JP5239869B2 - 新規なポリオレフィン系樹脂組成物及びその樹脂成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なポリオレフィン系樹脂組成物及びその製造方法、該ポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られるポリオレフィン系樹脂成形体、ポリオレフィン系樹脂の透明性を向上させる方法、ポリオレフィン系樹脂の剛性を向上させる方法、並びにポリオレフィン系樹脂用核剤組成物に関するものである。
ポリオレフィン系樹脂は、成形性、機械特性、電気特性等が優れているので、フィルム成形、シート成形、ブロー成形、射出成形等の素材として、様々な分野に利用されている。しかし、ポリオレフィン系樹脂は、前記のように優れた物性を有しているものの、一般的には透明性、結晶性、剛性が低いという問題点があった。これらの問題点を改善するために、アミド系化合物等を造核剤組成物として活用する技術が提案された(特許文献1〜4)。
これらアミド系化合物を含有するポリオレフィン系樹脂組成物は、結晶化速度が速く、該組成物を射出成形した場合には成形サイクル時間の短縮に寄与する。又、得られる成形体は、透明性、機械特性(剛性など)が改善される。
また、機械特性をより改善させる為に、アミド系化合物を含有したポリオレフィン系樹脂組成物に更にタルク等のフィラー(充填剤)を配合する方法が知られている(特許文献5,6)。その配合量は、ポリオレフィン系樹脂に対して5〜30重量%と大量となることが一般的である。
近年の末端ユーザーのポリオレフィン系樹脂の成形体の多様化・高機能化などの要望に対して、更に透明性や機械的強度(特に剛性)等に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を与えることができるポリオレフィン系樹脂組成物の開発が望まれている。
特開平6−192496号公報 特開平7−242610号公報 特開平7−278374号公報 特開平8−100088号公報 国際公開第05/37770号パンフレット 国際公開第05/63874号パンフレット
本発明の目的は、結晶性、剛性、透明性等に優れるポリオレフィン系樹脂成形体を与えることができるポリオレフィン系樹脂組成物及びその製造方法を提供することである。
本発明は、このようなポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる結晶性、剛性、透明性等に優れるポリオレフィン系樹脂成形体、ポリオレフィン系樹脂の透明性を向上させる方法、ポリオレフィン系樹脂の剛性を向上させる方法、並びにポリオレフィン系樹脂用核剤組成物を提供することをも目的とするものである。
本発明者らは、かかる現状に鑑み、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂に特定のアミド系化合物と特定の無機化合物を配合することによって、ポリオレフィン系樹脂の結晶性、剛性、透明性を著しく向上させることができ、更には耐熱性をも向上させ得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を加えて完成するに至ったものである。本発明は以下の項目の発明を提供するものである。
(項1) ポリオレフィン系樹脂、該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
(A):一般式(1)
Figure 0005239869
[式中:kは、3又は4の整数を表す。
は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
(B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、タルク、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物0.005〜1重量部
を含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
(項2) (A)成分と(B)成分とが、(A)成分:(B)成分=1:0.01〜10の重量比で使用される上記項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
(項3) (A)成分と(B)成分とが、(A)成分:(B)成分=1:0.1〜3の重量比で使用される上記項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
(項4) 上記項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られるポリオレフィン系樹脂成形体。
(項5)成形方法が、(A)成分を、ポリオレフィン系樹脂の溶融物に完全溶解させる工程を具備する成形方法である上記項4に記載のポリオレフィン系樹脂成形体。
(項6) ポリオレフィン系樹脂100重量部に、
(A):一般式(1)
Figure 0005239869
[式中、kは、3又は4の整数を表す。
は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
(B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、タルク、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物0.005〜1重量部を含有せしめる工程を具備するポリオレフィン系樹脂の透明性を向上させる方法。
(項7) ポリオレフィン系樹脂100重量部に、
(A):一般式(1)
Figure 0005239869
[式中、kは、3又は4の整数を表す。
は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
(B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、タルク、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物0.005〜1重量部を含有せしめる工程を具備するポリオレフィン系樹脂の剛性を向上させる方法。
(項8) ポリオレフィン系樹脂、該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
(A):一般式(1)
Figure 0005239869
[式中、kは、3又は4の整数を表す。
は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
