流し、出力クロック信号として出力する。
次に図7を参照して、クロック選択回路300の動作について説明する。図7は、分周比N/M=5/8の時のクロック選択回路300の動作を示すタイミング図である。入力クロック信号、出力クロック信号、及び、クロック選択制御回路の出力であるクロック位相制御信号101、クロックマスク制御信号102、フリップフロップ回路314の出力であるクロックマスク制御信号(p)303、フリップフロップ回路315の出力であるクロックマスク制御信号(n)304、を図示している。
クロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102は、上述した実施形態1によるクロック選択制御回路100、または実施形態2によるクロック選択制御回路150が生成する制御信号と同一であり、詳細な説明は省略する。
選択制御信号変換回路350は、クロック選択制御回路が生成するクロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102から、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択するように、クロック出力制御信号(p)301、及びクロック出力制御信号(n)302に変換する。すなわち、選択制御信号変換回路350は、入力クロック信号をそのまま出力する場合、AND素子310のマスク機能を無効にし、AND素子311のマスク機能を有効にするために、クロック出力制御信号(p)301として値1、及びクロック出力制御信号(n)302として値0をそれぞれ出力する。入力クロック信号を反転して出力する場合、AND素子310のマスク機能を有効にし、AND素子311のマスク機能を無効にするために、選択制御信号変換回路350は、クロック出力制御信号(p)301として値0、及びクロック出力制御信号(n)302として値1をそれぞれ出力する。入力クロック信号を出力しない場合、AND素子310のマスク機能、及びAND素子311のマスク機能を有効にするために、選択制御信号変換回路350は、クロック出力制御信号(p)301として値0、及びクロック出力制御信号(n)302として値0をそれぞれ出力する。
フリップフロップ回路314は、入力クロック信号の立ち下りのタイミングでクロック出力制御信号(p)301をラッチし、クロックマスク制御信号(p)303として出力することで、クロックマスク制御信号(p)303の遷移を、入力クロック信号の値が0であるタイミングに限定する機能を有する。フリップフロップ回路315は、入力クロック信号の立ち上りのタイミングでクロック出力制御信号(p)302をラッチし、クロックマスク制御信号(p)304として出力することで、クロックマスク制御信号(n)304の遷移を、入力クロック信号の値が1であるタイミングに限定する機能を有する。上述した機能により、出力クロック信号にグリッチが発生することが抑制されるので、クロック選択回路、及びクロック選択制御回路のタイミング設計が容易になるという効果がある。
尚、実施形態3では、入力クロック信号、または、入力クロック信号を反転した信号を、クロック出力制御信号に基づいてマスクする素子としてAND素子を、上記2つのマスクする機能を有するAND素子を通過する信号を合流する素子としてOR素子を用いたが、これに限るものではない。それぞれOR素子とAND素子を用いても良いし、その他、同等の機能を有する回路を用いても良い。
(実施形態4)
次に図8を参照して、クロック選択回路の別の例を実施形態4として説明する。クロック選択回路400は図8に示すように、AND素子410と、XOR素子411と、OR素子412と、フリップフロップ回路413及び414と、選択制御信号変換回路450とから構成されている。
選択制御信号変換回路450は図8に示すように、AND素子451及び453と、インバータ452とから構成され、クロック選択制御回路が生成するクロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102を、クロック選択回路400の構成での使用に適するように、それぞれクロック出力制御信号401、及びクロック位相制御信号402に変換する。
フリップフロップ回路413は、入力クロック信号の立ち上りのタイミングでクロック位相制御信号402をラッチし、クロックマスク制御信号404として出力する。フリップフロップ回路414は、入力クロック信号の立ち下りのタイミングでクロック出力制御信号401をラッチし、クロックマスク制御信号403として出力する。
XOR素子411は、クロックマスク制御信号404に基づいて、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、を制御する。OR素子412は、クロックマスク制御信号403とクロックマスク制御信号404の論理和の結果を、クロックマスク制御信号405として出力する。AND素子410は、入力クロック信号か、または入力クロック信号を反転した信号を、クロックマスク制御信号405に基づいてマスクする。
次に図9を参照して、クロック選択回路400の動作について説明する。図9は、分周比N/M=5/8の時のクロック選択回路400の動作を示すタイミング図である。入力クロック信号、出力クロック信号、及び、クロック選択制御回路の出力であるクロック位相制御信号101、クロックマスク制御信号102、フリップフロップ回路414の出力であるクロックマスク制御信号403、フリップフロップ回路413の出力であるクロックマスク制御信号404、OR素子412の出力であるクロックマスク制御信号405、を図示している。
クロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102は、上述した実施形態1によるクロック選択制御回路100、または実施形態2によるクロック選択制御回路150が生成する制御信号と同一であり、詳細な説明は省略する。
選択制御信号変換回路450は、クロック選択制御回路が生成するクロック位相制御信号101、及びクロックマスク制御信号102から、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択するように、クロック出力制御信号401、及びクロック位相制御信号402に変換する。すなわち、入力クロック信号をそのまま出力する場合、XOR素子411の入力クロックを反転する機能を無効にし、AND素子410のマスク機能を有効にするために、選択制御信号変換回路450は、クロック出力制御信号401として値1、及びクロック位相制御信号402として値0をそれぞれ出力する。入力クロック信号を反転して出力する場合、XOR素子411の入力クロックを反転する機能を有効にし、AND素子410のマスク機能を無効にするために、選択制御信号変換回路450は、クロック出力制御信号401として値0、及びクロック位相制御信号402として値1をそれぞれ出力する。入力クロック信号を出力しない場合、AND素子410のマスク機能を有効にするために、選択制御信号変換回路450は、クロック出力制御信号401として値0、及びクロック位相制御信号402として値0をそれぞれ出力する。
フリップフロップ回路413は、入力クロック信号の立ち上りのタイミングでクロック位相制御信号402をラッチし、クロックマスク制御信号404として出力することで、クロックマスク制御信号405の遷移を、入力クロック信号を反転した信号の値が0であるタイミングに限定する。フリップフロップ回路414は、入力クロック信号の立ち下りのタイミングでクロック出力制御信号401をラッチし、クロックマスク制御信号403として出力することで、クロックマスク制御信号405の遷移を、入力クロック信号の値が0であるタイミングに限定する。上述したフリップフロップ回路413及び414の機能により、出力クロック信号にグリッチが発生することが抑制されるので、クロック選択回路、及びクロック選択制御回路のタイミング設計が容易になるという効果がある。
実施形態4によれば、入力クロック信号から出力クロック信号へクロック信号が通過し、かつ出力クロック信号が駆動する回路のタイミング設計時にタイミングを考慮する必要のあるタイミング・パスは、XOR素子411及びAND素子410を通過するパスのみであるので、出力クロック信号により駆動される回路のタイミング設計が容易になるという効果がある。
尚、実施形態4では、クロックマスク制御信号404に基づいて、入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、を制御する素子としてXOR素子を、また、入力クロック信号か、あるいは入力クロック信号を反転した信号を、クロックマスク制御信号405に基づいてマスクする素子としてAND素子を用いたが、これに限るものではない。それぞれXNOR素子やOR素子を用いても良いし、その他、同等の機能を有する回路を用いても良い。
また、本発明の実施形態においては、前記制御手段は、分周比がN/Mであり、かつサイクル時間が一定である理想的な分周クロック信号の、入力クロック信号に対する位相を計算する手段と、前記位相を計算する手段が計算した結果を参照して、入力クロック信号を出力クロック信号に出力するか否かを判定する手段と、前記位相を計算する手段が計算した結果を参照して、入力クロック信号をそのまま出力する場合の出力クロック信号の位相と、入力クロック信号を反転してそのまま出力する場合の出力クロック信号の位相のいずれかのうち、前記理想的な分周クロック信号の位相により近い方を判定する手段、とを備える構成とすることが望ましいものである。
また、本発明の実施形態においては、前記制御手段は、記憶手段と、前記記憶手段が記憶する値と前記分周比を規定する整数Mの2倍から整数Nを引いた値とを加算する第一の加算器と、前記第一の加算器の出力と前記分周比を規定する整数Mの2倍から整数Nを引いた値とを加算する第二の加算器と、を備え、前記記憶手段は、前記第二の加算器の加算結果を前記入力クロックのサイクル毎に記憶し、前記第一及び第二の加算器のキャリー信号から、前記クロック選択回路を制御する制御信号を生成する構成としてもよいものである。
また、本発明の実施形態においては、前記クロック選択回路は、入力クロック信号の値を値0または値1にマスクする手段と、入力クロック信号の値を反転する手段と、入力クロック信号の値を反転しない信号か、または入力クロック信号の値を反転した信号のいずれかを選択する選択手段を備えることが望ましいものである。
また、本発明の実施形態においては、前記クロック選択回路は、入力クロック信号の値を値0または値1にマスクする手段と、入力クロック信号の値を反転した信号の値を値0または値1にマスクする手段と、前記入力クロック信号の値をマスクする手段の出力と、前記入力クロック信号の値を反転した信号の値をマスクする手段の出力を、合流して出力する手段を備える構成としてもよいものである。
また、本発明の実施形態においては、前記クロック選択回路は、入力する制御信号の値に基づいて、入力クロック信号の値または入力クロック信号の値を反転した値のいずれかを生成する手段と、前記入力クロック信号の値または前記入力クロック信号の値を反転した値のいずれかを出力する手段の出力を、値0または値1にマスクする手段とを備える構成としてもよいものである。
