JP5979909B2 - 内燃機関の主軸受 - Google Patents
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Description
しかしながら、クランク軸を軸受け支持する下メタル(特に、下メタルの長手方向における中央部)には、クランク軸、連接棒、ピストン等の重量が加わるとともに、これらクランク軸、連接棒、ピストン等を介して、シリンダ内の燃料による爆発ガス圧が加わる。そのため、下メタルに設けられたチャネル108に応力が集中することになり、異常燃焼等により爆発ガス圧が著しく高くなった場合には、下メタルが破損してしまうことがある。
本発明に係る内燃機関の主軸受は、台板の長手方向と直交して水平方向に延びる幅方向における中央部に、台板の長手方向に肉厚になるようにして設けられた台板サドルと、前記台板サドルの底部内周面に装着されて、クランク軸の軸受面の下半部を軸受け支持する主軸受下メタルと、前記台板サドルの底部上方を覆うようにして配置される主軸受キャップと、前記主軸受キャップの内周面に装着されて、前記軸受面の上半部を軸受け支持する主軸受上メタルとを備えた内燃機関の主軸受であって、前記主軸受キャップの内部に設けられて、前記主軸受キャップの一端部の側に位置する下端面の、幅方向における中央部と、前記主軸受上メタルに設けられた油溝と、を連通するように、前記主軸受キャップの高さ方向に沿って穿設された縦穴と、該縦穴に接続され、前記主軸受キャップ長手方向に沿って穿設された横穴とを備えた第1の油路と、前記台板サドルの内部に直線状に設けられて、前記主軸受キャップの一端部の側に位置する下端面と対向して前記主軸受キャップを支持する支持面の、幅方向における中央部と、前記台板サドルの表面または下端面と、を連通する第2の油路と、を備え、前記第2の油路の入口部に、前記第1の油路および前記第2の油路を介して、前記主軸受上メタルに設けられた油溝に潤滑油を供給する潤滑油枝管の一端部が接続されている。
これにより、潤滑油枝管の曲がりを極力少なくすることができ、潤滑油枝管の配管長を極力短くすることができて、潤滑油枝管内を流れる潤滑油の圧力損失を低減させることができる。
これにより、クランク軸と主軸受上メタルおよび主軸受下メタルとの間に適正な油膜を形成させることができ、潤滑不足による焼き付きを防止することができる。
図1に示すように、大型ディーゼルエンジン(クロスヘッド型ディーゼルエンジン:内燃機関)1は、大きく分けて3つの部分からなる。1つ目はシリンダライナ(図示せず)およびピストン(図示せず)等を収納するシリンダジャケット2、2つ目はピストンの爆発による力をクランク軸(図示せず)に伝導する連接棒(図示せず)等を収納する架構3、3つ目は得られた動力をプロペラ(図示せず)等に伝えるクランク軸4を収納する台板5である。これらの台板5、架構3、およびシリンダジャケット2は、順次積み重ねられ、シリンダジャケット2の上面から台板5までエンジン全体を鉛直方向に締結するタイボルト(図示せず)により締め付けられて組み立てられる。
また、主軸受下メタル7と主軸受上メタル8との合わせ面近傍に位置する主軸受下メタル7の両端部には、油溝23と連通するとともに、その深さが油溝23よりも浅くなるようにして形成された油溝24が、油溝23が延びる方向と直交する方向に沿うようにして設けられている。
一方、主軸受下メタル7と主軸受上メタル8との合わせ面近傍に位置する主軸受上メタル8の両端部には、油溝22と連通するとともに、その深さが油溝22よりも浅くなるようにして形成された油溝25が、油溝22が延びる方向と直交する方向に沿うようにして設けられている。
なお、油溝24と油溝25とは、幅方向の全体において連通しており、油溝24と油溝25とにより、油溜まりが形成されるようになっている。
潤滑油主管52は、台板5のポンプ側に位置する側方を、台板5の長手方向に沿って延びる配管であり、潤滑油主管52には、図示しない潤滑油供給源(例えば、船舶の機関室内に配置された潤滑油タンク)から潤滑油が所定の圧力をもって送られてくる(圧送されてくる)ようになっている。