(B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、タルク、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物0.005〜1重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、(A)成分をポリオレフィン系樹脂の溶融物に完全溶解させる工程を具備することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
(項9)(A): 一般式(1)
Figure 0005239869
[式中、kは、3又は4の整数を表す。
は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
で表される少なくとも一種のアミド系化合物と、
(B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、タルク、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物
を含有する(均一な組成の)ポリオレフィン系樹脂用核剤組成物。
(項10)(A)成分と(B)成分とが、(A)成分:(B)成分=1:0.01〜10の重量比で使用される上記項9に記載のポリオレフィン系樹脂用核剤組成物。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂、(A)成分及び(B)成分を含むポリオレフィン系樹脂組成物を提供するものであり、該ポリオレフィン系樹脂組成物を成形することによって、結晶性、剛性、透明性、耐熱性に優れたポリオレフィン系樹脂成形体を得ることができる。
また、本発明は、(A)成分と(B)成分を含む核剤組成物を提供するものである。本発明の(A)成分及び(B)成分を含む核剤組成物は、流動性のよい粉体であり、そのため、パイプ内での移送性がよく、作業性が向上する。
[(A)成分:アミド系化合物]
本発明に係る(A)成分は、上記一般式(1)で表される少なくとも一種のアミド系化合物である。具体的には、次の化合物が例示できる。
<(A1):プロパントリカルボン酸トリアミド>
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(ジ−2−メチルヘキシル−モノ−シクロヘキシル)アミド、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(ジシクロヘキシル−2−メチルシクロヘキシル)アミド。
<(A2):ブタンテトラカルボン酸テトラアミド>
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−エチルシクロヘキシルアミド)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(ジシクロヘキシル−ジ−2−メチルシクロヘキシル)アミド。
<(A3):ベンゼントリカルボン酸トリアミド>
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(ジ−2−メチルヘキシル−モノ−シクロヘキシル)アミド、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(ジシクロヘキシル−2−メチルシクロヘキシル)アミド等。
上記アミド系化合物の中でも、特に造核作用の観点から、一般式(1)における3個又は4個のRがそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であるアミド系化合物が好ましい。具体的には、次の化合物を例示できる。
<(AA1):プロパントリカルボン酸トリアミド>
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)。
<(AA2):ブタンテトラカルボン酸テトラアミド>
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(シクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)。
<(AA3):ベンゼントリカルボン酸トリアミド>
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)等。
これら好ましいアミド系化合物の中でも、特に透明性・剛性のバランス及び原料入手の容易性の観点から、一般式(1)における3個又は4個のRがそれぞれ水素原子又はメチル基であるアミド系化合物が特に好ましい。具体的には、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(ジ−2−メチルヘキシル−モノ−シクロヘキシル)アミド、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(ジシクロヘキシル−2−メチルシクロヘキシル)アミドなどが例示される。
又、透明性の改良効果を重視する場合には、一般式(1)におけるRが1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基であるアミド系化合物が特に好ましい。具体的には、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、
1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)などが挙げられる。
一般式(1)で表されるアミド系化合物は、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明に係るアミド系化合物の結晶形態は、本発明の効果が得られる限り特に限定されず、六方晶、単斜晶、立方晶等の任意の結晶形態が使用できる。これらの結晶も公知であるか又は公知の方法に従い製造できる。
本発明に係るアミド系化合物は実質的に純度100%のものが好ましいが、若干不純物を含むものであってもよい。不純物を含有する場合、当該アミド系化合物の純度は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に97重量%以上が推奨される。不純物としては、反応中間体又は未反応体由来のモノアミドジカルボン酸若しくはそのエステル化合物、ジアミドモノカルボン酸若しくはそのエステル化合物、副反応体由来のイミド化合物などが例示される。
本発明に係るアミド系化合物の製造方法は、特に限定はなく目的のアミド系化合物が得られればよい。例えば、特定のポリカルボン酸成分と特定の脂環式モノアミン成分とから、従来公知の方法(例えば、特開平7−242610号公報など)に従って製造することができる。前記脂肪族ポリカルボン酸成分としては、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、該ポリカルボン酸の酸塩化物や無水物、該ポリカルボン酸と炭素数1〜4の低級アルコールとのエステル等の誘導体等が例示される。これら脂肪族ポリカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を混合してアミド化に供することができる。
