JP4432553B2 - シリンダブロック - Google Patents
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Description
(1)請求項1に記載の発明は、複数のシリンダをなすシリンダ壁部とこの壁部の周囲を取り囲む外壁部を含めて構成される鋳物としてのブロック本体と、材質及び形状の少なくとも一方についての機械的強度として同ブロック本体よりも高いものを有する中空状のインサート部材とを備え、このインサート部材が前記ブロック本体に鋳込まれるとともに前記ブロック本体のシリンダ壁部及び外壁部が同一の材料により一体成形されるシリンダブロックであって、前記ブロック本体は、当該ブロック本体にシリンダヘッドを締結するヘッドボルトのためのねじ穴が設けられるものであり、且つ前記シリンダ壁部において隣り合うシリンダ間の壁部をボア間壁部としたとき、前記外壁部のうちシリンダ配列方向と直交する方向において同ボア間壁部を介して互いに対向する一対の前記ねじ穴が設けられるものであり、前記インサート部材は、前記ねじ穴の先端付近においてシリンダ配列方向に沿う態様で設けられ、且つシリンダ配列方向と直交して前記ボア間壁部を通過する一の断面上においてシリンダ軸方向の前記ねじ穴の下方近傍に設けられるものであり、且つ前記一の断面上において前記ねじ穴の先端との間に空間を介することなく前記ブロック本体に鋳込まれるものであり、且つクランクシャフトに潤滑油を供給するメインオイルホールを当該インサート部材の内部にある空間により形成するものであることを要旨としている。
また、上記発明では、インサート部材の内部空間が液体通路(メインオイルホール)としても機能し、液体がこのインサート部材内を流れる。このインサート部材には、通常、鋳造に特有の欠陥である鋳巣等は存在しない。このため、液体がインサート部材からリークして鋳巣等の鋳造欠陥にしみ込む不具合が抑制される。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、前記インサート部材は直線状をなすものであることを要旨としている。
上記の構成によれば、直線状をなし、シリンダブロック本体よりも高い機械的強度を有する部材がインサート部材として同シリンダブロック本体に鋳込まれる。直線状という形状は一般的であり、こうした形状をなす規格部品も多い。ここで、規格部品とは、部品メーカーが仕様を規定(決定)し汎用部品として広く世間に販売している部品である。この規格部品によれば、特別な成形を施すことなくそのままインサート部材として使用することが可能となり、インサート部材ひいてはシリンダブロックのコスト低減を図るうえで有効である。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のシリンダブロックにおいて、前記インサート部材はその端部の少なくとも一方が閉塞されるものであることを要旨としている。
一般に、同一材質のもとでは、機械的強度は、両端が開放された鋼管、少なくとも一方の端部が閉塞された鋼管、鋼の棒材の順に高くなる。反面、この順に重量が増大する傾向にある。従って、要求される機械的強度及び重量を考慮して、インサート部材としてどの形状を採用するかを決定することが望ましい。
上記の構成によれば、インサート部材として第1インサート部材及び第2インサート部材が用いられているため、単一のインサート部材が用いられる場合よりもシリンダブロック本体の曲げ及び捩りに対する剛性を高めることが可能となる。また、これらの第1インサート部材及び第2インサート部材は、シリンダの中心線を挟んでシリンダブロック本体の幅方向両側に配置されていることから、前記剛性をシリンダブロック本体のシリンダを挟んだ両側でバランスよく高めることができる。
シリンダブロック11はシリンダブロック本体12、シリンダライナ13、及びインサート部材(第1インサート部材21、第2インサート部材22)を備えて構成されている。シリンダブロック本体12はシリンダブロック11の多くの部分を占めるものであり、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の比較的比重の小さな金属材料を用い、ダイカスト、中圧鋳造、低圧鋳造等の鋳造法により一体に形成されている。
要件(A):材質及び形状の少なくとも一方についての機械的強度がシリンダブロック本体12よりも高いこと。
そのほかにも、インサート部材は次の要件(C)〜(E)を満たすものであることが望ましい。
要件(D):一対のインサート部材が用いられ、シリンダ14の中心線Lを挟んでシリンダブロック本体12の幅方向両側に配置されること。
本実施形態では、要件(A)に関し、インサート部材21,22の材質として鋼が採用されている。一般に、鋼の機械的強度はアルミニウム合金のそれよりも高い。また、要件(B)に関し、インサート部材21,22として長尺状をなすものが用いられ、それらの軸線をシリンダ14の配列方向(図1では紙面と直交する方向、図2では左右方向)に合致させた状態で配置されている。
(1)材質及び形状の少なくとも一方についての機械的強度がシリンダブロック本体12よりも高いインサート部材21,22を、シリンダ14の配列方向に延びるように配置した状態で同シリンダブロック本体12内に鋳込んでいる。このような簡単な構成でありながら、インサート部材21,22によりシリンダブロック本体12の剛性及び強度を補うことができる。単に肉厚を大きくしたりリブを設けたりする場合に比べ、シリンダブロック本体12の曲げや捩りによる変形を十分なレベルまで抑制し、もってシリンダブロック11の振動や騒音を抑制することができる。
・インサート部材として、前記実施形態のように鋼管を用いる場合、両端が開放されたものであってもよいし、少なくとも一方の端部が閉塞されたものであってもよい。また、インサート部材として、鋼管に代えて鋼の棒材を用いてもよい。
Claims (9)
- 複数のシリンダをなすシリンダ壁部とこの壁部の周囲を取り囲む外壁部を含めて構成される鋳物としてのブロック本体と、材質及び形状の少なくとも一方についての機械的強度として同ブロック本体よりも高いものを有する中空状のインサート部材とを備え、このインサート部材が前記ブロック本体に鋳込まれるとともに前記ブロック本体のシリンダ壁部及び外壁部が同一の材料により一体成形されるシリンダブロックであって、
