JP6442226B2 - 浮動ブシュ軸受及び舶用排気タービン - Google Patents

浮動ブシュ軸受及び舶用排気タービン Download PDF

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Description

本発明は、高速回転する軸を支持する軸受として好適な浮動ブシュ軸受及びこれを用いた舶用排気タービンに関する。
近年、船舶の燃費を向上させるために、舶用主機からの排気ガスの一部でパワータービンを駆動し、得られた力で主機のクランク軸を加勢することが行われている(例えば、特許文献1、参照)。このようなパワータービンの軸受に浮動ブシュ軸受が用いられることがある。浮動ブシュ軸受は、一般に、内周面及び外周面に潤滑油による油膜が形成されたブシュを有し、ブシュの内周面側の油膜を介して軸を支持している。
浮動ブシュ軸受では、軸とブシュの間の油膜の挙動や軸心の揺れ等によって軸の回転が不安定となり、軸が振動する現象が生じることが知られている。特に、特許文献1に記載のようなパワータービンでは、軸の一方の端部は舶用主機等の動力負荷と接続されるが、他方の端部は動力負荷と接続されない。そのため、特許文献1に記載のようなパワータービンは一般的なタービンと比較して軸の振れ幅が大きい。そこで、パワータービンの軸受として軸の振動の抑制効果の高い浮動ブシュが要求される。
軸の振動抑制効果の高い軸受として、多円弧軸受と呼ばれる、軸との滑り部が複数個の円弧からなる軸受が知られている。例えば、特許文献2には、内周面を軸心と同心の中立円にサイン曲線を複数乗せた曲面形状としたブシュを備えた、浮動ブシュ軸受(セミフローティング軸受)が示されている。
また、軸の振動抑制効果の高い軸受として、圧力ダム軸受と呼ばれる、上部軸受の内面に油溜まりをもち、油溜まりに生じた圧力で軸を押さえる作用を持つ軸受が知られている。例えば、特許文献3には、軸との滑り面に、潤滑油の運動エネルギを圧力に変換して蓄えるダム部(油溜まり)が設けられた圧力ダム軸受が示されている。
特開2012-116234号公報 特開平11−336744号公報 特開平9−126277号公報
特許文献2に記載の多円弧軸受では、軸が高速で回転することにより軸とブシュとが同心となってもブシュ内周面のサイン曲線によるうねりにより強いくさび膜作用を持つ部分が形成され、ここで生じる動圧により軸の振動が抑制される。ところが、多円弧軸受はブシュ内周面の複雑な形状を加工するために高い技術を要することから加工費用が嵩むことが課題となる。
また、特許文献3に記載の圧力ダム軸受では、油溜まりで生じる圧力により軸が下方に押し下げられることにより当該軸の振動が抑制される。しかしながら、圧力ダム軸受では、高速回転においては油膜における発熱量が増大し、潤滑油の温度上昇による焼き付けや摩擦トルクの増大といった問題を引き起こすことが課題となる。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、先行技術の課題の一つ以上を少なくとも軽減することである。
本発明の一態様に係る浮動ブシュ軸受は、
軸受ハウジングと、
前記軸受ハウジングに回転不能に内装されると共に軸に外嵌されたブシュであって、前記ブシュを半径方向に貫く少なくとも1つの給油孔と、前記ブシュの上半分の内周面に形成された前記軸の回転方向に深さが浅くなる部分円周溝とを有するブシュと、
前記ブシュの内周面側と外周面側のそれぞれにおいて潤滑油により形成された油膜とを、備え
前記ブシュが、前記ブシュの内周面において、前記少なくとも1つの給油孔と重複し、且つ、前記部分円周溝の深さの浅い側の端部と重複する位置に設けられた、少なくとも1つの軸方向溝を有することを特徴としている。
