JP2010127318A - 回転軸の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸の潤滑構造において、潤滑油を浮動ブッシュに対して適正に供給することで潤滑性能の向上を図る。
【解決手段】回転軸15がこの回転軸15の軸方向に沿って並設された複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持され、ケーシング11に形成された給油通路30及び各分岐通路31,32から浮動ブッシュ13,14に給油可能に構成し、ケーシング11における複数の浮動ブッシュ13,14の間に各分岐通路31,32を連通すると共に、浮動ブッシュ13,14に径方向に貫通する給油孔34,35を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転軸が浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、給油通路から浮動ブッシュに対して潤滑油を供給可能とする回転軸の潤滑構造に関するものである。
図15は、従来の回転軸の潤滑構造を表す断面図である。従来の回転軸の潤滑構造において、図15に示すように、ケーシング001は、所定の位置に支持孔002が形成されており、この支持孔002に2つの浮動ブッシュ003,004を介して回転軸005が回転自在に支持されている。また、この回転軸005は、カラー006を介してケーシング001に固定されたスラスト軸受007に回転自在に嵌合しており、軸方向の移動が拘束されている。
また、ケーシング001には、浮動ブッシュ003,004、回転軸005、カラー006等に対して潤滑油を供給する給油通路010が形成され、この給油通路010は途中で分岐し、第1分岐通路011が一方の浮動ブッシュ003まで延出され、第2分岐通路012が他方の浮動ブッシュ004まで延出され、第3分岐通路013がカラー006まで延出されている。一方、各浮動ブッシュ003,004には、径方向に貫通する給油孔014,015が複数形成されている。
従って、回転軸005が回転すると、浮動ブッシュ003,004がケーシング001の支持孔002と回転軸005との間で連れ回りしながら、回転軸005を支持する。このとき、給油通路010に潤滑油が供給され、第1、第2分岐通路011,012から支持孔002の内周面と各浮動ブッシュ003,004の外周面との間に供給される。そして、ここに供給された潤滑油が各給油孔014,015を通して各浮動ブッシュ003,004の内周面と回転軸005の外周面との間に供給される。また、潤滑油は、第3分岐通路013からカラー006とスラスト軸受007との間に供給される。
なお、このような浮動ブッシュ軸受としては、例えば、下記特許文献1、2に記載されたものがある。
特開平08−219148号公報 特開昭58−142014号公報
ところで、上述した従来の回転軸の潤滑構造では、回転軸005が回転するとき、浮動ブッシュ003,004も連れ回りすることから、各給油孔014,015に遠心力が作用する。すると、第1、第2分岐通路011,012から各浮動ブッシュ003,004の外周面に供給された潤滑油が、各給油孔014,015を通して回転軸005の外周面側に供給されにくくなり、潤滑油不足が発生するおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、潤滑油を浮動ブッシュに対して適正に供給することで潤滑性能の向上を図る回転軸の潤滑構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の回転軸の潤滑構造は、回転軸が該回転軸の軸方向に沿って並設された複数の浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、前記ケーシングに形成された給油通路から前記浮動ブッシュに給油可能な回転軸の潤滑構造において、前記ケーシングにおける前記複数の浮動ブッシュの間に前記給油通路が連通すると共に、前記浮動ブッシュに径方向に貫通する給油孔が形成される、ことを特徴とするものである。
また、本発明の回転軸の潤滑構造では、前記浮動ブッシュは、位置決め部材により前記回転軸の軸方向に対して移動不能に位置決めされ、前記給油通路が前記位置決め部材の近傍に連通することを特徴としている。
また、本発明の回転軸の潤滑構造では、前記位置決め部材は、前記複数の浮動ブッシュの間で且つ前記ケーシングと前記回転軸との間に介装される円筒形状をなすスペーサであって、該スペーサに前記給油通路と前記浮動ブッシュとを連通するガイド通路が形成されることを特徴としている。
また、本発明の回転軸の潤滑構造では、前記ガイド通路は、前記回転軸の回転方向に沿った螺旋形状をなすことを特徴としている。
また、本発明の回転軸の潤滑構造では、前記位置決め部材は、前記複数の浮動ブッシュの間で且つ前記ケーシングと前記回転軸との間に介装される円筒形状をなすスペーサであって、該スペーサに前記給油通路が連通すると共に径方向に貫通する第1ガイド通路が形成される一方、前記スペーサの内周面に対向する回転軸の外周面に該回転軸の回転方向に沿った螺旋形状をなす第2ガイド通路が形成されることを特徴としている。
また、本発明の回転軸の潤滑構造では、前記浮動ブッシュは、前記給油通路が連通する側の端面に潤滑油を前記回転軸の外周面に導く傾斜面が形成されると共に、前記給油孔が内周面から前記給油通路が連通する側に傾斜して形成されることを特徴としている。
また、本発明の回転軸の潤滑構造では、前記回転軸は、前記浮動ブッシュにおける前記給油通路が連通しない側の端面に対向して回転体が接合され、該回転体に潤滑油をかき取って前記回転軸の外周面に導くかき取り溝が形成されることを特徴としている。
また、本発明の回転軸の潤滑構造では、前記位置決め部材は、前記浮動ブッシュの外周側に給油された潤滑油を前記浮動ブッシュの内周側に導くガイド面を有することを特徴としている。
更に、本発明の回転軸の潤滑構造は、回転軸が浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、前記ケーシングに形成された給油通路から前記浮動ブッシュに給油可能な回転軸の潤滑構造において、前記浮動ブッシュは、位置決め部材により前記回転軸の軸方向に対して移動不能に位置決めされ、前記給油通路が前記ケーシングにおける前記浮動ブッシュの外周側に連通すると共に、前記位置決め部材に前記浮動ブッシュの外周側に給油された潤滑油を前記浮動ブッシュの内周側に導くガイド面が形成され、また、前記浮動ブッシュに径方向に貫通する給油孔が形成される、ことを特徴とするものである。
また、本発明の回転軸の潤滑構造は、回転軸が浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、給油通路から前記浮動ブッシュに給油可能な回転軸の潤滑構造において、前記給油通路は、前記回転軸から前記浮動ブッシュの内周部に連通して設けられると共に、前記浮動ブッシュに径方向に貫通する給油孔が形成される、ことを特徴とするものである。
本発明の回転軸の潤滑構造によれば、回転軸が回転軸の軸方向に沿って並設された複数の浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、ケーシングに形成された給油通路から浮動ブッシュに給油可能に構成し、ケーシングにおける複数の浮動ブッシュの間に給油通路を連通すると共に、浮動ブッシュに径方向に貫通する給油孔を形成している。従って、潤滑油は、給油通路から複数の浮動ブッシュの間に供給され、ここから浮動ブッシュと回転軸の間に供給された後、遠心力により給油孔を通って浮動ブッシュとケーシングの間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュに対して適正に供給することで潤滑性能の向上を図ることができる。
また、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、浮動ブッシュを位置決め部材により回転軸の軸方向に対して移動不能に位置決めし、給油通路を位置決め部材の近傍に連通するので、潤滑油は、給油通路から浮動ブッシュにおける位置決め部材の近傍に供給されることで、潤滑油が浮動ブッシュと回転軸の間に供給されやすくなる。
