JP4419180B2 - ポリオレフィン樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン樹脂組成物とその製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリオレフィン樹脂と、ロジン酸部分マグネシウム塩と、平均粒径範囲が0.5〜3.0μmの水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムからなるポリオレフィン樹脂組成物、および前記各成分を溶融混練するポリオレフィン樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタールなどの結晶性熱可塑性樹脂は、優れた加工性、耐薬品性、電気的性質、機械的性質などを有しているため、射出成形品、中空成形品、フィルム、シート、繊維などに加工され各種用途に用いられている。しかしながら用途によっては、剛性、耐熱剛性、透明性などが充分とはいえない場合がある。
【0003】
このような結晶性熱可塑性樹脂からなる成形体の剛性、耐熱剛性、透明性を向上させるには、成形加工時に微細な結晶を急速に生成させればよいことが知られている。このため従来から結晶性熱可塑性樹脂の結晶化速度を速めるために、たとえばタルクなどの結晶核剤が用いられている。
【0004】
しかしながら従来の結晶核剤では、結晶化速度の向上効果が必ずしも充分ではなく、得られる成形体の剛性、耐熱剛性などの機械的性質および透明性、光沢などの光学的性質を必ずしも満足するものではなかった。
【0005】
このような問題点を解決するため、本願出願人らは特定のロジン酸金属塩からなる結晶性熱可塑性樹脂用結晶核剤を特開平7−330967号などとして提案した。この発明は、成形体の機械的性質、光学的性質を著しく改良したが、特定量以上核剤を添加しないと充分な効果を得にくいという欠点も有していた。上記のような欠点を改良し、より少ない核剤の添加量で機械的性質および光学的性質に優れた成形体が得られるような結晶性熱可塑性樹脂組成物ならびにその製造方法を提供することを目的としてさらに鋭意検討を行ない、本願出願人らは、ロジン酸マグネシウム塩が特に優れた効果の有ることを見出し、特開平10−226754号を提案した。しかし、当該発明においても、条件によっては、より少ない核剤の添加量で機械的性質、光学的性質に優れた成形体が得られない場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の様な状況のもとになされたものであって、より少ない核剤の添加量で機械的および光学的性質(特に光学的性質)に優れた成形体が得られるようなポリオレフィン樹脂組成物およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、(A)ポリオレフィン樹脂;100重量部、(B)ロジン酸部分マグネシウム塩;0.2〜0.4重量部および(C)平均粒径範囲が0.5〜3.0μmの酸化マグネシウム;0.01〜0.4重量部からなることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物;(A)ポリオレフィン樹脂;100重量部、(B)ロジン酸部分マグネシウム塩;0.2〜0.4重量部および(C)平均粒径範囲が0.5〜3.0μmの酸化マグネシウム;0.01〜0.4重量部を溶融混練することを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物の製造方法に係わる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物およびその製造方法について具体的に説明する。まず、本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物を形成する各成分について説明する。
【0010】
(A)ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリメチルペンテン、ポリメチルブテンなどのオレフィン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体などのオレフィン共重合体などを挙げることができる。これらの中では特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、プロピレン・エチレンランダム共重合体が好ましい。なお、ポリオレフィンが炭素原子数3以上のオレフィンから得られるポリオレフィンである場合には、アイソタクチック重合体であってもよく、シンジオタクチック重合体であってもよい。また、ポリオレフィンは、どのような製造方法、触媒で得られたものであってもよい。たとえば、従来のチーグラー・ナッタ型触媒により得られたポリオレフィンだけでなく、メタロセン触媒により得られたポリオレフィンも好適に使用できる。このようなポリオレフィンは、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0014】
これら(A)ポリオレフィン樹脂のうちでは、特にポリプロピレンが機械的性質および光学的性質の改善効果が大きいため好ましい。
【0015】