上記脂環式モノアミン成分は、シクロヘキシルアミン及び炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基で置換されたシクロヘキシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、単独で又は2種以上を混合してアミド化に供することができる。
具体的には、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、3−エチルシクロヘキシルアミン、4−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−イソプロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−イソブチルシクロヘキシルアミン、2−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、2−n−ヘキシルシクロヘキシルアミン、2−n−オクチルシクロヘキシルアミン、2−n−デシルシクロヘキシルアミン、4−n−プロピルシクロヘキシルアミン、4−イソプロピルシクロヘキシルアミン、4−n−ブチルシクロヘキシルアミン、4−イソブチルシクロヘキシルアミン、4−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、4−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミン、4−n−オクチルシクロヘキシルアミン、4−n−デシルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
好ましくは、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−イソプロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−イソブチルシクロヘキシルアミン、2−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
上記のアルキル基で置換されたシクロヘキシルアミンは、シス体、トランス体及びこれら立体異性体の混合物のいずれであってもよい。好ましいシス体:トランス体の比率としては、GLC面積%で、50:50〜0:100の範囲が好ましく、より好ましくは35:65〜0:100の範囲である。なお、「GLC」はガス液体クロマトグラフィーを意味する。
本発明に係るアミド系化合物の粒径は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、溶融ポリオレフィン系樹脂に対する溶解速度(又は溶解時間)の観点から、できる限り粒径の小さいものが好ましい。レーザー回折光散乱法(体積基準)で得られる粒径の測定値を採用した場合、アミド系化合物の粒径としては、その最大粒径が200μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm、さらに好ましくは10μm以下である。
最大粒径を上記範囲内に調整する方法としては、この分野で公知の粉砕装置を用いる方法が一般的であり、必要に応じて公知の分級装置を用いることもできる。具体的には、粉砕装置として流動層式カウンタージェットミル100AFG(商品名、ホソカワミクロン社製)、超音速ジェットミルPJM−200(商品名、日本ニューマチック社製)、ピンミル等、分級装置として篩式分級機、乾式分級機(サイクロン、ミクロンセパレーターなど)等が例示される。
[(B)成分:無機化合物]
本発明に係る(B)成分は、ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、タルク、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物である。
上記ハイドロタルサイトは、本発明の効果を損なわない限り、一般に入手可能な市販品を使用することもできる。例えば、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」)、Mg4.5Al(OH)13CO(協和化学工業社製、商品名「DHT−4A2」)、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO(協和化学工業社製、商品名「DHT−6」などが例示される。当該市販品には表面処理を施しているものがあるが、化学式上の表現は、表面処理をしていない製品と同一である場合がある。
上記焼成ハイドロタルサイトとは、ハイドロタルサイトを公知の方法(例えば、特表2006−511679、特開2000−212272、特表平4−505449など)で焼成して得られる無機酸化物である。該焼成物は、本発明の効果を損なわない限り、一般に入手可能な市販品を使用することもできる。例えば、Mg0.7Al0.31.15(協和化学工業社製、商品名「キョーワード2100」)などが例示される。
上記タルクは、一般にMgSi10(OH)と表される化合物若しくは含水珪酸マグネシウムと称される化合物と同義である。タルクは、本発明の効果を損なわない限り、一般に入手可能な市販品を使用することができる。例えば、「ミクロエースP−6」(商品名,日本タルク社製)などが例示される。尚、タルクは産地によっては炭酸やその他鉱物などの不純物を微量含有している場合があるが、本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではない。
上記アルカリアルミニウム複水酸化物は、本発明の効果を損なわない限り、合成品や一般に入手可能な市販品などを使用することができる。前記アルカリとは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属を指し、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金である。市販品としては、例えば、LiAl(OH)12CO・3HO(水澤化学工業社製、商品名「ミズカラックL」)などが例示される。前記アルカリアルミニウム複水酸化物は、アルカリアルミニウム複水酸化物炭酸塩(例えば特開平10−45411)、ハイドロカルマイト、ハイドロカルマイト炭酸塩(例えば特開平9−241019)等をも包含する。
上記水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムは、本発明の効果を損なわない限り、一般に入手可能な市販品や試薬を使用することができる。
例えば、市販品としては水酸化マグネシウム(協和化学工業社製、商品名「マグサラットF」)などが例示される。