また、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、位置決め部材を、複数の浮動ブッシュの間であってケーシングと回転軸との間に介装される円筒形状をなすスペーサとし、スペーサに給油通路と浮動ブッシュとを連通するガイド通路を形成するので、給油通路からスペーサに供給された潤滑油は、ガイド通路により浮動ブッシュの内周面に供給されることとなり、浮動ブッシュの潤滑性能を向上することができる。
また、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、ガイド通路を回転軸の回転方向に沿った螺旋形状とするので、給油通路から浮動ブッシュにおける位置決め部材の近傍に供給された潤滑油は、遠心力により螺旋形状のガイド通路を通って浮動ブッシュの内周面に供給されることとなり、浮動ブッシュの潤滑性能を向上することができる。
また、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、位置決め部材を、複数の浮動ブッシュの間であってケーシングと回転軸との間に介装される円筒形状をなすスペーサとし、スペーサに給油通路を連通すると共に径方向に貫通する第1ガイド通路を形成する一方、スペーサの内周面に対向する回転軸の外周面に回転軸の回転方向に沿った螺旋形状をなす第2ガイド通路を形成するので、給油通路からスペーサに供給された潤滑油は、第1ガイド通路によりスペーサの内周側に移動し、遠心力により螺旋形状の第2ガイド通路を通って浮動ブッシュの内周面に供給されることとなり、浮動ブッシュの潤滑性能を向上することができる。
また、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、浮動ブッシュにおける給油通路が連通する側の端面に潤滑油を回転軸の外周面に導く傾斜面を形成すると共に、給油孔を内周面から給油通路が連通する側に傾斜して形成するので、給油通路から複数の浮動ブッシュの間に供給された潤滑油は、浮動ブッシュの傾斜面により内周面側に移動し、給油孔により給油通路側に移動しやすくなり、潤滑油を循環させることで、浮動ブッシュの潤滑性能を向上することができる。
また、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、回転軸に浮動ブッシュにおける給油通路が連通しない側の端面に対向して回転体を接合し、回転体に潤滑油をかき取って回転軸の外周面に導くかき取り溝を形成するので、浮動ブッシュから排出される潤滑油は、かき取り溝によりかき取られて回転軸の外周面に導かれることとなり、回転軸と浮動ブッシュとの間に潤滑油を効率的に供給することができる。
また、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、位置決め部材に、浮動ブッシュの外周側に給油された潤滑油を浮動ブッシュの内周側に導くガイド面を設けるので、浮動ブッシュの外周側にある潤滑油を、位置決め部材のガイド面により浮動ブッシュの内周側に導くことができ、回転軸と浮動ブッシュとの間に潤滑油を効率的に供給することができる。
更に、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、回転軸が浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、ケーシングに形成された給油通路から浮動ブッシュに給油可能に構成し、浮動ブッシュを位置決め部材により回転軸の軸方向に対して移動不能に位置決めし、給油通路をケーシングにおける浮動ブッシュの外周側に連通すると共に、位置決め部材に浮動ブッシュの外周側に給油された潤滑油を浮動ブッシュの内周側に導くガイド面を形成し、また、浮動ブッシュに径方向に貫通する給油孔を形成している。従って、潤滑油は、給油通路から浮動ブッシュの外周側に供給され、ここから位置決め部材のガイド面により浮動ブッシュの内周側に導かれ、遠心力により給油孔を通って浮動ブッシュとケーシングの間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュに対して適正に供給することで潤滑性能の向上を図ることができる。
また、本発明の回転軸の潤滑構造によれば、回転軸が浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、給油通路から浮動ブッシュに給油可能に構成し、給油通路を、回転軸から浮動ブッシュの内周部に連通して設けている。従って、潤滑油は、給油通路から浮動ブッシュの内周部に供給され、ここから遠心力により給油孔を通って浮動ブッシュとケーシングの間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュに対して適正に供給することで潤滑性能の向上を図ることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る回転軸の潤滑構造の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、実施例1の回転軸の潤滑構造が適用された過給機を表す概略図である。
実施例1では、本発明の回転軸の潤滑構造をターボチャージャ(過給機)に適用して説明する。実施例1のターボチャージャにおいて、図3に示すように、ケーシング11は、内部における所定の位置に支持孔12が形成されており、この支持孔12に軸方向に対して所定間隔をあけて2つの浮動ブッシュ13,14が配設され、この浮動ブッシュ13,14を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この場合、ケーシング11の支持孔12の内周面と浮動ブッシュ13,14の外周面との間、浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間には、予め設定された微小隙間が確保されている。
この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11に固定されたスラスト軸受17に対して回転自在に嵌合している。また、回転軸15は、他端部にフランジ部18が一体に形成されている。一対の浮動ブッシュ13,14は、軸方向における一端部(ケーシング11の外部)側がカラー16とフランジ部18に当接し、一方方向側への移動が阻止されている。また、一対の浮動ブッシュ13,14は、軸方向における他端部(ケーシング11の内部)側、つまり、浮動ブッシュ13,14が対向する側が位置決め部材としての係止クリップ19,20に当接し、他方方向側への移動が阻止されている。この係止クリップ19,20は、ケーシング11の支持孔12における内周面に形成された係止溝21,22に挿入されている。
そして、回転軸15は、軸方向の一端部に、複数のコンプレッサブレードを有するコンプレッサホイール23が一体回転可能に固定される一方、軸方向の他端部に、複数のタービンブレードを有するタービンホイール24が一体回転可能に固定されている。この場合、コンプレッサホイール23は、図示しないエンジンの吸気通路に配設され、タービンホイール24は、図示しないエンジンの排気通路に配設されている。
従って、エンジンの燃焼室から排気通路に排出された排気ガスがタービンホイール24に至ると、この排気ガスによりタービンホイール24が回転し、この回転力が回転軸15を介してコンプレッサホイール23に伝達され、このコンプレッサホイール23が回転する。すると、吸気通路から吸入された空気が、回転するコンプレッサホイール23により圧縮され、吸気通路を通して燃焼室に過給することができる。
このように構成されたターボチャージャにて、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ13,14との間には、潤滑油が供給可能となっている。実施例1の回転軸の潤滑構造では、図1及び図2に示すように、回転軸15がこの回転軸15の軸方向に沿って並設された複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11に回転自在に支持され、このケーシング11に形成された給油通路30から各浮動ブッシュ13,14に給油可能となっている。
即ち、ケーシング11には、基端端部が潤滑油供給源(図示略)に連結された給油通路30が形成され、この給油通路30の先端部は、3つに分岐することで、第1分岐通路31と、第2分岐通路32と、第3分岐通路33が設けられている。この第1分岐通路31と第2分岐通路32は、先端部が2つの浮動ブッシュ13,14の間における支持孔12に連通し、第3分岐通路33は、先端部がケーシング11とスラスト軸受17との密着部分に連通している。