なお、図1中の符号13は、オイルパン、図4中の符号26は、主軸受キャップボルト10が貫通する穴であり、図6中の符号45は、主軸受キャップ9のポンプ側に位置する一端面(下端面)9bと、台板サドル12のポンプ側に位置する支持面42との間に挟み込まれて主軸受キャップ9の高さを調整することができるシムである。
これにより、潤滑油枝管51の曲がりを極力少なくすることができ、潤滑油枝管51の配管長を極力短くすることができて、潤滑油枝管51内を流れる潤滑油の圧力損失を低減させることができる。
これにより、クランク軸4と主軸受上メタル8および主軸受下メタル7との間に適正な油膜を形成させることができ、潤滑不足による焼き付きを防止することができる。
例えば、図7に示すように、上述の油路41を、支持面42と台板5の下端面5aとを連通するように設けてもよい。
これにより、潤滑油枝管51の曲がりをさらに少なくすることができ、潤滑油枝管51の配管長をさらに短くすることができて、潤滑油枝管51内を流れる潤滑油の圧力損失をさらに低減させることができる。
4 クランク軸
5 台板
5a 下端面
6 主軸受
7 主軸受下メタル
8 主軸受上メタル
9 主軸受キャップ
9a 一端面(下端面)
12 台板サドル
12a 表面
22 油溝
31 (第1の)油路
41 (第2の)油路
42 支持面
45 シム
51 潤滑油枝管
Claims (5)
- 台板の長手方向と直交して水平方向に延びる幅方向における中央部に、台板の長手方向に肉厚になるようにして設けられた台板サドルと、
前記台板サドルの底部内周面に装着されて、クランク軸の軸受面の下半部を軸受け支持する主軸受下メタルと、
前記台板サドルの底部上方を覆うようにして配置される主軸受キャップと、
前記主軸受キャップの内周面に装着されて、前記軸受面の上半部を軸受け支持する主軸受上メタルとを備えた内燃機関の主軸受であって、
前記主軸受キャップの内部に設けられて、前記主軸受キャップの一端部の側に位置する下端面の、幅方向における中央部と、前記主軸受上メタルに設けられた油溝と、を連通するように、前記主軸受キャップの高さ方向に沿って穿設された縦穴と、該縦穴に接続され、前記主軸受キャップ長手方向に沿って穿設された横穴とを備えた第1の油路と、
前記台板サドルの内部に直線状に該台板サドルの高さ方向に沿って設けられて、前記主軸受キャップの一端部の側に位置する下端面と対向して前記主軸受キャップを支持する支持面の、幅方向における中央部と、前記台板サドルの表面または下端面と、を連通する第2の油路と、を備え、
前記第2の油路の入口部に、前記第1の油路および前記第2の油路を介して、前記主軸受上メタルに設けられた油溝に潤滑油を供給する潤滑油枝管の一端部が接続されていることを特徴とする内燃機関の主軸受。 - 前記主軸受キャップの一端部の側は、燃料を噴射する燃料ポンプが装着されたポンプ側であり、
前記ポンプ側は、機関運転状態で爆発ガス圧による荷重が大きくなる位置とされていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の主軸受。 - 前記主軸受キャップの一端部の側に位置する下端面と、この下端面と対向して前記主軸受キャップを支持する支持面との間に、前記第1の油路と前記第2の油路とを連通するシムが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の主軸受。
- 前記潤滑油枝管が、隣接して配置された前記クランク軸のクランクアームの側面が描く軌跡によって形成される平面内に入り込まないように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の主軸受。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の主軸受を具備してなることを特徴とする内燃機関。
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