JP5240300B2 - すべり軸受、並びにこれを備えるトルク伝達装置及びエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、半円形状の一対の軸受体に分割されるとともに潤滑油を通じて回転軸を支持するすべり軸受、並びにこれを備えるトルク伝達装置及びエンジンに関する。
上記すべり軸受は、例えばエンジンのクランクシャフトを支持するためのクランクベアリングとして実用化されている。一般に、クランクベアリングは半円形状のアッパーベアリングと半円形状のロアベアリングとの組み合わせにより構成される。また、アッパーベアリングには、エンジン本体内のエンジンオイルをクランクベアリングとクランクジャーナルとの間の空間(オイルクリアランス)に供給するための油孔と、油孔を介してオイルクリアランスに供給されたエンジンオイルをクランクベアリングの周方向へ流通させるための油溝とが設けられている。
ところで、従来のクランクベアリングにおいては、油溝がアッパーベアリングの一方の合わせ面と他方の合わせ面とをつなぐように形成されているため、オイルクリアランスから流れ出るエンジンオイルの量が多くなることに起因する潤滑性の低下が問題となる。そこで、こうした問題を解消するためのクランクベアリングの一例として、特許文献1には次のようなクランクベアリングが提案されている。すなわち、同クランクベアリングのアッパーベアリングには、油溝の両端が各合わせ面よりも周方向の内側で切り上がるように形成されている。
特開平2001−263015号公報
しかし、上記特許文献1に記載のクランクベアリングが設けられたエンジンにおいては、油溝内に多くの異物が滞留するため、クランクベアリングの損傷やコネクティングロッドを支持するベアリングの損傷をまねく可能性が高くなる。そこで、オイルクリアランスから流れ出るエンジンオイルの量を少なくすることと、異物による損傷が生じることを抑制することとを両立することのできるクランクベアリングが望まれるが、いまのところそうした要求を満たすクランクベアリングは提案されていない。なお、こうした問題は、エンジンのクランクベアリングに限られず、半円形状の一対の軸受体に分割されるとともに潤滑油を通じて回転軸を支持するすべり軸受であれば同様に生じるものといえる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、オイルクリアランスから流れ出る潤滑油の量を少なくすることと、異物による損傷が生じることを抑制することとの両立を図ることのできるすべり軸受、並びにこれを備えるトルク伝達装置及びエンジンを提供することにある。
(1)本手段の一形態は、「回転軸を支持するすべり軸受であって、前記すべり軸受は、主軸受体、副軸受体、第1油路、第2油路、前方補助油路、後方補助油路、および切り上がり部を有し、前記回転軸の回転方向の前方側を回転方向前方側と規定し、前記回転軸の回転方向の後方側を回転方向後方側と規定し、前記主軸受体は、半円形状を有し、前記副軸受体は、半円形状を有し、前記第1油路は、外部の潤滑油を前記主軸受体と前記回転軸との間に流す構造を有する油路であって、前記主軸受体に形成され、前記主軸受体の内周側の面に前記第1油路の開口部である内周側開口部を有し、前記第2油路は、前記主軸受体と前記回転軸との間の潤滑油を周方向に流す構造を有する油路であって、前記主軸受体に形成され、前記内周側開口部と前記前方補助油路とを互いに接続し、前記前方補助油路は、前記第2油路の潤滑油を前記すべり軸受の軸方向から外部に送り出す構造を有する油路であって、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向前方側の部分に形成され、前記後方補助油路は、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向後方側の部分と前記回転軸との間の潤滑油を前記すべり軸受の軸方向から外部に送り出す構造を有する油路であって、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向後方側の部分に形成され、前記切り上がり部は、前記主軸受体において前記内周側開口部と前記後方補助油路との間に形成され、前記主軸受体において油路が形成されていない部分を構成するすべり軸受」を含む。
上記すべり軸受においては、第1油路の内周側開口部よりも回転軸の回転方向の後方側に切り上がり部が設けられているため、内周側開口部よりも回転方向の後方側のオイルクリアランスに供給される潤滑油の量が減量されることを通じて、オイルクリアランスから流れ出る潤滑油の量を少なくすることができるようになる。また、補助油路が設けられていることにより、第1油路を介してオイルクリアランスに流れ込んだ異物が補助油路を介してすべり軸受の外部に流れ出るため、異物による損傷が生じることを抑制することができるようになる。また、切り上がり部が第1油路の内周側開口部よりも回転軸の回転方向の後方側に設けられていることにより、第2油路内の異物が切り上がり部に対応するオイルクリアランスに流れ込むことが回転軸の回転を通じて妨げられるため、異物による損傷が生じることを好適に抑制することができるようになる。このように、上記すべり軸受によれば、オイルクリアランスから流れ出る潤滑油の量を少なくすることと、異物による損傷が生じることを抑制することとの両立を図ることができるようになる。
(2)上記手段の一形態は、「前記主軸受体は、前方側端部、前方側合わせ面、前方側面取り、および前方側クラッシュリリーフを有し、前記前方側端部は、前記主軸受体における前記回転方向前方側の端部を構成し、前記前方側合わせ面は、前記前方側端部に形成され、前記副軸受体の後方側端部と接触し、前記前方側面取りは、前記前方側合わせ面の一辺に形成され、前記前方側クラッシュリリーフは、前記前方側端部の内周面において前記前方側面取りに連続して形成され、前記前方補助油路は、前記前方側面取りおよび前記前方側クラッシュリリーフにより形成されるすべり軸受」を含む。
(3)上記手段の一形態は、「前記主軸受体は、後方側端部、後方側合わせ面、後方側面取り、および後方側クラッシュリリーフを有し、前記後方側端部は、前記主軸受体における前記回転方向後方側の端部を構成し、前記後方側合わせ面は、前記後方側端部に形成され、前記副軸受体の前方側端部と接触し、前記後方側面取りは、前記後方側合わせ面の一辺に形成され、前記後方側クラッシュリリーフは、前記後方側端部の内周面において前記後方側面取りに連続して形成され、前記後方補助油路は、前記後方側面取りおよび前記後方側クラッシュリリーフにより形成されるすべり軸受」を含む。
上記すべり軸受によれば、面取りを利用して補助油路を形成しているため、面取りとは別に油路を設けて補助油路を形成する場合に比べて、負荷能力の低下が抑制される。
上記すべり軸受によれば、クラッシュリリーフを利用して補助油路を形成しているため、クラッシュリリーフとは別に油路を設けて補助油路を形成する場合に比べて、負荷能力の低下が抑制される。
(4)本手段の一形態は、「回転軸を支持するすべり軸受であって、前記すべり軸受は、主軸受体、副軸受体、第1油路、第2油路、副軸受補助油路、後方補助油路、および切り上がり部を有し、前記回転軸の回転方向の前方側を回転方向前方側と規定し、前記回転軸の回転方向の後方側を回転方向後方側と規定し、前記主軸受体は、半円形状を有し、前記副軸受体は、半円形状を有し、前記第1油路は、外部の潤滑油を前記主軸受体と前記回転軸との間に流す構造を有する油路であって、前記主軸受体に形成され、前記主軸受体の内周側の面に前記第1油路の開口部である内周側開口部を有し、前記第2油路は、前記主軸受体および前記副軸受体と前記回転軸との間の潤滑油を周方向に流す構造を有する油路であって、前記主軸受体および前記副軸受体に形成され、前記内周側開口部と前記副軸受補助油路とを互いに接続し、前記副軸受補助油路は、前記第2油路の潤滑油を前記すべり軸受の軸方向から外部に送り出す構造を有する油路であって、前記副軸受体に形成され、前記後方補助油路は、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向後方側の部分と前記回転軸との間の潤滑油を前記すべり軸受の軸方向から外部に送り出す構造を有する油路であって、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向後方側の部分に形成され、前記切り上がり部は、前記主軸受体において前記内周側開口部と前記後方補助油路との間に形成され、前記主軸受体において油路が形成されていない部分を構成するすべり軸受」を含む。
(5)上記手段の一形態は、「前記第2油路は、前記内周側開口部と前記補助油路との間において深さが最も深い最大深さ部分を有し、前記第2油路の深さは、前記内周側開口部から前記最大深さ部分に向かうにつれて深くなり、前記最大深さ部分から前記前方補助油路に向かうにつれて浅くなるすべり軸受」を含む。
(6)上記手段の一形態は、「前記第2油路は、油溝後方側端部から油溝前方側端部までにわたり形成され、前記油溝前方側端部は、前記内周側開口部よりも前記回転方向前方側に形成され、前記油溝後方側端部は、前記内周側開口部と前記切り上がり部との間に形成されるすべり軸受」を含む。
(7)上記手段の一形態は、「前記第2油路の深さは、前記内周側開口部から前記油溝後方側端部に向かうにつれて浅くなるすべり軸受」を含む。
(8)本手段の一形態は、「トルク伝達装置であって、前記トルク伝達装置は、主軸および主軸用すべり軸受を有し、前記主軸用すべり軸受は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のすべり軸受により構成され、前記回転軸としての前記主軸を支持するトルク伝達装置」を含む。
上記トルク伝達装置によれば、オイルクリアランスから流れ出る潤滑油の量が減量されるため、主軸の潤滑性の向上及び潤滑油を吐出するポンプの仕事量の低減を図ることができる。
(9)本手段の一形態は、「エンジンであって、前記エンジンは、クランクシャフトおよびクランクベアリングを有し、前記クランクベアリングは、請求項1〜7のいずれか一項に記載のすべり軸受により構成され、前記回転軸としての前記クランクシャフトを支持するエンジン」を含む。
上記エンジンによれば、オイルクリアランスから流れ出る潤滑油の量が減量されるため、クランクシャフトの潤滑性の向上及び燃料消費率の向上を図ることができる。
本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第1実施形態について、同クランクベアリングが適用されたエンジンの斜視構造を模式的に示す斜視図。 同実施形態のエンジンのシリンダ周辺の断面構造を示す断面図。 同実施形態のエンジンのクランクシャフトの正面構造を示す正面図。 同実施形態のエンジンのクランクジャーナル周辺の断面構造を示す断面図。 同実施形態のエンジンについて、エンジンオイルの通路の構成を模式的に示す模式図。 同実施形態のクランクベアリングについて、アッパーベアリング及びロアベアリングに分割された状態の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のクランクベアリングのアッパーベアリングについて、その平面構造を示す平面図。 同実施形態のクランクベアリングのアッパーベアリングについて、その底面構造を示す底面図。 同実施形態のクランクベアリングのアッパーベアリングについて、その正面構造を示す正面図。 同実施形態のクランクベアリングのアッパーベアリングについて、その断面構造を示す断面図。 同実施形態のクランクベアリングのアッパーベアリングについて、図10の一部の拡大構造を示す拡大図。 同実施形態のクランクベアリングのアッパーベアリングについて、図10の一部の拡大構造を示す拡大図。 同実施形態のクランクベアリングのロアベアリングについて、その底面構造を示す底面図。 同実施形態のクランクベアリングのロアベアリングについて、その正面構造を示す正面図。 同実施形態のクランクベアリングのロアベアリングについて、図14の一部の拡大構造を示す拡大図。 同実施形態のクランクベアリングのロアベアリングについて、図14の一部の拡大構造を示す拡大図。 仮想のクランクベアリング(第1仮想ベアリング)について、そのアッパーベアリングの正面構造を示す正面図。 仮想のクランクベアリング(第1仮想ベアリング)について、そのアッパーベアリングの底面構造を示す底面図。 仮想のクランクベアリング(第1仮想ベアリング)について、そのロアベアリングの正面構造を示す正面図。 仮想のクランクベアリング(第1仮想ベアリング)について、そのロアベアリングの底面構造を示す底面図。 仮想のクランクベアリング(第2仮想ベアリング)について、そのアッパーベアリングの正面構造を示す正面図。 仮想のクランクベアリング(第2仮想ベアリング)について、そのアッパーベアリングの底面構造を示す底面図。 仮想のクランクベアリング(第2仮想ベアリング)について、そのロアベアリングの正面構造を示す正面図。 仮想のクランクベアリング(第2仮想ベアリング)について、そのロアベアリングの底面構造を示す底面図。 同実施形態のエンジンについて、クランクジャーナル周辺の断面構造を示す断面図。 同実施形態のクランクベアリングのロアベアリングについて、図25の一部の拡大構造を示す拡大図。 同実施形態のクランクベアリングのロアベアリングについて、図25の一部の拡大構造を示す拡大図。 同実施形態のクランクベアリングのアッパーベアリングについて、その底面構造を示す底面図。 同実施形態のクランクベアリングの一部を変更したその他のクランクベアリングについて、その正面構造を示す正面図。 