JP5238414B2 - ウェブの処理方法、処理槽、連続電解めっき装置およびめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法 - Google Patents

ウェブの処理方法、処理槽、連続電解めっき装置およびめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウェブの処理方法、処理槽、連続電解めっき装置およびめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法に関する。
連続的に搬送されるウェブに対し処理液を使用してウェブを処理する装置、例えば、連続的に搬送されるプラスチックフィルムの表面に、処理液としてのめっき液を収容した複数のめっき槽を順次通過させることにより所定のめっき処理を施すようにしたウェブの処理装置においては、各めっき槽にウェブ搬送のための、例えばスリット状の入口、出口が設けられるが、槽内のめっき液が大量に外部に流出しないように、液シールを施すことが一般的である。
図1に、このような装置の例として、基材としてのプラスチックフィルム1(例えば、ポリイミドフィルム、以下、単に「フィルム」と呼ぶ。)に銅(Cu)めっきを施す装置の例を示す。図1は、フィルムの処理装置の概略構成を模式的に示した平面図である。巻出部2からフィルム搬送方向に搬送されてきたフィルム1は、給電部3で給電(給電工程)された後、めっき槽4を備えためっき部5でめっき処理(めっき工程)が施される。この給電工程とめっき工程が、複数回順次繰り返され、目標とする厚みのめっき層が形成され、所定のめっき層が形成された後、巻取部6で巻き取られる。給電部3では、例えば図2に示すように、搬送ロール11(例えば、表面SUS製)と搬送ロール12(例えば、表面SUS製)の間に、給電ロール13(例えば、表面銅製)がフィルム1を押圧するように配置され、フィルム1のめっき面10に給電される。めっき部5では、例えば図3に示すように、めっき液14(例えば、硫酸銅)および銅塊15を収容しためっき槽4内にフィルム1が連続的に通されるが、通常、めっき槽4内のめっき液14の外部への漏出量を抑えるために、めっき槽4の入口、出口に液シール機構が設けられる。この液シール機構に、図3に示すような一対の液シールロール7を用いることは知られている(例えば、特許文献1)。なお、図1のフィルムの処理装置においては、フィルム1は、巻出部2から巻取部6まで、その幅方向が実質的に鉛直方向に保たれながら搬送され、これによって良好なハンドリング性とめっきの均一性を確保するようにしている(以下、フィルム幅方向を略鉛直方向に保ちながら搬送することを縦型搬送と呼ぶ)。
上記処理槽としてのめっき槽4の入口および/または出口における液シール性を確保するために、従来、特許文献1で開示されている図4に示すような機構が使用されている。すなわち、めっき液14が充満されためっき槽4の入口および/または出口のめっき槽4の内側の壁面に沿って、または、図4に示した例の如く、入口および/または出口部の外側に、小チャンバ31を形成し、その外壁面25の内側に、2個の(一対の)表面がスポンジのロール21が設けられ、両スポンジロール21が搬送されるフィルム1をニップするとともに、スポンジロール21が壁面A(25)に近接するように配置されて、液シールが行われるようになっている。(壁面B(26)との間には、比較的大きな間隙が形成されている)。そしてこの場合、ロール21間のクリアランスは固定とされている。なお、壁面A,Bとは図4において、引き出し線がでている方の面を指す。しかしながらこの方法では、ウェブと液シールロールとの間に異物を噛み込んだりしてウェブ表面にキズや打痕を発生させたり、シワや張力ムラを発生させるなどの問題がある場合があった。