具体的に説明すると、ケーシング11の支持孔12における内周面には、所定の位置に係止溝21,22が形成されており、この係止溝21,22には係止クリップ19,20が挿入され、浮動ブッシュ13,14を位置決め保持している。そして、ケーシング11の支持孔12には、各係止溝21,22(係止クリップ19,20)の近傍に隣接して、浮動ブッシュ13,14とは軸方向の反対側に位置して、各分岐通路31,32が連通している。
また、各浮動ブッシュ13,14は、その径方向に貫通する給油孔34,35が形成されている。この場合、各浮動ブッシュ13,14には、それぞれ4本の給油孔34,35が形成されており、各給油孔34,35は、周方向に均等間隔で配置されている。
従って、回転軸15が回転すると、浮動ブッシュ13,14がケーシング11の支持孔12と回転軸15との間で連れ回りしながら、回転軸15を支持する。このとき、給油通路30に供給された潤滑油は、第1、第2分岐通路31,32から支持孔12における各浮動ブッシュ13,14との間に供給される。具体的には、潤滑油は、浮動ブッシュ13,14を位置決めする各係止クリップ19,20(各係止溝21,22)の近傍に供給される。
そのため、ここに供給された潤滑油は、各係止クリップ19,20及び各係止溝21,22を伝い、各浮動ブッシュ13,14の端面からこの各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔34,35を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。この場合、浮動ブッシュ13,14の遠心力により、この浮動ブッシュ13,14と回転軸15との間にある潤滑油が、外側に流れてここに負圧が発生する。そのため、浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に発生した負圧により、係止クリップ19,20の近傍に供給された潤滑油が、浮動ブッシュ13,14の端面からこの各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に吸引されることとなり、潤滑油を適正に供給することができる。
そして、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給された潤滑油は、両者の間を回転軸15の軸方向に流れ、一部が各係止クリップ19,20(各係止溝21,22)側に流れ、再び、各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。また、一部の潤滑油がカラー16やフランジ部18側に流れて摺動部に供給され、残りの潤滑油が外部に排出される。この場合、回転軸15は、その自重により各浮動ブッシュ13,14における下方の内周面に押し付けられ、また、各浮動ブッシュ13,14もその自重により支持孔12における下方の内周面に押し付けられることとなり、ここにある潤滑油が上方側に流れやすく、循環しやすくなる。
なお、給油通路30に供給された潤滑油は、第3分岐通路33からケーシング11とカラー16とスラスト軸受17との間に供給され、所定の摺動部が潤滑される。
このように実施例1の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15がこの回転軸15の軸方向に沿って並設された複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持され、ケーシング11に形成された給油通路30及び各分岐通路31,32から浮動ブッシュ13,14に給油可能に構成し、ケーシング11における複数の浮動ブッシュ13,14の間に各分岐通路31,32を連通すると共に、浮動ブッシュ13,14に径方向に貫通する給油孔34,35を形成している。
従って、潤滑油は、給油通路30から各分岐通路31,32を通って各浮動ブッシュ13,14の間に供給され、ここから浮動ブッシュ13,14と回転軸15との間に供給された後、遠心力により給油孔34,35を通って浮動ブッシュ13,14とケーシング11との間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュ13,14の外周面及び内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
また、実施例1の回転軸の潤滑構造では、浮動ブッシュ13,14を係止クリップ19,20により回転軸15の軸方向に対して移動不能に位置決めし、各分岐通路31,32を係止クリップ19,20の近傍に連通している。従って、潤滑油は、各分岐通路31,32から浮動ブッシュ13,14における各係止クリップ19,20(各係止溝21,22)の近傍に供給されることで、潤滑油が浮動ブッシュ13,14と回転軸15との間に供給されやすくなる。
図4は、本発明の実施例2に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図、図5は、図4のIV−IV断面図、図6は、実施例2の回転軸の潤滑構造の変形例を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の回転軸の潤滑構造において、図4及び図5に示すように、ケーシング11の支持孔12には、所定間隔をあけて配設された2つの浮動ブッシュ13,14を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11のスラスト軸受17に回転自在に嵌合し、他端部にフランジ部18が一体に形成され、ケーシング11に回転自在に支持されている。また、2つの浮動ブッシュ13,14の間であって、且つ、支持孔12と回転軸15との間に位置して、位置決め部材としての円筒形状をなすスペーサ41が介装されている。そのため、各浮動ブッシュ13,14は、カラー16及びフランジ部18と、スペーサ41により、軸方向への移動が阻止されている。
また、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ13,14との間には、潤滑油が供給可能となっている。即ち、ケーシング11には給油通路30が形成され、この給油通路30は、第1分岐通路31と第3分岐通路33に分岐している。第1分岐通路31は、先端部が2つの浮動ブッシュ13,14の間における支持孔12、つまり、スペーサ41に対向するように連通し、第3分岐通路33は、先端部がケーシング11とスラスト軸受17との密着部分に連通している。
具体的に説明すると、スペーサ41は、円筒形状をなし、固定ボルト42によりケーシング11に固定されている。このスペーサ41は、外周面が支持孔12の内周面との間に微小隙間が設定され、内周面が回転軸15の外周面との間に所定隙間が設定されている。そして、スペーサ41には、軸方向に貫通する第2ガイド通路44が形成されると共に、第1分岐通路31とこの第2ガイド通路44とを連通する第1ガイド通路43が形成されている。第2ガイド通路44は、スペーサ41の軸方向に貫通し、且つ、周方向における所定範囲(角度)にわたって、上部側に形成されている。本実施例では、第1ガイド通路43と第2ガイド通路44により本発明のガイド通路が構成される。
また、各浮動ブッシュ13,14は、その径方向に貫通する給油孔34,35が形成されている。
従って、給油通路30に供給された潤滑油は、第1分岐通路31から支持孔12における各浮動ブッシュ13,14との間に供給される。具体的には、潤滑油は、浮動ブッシュ13,14を位置決めするスペーサ41に供給される。
そのため、ここに供給された潤滑油は、スペーサ41の第1ガイド通路43から第2ガイド通路44に導入され、軸方向に流れて各浮動ブッシュ13,14の端面に至り、この各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔34,35を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。この場合、浮動ブッシュ13,14の遠心力により、この浮動ブッシュ13,14と回転軸15との間にある潤滑油が、外側に流れてここに負圧が発生する。そのため、浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に発生した負圧により、浮動ブッシュ13,14の端面にある潤滑油が、この各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に吸引されることとなり、潤滑油を適正に供給することができる。