同実施形態のクランクベアリングの一部を変更したその他のクランクベアリングについて、その底面構造を示す底面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第2実施形態について、同クランクベアリングを構成するアッパーベアリングの底面構造を示す底面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第3実施形態について、同クランクベアリングを構成するアッパーベアリングの底面構造を示す底面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第4実施形態について、同クランクベアリングを構成するアッパーベアリングの底面構造を示す底面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第5実施形態について、同クランクベアリングを構成するアッパーベアリングの底面構造を示す底面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第6実施形態について、同クランクベアリングを構成するアッパーベアリングの断面構造を示す断面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第7実施形態について、同クランクベアリングを構成するアッパーベアリングの底面構造を示す底面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第8実施形態について、同クランクベアリングを構成するアッパーベアリングの断面構造を示す断面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第9実施形態について、同クランクベアリングを構成するアッパーベアリングの断面構造を示す断面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第10実施形態について、同クランクベアリングの断面構造を示す断面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第11実施形態について、同クランクベアリングの断面構造を示す断面図。 同実施形態のクランクベアリングのアッパーベアリングについて、その底面構造を示す底面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第12実施形態について、同クランクベアリングの断面構造を示す断面図。 同実施形態のクランクベアリングのロアベアリングについて、その底面構造を示す底面図。 本発明のすべり軸受をエンジンのクランクベアリングとして具体化した第13実施形態について、同クランクベアリングの断面構造を示す断面図。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図30を参照して説明する。本実施形態では、直列4気筒のエンジンについて、そのクランクシャフトを支持するすべり軸受(クランクベアリング)として本発明のすべり軸受を具体化している。
〔1〕「エンジンの構造」
図1を参照して、エンジン1の全体の構造について説明する。
エンジン1は、空気と燃料との混合気を燃焼させるためのシリンダブロック3と、動弁系の部品を配置するためのシリンダヘッド11と、クランクシャフト5を配置するためのクランクケース12と、エンジンオイル41を貯留するためのオイルパン13とを含めて構成されている。また、エンジン1の各部にエンジンオイル41を供給するための潤滑装置4を含めて構成されている。
シリンダブロック3には、混合気を燃焼させるための燃焼室を形成するシリンダ31が複数設けられている。各シリンダ31内には、混合気の燃焼を通じて往復運動するピストン26が収容されている。クランクシャフト5には、エンジン1の各装置にトルクを伝達するためのタイミングチェーン25が巻き掛けられている。また、ピストン26の往復運動をクランクシャフト5の回転運動に変換するためのコネクティングロッド27が各シリンダ31に対応して取り付けられている。シリンダヘッド11には、各シリンダ31のインテークポートを燃焼室に対して開閉するためのインテークバルブ21と、各インテークバルブ21を駆動するためのインテークカムシャフト23とが設けられている。また、各シリンダ31のエキゾーストポートを燃焼室に対して開閉するためのエキゾーストバルブ22と、各エキゾーストバルブ22を駆動するためのエキゾーストカムシャフト24とが設けられている。
潤滑装置4は、オイルパン13の底部に貯留されているエンジンオイル41をエンジン1の各部に供給するためのオイルポンプ42を含めて構成されている。また、オイルポンプ42の吸込口の上流側でエンジンオイル41を濾過するオイルストレーナ43と、オイルポンプ42の吐出口の下流側でエンジンオイル41を濾過するオイルフィルタ44とを含めて構成されている。オイルポンプ42は、タイミングチェーン25を介して伝達されるクランクシャフト5のトルクにより駆動される。
図2〜図4を参照して、シリンダブロック3及びクランクシャフト5の詳細な構造について説明する。なお、図2は、エンジン1におけるシリンダ31周辺の断面構造及びクランクシャフト5の正面構造を示す。また、図3は、クランクシャフト5の正面構造を示す。また、図4は、エンジン1におけるクランクシャフト5のクランクジャーナル51周辺の断面構造を示す。
シリンダブロック3には、シリンダ31として、第1シリンダ31Aと第2シリンダ31Bと第3シリンダ31Cと第4シリンダ31Dとが設けられている。また、クランク室30を複数の室に区画するための隔壁32として、第1隔壁32Aと第2隔壁32Bと第3隔壁32Cと第4隔壁32Dと第5隔壁32Eとが設けられている。各隔壁32には、対応する隔壁32と協働してクランクシャフト5を支持するためのクランクキャップ33が組み付けられている。第1隔壁32Aは、各隔壁32のうちで最もタイミングチェーン25に近い位置に設けられている。第2隔壁32Bは、第1シリンダ31Aと第2シリンダ31Bとの間に対応する位置に設けられている。第3隔壁32Cは、第2シリンダ31Bと第3シリンダ31Cとの間に対応する位置に設けられている。第4隔壁32Dは、第3シリンダ31Cと第4シリンダ31Dとの間に対応する位置に設けられている。第5隔壁32Eは、各隔壁32のうちで最もタイミングチェーン25から離れた位置に設けられている。
クランクシャフト5には、その主軸となるクランクジャーナル51として、第1クランクジャーナル51Aと第2クランクジャーナル51Bと第3クランクジャーナル51Cと第4クランクジャーナル51Dと第5クランクジャーナル51Eとが設けられている。また、コネクティングロッド27を取り付けるためのクランクピン52として、第1クランクピン52Aと第2クランクピン52Bと第3クランクピン52Cと第4クランクピン52Dとが設けられている。また、隣り合うクランクジャーナル51とクランクピン52とを接続するためのクランクアーム53が複数設けられている。また、クランクアーム53には回転のバランスをとるためのカウンタウエイト54が複数設けられている。
第1クランクジャーナル51Aは、各クランクジャーナル51のうちで最もタイミングチェーン25に近い位置に設けられている。第2クランクジャーナル51Bは、第1シリンダ31Aと第2シリンダ31Bとの間に対応する位置に設けられている。第3クランクジャーナル51Cは、第2シリンダ31Bと第3シリンダ31Cとの間に対応する位置に設けられている。第4クランクジャーナル51Dは、第3シリンダ31Cと第4シリンダ31Dとの間に対応する位置に設けられている。第5クランクジャーナル51Eは、各クランクジャーナル51のうちで最もタイミングチェーン25から離れた位置に設けられている。第1クランクピン52Aは、第1シリンダ31Aと対応する位置に設けられている。第2クランクピン52Bは、第2シリンダ31Bと対応する位置に設けられている。第3クランクピン52Cは、第3シリンダ31Cと対応する位置に設けられている。第4クランクピン52Dは、第4シリンダ31Dと対応する位置に設けられている。
シリンダブロック3には、クランクシャフト5をシリンダブロック3に対して回転可能な状態で支持するためのクランク軸受部34として、第1クランク軸受部34Aと第2クランク軸受部34Bと第3クランク軸受部34Cと第4クランク軸受部34Dと第5クランク軸受部34Eとが設けられている。第1クランク軸受部34Aは、第1クランクジャーナル51Aを支持するための軸受部として、第1隔壁32Aとクランクキャップ33とにより構成されている。第2クランク軸受部34Bは、第2クランクジャーナル51Bを支持するための軸受部として、第2隔壁32Bとクランクキャップ33とにより構成されている。第3クランク軸受部34Cは、第3クランクジャーナル51Cを支持するための軸受部として、第3隔壁32Cとクランクキャップ33とにより構成されている。第4クランク軸受部34Dは、第4クランクジャーナル51Dを支持するための軸受部として、第4隔壁32Dとクランクキャップ33とにより構成されている。第5クランク軸受部34Eは、第5クランクジャーナル51Eを支持するための軸受部として、第5隔壁32Eとクランクキャップ33とにより構成されている。
各クランク軸受部34には、クランクシャフト5の回転にともなう摩擦を低減するためのクランクベアリング6が設けられている。すなわち、クランクベアリング6として、第1クランクジャーナル51Aを支持する第1クランクベアリング6Aと、第2クランクジャーナル51Bを支持する第2クランクベアリング6Bと、第3クランクジャーナル51Cを支持する第3クランクベアリング6Cと、第4クランクジャーナル51Dを支持する第4クランクベアリング6Dと、第5クランクジャーナル51Eを支持する第5クランクベアリング6Eとが設けられている。クランクベアリング6は、隔壁32に取り付けられる半円形状のアッパーベアリング7と、クランクキャップ33に取り付けられる半円形状のロアベアリング8とに分割される半割り型のすべり軸受として構成されている。また、クランクジャーナル51を支持した状態において、自身の内周面とクランクジャーナル51の外周面51Zとの間に隙間(オイルクリアランス60)が形成されるように構成されている。隔壁32の軸受部には、第3本体油路35Cのエンジンオイル41をアッパーベアリング7の油孔77に供給するための軸受部油溝32Rが設けられている。
コネクティングロッド27は、ピストン26が取り付けられるコンロッド本体27Aと、コンロッド本体27Aの端部に取り付けられるコンロッドキャップ27Bとにより構成されている。コネクティングロッド27には、コネクティングロッド27をクランクシャフト5に対して回転可能な状態で取り付けるためのコンロッド軸受部27Cが設けられている。コンロッド軸受部27Cには、クランクシャフト5の回転にともなう摩擦を低減するためのコンロッドベアリング28が取り付けられている。コンロッドベアリング28は、コンロッド本体27Aに取り付けられる半円形状のアッパーベアリング28Aと、コンロッドキャップ27Bに取り付けられる半円形状のロアベアリング28Bとに分割される半割り型のすべり軸受として構成されている。また、クランクピン52を支持した状態において、自身の内周面とクランクピン52の外周面との間に隙間(オイルクリアランス29(図5参照))が形成されるように構成されている。
〔3〕「エンジンの潤滑構造」
図1及び図3を参照して、クランクシャフト5の潤滑構造について説明する。
図1に示されるように、シリンダブロック3には、オイルポンプ42により吐出されたエンジンオイル41をエンジン1の各部に供給するための本体油路35として、第1本体油路35Aと第2本体油路35Bと複数の第3本体油路35Cとが設けられている。第1本体油路35Aは、シリンダブロック3外部のエンジンオイル41を第2本体油路35Bに流通させるための油路として形成されている。第2本体油路35Bは、第1本体油路35Aから供給されたエンジンオイル41を各第3本体油路35Cに分配するための油路として形成されている。第3本体油路35Cは、第2本体油路35Bから供給されたエンジンオイル41をクランク軸受部34のクランクベアリング6に供給するための油路として形成されている。
図3に示されるように、クランクシャフト5の内部には、クランクベアリング6のオイルクリアランス60からコンロッドベアリング28のオイルクリアランス29にエンジンオイル41を供給するためのクランク油路55として、第1クランク油路55Aと第2クランク油路55Bと第3クランク油路55Cと第4クランク油路55Dとが設けられている。クランク油路55は、クランクベアリング6のオイルクリアランス60のエンジンオイル41をクランクジャーナル51内部に流通させるための入口側油路55Jと、入口側油路55Jのエンジンオイル41をコンロッドベアリング28のオイルクリアランス29に流通させるための出口側油路55Pとにより構成されている。
第1クランク油路55Aは、第1クランクジャーナル51A内に設けられた第1入口側油路55JAと、クランクアーム53及び第1クランクピン52A内に設けられた第1出口側油路55PAとにより構成されている。第2クランク油路55Bは、第2クランクジャーナル51B内に設けられた第2入口側油路55JBと、クランクアーム53及び第2クランクピン52B内に設けられた第2出口側油路55PBとにより構成されている。第3クランク油路55Cは、第3クランクジャーナル51C内に設けられた第3入口側油路55JCと、クランクアーム53及び第3クランクピン52C内に設けられた第3出口側油路55PCとにより構成されている。第4クランク油路55Dは、第4クランクジャーナル51D内に設けられた第4入口側油路55JDと、クランクアーム53及び第4クランクピン52D内に設けられた第4出口側油路55PDとにより構成されている。
図5を参照して、クランクシャフト5の潤滑にかかるエンジンオイル41の流れについて説明する。なお、図5は、本体油路35及びクランク油路55の関係を模式的に表示したエンジン1の構成を示す。
オイルパン13に滞留しているエンジンオイル41は、オイルストレーナ43を介してオイルポンプ42に吸引される。オイルポンプ42から吐出されたエンジンオイル41は、オイルフィルタ44を介して第1本体油路35Aに流れ込む。第1本体油路35Aのエンジンオイル41は、第2本体油路35Bを介して各第3本体油路35Cに流れ込む。第3本体油路35Cのエンジンオイル41は、隔壁32の軸受部油溝32R及びクランクベアリング6の油孔77を介してオイルクリアランス60に流れ込む。オイルクリアランス60のエンジンオイル41は、入口側油路55Jの入口を介してクランクジャーナル51内部に流れ込む。入口側油路55Jのエンジンオイル41は、出口側油路55Pを介してコンロッドベアリング28のオイルクリアランス29に流れ込む。
