JP5240466B2 - Fpd基板の製造方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ基板、プラズマディスプレイ基板等と言ったFPD(Flat Panel Display)基板の製造方法に係り、特に、ガスウィンドウ方式のレーザCVD法による配線修復処理を含むFPD基板の製造方法及び装置に関する。
昨今、FPD(Flat Panel Display)の大画面化に伴い、液晶ディスプレイ基板、プラズマディスプレイ基板等と言ったFPD基板の製造工程においては、断線等の配線欠陥を有する基板については、これを不良品として廃棄するのではなく、その配線欠陥部分の上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって導電性被膜を局部的に堆積させて導通を回復することで、配線欠陥部分の修復を行い、良品に再生すると言った配線修復処理が採用されている。
こうして配線修復処理が行われた基板は、次いで、液晶ディスプレイ基板であれば、その後段に位置するセル製造工程へと送られ、基板の修復箇所を含む回路面上には配向膜等の膜体が形成され、一方プラズマディスプレイパネルであれば、その後段に位置する工程へと送られて、基板の修復箇所を含む回路面上にはタングステンカルボニルW(CO)6あるいはクロムCr(CO)6等の膜等の膜体が形成され、それらの膜体によって、結果として、配線欠陥部分に被着されたCVD被膜はしつかりと基板上に保持される(例えば、特許文献1,2,3参照)。
特開2007−109980号公報 特許第2723658号公報 特開第3109508号公報
この種の配線修復処理に採用されるCVD法としては、対象物が収容された大型真空チャンバ内にCVD原料ガスを導入しつつ、これを高電界で電離させて対象物上にCVD被膜を堆積させると言った所謂「真空チャンバ方式」のものではなくて、下面が開口されかつ上面にレーザ入射窓を有するガスウィンドウを基板上の配線欠陥部分に局部的に被せるとともに、その内部をパージガスにて外界と遮断しつつ、その内部にCVD原料ガスを導入してCVD原料ガス雰囲気を生成し、その状態でレーザ入射窓からレーザ光を導入して配線欠陥部分に照射し、これによりその周辺の原料ガスを分解させて、配線欠陥部分にCVD被膜を堆積させると言った所謂「ガスウィンドウ方式」のものが採用されている。
ここで、一般に、「ガスウィンドウ方式」のCVD法は、「真空チャンバ方式」のCVD法に比べてCVD被膜の蒸着スピードが早くCVD被膜の堆積効率は高いが、CVD被膜の密度や密着度が低く、不安定であることが、本発明者により知見された。
そのため、基板上の配線欠陥部分の上に、十分な付着強度及び電気的導通度を満足するCVD被膜を堆積させるためには、レーザ光照射処理、原料ガスの組成、パージガスの組成等々を通じての厳密な膜厚や膜密度に関する管理を必要とする。
加えて、このようなCVD法による配線修復処理と、その後段に位置する膜体生成処理(例えば、配向膜の生成処理)との間には、基板表面を清浄化するための洗浄処理が存在し、殊に、昨今、この種の洗浄処理は、大型化した基板を高速で洗浄する必要から、洗浄力が強化されている。
そのため、上述の配線修復処理で形成されたCVD被膜が、例えば、レーザ照射時間の不足や原料ガス、パージガスの不良等に起因して、付着強度が弱く、比較的に剥がれやすいものであると、上述の洗浄処理において、せっかく配線欠陥部分に付着したCVD被膜が剥がれ落ちてしまい、その基板は最早廃棄せざるを得ず、歩留まりを低下させる。
一方、そのようなCVD被膜の剥離を確実に防止するために、原料ガス濃度を必要以上に上げたり、レーザ照射時間を必要以上に増加させたりすれば、CVD被膜の付着強度は上昇するが、いたずらに、処理コストの上昇や処理時間の増加が招来される。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ガスウィンドウ方式のレーザCVD法による配線修復処理を含むFPD基板の製造方法において、レーザCVD処理工程におけるCVD被膜の厚さや密度等に関する厳密な管理を要することなく、修復されるFPD基板の歩留まりを向上させ、それにより製造コストを低減することにある。
本発明の他の目的とするところは、上述のFPD基板の製造方法の実施に好適なFPD基板の修復部保護膜形成装置、及びFPD基板の修復装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上述の技術的課題は、以下の構成を有するFPD基板の製造方法により解決することができるものと考えられる。
すなわち、このFPD基板の製造方法は、
ガスウィンドウ方式のレーザCVD法を使用して、FPD基板上の配線欠陥部分の上に、CVD原料の堆積による導電性被膜部分を形成して導通を回復させることにより、前記配線欠陥部分を修復する配線欠陥修復ステップと、
前記配線欠陥修復ステップにより配線欠陥が修復されたのちの前記FPD基板の配線面を所定の洗浄方法にて洗浄する配線面洗浄ステップと、前記配線面洗浄ステップにより配線面が洗浄されたのちの前記FPD基板の配線面にさらに成膜処理を行って、次工程に必要な膜体を形成する膜体形成ステップとを有するFPD基板の製造方法であって、
前記配線欠陥修復ステップと前記配線面洗浄ステップとの間には、
前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された前記導電性被膜部分のみ又は前記導電性被膜部分を含む微少領域を覆うようにして、前記FPD基板上に所定の絶縁性樹脂を局部的に微量塗布する樹脂塗布ステップと、
前記樹脂塗布ステップにより前記FPD基板上に局部的に微量塗布された絶縁性樹脂を強制的に硬化させる樹脂硬化ステップとを有し、