該無機化合物としては、その表面をステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド等の高級脂肪酸アミドなどで表面処理(例えば、被覆等の処理方法が例示される)したものを用いることもできる。
無機化合物のpH値は、好ましくは7.0〜14.0、より好ましくは7.2〜13.0、更に好ましくは7.5〜12.0である。なお、無機化合物のpH値は、後述の実施例に記載の方法で測定されるものである。
無機化合物の粒径は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、溶融ポリオレフィン系樹脂に対する分散性、屈折率の観点から、できる限り粒径の小さいものが好ましい。レーザー回折光散乱法で得られる粒径の測定値を採用した場合、無機化合物の粒径としては、そのメジアン径が好ましくは50μm以下、さらに好ましくは10μm、特に1μm以下が推奨される。
[ポリオレフィン系樹脂]
本発明に係るポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリブテン系樹脂等が例示される。
具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、エチレン含量50重量%以上(好ましくは70重量%以上)のエチレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、プロピレン含量50重量%以上(好ましくは70重量%以上)のプロピレンコポリマー、ブテンホモポリマー、ブテン含量50重量%以上、好ましくは70重量%以上のブテンコポリマー、メチルペンテンホモポリマー、メチルペンテン含量50重量%以上(好ましくは70重量%以上)のメチルペンテンコポリマー、ポリブタジエン等が例示される。
上記コポリマーはランダムコポリマーであってもよく、ブロックコポリマーであってもよい。これらの樹脂の立体規則性がある場合は、アイソタクチックでもシンジオタクチックでもよい。
上記コポリマーを構成し得るコモノマーとして、具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン等の炭素数2〜12のα−オレフィン、1,4−エンドメチレンシクロヘキセン等のビシクロ型モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が例示できる。
かかる重合体を製造するために適用される触媒としては、一般に使用されているチーグラー・ナッタ型触媒はもちろん、遷移金属化合物(例えば、三塩化チタン、四塩化チタン等のチタンのハロゲン化物)を塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担持してなる触媒と、アルキルアルミニウム化合物(テトラエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等)とを組み合わせてなる触媒系やメタロセン触媒も使用できる。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂メルトフローレート(以下、「MFR」と略記する。JIS K 7210−1995に準じる。)は、その適用される成形方法により適宜選択されるが、通常、0.01〜200g/10分、好ましくは0.05〜100g/10分が推奨される。
[ポリオレフィン系樹脂組成物]
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記(A)成分、(B)成分及び必要に応じて下記の「その他の添加剤」(例えば、ポリオレフィン樹脂用改質剤など)をポリオレフィン系樹脂に含有せしめることにより得ることができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法としては、例えば、
(i)ポリオレフィン系樹脂(粉末、顆粒、フレーク又はペレット等の形態)、(A)成分、(B)成分及び必要に応じて「その他の添加剤」を所望の組成比となるように仕込み、次いで慣用の混合機(例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー等)を用いて、粉体混合(ドライブレンド)して、ドライブレンドタイプのポリオレフィン系樹脂組成物を得る方法、
(ii)上記ドライブレンドタイプのポリオレフィン系樹脂組成物を、慣用の混練機(例えば、一軸又は二軸の押出し機等)を用いて、通常160〜300℃、好ましくは180〜280℃、特に好ましくは200℃〜260℃の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却し、得られたストランドをカッティングすることで、ペレットタイプのポリオレフィン系樹脂組成物を得る方法などが例示される。
又、ペレットタイプとする方法の中には、(A)成分が1〜20重量%(好ましくは2〜15重量%)の高濃度マスターバッチペレットのポリオレフィン系樹脂組成物を得る方法も含まれる。高濃度マスターバッチペレットのポリオレフィン系樹脂組成物は、適宜ポリオレフィン系樹脂で所望の組成比となるように希釈した後に成形工程で供される。
本発明の効果をより効果的に得る為に、上記(ii)に記載の溶融混練する工程において、当該工程が、(A)成分を溶融ポリオレフィン系樹脂に完全溶解させる工程を具備することが好ましい。特に、ポリオレフィン系樹脂成形体の透明性が重視される用途に本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を使用する場合には重要な工程となる。このように完全溶解させるには、溶融ポリオレフィン系樹脂への(A)成分の溶解温度以上の温度まで加熱して溶解させる方法が好ましい。
溶解温度は、例えば、次の方法で確認することができる。まずポリオレフィン系樹脂組成物のペレットを試験的に調製する。次いで、そのペレットを加熱ステージ付きの偏光顕微鏡を用いて昇温速度10℃/分の条件下で、昇温中のペレット内に存在する(A)成分の結晶を観察しながら、加熱し、当該(A)成分の結晶が溶融ポリオレフィン系樹脂に溶解し終わる温度を目視観察により決定する。
本発明においては、上記(ii)に例示される方法のような、ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法の提供は、次の発明を提供するものでもある。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に、(A)成分0.01〜1重量部、及び(B)成分0.005〜1重量部を含有せしめることを特徴とするポリオレフィン系樹脂の剛性及び透明性を向上させる方法を提供するものである。
また、本発明は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、(A)成分0.01〜1重量部、及び(B)成分0.005〜1重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、(A)成分を溶融ポリオレフィン系樹脂に完全溶解させる工程を具備する製造方法をも提供するものである。