本発明のポリオレフィン樹脂組成物においては、(B)ロジン酸部分マグネシウム塩を核剤として使用する。(B)ロジン酸部分マグネシウム塩は、ロジン酸とマグネシウム化合物との反応生成物である。ロジン酸としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン;不均化ロジン、水素化ロジン、脱水素化ロジン、重合ロジンおよびマレイン酸変性ロジンやフマル酸変性ロジンなどのα, β-エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンなどの各種変性ロジン;前記天然ロジンを蒸留等により精製してえられる天然ロジンの精製物、前記変性ロジンの精製物などを例示できる。これらの中では、天然ロジン、変性ロジン、天然ロジンの精製物および変性ロジンの精製物からなる群より選ばれる少なくとも一種のロジン酸であることが好ましい。また当該ロジン酸の成分としては、原料ロジンに由来する各種のロジン酸の成分が含有されるが、これらの中でも核剤効果の点でデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸およびジヒドロピマル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のロジン酸成分が好ましい。
【0016】
前記ロジン酸と反応してマグネシウム塩を形成するマグネシウム化合物としては、マグネシウムなどの金属元素を有し、かつ前記ロジン酸と造塩する化合物が挙げられる。具体的には、マグネシウムの塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物などが挙げられる。より具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウムなどが好ましい。このような(B)ロジン酸部分マグネシウム塩の製造方法としては、従来公知の方法が採用できる。
【0017】
このような(B)ロジン酸部分マグネシウム塩は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、ロジン酸マグネシウム塩と未反応のロジン酸との混合物として用いることもできる。さらに本発明では、ロジン酸マグネシウム塩とマグネシウム塩以外の他のロジン酸金属塩とを組み合わせて用いることができる。ロジン酸マグネシウム、未反応のロジン酸ならびにマグネシウム塩以外の他のロジン酸金属塩を2種以上組み合わせて用いる場合の2種以上の各成分の量比は任意である。(B)ロジン酸部分マグネシウム塩中のロジン酸マグネシウム塩の濃度は1〜90%、すなわち中和率は1〜90%であることが好ましい。特に(B)ロジン酸部分マグネシウム塩中のロジン酸マグネシウム塩の濃度を5〜50%、すなわち中和率5〜50%とすることが好ましく、10〜40%、すなわち中和率10〜40%とすることがさらに好ましい。すなわち、中和率を低くすることにより(A)熱可塑性樹脂に対する分散性が良好になり、また中和率を高くすることにより低添加で核剤効果が生じるが、両特性の均衡を図る点で上記範囲の中和率とするのがよい。
【0018】
本発明では前記のように、平均粒径範囲が0.5〜3.0μmの水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウム(C)を使用することが必須とされ、その具体例としては、かかる平均粒径範囲を有する水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムおよびそれらを高級脂肪酸や樹脂酸の金属塩でコートしたものなどが挙げられる。平均粒径が0.5μmよりも小さいと、2次凝集等の原因で分散不良が起こり、3.0μmよりも大きいと樹脂中に目で見える異物として観察され、透明感などに悪影響を与える。平均粒径が0.5〜3.0μmの範囲から外れる場合には、(B)ロジン酸部分マグネシウム塩の未中和部分と十分な造塩反応が進まないために、少量添加時に優れた核剤効果が発現しにくくなる。また比表面積は大きい方が良く、BET比表面積が100m2/cm3以上あるものが好ましい。50m2/cm3程度では、(B)ロジン酸部分マグネシウム塩の未中和部分と十分な造塩反応が進まない。
【0019】
また、(C)平均粒径範囲が0.5〜3.0μmの水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムにさらに、有機マグネシウム含有化合物を併用しても良い。有機マグネシウム含有化合物としては、マグネシウム塩が好ましく、たとえばステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸などの脂肪酸マグネシウム塩が挙げられる。
【0020】
また、有機マグネシウム含有化合物は2種類の有機酸のマグネシウム塩、例えば、ステアリン酸ラウリン酸マグネシウムなどであってもよい。
【0021】
また、(C)以外の無機マグネシウム含有化合物を併用しても良い。(C)以外の無機マグネシウム含有化合物としては、マグネシウム単体の他、マグネシウムの硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫化物塩などが挙げられる。また、(C)以外の無機マグネシウム含有化合物としては、マグネシウム元素の他に、他の金属元素と複塩となっているようなもの、たとえばマグネシウムとアルミニウムの水酸化物塩であるハイドロタルサイトのような化合物も含まれる。
【0022】
これらの無機マグネシウム含有化合物の中では、ハイドロタルサイト、タルクなどが好ましい。このようなマグネシウム含有化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いることもできる。ただし、これらポリプロピレンに不溶な無機物の添加の際には、上記と同様の粒径に注意を払う必要がある。たとえば、ハイドロタルサイトでは、平均粒径0.1〜1μm程度のものが透明性への影響が少ないため好ましい。