また、本発明の一態様に係る舶用排気タービンは、
舶用エンジンと共に船舶に搭載される舶用排気タービンであって、
前記舶用エンジンから供給された排気ガスによって回転するタービン部と、
前記タービン部と一体的に回転する軸と、
前記軸を支承する前記浮動ブシュ軸受とを、備えることを特徴としている。
上記構成の浮動ブシュ軸受及び舶用排気タービンでは、ブシュの内周面に設けられた部分円周溝に潤滑油の油溜まりが形成され、この油溜まり部分に他の部分と比較して大きな油膜圧力が生じ、この油膜圧力で軸が下方へ押えつけられる。これにより、ブシュ内の軸の偏心率が大きくなって、軸の振動が抑制され、軸の回転の安定性を向上させることができる。また、ブシュの内周面に設けられた部分円周溝によって、特許文献3に記載されたような従来の圧力ダム軸受と比較して、ブシュ及び潤滑油の温度上昇を抑制することができる。しかも、部分円周溝は、多円弧軸受のブシュ内周面と比較して単純な形状であり、加工費用を抑えることができる。
上記浮動ブシュ軸受及び舶用排気タービンにおいて、前記部分円周溝が、前記ブシュの上半分の内周面のうち前記軸の回転方向上流側の四半円の領域に設けられていることが望ましい。この構成によれば、より少ない容積の部分円周溝によって効果的に軸の振動を抑制することができる。
上記浮動ブシュ軸受及び舶用排気タービンにおいて、前記ブシュが、前記少なくとも1つの軸方向溝を有するので、部分円周溝で温度上昇した潤滑油が速やかに軸方向溝へ導かれ、軸方向溝を通じてブシュの内周から排出される。
本発明に係る浮動ブシュ軸受及び舶用排気タービンでは、ブシュの内周面に設けられた部分円周溝の油膜圧力で軸が下方へ押えつけられることにより、軸の振動が抑制される。また、ブシュの内周面に設けられた部分円周溝によって、特許文献3に記載されたような従来の圧力ダム軸受と比較して、ブシュ及び潤滑油の温度上昇を抑制することができる。しかも、部分円周溝は、多円弧軸受のブシュ内周面と比較して単純な形状であり、加工費用を抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る舶用排気タービンを含む舶用エンジンシステムの概略構成を説明する図である。 浮動ブシュ軸受を軸方向から見た断面図である。 図2のIII−III線に沿ったブシュの断面図である。 凹部の変形例を示す図2のIII−III線に沿ったブシュの断面図である。 凹部の位置を説明する図である。 実施例1に係る浮動ブシュ軸受の各種寸法を説明する図である。 実施例1に係る浮動ブシュ軸受で支承した軸と比較例1に係る浮動ブシュ軸受で支承した軸との回転数と振幅の関係を示すグラフである。
次に、図面を参照して本発明の一態様を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る舶用排気タービン7を含む舶用エンジンシステム1の概略構成を説明する図である。図1に示された舶用エンジンシステム1は、図示されない船舶を航行させるためのいわゆる主機であって、船舶に搭載されている。舶用エンジンシステム1は、エンジン本体5と、過給機6と、排気タービン7とを概ね備えている。以下、舶用エンジンシステム1の各構成要素について順に説明する。
エンジン本体5(舶用エンジン)は、舶用エンジンシステム1の中心となる装置であって、本実施形態のエンジン本体5はいわゆる低速ディーゼルエンジンである。エンジン本体5は、先端にプロペラ16が取り付けられたプロペラ軸15を回転させるためのものであり、プロペラ16を船舶が前進する方向に推進力が発生するように正回転させたり船舶が後進する方向に推進力が発生するように逆回転させたりすることができる。プロペラ軸15はクランク軸51に連結されており、クランク軸51は複数のピストン52に連結されている。各ピストン52はシリンダ53内での燃料の爆発に伴って往復運動し、各ピストン52の往復運動によってクランク軸51が回転する。