そして、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給された潤滑油は、両者の間を回転軸15の軸方向に流れ、一部がスペーサ41側に流れ、再び、各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。また、一部の潤滑油がカラー16やフランジ部18側に流れて摺動部に供給され、残りの潤滑油が外部に排出される。
このように実施例2の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15を複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持し、ケーシング11に形成された給油通路30及び第1分岐通路31から浮動ブッシュ13,14の間に給油可能に構成し、複数の浮動ブッシュ13,14の間にスペーサ41を配設し、このスペーサ41に第1分岐通路31と浮動ブッシュ13,14とを連通するガイド通路43,44を形成している。
従って、潤滑油は、給油通路30から第1分岐通路31を通って各浮動ブッシュ13,14の間に供給され、ここからスペーサ41の各ガイド通路43,44を通って各浮動ブッシュ13,14と回転軸15との間に供給された後、遠心力により給油孔34,35を通って浮動ブッシュ13,14とケーシング11との間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュ13,14の外周面及び内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
なお、スペーサに形成するガイド通路は上述した形状に限定されるものではない。実施例2の変形例において、図6に示すように、本実施例のスペーサ46は、前述したスペーサ41と同様に円筒形状をなし、2つの浮動ブッシュ13,14の間に介装されて位置決め部材として機能する。
このスペーサ46は、外周面における所定範囲(角度)にわたって、上部側にガイド通路47が形成されている。このガイド通路47は、スペーサ46の軸方向に沿った溝として形成され、第1分岐通路31と対向して形成されると共に、端部が浮動ブッシュ13,14の端面と対向して形成されている。
従って、第1分岐通路31から支持孔12における各浮動ブッシュ13,14との間、つまり、スペーサ46の外周面に供給された潤滑油は、ガイド通路47に導入されてから軸方向に流れて各浮動ブッシュ13,14の端面に至り、この各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔34,35を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。
このように変形例では、スペーサ46の外周面に溝形状のガイド通路47を形成しており、加工性を向上することで、製造コストを低減することができる。
なお、上述した各実施例では、第2ガイド通路44、ガイド通路47を一つだけ形成したが、複数形成してもよく、この場合、互いに連通するように形成したり、第1分岐通路31に直接連通する必要がある。
図7は、本発明の実施例3に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の回転軸の潤滑構造において、図7に示すように、ケーシング11の支持孔12には、所定間隔をあけて配設された2つの浮動ブッシュ13,14を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11のスラスト軸受17に回転自在に嵌合し、他端部にフランジ部18が一体に形成され、ケーシング11に回転自在に支持されている。また、2つの浮動ブッシュ13,14の間であって、且つ、支持孔12と回転軸15との間に位置して、位置決め部材としての円筒形状をなすスペーサ51が介装されている。そのため、各浮動ブッシュ13,14は、カラー16及びフランジ部18と、スペーサ51により、軸方向への移動が阻止されている。
また、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ13,14との間には、潤滑油が供給可能となっている。即ち、ケーシング11には給油通路30が形成され、この給油通路30は、第1分岐通路31と第3分岐通路33に分岐している。第1分岐通路31は、先端部が2つの浮動ブッシュ13,14の間における支持孔12、つまり、スペーサ51に対向するように連通し、第3分岐通路33は、先端部がケーシング11とスラスト軸受17との密着部分に連通している。
具体的に説明すると、スペーサ51は、円筒形状をなし、固定ボルト52によりケーシング11に固定されている。このスペーサ51は、外周面が支持孔12の内周面との間に微小隙間が設定され、内周面が回転軸15の外周面との間に所定隙間が設定されている。そして、スペーサ51は、第1分岐通路31に対向する位置に径方向に貫通する第1ガイド通路53が形成されると共に、内周面に回転軸15の回転方向に沿った螺旋形状をなす第2ガイド通路54,55が形成されている。この場合、第2ガイド通路54,55は、螺旋溝であって、回転軸15が浮動ブッシュ13に向かって時計回り方向に回転するとき、第2ガイド通路54は、これと同様に、浮動ブッシュ13に向かう時計回り方向に沿った螺旋形状であり、第2ガイド通路55は、浮動ブッシュ14に向かう反時計回り方向に沿った螺旋形状である。本実施例では、第1ガイド通路53と第2ガイド通路54,55により本発明のガイド通路が構成される。
また、各浮動ブッシュ13,14は、その径方向に貫通する給油孔34,35が形成されている。
従って、給油通路30に供給された潤滑油は、第1分岐通路31から支持孔12における各浮動ブッシュ13,14との間に供給される。具体的には、潤滑油は、浮動ブッシュ13,14を位置決めするスペーサ51に供給される。
そのため、ここに供給された潤滑油は、スペーサ51の第1ガイド通路53からスペーサ51と回転軸15との隙間に導入される。すると、回転軸15の遠心力により潤滑油がスペーサ51における螺旋形状の各第2ガイド通路54,55により軸方向に流れて各浮動ブッシュ13,14の端面に至り、この各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔34,35を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。
そして、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給された潤滑油は、両者の間を回転軸15の軸方向に流れ、一部がスペーサ51側に流れ、再び、各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。また、一部の潤滑油がカラー16やフランジ部18側に流れて摺動部に供給され、残りの潤滑油が外部に排出される。
このように実施例3の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15を複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持し、ケーシング11に形成された給油通路30及び第1分岐通路31から浮動ブッシュ13,14の間に給油可能に構成し、複数の浮動ブッシュ13,14の間にスペーサ51を配設し、このスペーサ51に径方向に貫通する第1ガイド通路53を設けると共に、内周面に回転軸15の回転方向に沿った螺旋形状をなす第2ガイド通路54,55を形成している。
従って、潤滑油は、給油通路30から第1分岐通路31を通って各浮動ブッシュ13,14の間に供給され、ここからスペーサ51の第1ガイド通路53を通って内側に導入され、回転軸15の遠心力により各第2ガイド通路54,55を通って各浮動ブッシュ13,14と回転軸15との間に供給された後、遠心力により給油孔34,35を通って浮動ブッシュ13,14とケーシング11との間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュ13,14の外周面及び内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
