JP2005133635A - ターボチャージャの軸受構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】スラスト軸受へ潤滑油を供給する際の確実性を向上させることのできるターボチャージャの軸受構造とすること。
【解決手段】セミフロートブッシュ20に、スラスト軸受31の部分にスラスト方向開口部49を有するスラスト用油路41を設け、さらに、ジャーナル用油路42及び油溝45を形成する。このスラスト用油路41とジャーナル用油路42とは、それぞれ油溝45に連通されている。ターボチャージャ1の作動時には、油溝45に潤滑油が供給され、さらに、スラスト用油路41及びジャーナル用油路42に伝えられる。スラスト用油路41に供給された潤滑油は、スラスト軸受31と、このスラスト軸受31と対面する回転側スラスト軸受部65との間に供給され、この間を潤滑する。この結果、スラスト軸受31への潤滑油の供給の確実性を向上させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ターボチャージャの軸受構造に関するものである。特に、この発明は、スラスト軸受部の潤滑をより確実なものとすることができるターボチャージャの軸受構造に関するものである。
従来のターボチャージャの軸受構造は、ターボチャージャが高回転で回転したり、過給圧力が高い状態で回転する場合でも円滑に回転するように、静止側と回転側との間に潤滑油を供給している。さらに、積極的にターボチャージャの回転を制御する場合には、独立したスラスト軸受部を設けて、潤滑油の油圧を制御している(例えば、特許文献1参照)。このスラスト軸受部では、静止側と回転側との接触面に径方向の油溝を設け、その部分に潤滑油を供給している。さらに、この油溝から軸方向に傾斜した面である傾斜面を設け、潤滑油を接触面に対してより供給し易くしている。前記油溝への潤滑油の供給は、静止側に設けられた給油通路より当該油溝の内方側に供給する。油溝の内方側の供給された潤滑油は、径方向に形成された当該油溝に沿って外方側に向かって油溝全体に供給される。このようにして油溝に潤滑油が供給されることにより、前記接触面全体に潤滑油は供給される。
また、ターボチャージャの回転時の騒音や振動を抑制するために、従来のターボチャージャの軸受構造では、ジャーナル軸受とスラスト軸受けとが一体に形成されたセミフロート軸受を使用しているものがある。これは軸受の固定を軸方向のみとし、周方向には固定せずに、軸受も回転可能としたものである(例えば、特許文献2参照)。このセミフロート軸受では、潤滑は当該セミフロート軸受の外周面から内面にかけて油路が形成されている。この油路に外周面側から潤滑油を供給し、内面と回転軸との間、つまり、ジャーナル軸受部を潤滑し、セミフロート軸受と回転軸との間からスラスト方向に排出される潤滑油によってスラスト軸受部を潤滑する。
特開平6−146910号公報 特開2002−332864号公報
しかしながら、上記のターボチャージャの軸受構造では、静止側と回転側との間に供給する潤滑油用の油溝が径方向に形成されているため、上記のように内方側から潤滑油を供給した場合、外方側から潤滑油が抜けてしまう虞がある。また、上記のように、接触面に傾斜面が形成されているため、接触面の潤滑油がこの傾斜面に逃げ易く、スラスト荷重が大きい場合に潤滑不足になる虞がある。
また、スラスト軸受とジャーナル軸受が一体のセミフロート軸受の場合には、ジャーナル軸受部に供給した潤滑油をスラスト軸受の潤滑油としても使用している。このため、スラスト軸受にスラスト荷重がかかる方向の力が回転軸に作用した場合、スラスト軸受の部分の潤滑油が回転軸に押されてしまい、ジャーナル軸受から見てスラスト軸受の反対方向に潤滑油が逃げてしまう虞がある。また、上記セミフロート軸受の場合には、上述したようにジャーナル軸受部に供給した潤滑油をスラスト軸受の潤滑油としても使用しているので、スラスト軸受部の油圧が低く、油量も十分ではない。このため、高回転時やスラスト荷重が大きい場合には、スラスト軸受部の潤滑不足になる虞がある。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スラスト軸受へ潤滑油を供給する際の確実性を向上させることのできるターボチャージャの軸受構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係るターボチャージャの軸受構造は、ハウジングと回転軸との間にセミフロートブッシュを有するターボチャージャの軸受構造において、前記セミフロートブッシュの内面と前記回転軸の外周面とで構成されるジャーナル軸受部と、前記セミフロートブッシュの両端面の少なくともいずれか一方の端面と前記回転軸に形成された段差部とで構成されるスラスト軸受部と、前記セミフロートブッシュ内に設けられ、前記ハウジングから前記セミフロートブッシュに供給された潤滑油を前記ジャーナル軸受部及び/又は前記スラスト軸受部に供給する潤滑油供給路と、が形成されており、前記潤滑油供給路のうち、前記セミフロートブッシュの端面に開口されている部分であるスラスト方向開口部は、前記スラスト軸受部にのみ開口されていることを特徴とする。