それにより、前記FPD基板上の配線欠陥修復部分のみ又は配線欠陥修復部分を含む微少領域に、前記配線面洗浄ステップに先立って、前記絶縁性樹脂による保護膜を形成する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、前記FPD基板上の配線欠陥修復部分のみ又は配線欠陥修復部分を含む微少領域に、前記配線面洗浄ステップに先立って、前記絶縁性樹脂による保護膜を形成するものであるから、前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された前記導電性のCVD被膜部分の付着力が十分でなく、剥がれやすいものであったとしても、そのような導電性のCVD被膜の上にはさらに絶縁性の保護膜が被せられることとなるため、その後段に位置する洗浄工程にて強力な洗浄が行われたとしても、保護膜が剥がれない限り、その下にあるCVD被膜部分も剥がれることはなくなる。しかも、この保護膜は絶縁性であるから、補修された配線の絶縁機能も果たすこととなり、この保護膜の存在が回路動作の異常に繋がる虞もない。加えて、保護膜の存在により、CVD被膜の付着力の管理はさほど厳密にすることが不要となる。
そのため、この方法によれば、ガスウィンドウ方式のレーザCVD法による配線修復処理を含むFPD基板の製造方法において、レーザCVD処理工程におけるCVD被膜の厚さや密度等に関する厳密な管理を要することなく、修復されるFPD基板の歩留まりを向上させ、それにより製造コストを低減することができる。
上述の方法の好ましい実施の形態としては、前記樹脂塗布ステップにおいて塗布される樹脂の塗布量が、1つの配線欠陥修復部分あたり10pl(ピコリットル)以下の微量であってもよい。
このような構成によれば、想定される通常の配線欠陥に適用した場合、その配線修復部分であるCVD被膜上を十分に覆い隠すことができる一方、余分な絶縁性樹脂が周囲に拡がって、周辺回路に誘電体変化等による回路動作異常を発生することもない。また、特に、液晶FPD基板に適用した場合には、元々の配線厚、補修のためのCVD被膜厚、剥離防止のための保護膜厚が重なった総厚さを、FPD基板とカラーフィルタ板との隙間に対して許容範囲内に収めることができると言う効果もある。
上述の方法の好ましい実施の形態としては、前記樹脂塗布ステップにおける絶縁性樹脂の微量塗布には、インクジェット式のプリンタヘッドが使用されてもよい。
絶縁性樹脂の微量塗布のための手段としては、ディスペンサ、滴下針等々のように、様々な選択肢が存在するが、中でも、インクジェット式のプリンタヘッドは、塗布される樹脂がインクジェットに適した絶縁性であることに加えて、インクジェットプリンタヘッドの吐出量はそのような微量に制御することが容易であり、しかも塗布される対象物に対して非接触を維持しつつ塗布することができるため、剥がれやすい状態にあるCVD被膜であっても、その上に必要な微量の絶縁性樹脂を確実に滴下塗布することができる。さらに、インクジェットプリンタの場合、塗布工程を繰り返す際のタクトタイムも比較的に短いと言った利点もある。
上述の方法の好ましい実施の形態としては、前記インクジェット式のプリンタヘッドには、移動中にプリンタヘッドから保護膜形成用の絶縁性樹脂となるインクが不用意に零れて飛散することを防止するためのシャッタ機構が備えられていてもよい。
このような構成によれば、移動中にプリンタヘッドから保護膜形成用の絶縁性樹脂となるインクが不用意に零れて飛散し、これにより、配線面上の不要な個所に絶縁性樹脂が附着して、回路動作異常を生ずる虞を未然に防止することができる。
上述の方法の好ましい実施の形態としては、前記インクジェット式のプリンタヘッドは、処理対象となるFPD基板に沿って、所定の退避位置と塗布位置との間を移動可能とされており、かつ前記退避位置には、前記プリンタヘッドからのインク吐出と、前記吐出されるインクの吸引とを連動させることにより、前記プリンタヘッドの吐出口を非接触で洗浄するヘッド洗浄機構が備えられていてもよい。
このような構成によれば、プリンタヘッドが退避位置に戻った際に、前記プリンタヘッドからのインク吐出と、前記吐出されるインクの吸引とを連動させることにより、前記プリンタヘッドの吐出口を非接触で洗浄することから、プリンタヘッドにおけるインクの詰まりを防止して、インクの吐出を常に円滑に保持できることに加え、非接触洗浄であることから、洗浄に際してプリンタヘッドの先端部分に異物が附着する等の虞も未然に防止することができる。
上述の方法の好ましい実施の形態としては、前記樹脂塗布ステップにおいて塗布される所定の絶縁性樹脂が紫外線硬化樹脂であり、かつ前記樹脂硬化ステップが紫外線照射処理を含む、ものであってもよい。
絶縁性樹脂としては、早期硬化の観点からは、揮発成分を含む樹脂や熱硬化樹脂等の様々な選択肢が考えられるが、中でも、紫外線硬化樹脂はその硬化時間が2〜3秒と短くかつ硬化設備(紫外線ランプ)も簡単で低コストに製作できる利点がある。
上述の方法の好ましい実施の形態としては、前記FPD基板が、前記配線面と所定間隙を隔てて対向するカラーフィルタ板を有する透過型液晶FPD用のFPD基板であって、前記前記樹脂塗布ステップにおいて塗布される所定の絶縁性樹脂が透明性樹脂であってもよい。
このような構成によれば、絶縁性樹脂が修復部分(CVD被膜)の上に又は修復部分の周囲に拡がったとしても、絶縁性樹脂それ自体は透明であるから、カラーフィルタを介して背後から到来する光を妨げることもなく、透過型液晶FPDに適用されたとしても、輝度ムラ等の視認障害を来すことがない。
上述の方法の好ましい実施の形態としては、前記透明性樹脂の塗布により形成される保護膜の膜厚が0.5μm以下であってもよい。