図8は、本発明の実施例4に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の回転軸の潤滑構造において、図8に示すように、ケーシング11の支持孔12には、所定間隔をあけて配設された2つの浮動ブッシュ13,14を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11のスラスト軸受17に回転自在に嵌合し、他端部にフランジ部18が一体に形成され、ケーシング11に回転自在に支持されている。また、2つの浮動ブッシュ13,14の間であって、且つ、支持孔12と回転軸15との間に位置して、位置決め部材としての円筒形状をなすスペーサ61が介装されている。そのため、各浮動ブッシュ13,14は、カラー16及びフランジ部18と、スペーサ61により、軸方向への移動が阻止されている。
また、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ13,14との間には、潤滑油が供給可能となっている。即ち、ケーシング11には給油通路30が形成され、この給油通路30は、第1分岐通路31と第3分岐通路33に分岐している。第1分岐通路31は、先端部が2つの浮動ブッシュ13,14の間における支持孔12、つまり、スペーサ61に対向するように連通し、第3分岐通路33は、先端部がケーシング11とスラスト軸受17との密着部分に連通している。
具体的に説明すると、スペーサ61は、円筒形状をなし、固定ボルト62によりケーシング11に固定されている。このスペーサ61は、外周面が支持孔12の内周面との間に微小隙間が設定され、内周面が回転軸15の外周面との間に所定隙間が設定されている。そして、スペーサ61は、第1分岐通路31に対向する位置に径方向に貫通する第1ガイド通路63が形成されている。また、スペーサ61の内周面に対向する回転軸15の外周面に、この回転軸15の回転方向に沿った螺旋形状をなす第2ガイド通路64,65が形成されている。この場合、第2ガイド通路64,65は、螺旋溝であって、回転軸15が浮動ブッシュ13に向かって時計回り方向に回転するとき、第2ガイド通路64は、これと同様に、浮動ブッシュ13に向かう時計回り方向に沿った螺旋形状であり、第2ガイド通路65は、浮動ブッシュ14に向かう反時計回り方向に沿った螺旋形状である。本実施例では、第1ガイド通路63と第2ガイド通路64,65により本発明のガイド通路が構成される。
また、各浮動ブッシュ13,14は、その径方向に貫通する給油孔34,35が形成されている。
従って、給油通路30に供給された潤滑油は、第1分岐通路31から支持孔12における各浮動ブッシュ13,14との間に供給される。具体的には、潤滑油は、浮動ブッシュ13,14を位置決めするスペーサ61に供給される。
そのため、ここに供給された潤滑油は、スペーサ61の第1ガイド通路63からスペーサ61と回転軸15との隙間に導入される。すると、回転軸15の遠心力により潤滑油がこの回転軸15における螺旋形状の各第2ガイド通路64,65により軸方向に流れて各浮動ブッシュ13,14の端面に至り、この各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔34,35を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。
そして、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給された潤滑油は、両者の間を回転軸15の軸方向に流れ、一部がスペーサ61側に流れ、再び、各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。また、一部の潤滑油がカラー16やフランジ部18側に流れて摺動部に供給され、残りの潤滑油が外部に排出される。
このように実施例4の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15を複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持し、ケーシング11に形成された給油通路30及び第1分岐通路31から浮動ブッシュ13,14の間に給油可能に構成し、複数の浮動ブッシュ13,14の間にスペーサ61を配設し、このスペーサ61に径方向に貫通する第1ガイド通路63を設けると共に、回転軸15の外周面に回転軸15の回転方向に沿った螺旋形状をなす第2ガイド通路64,65を形成している。
従って、潤滑油は、給油通路30から第1分岐通路31を通って各浮動ブッシュ13,14の間に供給され、ここからスペーサ61の第1ガイド通路63を通って内側に導入され、回転軸15の遠心力により各第2ガイド通路64,65を通って各浮動ブッシュ13,14と回転軸15との間に供給された後、遠心力により給油孔34,35を通って浮動ブッシュ13,14とケーシング11との間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュ13,14の外周面及び内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
図9は、本発明の実施例5に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の回転軸の潤滑構造において、図9に示すように、ケーシング11の支持孔12には、所定間隔をあけて配設された2つの浮動ブッシュ71,72を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11のスラスト軸受17に回転自在に嵌合し、他端部にフランジ部18が一体に形成され、ケーシング11に回転自在に支持されている。また、浮動ブッシュ71,72は、位置決め部材としての係止クリップ19,20により位置決めされている。そのため、各浮動ブッシュ71,72は、カラー16及びフランジ部18と、係止クリップ19,20により、軸方向への移動が阻止されている。
また、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ71,72との間には、潤滑油が供給可能となっている。即ち、ケーシング11には給油通路30が形成され、この給油通路30は、第1分岐通路31と第2分岐通路32と第3分岐通路33に分岐している。第1分岐通路31と第2分岐通路32は、先端部が2つの浮動ブッシュ71,72の間における支持孔12、つまり、各係止クリップ19,20の近傍に連通し、第3分岐通路33は、先端部がケーシング11とスラスト軸受17との密着部分に連通している。
具体的に説明すると、ケーシング11の支持孔12における内周面には、所定の位置に係止溝21,22が形成されており、この係止溝21,22には係止クリップ19,20が挿入され、浮動ブッシュ71,72を位置決め保持している。そして、ケーシング11の支持孔12には、各係止溝21,22(係止クリップ19,20)の近傍に隣接して、浮動ブッシュ71,72とは軸方向の反対側に位置して、各分岐通路31,32が連通している。
また、各浮動ブッシュ71,72は、各分岐通路31,32が連通する側の端面に潤滑油を回転軸15の外周面に導く傾斜面73,74が形成されると共に、その径方向に連通する給油孔75,76が内周面から各分岐通路31,32が連通する側に傾斜して形成されている。各浮動ブッシュ71,72は、内周側(回転軸15側)が先細となるように一方の端面、つまり、分岐通路31,32側の端面に傾斜面73,74が形成されているが、他方の端面、つまり、カラー16及びフランジ部18側の端面は係方向に沿った鉛直面となっている。この場合、各浮動ブッシュ71,72には、それぞれ4本の給油孔75,76が形成されており、各給油孔75,76は、周方向に均等間隔で配置されている。
従って、給油通路30に供給された潤滑油は、第1、第2分岐通路31,32から支持孔12における各浮動ブッシュ71,72との間に供給される。具体的には、潤滑油は、浮動ブッシュ71,72を位置決めする各係止クリップ19,20(各係止溝21,22)の近傍に供給される。
そのため、ここに供給された潤滑油は、各係止クリップ19,20及び各係止溝21,22を伝い、各浮動ブッシュ71,72の傾斜面73,74からこの各浮動ブッシュ71,72の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ71,72の遠心力により各浮動ブッシュ71,72の各給油孔75,76を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ71,72の外周面との間に供給される。