このような問題を避けるため、ウェブに非接触で液漏れを抑制する方法が検討されている。特許文献2には、一対の液シールロールの間隔をウェブ厚みよりも大きく取ることで非接触にて液漏れを抑制する方法が開示されており、この方法によれば液シールロールが接触することによって発生する様々な問題を解消することが可能となる。しかしながらこの方法では、ロール間隔を大きく取ると漏出量が大きすぎるため処理液の循環装置の能力を不必要に大きくする必要があり、また被処理ウェブが樹脂フィルムのような柔軟なウェブである場合には漏れ出す液が多いためにウェブがばたつく問題も生じ、ばたつきが大きすぎればロールに接触して表面キズが発生する可能性もある。逆にロール間隔を小さくすることで漏出量は削減可能であるが、ロールとウェブとの隙間が狭すぎるためウェブの搬送が少しでも乱れるとロールに接触してキズが発生する場合があった。この傾向はウェブが柔軟であればあるほど顕著に現れる。
また、同様に非接触にて液漏れを抑制する技術として、特許文献3に開示された技術が挙げられる。特許文献3には、ウェブ(鋼帯)に接触しないように、めっき槽の開口部に鋼帯が通過する矩形のスリット部を有するめっき液流出防止板(鋼帯の通板方向に垂直な方向に設けた板)を設ける方法が開示されている。めっき液流出防止板のスリット部の間隙は、めっきされる鋼帯の厚さの最大値に加えて、通板中の鋼帯のばたつきや形状不良でも鋼帯がスリットに接触しないで通板できるように余裕代を見込んで決定されると記載されている。つまり、通板される鋼帯のばたつきや形状不良に合わせてスリット部の間隙が決定されるという技術的思想であって、スリット部の間隙によって通板される鋼帯のばたつきなどを軽減するという技術的思想ではないのである。また、特許文献3のめっき液流出防止板の厚さ(鋼帯の通板方向の長さ)は、実施例において、めっき液流出防止板の材質が合成樹脂の場合には10mm、金属板の場合には8mmと記載されている。これは、同実施例に記載されているように、めっき液流出防止板の寸法が、幅2200mm、高さ400mmといった細長いものであり、材質によって厚さを変えることによって所定の剛性を持たせようとしているものと考えられる。しかし、このような構成では、特許文献2と同様に、めっき液流出防止板間隙が広いと漏出量が大きくなり、逆に間隙が狭いとウェブとめっき液流出防止板が接触してキズを発生させる問題があるため、柔軟なウェブの処理装置においては適用が極めて難しい。
特開2003−147582号公報 特開平9−263980号公報 特開平11−256393号公報
本発明の目的は、上記の課題を解消し、ウェブの柔軟性に左右されることなく漏出量を抑制し、また、接触に起因するキズなどの表面欠点を発生させないウェブの処理方法、処理槽、電解めっき装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の構成は以下の通りである。すなわち、
本発明によれば、側壁にウェブの出入り口となる開口部および該開口部からの処理液の漏出を抑制するための液シール部が設けられた処理槽に入れられた前記処理液中を連続的に前記ウェブを通過させることによって前記ウェブに薬液処理を施す処理方法であって、前記液シール部として、所定の間隙をおいて隔てられ、通過する前記ウェブを挟んで対向している一対の壁面を備え、該一対の壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが15mm以上で、かつ前記一対の壁面で形成されるスリットの前記処理槽の深さ方向の長さの5%以上100%以下であり、かつ前記一対の壁面の間隙の前記ウェブ搬送方向の平均値が2mm以上10mm以下であるものを用いることを特徴とするウェブの処理方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記液シール部から漏れ出す前記処理液の漏出量が、前記液シール部1個につき5L/min以上300L/min以下であることを特徴とするウェブの処理方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、側壁に開口部および該開口部からの処理液の漏出を抑制するための液シール部が設けられたウェブの処理槽であって、前記液シール部として、所定の間隙を有し前記ウェブの搬送経路を挟んで対向している一対の壁面を備え、該一対の壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが15mm以上で、かつ前記一対の壁面で形成されるスリットの前記処理槽の深さ方向の長さの5%以上100%以下であり、かつ前記一対の壁面の間隙の前記ウェブ搬送方向の平均値が2mm以上10mm以下であることを特徴とするウェブの処理槽が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記所定の間隙を有して配設された壁面が、前記ウェブの搬送経路を挟むようにして向かい合わせに配設された平面を有することを特徴とするウェブの処理槽が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記液シール部から漏れ出す前記処理液の漏出量が、式1を満たすことを特徴とするウェブの処理槽が提供される。