このような構成によれば、特に、液晶FPD基板に適用した場合、元々の配線厚、補修のためのCVD被膜厚、剥離防止のための保護膜厚が重なった総厚さを、FPD基板とカラーフィルタ板との隙間に対して許容範囲内(TFT基板とカラーフィルタ板との間に2〜3μm程度の隙間が必要)に収めることができると言う効果がある。
上述の技術的課題は、以下の構成を有するFPD基板の修復部保護膜形成装置によっても解決することができるものと考えられる。
すなわち、この装置は、
FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された導電性被膜部分のみ又は前記導電性被膜部分を含む微少領域を覆うようにして、前記FPD基板上に所定の絶縁性樹脂を局部的に微量塗布する樹脂塗布手段と、
前記樹脂塗布ステップにより局部的に微量塗布された絶縁性樹脂を強制的に硬化させる樹脂硬化手段とを有し、
それにより、前記FPD基板上の配線欠陥修復部分又は配線欠陥修復部分を含む微少領域の上に、前記絶縁性樹脂による保護膜を形成する、ことを特徴とする。
このような構成によれば、前記FPD基板上の配線欠陥修復部分又は配線欠陥修復部分を含む微少領域の上に、前記絶縁性樹脂による保護膜を形成することができるから、この装置を使用して、配線修復のためのCVD被膜形成工程とその後の洗浄工程との間で、前記CVD被膜の上に保護膜を形成することにより、前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された前記導電性のCVD被膜部分の付着力が十分でなく、剥がれやすいものであったとしても、そのような導電性のCVD被膜の上にはさらに絶縁性の保護膜が被せられることとなるため、その後段に位置する洗浄工程にて強力な洗浄が行われたとしても、保護膜が剥がれない限り、その下にあるCVD被膜部分も剥がれることはなくなる。しかも、この保護膜は絶縁性であるから、補修された配線の絶縁機能も果たすこととなり、この保護膜の存在が回路動作の異常に繋がる虞もない。加えて、保護膜の存在により、CVD被膜の付着力の管理はさほど厳密にすることが不要となる。
そのため、この装置によれば、ガスウィンドウ方式のレーザCVD法による配線修復処理を含むFPD基板の製造方法において、レーザCVD処理工程におけるCVD被膜の厚さや密度等に関する厳密な管理を要することなく、修復されるFPD基板の歩留まりを向上させ、それにより製造コストを低減することができる。
上述の技術的課題は、以下の構成を有するFPD基板の修復装置によっても解決することができると考えられる。
すなわち、この装置は、
補修対象となる配線欠陥を含むFPD基板を補修必要面を上にして載置するための載物面を有する載物台と、
前記載物台の載物面の上方にあって、前記載物面に沿って任意の位置に移動可能な支持台とを有し、
前記支持台には、
ガスウィンドウ方式のレーザCVD法を使用して、前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に、CVD原料の堆積による導電性被膜部分を形成して導通を回復させるための配線修復装置と、
前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された導電性被膜部分のみ又は前記導電性被膜部分を含む微少領域を覆うようにして、前記FPD基板上に所定の絶縁性樹脂を局部的に微量塗布するインクジェット式のプリンタヘッドと、
前記FPD基板上に局部的に微量塗布された絶縁性樹脂を硬化させるための硬化装置とが設けられている、ことを特徴とする。
このような構成によれば、前記FPD基板上の1の配線欠陥部分の上に、前記配線修復装置、前記プリンタヘッド、及び前記硬化装置が順次に位置決めされるように、前記支持台を移動させることにより、前記FPD基板上に含まれる1又は2以上の配線欠陥部分を前記FPD基板を静止させたままで確実に修復することができる。
本発明によれば、前記FPD基板上の配線欠陥修復部分のみ又は配線欠陥修復部分を含む微少領域に、前記配線面洗浄ステップに先立って、前記絶縁性樹脂による保護膜を形成するものであるから、前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された前記導電性のCVD被膜部分の付着力が十分でなく、剥がれやすいものであったとしても、そのような導電性のCVD被膜の上にはさらに絶縁性の保護膜が被せられることとなるため、その後段に位置する洗浄工程にて強力な洗浄が行われたとしても、保護膜が剥がれない限り、その下にあるCVD被膜部分も剥がれることはなくなる。しかも、この保護膜は絶縁性であるから、補修された配線の絶縁機能も果たすこととなり、この保護膜の存在が回路動作の異常に繋がる虞もない。加えて、保護膜の存在により、CVD被膜の付着力の管理はさほど厳密することが不要となる。
そのため、本発明によれば、ガスウィンドウ方式のレーザCVD法による配線修復処理を含むFPD基板の製造方法において、レーザCVD処理工程におけるCVD被膜の厚さや密度等に関する厳密な管理を要することなく、修復されるFPD基板の歩留まりを向上させ、それにより製造コストを低減することができる。
本発明に係るFPD基板修復装置の外観斜視図である。 FPD基板修復装置の制御内容を示すフローチャートである。 FPD基板修復装置のCVD被膜堆積工程の説明図である。 FPD基板修復装置の絶縁性樹脂の塗布工程の説明図である。 FPD基板修復装置の絶縁性樹脂硬化工程の説明図である。 FPD基板修復装置に搭載される修復部保護膜生成部の構成を示す概念図である。 プリンタ機構の非接触洗浄機構の説明図である。 本発明による配線修復実施例を正常配線及びCVD被膜付き配線と比較して示す説明図である。 変位センサによる高さ計測結果を示すグラフである。