〔4〕「クランクベアリングの構造」
図6〜図16を参照して、クランクベアリング6の詳細な構造について説明する。なお、図6は、クランクベアリング6についてアッパーベアリング7及びロアベアリング8に分割された状態の斜視構造を示す。また、図7は、アッパーベアリング7の平面構造を示す。また、図8は、アッパーベアリング7の底面構造を示す。また、図9は、アッパーベアリング7の正面構造を示す。また、図10は、径方向に沿うアッパーベアリング7の断面構造を示す。また、図11及び図12は、図10の一部の拡大構造を示す。また、図13は、ロアベアリング8の底面構造を示す。また、図14は、ロアベアリング8の正面構造を示す。また、図15及び図16は、図14の一部の拡大構造を示す。また、各図面においては、面取り及びクラッシュリリーフの大きさをクランクベアリング6のその他の部位に対して誇張して表現している。
図6に示されるように、クランクベアリング6は、アッパーベアリング7とロアベアリング8との組み合わせにより構成されている。具体的には、アッパーベアリング7の合わせ面72とロアベアリング8の合わせ面82とが接触するようにこれら半円形状のベアリングが組み合わされることにより構成されている。以降では、アッパーベアリング7及びロアベアリング8について、各ベアリング7,8における任意の位置を基準としたときに、周方向においてこの基準位置よりもクランクシャフト5の回転方向の前方を回転方向前方AFとし、同基準位置よりもクランクシャフト5の回転方向の後方を回転方向後方ARとする。
図7〜図12に示されるように、アッパーベアリング7には、クランクベアリング6の外周側と内周側との間でエンジンオイル41を流通させるための油孔77と、内周側のエンジンオイル41を周方向へ流通させるための油溝78とが設けられている。また、端部71の内周側には、アッパーベアリング7とロアベアリング8との組み合わせにともなう端部71の変形を逃がすためのクラッシュリリーフ73が設けられている。また、アッパーベアリング7の内周側に位置する合わせ面72の一辺には面取り74が設けられている。また、周方向において各端部71の間には、クランクジャーナル51の支持に適したエンジンオイル41の膜(油膜)を形成するための中間軸受部7Eが設けられている。中間軸受部7Eには、エンジンオイル41の油路(油溝78)が形成されている切り下がり部7EFと、油溝78につながるエンジンオイル41の油路が形成されていない切り上がり部7ERとが設けられている。アッパーベアリング7の具体的な構成を以下に示す。
回転方向前方AF側の端部71(前方側端部71F)の先端には、合わせ面72として前方側合わせ面72Fが形成されている。また、回転方向後方AR側の端部71(後方側端部71R)の先端には、合わせ面72として後方側合わせ面72Rが形成されている。また、前方側端部71Fの内周側には、クラッシュリリーフ73として前方側クラッシュリリーフ73Fが設けられている。また、アッパーベアリング7の内周側に位置する前方側合わせ面72Fの一辺には、面取り74として前方側面取り74Fが形成されている。また、後方側端部71Rの内周側には、クラッシュリリーフ73として後方側クラッシュリリーフ73Rが設けられている。また、アッパーベアリング7の内周側に位置する後方側合わせ面72Rの一辺には、面取り74として後方側面取り74Rが形成されている。
クラッシュリリーフ73は、合わせ面72にて深さが最も大きくなるように形成されている。また、合わせ面72からアッパーベアリング7の周方向の中間部へ向けて深さが徐々に小さくなるように形成されている。また、周方向において合わせ面72から最も離れた位置にて深さが「0」となるように形成されている。
面取り74は、アッパーベアリング7の一方の側面76から他方の側面76までにわたり設けられている。また、クランクベアリング6の軸方向に沿うように設けられている。また、前方側面取り74Fは、油溝78と各側面76とをつなぐように設けられている。
油孔77は、アッパーベアリング7の内周側の開口部(内周側開口部77A)と外周側の開口部(外周側開口部77B)とをつなぐように設けられている。また、アッパーベアリング7の周方向における中心(周方向中心CA)よりも回転方向後方AR側に設けられている。
油溝78は、内周側開口部77Aと切り上がり部7ERとの間から前方側合わせ面72Fまでにわたり形成されている。具体的には、回転方向前方AF側の端部を前方側端部78Fとし、回転方向後方AR側の端部を後方側端部78Rとしたとき、前方側端部78Fが前方側合わせ面72Fにてアッパーベアリング7の外部へ向けて開口するとともに、後方側端部78Rが切り上がり部7ERの直前にて切り上がるように形成されている。また、油孔77と前方側クラッシュリリーフ73Fと前方側面取り74Fとをつなぐように形成されている。また、油溝78の周方向の中心(周方向中心CB)がアッパーベアリング7の周方向中心CAよりも回転方向前方AF側に位置するように形成されている。また、アッパーベアリング7の内周側の各面、すなわち空間を介して対向する一対の油溝側面78Aと、各油溝側面78Aをつなぐ油溝底面78Bとにより囲まれて形成されている。また、各油溝側面78Aがクランクベアリング6の径方向の外側から内側に向けて互いに離間するように形成されている。油溝78の幅は、油孔77の径(内周側開口部77Aの径)よりも小さく設定されている。油溝78の深さは、周方向中心CBにて最も大きく設定されている。また、周方向中心CBから後方側端部78Rにかけて徐々に小さくなるとともに後方側端部78Rにて「0」となるように設定されている。また、周方向中心CBから前方側端部78Fにかけて徐々に小さくなるように設定されている。
切り上がり部7ERは、内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側かつ後方側クラッシュリリーフ73Rよりも回転方向前方AF側に設けられている。すなわち、アッパーベアリング7においては、油溝78の後方側端部78Rと後方側クラッシュリリーフ73Rとの間の部位が切り上がり部7ERとして構成されている。
図8に示されるように、アッパーベアリング7は、周方向において次のように区分することができる。すなわち、前方側面取り74Fが設けられる第1面取り部7Aと、後方側面取り74Rが設けられる第2面取り部7Bと、前方側クラッシュリリーフ73Fが設けられる第1リリーフ部7Cと、後方側クラッシュリリーフ73Rが設けられる第2リリーフ部7Dと、油孔77の内周側開口部77Aが設けられる中間軸受部7Eとに区分することができる。また、アッパーベアリング7の内周面75は、上記アッパーベアリング7の区分に基づいて次のように区分することができる。すなわち、油溝78の油溝底面78Bと、油溝底面78Bを除く第1面取り部7Aの内周面75Aと、第2面取り部7Bの内周面75Bと、油溝底面78Bを除く第1リリーフ部7Cの内周面75Cと、第2リリーフ部7Dの内周面75Dと、油溝底面78Bを除く中間軸受部7Eの内周面75Eとに区分することができる。
図13〜図16に示されるように、ロアベアリング8の端部81の内周側には、アッパーベアリング7とロアベアリング8との組み合わせにともなう端部81の変形を逃がすためのクラッシュリリーフ83が設けられている。また、ロアベアリング8の内周側に位置する合わせ面82の一辺には面取り84が設けられている。また、周方向において各端部81の間には、クランクジャーナル51の支持に適したエンジンオイル41の膜(油膜)を形成するための中間軸受部8Eが設けられている。ロアベアリング8の具体的な構成を以下に示す。
回転方向前方AF側の端部(前方側端部81F)の先端には、合わせ面82として前方側合わせ面82Fが形成されている。また、回転方向後方AR側の端部(後方側端部81R)の先端には、合わせ面82として後方側合わせ面82Rが形成されている。また、前方側端部81Fの内周側には、クラッシュリリーフ83として前方側クラッシュリリーフ83Fが設けられている。また、ロアベアリング8の内周側に位置する前方側合わせ面82Fの一辺には、面取り84として前方側面取り84Fが形成されている。また、後方側端部81Rの内周側には、クラッシュリリーフ83として後方側クラッシュリリーフ83Rが設けられている。また、ロアベアリング8の内周側に位置する後方側合わせ面82Rの一辺には、面取り84として後方側面取り84Rが形成されている。
クラッシュリリーフ83は、合わせ面82にて深さが最も大きくなるように形成されている。また、合わせ面82からロアベアリング8の周方向の中間部へ向けて深さが徐々に小さくなるように形成されている。また、周方向において合わせ面82から最も離れた位置にて深さが「0」となるように形成されている。面取り84は、ロアベアリング8の一方の側面86から他方の側面86までにわたり設けられている。また、クランクベアリング6の軸方向に沿うように設けられている。
図13に示されるように、ロアベアリング8は、周方向において次のように区分することができる。すなわち、前方側面取り84Fが設けられる第1面取り部8Aと、後方側面取り84Rが設けられる第2面取り部8Bと、前方側クラッシュリリーフ83Fが設けられる第1リリーフ部8Cと、後方側クラッシュリリーフ83Rが設けられる第2リリーフ部8Dと、第1リリーフ部8Cと第2リリーフ部8Dとの間に設けられる中間軸受部8Eとに区分することができる。また、ロアベアリング8の内周面85は、上記ロアベアリング8の区分に基づいて次のように区分することができる。すなわち、第1面取り部8Aの内周面85Aと、第2面取り部8Bの内周面85Bと、第1リリーフ部8Cの内周面85Cと、第2リリーフ部8Dの内周面85Dと、中間軸受部8Eの内周面85Eとに区分することができる。
〔5〕「クランクベアリングのオイルクリアランス」
エンジン1においては、クランクベアリング6を通じてクランクジャーナル51が支持されることにより、クランクベアリング6とクランクジャーナル51との間にオイルクリアランス60が形成される。すなわち、アッパーベアリング7の内周面75及びロアベアリング8の内周面85とクランクジャーナル51の外周面51Zとの間にオイルクリアランス60が形成される。
ここで、オイルクリアランス60の詳細についての説明をするための前置きとおして、図17〜図20に示す仮想のクランクベアリング(第1仮想ベアリング100)、及び図21〜図24に示す仮想のクランクベアリング(第2仮想ベアリング200)について説明する。なお、図17は、第1仮想ベアリング100のアッパーベアリング110の正面構造を示す。また、図18は、第1仮想ベアリング100のアッパーベアリング110の底面構造を示す。また、図19は、第1仮想ベアリング100のロアベアリング120の正面構造を示す。また、図20は、第1仮想ベアリング100のロアベアリング120の底面構造を示す。また、図21は、第2仮想ベアリング200のアッパーベアリング210の正面構造を示す。また、図22は、第2仮想ベアリング200のアッパーベアリング210の底面構造を示す。また、図23は、第2仮想ベアリング200のロアベアリング220の正面構造を示す。また、図24は、第2仮想ベアリング200のロアベアリング220の底面構造を示す。また、各クランクベアリング100,200について、クランクベアリング6と共通する要素については同一の符合が付されている。
第1仮想ベアリング100は、クラッシュリリーフ73,83、面取り74,84及び油溝78が設けられていないことを除いてはクランクベアリング6と同様の構造を有するクランクベアリングとして構成されている。また、第2仮想ベアリング200は、面取り74,84及び油溝78が設けられていないことを除いてはクランクベアリング6と同様の構造を有するクランクベアリングとして構成されている。
第1仮想ベアリング100について、そのアッパーベアリング110に前方側クラッシュリリーフ73F及び後方側クラッシュリリーフ73Rが設けられるとともに、そのロアベアリング120に前方側クラッシュリリーフ83F及び後方側クラッシュリリーフ83Rが設けられることにより、第2仮想ベアリング200と同じ構造が得られる。ここで、第1仮想ベアリング100に対するクラッシュリリーフ73,83の形成にともない同ベアリングから取り除かれる立体を次のように規定する。すなわち、アッパーベアリング110に対する前方側クラッシュリリーフ73Fの形成にともないアッパーベアリング110から取り除かれる立体を第1前方側リリーフ体111とする。また、アッパーベアリング110に対する後方側クラッシュリリーフ73Rの形成にともないアッパーベアリング110から取り除かれる立体を第1後方側リリーフ体112とする。また、ロアベアリング120に対する前方側クラッシュリリーフ83Fの形成にともないロアベアリング120から取り除かれる立体を第2前方側リリーフ体121とする。また、ロアベアリング120に対する後方側クラッシュリリーフ83Rの形成にともないロアベアリング120から取り除かれる立体を第2後方側リリーフ体122とする。
第2仮想ベアリング200について、そのアッパーベアリング210に前方側面取り74F及び後方側面取り74Rと油溝78とが設けられるとともに、そのロアベアリング220に前方側面取り84F及び後方側面取り84Rが設けられることにより、クランクベアリング6と同じ構造が得られる。ここで、第2仮想ベアリング200に対する面取り74,84の形成にともない同ベアリングから取り除かれる立体を次のように規定する。すなわち、アッパーベアリング210に対する前方側面取り74Fの形成にともないアッパーベアリング210から取り除かれる立体を第1前方側面取り体211とする。また、アッパーベアリング210に対する後方側面取り74Rの形成にともないアッパーベアリング210から取り除かれる立体を第1後方側面取り体212とする。また、ロアベアリング220に対する前方側面取り84Fの形成にともないロアベアリング220から取り除かれる立体を第2前方側面取り体221とする。また、ロアベアリング220に対する後方側面取り84Rの形成にともないロアベアリング220から取り除かれる立体を第2後方側面取り体222とする。