そして、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ71,72の外周面との間に供給された潤滑油は、両者の間を回転軸15の軸方向に流れ、一部が各係止クリップ19,20(各係止溝21,22)側に流れ、再び、各浮動ブッシュ71,72の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。また、一部の潤滑油がカラー16やフランジ部18側に流れて摺動部に供給され、残りの潤滑油が外部に排出される。
このように実施例5の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15を複数の浮動ブッシュ71,72を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持し、ケーシング11に形成された給油通路30及び各分岐通路31,32から浮動ブッシュ71,72の間に給油可能に構成し、各浮動ブッシュ71,72に、各分岐通路31,32が連通する側の端面に潤滑油を回転軸15の外周面に導く傾斜面73,74を形成すると共に、その径方向に連通する給油孔75,76を内周面から各分岐通路31,32が連通する側に傾斜して形成している。
従って、潤滑油は、給油通路30から第1、第2分岐通路31,32を通って各浮動ブッシュ71,72の間に供給され、ここから傾斜面73,74によりこの各浮動ブッシュ71,72の内周面と回転軸15の外周面との間に供給された後、遠心力により各給油孔75,76を通って各浮動ブッシュ71,72とケーシング11との間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュ71,72の外周面及び内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
図10は、本発明の実施例6に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図、図11は、図10のXI−XI断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例6の回転軸の潤滑構造において、図10及び図11に示すように、ケーシング11の支持孔12には、所定間隔をあけて配設された2つの浮動ブッシュ13,14を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11のスラスト軸受17に回転自在に嵌合し、他端部にフランジ部18が一体に形成され、ケーシング11に回転自在に支持されている。また、浮動ブッシュ13,14は、係止クリップ19,20により位置決めされている。そのため、各浮動ブッシュ13,14は、カラー16及びフランジ部18と、係止クリップ19,20により、軸方向への移動が阻止されている。
また、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ13,14との間には、潤滑油が供給可能となっている。即ち、ケーシング11には給油通路30が形成され、この給油通路30は、第1分岐通路31と第2分岐通路32と第3分岐通路33に分岐している。第1分岐通路31と第2分岐通路32は、先端部が2つの浮動ブッシュ13,14の間における支持孔12、つまり、各係止クリップ19,20の近傍に連通し、第3分岐通路33は、先端部がケーシング11とスラスト軸受17との密着部分に連通している。
また、上述したように、回転軸15は、浮動ブッシュ13,14における各分岐通路31,32が連通しない側の端面に対向して回転体としてのカラー16及びフランジ部18が接合され、このカラー16及びフランジ部18における浮動ブッシュ13,14側の端面に、潤滑油をかき取って回転軸15の外周面に導くかき取り溝81,82が形成されている。このかき取り溝81,82は、回転軸芯側から径方向の外側に向かって大きく広がると共に、回転方向の前方に向かって螺旋形状をなしている。
従って、給油通路30に供給された潤滑油は、第1、第2分岐通路31,32から支持孔12における各浮動ブッシュ13,14との間に供給される。具体的には、潤滑油は、浮動ブッシュ13,14を位置決めする各係止クリップ19,20(各係止溝21,22)の近傍に供給される。
そのため、ここに供給された潤滑油は、各係止クリップ19,20及び各係止溝21,22を伝い、各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔35,36を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。
そして、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給された潤滑油は、両者の間を回転軸15の軸方向に流れ、一部がカラー16やフランジ部18側に流れる。このとき、回転軸15と共にカラー16及びフランジ部18が一体に回転することで、各かき取り溝81,82が浮動ブッシュ13,14の端面付近にある潤滑油をかき取り回転軸15の外周面側に導くこととなり、適正な潤滑油の循環が確保される。
このように実施例6の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15を複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持し、ケーシング11に形成された給油通路30及び各分岐通路31,32から浮動ブッシュ13,14の間に給油可能に構成し、回転軸15の端部にカラー16及びフランジ部18を接合し、このカラー16及びフランジ部18における浮動ブッシュ13,14側の端面に、潤滑油をかき取って回転軸15の外周面に導くかき取り溝81,82を形成している。
従って、潤滑油は、給油通路30から第1、第2分岐通路31,32を通って各浮動ブッシュ13,14の間に供給され、回転軸15に沿って移動して各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給された後、遠心力により各給油孔75,76を通って各浮動ブッシュ13,14とケーシング11との間に供給され、このとき、回転軸15と一体のカラー16及びフランジ部18が回転し、各かき取り溝81,82が浮動ブッシュ13,14の端面付近にある潤滑油をかき取り回転軸15の外周面側に導くこととなり、潤滑油を浮動ブッシュ13,14の外周面及び内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
図12は、本発明の実施例7に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例7の回転軸の潤滑構造において、図12に示すように、ケーシング11の支持孔12には、所定間隔をあけて配設された2つの浮動ブッシュ13,14を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11のスラスト軸受17に回転自在に嵌合し、他端部にフランジ部18が一体に形成され、ケーシング11に回転自在に支持されている。また、浮動ブッシュ13,14は、位置決め部材としての係止クリップ91,92により位置決めされている。そのため、各浮動ブッシュ13,14は、カラー16及びフランジ部18と、係止クリップ91,92により、軸方向への移動が阻止されている。
また、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ13,14との間には、潤滑油が供給可能となっている。即ち、ケーシング11には給油通路30が形成され、この給油通路30は、第1分岐通路31と第2分岐通路32と第3分岐通路33に分岐している。第1分岐通路31と第2分岐通路32は、先端部が各浮動ブッシュ13,14における外周面に対向する支持孔12の内周面に連通し、第3分岐通路33は、先端部がケーシング11とスラスト軸受17との密着部分に連通している。