Figure 0005238414
また、本発明の好ましい形態によれば、前記壁面の間隙が、上側よりも下側の方を狭いことを特徴とするウェブの処理槽が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが、上側よりも下側の方を長くしたことを特徴とするウェブの処理槽が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、あらかじめ導電性薄膜を片面または両面に成膜したプラスチックフィルムを連続的に複数のめっき処理槽に通して電解めっきを施す連続電解めっき装置において、少なくとも1箇所に上記の処理槽を配設してなることを特徴とするウェブの連続電解めっき装置が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、ウェブとしてプラスチックフィルムを用い、製造工程の少なくとも一部に上記のいずれかに記載の処理方法または上記のいずれかに記載の処理槽を用いることを特徴とするめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法が提供される。
本発明において、「ウェブ」とは、紙、樹脂フィルム、金属箔などのような、幅に対して厚さが充分薄く、長さが充分長いものをいう。本発明の効果が特に顕著に得られるのは樹脂フィルムや紙のウェブである。樹脂フィルムの材質としては、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。電子回路材料等で使用する銅つきフィルムを形成する場合には、汎用的なポリエステル樹脂が好ましく用いられ、回路IC等の実装でのハンダ耐熱性の関係でポリイミド樹脂が好ましく用いられる。
本発明において、「壁面」とは、所定の面積を有する面をいう。例えば、平面や曲面や溝付き平面は「壁面」の範疇に含まれる。
本発明において、「平面」とは、壁面のうち、JISB0021:1998に規定の平面度が1mm以下の面をいう。
本発明において、「平均値」は、壁面のウェブの搬送方向の長さを20等分した20点での壁面間の間隙を測定し、その平均値を求めて算出するものである。
本発明によれば、ウェブが液シール部を経由して概ね非接触で処理槽内に出入りすることが可能となり、そのため接触キズなどの表面欠点を発生させないウェブの処理方法が提供される。
また本発明の別の形態によれば、ウェブの搬送経路を挟むようにして向かい合わせに壁面を配設することにより、壁面と処理液との摩擦抵抗による流路抵抗を付与できるため、ウェブに概ね非接触で、かつ、漏出量を抑制可能な処理槽が提供される。また液シール部の各構造部材がウェブに概ね非接触であるため、接触に起因する劣化等が生じにくく、非常に長期間に亘って性能を維持することが出来、定期交換やメンテの必要がなく、交換部品コストや処理停止に伴う稼働率悪化等が生じにくい。
また本発明の好ましい形態によれば、ウェブの搬送経路を挟むようにして向かい合わせに2つの平面を配設し、この2つの平面の間の空間を処理液の流路とすることにより、不安定な圧力分布が生じにくいため、ウェブのばたつき等に起因する搬送乱れを抑制することが可能となる。
また本発明の好ましい形態によれば、液シール部からの漏出量を小さく抑えることが可能であるため、処理液の循環系設備の処理容量を小さく設計することが可能となり、低コスト化に大きく寄与することが可能となる。
連続電解めっき装置は一般的に複数の処理槽を有するため、本発明による低コスト化の恩恵が大きく、またウェブに非接触であるため接触に起因する様々な表面欠点が発生しない利点を最大限に活用できる。