この発明では、ターボチャージャの軸受構造で使用する軸受として、ジャーナル軸受とスラスト軸受とが一体に形成されたセミフロートブッシュを使用している。このセミフロートブッシュと回転軸とにより、ジャーナル軸受部及びスラスト軸受部が構成される。さらに、前記セミフロートブッシュに、前記ジャーナル軸受部、又は前記スラスト軸受部に、潤滑油を供給する潤滑油供給路を形成する。または、前記ジャーナル軸受部、及び前記スラスト軸受部に潤滑油を供給する潤滑油供給路を形成する。この潤滑油供給路のうち、前記スラスト方向開口部は、前記スラスト軸受部にのみ開口されているので、スラスト軸受のみに直接潤滑油を供給することができる。この結果、スラスト軸受へ潤滑油を供給する際の確実性を向上させることができる。
また、この発明に係るターボチャージャの軸受構造は、前記セミフロートブッシュ内に設けられる潤滑油供給路は、前記セミフロートブッシュの前記内面から前記ジャーナル軸受部に、前記ハウジングから前記セミフロートブッシュに供給された潤滑油を供給し、且つ、前記内面に対向する前記回転軸の外周面に対してのみ開口されたジャーナル方向開口部を有するジャーナル方向供給路と、このジャーナル方向供給路から潤滑油を、前記スラスト方向開口部より前記スラスト軸受部に供給するスラスト用油路と、のみからなることを特徴とする。
この発明では、前記潤滑油供給路は、ジャーナル方向供給路とスラスト用油路とのみから形成されている。このジャーナル方向供給路の開口部であるジャーナル方向開口部は、セミフロートブッシュの内面に対向する前記回転軸の外周面に対してのみ開口している。即ち、これ以外の部分、例えばジャーナル軸受の側面等には、ジャーナル方向開口部は開口していない。このように、ジャーナル方向開口部は前記内面に対向する前記外周面に対してのみ開口して形成されているため、ジャーナル方向供給路に供給され、ジャーナル軸受部方向に向かう潤滑油は、ジャーナル軸受部にのみ供給される。また、スラスト軸受への潤滑油の供給は、前記ジャーナル方向供給路からスラスト用油路によって前記スラスト方向開口部より供給する。このように、スラスト方向開口部を有するスラスト用油路が形成されているため、前記ジャーナル方向供給路からの潤滑油を、直接スラスト軸受に供給することができる。
また、この発明に係るターボチャージャの軸受構造は、前記ジャーナル方向供給路は、前記セミフロートブッシュの外面に設けられた貯油部と、当該貯油部から前記ジャーナル方向開口部に連通しているジャーナル用油路と、から形成されており、前記貯油部には、前記ハウジングから潤滑油が供給され、前記スラスト用油路は、前記ジャーナル用油路と
独立して前記貯油部と前記スラスト方向開口部とを連通していることを特徴とする。
この発明では、ジャーナル方向供給路を、前記セミフロートブッシュの外面に設けられた貯油部と、この貯油部から前記ジャーナル方向開口部に連通しているジャーナル用油路とから形成し、前記スラスト用油路を、当該ジャーナル用油路と独立して前記貯油部に連通させている。前記貯油部には、前記ハウジングから潤滑油が供給されるので、スラスト用油路、または、ジャーナル用油路を介して、前記スラスト軸受部と前記ジャーナル軸受部とには、それぞれ独立して潤滑油が供給される。
また、この発明に係るターボチャージャの軸受構造は、前記ジャーナル方向供給路は、前記セミフロートブッシュの外面に設けられた貯油部と、当該貯油部から前記ジャーナル方向開口部に連通しているジャーナル用油路と、から形成されており、前記貯油部には、前記ハウジングから潤滑油が供給され、前記スラスト用油路は、前記セミフロートブッシュの内面に形成されており、且つ、前記スラスト方向開口部と前記ジャーナル方向開口部とを連通していることを特徴とする。
この発明では、前記スラスト用油路は、前記スラスト方向開口部と前記ジャーナル方向開口部とを連通して形成されている。これにより、前記スラスト用油路は、スラスト方向開口部とジャーナル方向開口部との間にのみ形成されている。また、前記ジャーナル用油路には、前記貯油部を経由して潤滑油が供給されるので、前記スラスト用油路には、このジャーナル用油路を介して潤滑油が供給され、セミフロートブッシュに供給された潤滑油が、前記端面に形成されたスラスト方向開口部からスラスト軸受部に供給される。さらに、このジャーナル用油路からの潤滑油は、上記のようにジャーナル軸受部にのみ供給され、スラスト方向開口部はジャーナル方向開口部と連通しているため、セミフロートブッシュに供給された潤滑油は、スラスト軸受部とジャーナル軸受部にのみ供給される。
また、この発明に係るターボチャージャの軸受構造は、前記ハウジングには前記セミフロートブッシュに潤滑油を供給する油供給部が形成されており、前記スラスト用油路は、少なくとも1つが、前記セミフロートブッシュの周方向の位置において前記油供給部と重なる位置に設けられていることを特徴とする。
この発明では、スラスト用油路が1つのみ形成されている場合には、そのスラスト用油路の周方向位置が、ハウジングの油供給部と重なる位置、即ち、当該スラスト用油路の径方向に前記油供給部が位置するような位置関係で、前記スラスト用油路と前記油供給部は形成されている。また、スラスト用油路が複数形成されている場合には、少なくとも1つのスラスト用油路の周方向の位置が、ハウジングの油供給部と重なる位置となるような位置関係で、前記スラスト用油路と前記油供給部は形成されている。このため、このような位置関係となるスラスト用油路には、前記貯油部を経由してスラスト用油路に供給される潤滑油が、短い距離の貯油部を伝わってスラスト用油路に供給されるので、より確実に潤滑油がスラスト用油路に供給される。