また、エンジン本体5は、各シリンダ53の上流側に共通の掃気管55と、各シリンダ53の下流側に共通の排気管56を備えている。掃気管55は、過給機6で圧縮された空気を一旦溜めて各シリンダ53へ供給する。排気管56は、シリンダ53から排出された排気ガスを一端溜めて過給機6及び排気タービン7へ供給する。
過給機6は、外部から取り込んだ空気を圧縮してエンジン本体5に供給する装置である。過給機6は、タービン部61と、コンプレッサ部62とを有している。エンジン本体5の排気管56から排出された排気ガスは、タービン部61へ供給される。タービン部61は、供給された排気ガスのエネルギを利用して回転する。タービン部61を通過した排気ガスは煙道へと導かれる。コンプレッサ部62は、連結軸63を介してタービン部61と連結されている。そのため、タービン部61の回転に伴って、コンプレッサ部62も回転する。コンプレッサ部62は、外部から取り込んだ空気を圧縮し、掃気管55へ供給する。
排気タービン7は、排気ガスのエネルギを利用してエンジン本体5を助勢する装置(パワータービン)である。排気タービン7は、タービン部71と、可変ノズル72とを有している。排気タービン7にエンジン本体5から排気ガスが供給されると、タービン部71は供給された排気ガスのエネルギによって回転する。タービン部71と一体的に回転する軸3はエンジン本体5のクランク軸51に減速機12を介して連結されており、タービン部71の回転動力が減速機12を介してクランク軸51に伝達される。なお、排気ガスによって回転するときの排気タービン7の回転方向は一定であり、エンジン本体5が正回転する場合にのみエンジン本体5を助勢することができる。
可変ノズル72は、排気タービン7の入口側に設けられており、主に環状に配置された複数の可動ベーン(図示せず)によって構成されている。この可動ベーンの角度を変えることで、可変ノズル72の開口面積(開度)を調整することにより、タービン部61への排気ガスの流入速度を変化させることができる。また、可変ノズル72の開度を調整することで、過給機6に供給される排気ガスの量(エンジン本体5から排出される排気ガスの量に対する過給機6に供給される排気ガスの量の割合)を変化させることができる。
排気タービン7の軸3は、浮動ブシュ軸受2により支持されている。浮動ブシュ軸受2は、軸受ハウジング21と、軸受ハウジング21に回転不能に内装されると共に軸3に外嵌されたブシュ4と、ブシュ4の内周面42側と外周面41側のそれぞれにおいて潤滑油により形成された油膜とから概ね構成されている。ブシュ4の内周面42が、軸3との滑り面(摺動面)である。
軸受ハウジング21には、ブシュ4を内装するための円柱状の空間であるハウジングボア23と、ハウジングボア23へ潤滑油を供給するための油路22が形成されている。本実施形態に係る浮動ブシュ軸受2には、ハウジングボア23の減速機12側と排気タービン7側のそれぞれに一つずつのブシュ4が設けられている。以下、各ブシュ4の構造について詳細に説明する。但し、各ブシュ4は同じ構造であるので、ここではそのうち1つのブシュ4について説明する。
図2は浮動ブシュ軸受2を軸方向Lから見た断面図、図3は図2のIII−III線に沿ったブシュ4の断面図、図4は部分円周溝44の変形例を示す図2のIII−III線に沿ったブシュ4の断面図、図5は部分円周溝44の位置を説明する図である。図2及び図3に示すように、ブシュ4は、軸3の軸方向と平行に延びる厚肉円筒形状を有している。ブシュ4は、ブシュ4の外周面41とハウジングボア23の内周面との間に所定の間隙が生じるように軸受ハウジング21の内側に配置されるとともに、少なくとも1つ(本実施形態では3つ)の回転拘束ピン24によって軸受ハウジング21に対するブシュ4の回転が規制されている。つまり、浮動ブシュ軸受2は、いわゆるセミフローティングブシュ軸受である。
