JP7182498B2 - 滑り軸受およびターボチャージャ - Google Patents
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Description
まず、本実施形態のターボチャージャの構成について説明する。なお、以降の図において、前後方向は本発明の「軸方向」に対応している。図1に、本実施形態のターボチャージャの軸方向断面図を示す。図2に、図1の枠II内の拡大図を示す。図3に、図2の枠III内の拡大図を示す。図4(A)に、図2のIVA-IVA方向断面図を示す。図4(B)に、図4(A)のIVB-IVB方向断面図を示す。図5に、図2のV-V方向断面図を示す。図6に、本実施形態の滑り軸受の軸方向断面図を示す。
次に、軸受配置部付近の構成について詳しく説明する。軸受配置部900には、スラストカラー53、滑り軸受2、回転軸50の一部が配置されている。回転軸50は、前側から後側に向かって、小径部500と、中径部501と、大径部502と、を備えている。中径部501は小径部500よりも大径である。小径部500と中径部501との間には、環状であって前向きの第1段差部503が配置されている。大径部502は中径部501よりも大径である。中径部501と大径部502との間には、環状であって前向きの第2段差部504が配置されている。スラストカラー53は、環状であって、小径部500に環装されている。スラストカラー53の後端面(径方向内側部分)は、第1段差部503に当接している。
滑り軸受2は、中径部501に環装されている。滑り軸受2は、第1段差部503(スラストカラー53)と、第2段差部504と、の間に配置されている。滑り軸受2は、軸受本体20と、前後一対のラジアル軸受部21F、21Rと、前後一対のスラスト軸受部22F、22Rと、前後一対の第1ダンパ部23F、23Rと、前後一対の第2ダンパ部24F、24Rと、前後一対の溝部25F、25Rと、前後一対の油孔群26F、26Rと、前後一対の油溝群27F、27Rと、外径側凹部28と、内径側凹部29と、第1油孔30と、前後一対の外径側油路31F、31Rと、前後一対の内径側油路32F、32Rと、を備えている。
軸受本体20は、軸受配置部900に配置されている。軸受本体20は、前後方向に延在している。軸受本体20は、軸心Aを中心とする円筒状を呈している。前後一対のラジアル軸受部21F、21Rは、軸受本体20の内周面の前後方向両端に配置されている。前後一対のラジアル軸受部21F、21Rは、各々、油膜を介して、中径部501に全周的(ただし、後述する油溝270F、270R部分を除く)に摺接している。
前後一対のスラスト軸受部22F、22Rは、軸受本体20の前後方向両端面(軸方向両端面)に配置されている。前側のスラスト軸受部22Fは、油膜fを介して、スラストカラー53の後端面(径方向外側部分)に全周的に摺接している。前側のスラスト軸受部22Fは、4つのパッド部Bを備えている。4つのパッド部Bは、周方向に連設されている。パッド部Bは、テーパ部Cと、ランド部Dと、を備えている。図4(A)、図4(B)、図5に、スラスト軸受部22Fにおける潤滑油Oの流動方向を矢印Yで示す。図4(B)においては、スラストカラー53を一点鎖線で示す。図4(B)に誇張して示すように、テーパ部Cは、上流側(回転軸50の回転方向後側)から下流側(回転軸50の回転方向前側)に向かって高度(詳しくは、前後方向の高度。以下同じ。)hが高くなる、平面状を呈している。ランド部Dは、テーパ部Cの下流側に連なっている。ランド部Dは、高度hが一定の平面状を呈している。
前後一対の第1ダンパ部23F、23Rは、軸受本体20の外周面に配置されている。前後一対の第1ダンパ部23F、23Rは、各々、油膜を介して、軸受配置部900に全周的に当接している。
前後一対の溝部25F、25Rは、軸受本体20の外周面に配置されている。前側の溝部25Fは、無端環状であって、第1ダンパ部23Fと第2ダンパ部24Fとの間に配置されている。後側の溝部25Rは、無端環状であって、第1ダンパ部23Rと第2ダンパ部24Rとの間に配置されている。溝部25F、25Rは、第1ダンパ部23F、23Rおよび第2ダンパ部24F、24Rよりも小径である。
前側の油孔群26Fは、4つの第2油孔260Fを備えている。4つの第2油孔260Fは、前側から見て、軸心Aを中心として90°ずつ離間して配置されている。第2油孔260Fの入口261Fは、溝部25Fの前側(軸方向外側)の溝側面に開口している。第2油孔260Fの出口262Fは、スラスト軸受部22Fのテーパ部Cの上流端かつ径方向内端に開口している。後側の油孔群26Rは、前側の油孔群26F同様に、4つの第2油孔260Rを備えている。第2油孔260Rの入口は、溝部25Rの後側(軸方向外側)の溝側面に開口している。第2油孔260Rの出口は、スラスト軸受部22Rのテーパ部Cの上流端かつ径方向内端に開口している。第2油孔260F、260Rは、本発明の「油孔」の概念に含まれる。