本発明にかかるターボチャージャの軸受構造は、スラスト軸受へ潤滑油を供給する際の確実性を向上させることができる、という効果を奏する。また、スラスト軸受へはスラスト方向開口部から潤滑油が供給され、ジャーナル軸受へはジャーナル方向開口部から潤滑油が供給されるので、スラスト軸受部及びジャーナル軸受部への潤滑油の供給の確実性が向上する。また、ジャーナル軸受部とスラスト軸受部とに、独立して潤滑油を供給するため、スラスト軸受部に安定して潤滑油を供給できる、という効果を奏する。また、セミフロートブッシュの内面にジャーナル用油路からスラスト用油路を形成しているので、容易に当該スラスト用油路を形成でき、上記のようなスラスト軸受への潤滑油の供給の確実性
が向上する、という効果を奏する。また、ジャーナル軸受部開口部はセミフロートブッシュの内面にのみ開口し、スラスト用油路は、スラスト方向開口部と前記ジャーナル方向開口部とが連通して形成しているので、潤滑油がスラスト軸受部及びジャーナル軸受部以外の部分に排出されることを抑制することができる、という効果を奏する。また、短い距離の貯油部を伝わって、より確実に潤滑油がスラスト用油路に供給されるので、スラスト軸受部への潤滑油の供給の確実性を向上させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかるターボチャージャの軸受構造の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明にかかるターボチャージャの軸受構造の実施例1を示す一部断面図である。同図に示すターボチャージャ1の軸受は、スラスト軸受31とジャーナル軸受32とが一体となって形成されたセミフロートブッシュ20が使用される。前記ターボチャージャ1は、ハウジング10の内側に設けられた前記セミフロートブッシュ20によって回転体60が回転可能に支持されている。この回転体60は、回転軸61の片方の端部にタービンのインペラ62、もう一方の端部にはブロワのインペラ(図示省略)を設けることによって形成されている。当該回転体60は、この回転軸61が前記セミフロートブッシュ20に支持されることによって支持されている。換言すると、前記セミフロートブッシュ20は、前記ハウジング10と前記回転軸61との間に設けられている。
前記ハウジング10には、前記セミフロートブッシュ20が設けられる部分において、前記セミフロートブッシュ20の軸方向の全長のほぼ中間付近に、ハウジング側固定孔18が形成されている。このハウジング側固定孔18は、前記ハウジング10に、前記回転体60の回転中心70と直交する方向に形成された孔によって形成されている。また、前記セミフロートブッシュ20には、軸方向の全長において、前記ハウジング10に対して前記ハウジング側固定孔18が設けられている位置とほぼ同じ位置に、固定孔48が設けられている。この固定孔48も前記ハウジング側固定孔18と同様、前記セミフトートブッシュ20に、前記回転中心70と直交する方向に形成された孔によって形成されている。当該セミフロートブッシュ20は、前記ハウジング10に挿入された後、移動制限ピン17を前記ハウジング10の周方向の外側方向から前記ハウジング側固定孔18と前記固定孔48とに連通することにより、セミフロートブッシュ20は、ハウジング10に固定される。
図2は、図1のA部詳細図である。前記セミフロートブッシュ20は、略円筒形の形状で形成されている。このセミフロートブッシュ20の内側の面は、一方の端面23からもう一方の端面23方向への所定の幅の部分が、前記回転軸61の径よりも若干大きい径で形成されている。この部分がジャーナル軸受32として形成されており、このジャーナル軸受32は当該セミフロートブッシュ20の両端側に形成されている。また、セミフロートブッシュ20の内側の面のうち、このジャーナル軸受32が形成されている部分は内面22として形成されている。このセミフロートブッシュ20の内面22間、或いはジャーナル軸受32間は逃げ部33となっており、この逃げ部33の径は、ジャーナル軸受32の内径よりも大きい径で形成されている。
前記セミフロートブッシュ20の端面23は、前記ジャーナル軸受32の内面22と直交する面、或いは、回転軸61の回転中心70と直交する面となっており、この端面23はスラスト軸受31として形成されている。つまり、スラスト軸受31は、セミフロート
ブッシュ20の端部として形成されている。当該セミフロートブッシュ20の端面23は、両端面23ともこのように前記回転中心70と直交する面で形成され、両端面23ともスラスト軸受31として形成されている。
このセミフロートブッシュ20にはジャーナル方向供給路が形成されており、このジャーナル方向供給路は、貯油部とジャーナル用油路42とから形成されている。当該セミフロートブッシュ20の外面21のうち、前記ジャーナル軸受32が形成されている部分の径方向の外側方向付近の外面21には、ジャーナル方向供給路の貯油部である油溝45が形成されている。この油溝45は、前記ジャーナル軸受32が形成されている部分の径方向の外側方向付近の外面21に、所定の幅で全周にかけて形成されている。また、この油溝45は、セミフロートブッシュ20の両側、或いは、両ジャーナル軸受32の径方向の外側方向に形成されているため、外面21の2ヶ所に形成されている。