以下に、本発明に係るFPD基板の修復部保護膜形成装置及びFPD基板の修復装置を含むFPD基板の製造方法の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
先に述べたように、本発明に係るFPD基板の製造方法は、ガスウィンドウ方式のレーザCVD法を使用して、FPD基板上の配線欠陥部分の上に、CVD原料の堆積による導電性被膜部分を形成して導通を回復させることにより、前記配線欠陥部分を修復する配線欠陥修復ステップと、前記配線欠陥修復ステップにより配線欠陥が修復されたのちの前記FPD基板の配線面を所定の洗浄方法にて洗浄する配線面洗浄ステップと、前記配線面洗浄ステップにより配線面が洗浄されたのちの前記FPD基板の配線面にさらに成膜処理を行って、次工程に必要な膜体を形成する膜体形成ステップとを有するFPD基板の製造方法であって、前記配線欠陥修復ステップと前記配線面洗浄ステップとの間には、前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された前記導電性被膜部分のみ又は前記導電性被膜部分を含む微少領域を覆うようにして、前記FPD基板上に所定の絶縁性樹脂を局部的に微量塗布する樹脂塗布ステップと、前記樹脂塗布ステップにより前記FPD基板上に局部的に微量塗布された絶縁性樹脂を強制的に硬化させる樹脂硬化ステップとを有し、それにより、前記FPD基板上の配線欠陥修復部分のみ又は配線欠陥修復部分を含む微少領域に、前記配線面洗浄ステップに先立って、前記絶縁性樹脂による保護膜を形成する、ことを特徴とするものであります。
以下の実施形態においては、上述の方法は、FPD基板の修復部保護膜形成装置を含むFPD基板の修復装置として実施される。
本発明に係るFPD基板修復装置の外観斜視図が図1に示されている。同図に示されるように、このFPD基板修復装置1は、走行ガイド付き載物台(詳細は後述する)2上にガントリ(詳細は後述する)3を左右方向へと向けたまま、前後方向へと走行可能に搭載すると共に、このガントリ3に沿って、配線修復用各種機器の搭載された支持台4を走行可能とすることで、その配線面が上に向けられた処理対象となるFPD基板上において、支持台4をXY走査可能としたものである。
図示の走行ガイド付載物台2は、処理対象FPD基板が載置される石定盤201と、この石定盤201上の左右両側縁部に沿って前後方向へと延設される左右のガイドベース202,203と、これら左右のガイドベース202,203のそれぞれの上に延設される互いに平行な2本のガイドレール(すなわち、左側ガイドベース202上の2本のガイドレール204,205、及び右側ガイドベース203上の2本のガイドレール206,207)と、複数の除振マウント208を介して石定盤201を支えるための架台209とを包含するものである。
なお、左側ガイドベース202の上面には、2本のガイドレール204,205の他に、リニアモータの固定子210が、また外側面には、リニアスケール211(図示せず)が取り付けられている。同様に、右側ガイドベース203の上面にも、2本のガイドレール206,207の他に、リニアモータの固定子212が、また外側面には、リニアスケール213が取り付けられている。それらのリニアスケール211,213は、スケールリーダ214,215により位置情報の読み取りが行われる。
図示の架台209は、それぞれ座板216を介して床面に着座する複数本の脚柱217と、それらの脚柱217のうちの隣接するもの同士を繋ぐ脚柱間ビーム218とから構成されている。架台209と石定盤201との間には、各脚柱208の配置にそれぞれ対応させて除振マウント208が介在されている。除振マウント208は、当業者にはよく知られているように、圧縮空気を導入することで、その上に載せられた石定盤を、予め設定された空気圧に応じた揚力で持ち上げる作用を有する。
図示の石定盤201は、所定の左右方向長及び前後方向長を有しかつ処理対象となるFPD基板(図示せず)が載置されるべき矩形状石定盤部分201aと、この矩形状石定盤部分201aの後端部の左右両側部のそれぞれから後方へと延設される左右の細長状石定盤部分201b,201bとを有する。そして、左右のガイドベース202,203は、矩形状石定盤部分201aの両側縁部とその後方へ続く左右の細長状石定盤部分201b,201bとに跨るようにしても、それらの全長に亘って延設されている。
上述の構成よりなる走行ガイド付載物台2とガントリ3との関係については、さらに、次のように説明される。
左側ガイドベース202上には、リニアモータの可動子と一体をなす可動台301が、リニアモータの固定子210との間に生ずる磁力により、ガイドレール204,205に案内されつつ走行可能に搭載されている。右側ガイドベース203上には、リニアモータの可動子と一体をなす可動台302が、リニアモータの固定子212との間に生ずる磁力により、ガイドレール206,207に案内されつつ、走行可能に搭載されている。
左側の可動台301と右側の可動台302との間には、門型梁部材(以下、「ガントリビーム」と言う)303が左右方向へと架け渡された状態で搭載されている。このガントリビーム303の側面にはガイドレール304及びリニアモータの固定子305が、また上面には互いに平行な2本のガイドレール306,307及びリニアモータの固定子308が延設されている。
ガントリビーム303には、リニアモータの可動子と一体をなす可動台309が、固定子305,308との間に生ずる磁力により、ガイドレール304,306,307に案内されつつ、走行可能に搭載されている。そして、この可動台309には、配線修復用各種機器を含む基板修復用支持台4が搭載可能とされている。