【0023】
このような組成のポリオレフィン樹脂組成物は、(A)ポリオレフィン樹脂が本来有する優れた特性を有し、かつ、結晶化速度が速い。このようなポリオレフィン樹脂組成物は、剛性、耐熱剛性などの機械的性質、および透明性、光沢などの光学的性質に優れた成形体を製造することができる。
【0024】
また、本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、塩酸吸収剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、離型剤、無機充填剤、顔料分散剤、顔料あるいは染料などの各種配合剤を本発明の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。
【0025】
ポリオレフィン樹脂組成物は上記(A)ポリオレフィン樹脂、(B)ロジン酸部分マグネシウム塩および(C)平均粒径範囲が0.5〜3.0μmの水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムを溶融混練することにより得られる。溶融混練条件は特に制限されず、(A)ポリオレフィン樹脂の種類に応じて適宜通常公知の溶融混練条件を採用することができる。具体的には、(A)ポリオレフィン樹脂がポリオレフィンである場合には、溶融混練時の温度は通常170〜300℃、好ましくは180〜250℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20分、好ましくは0.5〜10分である。ポリエステルである場合には、溶融混練時の温度は通常260〜330℃、好ましくは270〜300℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20分、好ましくは0.5〜10分である。ポリアミドである場合には、溶融混練時の温度は通常220〜330℃、好ましくは260〜330℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20分、好ましくは0.5〜10分である。ポリアセタールである場合には、溶融混練時の温度は通常180〜300℃、好ましくは180〜250℃の範囲であり、溶融混練時間は通常0.2〜20分、好ましくは0.5〜10分である。なお、溶融混練は公知の溶融混練装置、例えば一軸押出機などを用いることにより行うことができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によればより少ない核剤の添加量で機械的性質および光学的性質、特に光学的性質に優れた成形体を得ることができる。そのため、本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、家庭用品から工業用品に至る広い用途、たとえば、食品や洗剤などの容器、ボトル、ボトルキャップ、衣装缶などの透明ケース、注射器シリンジなどの医療器具、電気部品、電子部品、バンパーなどの自動車部品、機械機構部品、フィルム、シート、繊維などの素材として好適に使用できる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】
なお、ポリオレフィン樹脂組成物の性能評価は次の方法によった。
結晶化温度(Tc)
得られたペレットを、示差走査熱量計(DSC)により溶融状態から一定速度(10℃/分)で冷却し、結晶化発熱ピーク温度〔結晶化温度(Tc)〕を測定することにより結晶化速度を評価した。結晶化温度(Tc)の上昇効果の高いものほど結晶化速度が速い。
【0029】
曲げ弾性率(FM)
長さ12.7cm(5インチ)、巾1.27cm(1/2インチ)、厚み0.32cm(1/8インチ)の射出成形試験片を用い、ASTM D638に準拠して曲げ弾性率を測定した。
【0030】
熱変形温度(HDT)
長さ12.7cm(5インチ)、巾0.32cm(1/8インチ)、厚み1.27cm(1/2インチ)の射出成形試験片を用い、ASTM D648に準拠して熱変形温度を測定した。熱変形温度が高い物ほど耐熱性が大きい。
【0031】
透明性(Haze)
厚み1.0mmの圧縮成形試験片を用い、JIS K6714に準拠したHazeを測定した。Hazeの低いものは透明性が高い。
【0032】
結晶核剤
実施例中で用いた結晶核剤(ロジン酸金属塩)は、それぞれ以下の化合物を示す。なお、塩含有率とは、(金属の当量)/(カルボキシル基の当量)(%)を意味する。
【0033】
結晶核剤A:デヒドロアビエチン酸75重量部とジヒドロアビエチン酸25重量部の混合物の金属塩(マグネシウム塩含有率20モル%)
結晶核剤B:デヒドロアビエチン酸75重量部とジヒドロアビエチン酸25重量部の混合物の金属塩(マグネシウム塩含有率5モル%、ナトリウム塩含有率10モル%)
結晶核剤C:デヒドロアビエチン酸75重量部とジヒドロアビエチン酸25重量部の混合物の金属塩(マグネシウム塩含有率50モル%)
結晶核剤D:デヒドロアビエチン酸75重量部とジヒドロアビエチン酸25重量部の混合物の金属塩(マグネシウム塩含有率25モル%、カルシウム塩含有率5モル%)
結晶核剤E:デヒドロアビエチン酸75重量部とジヒドロアビエチン酸25重量部の混合物の金属塩(カリウム塩含有率25モル%)
【0034】
実施例1