図3は、図2のB−B断面図である。前記油溝45から前記ジャーナル軸受32にかけて、ジャーナル方向供給路のジャーナル用油路42が形成されている。このジャーナル用油路42は、前記油溝45の底部46からジャーナル軸受32の内面22にかけて貫通し、略径方向に形成された孔によって形成されている。このジャーナル用油路42は、前記セミフロートブッシュ20、或いはジャーナル軸受32の内面22に開口されたジャーナル方向開口部50を有している。つまり、ジャーナル用油路42は前記油溝45からジャーナル方向開口部50に連通している。このジャーナル方向開口部50は、前記内面22に対向する前記回転軸61の外周面67に対してのみ開口されている。また、このジャーナル用油路42は複数設けられており、当該セミフロートブッシュ20をスラスト軸受31方向から見た場合、複数のジャーナル用油路42の間隔は、周方向の角度がほぼ等間隔になる様に設けられている。また、このジャーナル用油路42は、2ヶ所ある油溝45及びジャーナル軸受32の両方の油溝45及びジャーナル軸受32に形成されている。
前記油溝45から前記スラスト軸受31にかけてスラスト用油路41が形成されている。このスラスト用油路41は、前記油溝45の壁面47から、スラスト軸受31であるセミフロートブッシュの端面23にかけて貫通し、略軸方向に形成された孔によって形成されている。このためスラスト用油路41は、スラスト軸受31、つまり、セミフロートブッシュ20の軸方向の端面23に直接開口されており、この部分はスラスト方向開口部49として形成している。なお、このスラスト用油路41は、前記油溝45の壁面47からだけでなく、底部46から、或いは、壁面47と底部46にかけた部分からセミフロートブッシュ20の端面23にかけて貫通した孔によって形成されていてもよい。このスラスト用油路41は複数設けられており、当該セミフロートブッシュ20をスラスト軸受31方向から見た場合、複数のスラスト用油路41の間隔は、周方向の角度がほぼ等間隔になる様に設けられている。また、このスラスト用油路41は、2ヶ所ある油溝45及びスラスト軸受31の両方の油溝45及びスラスト軸受31に形成されている。
これらのように、ジャーナル用油路42とスラスト用油路41とは、それぞれが独立して油溝45に連通している。なお、ジャーナル用油路42とスラスト用油路41とは、個数及び周方向の位置は同じでも、或いはそれぞれ異なっていてもよい。
前記ハウジング10には、前記セミフロートブッシュ20が挿入され、前記移動制限ピン17により、セミフロートブッシュ20はハウジング10に固定される。また、ハウジング10には、セミフロートブッシュ20に面する面がハウジング内面11として形成されている。このハウジング内面11は、前記セミフロートブッシュ20の外面21の径よりも若干大きい径で形成されている。また、このハウジング10には、油供給通路12、油供給孔13、及び油供給部となるハウジング側油溝14が形成されている。
このうち前記ハウジング側油溝14は、前記ハウジング内面11に開口する溝として形成されており、この開口している部分はハウジング側油溝開口部16となっている。このハウジング側油溝14は、ハウジング内面11から当該ハウジング側油溝14の底部15が円弧を形成するように、ハウジング内面11の径方向の外側方向に向けて形成されている。また、セミフロートブッシュ20をハウジング内面11に挿入し、前記移動制限ピン17で固定した場合の前記スラスト用油路41と前記ハウジング側油溝開口部16との位置関係は、前記複数のスラスト用油路41のうちの1つが、当該セミフロートブッシュ20の周方向の位置において、前記ハウジング側油溝開口部16と重なる位置となっている。換言すると、1つのスラスト用油路41の径方向にハウジング側油溝開口部16が位置するような位置関係で、前記スラスト用油路41とハウジング側油溝開口部16は形成されている。さらに、このハウジング側油溝14は2ヶ所に設けられており、当該ハウジング内面11に前記セミフロートブッシュ20を挿入した際に、前記油溝45の前記回転中心70の軸方向の位置と、当該ハウジング側油溝14の同方向の位置とが、重なる位置に形成されている。このように2ヶ所のハウジング側油溝14は、2ヶ所ともそれぞれいずれかの前記油溝45と、軸方向においてほぼ同じ位置に、或いは、軸方向の位置が部分的に同じ位置となる位置に形成されている。
前記油供給通路12は、当該ハウジング10の外部の給油管(図示省略)に接続されており、さらに、前記ハウジング側油溝14に近い位置にまで形成されている。また、前記油供給孔13は、前記油供給通路12と前記ハウジング側油溝14とを貫通する孔で形成されている。つまり、2ヶ所あるハウジング側油溝14のそれぞれに、この油供給孔13は形成されているので、この油供給孔13も2ヶ所に形成されている。なお、前記スラスト用油路41と前記ハウジング側油溝開口部16とは、周方向の位置において重なる位置関係となって形成されているが、スラスト用油路41は、さらに前記油供給孔13と周方向の位置において重なる位置関係となって形成されていることが好ましい。つまり、ハウジング10の径方向において、油供給孔13の内側方向にスラスト用油路41が形成されていることが好ましい。
前記回転体60は、上記のようにセミフロートブッシュ20のジャーナル軸受32よりも若干径が小さい部分である回転側ジャーナル軸受部66を有する回転軸61を有している。この回転軸61の一部である回転側ジャーナル軸受部66と、前記セミフロートブッシュ20の一部であるジャーナル軸受32とで、ジャーナル軸受部52は形成されている。さらに詳細には、セミフロートブッシュ20のジャーナル軸受32の内面22と、回転軸61の回転側ジャーナル軸受部66の外面とで、前記ジャーナル軸受部52は構成されている。