このように、FPD基板修復装置1は、走行ガイド付き載物台2上にガントリ3を前後方向へと走行可能にかつ左右方向へと向けて搭載すると共に、このガントリ3に沿って、基板修復用の支持台4を左右方向へと走行可能とすることで、処理対象となるFPD基板上において、基板修復用の支持台4をXY走査可能としたものである。
次に、図3〜図6を参照しながら、支持台4に搭載される配線欠陥修復装置5及び保護膜形成装置6について説明する。
図3及び図5に示されるように、支持台4の上(この例では、前面の下端部近傍)には、ガスウィンドウ方式のレーザCVD法による配線欠陥修復処理を行うための配線欠陥修復装置5と、本発明に係る保護膜形成処理を行う保護膜形成装置6が取り付けられている。
配線欠陥修復装置5は、種々の文献により公知のものであって、要するに、ガスウィンドウ51と、ガス給排管理部52と、レーザ照射光学系53とを含んで構成される。
ガスウィンドウ51は、図では平板状に示されているが、実際には、下面が開口されかつ上面にレーザ光入射用のガラス窓がはめられたキャップ状構造体として構成されている。
ガス給排管理部52は、ガスウィンドウ51内へと、パージガスを導入しつつ、これを適宜排気することによって、ガスウィンドウ51の内部を外界と遮断しつつ、その内部にCVD原料(金属、導電性樹脂等)を含んだCVD原料ガスを導入しつつ、これを適宜排気することによって、ガスウィンドウ51内の配線欠陥部分の周囲にCVD原料ガス雰囲気を生成するためのものである。
レーザ照射光学系53は、図示しないレーザ光源から得られたレーザ光を、ガスウィンドウ51の上面にあるレーザ光入射窓からガスウィンドウ51内へと導入すると共に、これを配線欠陥部分に照射し、これによりその周辺の原料ガスを分解させて、配線欠陥部分の上にCVD被膜を堆積させ、配線欠陥部分の導通を回復させるものである。
なお、図3〜図5において、符号82が付されているのは、こうして形成されたCVD被膜をやや誇張して模式的に示すものである。
一方、本発明の要部であるところの保護膜形成装置6は、インクジェット式のプリンタヘッド63と、紫外線照射ランプ64と、シャッタ板65とを含んで構成される。それらの要素63〜65は、ガイドレール62に沿って昇降可能な支持フレーム61に搭載されている。なお、支持フレーム61は、図示しない駆動機構によって、ガイドレール62に沿って上下に昇降する。
インクジェット式のプリンタヘッド63は、そのインク吐出ノズルを下向きにして、支持フレーム61に取り付けられ、最小6pl(ピコリットル)の微量塗布が可能とされている。このようなインクジェット式のプリンタヘッド63としては、大規模印刷物(例えば、大規模看板や包装体など)に使用される産業用プリンタヘッドをそのまま流用することも可能である。使用インクとしては、この例にあっては、電気抵抗値が105Ω以上、粘度が5〜15mPa・sの透明な紫外線硬化樹脂が使用されている。
紫外線照射ランプ64は、支持フレーム61上にあって、インクジェット式プリンタヘッド63の右隣に取り付けられており、その紫外線照射方向は下向きとされている。紫外線照射ランプ64からの紫外光の強度は、対象となる液晶FPD基板P上に微量塗布された紫外線硬化樹脂からなるインクを、2〜3秒以内に硬化させるに足りるように選択される。
シャッタ板65は、図6に矢印67で示されるように、シャッタ機構(略図)66を介して、プリンタヘッド63のノズル前面側を完全に塞ぐ第1の位置と、プリンタヘッド63のノズル前面側を塞がない第2の位置との間を任意に移動可能となされている。そのため、シャッタ板65を第1の位置とすることによって、プリンタヘッド63の移動中の振動や停止時の衝撃等によって、プリンタヘッド63のノズル先端からインクが漏れ出したとしても、これがその下のFPD基板P上に飛散することが確実に防止される。一方、シャッタ板65を第2の位置とすることによって、目的とするインク微量塗布を支障なく行うことができる。
次に、プリンタヘッドの非接触洗浄機構の説明図が図7に示されている。先に説明したように、配線欠陥修復装置5及び保護膜形成装置6を搭載する支持台4は、ガントリビーム303に沿って左右方向へと移動する。ガントリビーム303の左右いずれか一端部又は両端部(すなわち、プリンタヘッド63の退避位置)のそれぞれには、プリンタヘッドの非接触洗浄機構が設けられる。
この非接触洗浄機構は、プリンタヘッドを加熱してインクの流動を促進するヘッド加熱機構と、プリンタヘッドに対して加圧されたインクを供給するインク加圧供給機構と、プリンタヘッドから吐出されるインクを強制的に吸引するインク吸引機構とを含んで構成される。
図7に示されるように、ヘッド加熱機構は、温水往管77cと、温水復管77dとを介して、プリンタヘッド63内の熱交換器(図示せず)に対して、所定温度の温水を供給する温水循環装置74を含んで構成される。これにより、プリンタヘッド63の温度は、常に、インクの流動状態が維持される程度の温度に保温される。
インク加圧供給機構は、インクを貯留するためのインク貯槽73と、インク貯槽73に対して圧縮空気を供給するための圧気管77aと、インク貯槽73から押し出される加圧されたインクを、プリンタヘッド63へと供給するインク供給管77bとを含んで構成される。なお、75は圧縮空気の圧力を一定の圧力に保つ圧力調整器、76は圧縮空気を開閉するための三方弁である。これにより、プリンタヘッド63へは、加圧されたインクが供給される。