プロピレンホモポリマー(温度230℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート:12g/10分)100重量部に、イルガノックス1010TM(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部、結晶核剤Aを0.2重量部、および平均粒径0.7μmの酸化マグネシウム0.1重量部を添加し、20mm一軸押出機により樹脂温度220℃で溶融混練しペレットを製造した。
【0035】
得られたプロピレンホモポリマーペレットを用いシリンダ温度200℃、金型温度40℃で射出成形、および溶融温度200℃、冷却温度20℃で圧縮成形し各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0036】
参考例1
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムの代わりに平均粒径1.2μmの水酸化マグネシウムを0.1重量部添加した以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0037】
実施例2
結晶核剤Aを0.4重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0038】
参考例2
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムの代わりに平均粒径1.2μmの水酸化マグネシウムを0.1重量部添加した以外は実施例2と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0039】
実施例3
結晶核剤Aの代わりに結晶核剤Bを0.2重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0040】
参考例3
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムの代わりに平均粒径1.2μmの水酸化マグネシウムを0.1重量部添加した以外は実施例3と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0041】
実施例4
結晶核剤Aの代わりに結晶核剤Cを0.2重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0042】
参考例4
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムの代わりに平均粒径1.2μmの水酸化マグネシウムを0.1重量部添加した以外は実施例4と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表2に示す。
【0043】
実施例5
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムを0.1重量部添加する代わりに0.4重量部添加した以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表2に示す。
【0044】
実施例6
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムを0.1重量部添加する代わりに0.01重量部添加した以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表2に示す。
【0045】
実施例7
結晶核剤Aの代わりに結晶核剤Dを0.2重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表2に示す。
【0046】
実施例8
プロピレン−エチレンランダムコポリマー(エチレン含量4.0mol%、温度230℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート:19g/10分)100重量部に、イルガノックス1010TM(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部、結晶核剤Aを0.2重量部、および平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムを0.1重量部添加し、20mm一軸押出機により樹脂温度220℃で溶融混練しペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。
結果を表2に示す。
【0047】
得られたプロピレン−エチレンランダムコポリマーペレットを用いシリンダ温度200℃、金型温度40℃で射出成形、および溶融温度200℃、冷却温度20℃で圧縮成形し各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表2に示す。
【0048】
実施例9
結晶核剤Aの代わりに結晶核剤Bを0.2重量部添加した以外は、実施例8と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表2に示す。
【0049】
比較例1
結晶核剤Aを用いなかった以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表3に示す。
【0050】
比較例2
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムを用いなかった以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表3に示す。
【0051】
比較例3