また、回転軸61には、前記セミフロートブッシュ20の軸方向の長さとほぼ同じ間隔を開けて形成された1組の段差部が対向した面を有しており、この対向している面は回転側スラスト軸受部65として形成されている。この回転軸61の一部である回転側スラスト軸受部65と、前記セミフロートブッシュ20の一部であるスラスト軸受31とで、スラスト軸受部51は形成されている。さらに詳細には、セミフロートブッシュ20の端面23であるスラスト軸受31と、回転軸61の段差部である回転側スラスト軸受部65とで、前記スラスト軸受部51は構成されている。また、この回転側スラスト軸受部65は、当該回転軸61の回転中心70と直交する面で形成されており、1組の回転側スラスト軸受部65の間には、前記回転側ジャーナル軸受部66が形成されている。即ち、回転軸61の回転側ジャーナル軸受部66の部分の両端に、前記セミフロートブッシュ20の端面23間の間隔よりも若干大きい間隔を開けて、1組の回転側スラスト軸受部65が対向して設けられている。このように、回転軸61には回転側スラスト軸受部65と回転側ジャーナル軸受部66とが形成されている。
これらのハウジング10、セミフロートブッシュ20及び回転体60が組立てられた際には、セミフロートブッシュ20が前記ハウジング内面11に、上記のようにハウジング側油溝14と油溝45とが軸方向において重なる位置になるように設けられる。さらに、前記回転側スラスト軸受部65と前記セミフロートブッシュ20の端面23とが面して接触する、或いは近接するように、当該回転側スラスト軸受部65間にセミフロートブッシュ20は設けられ、且つ、セミフロートブッシュ20の内面22に前記回転軸61が設けられる。このため、セミフロートブッシュ20のジャーナル軸受32と回転側ジャーナル軸受部66とは面しており、スラスト軸受31と同様に接触、或いは近接している。
この実施例1にかかるターボチャージャ1の軸受構造は以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。前記ターボチャージャ1が組み込まれているエンジン(図示省略)が運転をしている際には、当該ターボチャージャ1も作動する。このターボチャージャ1の作動は、エンジンが運転しているときに、エンジンからの排出ガスが当該ターボチャージャの前記タービンのインペラ62当たり、排出ガスがこのインペラを回転させることにより、前記回転体60が回転をする。回転体60が回転をすると、回転軸61の前記インペラ62が設けられている側の端部の反対側の端部に設けられている、前記ブロワのインペラも回転する。これにより、このブロワが空気を圧縮してエンジンに圧縮した空気を供給する。このようにターボチャージャ1が作動した際にはオイルポンプ(図示省略)から潤滑油が供給をされ、当該ターボチャージャ1の各部を潤滑する。
オイルポンプからの潤滑油は、まず前記ハウジング10に形成された油供給通路12に供給されることにより、当該ターボチャージャ1に供給される。この油供給通路12に供給された潤滑油は、油供給孔13、ハウジング側油溝14を通り、ハウジング側油溝開口部16から前記セミフロートブッシュ20に形成された油溝45に供給される。その際に、潤滑油はハウジング側油溝14の全体に伝わるため、ハウジング内面11の周方向において所定の範囲に開口しているハウジング側油溝開口部16の全体から、潤滑油は油溝45に供給される。
油溝45に供給された潤滑油は、当該油溝45に連通されるスラスト用油路41及びジャーナル用油路42に供給されると共に、油溝45の形成方向である周方向にも伝わり、油溝45全体に供給される。このように、潤滑油は油溝45全体に供給されるため、それぞれ複数形成されるスラスト用油路41及びジャーナル用油路42のほぼ全てに供給される。
前記油溝45から潤滑油が供給された前記スラスト用油路41は、セミフロートブッシュ20の端面23、即ち、スラスト軸受31にスラスト方向開口部49を形成しているため、このスラスト軸受31に直接潤滑油を供給する。このスラスト軸受31は、上記のように回転軸61の回転側スラスト軸受部65に互いに面して接触或いは近接しており、このスラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65との間に、前記スラスト用油路41のスラスト方向開口部49から潤滑油が供給される。つまり、スラスト用油路41は、スラスト軸受部51に潤滑油を供給している。また、スラスト用油路41は、複数がスラスト軸受31にほぼ等間隔でスラスト方向開口部49が開口されるように形成されているため、スラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65との間には、ほぼ均等に潤滑油が供給される。
また、回転軸61は、セミフロートブッシュ20に対して回転中心70を中心に回転するため、スラスト用油路41からスラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65との間に直接供給された潤滑油は、回転軸61の回転につられてスラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65との間を移動し、この間を満遍なく満たす。このようにスラスト軸受31に供給される潤滑油が、回転する回転軸61の回転側スラスト軸受部65とスラスト軸受3