ブシュ4には、ブシュ4を半径方向に貫いて、ブシュ4の内周面42側と外周面41側とを連通させる、少なくとも1つの給油孔43が形成されている。本実施形態においては、ブシュ4の頂部を含む、ブシュ4を円周方向に3つに等分割する適宜位置の各々に給油孔43が設けられている。但し、給油孔43の位置は本実施形態に限定されない。
ブシュ4の外周面41側へ、軸受ハウジング21の油路22を通じて潤滑油が供給され、この潤滑油によりブシュ4の外周面41側に油膜が形成される。そして、ブシュ4の外周面41側の潤滑油は、ブシュ4の各給油孔43を通じてブシュ4の内周面42側へ供給され、この潤滑油によりブシュ4の内周面42側に油膜が形成される。このようにして、ブシュ4の内周面42及び外周面41に形成された油膜により軸3が支持されている。
ブシュ4の内周面42には、少なくとも1つの軸方向溝46(軸方向Lに延びる油溝)が形成されている。各軸方向溝46には給油孔43が開口している。各軸方向溝46の横断面形状は、三角形又は半円形であってよい。これらの軸方向溝46を通じて、ブシュ4の内周面42側の潤滑油が、ブシュ4の軸方向L両側へ導出される。
また、ブシュ4の上半分の内周面42には、軸3の回転方向(正回転方向)に深さが徐々に浅くなるテーパ状の部分円周溝44が形成されている。本実施形態に係る部分円周溝44は、ブシュ4の軸方向L全幅に亘って設けられた、いわゆる通し溝である。但し、図4に示すように、部分円周溝44が、ブシュ4の軸方向L両端に残された真円状のランド部48間に設けられた、いわゆる止まり溝であってもよい。
部分円周溝44は、より少ない容積で効果的に軸3の振動を抑制するために、ブシュ4の上半分の内周面42のうち軸3の回転方向上流側の四半円の領域に設けられることが望ましい。図5に示すように、ブシュ4を軸方向Lから見て、ブシュ4の軸心を原点0とし、原点0を通る水平線をX軸とし、原点0を通る垂線をY軸とし、軸3の回転方向を回転方向とした極座標系を仮定する。この極座標系において、部分円周溝44の始端P1はX軸上の0°から45°までの範囲(更に望ましくは、15°から30°までの範囲)にあり、部分円周溝44の終端P2は45°から90°までの範囲(更に望ましくは、70°から90°までの範囲)にある。つまり、r1をブシュ4の内周面42の半径とすると、部分円周溝44の始端P1の座標を(r1,θ1)と表し、部分円周溝44の終端P2の座標を(r1,θ2)と表すことができる。ここで、0°≦θ1≦45°(更に望ましくは、15°≦θ1≦30°)、45°≦θ2≦90°(更に望ましくは、70°≦θ2≦90°)、θ1<θ2である。また、上記極座標系において、部分円周溝44の深さが最大となる最深部P3の座標は(r2,θ3)と表すことができる。ここで、r1<r2であり、θ1≦θ3<θ2である。
部分円周溝44の終端P2(即ち、深さの浅い側の円周方向端部)は、ブシュ4の内周面42の頂部に形成された軸方向溝46と重複している、又は、近接していることが望ましい。ここで、「近接している」とは、ブシュ4を軸方向Lから見たときに、ブシュ4の軸心と部分円周溝44の終端P2を通る直線と、ブシュ4の軸心と軸方向溝46を通る直線との、2つの直線の成す角度が0°より大きく15°以下の範囲であることを言う。