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムを0.1重量部添加する代わりに平均粒径5.6μmの酸化マグネシウムを0.1重量部添加した以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表3に示す。
【0052】
比較例4
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムを0.1重量部添加する代わりに平均粒径3.5μmの酸化マグネシウムを0.1重量部添加した以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表3に示す。
【0053】
比較例5
平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムの代わりに平均粒径3.5μmの水酸化マグネシウムを0.1重量部添加した以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表3に示す。
【0054】
比較例6
結晶核剤Aの代わりにマグネシウムを含まない結晶核剤Eを0.2重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表4に示す。
【0055】
比較例7
結晶核剤を用いなかった以外は実施例12と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表4に示す。
【0056】
比較例8
結晶核剤および平均粒径0.7μmの酸化マグネシウムを用いなかった以外は実施例1と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表4に示す。
【0057】
比較例9
結晶核剤および酸化マグネシウムを用いなかった以外は実施例8と同様にしてペレットを製造した。得られたペレットを用い、実施例1と同様にして各種の試験片を作製した。この試験片を用いて前記の試験方法により各種物性の測定を行った。結果を表4に示す。
【0058】
【表1】
表1中、PP−1はプロピレンホモポリマーを、PP−2はプロピレン−エチレンランダムコポリマーを示す。また、0.7MgOは平均粒径0.7μmの酸化マグネシウム、5.6MgOは平均粒径5.6μmの酸化マグネシウム、3.5MgOは平均粒径3.5μmの酸化マグネシウム、1.2Mg(OH)2は平均粒径1.2μmの水酸化マグネシウム、3.5Mg(OH)2は平均粒径3.5μmの水酸化マグネシウムを示す。
【0059】
【表2】
表2中、PP−1はプロピレンホモポリマーを、PP−2はプロピレン−エチレンランダムコポリマーを示す。また、0.7MgOは平均粒径0.7μmの酸化マグネシウム、5.6MgOは平均粒径5.6μmの酸化マグネシウム、3.5MgOは平均粒径3.5μmの酸化マグネシウム、1.2Mg(OH)2は平均粒径1.2μmの水酸化マグネシウム、3.5Mg(OH)2は平均粒径3.5μmの水酸化マグネシウムを示す。
【0060】
【表3】
表3中、PP−1はプロピレンホモポリマーを、PP−2はプロピレン−エチレンランダムコポリマーを示す。また、0.7MgOは平均粒径0.7μmの酸化マグネシウム、5.6MgOは平均粒径5.6μmの酸化マグネシウム、3.5MgOは平均粒径3.5μmの酸化マグネシウム、1.2Mg(OH)2は平均粒径1.2μmの水酸化マグネシウム、3.5Mg(OH)2は平均粒径3.5μmの水酸化マグネシウムを示す。
【0061】
【表4】
表4中、PP−1はプロピレンホモポリマーを、PP−2はプロピレン−エチレンランダムコポリマーを示す。また、0.7MgOは平均粒径0.7μmの酸化マグネシウム、5.6MgOは平均粒径5.6μmの酸化マグネシウム、3.5MgOは平均粒径3.5μmの酸化マグネシウム、1.2Mg(OH)2は平均粒径1.2μmの水酸化マグネシウム、3.5Mg(OH)2は平均粒径3.5μmの水酸化マグネシウムを示す。
Claims (5)
- (A)ポリオレフィン樹脂;100重量部、(B)ロジン酸部分マグネシウム塩;0.2〜0.4重量部および(C)平均粒径範囲が0.5〜3.0μmの酸化マグネシウム;0.01〜0.4重量部からなることを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
- 前記(B)ロジン酸部分マグネシウム塩がデヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸およびジヒドロピマル酸の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種のロジン酸の部分マグネシウム塩である請求項1に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
- 前記(B)ロジン酸部分マグネシウム塩の中和率が、1〜90%である請求項1または2に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
- 前記(B)ロジン酸部分マグネシウム塩の中和率が、5〜50%である請求項3に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
- (A)ポリオレフィン樹脂;100重量部、(B)ロジン酸部分マグネシウム塩;0.2〜0.4重量部および(C)平均粒径範囲が0.5〜3.0μmの酸化マグネシウム;0.01〜0.4重量部を溶融混練することを特徴とするポリオレフィン樹脂組成物の製造方法。
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