本発明に係る(A)成分の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜1重量部であり、好ましくは0.02〜0.5重量部、より好ましくは0.03〜0.3重量部である。
又、本発明に係る(B)成分の含有量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.005〜1重量部であり、好ましくは0.01〜0.8重量部 特に0.02〜0.5重量部である。
なお、従来、(B)成分である無機化合物は、フィラー(充填剤)として使用され、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して5〜30重量部程度と、多量に配合されていた。また、フィラーは、透明性に寄与していないと考えられていたが、本発明者らは、(A)成分と共に(B)成分を少量使用することによって、より透明性が向上するという驚くべき効果を見出したものである。この知見は、本発明者らにより初めて見出されたものである。
また、本発明に係る(A)成分と(B)成分との組成比(重量比)は、好ましくは(A)成分:(B)成分=1:0.01〜10、より好ましくは1:0.05〜5、さらに好ましくは1:0.1〜3、特に1:0.1〜2が推奨される。これらの範囲内で配合することにより、特に本発明の効果の有意な向上が認められる。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンランダムコポリマーの場合には、本発明の効果のうちで透明性及び結晶性がより向上する傾向が認められ、ポリプロピレンホモポリマーの場合には、透明性、結晶性、耐熱性及び剛性のバランスに優れる傾向が認められ、ポリプロピレンブロックポリマーの場合には、本発明の効果のうちで結晶性、耐熱性及び剛性がより向上する傾向が認められる。
また、本発明は、ポリオレフィン系樹脂用核剤組成物を提供するものでもある。上記ポリオレフィン系樹脂組成物を製造する際に、予め(A)成分と(B)成分とを(好ましくは均一に)混合し、ポリオレフィン系樹脂用核剤組成物として配合しても良い。すなわち、本発明は、(A)成分と(B)成分を含有する均一な組成のポリオレフィン系樹脂用核剤組成物を提供するものである。
また、本発明は、(A)成分と(B)成分との重量比が、好ましくは(A)成分:(B)成分=1:0.01〜10、より好ましくは1:0.05〜5、さらに好ましくは1:0.1〜3、特に1:0.1〜2の範囲である前記ポリオレフィン系樹脂用核剤組成物をも提供するものである。
本発明の(A)成分及び(B)成分を含む核剤組成物は、流動性のよい粉体であり、パイプ内での移送性がよく、作業性が向上する。本発明の核剤組成物の調製方法としては、ドライブレンド法、有機溶媒等を分散媒として使用して均一に混合する方法などが推奨される。
[その他の添加剤]
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上記(A)成分及び(B)成分の他に、使用目的やその用途に応じて適宜ポリオレフィン用改質剤などの「その他の添加剤」を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
上記ポリオレフィン用改質剤としては、例えば、ポリオレフィン等衛生協議会編「ポジティブリストの添加剤要覧」(2002年1月)に記載されている各種添加剤が挙げられる。
より具体的には、安定剤(金属化合物、エポキシ化合物、窒素化合物、燐化合物、硫黄化合物等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等)、酸化防止剤(フェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、イオウ系化合物等)、界面活性剤、滑剤(パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8〜22の高級脂肪酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩(Al,Ca,Mg,Zn)、炭素数8〜22の高級脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4〜22の高級脂肪酸と炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8〜22の高級脂肪酸アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体等)、発泡剤、発泡助剤、ポリマー添加剤の他、可塑剤(ジアルキルフタレート、ジアルキルヘキサヒドロフタレート等)、架橋剤、架橋促進剤、帯電防止剤、分散剤、有機系顔料、加工助剤、他の核剤組成物等の各種添加剤が例示される。その添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができる。
例えば、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物に高級脂肪酸金属塩を配合する場合、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(特にポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンランダムコポリマーの場合)の透明性がより向上する傾向が認められる。かかる添加剤として、炭素数8〜22の高級脂肪酸金属塩、好ましくはステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。かかる添加剤の使用量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.001〜0.2重量部が好ましく、より好ましくは0.005〜0.1重量部である。
かくして得られる本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、結晶性、耐熱性、剛性、透明性に優れる有用なポリオレフィン系樹脂成形体を与えることができるポリオレフィン系樹脂組成物である。
[ポリオレフィン系樹脂成形体]
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物をこの分野で慣用されている従来公知の成形方法に従って成形することにより得られる。
具体的には、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧空成形、回転成形、シート成形、フィルム成形、サーモフォーミング等の成形方法が例示される。