以下、本発明の最良の実施形態の例として、処理槽をウェブであるポリイミドフィルム(以下、単にフィルムと呼ぶ。)の縦型搬送式連続電解銅めっき装置に適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明が適用可能なフィルムのめっき装置の概略平面図である。巻出部2からフィルム搬送方向に搬送されてきたフィルム1は、給電部3で給電(給電工程)された後、めっき槽4を備えためっき部5でめっき処理(めっき工程)が施される。この給電工程とめっき工程が、複数回順次繰り返され、目標とする厚みのめっき層が形成され、所定のめっき層が形成された後、巻取部6で巻き取られる。給電部3では、例えば図2に示すように、搬送ロール11(例えば、表面SUS製)と搬送ロール12(例えば、表面SUS製)の間に、給電ロール13(例えば、表面銅製)がフィルム1を押圧するように配置され、フィルム1のめっき面10に給電される。図5は本発明の一実施形態に係るフィルムのめっき装置のめっき部の拡大概略横断面図である。図1に示すめっき部5では、図5に示すように、めっき液14および銅塊15を収容しためっき槽4内にフィルム1が連続的に通されるが、めっき槽4内のめっき液14の外部への漏出量を抑えるために、めっき槽4の入口、出口に液シール部7が設けられている。液シール部7はめっき槽4の入口、出口の側壁に密接して設けられており、めっき液14は液シール部7とめっき槽4の側壁の間からはほとんど流出しないように構成されている。液シール部7とめっき槽4の側壁の間には、その間からの漏れを防ぐためのシール部材を設けてもよいし、設けなくてもよい。この間からの漏れがフィルムの搬送に影響を与えない程度であれば、シール部材は設けなくてもよい。
図6aに、図5の液シール部7を拡大した概略構成図を示す。液シール部7は、めっき液14を収容しためっき槽4の出入り口にて、フィルム1の搬送経路を挟んで対向するように整流部材29a,29bを配設して構成される。整流部材29a,29bの材質としては、めっき液に耐性のある材質を用いるのが好ましい。例えば硫酸銅めっき浴であれば、塩化ビニルやポリエステル系樹脂が好適に用いられる。図6aではめっき槽4内部に整流部材29a,29bを配設しているが、めっき槽4外部であってもかまわない。図7に、本発明の一実施形態による液シール部を縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの概略側面図を示す。図7に示すように、整流部材29a,29bの深さ方向の長さはめっき槽4の側壁に設けられたフィルム出入り口となる開口部32の深さ方向長さと同じか、開口部32の長さよりも長くするのが好適である。整流部材29a,29bの上面は、おおよそめっき液面の高さと同じになるように構成するのがよいが、特に制約するものではない。整流部材29a,29bの上面が液面下にあっても、液面上にあってもよい。
図6aに示すように、フィルム1は整流部材29aとC1だけ離れ、整流部材29bとC2だけ離れて、整流部材29aと整流部材29bの間を非接触で搬送され、めっき液14はフィルム1に沿って整流部材29aとフィルム1との間(すなわちC1)、整流部材29bとフィルム1との間(すなわちC2)から、それぞれ漏れ出す(液シール部から漏れる処理液30)。整流部材29aとフィルム1との間、整流部材29bとフィルム1との間をそれぞれ流れる液の液流を安定化させる観点から、整流部材29a,29bのフィルム1側にあたる面は互いに平行な平面であることが好ましい。なお、このときの処理液30の漏出量は、理論的には以下の式2で導かれる。
Figure 0005238414
ここで、整流部材29aと整流部材29bの間を非接触で安定して搬送されるメカニズムについて説明する。C1(整流部材29aとフィルム1との間)=C2(整流部材29bとフィルム1との間)となるような状態でフィルムが搬送されている場合には、フィルム1の両面から圧力が同じように作用するため、安定した状態で搬送されることになる。一方、C1=C2といった安定した状態から、フィルム1に何らかの外力が作用してフィルム1が整流部材29a側に偏った場合には、C2側の流路が拡大(C1<C2)するため、整流部材29bとフィルム1との間(C2)の流路抵抗が減少して圧力が低下する。