1との間、つまり、スラスト軸受部51を潤滑する。さらに、スラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65とが接触する方向のスラスト荷重が回転軸61に働いた場合でも、スラスト軸受31が回転側スラスト軸受部65からのスラスト荷重を受けつつ、前記の潤滑油がスラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65との摩擦を軽減して、回転軸61の回転の抵抗を軽減して回転を維持させる。
前記油溝45から潤滑油が供給された前記ジャーナル用油路42の開口部であるジャーナル方向開口部50は、セミフロートブッシュ20の内面22のうちの、ジャーナル軸受32の部分に開口しているため、このジャーナル軸受32に直接潤滑油を供給する。このジャーナル軸受32は、上記のように回転軸61の回転側ジャーナル軸受部66に互いに面して接触或いは近接しており、このジャーナル軸受32と回転側ジャーナル軸受部66との間に、前記ジャーナル用油路42から潤滑油が供給される。つまり、ジャーナル用油路42は、ジャーナル軸受部52に潤滑油を供給している。また、ジャーナル方向開口部50は、ジャーナル軸受32にほぼ等間隔で開口されているため、ジャーナル軸受32と回転側ジャーナル軸受部66との間には、ほぼ均等に潤滑油が供給される。
このようにジャーナル軸受32に供給される潤滑油が、上記のように回転をする回転軸61の回転側ジャーナル軸受部66とジャーナル軸受32との間を潤滑する。さらに、ジャーナル軸受32の一部と回転側ジャーナル軸受部66とが接触する方向の力が、回転軸61に働いた場合でも、ジャーナル軸受32のその部分が回転側ジャーナル軸受部66からの力を受けつつ、前記の潤滑油がジャーナル軸受32と回転側ジャーナル軸受部66との摩擦を軽減して、回転軸61の回転の抵抗を軽減して回転を維持させる。
以上のターボチャージャ1の軸受構造は、スラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65への潤滑油の供給に、スラスト軸受31の部分にスラスト方向開口部49が形成されたスラスト用油路41を使用しているので、スラスト軸受部51のみに直接潤滑油を供給できる。この結果、スラスト軸受部51への潤滑油の供給の確実性を向上させることができる。また、スラスト軸受部51に、より確実に潤滑油を供給できるので、潤滑油の供給不足に起因するスラスト軸受部51の焼き付きを抑制することができる。
また、前記スラスト用油路41はジャーナル軸受32に潤滑油を供給するジャーナル用油路42と独立しているため、潤滑油はスラスト軸受31に独立して供給される。この結果、スラスト軸受31に安定して潤滑油を供給できる。
また、ハウジング側油溝開口部16の径方向の内側方向には、少なくとも1つのスラスト用油路41が形成されているので、潤滑油が伝わる油溝45の距離が短くなる。この結果、潤滑油がより確実にスラスト用油路41に供給できるので、スラスト軸受部51への潤滑油の供給の確実性をより向上させることができる。また、上記のようにハウジング側油溝開口部16の径方向の内側方向に、少なくとも1つのスラスト用油路41が形成されているため、油溝45の一部が不純物などによって閉塞された場合でも、ハウジング側油溝開口部16の径方向の内側方向に形成されているスラスト用油路41には潤滑油が供給できる。この結果、スラスト軸受31への潤滑油の供給の確実性が向上する。
また、スラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65との間の潤滑油の逃げ方向は径方向となるが、スラスト用油路41がスラスト軸受31に対して潤滑油を供給する方向は、ほぼ軸方向なので、潤滑油が逃げにくく、最小限の潤滑油の量で潤滑できる。この結果、潤滑油が不足することによるスラスト軸受31の潤滑不足を抑制し、軸受部の焼き付きを抑制することができる。また、最小限の潤滑油の量で潤滑ができるので、潤滑油のオイルポンプの仕事量が低減する。これにより、当該オイルポンプを作動させるエンジンのフリクションロスが低減し、エンジンの燃費が向上する。
また、独立したスラスト用油路41が、スラスト軸受31へのスラスト荷重の方向とほぼ同方向に形成されているため、スラスト軸受31に大きなスラスト荷重が作用した場合でも、潤滑油の油圧により、スラスト軸受31と回転側スラスト軸受部65との間に、潤滑油を確実に供給できる。この結果、スラスト荷重が大きい場合でも、より確実にスラスト軸受31に潤滑油を供給することができる。
図4は、本発明にかかるターボチャージャの軸受構造の実施例2を示す一部断面図である。図5は、図4のC−C断面図である。このターボチャージャ81のスラスト軸受85は、実施例1のターボチャージャ1のスラスト軸受31と略同様の構成であるが、スラスト用油路86が、ジャーナル用油路42からスラスト軸受85方向に向けて形成されている点に特徴がある。他の構成は実施例1と同様なので、その説明を省略するとともに、同一の符号を付す。このターボチャージャ81のスラスト軸受85は、実施例1のスラスト軸受31と同様に、ジャーナル軸受32と共にセミフロートブッシュ82の一部として形成されている。また、このセミフロートブッシュ82には、実施例1のセミフロートブッシュ20と同様、ジャーナル方向供給路を形成する油溝45及びジャーナル用油路42が形成されている。スラスト用油路86は、このセミフロートブッシュ82の内面83に、ジャーナル用油路42からスラスト軸受85方向にかけて形成されている。