具体的に説明すると、ケーシング11の支持孔12における内周面には、所定の位置に係止溝21,22が形成されており、この係止溝21,22には係止クリップ91,92が挿入され、浮動ブッシュ13,14を位置決め保持している。この係止クリップ91,92は、浮動ブッシュ13,14の外周側に給油された潤滑油をこの浮動ブッシュ13,14の内周側に導くガイド面93,94を有している。即ち、この係止クリップ91,92は、リング形状をなし、外周部が係止溝21,22に嵌合する一方、内周部が回転軸15の外周面に接近する位置まで延出されている。この場合、係止クリップ91,92は、内周面が浮動ブッシュ13,14の内周面よりも径方向外側に位置しており、例えば、浮動ブッシュ13,14と回転軸15との隙間が20μm程度に設定され、係止クリップ91,92と回転軸15との隙間が20μmより大きく3m程度までに設定されている。各係止クリップ91,92のガイド面93,94は、凹部となるように形成されている。
また、各浮動ブッシュ13,14は、内周側(回転軸15側)が先細となるように各端面に傾斜面13a,13b,14a,14bが形成されており、各係止クリップ91,92のガイド面93,94により導かれる潤滑油が各傾斜面13a,13b,14a,14bにより浮動ブッシュ13,14の内周側に流れやすくなっている。また、各浮動ブッシュ13,14には、径方向に貫通するそれぞれ4本の給油孔34,35が形成されている。
従って、給油通路30に供給された潤滑油は、第1、第2分岐通路31,32から支持孔12における各浮動ブッシュ13,14の外周面側に供給される。そのため、ここに供給された潤滑油は、浮動ブッシュ13,14の外周面側を軸方向に流れ、各係止クリップ91,92のガイド面93,94に導かれることで、各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔34,35を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。
そして、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給された潤滑油は、両者の間を回転軸15の軸方向に流れ、再び各係止クリップ91,92側に流れ、各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。
このように実施例7の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15を複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持し、ケーシング11に形成された給油通路30及び各分岐通路31,32から浮動ブッシュ13,14の外周面に給油可能に構成し、各浮動ブッシュ13,14を係止クリップ91,92により位置決めし、この係止クリップ91,92に、浮動ブッシュ13,14の外周側に給油された潤滑油をこの浮動ブッシュ13,14の内周側に導くガイド面93,94を設けている。
従って、潤滑油は、給油通路30から第1、第2分岐通路31,32を通って各浮動ブッシュ13,14の外周面に供給され、ここから軸方向に流れて係止クリップ91,92のガイド面93,94により各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給された後、遠心力により各給油孔34,35を通って各浮動ブッシュ13,14とケーシング11との間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュ13,14の外周面及び内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
図13は、本発明の実施例8に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例8の回転軸の潤滑構造において、図13に示すように、ケーシング11の支持孔12には、所定間隔をあけて配設された2つの浮動ブッシュ13,14を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11のスラスト軸受17に回転自在に嵌合し、他端部にフランジ部18が一体に形成され、ケーシング11に回転自在に支持されている。また、浮動ブッシュ13,14は、位置決め部材としての係止クリップ96,97,98,99により位置決めされ、軸方向への移動が阻止されている。
また、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ13,14との間には、潤滑油が供給可能となっている。即ち、ケーシング11には給油通路30が形成され、この給油通路30は、第1分岐通路31と第2分岐通路32と第3分岐通路33に分岐している。第1分岐通路31と第2分岐通路32は、先端部が各浮動ブッシュ13,14における外周面に対向する支持孔12の内周面に連通し、第3分岐通路33は、先端部がケーシング11とスラスト軸受17との密着部分に連通している。
具体的に説明すると、ケーシング11の支持孔12における内周面には、各浮動ブッシュ13,14における軸方向の両側に位置して係止クリップ96,97,98,99が係止され、浮動ブッシュ13,14を位置決め保持している。この係止クリップ96,97,98,99は、浮動ブッシュ13,14に対向する端面が、浮動ブッシュ13,14の外周側に給油された潤滑油をこの浮動ブッシュ13,14の内周側に導くガイド面として機能する。この場合、係止クリップ96,97,98,99は、内周面が浮動ブッシュ13,14の内周面よりも径方向外側に位置している。
なお、各浮動ブッシュ13,14は、内周側(回転軸15側)が先細となるように各端面に傾斜面13a,13b,14a,14bを形成し、係止クリップ96,97,98,99により導かれる潤滑油が各傾斜面13a,13b,14a,14bにより浮動ブッシュ13,14の内周側に流れやすくしている。この場合、浮動ブッシュ13,14に傾斜面13a,13b,14a,14bを形成しなくてもよい。
従って、給油通路30に供給された潤滑油は、第1、第2分岐通路31,32から支持孔12における各浮動ブッシュ13,14の外周面側に供給される。そのため、ここに供給された潤滑油は、浮動ブッシュ13,14の外周面側を軸方向に流れ、各係止クリップ96,97,98,99(ガイド面)に導かれることで、各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔34,35を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。
このように実施例8の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15を複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持し、ケーシング11に形成された給油通路30及び各分岐通路31,32から浮動ブッシュ13,14の外周面に給油可能に構成し、各浮動ブッシュ13,14を係止クリップ96,97,98,99により位置決めし、この係止クリップ96,97,98,99に、浮動ブッシュ13,14の外周側に給油された潤滑油をこの浮動ブッシュ13,14の内周側に導くガイド面を設けている。
従って、潤滑油は、給油通路30から第1、第2分岐通路31,32を通って各浮動ブッシュ13,14の外周面に供給され、ここから軸方向に流れて係止クリップ96,97,98,99により各浮動ブッシュ13,14の内周面と回転軸15の外周面との間に供給されることとなり、浮動ブッシュ13,14の外周面に供給されたほとんどの潤滑油を浮動ブッシュ13,14の内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
図14は、本発明の実施例9に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例9の回転軸の潤滑構造において、図14に示すように、ケーシング11の支持孔12には、所定間隔をあけて配設された2つの浮動ブッシュ13,14を介して回転軸15が回転自在に支持されている。この回転軸15は、一端部にカラー16が固結され、このカラー16がケーシング11のスラスト軸受17に回転自在に嵌合し、他端部にフランジ部18が一体に形成され、ケーシング11に回転自在に支持されている。また、浮動ブッシュ13,14は、位置決め部材としての係止クリップ19,20により位置決めされている。そのため、各浮動ブッシュ13,14は、カラー16及びフランジ部18と、係止クリップ19,20により、軸方向への移動が阻止されている。