図25〜図28を参照して、クランクベアリング6のオイルクリアランス60の詳細について説明する。なお、図25は、各クランクベアリング6,100,200を通じてクランクジャーナル51が支持された状態の断面構造について、各クランクベアリング6,100,200の中心とクランクジャーナル51の中心とが整合する状態を示す。また、各図面においては、クランクジャーナル51に対するクランクベアリング6及びオイルクリアランス60の大きさを誇張して表現している。
クランクベアリング6のオイルクリアランス60は、大きくはアッパーベアリング7とクランクジャーナル51との間に形成される領域Uと、ロアベアリング8とクランクジャーナル51との間に形成される領域Lとに区分することができる。
アッパーベアリング7に対応する領域Uは、さらに次のように区分することができる。すなわち、第1前方側リリーフ体111に対応する領域UAと、第1後方側リリーフ体112に対応する領域UBと、第1前方側面取り体211に対応する領域UCと、第1後方側面取り体212に対応する領域UDと、クランクジャーナル51の外周面51Zと第1仮想ベアリング100のアッパーベアリング110の内周面75との間に形成される領域UEと、油溝78に対応する領域UFとに区分することができる。領域UEは、さらに次のように区分することができる。すなわち、第1面取り部7A及び第1リリーフ部7Cに対応する領域UE1と、第2面取り部7B及び第2リリーフ部7Dに対応する領域UE2と、中間軸受部7Eに対応する領域UE3とに区分することができる。図28に示されるように、領域UE3は、さらに次のように区分することができる。すなわち、油溝78に対応する領域UE31と、油溝78が形成されていない領域に対応する領域UE32とに区分することができる。
ロアベアリング8に対応する領域Lは、さらに次のように区分することができる。すなわち、第2前方側リリーフ体121に対応する領域LAと、第2後方側リリーフ体122に対応する領域LBと、第2前方側面取り体221に対応する領域LCと、第2後方側面取り体222に対応する領域LDと、クランクジャーナル51の外周面51Zと第1仮想ベアリング100のロアベアリング120の内周面75との間に形成される領域LEとに区分することができる。領域LEは、さらに次のように区分することができる。すなわち、第2面取り部8B及び第2リリーフ部8Dに対応する領域LE1と、第1面取り部8A及び第1リリーフ部8Cに対応する領域LE2と、中間軸受部8Eに対応する領域LE3とに区分することができる。
オイルクリアランス60には、クランクジャーナル51の回転を適切に支持するために必要な油膜圧力が得られる軸受油路61と、軸受油路61に比べて油膜圧力が非常に小さくなる溝内油路62と対溝油路63と端部油路64とリリーフ油路65と面取り油路66とが形成される。具体的には、以下のように各油路が形成される。なお、以降では、アッパーベアリング7の第1面取り部7A及び第1リリーフ部7Cに対応する第1仮想ベアリング100の内周面75を仮想内周面101とする。また、アッパーベアリング7の第2面取り部7B及び第2リリーフ部7Dに対応する第1仮想ベアリング100の内周面75を仮想内周面102とする。また、ロアベアリング8の第1面取り部8A及び第1リリーフ部8Cに対応する第1仮想ベアリング100の内周面75を仮想内周面103とする。また、ロアベアリング8の第2面取り部8B及び第2リリーフ部8Dに対応する第1仮想ベアリング100の内周面75を仮想内周面104とする。また、アッパーベアリング7の第1面取り部7A及び第1リリーフ部7Cに対応する第2仮想ベアリング200の内周面75を仮想内周面201とする。また、アッパーベアリング7の第2面取り部7B及び第2リリーフ部7Dに対応する第2仮想ベアリング200の内周面75を仮想内周面202とする。また、ロアベアリング8の第1面取り部8A及び第1リリーフ部8Cに対応する第2仮想ベアリング200の内周面75を仮想内周面203とする。また、ロアベアリング8の第2面取り部8B及び第2リリーフ部8Dに対応する第2仮想ベアリング200の内周面75を仮想内周面204とする。
軸受油路61としては、アッパーベアリング7の中間軸受部7Eの内周面75Eとクランクジャーナル51の外周面51Zとの間に位置する第1軸受油路61Aと、ロアベアリング8の中間軸受部8Eの内周面85Eとクランクジャーナル51の外周面51Zとの間に位置する第2軸受油路61Bとが形成される。
端部油路64としては、第1仮想ベアリング100の仮想内周面101及び仮想内周面104とクランクジャーナル51の外周面51Zとの間に位置する第1端部油路64Aと、第1仮想ベアリング100の仮想内周面102及び仮想内周面103とクランクジャーナル51の外周面51Zとの間に位置する第2端部油路64Bとが形成される。
リリーフ油路65としては、第2仮想ベアリング200の仮想内周面201及び仮想内周面204と第1仮想ベアリング100の仮想内周面101及び仮想内周面104との間に位置する第1リリーフ油路65Aと、第2仮想ベアリング200の仮想内周面202及び仮想内周面203と第1仮想ベアリング100の仮想内周面102及び仮想内周面103との間に位置する第2リリーフ油路65Bとが形成される。
面取り油路66としては、アッパーベアリング7の第1面取り部7Aの内周面75A及びロアベアリング8の第2面取り部8Bの内周面85Bと第2仮想ベアリング200の仮想内周面201及び仮想内周面204との間に位置する第1面取り油路66Aと、アッパーベアリング7の第2面取り部7Bの内周面75B及びロアベアリング8の第1面取り部8Aの内周面85Aと第2仮想ベアリング200の仮想内周面202及び仮想内周面203との間に位置する第2面取り油路66Bとが形成される。なお、面取り油路66は、クランクベアリング6の合わせ部に設けられる補助油路に相当する。
上記各油路は、オイルクリアランス60において区分される先の各領域に基づいて次のように表現することもできる。すなわち、第1軸受油路61Aは、領域UE32により形成される。第2軸受油路61Bは、領域LE3により形成される。溝内油路62は、領域UFにより形成される。対溝油路63は、領域UE31により形成される。第1端部油路64Aは、領域UE1と領域LE1とにより形成される。第2端部油路64Bは、領域UE2と領域LE2とにより形成される。第1リリーフ油路65Aは、領域UAと領域LAとにより形成される。第2リリーフ油路65Bは、領域UBと領域LBとにより形成される。第1面取り油路66Aは、領域UCと領域LCとにより形成される。第2面取り油路66Bは、領域UDと領域LDとにより形成される。
〔6〕「オイルクリアランスにおけるエンジンオイルの流れ」
図25〜図28を参照して、クランクベアリング6のオイルクリアランス60におけるエンジンオイル41の流通態様について説明する。
オイルクリアランス60のエンジンオイル41には、クランクシャフト5の回転にともない回転方向後方ARから回転方向前方AFへ向かう力が加えられる。このため、オイルクリアランス60においては、大きくは回転方向後方ARから回転方向前方AFへ向かうエンジンオイル41の流れが形成される。また、オイルクリアランス60の各油路61〜65の間にて次のようなエンジンオイル41の流れが形成される。
溝内油路62のエンジンオイル41は、対溝油路63または第1リリーフ油路65Aまたは第1面取り油路66Aに流れ込む。対溝油路63のエンジンオイル41は、第1軸受油路61Aまたは第1端部油路64Aまたは入口側油路55Jに流れ込む。第1軸受油路61Aのエンジンオイル41は、第1端部油路64Aに流れ込む。または、アッパーベアリング7の側面76を介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る。第1端部油路64Aのエンジンオイル41は、第1リリーフ油路65Aまたは第2軸受油路61Bに流れ込む。または、アッパーベアリング7の側面76及びロアベアリング8の側面86のいずれかを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る。第1リリーフ油路65Aのエンジンオイル41は、第1面取り油路66Aまたは第1端部油路64Aに流れ込む。または、アッパーベアリング7の側面76及びロアベアリング8の側面86のいずれかを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る。第1面取り油路66Aのエンジンオイル41は、アッパーベアリング7の側面76及びロアベアリング8の側面86のいずれかを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る。または、第1リリーフ油路65Aに流れ込む。第2軸受油路61Bのエンジンオイル41は、第2端部油路64Bに流れ込む。または、ロアベアリング8の側面86を介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る。第2端部油路64Bのエンジンオイル41は、第2リリーフ油路65Bまたは第1軸受油路61Aに流れ込む。または、ロアベアリング8の側面86及びアッパーベアリング7の側面76のいずれかを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る。第2リリーフ油路65Bのエンジンオイル41は、第2面取り油路66Bまたは第2端部油路64Bに流れ込む。または、ロアベアリング8の側面86及びアッパーベアリング7の側面76のいずれかを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る。第2面取り油路66Bのエンジンオイル41は、ロアベアリング8の側面86及びアッパーベアリング7の側面76のいずれかを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る。または、第2リリーフ油路65Bに流れ込む。
クランクベアリング6においては、以下の(A)及び(B)に示すように第1リリーフ油路65Aの通路面積SAと第1面取り油路66Aの通路面積TAとの関係、及び第2リリーフ油路65Bの通路面積SBと第2面取り油路66Bの通路面積TBとの関係が設定されている。なお、第1リリーフ油路65Aの通路面積SA、第1面取り油路66Aの通路面積TA、第2リリーフ油路65Bの通路面積SB及び第2面取り油路66Bの通路面積TBは、具体的にはそれぞれ次のように規定される通路面積を示す。すなわち、第1リリーフ油路65Aの通路面積SAは、クランクベアリング6の径方向に沿う第1前方側リリーフ体111の断面の面積と、クランクベアリング6の径方向に沿う第2後方側リリーフ体122の断面の面積とを合わせた面積に相当する。また、第1面取り油路66Aの通路面積TAは、クランクベアリング6の径方向に沿う第1前方側面取り体211の断面の面積と、クランクベアリング6の径方向に沿う第2後方側面取り体222の断面の面積とを合わせた面積に相当する。また、第2リリーフ油路65Bの通路面積SBは、クランクベアリング6の径方向に沿う第1後方側リリーフ体112の断面の面積と、クランクベアリング6の径方向に沿う第2前方側リリーフ体121の断面の面積とを合わせた面積に相当する。また、第2面取り油路66Bの通路面積TBは、クランクベアリング6の径方向に沿う第1後方側面取り体212の断面の面積と、クランクベアリング6の径方向に沿う第2前方側面取り体221の断面の面積とを合わせた面積に相当する。
(A)第1リリーフ油路65A及び第1面取り油路66Aについて、第1面取り油路66Aを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の流量(第1面取り流量QB)が第1リリーフ油路65Aを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の流量(第1リリーフ流量QA)よりも大きくなるように、第1リリーフ油路65Aの通路面積SAと第1面取り油路66Aの通路面積TAとの関係が設定されている。また、上記通路面積SAと通路面積TAとの関係は、第1面取り流量QBが第1リリーフ流量QAよりも大きくなるように、前方側クラッシュリリーフ73Fの大きさ(形成範囲及び深さ)と前方側面取り74Fの大きさとの関係、及び後方側クラッシュリリーフ83Rの大きさ(形成範囲及び深さ)と後方側面取り84Rの大きさとの関係が設定されることを通じて実現されている。