部分円周溝44の円周方向範囲α(=θ2−θ1)は、大きければ油溜まりの容積が大きくなってより大きな油膜圧力が生じるが、そのぶん油溜まりの潤滑油の発熱量が増大する。そのため、部分円周溝44の円周方向範囲αの大きさは、後述する軸3を浮上させる力に対して適切に軸3を押えつけることのできる油膜圧力を生じさせる範囲でより小さいことが望ましい。このような、部分円周溝44の円周方向範囲αは、例えば、30°以上90°以下(30°≦α≦90°)である。
ここで、上記構成の浮動ブシュ軸受2の作用について説明する。軸3が高速回転すると、ブシュ4の内周面42側の油膜を形成している潤滑油の粘性により、軸3を浮上させようとする圧力が生じる。これに対し、ブシュ4の内周面42に形成された部分円周溝44が潤滑油の油溜まりとして機能し、この油溜まりに潤滑油の運動エネルギが圧力として蓄えられることにより、油溜まり部分の油膜圧力が他の部分よりも高くなる。この油溜まり部分の油膜圧力によって軸3が下方に押し下げられる。これにより、ブシュ4内の軸3の偏心率が大きくなって、軸3の振動が抑制され、軸3の回転の安定性を向上させることができる。
そして、上記構成の浮動ブシュ軸受2では、部分円周溝44の深さが始端P1から終端P2に向かって(即ち、軸3の回転方向に従って)徐々に浅くなっていることによって、部分円周溝44の深さが一定である場合と比較して、溝の開口面積に対する溝の容積を低減することができる。これにより、部分円周溝44に溜まった潤滑油による油膜の発熱量を低減することができる。
また、部分円周溝44の深さが始端P1から終端P2に向かって浅くなり、終端P2とランド(滑り面)又は軸方向溝46とが滑らかに連続していることによって、軸3の回転に伴って部分円周溝44に溜まっている潤滑油が部分円周溝44の終端P2から徐々に排出されるとともに、部分円周溝44の始端P1から新たに潤滑油が部分円周溝44内へ導入される。このように部分円周溝44で潤滑油が滞留しないので、部分円周溝44に溜まっている潤滑油の温度上昇を低減することができる。
更に、上記構成の浮動ブシュ軸受2では、部分円周溝44の終端P2が、ブシュ4の内周面42の頂部に形成された軸方向溝46と重複している、又は、近接しているので、部分円周溝44で温度上昇した潤滑油が速やかに軸方向溝46へ導かれ、軸方向溝46を通じてブシュ4の内周から排出される。このような潤滑油の流れによって部分円周溝44で発生した熱がブシュ4の外部へ放散されるので、ブシュ4内への潤滑油給油による冷却効果を高めることができる。
なお、上記構成の浮動ブシュ軸受2において、ブシュ4の部分円周溝44の形状は、多円弧軸受のブシュ内周面形状と比較して単純である。よって、ブシュ4に部分円周溝44を加工するための費用を、多円弧軸受のブシュ内周面形状を加工する場合と比較して抑えることができる。
[実施例]
本発明に係る浮動ブシュ軸受2の軸3の振動抑制効果を検証するために、次に説明する実験を行った。この実験では実施例1に係る浮動ブシュ軸受、比較例1に係る浮動ブシュ軸受、及び比較例2に係る浮動ブシュ軸受のそれぞれについて、浮動ブシュ軸受で軸3を支承し、軸3の回転数を変化させながら軸3の振幅を測定した。
図6は実施例1に係る浮動ブシュ軸受の各種寸法を説明する図である。図6に示すように、実施例1に係る浮動ブシュ軸受では、浮動ブシュ軸受2のハウジングボア23の直径Φ2を53mm、ブシュ4の外径Dを52.72mm、ブシュ4の内径d(部分円周溝44部分を除く)を36.2mm、軸3の直径Φ1を36mm、ブシュ4の軸方向Lの幅を0.7mm、軸方向溝46の深さを0.7mmとした。また、部分円周溝44の最大深さhを0.2mm、部分円周溝44の始端P1の偏角θ1を15°、部分円周溝44の終端P2の偏角θ2を75°、部分円周溝44の円周方向範囲αを60°とした。
比較例1に係る浮動ブシュ軸受は、ブシュ4の内周面42に部分円周溝44が無く、軸方向Lから見たブシュ4の内周面42が真円である点を除いて、実施例1に係る浮動ブシュ軸受と同じ形状である。また、比較例2に係る浮動ブシュ軸受は、ブシュ4の内周面42に軸方向溝46が無い点を除いて、実施例1に係る浮動ブシュ軸受と同じ形状である。