詳細には、ジャーナル用油路42は実施例1のジャーナル用油路42と同様に、油溝45の底部46からジャーナル軸受32の内面83に向けて貫通した孔で形成されている。また、このジャーナル用油路42は、実施例1のジャーナル用油路42と同様に、前記内面83に、当該内面83に対向する前記回転軸61の外周面67に対してのみ開口されたジャーナル方向開口部50を有している。また、当該セミフロートブッシュ82には、内面83と端面84との角部に面取り87が形成されている。この面取り87は、セミフロートブッシュ82の端面84の一部として形成されており、この面取り87もスラスト軸受85の一部となっているので、スラスト軸受部51には、当該面取り87も含まれる。前記ジャーナル方向開口部50から、この面取り87に向けて、溝型の切欠きが形成されており、この切欠きがスラスト用油路86となる。これにより、スラスト用油路86は、セミフロートブッシュ82の端面84に開口しており、この部分はスラスト方向開口部88として形成している。つまり、スラスト用油路86は、前記スラスト方向開口部88と前記ジャーナル方向開口部50とを連通して形成している。なお、この切欠きの形状は溝型以外に、U字状などの形状でもよい。このように、スラスト用油路86は、ジャーナル用油路42から面取り87までの間にのみ形成された切欠き、つまり、ジャーナル用油路42からスラスト軸受85までの切欠きによって形成されている。このため、スラスト用油路86は、ジャーナル用油路42と形成されている数が同じで、周方向の位置も同じ位置に形成されている。なお、スラスト軸受85への潤滑油の供給が少量でよい場合には、スラスト用油路86は全てのジャーナル用油路42に対して形成する必要はない。
この実施例2にかかるターボチャージャ81の軸受構造は以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。前記のターボチャージャ81が作動した場合には、ジャーナル用油路42を経由してジャーナル軸受32、或いは、ジャーナル軸受部52に潤滑油が供給される。このジャーナル用油路42からは、上記のようにスラスト軸受85方向の面取り87に向けてスラスト用油路86が形成され、当該スラスト用油路86は、セミフロートブッシュ82の端面84、即ち、スラスト軸受85にスラスト方向開口部88を有している。このため、ジャーナル用油路42に供給された潤滑油は、このスラスト用油路86にも供給される。スラスト用油路86に供給された潤滑油は、当該スラスト用油路86を伝わって、スラスト方向開口部88から面取り87と回転軸61との間に供給される。即ち、スラスト用油路86は、スラスト軸受85、或いは、スラスト軸受部51に
潤滑油を供給する。この部分に供給された潤滑油は、さらに、面取り87の径方向の外側方向に形成されるセミフロートブッシュ82の端面84に伝わり、この部分に供給される。このようにしてスラスト軸受部51に供給された潤滑油は、回転軸61に形成される回転側スラスト軸受部65とスラスト軸受85の間に介在し、この部分を潤滑する。
以上のターボチャージャ81の軸受構造は、セミフロートブッシュ82の端面84付近にスラスト方向開口部88を有するスラスト用油路86によって、潤滑油をスラスト軸受85と回転側スラスト軸受部65との間に、つまり、スラスト軸受部51に供給している。この結果、スラスト軸受部51への潤滑油の供給の確実性を向上させることができる。また、スラスト軸受部51への潤滑油の供給の確実性が向上するので、潤滑油の供給不足に起因するスラスト軸受部51の焼き付きを抑制することができる。
また、セミフロートブッシュ82の内面83に、ジャーナル用油路42から面取り87までの切欠きを形成することによって、スラスト用油路86を形成している。これにより、容易にスラスト用油路86が形成できる。この結果、上記のように軸受部の焼き付きを抑制できるスラスト軸受85を容易に製造することができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、ジャーナル方向開口部50を上記に部分にのみ開口させることによって、スラスト軸受部51に供給された潤滑油が他の部分に排出されるのを抑制できる。例えば、ジャーナル方向開口部50が前記逃げ部33にも開口している場合には、当該逃げ部33と前記スラスト用油路86とが連通されることになるため、スラスト軸受部51にスラスト荷重が作用した際に、ジャーナル用油路42に供給された潤滑油が前記逃げ部33に排出される虞がある。この場合には、スラスト軸受部51が潤滑不足になる虞があるが、本実施例2のターボチャージャ81の軸受構造では、スラスト用油路86と連通して形成しているジャーナル用油路42は、前記内面83に、当該内面83に対向する前記回転軸61の外周面67に対してのみ開口しており、この部分がジャーナル方向開口部50として形成している。これにより、スラスト軸受部51に供給された潤滑油が他の部分に排出されるのを抑制できる。この結果、スラスト軸受部51への潤滑油の供給の確実性がさらに向上する。
なお、上記の実施例1及び実施例2のスラスト用油路は、セミフロートブッシュの両端側のスラスト軸受に、それぞれ設ける数を異ならせて形成してもよく、或いは、セミフロートブッシュの片側にのみ形成してもよい。それぞれのスラスト軸受に作用するスラスト荷重を考慮し、スラスト荷重が大きい側のスラスト軸受にスラスト用油路を多く形成する、或いは、スラスト荷重が大きい側のスラスト軸受にのみスラスト用油路を形成してもよい。例えば、ターボチャージャのタービンには、エンジンから高温高圧の排出ガスが当たるため、ブロワ側の空気の圧力よりもタービン側の排出ガスの圧力の方が高い。このため、回転体には、タービン側からブロワ側へ大きなスラスト荷重が作用し易い。その場合に、このスラスト荷重を受けるタービン側のスラスト軸受に、上記のようにスラスト用油路を多く形成する、或いは、タービン側のスラスト軸受にのみ、スラスト用油路を形成してもよい。この結果、潤滑量の消費量を抑え、また、オイルポンプの仕事量も低減させてエンジンの燃費の向上を図ることもできる。