(B)第2リリーフ油路65B及び第2面取り油路66Bについて、第2面取り油路66Bを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の流量(第2面取り流量QD)が第2リリーフ油路65Bを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の流量(第2リリーフ流量QC)よりも大きくなるように、第2リリーフ油路65Bの通路面積SBと第2面取り油路66Bの通路面積TBとの関係が設定されている。また、上記通路面積SBと通路面積TBとの関係は、第2面取り流量QDが第2リリーフ流量QCよりも大きくなるように、後方側クラッシュリリーフ73Rの大きさ(形成範囲及び深さ)と後方側面取り74Rの大きさとの関係、及び前方側クラッシュリリーフ83Fの大きさ(形成範囲及び深さ)と前方側面取り84Fの大きさとの関係が設定されることを通じて実現されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、以下の(1)〜(16)に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態のクランクベアリング6には、油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側に切り上がり部7ERが設けられている。また、油溝78が前方側クラッシュリリーフ73F及び前方側面取り74Fを介して油孔77の内周側開口部77Aと前方側合わせ面72Fとをつなぐように形成されている。これにより、切り上がり部7ERが設けられていない場合に比べて、油溝78を介して油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側のオイルクリアランス60に供給されるエンジンオイル41の量が減量されるため、オイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。また、第2リリーフ油路65B及び第2面取り油路66Bに供給されるエンジンオイル41の量が減量されるため、オイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。また、油孔77を介してオイルクリアランス60に流れ込んだ異物が油溝78及び第1リリーフ油路65Aを流れることを通じてクランクベアリング6の軸方向からオイルクリアランス60の外部に流れ出るため、異物による損傷が生じることを抑制することができるようになる。また、切り上がり部7ERが油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側に設けられていることにより、油溝78内の異物が切り上がり部7ERに対応するオイルクリアランス60に流れ込むことがクランクシャフト5の回転を通じて妨げられるため、異物による損傷が生じることを好適に抑制することができるようになる。このように、本実施形態のクランクベアリング6によれば、オイルクリアランス60から流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることと、異物による損傷が生じることを抑制することとの両立を図ることができるようになる。
(2)本実施形態のクランクベアリング6では、油溝78の幅が油孔77の径(内周側開口部77Aの径)よりも小さく設定されている。これにより、油溝78の幅が油孔77の径よりも大きく設定されている場合に比べて油溝78の通路抵抗が大きくなるため、オイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。また、本実施形態のクランクベアリング6では、油溝78の形成にかかる加工性が著しく低下することのない範囲内で最大限に油溝78の幅が小さく設定されているため、クランクベアリング6の生産性を損なうことなくオイルクリアランス60からのエンジンオイル41の漏れ量を少なくする効果をより高めることができるようになる。
(3)本実施形態のクランクベアリング6では、油孔77の内周側開口部77Aがアッパーベアリング7の周方向中心CAよりも回転方向後方AR側に設けられている。これにより、油孔77の内周側開口部77Aが周方向中心CAよりも回転方向前方AF側に設けられる場合に比べて、内周側開口部77Aから油溝78の前方側端部78Fまでの距離が長くなることにより油溝78の通路抵抗が大きくなるため、オイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。
(4)本実施形態のクランクベアリング6では、クランクベアリング6の外部のエンジンオイル41をオイルクリアランス60に供給するための油孔として、油孔77が1つだけアッパーベアリング7に設けられている。これにより、オイルクリアランス60にエンジンオイル41を供給するための油孔が複数設けられる場合に比べて、クランクベアリング6の外部からオイルクリアランス60に供給されるエンジンオイル41の量が減量されるため、オイルクリアランス60から外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。
(5)本実施形態のクランクベアリング6では、油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向前方AF側における油溝78の深さが前方側端部78Fにて最も小さく設定されている。これにより、例えば、油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向前方AF側における油溝78の深さについて、その全体が一定の大きさに設定されている場合に比べて、油溝78内から油溝78の外部に流れ出るエンジンオイル41の量が減量されるため、オイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。
(6)クランクベアリング6が適用されたエンジン1においては、第1面取り流量QBが第1リリーフ流量QAに対して大きくなるにつれてオイルクリアランス60から外部に排出される異物の量が多くなることが本願発明者による試験等を通じて確認されている。そこで、本実施形態のクランクベアリング6では、こうした事実に基づいて、第1面取り流量QBが第1リリーフ流量QAよりも大きくなるように第1面取り油路66Aの通路面積TAと第1リリーフ油路65Aの通路面積SAとの関係が設定されている。これにより、エンジンオイル41とともにオイルクリアランス60に流れ込んだ異物について、その多くが第1面取り油路66Aを介してオイルクリアランス60の外部に排出されるため、異物による損傷が生じることをより好適に抑制することができるようになる。
(7)クランクベアリング6が適用されたエンジン1においては、第2面取り流量QDが第2リリーフ流量QCに対して大きくなるにつれてオイルクリアランス60から外部に排出される異物の量が多くなることが本願発明者による試験等を通じて確認されている。そこで、本実施形態のクランクベアリング6では、こうした事実に基づいて、第2面取り流量QDが第2リリーフ流量QCよりも大きくなるように第2面取り油路66Bの通路面積TBと第2リリーフ油路65Bの通路面積SBとの関係が設定されている。これにより、エンジンオイル41とともにオイルクリアランス60に流れ込んだ異物について、その多くが第2面取り油路66Bを介してオイルクリアランス60の外部に排出されるため、異物による損傷が生じることをより好適に抑制することができるようになる。
(8)第1面取り油路66Aは、第1リリーフ油路65Aや第2軸受油路61Bに比べてクランクベアリング6とクランクジャーナル51との間隔が大きいため、第1面取り油路66Aの異物によりクランクベアリング6の損傷をまねく度合いは非常に小さいと考えられる。そこで、本実施形態のクランクベアリング6では、こうしたことに基づいて、第1面取り油路66Aを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量が上限の量(オイルクリアランス60から流れ出るエンジンオイル41の量として許容される量)を超えない範囲で通路面積TAが最大限に大きく設定されている。これにより、オイルクリアランス60の異物の多くが第1面取り油路66Aを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るため、異物による損傷が生じることをより好適に抑制することができるようになる。
(9)第2面取り油路66Bは、第2リリーフ油路65Bや第1軸受油路61Aに比べてクランクベアリング6とクランクジャーナル51との間隔が大きいため、第2面取り油路66Bの異物によりクランクベアリング6の損傷をまねく度合いは非常に小さいと考えられる。そこで、本実施形態のクランクベアリング6では、こうしたことに基づいて、第2面取り油路66Bを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量が上限の量(オイルクリアランス60から流れ出るエンジンオイル41の量として許容される量)を超えない範囲で通路面積TBが最大限に大きく設定されている。これにより、オイルクリアランス60の異物の多くが第2面取り油路66Bを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るため、異物による損傷が生じることをより好適に抑制することができるようになる。
(10)本実施形態のクランクベアリング6では、アッパーベアリング7の側面76及びロアベアリング8の側面86のいずれかを介して油溝78内の異物をオイルクリアランス60の外部に排出させることのできる油路(補助油路)について、同補助油路が面取り74,84を利用して形成されている。これにより、面取り74,84とは別に油路を設けて補助油路を形成する場合に比べてクランクベアリング6の負荷能力の低下を抑制することができるようになる。
(11)本実施形態のクランクベアリング6では、アッパーベアリング7の側面76及びロアベアリング8の側面86のいずれかを介して油溝78内の異物をオイルクリアランス60の外部に排出させることのできる油路(補助油路)について、同補助油路がクラッシュリリーフ73,83を利用して形成されている。これにより、クラッシュリリーフ73,83とは別に油路を設けて補助油路を形成する場合に比べてクランクベアリング6の負荷能力の低下を抑制することができるようになる。
(12)図29及び図30に示すその他のクランクベアリング(クランクベアリング6X)との対比に基づいて、本実施形態のクランクベアリング6を通じて奏せられる効果について説明する。なお、図29は、クランクベアリング6Xについてそのアッパーベアリング7Xの正面構造を示す。また、図30は、クランクベアリング6Xについてそのアッパーベアリング7Xの底面構造を示す。
図29及び図30に示されるように、クランクベアリング6Xは、第1実施形態のクランクベアリング6についてアッパーベアリング7の一部が次のように変更されたクランクベアリングとして構成されている。すなわち、クランクベアリング6Xのアッパーベアリング7Xにおいては、油溝78に代えて油溝7XAが形成されている。また、切り上がり部7ERが省略されている。油溝7XAは、油孔77の内周側開口部77Aを介して前方側合わせ面72Fと後方側合わせ面72Rとをつなぐように形成されている。なお、クランクベアリング6Xについて、上記変更点以外は実質的に第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、第1実施形態と共通する要素については同実施形態と同一の符合が付されている。
上記クランクベアリング6Xが適用されたエンジン1においては、油溝7XAのエンジンオイル41が対溝油路63または第1リリーフ油路65Aまたは第1面取り油路66Aまたは第2リリーフ油路65Bまたは第2面取り油路66Bに流れ込む。ここで、オイルクリアランス60のエンジンオイル41に対しては、クランクシャフト5の回転にともない回転方向後方AR側から回転方向前方AF側へ向かう力が加えられるため、第2リリーフ油路65Bのエンジンオイル41の一部は、アッパーベアリング7Xの側面76及びロアベアリング8の側面86のいずれかを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出る前に第2リリーフ油路65Bから第1軸受油路61Aに流れ込むようになる。このとき、エンジンオイル41内の異物もクランクベアリング6とクランクジャーナル51との間隔が大きい第2リリーフ油路65Bから同間隔の小さい第1軸受油路61Aに流れ込むため、アッパーベアリング7Xの損傷やクランクシャフト5の焼き付きをまねく可能性が高くなる。
上記クランクベアリング6Xに対して、本実施形態のクランクベアリング6には切り上がり部7ERが設けられているため、油溝78から第2リリーフ油路65Bにエンジンオイル41が流れ込むことが切り上がり部7ERを通じて妨げられる。これにより、エンジン1にクランクベアリング6Xが適用される場合に比べて、第2リリーフ油路65Bに流れ込む異物の量が減量されるため、クランクシャフト5の回転にともない第2リリーフ油路65Bから第1軸受油路61Aに流れ込む異物の量を少なくすることができるようになる。また、これにともないアッパーベアリング7の損傷やクランクシャフト5の焼き付きが生じることを好適に抑制することができるようになる。
(13)本実施形態のエンジン1では、クランクベアリング6を通じてクランクシャフト5が支持されているため、オイルクリアランス60から流れ出るエンジンオイル41の量が減量される。これにより、クランクシャフト5の潤滑性能の向上、及びオイルポンプ42の仕事量の低減にともなう燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
(14)また、コンロッドベアリング28のオイルクリアランス29に流れ込む異物の量が減量されるため、コンロッドベアリング28の損傷やコネクティングロッド27の焼き付きが生じることを抑制することができるようになる。
[実施形態の変更例]
上記第1実施形態は、例えば以下に示すように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向前方AF側における油溝78の深さが前方側端部78Fにて最も小さく設定される構成を採用したが、油溝78の深さの設定態様は上記実施形態にて例示した態様に限られるものではない。要するに、油溝78において油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向前方AF側に設けられる部位について、相対的な通路面積が最も小さくなる箇所が少なくとも1箇所形成される設定態様であれば、油溝78の深さの設定態様は適宜変更可能である。
・上記実施形態において、クラッシュリリーフ73,83及び面取り74,84の形成態様を以下の(A)〜(D)のいずれかに変更することもできる。また、以下の(A)〜(D)の構成を適宜組み合わせて実施することもできる。
(A)上記実施形態では、アッパーベアリング7に前方側クラッシュリリーフ73F及び前方側面取り74Fが設けられる構成を採用したが、これら前方側クラッシュリリーフ73F及び前方側面取り74Fを省略することもできる。こうした構成においては、オイルクリアランス60の領域LAにより第1リリーフ油路65Aが形成される。また、オイルクリアランス60の領域LCにより第1面取り油路66Aが形成される。また、第1面取り流量QBが第1リリーフ流量QAよりも大きくなる第1リリーフ油路65Aの通路面積SAと第1面取り油路66Aの通路面積TAとの関係は、ロアベアリング8の後方側クラッシュリリーフ83Rの大きさ(形成範囲及び深さ)と後方側面取り84Rの大きさとの関係の設定を通じて実現することができる。
