JP4434277B2 - クロック生成回路およびその使用方法 - Google Patents
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Description
特に、位相同期回路101を用いて周波数の異なる複数のクロック信号CKOを生成する必要がある場合には、クロック信号CKOの全ての周波数に対して整数倍または整数分の1となるように基準信号CKIの周波数を設定しなければならず、そのような周波数が存在しない時には、クロック信号CKOの周波数毎に、異なった基準信号CKIを用意しなければならないという問題もあった。
このようにクロック生成回路を使用することにより、クロック信号の周期を規定する制御データを、周期データの整数倍または整数分の1に限らず、任意の値に設定することが可能となるため、任意周波数のクロック信号を発生させることができる。
次に、請求項2に記載のクロック生成回路は、逓倍数又は分周数を表す実数の設定値を格納するレジスタを備え、制御部は、そのレジスタに設定された設定値に基づいて制御データを生成することを特徴とする。
ところで、本発明のクロック生成回路が生成可能なクロック信号の周波数範囲は、基準信号の周波数、遅延素子の遅延時間、周期データや制御データのデータサイズによって制限を受ける。
また、請求項4に記載のように、制御部が、整数で表された制御データを生成するように構成されている場合、出力部は、制御データを選択値として、通過信号群の中から選択値に対応する通過信号のタイミングを選択することにより、クロック信号のクロック境界を表す境界タイミング信号を生成する境界タイミング生成回路を備え、その境界タイミング生成回路が生成した前記境界タイミング信号に従って、クロック信号を生成するように構成すればよい。
[第1実施形態]
図1は、クロック生成回路1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、クロック生成回路1は、リング状に連結したm(m=2p ,pは正整数,本実施形態ではp=4)個の遅延素子DUからなり、パルス信号を順次遅延して周回させるパルス遅延回路10と、このパルス遅延回路10を構成する各遅延素子DUから順次出力される通過信号P1〜Pmに基づき、基準信号CKIの立ち上がりから次の立ち上がりまでの位相差を2進デジタル値に変換してなる周期データDTを生成する周期測定部20と、除数又は乗数として使用される設定値MNを格納する設定値レジスタ50と、周期測定部20にて得られた周期データDTに、設定値レジスタ50に格納された設定値MNを乗・除してクロック信号の出力周期を表す制御データCDを生成する制御部30と、制御部30から出力される制御データCDと、パルス遅延回路10から順次出力される通過信号P1〜Pmとに基づき、基準信号CKIを分周又は逓倍したクロック信号CKOを出力する出力部40とを備えている。
パルス遅延回路10を構成する各遅延素子DUは、CMOSインバータゲート回路を1又は複数段(本実施形態では2段)接続することで構成されている。
周期測定部20は、図2に示すように、通過信号Pmによって、パルス遅延回路10を周回するパルス信号の周回数をカウントする周期カウンタ21と、基準信号CKIの立ち上がりタイミングで周期カウンタ21の出力をラッチするラッチ回路23と、基準信号CKIの立ち上がりタイミングで通過信号P1〜Pmをラッチし、そのラッチした結果に従って、パルス信号の位置をpビットの二進データに符号化するラッチ符号化回路25と、を備え、ラッチ回路23がラッチした値を周期データDTの上位ビット、ラッチ符号化回路25で符号化されたpビットの値を周期データDTの下位ビットとして出力するように構成されている。
<制御部>
制御部30は、設定値レジスタ50に格納された設定値MNを除数、周期測定部20からの周期データDTを被除数とした演算を実行する除算器31と、設定値レジスタ50に格納された設定値MNを乗数、周期測定部20からの周期データDTを被乗数とした演算を実行する乗算器33と、演算選択信号CSに従って、除算器31の演算結果または乗算器33の演算結果のいずれか一方を、制御データCDとして出力部40に供給するセレクタ35とからなる。