前記ブロック本体は、当該ブロック本体にシリンダヘッドを締結するヘッドボルトのためのねじ穴が設けられるものであり、且つ前記シリンダ壁部において隣り合うシリンダ間の壁部をボア間壁部としたとき、前記外壁部のうちシリンダ配列方向と直交する方向において同ボア間壁部を介して互いに対向する一対の前記ねじ穴が設けられるものであり、
前記インサート部材は、前記ねじ穴の先端付近においてシリンダ配列方向に沿う態様で設けられ、且つシリンダ配列方向と直交して前記ボア間壁部を通過する一の断面上においてシリンダ軸方向の前記ねじ穴の下方近傍に設けられるものであり、且つ前記一の断面上において前記ねじ穴の先端との間に空間を介することなく前記ブロック本体に鋳込まれるものであり、且つクランクシャフトに潤滑油を供給するメインオイルホールを当該インサート部材の内部にある空間により形成するものである
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 請求項1に記載のシリンダブロックにおいて、
前記ブロック本体は、前記複数のシリンダをなすシリンダ壁部とこの壁部の周囲を取り囲む外壁部とを含めて構成され、且つ前記シリンダ壁部の一部として前記ボア間壁部が設けられ、且つ前記一の断面上において前記ボア間壁部と前記外壁部との間にウォータージャケットをなす空間が設けられるものであり、
前記外壁部は、前記一の断面上において前記ねじ穴から外側の表面までが中実の部位として構成されるものである
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 請求項1または2に記載のシリンダブロックにおいて、
前記ブロック本体は、前記複数のシリンダをなすシリンダ壁部とこの壁部の周囲を取り囲む外壁部とを含めて構成され、且つ前記シリンダ壁部の一部として前記ボア間壁部が設けられ、且つ前記一の断面上において前記ボア間壁部と前記外壁部との間にウォータージャケットをなす空間が設けられるものであり、
前記外壁部は、前記一の断面上において前記インサート部材から外側の表面までが中実の部位として構成されるものである
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
前記ブロック本体は、第1分割構造体と第2分割構造体との組み合わせにより構成されるものであって、
前記第1分割構造体は、前記複数のシリンダライナを取り囲む外壁部が設けられ、且つシリンダヘッドを支持するアッパデッキが同外壁部と一体をなす態様で設けられるものであり、
前記第2分割構造体は、前記複数のシリンダライナが設けられ、且つクランクシャフトを覆うスカート部が設けられ、且つこのスカート部の頂面により前記第1分割構造体を支持するものであり、
前記ねじ穴は、前記第1分割構造体の外壁部の頂面から前記第2分割構造体のスカート部内までにわたり設けられるものであり、
前記インサート部材は、前記スカート部内において前記ねじ穴の先端付近に設けられるものであり、
当該シリンダブロックは、前記第1分割構造体が前記スカート部の頂面に配置され、且つ前記複数のシリンダライナが前記外壁部の内側の空間に配置された状態にて前記ねじ穴にヘッドボルトがねじ込まれることにより前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体が互いに固定されるものである
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 複数のシリンダを有する鋳物としてのブロック本体と、材質及び形状の少なくとも一方についての機械的強度として同ブロック本体よりも高いものを有する中空状のインサート部材とを備え、このインサート部材が前記ブロック本体に鋳込まれて構成されるシリンダブロックにおいて、
前記ブロック本体は、これにシリンダヘッドを締結するヘッドボルトのためのねじ穴が設けられるものであり、
前記インサート部材は、前記ねじ穴の先端付近においてシリンダ配列方向に沿う態様で設けられ、且つクランクシャフトに潤滑油を供給するメインオイルホールを当該部材の内部にある空間により形成するものであり、
前記ブロック本体は、第1分割構造体と第2分割構造体との組み合わせにより構成されるものであり、
前記第1分割構造体は、前記複数のシリンダライナを取り囲む外壁部が設けられ、且つシリンダヘッドを支持するアッパデッキが同外壁部と一体をなす態様で設けられるものであり、
前記第2分割構造体は、前記複数のシリンダライナが設けられ、且つクランクシャフトを覆うスカート部が設けられ、且つこのスカート部の頂面により前記第1分割構造体を支持するものであり、
前記ねじ穴は、前記第1分割構造体の外壁部の頂面から前記第2分割構造体のスカート部内までにわたり設けられるものであり、
前記インサート部材は、前記スカート部内において前記ねじ穴の先端付近に設けられるものであり、
当該シリンダブロックは、前記第1分割構造体が前記スカート部の頂面に配置され、且つ前記複数のシリンダライナが前記外壁部の内側の空間に配置された状態にて前記ねじ穴にヘッドボルトがねじ込まれることにより前記第1分割構造体及び前記第2分割構造体が互いに固定されるものである
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
前記インサート部材は直線状をなすものである
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 請求項6に記載のシリンダブロックにおいて、
前記インサート部材は鋼管からなる
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 請求項7に記載のシリンダブロックにおいて、
前記インサート部材はその端部の少なくとも一方が閉塞されるものである
ことを特徴とするシリンダブロック。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリンダブロックにおいて、
前記インサート部材として、シリンダ配列方向と直交する方向においてシリンダを介して互い対向する第1インサート部材及び第2インサート部材が設けられる ことを特徴とするシリンダブロック。
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