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は2006年11月29日に出願された日本出願特願2006−322410を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明によれば、分周クロック信号のサイクル時間の変動が小さく、分周クロック信号の最小のサイクル時間が分周比に応じて拡大される機会が多く、消費電力やレイアウト面積が小さく、設計・検証コストが小さいクロック信号分周回路及びクロック信号分周方法を提供できる。
本発明の実施形態1に係る分周回路を示す構成図である。 本発明の実施形態1におけるクロック選択制御回路を示す構成図である。 本発明の実施形態1におけるクロック分周回路の動作を示すタイミング図である。 本発明の実施形態2に係るクロック分周回路を示す構成図である。 本発明の実施形態2におけるクロック分周回路の動作を示すタイミング図である。 本発明の実施形態3におけるクロック分周回路を示す構成図である。 本発明の実施形態3におけるクロック分周回路の動作を示すタイミング図である。 本発明の実施形態4におけるクロック分周回路を示す構成図である。 本発明の実施形態4におけるクロック分周回路の動作を示すタイミング図である。 関連する技術による有理数クロック分周の動作例を示すタイミング図である。
100 クロック選択制御回路
110 加算器
112、113 大小比較器
114 セレクタ回路
115 2倍乗算器
120、121 フリップフロップ回路
150 クロック選択制御回路
160、161 加算器
162 フリップフロップ回路
163 NAND素子
200 出力クロック選択回路
210 AND回路
211 インバータ回路
212 セレクタ回路
300 クロック選択回路
310、311 AND素子
312 OR素子
313 インバータ素子
314、315 フリップフロップ回路
350 選択制御信号変換回路
400 クロック選択回路
410 AND素子
411 XOR素子
412 OR素子
413、414 フリップフロップ回路
450 選択制御信号変換回路

Claims (6)

  1. 分周比が2つの整数N及びMの比であるN/Mで規定されるクロック信号分周回路において、
    入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択するクロック選択回路と、
    前記クロック選択回路の前記選択を制御する制御信号を生成する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、分周比がN/Mであり、
    サイクル時間が一定である理想的な分周クロック信号の入力クロック信号に対する位相を計算する手段と、
    前記位相を計算する手段が計算した結果を参照して、入力クロック信号を出力クロック信号に出力するか否かを判定する手段と、
    前記位相を計算する手段が計算した結果を参照して、入力クロック信号をそのまま出力する場合の出力クロック信号の位相と、入力クロック信号を反転してそのまま出力する場合の出力クロック信号の位相のいずれかのうち、前記理想的な分周クロック信号の位相により近い方を判定する手段とを有することを特徴とするクロック信号分周回路。
  2. 前記制御手段は、
    記憶手段と、
    前記記憶手段が記憶する値と前記分周比を規定する整数Mの2倍から整数Nを引いた値とを加算する第一の加算器と、
    前記第一の加算器の出力と前記分周比を規定する整数Mの2倍から整数Nを引いた値とを加算する第二の加算器と、を有し、
    前記記憶手段は、前記第二の加算器の加算結果を前記入力クロックのサイクル毎に記憶し、前記第一及び第二の加算器のキャリー信号から、前記クロック選択回路を制御する制御信号を生成する、請求項1に記載のクロック信号分周回路。
  3. 前記クロック選択回路は、
    入力クロック信号の値を値0または値1にマスクする手段と、
    入力クロック信号の値を反転する手段と、
    入力クロック信号の値を反転しない信号か、または入力クロック信号の値を反転した信号のいずれかを選択する選択手段を有する、請求項1に記載のクロック信号分周回路。
  4. 前記クロック選択回路は、
    入力クロック信号の値を値0または値1にマスクする手段と、
    入力クロック信号の値を反転した信号の値を値0または値1にマスクする手段と、
    前記入力クロック信号の値をマスクする手段の出力と、前記入力クロック信号の値を反転した信号の値をマスクする手段の出力を、合流して出力する手段を有する請求項1に記載のクロック信号分周回路。
  5. 前記クロック選択回路は、
    入力する制御信号の値に基づいて、入力クロック信号の値または入力クロック信号の値を反転した値のいずれかを生成する手段と、
    前記入力クロック信号の値または前記入力クロック信号の値を反転した値のいずれかを出力する手段の出力を、値0または値1にマスクする手段とを有する、請求項1に記載のクロック信号分周回路。
  6. 分周比が2つの整数N及びMの比であるN/Mで規定されるクロック信号を出力するクロック信号分周方法において、
    入力クロック信号をそのまま出力するか、入力クロック信号を反転して出力するか、入力クロック信号を出力しないか、のいずれかを選択し
    分周比をN/Mとして、サイクル時間が一定である理想的な分周クロック信号の入力クロック信号に対する位相を計算し、
    前記計算した結果を参照して、入力クロック信号を出力クロック信号に出力するか否かを判定し、
    前記計算した結果を参照して、入力クロック信号をそのまま出力する場合の出力クロック信号の位相と、入力クロック信号を反転してそのまま出力する場合の出力クロック信号の位相のいずれかのうち、前記理想的な分周クロック信号の位相により近い方を判定することを特徴とするクロック信号分周方法。
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