出力部40は、図4に示すように、制御データCDを格納する制御値レジスタ41と、制御値レジスタ41の格納値に従って、後述するプリセット値C1、及びパルス選択値C2を生成する出力制御回路43と、出力制御回路43が生成するプリセット値C1が繰り返しプリセットとされ、通過信号Pmに従ってダウンカウントを行うダウンカウンタ45と、ダウンカウンタ45がカウントアウトすると、出力制御回路43にて生成されたパルス選択値C2に従って、通過信号P1〜Pmのずれかをクロック信号CKOのクロック境界のタイミングを表す境界タイミング信号Pxとして選択するパルスセレクタ47と、パルスセレクタ47で選択された境界タイミング信号Pxのタイミングでパルス信号を発生させることにより、クロック信号CKOを生成するパルス生成回路49とを備えている。
制御値レジスタ41は、制御データCDの整数部の上位(a−p)ビットからなる整数部上位データCDHを格納するCDHレジスタ411と、制御データCDの整数部の下位pビットからなる整数部下位データCDMを格納するCDMレジスタ413と、制御データCDの小数部からなる小数部データCDLを格納するCDLレジスタ415とで構成されている。
出力制御回路43は、キャリーCYの入力がない場合は、CDHレジスタ411に格納された整数部上位データCDHをそのままプリセット値C1とし、キャリーCYの入力がある場合は、整数部上位データCDHに1を加えた値をプリセット値C1としてダウンカウンタ45に供給するプリセット値設定部431と、パルスセレクタ47に供給するpビットのパルス選択値C2を格納する選択値レジスタ433と、調整フラグFがセットされていない場合は、選択値レジスタ433に格納されたパルス選択値C2にCDMレジスタ413に格納された整数部下位データCDMを加算した値を更新値とし、調整フラグFがセットされている場合は、上述の更新値に更に1を加えた更新値として、その更新値により選択値レジスタ433に格納されたパルス選択値C2を更新すると共に、更新値が2p 以上となった場合に、キャリーCYを発生させる選択値設定部435と、CDLレジスタ415に格納されている小数部データCDLによって特定される割合で、調整フラグFをセットする調整フラグ設定部437とからなる。
<動作>
ここで、図5は、設定値MNが4.3、演算選択信号SCが除算(即ち、基準信号CKIの逓倍)に設定された場合の基準信号CKIとクロック信号CKOとの関係を示し、図6は、設定値MNが4.3、演算選択信号SCが乗算(即ち、基準信号CKIの分周)に設定された場合の基準信号CKIとクロック信号CKOとの関係を示すタイミング図である。
具体的には、基準信号CKI,クロック信号CKOのうち周波数が低い方(この場合は基準信号CKI)のk(k=1,2,3)番目の立ち上がりエッジでの位相差Tdef(k)、は、以下のような値となる。
Tdef(2)=2×DT−CD×8≒1400ns
Tdef(3)=3×DT−CD×12≒2100ns
このように、基準信号CKIとクロック信号CKOとではクロックエッジが一致せず、基準信号CKIと非同期かつ逓倍されたクロック信号CKOが生成されることになる。
以上説明したように、クロック生成回路1では、基準信号CKIの周期を表す周期データDTから、クロック信号CKOの周期を表す制御データCDを、除算または乗算によって算出する際に、除数または乗数となる設定値MNとして実数を用いることができるように構成されている。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
図7は、本実施形態のクロック生成回路1aの全体構成を示すブロック図である。
なお、クロック生成回路1a、第1実施形態のクロック生成回路1とは構成の一部が異なるだけであるため、同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、構成の異なる部分を中心に説明する。
このように構成されたクロック生成回路1aによれば、セレクタ60によって基準信号CKIの周波数を切り替えることにより、生成可能なクロック信号CKOの周波数範囲を拡大することができる。
[他の実施形態]
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施可能である。
また、制御部30は、除算器31と乗算器33とを備え、これを切り替えて使用するように構成されているが、いずれか一方だけを備えるように構成してもよい。
Claims (7)
- 複数の遅延素子をリング状に接続してなり、パルス信号を遅延させながら伝送するパルス遅延回路と、
予め設定された基準信号を入力し、該基準信号の1周期の間に、前記パルス遅延回路にて前記パルス信号が通過した遅延素子の段数を検出して符号化することにより、前記遅延素子の平均遅延時間を単位として、前記基準信号の周期を表した周期データを生成する周期測定部と、