図7は実施例1に係る浮動ブシュ軸受で支承した軸3と比較例1に係る浮動ブシュ軸受で支承した軸3との回転数と振幅の関係を示すグラフである。図7のグラフにおいて、縦軸が軸3の振幅[μm]を表し、横軸が軸3の回転数[rpm]を表している。このグラフでは、軸3が高い回転数(25000〜50000rpm)のときに、比較例1に係る浮動ブシュ軸受で支承された軸3よりも、実施例1に係る浮動ブシュ軸受で支承された軸3の振幅が大きいことが示されている。この結果から、実施例1に係る浮動ブシュ軸受は、比較例1に係る浮動ブシュ軸受と比較して、軸3の高い回転数(25000〜50000rpm)において軸3の振動を抑制する効果が高いことがわかった。
また、上記実験において、軸3の回転数が35000rpm(周速66.0m/s)で軸受隙間が160μmにおけるブシュ4の3点平均温度を計測したところ、比較例1に係る浮動ブシュ軸受で79.6℃であったのに対し、実施例1に係る浮動ブシュ軸受では74.4℃と低下していた。この結果から、ブシュ4の軸3との滑り面に形成された部分円周溝44(油溜まり)により、ブシュ4及びその周囲の潤滑油の温度上昇が抑制されていることが分かった。
さらに、上記実験において、軸3の回転数が35000rpm(周速66.0m/s)で軸受隙間が200μmにおけるブシュ4の3点平均温度を計測したところ、比較例2に係る浮動ブシュ軸受で71.8℃であったのに対し、実施例1に係る浮動ブシュ軸受では67.3℃と低下していた。また、上記条件で、ブシュ4の部分円周溝44の温度を計測したところ、比較例2に係る浮動ブシュ軸受で82.6℃であったのに対し、実施例1に係る浮動ブシュ軸受では69.8℃と低下していた。この結果から、ブシュ4の内周面42に形成された軸方向溝46により、ブシュ4及びその周囲の潤滑油の温度上昇が抑制されていることが分かった。
1 舶用エンジンシステム
2 浮動ブシュ軸受
3 軸
4 ブシュ
5 エンジン本体(舶用エンジン)
6 過給機
7 排気タービン(舶用排気タービン)
71 タービン部
12 減速機
21 軸受ハウジング
22 油路
23 ハウジングボア
24 回転拘束ピン
41 外周面
42 内周面
43 給油孔
44 部分円周溝
46 軸方向溝
48 ランド部

Claims (3)

  1. 軸受ハウジングと、
    前記軸受ハウジングに回転不能に内装されると共に軸に外嵌されたブシュであって、前記ブシュを半径方向に貫く少なくとも1つの給油孔と、前記ブシュの上半分の内周面に形成された前記軸の回転方向に深さが浅くなる部分円周溝とを有するブシュと、
    前記ブシュの内周面側と外周面側のそれぞれにおいて潤滑油により形成された油膜とを、備え
    前記ブシュが、前記ブシュの内周面において、前記少なくとも1つの給油孔と重複し、且つ、前記部分円周溝の深さの浅い側の端部と重複する位置に設けられた、少なくとも1つの軸方向溝を有する、
    浮動ブシュ軸受。
  2. 前記部分円周溝が、前記ブシュの上半分の内周面のうち前記軸の回転方向上流側の四半円の領域に設けられている、請求項1に記載の浮動ブシュ軸受。
  3. 舶用エンジンと共に船舶に搭載される舶用排気タービンであって、
    前記舶用エンジンから供給された排気ガスによって回転するタービン部と、
    前記タービン部と一体的に回転する軸と、
    前記軸を支承する請求項1又は2に記載の浮動ブシュ軸受とを、
    備える舶用排気タービン。
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