インク吸引機構は、プリンタヘッド63のノズル前面側に、適当な距離を隔てて対向配置され、プリンタヘッド63のノズルから吐出されるインクを強制的に吸引するためのインク吸引用開口71と、吸引されたインクを貯留するための廃液貯槽72と、廃液貯槽72を真空吸引するための真空吸引管77fと、インク吸引用開口71で吸引されたインクを、廃液貯槽72へと導くインク吸引管77eとを含んで構成される。そのため、プリンタヘッド63からのインク吐出と、吐出されるインクの吸引とを連動させることにより、プリンタヘッド63の吐出口を非接触で洗浄可能となされている。
つまり、プリンタヘッドの吐出口を拭いさるような通常の洗浄機構にあっては、それに伴いプリンタヘッドのノズル先端に異物が付着したり充分な洗浄が行われなかったりする虞れがあるが、この新規な非接触洗浄機構によれば、そのような洗浄は非接触で行われ、しかもプリンタヘッド63からの強制インク吐出を行いながらインクを吸引するというものであるから、プリンタヘッド63内を確実に洗浄することが可能となる。
このプリンタヘッドの非接触洗浄機構の動作は、プリンタヘッドが、塗布位置から退避位置へと戻る度に、あるいは何回かに1回間欠的に行うようにすれば足りるであろう。
次に、以上の構成よりなるFPD基板修復装置1の動作を、図2のフローチャート、図3〜図5の工程説明図、図8の実施例説明図、及び図9の高さ計測結果を示すグラフを参照しながら詳細に説明する。
FPD基板修復装置のソフトウェア構成の概略を示すフローチャートが図2に示されている。
まず、走行ガイド付き載物台2の矩形状石定盤部分201aの上に、修復対象となる液晶FPD基板Pを、その修復対象面を上にした状態で、載置する(図1、図3参照)。
次いで、CVD被膜形成処理(ステップ101)を実行する。このCVD被膜形成処理(ステップ101)では、配線欠陥修復装置5及び保護膜形成装置6を搭載する支持台4を、リニアモータの駆動により、配線欠陥修復装置5の修復用照準が、目標とする配線欠陥位置の真上となる位置まで移動させる。なお、この移動中、保護膜形成装置6のシャッタ板65は閉じたままの状態に維持され、移動中の振動や停止時の衝撃などがあっても、プリンタヘッド63からインクが飛散するようなことはない。
その後、ガスウィンドウ方式のレーザCVD法を使用して、FPD基板P上の配線欠陥部分の上に、CVD原料の堆積による導電性被膜部分を形成して導通を回復させるための配線修復処理が実行される。尚、符号82は、このようにして形成されたCVD被膜をやや誇張して示すものである。
こうして形成されたCVD被膜82は、照射されるレーザ光の管理並びに吸排気されるガスの管理を適切に行わないと、膜厚が薄かったり、クラックが入ったり、密度が低かったりして、往々にして、剥がれやすい状態が生ずる。これが原因で、従来は、後の洗浄処理において、せっかく形成されたCVD被膜82が剥がれてしまい、そのような液晶FPD基板Pは廃棄処分とせざるを得なかった。これに対して、本発明にあっては、後述する保護膜形成処理が存在するため、そのような脆弱なCVD被膜82であっても、その後の洗浄処理に充分に耐え得るものとなる。
このようにしてCVD被膜形成処理(ステップ101)が終了すると、続いて保護膜塗布位置への移動処理(ステップ102)が実行される。この保護膜塗布位置への移動処理(ステップ102)では、図3に矢印41で示されるように、リニアモータの駆動によって、支持体4を右方向へと移動させ、図4に示されるように、保護膜形成装置6のプリンタヘッド63が、いま修復を終えたCVD被膜82の真上に位置する位置で停止させる。この移動中も、シャッタ板65は閉じた状態に維持されていることは勿論である。
このようにして、保護膜塗布位置への移動処理(ステップ102)が終了したならば、続いて、シャッタ開処理(ステップ103)が実行される。このシャッタ開処理(ステップ103)では、図示しないシャッタ機構66を駆動することによって、シャッタ板65を第2の位置、すなわち、プリンタヘッド63のノズルの前方が開放される位置まで、シャッタ板65を移動させる。これにより、プリンタヘッド63から吐出されるインクは、そのまま液晶FPD基板P上のCVD被膜82の上に塗布可能な状態となる。
このようにして、シャッタ開処理(ステップ103)が終了したならば、続いてインクジェットヘッド下降処理(ステップ104)が実行される。このインクジェットヘッド下降処理(ステップ104)では、図示しない駆動機構を作動させることにより、支持フレーム61を下降させて、プリンタヘッド63を印刷対象物であるFPD基板Pからの距離が1〜2mmとなるまで接近させる。このようにプリンタヘッド63を対象物へと接近させる意味は、これにより微細なインク滴が印刷環境下の気流によって、目標位置を反れたりすることを回避するためである。つまり、この塗布処理においては、10pl(ピコリットル)以下の微細なインク滴が使用されるため、僅かな気流の存在でも、塗布位置が目標位置を反れる虞れがあり、このような接近処理に意味があるのである。
このようにして、インクジェットヘッド下降処理(ステップ104)が終了したならば、続いて保護膜塗布処理(ステップ105)が実行される。この保護膜塗布処理(ステップ105)では、上述のように、CVD被膜部分を含む所定領域が覆われるように、10pl以下の微量なインク滴を使用して、透明な紫外線硬化樹脂からなるインクの塗布を行う。こうして塗布されたインクは、断線部分に形成されたCVD皮膜82を含んでその周囲僅かな範囲の広がりをもって、付着する。そして、後述するように、これが硬化されることによって、CVD被膜82に対する保護膜83となるのである。なお、符号83aは、プリンタヘッド63から吐出(滴下)される透明な絶縁性の紫外線硬化樹脂からなるインク滴をやや誇張して示すものである。