その結果フィルム1は整流部材29b側に吸い寄せられ、元に戻ろうとする力が働く。逆に整流部材29b側にフィルム1が偏った場合は整流部材29a側に寄せられる方向に力が働く。このようなメカニズムでフィルム1は整流部材29a,29bに接触しにくい状態で安定して搬送されるのである。なお、このメカニズムが有効に作用するためには、搬送する対象物は薄く、軽い方がよい。したがって、厚みが10μm以上100μm以下のウェブが好適であり、特にプラスチックフィルムは軽く、しかも柔軟なので、上記作用が有効に働きやすく好ましい。またウェブの搬送張力は、50N/m以上500N/m以下とするのが好ましい。これは50N/mを下回った場合は液シール部から漏れ出す液流によってウェブがあおられてばたつきを生じ、500N/mを超えた場合は見かけ上ウェブの剛性が上がったような作用をするため上記メカニズムが有効に作用しにくくなるためである。
整流部材29aと整流部材29bとの間隙(すなわち、整流部材29aと整流部材29bのフィルム側の壁面のフィルムの搬送経路の面の法線方向の間隙)C1+C2は、処理液30の漏出量を削減する観点から10mm以下とするのが好ましい。ただし余りに小さすぎるとフィルム1が整流部材29a,29b等に接触しやすくなるため、0.25mm以上とするのが好ましい。なお、フィルム1に沿って処理液30が漏れ出すため、漏出量が大きすぎると図5に示す回収ゾーン16のフィルム搬送方向の長さを長くする必要がある。このため、回収ゾーン16のフィルム搬送方向の長さを短くし、なおかつ、フィルム1の接触を防いで安定搬送させるためには、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を1mm〜3mmの範囲内とするのがより好ましい。
ここで整流部材の壁面の形状は、平面でも曲面でも良い。曲面の場合、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2は、フィルム搬送方向に関する間隙の平均値で近似すれば良い。図6b、図6c、図6dに壁面形状の一例を示す。図6bのような2つの平行平面である場合、C1+C2は平行平面の間隙そのものとなる。図6cのような曲面の場合、フィルム搬送方向の位置によってC1+C2が変化する。このような場合は先に述べた通り、C1+C2のフィルム搬送方向に関する平均値を、壁面のウェブ搬送方向長さLを20等分して20点の間隙C1+C2を平均して求めれば良い。図6dのように2つの円柱を並べたような形状の場合も、同様にフィルム搬送方向の位置によってC1+C2が変化するため、フィルム搬送方向に関する平均値をとる。ここで注意しなければならないのは、C1+C2を変化させるために円柱の外径を変化させると、同時に壁面のウェブ搬送方向長さLも変化してしまう点である。Lの役割、期待効果については後で詳述するが、基本的にLが大きいほど流量が削減できる。しかし、流量を削減しようとLを大きくすると、自動的にC1+C2も大きくなる。C1+C2は小さいほど流量が削減できるのでこの部分はトレードオフの関係にあり、最適化が極めて困難である。それゆえ、本発明の実施にあたっては図6dに示すような円柱を2つ並べたような形状で構成することは避けるべきである。
また、壁面曲線のうち、壁面曲線の接線とウェブ搬送方向とのなす角度(接線とウェブ搬送方向とが平行のときを0度とする。図6e参照。図6eは壁面曲線の接線とフィルム搬送方向とのなす角度の解説図である。)が−20度以上20度以下となる部分が壁面全体の40%を超えることが流量削減の観点から好ましく、壁面曲線の接線とウェブ搬送方向とのなす角度が−20度以上20度以下となる部分が壁面全体の70%を超えていれば、極めて滑らかな壁面を形成できるので液流が安定するため、より好ましい。
なお、壁面曲線は、壁面のマクロ的なプロファイルを表すものであって、いわゆる粗さ曲線のようなミクロ的な曲線は含まないものとする。
整流部材29aとフィルム1との間、整流部材29bとフィルム1との間をそれぞれ流れる液流はフィルム1を整流部材29a,29bに接触させないようにする機能を有する。このため、処理液30の漏出量は5L/min以上であることが好ましい。また、この漏出量が多すぎる場合、めっき液14を循環させるためのポンプの能力や、めっき液14をストックしておく貯槽の容量が大きくなったりするため、これらを適正範囲に抑える観点から、300L/min以下であることが好ましい。