前側の油溝群27Fは、4つの油溝270Fを備えている。4つの油溝270Fは、前側から見て、軸心Aを中心として90°ずつ離間して配置されている。油溝270Fは前側のラジアル軸受部21Fを前後方向に貫通している。後側の油溝群27Rは、前側の油溝群27F同様に、4つの油溝270Rを備えている。4つの油溝270Rは、前側から見て、軸心Aを中心として90°ずつ離間して配置されている。油溝270Rは後側のラジアル軸受部21Rを前後方向に貫通している。
外径側凹部28は、軸受本体20の外周面に全周的に配置されている。外径側凹部28は、前後一対の第1ダンパ部23F、23R間に配置されている。外径側凹部28は、第1ダンパ部23F、23Rよりも小径である。外径側凹部28は、軸受配置部900に当接していない。すなわち、外径側凹部28と軸受配置部900との間には、隙間が区画されている。
前側の外径側油路31Fは、ハウジング側油路905の出口906と、前側のスラスト軸受部22Fと、の間に配置されている。外径側油路31Fは、外径側凹部28と、第1ダンパ部23Fと、溝部25Fと、第2油孔260Fと、第2ダンパ部24Fと、を備えている。後側の外径側油路31Rは、ハウジング側油路905の出口906と、後側のスラスト軸受部22Rと、の間に配置されている。後側の外径側油路31Rは、前側の外径側油路31Fと同様である。
前側の内径側油路32Fは、ハウジング側油路905の出口906と、前側のスラスト軸受部22Fと、の間に配置されている。内径側油路32Fは、外径側凹部28と、第1油孔30と、内径側凹部29と、油溝270F(ラジアル軸受部21F)と、を備えている。後側の内径側油路32Rは、ハウジング側油路905の出口906と、後側のスラスト軸受部22Rと、の間に配置されている。後側の内径側油路32Rは、前側の内径側油路32Fと同様である。
次に、本実施形態の滑り軸受における潤滑油の流れについて説明する。ターボチャージャ1の駆動時において、潤滑油Oは、ハウジング側油路905を経由して、外径側凹部28に流入する。潤滑油Oは、前後一対の外径側油路31F、31R、前後一対の内径側油路32F、32Rに分流する。
次に、本実施形態の滑り軸受およびターボチャージャの作用効果について説明する。以下、滑り軸受2の軸方向基準位置(第1油孔30の孔軸位置)に対して、前側部分の作用効果について説明するが、後側部分についても同様である。
以上、本発明の滑り軸受およびターボチャージャの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。以下、滑り軸受の軸方向基準位置(油孔の孔軸位置)に対して、前側部分の実施形態について説明するが、後側部分についても同様である。
Claims (5)
- 筒状の軸受本体と、
前記軸受本体の内周面に配置されるラジアル軸受部と、
前記軸受本体の軸方向端面に配置されるスラスト軸受部と、
前記軸受本体の外周面に配置される第1ダンパ部と、
前記軸受本体の外周面に配置され、前記第1ダンパ部の軸方向外側に配置される第2ダンパ部と、
前記第1ダンパ部と前記第2ダンパ部との間に配置され、前記第1ダンパ部および前記第2ダンパ部よりも小径の溝部と、
少なくとも一部が前記溝部に開口する入口を有し、前記スラスト軸受部に潤滑油を供給する油孔と、
前記軸受本体の外周面において前記第1ダンパ部の軸方向内側に配置され、前記第1ダンパ部よりも小径であって、外部から前記潤滑油が流入する外径側凹部と、
前記外径側凹部と前記スラスト軸受部とを連通する外径側油路と、
を備え、
前記外径側油路において、前記潤滑油は、前記外径側凹部から、前記第1ダンパ部を介して、前記溝部に流れ込み、前記溝部において、前記潤滑油は、前記油孔と前記第2ダンパ部とに分流し、前記油孔に流入した前記潤滑油は前記スラスト軸受部に供給される滑り軸受。 - 前記油孔は、前記入口よりも流路断面積が小さい絞り部を有する請求項1に記載の滑り軸受。
- 前記スラスト軸受部の周方向における、前記潤滑油の流動方向上流側を上流側、流動方向下流側を下流側として、
前記スラスト軸受部は、テーパ部と、前記テーパ部の下流側に連なるランド部と、前記テーパ部に凹設される凹部と、を有し、
前記油孔は、前記入口に連通し前記凹部に開口する出口を有し、
前記凹部は、前記出口に対して、下流側に偏在する請求項1または請求項2に記載の滑り軸受。 - 前記油孔は、第2油孔であり、
前記軸受本体の内周面において前記ラジアル軸受部の軸方向内側に配置され、前記ラジアル軸受部よりも大径の内径側凹部と、
前記軸受本体を径方向に貫通し、前記外径側凹部と前記内径側凹部とを連通する第1油孔と、
前記外径側凹部と前記スラスト軸受部とを連通する内径側油路と、
を備え、
前記内径側油路において、前記潤滑油は、前記外径側凹部から、前記第1油孔、前記内径側凹部を介して、前記ラジアル軸受部に供給され、前記ラジアル軸受部を通過した前記潤滑油は、前記スラスト軸受部に供給される請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の滑り軸受。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の滑り軸受を備えるターボチャージャ。
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