(B)上記実施形態では、アッパーベアリング7に後方側クラッシュリリーフ73R及び後方側面取り74Rが設けられる構成を採用したが、これら後方側クラッシュリリーフ73R及び後方側面取り74Rを省略することもできる。こうした構成においては、オイルクリアランス60の領域LBにより第2リリーフ油路65Bが形成される。また、オイルクリアランス60の領域LDにより第2面取り油路66Bが形成される。また、第2面取り流量QDが第2リリーフ流量QCよりも大きくなる第2リリーフ油路65Bの通路面積SBと第2面取り油路66Bの通路面積TBとの関係は、ロアベアリング8の前方側クラッシュリリーフ83Fの大きさ(形成範囲及び深さ)と前方側面取り84Fの大きさとの関係の設定を通じて実現することができる。
(C)上記実施形態では、ロアベアリング8に後方側クラッシュリリーフ83R及び後方側面取り84Rが設けられる構成を採用したが、これら後方側クラッシュリリーフ83R及び後方側面取り84Rを省略することもできる。こうした構成においては、オイルクリアランス60の領域UAにより第1リリーフ油路65Aが形成される。また、オイルクリアランス60の領域UCにより第1面取り油路66Aが形成される。また、第1面取り流量QBが第1リリーフ流量QAよりも大きくなる第1リリーフ油路65Aの通路面積SAと第1面取り油路66Aの通路面積TAとの関係は、アッパーベアリング7の前方側クラッシュリリーフ73Fの大きさ(形成範囲及び深さ)と前方側面取り74Fの大きさとの関係の設定を通じて実現することができる。
(D)上記実施形態では、ロアベアリング8に前方側クラッシュリリーフ83F及び前方側面取り84Fが設けられる構成を採用したが、これら前方側クラッシュリリーフ83F及び前方側面取り84Fを省略することもできる。こうした構成においては、オイルクリアランス60の領域UBにより第2リリーフ油路65Bが形成される。また、オイルクリアランス60の領域UDにより第2面取り油路66Bが形成される。また、第2面取り流量QDが第2リリーフ流量QCよりも大きくなる第2リリーフ油路65Bの通路面積SBと第2面取り油路66Bの通路面積TBとの関係は、アッパーベアリング7の後方側クラッシュリリーフ73Rの大きさ(形成範囲及び深さ)と後方側面取り74Rの大きさとの関係の設定を通じて実現することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図31を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図31に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、油溝78の幅が油孔77の径(内周側開口部77Aの径)と同じ大きさに設定されている。また、油溝78の深さが油溝78の周方向中心CBにて最も大きくなるように設定されている。また、油溝78の深さが周方向中心CBから後方側端部78Rにかけて徐々に小さくなるとともに、後方側端部78Rにて「0」となるように設定されている。また、油溝78の深さが周方向中心CBから前方側端部78Fにかけて徐々に小さくなるように設定されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)及び(3)〜(14)の効果に加えて、以下の(15)に示す効果が得られるようになる。
(15)本実施形態のクランクベアリング6によれば、油溝78の幅が油孔77の径よりも小さく設定される場合に比べて油溝78の形成にかかる加工性が高められるため、クランクベアリング6の生産性の向上を図ることができるようになる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について、図32を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリングとして構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図32に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、油孔77よりも回転方向前方AF側の中間軸受部7Eに油孔91が設けられている。油孔91は、隔壁32の軸受部油溝32Rのエンジンオイル41を油孔77とは独立してオイルクリアランス60に流通させるための油孔として設けられている。また、アッパーベアリング7の周方向中心CAよりも回転方向前方AF側に設けられている。油孔91の径は、油孔77の径と同じ大きさに設定されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(3)及び(5)〜(14)の効果に加えて、以下の(16)に示す効果が得られるようになる。
(16)本実施形態のクランクベアリング6によれば、油孔91が設けられていない場合に比べてオイルクリアランス60に供給されるエンジンオイル41の量が多くなるため、オイルクリアランス60のエンジンオイル41の量が不足することを好適に抑制することができるようになる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について、図33を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリングとして構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図33に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、油孔77が周方向中心CAよりも回転方向前方AF側に設けられている。また、油溝78がアッパーベアリング7の周方向中心CAよりも回転方向前方AF側の範囲内に設けられている。また、油溝78の後方側端部78Rが油孔77の内周側開口部77A上に設けられている。また、油孔77のエンジンオイル41が後方側端部78Rを介して油溝78に流れ込むように後方側端部78Rにおける油溝78の深さが「0」よりも大きく設定されている。また、油溝78の後方側端部78Rと後方側クラッシュリリーフ73Rとの間の部位が切り上がり部7ERとして構成されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)、(2)及び(4)〜(14)の効果に加えて、以下の(17)及び(18)に示す効果が得られるようになる。
(17)本実施形態のクランクベアリング6によれば、油孔77が周方向中心CAよりも回転方向後方AR側に設けられる場合に比べて、すなわち油溝78が周方向中心CAよりも回転方向後方AR側から前方側合わせ面72Fまでにわたり設けられる場合に比べてアッパーベアリング7の軸受面積が大きくなるため、クランクベアリング6の負荷能力を向上させることができるようになる。
(18)また、油溝78から第1軸受油路61Aに流れ込むエンジンオイル41の量が減量されるため、これにともない第1軸受油路61Aに流れ込む異物の量が減量される。これにより、異物による損傷やクランクシャフト5の焼き付きが生じることをより好適に抑制することができるようになる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について、図34を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第4実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリングとして構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第4実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図34に示されるように、油溝78の幅は、油孔77の径(内周側開口部77Aの径)と同じ大きさに設定されている。油溝78の深さは、油溝78の周方向中心CBにて最も大きく設定されている。また、周方向中心CBから後方側端部78Rにかけて徐々に小さくなるとともに後方側端部78Rにて「0」となるように設定されている。また、周方向中心CBから前方側端部78Fにかけて徐々に小さくなるように設定されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)、(2)及び(4)〜(14)の効果、並びに先の第4実施形態による前記(17)及び(18)の効果に加えて、先の第2実施形態による前記(15)の効果が得られるようになる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について、図35を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第4実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第4実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図35に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、油溝78の深さが次のように設定されている。すなわち、油溝78の深さは、前方側端部78Fにて最も大きく設定されている。また、後方側端部78Rにて最も小さく設定されている。また、油孔77のエンジンオイル41が後方側端部78Rを介して油溝78に流れ込むように後方側端部78Rにおける深さが「0」よりも大きく設定されている。また、前方側端部78Fから後方側端部78Rにかけて徐々に小さくなるように設定されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)、(2)及び(4)〜(14)の効果、並びに先の第4実施形態による前記(17)及び(18)の効果に加えて、以下の(19)に示す効果が得られるようになる。
(19)本実施形態のクランクベアリング6によれば、油溝78の深さが周方向中心CBにて最も大きく設定されるとともに両端部へ向かうにつれて小さくなるように設定される場合に比べて、油溝78の形成にかかる加工上の制約が緩やかになるため、クランクベアリング6の生産性の向上を図ることができるようになる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について、図36を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6における油溝の形状が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図36に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、アッパーベアリング7の第1リリーフ部7Cに一方の側面76と他方の側面76とをつなぐ油溝92が設けられている。油溝92は、油溝78及び第1リリーフ油路65Aのエンジンオイル41を各側面76からオイルクリアランス60の外部に送り出すための油路として形成されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(14)の効果に加えて、以下の(20)に示す効果が得られるようになる。
(20)本実施形態のクランクベアリング6によれば、油溝78及び第1リリーフ油路65Aのエンジンオイル41が油溝92を介してオイルクリアランス60の外部に送り出されることを通じてオイルクリアランス60の異物の排出性が高められるため、異物による損傷が生じることをより好適に抑制することができるようになる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態について、図37を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図37に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、次のように油溝78が形成されている。すなわち、油溝78は、油孔77の内周側開口部77Aと切り上がり部7ERとの間から第1リリーフ部7C内までにわたり形成されている。また、内周側開口部77Aと前方側クラッシュリリーフ73Fとをつなぐように形成されている。また、油溝78の周方向中心CBがアッパーベアリング7の周方向中心CAよりも回転方向前方AF側に位置するように形成されている。油溝78の幅は、油孔77の径(内周側開口部77Aの径)よりも小さく設定されている。油溝78の深さは、周方向中心CBにおいて最も大きく設定されている。また、周方向中心CBから後方側端部78Rにかけて徐々に小さくなるとともに後方側端部78Rにて「0」となるように設定されている。また、周方向中心CBから前方側端部78Fにかけて徐々に小さくなるように設定されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(14)の効果に準じた効果が得られるようになる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態について、図38を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図38に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、次のように油溝78が形成されている。すなわち、油溝78は、油孔77の内周側開口部77Aと切り上がり部7ERとの間から第1面取り部7A内までにわたり形成されている。また、内周側開口部77Aと前方側クラッシュリリーフ73Fと前方側面取り74Fとに連通するように形成されている。また、油溝78の周方向中心CBがアッパーベアリング7の周方向中心CAよりも回転方向前方AF側に位置するように形成されている。油溝78の幅は、油孔77の径(内周側開口部77Aの径)よりも小さく設定されている。油溝78の深さは、周方向中心CBにて最も大きく設定されている。また、周方向中心CBから後方側端部78Rにかけて徐々に小さくなるとともに後方側端部78Rにて「0」となるように設定されている。また、周方向中心CBから前方側端部78Fにかけて徐々に小さくなるように設定されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(14)の効果に準じた効果が得られるようになる。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態について、図39を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図39に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、前記第1実施形態のアッパーベアリング7の面取り74に代えて油溝93(前方側油溝93F及び後方側油溝93R)が設けられている。また、前記第1実施形態のロアベアリング8の面取り84に代えて油溝94(前方側油溝94F及び後方側油溝94R)が設けられている。また、こうした変更にともない、オイルクリアランス60には前記第1実施形態の面取り油路66に対応する溝油路67が形成される。