当該成形条件は、従来採用されている条件の広い範囲から適宜選択ができる。本発明の効果をより効果的に得る方法としては、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形する時に、該樹脂組成物に含有する(A)成分が溶融ポリオレフィン系樹脂に完全溶解させた状態の該樹脂組成物を成形することが好ましい。特に、ポリオレフィン系樹脂成形体の透明性が重視される用途に本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を使用する場合には重要な工程となる。
当該成形温度(樹脂温度)としては、通常160〜300℃、好ましくは180〜280℃、特に好ましくは200〜260℃が推奨される。
かくして得られる本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、結晶性、透明性、剛性、耐熱性が優れているので、リン酸金属塩類、カルボン酸金属塩類及びベンジリデンソルビトール類等の核剤を配合してなるポリオレフィン系樹脂組成物が従来使用されてきた分野においても、同様に使用することができる。
具体的には、ディスポーザブル注射器類;食品・植物等の包装物;衣料ケースや衣料保存用コンテナ等の各種ケース類;食品を熱充填するためのカップ、レトルト食品の包装容器;電子レンジ用容器;ジュース、茶等の飲料用、化粧品用、医薬品用、シャンプー用等の缶、ビン等の容器;味噌、醤油等の調味料用容器及びキャップ;水、米、パン、漬物等の食品用ケース及び容器;冷蔵庫用ケース等の雑貨;文具;電気・機械部品;自動車用部品等の素材として好適である。
本発明のポリオレフィン系樹脂成形体は、本発明の効果に加えて、(A)成分のアミド系化合物自身が熱安定性に優れているので、そのアミド系化合物に起因する臭気や味の移行が実質的に生じない。その為、当該成形体は、臭気や味の移行を重視する用途(食品包装材、飲料用ボトル、化粧品容器等)に特に有用である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明に係る無機化合物のpH値及び粒径は下記(1)及び(2)に記載の方法で測定した。また、ポリオレフィン系樹脂成形体の結晶性、剛性、耐熱性、透明性は下記(3)〜(6)に記載の方法で評価した。
(1)pH値
100ml三角フラスコに50v/v%エタノール水溶液50mlを入れた後、無機化合物1gを加え、25℃の恒温槽中でマグネチックスターラーを用いて、無機化合物を分散させた。次に、pHメーター(堀場製作所製)を用いて、攪拌下にあるその分散液を、無機化合物の投入から10分間直後にpH測定を行った。
(2)粒径(体積基準)
界面活性剤を用いて水に無機化合物を均一分散させて、無機化合物の分散液を調製した。得られた分散液をレーザ回析/散乱式粒度分布測定装置(機種名「LA−910」、堀場製作所製)を用いて、メジアン径(μm)を測定した。得られた数値が小さい程、粒径が小さいことを示す。
(3)結晶性
示差走査熱量計(機種名「Diamond DSC」、パーキンエルマー社製)を用いて、JIS K 7121に準じて、発熱ピークを求めた。得られた発熱ピークのピークトップを結晶化温度(℃)とした。結晶化温度が高い程、結晶性に優れる。又、結晶化温度が高くなることは、結晶化速度が速くなることを意味し、射出成形時の成形サイクル時間の短縮に寄与する。
(4)剛性
インストロン万能試験機(機種名「インストロン」、インストロン ジャパン カンパニイ リミテッド製)を用いて、JIS K 7203(1982)に準じて、曲げ弾性率 (MPa)を測定した。尚、試験温度は25℃、試験速度は10mm/分とした。曲げ弾性率の値が大きい程、剛性に優れる。
なお、実施例及び比較例において、曲げ弾性率測定用試験片は、長さ90mm、幅10mm、高さ4mmである。
(5)耐熱性
HDT試験装置(機種名「HDT TESTER 3M-2」、東洋精機社製)を用いて、ASTM D648に準じて、荷重たわみ温度 (℃)を測定した。尚、エッジワイズ法を用い、曲げ応力は0.45MPaとした。荷重たわみ温度が高い程、耐熱性に優れる。なお、実施例及び比較例において、荷重たわみ温度用試験片は、長さ110mm、幅13mm、高さ40mmである。
(6)透明性
ヘイズ測定器(機種名「ヘイズガードII」、東洋精機製作所製)を用いて、ASTM D1003に準じて、ヘイズ値(%,厚さ1mm)を測定した。得られた数値が小さい程、透明性に優れる。
[製造例1]
攪拌機、温度計、冷却管及びガス導入口を備えた500mlの4ツ口フラスコに1,2,3−プロパントリカルボン酸9.7g(0.055モル)とN−メチル−2−ピロリドン100gを秤取り、窒素雰囲気下、室温にて攪拌しながら1,2,3−プロパントリカルボン酸を完全に溶解させた。
続いて、2−メチルシクロヘキシルアミン(トランス体:シス体=74.3:25.7;GLC面積%)20.5g(0.1815モル)、亜リン酸トリフェニル56.3g(0.1815モル)、ピリジン14.4g(0.1815モル)及びN−メチル−2−ピロリドン50gを加え、窒素雰囲気下、攪拌しながら100℃で4時間反応を行った。冷却後、反応溶液をイソプロピルアルコール500mlと水500mlの混合溶液中にゆっくり注ぎ込み、約40℃で1時間攪拌後、析出した白色沈殿物を濾別した。更に、得られた白色固体を約40℃のイソプロピルアルコール500mlで2回洗浄した後、100℃、133Paにて6時間乾燥した。
得られた乾燥物を乳鉢で粉砕し、目開き106μmの標準篩い(JIS Z−8801規格)に通して、本発明に係る1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)(以下、「PTC−2MeCHA」と略記する。)18.8g(収率74%)を得た。
[製造例2]
2−メチルシクロヘキシルアミン(0.1815モル)に代えて、シクロヘキシルアミン(0.1815モル)を用いた以外は、製造例1と同様に行い、本発明に係る1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド(以下、「PTC−CHA」と略記する。)20.3g(収率80%)を得た。
[製造例3]
2−メチルシクロヘキシルアミン(トランス体:シス体=74.3:25.7;GLC面積%,0.1815モル)に代えて、2−メチルシクロヘキシルアミン(トランス体:シス体=100:0;GLC面積%,0.1815モル)を用いた以外は、製造例1と同様に行い、本発明に係る1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)(トランス体;以下、「PTC−2MeCHA(100)」と略記する。)17.3g(収率75%)を得た。
[製造例4]