逓倍数又は分周数を表す設定値を除数又は乗数とし、前記周期データを被除数又は被乗数とした演算を実行することにより、前記基準信号の周波数を前記設定値で逓倍又は分周することで得られる信号の周期を表した制御データを生成する制御部と、
前記パルス遅延回路を構成する各遅延素子からの出力である通過信号に基づいて、前記制御データに示された周期を有するクロック信号を生成する出力部と、
を備えたクロック生成回路の使用方法であって、
前記設定値として実数を用いることを特徴とするクロック生成回路の使用方法。 - 複数の遅延素子をリング状に接続してなり、パルス信号を遅延させながら伝送するパルス遅延回路と、
予め用意された基準信号を入力し、該基準信号の1周期の間に、前記パルス遅延回路にて前記パルス信号が通過した遅延素子の段数を検出して符号化することにより、前記遅延素子の平均遅延時間を単位として、前記基準信号の周期を表した周期データを生成する周期測定部と、
逓倍数又は分周数を表す実数の設定値を格納するレジスタと、
前記レジスタに格納された設定値を除数又は乗数とし、前記周期データを被除数又は被乗数とした演算を実行することにより、前記基準信号の周波数を前記設定値で逓倍又は分周することで得られる信号の周期を表した制御データを生成する制御部と、
前記パルス遅延回路を構成する各遅延素子からの出力である通過信号に基づいて、前記制御データに示された周期を有するクロック信号を生成する出力部と、
を備えることを特徴とするクロック生成回路。 - 予め用意された周波数の異なる複数の基準信号のいずれかを択一的に前記周期測定部に供給するセレクタを備えることを特徴とする請求項2に記載のクロック生成回路。
- 前記制御部は、整数で表された前記制御データを生成し、
前記出力部は、
前記制御データを選択値として、前記通過信号群の中から前記選択値に対応する通過信号のタイミングを選択することにより、前記クロック信号のクロック境界を表す境界タイミング信号を生成する境界タイミング生成回路を備え、該境界タイミング生成回路が生成した前記境界タイミング信号に従って、前記クロック信号を生成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のクロック生成回路。 - 前記制御部は、実数で表された前記制御データを生成し、
前記出力部は、
前記制御データの小数部により決まる一定の割合で、前記整数部の値、又は前記整数部の値に1を加えた値のいずれかを選択値として生成する調整回路と、
前記通過信号群の中から前記選択値に対応する通過信号のタイミングを選択することにより、前記クロック信号のクロック境界を表す境界タイミング信号を生成する境界タイミング生成回路と、
を備え、該境界タイミング生成回路が生成した前記境界タイミング信号に従って、前記クロック信号を生成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のクロック生成回路。 - 前記パルス遅延回路は、前記遅延素子をm(=2P :pは正整数)個備え、
前記境界タイミング生成回路は、
前記選択値のデータサイズをa(但し、a>p)ビットとして、上位(a−p)ビットで示される周回数だけ、前記パルス信号が周回したことを検出する周回検出回路と、
前記周回検出回路にて検出された直後に現れる前記選択値の下位pビットに対応した前記通過信号のタイミングを選択するタイミング選択回路と、
を備えることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のクロック生成回路。 - 前記符号化回路は、
前記パルス遅延回路を周回するパルス信号の周回数をカウントする周期カウンタと、
前記周期カウンタの出力をラッチするラッチ回路と、
前記基準信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジで前記遅延素子の出力をラッチし、前記パルス遅延回路内でのパルス信号の位置を二進データに符号化するラッチ符号化回路と、
を備え、前記ラッチ回路の出力を前記周期データの上位ビット、前記ラッチ符号化回路の出力を前記周期データの下位ビットとして出力することを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載のクロック生成回路。
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