アッパーベアリング7の油溝93ついて、前方側油溝93Fは、油溝78及び第1リリーフ油路65Aのエンジンオイル41を各側面76からオイルクリアランス60の外部に送り出すための油路として、一方の側面76と他方の側面76とをつなぐように形成されている。また、後方側油溝93Rは、第2リリーフ油路65Bのエンジンオイル41を各側面76からオイルクリアランス60の外部に送り出すための油路として、一方の側面76と他方の側面76とをつなぐように形成されている。
アッパーベアリング7は、周方向において次のように区分することができる。すなわち、前方側油溝93Fが設けられる第1溝部7Gと、後方側油溝93Rが設けられる第2溝部7Hと、前方側クラッシュリリーフ73Fが設けられる第1リリーフ部7Cと、後方側クラッシュリリーフ73Rが設けられる第2リリーフ部7Dと、油孔77の内周側開口部77Aが設けられる中間軸受部7Eとに区分することができる。
ロアベアリング8の油溝94について、前方側油溝94Fは、第2リリーフ油路65Bのエンジンオイル41を各側面86からオイルクリアランス60の外部に送り出すための油路として、一方の側面86と他方の側面86とをつなぐように形成されている。また、後方側油溝94Rは、第1リリーフ油路65Aのエンジンオイル41を各側面86からオイルクリアランス60の外部に送り出すための油路として、一方の側面86と他方の側面86とをつなぐように形成されている。
ロアベアリング8は、周方向において次のように区分することができる。すなわち、前方側油溝94Fが設けられる第1溝部8Gと、後方側油溝94Rが設けられる第2溝部8Hと、前方側クラッシュリリーフ83Fが設けられる第1リリーフ部8Cと、後方側クラッシュリリーフ83Rが設けられる第2リリーフ部8Dと、第1リリーフ部8Cと第2リリーフ部8Dとの間に設けられる中間軸受部8Eとに区分することができる。
溝油路67としては、アッパーベアリング7の第1溝部7Gの内周面及びロアベアリング8の第2溝部8Hの内周面と第2仮想ベアリング200の仮想内周面201及び仮想内周面204との間に位置する第1溝油路67Aと、アッパーベアリング7の第2溝部7Hの内周面及びロアベアリング8の第1溝部8Gの内周面と第2仮想ベアリング200の仮想内周面202及び仮想内周面203との間に位置する第1面取り油路66Aとが形成される。なお、溝油路67は、クランクベアリング6の合わせ部に設けられる補助油路に相当する。
クランクベアリング6においては、以下の(A)及び(B)に示すように第1リリーフ油路65Aの通路面積SAと第1溝油路67Aの通路面積TCとの関係、及び第2リリーフ油路65Bの通路面積SBと第2溝油路67Bの通路面積TDとの関係が設定されている。
(A)第1リリーフ油路65A及び第1溝油路67Aについて、第1溝油路67Aを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の流量(第1溝流量QE)が第1リリーフ油路65Aを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の流量(第1リリーフ流量QA)よりも大きくなるように、第1リリーフ油路65Aの通路面積SAと第1溝油路67Aの通路面積TCとの関係が設定されている。また、上記通路面積SAと通路面積TCとの関係は、第1溝流量QEが第1リリーフ流量QAよりも大きくなるように、前方側クラッシュリリーフ73Fの大きさと前方側油溝93Fの大きさとの関係、及び後方側クラッシュリリーフ83Rの大きさと後方側油溝94Rの大きさとの関係が設定されることを通じて実現されている。
(B)第2リリーフ油路65B及び第2溝油路67Bについて、第2溝油路67Bを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の流量(第2溝流量QF)が第2リリーフ油路65Bを介してオイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の流量(第2リリーフ流量QC)よりも大きくなるように、第2リリーフ油路65Bの通路面積SBと第2溝油路67Bの通路面積TDとの関係が設定されている。また、上記通路面積SBと通路面積TDとの関係は、第2溝流量QFが第2リリーフ流量QCよりも大きくなるように、後方側クラッシュリリーフ73Rの大きさと後方側油溝93Rの大きさとの関係、及び前方側クラッシュリリーフ83Fの大きさと前方側油溝94Fの大きさとの関係が設定されることを通じて実現されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(14)の効果に準じた効果が得られるようになる。
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態について、図40及び図41を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図40及び図41に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、アッパーベアリング7のクラッシュリリーフ73及び面取り74が省略されている。また、ロアベアリング8のクラッシュリリーフ83及び面取り84が省略されている。また、油溝78の前方側端部78Fが内周側開口部77Aと前方側合わせ面72Fとの間に設けられている。また、アッパーベアリング7には、油溝78とアッパーベアリング7の各側面76とをつなぐ油溝95が設けられている。油溝95は、油溝78のエンジンオイル41を各側面76からオイルクリアランス60の外部へ送り出すための油路として設けられている。油溝78の深さは、周方向中心CBにて最も大きく設定されている。また、周方向中心CBから前方側端部78Fにかけて徐々に小さくなるように設定されている。また、周方向中心CBから後方側端部78Rにかけて徐々に小さくなるとともに後方側端部78Rにて「0」となるように設定されている。なお、油溝95は、クランクベアリング6の軸方向に対して傾斜するように形成することもできる。また、油溝78と側面76との間で幅を変化させることもできる。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、以下の(21)に示す効果に加えて、先の第1実施形態による前記(2)〜(4)、(13)及び(14)の効果が得られるようになる。
(21)本実施形態のクランクベアリング6には、油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側に切り上がり部7ERが設けられている。また、油溝78と側面76とをつなぐ油溝95が設けられている。これにより、切り上がり部7ERが設けられていない場合に比べて、油溝78を介して油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側のオイルクリアランス60に供給されるエンジンオイル41の量が減量されるため、オイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。また、油孔77を介してオイルクリアランス60に流れ込んだ異物が油溝78及び油溝95を流れることを通じてクランクベアリング6の軸方向からオイルクリアランス60の外部に流れ出るため、異物による損傷が生じることを抑制することができるようになる。また、切り上がり部7ERが油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側に設けられていることにより、油溝78内の異物が切り上がり部7ERに対応するオイルクリアランス60に流れ込むことがクランクシャフト5の回転を通じて妨げられるため、異物による損傷が生じることを好適に抑制することができるようになる。このように、本実施形態のクランクベアリング6によれば、オイルクリアランス60から流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることと、異物による損傷が生じることを抑制することとの両立を図ることができるようになる。
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態について、図42及び図43を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図42及び図43に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、アッパーベアリング7のクラッシュリリーフ73及び面取り74が省略されている。また、ロアベアリング8のクラッシュリリーフ83及び面取り84が省略されている。また、ロアベアリング8には、アッパーベアリング7の油溝78と連通する油溝96、及び油溝96とロアベアリング8の各側面86とをつなぐ油溝97が設けられている。油溝96は、油溝78から供給されたエンジンオイル41をロアベアリング8の周方向へ流通させるための油路として設けられている。油溝97は、油溝96のエンジンオイル41を各側面86からオイルクリアランス60の外部へ送り出すための油路として設けられている。なお、油溝97は、クランクベアリング6の軸方向に対して傾斜するように形成することもできる。また、油溝96と側面86との間で幅を変化させることもできる。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、以下の(22)に示す効果に加えて、先の第1実施形態による前記(2)〜(5)、(13)及び(14)の効果が得られるようになる。
(22)本実施形態のクランクベアリング6には、油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側に切り上がり部7ERが設けられている。また、ロアベアリング8の油溝96と各側面86とをつなぐ油溝97が設けられている。これにより、切り上がり部7ERが設けられていない場合に比べて、油溝78を介して油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側のオイルクリアランス60に供給されるエンジンオイル41の量が減量されるため、オイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。また、油孔77を介してオイルクリアランス60に流れ込んだ異物が油溝78、油溝96及び油溝97を流れることを通じてクランクベアリング6の軸方向からオイルクリアランス60の外部に流れ出るため、異物による損傷が生じることを抑制することができるようになる。また、切り上がり部7ERが油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側に設けられていることにより、油溝78内の異物が切り上がり部7ERに対応するオイルクリアランス60に流れ込むことがクランクシャフト5の回転を通じて妨げられるため、異物による損傷が生じることを好適に抑制することができるようになる。このように、本実施形態のクランクベアリング6によれば、オイルクリアランス60から流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることと、異物による損傷が生じることを抑制することとの両立を図ることができるようになる。
(第13実施形態)
本発明の第13実施形態について、図44を参照して説明する。
本実施形態のクランクベアリング6は、前記第1実施形態のクランクベアリング6の一部が以下で説明するように変更されたクランクベアリング6として構成されている。なお、本実施形態のクランクベアリング6について、以下で説明する点以外は前記第1実施形態のクランクベアリング6と同様の構造が採用されている。また、図面において、前記第1実施形態と共通する要素については同第1実施形態と同一の符合が付されている。
図44に示されるように、本実施形態のクランクベアリング6においては、アッパーベアリング7のクラッシュリリーフ73及び面取り74が省略されている。また、ロアベアリング8のクラッシュリリーフ83及び面取り84が省略されている。また、油溝78の前方側端部78Fの異物がロアベアリング8に対応するオイルクリアランス60に流れ込むように油溝78の深さが設定されている。
[実施形態の効果]
以上詳述したように、本実施形態のクランクベアリングによれば、以下の(23)に示す効果に加えて、先の第1実施形態による前記(2)〜(5)、(13)及び(14)の効果が得られるようになる。