このようにして、保護膜塗布処理(ステップ105)が終了したならば、続いてインクジェットヘッド上昇処理(ステップ106)が実行される。このインクジェットヘッド上昇処理(ステップ106)では、図示しない駆動機構を作動させることにより、支持フレーム61を上昇させて、プリンタヘッド63を所定高さまで復帰させ、その後の移動中、プリンタヘッド63の先端が液晶FPD基板Pの何らかの凸部に引っ掛かったりしないように配慮する。
このようにして、インクジェットヘッド上昇処理(ステップ106)が終了したならば、続いて、シャッタ閉処理(ステップ107)を実行する。このシャッタ閉処理(ステップ107)では、シャッタ板65を第1の位置、すなわちプリンタヘッド63のノズル前方をシャッタ板65が塞ぎ、これにより、移動中の振動や停止時の衝撃などによって、プリンタヘッド63からインクがこぼれても、それが液晶FPD基板P上に飛散しない位置へと復帰させる。
このようにして、シャッタ閉処理(ステップ107)が終了したならば、続いてUV硬化位置への移動処理(ステップ108)が実行される。このUV硬化位置への移動処理(ステップ108)では、リニアモータの駆動により、矢印42に示されるように、支持台4を図中左方向へと移動させ、図5に示されるように、塗布された絶縁性被膜である保護膜83の真上に、紫外線照射ランプ64が位置する状態で停止させる。
このようにして、UV硬化位置への移動処理(ステップ108)が終了したならば、続いてUV硬化処理(ステップ109)が実行される。このUV硬化処理(ステップ109)では、紫外線照射ランプ64を所定の短時間点灯させることによって、いま形成したばかりの絶縁性被膜83の上に、紫外線を照射する。この紫外線の照射によって、1〜2秒程度が経過すると、紫外線硬化樹脂は硬化し、紫外線硬化樹脂からなる絶縁性被膜は強固な保護膜83となるのである。
こうして形成された保護膜83は極めて丈夫でかつFPD基板Pの表面と強固に密着しているため、その後の強力な洗浄処理が行われたとしても、液晶FPD基板Pとの密着状態を維持して、剥がれ落ちたりすることがなく、これにより断線箇所に形成されたCVD被膜82を強固に保護することができるのである。
そのため、配線欠陥修復装置5によるガスウィンドウ方式のレーザCVD法による導電性被膜82が、膜厚が薄かったり、クラックが入っていたり、密度が低かったりして脆弱であり、そのためそのままでは剥がれやすいようなものであったとしても、その上に重ねられた保護膜83によって、CVD被膜82の剥離は防止されるから、結局、配線欠陥修復装置5におけるガスウィンドウ方式のレーザCVD法において、レーザ照射やガスの管理が厳密でなくても、修復された基板の歩留まりを損ねることがなくなり、製造コストの低減を図ることができるのである。
次に、本発明による配線修復実施例を正常配線及びCVD被膜付き配線と比較して示す説明図が図8に、変位センサによるそれらの配線に関する高さ計測結果を示すグラフが図9に示されている。
図8(a)において、81は配線部分、82は配線の断線部分の上に堆積されるCVD被膜、83はCVD被膜部分を覆うようにしてその上に形成された保護膜である。また、aはCVD修正膜が堆積された状態、bは正常なFPD配線の状態、cはCVD修正膜の上に保護膜が堆積された状態をそれぞれ示す。
図から明らかなように、本発明に係る保護膜83は、CVD修正膜82を含む微少領域にわたって略長円形状に広がるものの、隣接配線との間には充分な距離が確保される。このような局部的塗布を可能とするのは、インクジェット式プリンタヘッドを用い、かつその塗布量を10pl(ピコリットル)以下に制限していることによる。
また、同図(b)に示されるように、このようにして塗布される保護膜83は透明であるから、その背後から光を当てたとしても、透明状態に維持され、透過型FPDにおいて輝度ムラを生じさせたりする虞れもない。
さらに、図9に示されるように、このような微量塗布によることで、同図(a)と同図(c)との比較から明らかなように、保護膜83の膜厚は約0.25μm(0.5μm以下)となる。その結果、基板表面から、保護膜頂部までの高さは、約1.1μm程度となり、これによりTFT基板とCF(カラーフィルタ)基板との間に必要とされる間隔2〜3μmを充分に確保することができ、このような保護膜を設けたことにより、液晶の駆動に支障を来すこともない。
なお、以上の実施形態においては、保護膜83の素材として透明樹脂を用いたが、PDPや有機ELなどのような自己発光型FPDを対象とするのであれば、必ずしも保護膜が透明である必要はないであろう。
また、以上の実施形態においては、強制硬化可能な保護膜の素材として紫外線硬化樹脂を用いたが、これは熱硬化性樹脂に代えてハロゲンランプ等の熱源により強制硬化させることもできる。
また、以上の実施形態においては、保護膜の微量塗布のための手段としてインクジェット式のプリンタヘッドを用いたが、微量塗布手段としては、公知のディスペンサや針を伝って1滴ずつ液が滴下するようにした滴下針を用いてもよい。
また、以上の実施形態においては、本発明を液晶FPD基板に適用したが、その他プラズマ式FPD基板、有機EL式FPD基板等々のように、その他のFPD基板にも応用できることは勿論である。
この発明は、液晶ディスプレイ基板、プラズマディスプレイ基板等と言ったFPD基板の製造方法、中でも、ガスウィンドウ方式のCVD法による配線修復処理を含むFPD基板の製造方法において、配線修復のために形成された導電性CVD被膜のその後段の洗浄工程における剥離防止のために利用することができる。
1 FPD基板修復装置
2 走行ガイド付き載物台
3 ガントリ
4 パネル修復用支持台
5 配線欠陥修復装置
6 保護膜形成装置
7 非接触洗浄機構
41,42 支持台4の移動方向を示す矢印
51 ガスウィンドウ
52 ガス給排管理部
53 レーザ照射光学系
61 支持フレーム
62 ガイドレール