また、スラスト側軸受の一部として用いられるセミフロートブッシュの端面は、両端面を使用してもいずれか一方の端面を使用してもよい。少なくとも、いずれか一方の端面が前記回転側スラスト軸受部と対向してスラスト軸受部を構成することにより、回転体に作用するスラスト荷重を受けことができる。例えば、スラスト荷重が軸方向の両方向に作用する場合には、セミフロートブッシュの両端面をスラスト軸受部に使用し、スラスト荷重が一方向にしか作用しない場合には、そのスラスト荷重を受けることができる一方の端面
のみを、スラスト軸受部に使用する。この結果、前記ターボチャージャの特性に合わせた実用的なスラスト軸受部とすることができる。
以上のように、本発明にかかるターボチャージャの軸受構造は、スラスト軸受とジャーナル軸受とが一体に形成されている場合に有用であり、特に、スラスト軸受への潤滑油の供給の確実性を向上させる場合に適している。
この発明に係るターボチャージャの軸受構造の実施例1を示す一部断面図である。 図1のA部詳細図である。 図2のB−B断面図である。 この発明に係るターボチャージャの軸受構造の実施例2を示す一部断面図である。 図4のC−C断面図である。
符号の説明
1 ターボチャージャ
10 ハウジング
11 ハウジング内面
12 油供給通路
13 油供給孔
14 ハウジング側油溝
15 底部
16 ハウジング側油溝開口部
20 セミフロートブッシュ
21 外面
22 内面
23 端面
31 スラスト軸受
32 ジャーナル軸受
33 逃げ部
41 スラスト用油路
42 ジャーナル用油路
45 油溝
46 底部
47 壁面
49 スラスト方向開口部
50 ジャーナル方向開口部
51 スラスト軸受部
52 ジャーナル軸受部
60 回転体
61 回転軸
62 インペラ
65 回転側スラスト軸受部
66 回転側ジャーナル軸受部
67 外周面
70 回転中心
81 ターボチャージャ
82 セミフロートブッシュ
83 内面
84 端面
85 スラスト軸受
86 スラスト用油路
87 面取り
88 スラスト方向開口部

Claims (5)

  1. ハウジングと回転軸との間にセミフロートブッシュを有するターボチャージャの軸受構造において、
    前記セミフロートブッシュの内面と前記回転軸の外周面とで構成されるジャーナル軸受部と、
    前記セミフロートブッシュの両端面の少なくともいずれか一方の端面と前記回転軸に形成された段差部とで構成されるスラスト軸受部と、
    前記セミフロートブッシュ内に設けられ、前記ハウジングから前記セミフロートブッシュに供給された潤滑油を前記ジャーナル軸受部及び/又は前記スラスト軸受部に供給する潤滑油供給路と、
    が形成されており、
    前記潤滑油供給路のうち、前記セミフロートブッシュの端面に開口されている部分であるスラスト方向開口部は、前記スラスト軸受部にのみ開口されていることを特徴とするターボチャージャの軸受構造。
  2. 前記セミフロートブッシュ内に設けられる潤滑油供給路は、前記セミフロートブッシュの前記内面から前記ジャーナル軸受部に、前記ハウジングから前記セミフロートブッシュに供給された潤滑油を供給し、且つ、前記内面に対向する前記回転軸の外周面に対してのみ開口されたジャーナル方向開口部を有するジャーナル方向供給路と、
    このジャーナル方向供給路から潤滑油を、前記スラスト方向開口部より前記スラスト軸受部に供給するスラスト用油路と、
    のみからなることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャの軸受構造。
  3. 前記ジャーナル方向供給路は、前記セミフロートブッシュの外面に設けられた貯油部と、
    当該貯油部から前記ジャーナル方向開口部に連通しているジャーナル用油路と、
    から形成されており、
    前記貯油部には、前記ハウジングから潤滑油が供給され、
    前記スラスト用油路は、前記ジャーナル用油路と独立して前記貯油部と前記スラスト方向開口部とを連通していることを特徴とする請求項2に記載のターボチャージャの軸受構造。
  4. 前記ジャーナル方向供給路は、前記セミフロートブッシュの外面に設けられた貯油部と、
    当該貯油部から前記ジャーナル方向開口部に連通しているジャーナル用油路と、
    から形成されており、
    前記貯油部には、前記ハウジングから潤滑油が供給され、
    前記スラスト用油路は、前記セミフロートブッシュの内面に形成されており、且つ、前記スラスト方向開口部と前記ジャーナル方向開口部とを連通していることを特徴とする請求項2に記載のターボチャージャの軸受構造。
  5. 前記ハウジングには前記セミフロートブッシュに潤滑油を供給する油供給部が形成されており、
    前記スラスト用油路は、少なくとも1つが、前記セミフロートブッシュの周方向の位置において前記油供給部と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のターボチャージャの軸受構造。
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