(23)本実施形態のクランクベアリング6には、油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側に切り上がり部7ERが設けられている。また、油溝78が油孔77の内周側開口部77Aと前方側合わせ面72Fとをつなぐように形成されている。これにより、切り上がり部7ERが設けられていない場合に比べて、油溝78を介して油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側のオイルクリアランス60に供給されるエンジンオイル41の量が減量されるため、オイルクリアランス60の外部に流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることができるようになる。また、油孔77を介してオイルクリアランス60に流れ込んだ異物が油溝78を通じてアッパーベアリング7に対応するオイルクリアランス60とロアベアリング8に対応するオイルクリアランス60との境界付近まで案内されるため、油溝78内の異物が同境界を介してアッパーベアリング7に対応するオイルクリアランス60からロアベアリング8に対応するオイルクリアランス60に流れ込むことを通じて、アッパーベアリング7の損傷が生じることを抑制することができるようになる。また、切り上がり部7ERが油孔77の内周側開口部77Aよりも回転方向後方AR側に設けられていることにより、油溝78内の異物が切り上がり部7ERに対応するオイルクリアランス60に流れ込むことがクランクシャフト5の回転を通じて妨げられるため、アッパーベアリング7の損傷が生じることを好適に抑制することができるようになる。このように、本実施形態のクランクベアリング6によれば、オイルクリアランス60から流れ出るエンジンオイル41の量を少なくすることと、異物による損傷が生じることを抑制することとの両立を図ることができるようになる。
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態に共通して変更することのできる形態を以下に示す。
・上記各実施形態は、適宜組み合わせて実施することもできる。
・上記各実施形態では、エンジンのクランクベアリングとして本発明を具体化したが、本発明の適用対象となるすべり軸受はクランクベアリングに限られるものではない。要するに、半円形状の一対の軸受体に分割されるとともに潤滑油を通じて回転軸を支持するすべり軸受であれば、いずれのすべり軸受に対しても上記各実施形態に準じた態様をもって本発明を適用することができる。
・上記各実施形態では、直列4気筒のエンジンに対して本発明のすべり軸受を適用した場合を想定したが、その他の気筒配列が採用されたエンジンについても同様に本発明のすべり軸受を適用することができる。
・上記各実施形態では、本発明のすべり軸受を適用する対象のトルク伝達装置としてエンジンを想定したが、一方向に回転する主軸とこの主軸を支持する主軸用すべり軸受とを含めて構成されるトルク伝達装置であれば、適宜の装置に対して本発明のすべり軸受を適用することができる。
1…エンジン、11…シリンダヘッド、12…クランクケース、13…オイルパン、21…インテークバルブ、22…エキゾーストバルブ、23…インテークカムシャフト、24…エキゾーストカムシャフト、25…タイミングチェーン、26…ピストン、27…コネクティングロッド、27A…コンロッド本体、27B…コンロッドキャップ、27C…コンロッド軸受部、28…コンロッドベアリング、28A…アッパーベアリング、28B…ロアベアリング、29…オイルクリアランス
3…シリンダブロック、30…クランク室、31…シリンダ、31A…第1シリンダ、31B…第2シリンダ、31C…第3シリンダ、31D…第4シリンダ、32…隔壁、32A…第1隔壁、32B…第2隔壁、32C…第3隔壁、32D…第4隔壁、32E…第5隔壁、32R…軸受部油溝、33…クランクキャップ、34…クランク軸受部、34A…第1クランク軸受部、34B…第2クランク軸受部、34C…第3クランク軸受部、34D…第4クランク軸受部、34E…第5クランク軸受部、35…本体油路、35A…第1本体油路、35B…第2本体油路、35C…第3本体油路
4…潤滑装置、41…エンジンオイル、42…オイルポンプ、43…オイルストレーナ、44…オイルフィルタ
5…クランクシャフト、51…クランクジャーナル、51A…第1クランクジャーナル、51B…第2クランクジャーナル、51C…第3クランクジャーナル、51D…第4クランクジャーナル、51E…第5クランクジャーナル、51Z…外周面、52…クランクピン、52A…第1クランクピン、52B…第2クランクピン、52C…第3クランクピン、52D…第4クランクピン、53…クランクアーム、54…カウンタウエイト、55…クランク油路、55A…第1クランク油路、55B…第2クランク油路、55C…第3クランク油路、55D…第4クランク油路、55J…入口側油路、55JA…第1入口側油路、55JB…第2入口側油路、55JC…第3入口側油路、55JD…第4入口側油路、55P…出口側油路、55PA…第1出口側油路、55PB…第2出口側油路、55PC…第3出口側油路、55PD…第4出口側油路
6…クランクベアリング、6A…第1クランクベアリング、6B…第2クランクベアリング、6C…第3クランクベアリング、6D…第4クランクベアリング、6E…第5クランクベアリング、60…オイルクリアランス、61…軸受油路、61A…第1軸受油路、61B…第2軸受油路、62…溝内油路、63…対溝油路、64…端部油路、64A…第1端部油路、64B…第2端部油路、65…リリーフ油路、65A…第1リリーフ油路、65B…第2リリーフ油路、66…面取り油路、66A…第1面取り油路、66B…第2面取り油路、67…溝油路、67A…第1溝油路、67B…第2溝油路
7…アッパーベアリング、7A…第1面取り部、7B…第2面取り部、7C…第1リリーフ部、7D…第2リリーフ部、7E…中間軸受部、7EF…切り下がり部、7ER…切り上がり部、7G…第1溝部、7H…第2溝部、71…端部、71F…前方側端部、71R…後方側端部、72…合わせ面、72F…前方側合わせ面、72R…後方側合わせ面、73…クラッシュリリーフ、73F…前方側クラッシュリリーフ、73R…後方側クラッシュリリーフ、74…面取り、74F…前方側面取り、74R…後方側面取り、75…内周面、75A…内周面、75B…内周面、75C…内周面、75D…内周面、75E…内周面、75F…内周面、76…側面、77…油孔、77A…内周側開口部、77B…外周側開口部、78…油溝、78A…油溝側面、78B…油溝底面、78F…前方側端部、78R…後方側端部
8…ロアベアリング、8A…第1面取り部、8B…第2面取り部、8C…第1リリーフ部、8D…第2リリーフ部、8E…中間軸受部、8G…第1溝部、8H…第2溝部、81…端部、81F…前方側端部、81R…後方側端部、82…合わせ面、82F…前方側合わせ面、82R…後方側合わせ面、83…クラッシュリリーフ、83F…前方側クラッシュリリーフ、83R…後方側クラッシュリリーフ、84…面取り、84F…前方側面取り、84R…後方側面取り、85…内周面、85A…内周面、85B…内周面、85C…内周面、85D…内周面、85E…内周面、86…側面
91…油孔、92…油溝、93…油溝、93F…前方側油溝、93R…後方側油溝、94…油溝、94F…前方側油溝、94R…後方側油溝、95…油溝、96…油溝、97…油溝
100…第1仮想ベアリング、101…仮想内周面、102…仮想内周面、103…仮想内周面、104…仮想内周面、110…アッパーベアリング、111…第1前方側リリーフ体、112…第1後方側リリーフ体、120…ロアベアリング、121…第2前方側リリーフ体、122…第2後方側リリーフ体
200…第2仮想ベアリング、201…仮想内周面、202…仮想内周面、203…仮想内周面、204…仮想内周面、210…アッパーベアリング、211…第1前方側面取り体、212…第1後方側面取り体、220…ロアベアリング、221…第2前方側面取り体、222…第2後方側面取り体。

Claims (9)

  1. 回転軸を支持するすべり軸受であって、
    前記すべり軸受は、主軸受体、副軸受体、第1油路、第2油路、前方補助油路、後方補助油路、および切り上がり部を有し、前記回転軸の回転方向の前方側を回転方向前方側と規定し、前記回転軸の回転方向の後方側を回転方向後方側と規定し、
    前記主軸受体は、半円形状を有し、
    前記副軸受体は、半円形状を有し、
    前記第1油路は、外部の潤滑油を前記主軸受体と前記回転軸との間に流す構造を有する油路であって、前記主軸受体に形成され、前記主軸受体の内周側の面に前記第1油路の開口部である内周側開口部を有し、
    前記第2油路は、前記主軸受体と前記回転軸との間の潤滑油を周方向に流す構造を有する油路であって、前記主軸受体に形成され、前記内周側開口部と前記前方補助油路とを互いに接続し、
    前記前方補助油路は、前記第2油路の潤滑油を前記すべり軸受の軸方向から外部に送り出す構造を有する油路であって、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向前方側の部分に形成され、
    前記後方補助油路は、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向後方側の部分と前記回転軸との間の潤滑油を前記すべり軸受の軸方向から外部に送り出す構造を有する油路であって、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向後方側の部分に形成され、
    前記切り上がり部は、前記主軸受体において前記内周側開口部と前記後方補助油路との間に形成され、前記主軸受体において油路が形成されていない部分を構成する
    すべり軸受。
  2. 前記主軸受体は、前方側端部、前方側合わせ面、前方側面取り、および前方側クラッシュリリーフを有し、
    前記前方側端部は、前記主軸受体における前記回転方向前方側の端部を構成し、
    前記前方側合わせ面は、前記前方側端部に形成され、前記副軸受体の後方側端部と接触し、
    前記前方側面取りは、前記前方側合わせ面の一辺に形成され、
    前記前方側クラッシュリリーフは、前記前方側端部の内周面において前記前方側面取りに連続して形成され、
    前記前方補助油路は、前記前方側面取りおよび前記前方側クラッシュリリーフにより形成される
    請求項1に記載のすべり軸受。
  3. 前記主軸受体は、後方側端部、後方側合わせ面、後方側面取り、および後方側クラッシュリリーフを有し、
    前記後方側端部は、前記主軸受体における前記回転方向後方側の端部を構成し、
    前記後方側合わせ面は、前記後方側端部に形成され、前記副軸受体の前方側端部と接触し、
    前記後方側面取りは、前記後方側合わせ面の一辺に形成され、
    前記後方側クラッシュリリーフは、前記後方側端部の内周面において前記後方側面取りに連続して形成され、
    前記後方補助油路は、前記後方側面取りおよび前記後方側クラッシュリリーフにより形成される
    請求項1または2に記載のすべり軸受。
  4. 回転軸を支持するすべり軸受であって、
    前記すべり軸受は、主軸受体、副軸受体、第1油路、第2油路、副軸受補助油路、後方補助油路、および切り上がり部を有し、前記回転軸の回転方向の前方側を回転方向前方側と規定し、前記回転軸の回転方向の後方側を回転方向後方側と規定し、
    前記主軸受体は、半円形状を有し、
    前記副軸受体は、半円形状を有し、
    前記第1油路は、外部の潤滑油を前記主軸受体と前記回転軸との間に流す構造を有する油路であって、前記主軸受体に形成され、前記主軸受体の内周側の面に前記第1油路の開口部である内周側開口部を有し、
    前記第2油路は、前記主軸受体および前記副軸受体と前記回転軸との間の潤滑油を周方向に流す構造を有する油路であって、前記主軸受体および前記副軸受体に形成され、前記内周側開口部と前記副軸受補助油路とを互いに接続し、
    前記副軸受補助油路は、前記第2油路の潤滑油を前記すべり軸受の軸方向から外部に送り出す構造を有する油路であって、前記副軸受体に形成され、
    前記後方補助油路は、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向後方側の部分と前記回転軸との間の潤滑油を前記すべり軸受の軸方向から外部に送り出す構造を有する油路であって、前記主軸受体における前記内周側開口部よりも前記回転方向後方側の部分に形成され、
    前記切り上がり部は、前記主軸受体において前記内周側開口部と前記後方補助油路との間に形成され、前記主軸受体において油路が形成されていない部分を構成する
    すべり軸受。
  5. 前記第2油路は、前記内周側開口部と前記補助油路との間において深さが最も深い最大深さ部分を有し、
    前記第2油路の深さは、前記内周側開口部から前記最大深さ部分に向かうにつれて深くなり、前記最大深さ部分から前記前方補助油路に向かうにつれて浅くなる
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のすべり軸受。
  6. 前記第2油路は、油溝後方側端部から油溝前方側端部までにわたり形成され、
    前記油溝前方側端部は、前記内周側開口部よりも前記回転方向前方側に形成され、
    前記油溝後方側端部は、前記内周側開口部と前記切り上がり部との間に形成される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のすべり軸受。
  7. 前記第2油路の深さは、前記内周側開口部から前記油溝後方側端部に向かうにつれて浅くなる
    請求項6に記載のすべり軸受。
  8. トルク伝達装置であって、
    前記トルク伝達装置は、主軸および主軸用すべり軸受を有し、
    前記主軸用すべり軸受は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のすべり軸受により構成され、前記回転軸としての前記主軸を支持する
    トルク伝達装置。
  9. エンジンであって、
    前記エンジンは、クランクシャフトおよびクランクベアリングを有し、
    前記クランクベアリングは、請求項1〜7のいずれか一項に記載のすべり軸受により構成され、前記回転軸としての前記クランクシャフトを支持する
    エンジン。
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