63 インクジェット式のプリンタヘッド
64 紫外線照射ランプ
65 シャッタ板
66 シャッタ機構
67 シャッタ板の移動方向を示す矢印
71 インク吸込用開口
72 廃液貯槽
73 インク貯槽
74 温水循環装置
75 圧力調整期
76 三方弁
77a 圧気管
77b インク供給管
77c 温水往管
77d 温水復管
77e インク吸引管
77f 真空吸引管
81 配線部分
82 CVD被膜(断線修復用)
83 保護膜
83a インク滴
201 石定盤
201a 矩形状石定盤部分
201b 細長状石定盤部分
202,203 ガイドベース
204,205 ガイドレール
206,207 ガイドレール
208 除震マウント
209 架台
210 リニアモータ固定子
212 リニアモータ固定子
213 リニアスケール
215 スケールリーダ
216 座板
217 脚柱
218 脚柱間ビーム
301,302 可動台
304 ガイドレール
305 固定子
306,307 ガイドレール
308 固定子
309 可動台
P 液晶FPD基板
a CVD被膜形成部分
b 正常配線部分
c 保護膜被着部分

Claims (10)

  1. ガスウィンドウ方式のレーザCVD法を使用して、FPD基板上の配線欠陥部分の上に、CVD原料の堆積による導電性被膜部分を形成して導通を回復させることにより、前記配線欠陥部分を修復する配線欠陥修復ステップと、
    前記配線欠陥修復ステップにより配線欠陥が修復されたのちの前記FPD基板の配線面を所定の洗浄方法にて洗浄する配線面洗浄ステップと、
    前記配線面洗浄ステップにより配線面が洗浄されたのちの前記FPD基板の配線面にさらに成膜処理を行って、次工程に必要な膜体を形成する膜体形成ステップとを有するFPD基板の製造方法であって、
    前記配線欠陥修復ステップと前記配線面洗浄ステップとの間には、
    前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された前記導電性被膜部分のみ又は前記導電性被膜部分を含む微少領域を覆うようにして、前記FPD基板上に所定の絶縁性樹脂を局部的に微量塗布する樹脂塗布ステップと、
    前記樹脂塗布ステップにより前記FPD基板上に局部的に微量塗布された絶縁性樹脂を強制的に硬化させる樹脂硬化ステップとを有し、
    それにより、前記FPD基板上の配線欠陥修復部分のみ又は配線欠陥修復部分を含む微少領域に、前記配線面洗浄ステップに先立って、前記絶縁性樹脂による保護膜を形成する、ことを特徴とするFPD基板の製造方法。
  2. 前記樹脂塗布ステップにおいて塗布される樹脂の塗布量が、1つの配線欠陥修復部分あたり10pl以下の微量である、ことを特徴とする請求項1に記載のFPD基板の製造方法。
  3. 前記樹脂塗布ステップにおける絶縁性樹脂の微量塗布には、インクジェット式のプリンタヘッドが使用される、ことを特徴とする請求項2に記載のFPD基板の製造方法。
  4. 前記インクジェット式のプリンタヘッドには、移動中にプリンタヘッドから保護膜形成用の絶縁性樹脂となるインクが不用意に零れて飛散することを防止するためのシャッタ機構が備えられている、ことを特徴とする請求項3に記載のFPD基板の製造方法。
  5. 前記インクジェット式のプリンタヘッドは、処理対象となるFPD基板に沿って、所定の退避位置と塗布位置との間を移動可能とされており、かつ前記退避位置には、前記プリンタヘッドからのインク吐出と、前記吐出されるインクの吸引とを連動させることにより、前記プリンタヘッドの吐出口を非接触で洗浄するヘッド洗浄機構が備えられている、ことを特徴とする請求項3に記載のFPD基板の製造方法。
  6. 前記樹脂塗布ステップにおいて塗布される所定の絶縁性樹脂が紫外線硬化樹脂であり、かつ前記樹脂硬化ステップが紫外線照射処理を含む、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のFPD基板の製造方法。
  7. 前記FPD基板が、前記配線面と所定間隙を隔てて対向するカラーフィルタ板を有する透過型液晶FPD用のFPD基板であって、前記樹脂塗布ステップにおいて塗布される所定の絶縁性樹脂が透明性樹脂である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のFPD基板の製造方法。
  8. 前記透明性樹脂の塗布により形成される保護膜の膜厚が0.5μm以下である、ことを特徴とする請求項7に記載のFPD基板の製造方法。
  9. 補修対象となる配線欠陥を含むFPD基板を補修必要面を上にして載置するための載物面を有する載物台と、
    前記載物台の載物面の上方にあって、前記載物面に沿って任意の位置に移動可能な支持台とを有し、
    前記支持台には、
    ガスウィンドウ方式のレーザCVD法を使用して、前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に、CVD原料の堆積による導電性被膜部分を形成して導通を回復させるための配線修復装置と、
    前記FPD基板上の配線欠陥部分の上に形成された導電性被膜部分のみ又は前記導電性被膜部分を含む微少領域を覆うようにして、前記FPD基板上に所定の絶縁性樹脂を局部的に微量塗布する樹脂塗布手段と、
    前記FPD基板上に局部的に微量塗布された絶縁性樹脂を硬化させるための硬化装置とが設けられている、ことを特徴とするFPD基板の修復装置。
  10. 前記塗布手段は、インクジェット式のプリンタヘッドである、ことを特徴とする請求項9に記載のFPD基板の修復装置。
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