また、ケーシング11と回転軸15と浮動ブッシュ13,14との間には、潤滑油が供給可能となっている。即ち、タービンホイール24から回転軸15にかけてその軸心位置に軸方向に沿って給油通路101が形成されている。そして、この給油通路101は、回転軸15を径方向に貫通する第1分岐通路102と第2分岐通路103に分岐している。第1分岐通路102は、先端部が浮動ブッシュ13における内周面に対向する回転軸15の外周面に連通し、第2分岐通路103は、先端部が浮動ブッシュ14における内周面に対向する回転軸15の外周面に連通している。
従って、給油通路101に供給された潤滑油は、第1、第2分岐通路102,103から回転軸15における各浮動ブッシュ13,14の内周面側に供給される。その後、潤滑油は、回転軸15及び浮動ブッシュ13,14の遠心力により各浮動ブッシュ13,14の各給油孔34,35を通って径方向における外側に流れ、支持孔12の内周面と各浮動ブッシュ13,14の外周面との間に供給される。
このように実施例9の回転軸の潤滑構造にあっては、回転軸15を複数の浮動ブッシュ13,14を介してケーシング11の支持孔12に回転自在に支持し、回転軸15に形成された給油通路101及び各分岐通路102,103から浮動ブッシュ13,14の内周面に給油可能に構成し、各浮動ブッシュ13,14に径方向に貫通する給油孔34,35を形成している。
従って、潤滑油は、給油通路101から第1、第2分岐通路102,103を通って各浮動ブッシュ13,14の内周面に供給され、遠心力により各給油孔34,35を通って各浮動ブッシュ13,14とケーシング11との間に供給されることとなり、潤滑油を浮動ブッシュ13,14の外周面及び内周面に対して適正に供給することができ、潤滑性能の向上を図ることができる。
なお、本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、各実施例を組み合わせるように構成してもよい。例えば、実施例1〜5のように、ケーシング11に形成された給油通路30及び各分岐通路31,32から浮動ブッシュ13,14の間に給油可能な構成にて、実施例7、8のように、係止クリップ91,92,96〜99を設けてもよい。
本発明に係る回転軸の潤滑構造は、回転軸をケーシングに支持する複数の浮動ブッシュの間に給油通路を連通することで、潤滑油を浮動ブッシュに対して適正に供給することで潤滑性能の向上を図るものであり、いずれの回転軸の潤滑構造にも適用することができる。
本発明の実施例1に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 図1のII−II断面図である。 実施例1の回転軸の潤滑構造が適用された過給機を表す概略図である。 本発明の実施例2に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 図4のIV−IV断面図である。 実施例2の回転軸の潤滑構造の変形例を表す断面図である。 本発明の実施例3に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 本発明の実施例4に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 本発明の実施例5に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 本発明の実施例6に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 図10のXI−XI断面図である。 本発明の実施例7に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 本発明の実施例8に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 本発明の実施例9に係る回転軸の潤滑構造を表す断面図である。 従来の回転軸の潤滑構造を表す断面図である。
符号の説明
11 ケーシング
12 支持孔
13,14,71,72 浮動ブッシュ
15 回転軸
16 ブッシュ(回転体)
18 フランジ部(回転体)
19,20,91,92,96,97,98,99 係止クリップ(位置決め部材)
30,101 給油通路
31,102 第1分岐通路(給油通路)
32,103 第2分岐通路(給油通路)
33 第3分岐通路(給油通路)
34,35,75,76 給油孔
41,51,61 スペーサ
43,53,63 第1ガイド通路
44,54,55,64,65 第2ガイド通路
13a,13b,14a,14b,73,74 傾斜面
81,82 かき取り溝
93,94 ガイド面

Claims (10)

  1. 回転軸が該回転軸の軸方向に沿って並設された複数の浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、前記ケーシングに形成された給油通路から前記浮動ブッシュに給油可能な回転軸の潤滑構造において、
    前記ケーシングにおける前記複数の浮動ブッシュの間に前記給油通路が連通すると共に、前記浮動ブッシュに径方向に貫通する給油孔が形成される、
    ことを特徴とする回転軸の潤滑構造。
  2. 前記浮動ブッシュは、位置決め部材により前記回転軸の軸方向に対して移動不能に位置決めされ、前記給油通路が前記位置決め部材の近傍に連通することを特徴とする請求項1に記載の回転軸の潤滑構造。
  3. 前記位置決め部材は、前記複数の浮動ブッシュの間で且つ前記ケーシングと前記回転軸との間に介装される円筒形状をなすスペーサであって、該スペーサに前記給油通路と前記浮動ブッシュとを連通するガイド通路が形成されることを特徴とする請求項2に記載の回転軸の潤滑構造。
  4. 前記ガイド通路は、前記回転軸の回転方向に沿った螺旋形状をなすことを特徴とする請求項3に記載の回転軸の潤滑構造。
  5. 前記位置決め部材は、前記複数の浮動ブッシュの間で且つ前記ケーシングと前記回転軸との間に介装される円筒形状をなすスペーサであって、該スペーサに前記給油通路が連通すると共に径方向に貫通する第1ガイド通路が形成される一方、前記スペーサの内周面に対向する回転軸の外周面に該回転軸の回転方向に沿った螺旋形状をなす第2ガイド通路が形成されることを特徴とする請求項2に記載の回転軸の潤滑構造。
  6. 前記浮動ブッシュは、前記給油通路が連通する側の端面に潤滑油を前記回転軸の外周面に導く傾斜面が形成されると共に、前記給油孔が内周面から前記給油通路が連通する側に傾斜して形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の回転軸の潤滑構造。
  7. 前記回転軸は、前記浮動ブッシュにおける前記給油通路が連通しない側の端面に対向して回転体が接合され、該回転体に潤滑油をかき取って前記回転軸の外周面に導くかき取り溝が形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の回転軸の潤滑構造。
  8. 前記位置決め部材は、前記浮動ブッシュの外周側に給油された潤滑油を前記浮動ブッシュの内周側に導くガイド面を有することを特徴とする請求項2に記載の回転軸の潤滑構造。
  9. 回転軸が浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、前記ケーシングに形成された給油通路から前記浮動ブッシュに給油可能な回転軸の潤滑構造において、
    前記浮動ブッシュは、位置決め部材により前記回転軸の軸方向に対して移動不能に位置決めされ、
    前記給油通路が前記ケーシングにおける前記浮動ブッシュの外周側に連通すると共に、前記位置決め部材に前記浮動ブッシュの外周側に給油された潤滑油を前記浮動ブッシュの内周側に導くガイド面が形成され、また、前記浮動ブッシュに径方向に貫通する給油孔が形成される、
    ことを特徴とする回転軸の潤滑構造。
  10. 回転軸が浮動ブッシュを介してケーシングに回転自在に支持され、給油通路から前記浮動ブッシュに給油可能な回転軸の潤滑構造において、
    前記給油通路は、前記回転軸から前記浮動ブッシュの内周部に連通して設けられると共に、前記浮動ブッシュに径方向に貫通する給油孔が形成される、
    ことを特徴とする回転軸の潤滑構造。
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