1,2,3−プロパントリカルボン酸(0.055モル)及び2−メチルシクロヘキシルアミン(0.1815モル)に代えて、それぞれ1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(0.055モル)及びシクロヘキシルアミン(0.1815モル)を用いた以外は、製造例1と同様に行い、本発明に係る1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド(以下、「TM−CHA」と略記する。)19.4g(収率78%)を得た。
[製造例5]
1,2,3−プロパントリカルボン酸(0.055モル)、2−メチルシクロヘキシルアミン(0.1815モル)、亜リン酸トリフェニル(0.1815モル)及びピリジン(0.1815モル)に代えて、それぞれ1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(0.055モル)、2−メチルシクロヘキシルアミン(0.242モル)、亜リン酸トリフェニル(0.242モル)及びピリジン(0.242モル)を用いた以外は、製造例1と同様に行い、本発明に係る1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)(以下、「BTC−2MeCHA」と略記する。)21.3g(収率63%)を得た。
[製造例6]
1,2,3−プロパントリカルボン酸(0.055モル)、2−メチルシクロヘキシルアミン(0.1815モル)、亜リン酸トリフェニル(0.1815モル)及びピリジン(0.1815モル)に代えて、それぞれ1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸(0.055モル)、シクロヘキシルアミン(0.242モル)、亜リン酸トリフェニル(0.242モル)及びピリジン(0.242モル)を用いた以外は、製造例1と同様に行い、本発明に係る1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド(以下、「BTC−CHA」と略記する。)20.0g(収率66%)を得た。
[実施例1]
アイソタクチックホモポリプロピレン樹脂(MFR=30g/10分,以下、「h−PP」と略記する。)100重量部に、(A)成分として製造例1で調製したPTC−2MeCHA0.15重量部と、(B)成分としてハイドロタルサイト1(Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」)0.05重量部を添加し、更にその他の添加剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名「IRGANOX1010」)0.05重量部及びテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チバスペシャルティーケミカルズ社製、商品名「IRGAFOS168」)0.05重量部を添加して、ヘンシェルミキサーで1000rpm、5分間ドライブレンドして、ドライブレンドタイプの本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
次に、直径20mmの一軸押出機を用いて、そのドライブレンドタイプのポリオレフィン系樹脂組成物を樹脂温度240℃で溶融混練して、押し出されたストランドを水冷し、得られたストランドを切断して、ペレットタイプの本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
尚、予め、前記添加量の(A)成分が240℃で該溶融ポリプロピレン樹脂に溶解することを確認した。以下の実施例でも、実施例1と同様に、各表中に記載の添加量の(A)成分が記載のポリプロピレン樹脂に溶解していることを、加熱ステージ付きの偏光顕微鏡を用いて、目視で確認した。
次に、得られたペレットを樹脂温度250℃、金型温度40℃の条件下で射出成形して、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表1に示した。
[実施例2〜13]
(A)成分又は(B)成分の種類又は添加量を表1に記載の種類又は添加量に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。
得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表1及び2に示した。
[比較例1〜10]
(A)成分又は(B)成分の種類又は添加量を表3に記載の種類又は添加量に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表3に示した。尚、活性白土は表3の(B)成分の欄に記載したが、(B)成分とは異なるものである。
Figure 0005239869
Figure 0005239869
Figure 0005239869
上記表1〜3および下記表4及び5において、
「ハイドロタルサイト1」は、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO:協和化学工業社製、商品名「DHT−4A」;
「ハイドロタルサイト2」は、Mg4.5Al(OH)13CO:協和化学工業社製、商品名「DHT−4A2」;
「リチウムアルミニウム複水酸化物」は、LiAl(OH)12CO・3HO:水澤化学工業社製、商品名「ミズカラックL」;
「ハイドロタルサイト3」は、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO:協和化学工業社製、商品名「DHT−6」;
「焼成ハイドロタルサイト」は、Mg0.7Al0.31.15:協和化学工業社製、商品名「キョーワード2100」;
「タルク」は、MgSi10(OH):日本タルク社製、商品名「ミクロエースP−6」;
「Mg(OH)」は、協和化学工業社製、商品名「マグサラットF」
である。
[実施例14]
h−PPをエチレン含有量9.5重量%のポリプロピレンブロックコポリマー(MFR=18g/10分,以下、「b−PP」と略記する。)に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率及び荷重たわみ温度、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表4に示した。
[実施例15]
(B)成分の種類を表4に記載の種類に変更した以外は、実施例14と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率及び荷重たわみ温度、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を4に示した。
[比較例11〜13]
(A)成分又は(B)成分の種類又は添加量を表4に記載の種類又は添加量に変更した他は、実施例14と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率及び荷重たわみ温度を測定し、それら測定結果を表4に示した。
Figure 0005239869
[実施例16]
h−PPをエチレン含有量3.0重量%のポリプロピレンランダムコポリマー(MFR=20g/10分,以下、「r−PP」と略記する。)に変更した他は、実施例1と同様に行って、本発明のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値、並びに使用した無機化合物のpH値及び粒径を測定し、それら測定結果を表5に示した。
[比較例14〜16]
(A)成分又は(B)成分の種類又は添加量を表5に記載の種類又は添加量に変更した他は、実施例16と同様に行って、本発明外のポリオレフィン系樹脂成形体(試験片)を得た。得られた試験片の結晶化温度、曲げ弾性率、荷重たわみ温度及びヘイズ値を測定し、それら測定結果を表5に示した。
Figure 0005239869
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、従来公知の射出成形、フィルム成形、ブロー成形、押出成形、サーモフォーミング等に好適に用いることができる。また、該ポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形体は、結晶性、剛性、耐熱性、透明性に優れているので、医療用器具類、食品・植物等の包装物、各種ケース類、食品包装容器、電子レンジ用容器、雑貨、文具、電気・機械部品、自動車用部品等の素材として用いることができる。

Claims (8)

  1. ポリオレフィン系樹脂、該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
    (A):一般式(1)
    Figure 0005239869
    [式中、kは、3又は4の整数を表す。
    は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
    3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
    で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
    (B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物0.005〜1重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. (A)成分と(B)成分とが、重量比(A)成分:(B)成分=1:0.01〜10で使用される請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. (A)成分と(B)成分とが、重量比(A)成分:(B)成分=1:0.1〜3で使用される請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して得られるポリオレフィン系樹脂成形体。
  5. ポリオレフィン系樹脂100重量部に、
    (A):一般式(1)
    Figure 0005239869
    [式中、kは、3又は4の整数を表す。
    は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
    3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
    で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
    (B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物0.005〜1重量部
    を含有せしめる工程を具備するポリオレフィン系樹脂の透明性を向上させる方法。
  6. ポリオレフィン系樹脂100重量部に、
    (A):一般式(1)
    Figure 0005239869
    [式中、kは、3又は4の整数を表す。
    は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
    3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
    で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
    (B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物0.005〜1重量部
    を含有せしめる工程を具備するポリオレフィン系樹脂の剛性を向上させる方法。
  7. ポリオレフィン系樹脂、該ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、
    (A): 一般式(1)
    Figure 0005239869
    [式中、kは、3又は4の整数を表す。
    は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
    3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
    で表される少なくとも一種のアミド系化合物0.01〜1重量部、及び
    (B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物0.005〜1重量部
    を含有するポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法であって、(A)成分をポリオレフィン系樹脂の溶融物に完全溶解させる工程を具備する製造方法。
  8. (A): 一般式(1)
    Figure 0005239869
    [式中、kは、3又は4の整数を表す。
    は、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸又は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸から全てのカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。
    3個又は4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]
    で表される少なくとも一種のアミド系化合物と
    (B):ハイドロタルサイト、焼成ハイドロタルサイト、アルカリアルミニウム複水酸化物、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機化合物
    を含有するポリオレフィン系樹脂用核剤組成物。
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