なお、本実施形態の液シール部7の構造は、縦型搬送方式のめっき槽に好適に用いることが出来る。図7に示すように、整流部材29a,29bのフィルム搬送方向の長さLは、処理液30の漏出量を削減する観点から、整流部材29a,29bにて形成されるスリットの深さ方向長さの5%以上とするのが好ましい。これは、式2に示したように、処理液30の種類、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2、スリットの上側端部から液面までの距離H1、スリットの下側端部から液面までの距離H2が決まってしまえば、整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLが長いほど、整流部材29a,29bの壁面により圧力損失が生じ、めっき槽4からの処理液30の漏出量は少なくなるためである。また、整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLがあまりにも長すぎる場合はフィルム1が整流部材29a,29bに接触してしまうリスクが高まる。さらに漏出量は前述のとおり式2により算出できるので、フィルム搬送方向長さLがある程度以上大きくなると漏出量削減効果は小さくなる。このため、漏出量削減効果と接触のリスクとのバランスを勘案し、100%以下とするのが好ましい。さらに好ましくは、70%以下、さらに好ましくは50%以下とするのがよい。なお、漏出量削減効果は、スリット深さ方向長さが大きい、広幅ウェブ用の処理槽において特に顕著に現れる。このためウェブ幅が300mmを超えるようなウェブの処理槽には特に好適に用いることが出来る。
なお、整流部材29a,29bのフィルム側の壁面が平行である場合には、処理液30の漏出量は、めっき槽上側は少なく、下側は多くなる。これは、水頭差によってめっき槽4内の処理液30の圧力が場所によって異なるためである。めっき槽上側は圧力水頭が小さく、間隙から漏出する処理液の流量が少ないが、めっき槽下側は圧力水頭が大きく、間隙から漏出する処理液の流量が多いのである。このため、図8に示すように整流部材29a,29bのフィルム搬送方向の長さLは、上側よりも下側の方を、液面からスリット上端までの距離と液面からスリット下端までの距離との比に応じて適宜長くすることが好ましい。図8は本発明の一実施形態による液シール部を縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの概略側面図である。このような構成にすることにより、整流部材29aと整流部材29bとの間隙において、漏出する処理液の流量の整流部材29a,29bにて形成されるスリットの深さ方向のばらつきを抑制することができる。その結果、深さ方向の位置に関わらず、フィルムの搬送位置を安定化しようとする前述の作用が一定になりやすいので、フィルムの全幅に渡って整流部材29a,29bの壁面にフィルムを接触させることなく、フィルムを安定して搬送することができるようになるのである。
また図9に示すように下側の整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を上側のそれよりも小さくすることが好ましい。図9は本発明の一実施形態による液シール部を縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの概略正面図である。このような構成にすることにより、整流部材29aと整流部材29bとの間隙において、漏出する処理液の流量の整流部材29a,29bにて形成されるスリットの深さ方向のばらつきを抑制することができ、整流部材29a,29bの壁面にフィルムを接触させることなく、フィルムを安定して搬送することができるようになるのである。結局、深さ方向のC×H/Lの最大値と最小値の比が8倍以下であることが好ましい。
なお、整流部材29a,29bをこのような構成にしたとき、めっき槽4の側壁に設けられたフィルム出入り口となる開口部は、整流部材29a,29bのフィルム搬送経路側の壁面で形成されるスリットの形状に合うように形成してもよいし、整流部材29a,29bのめっき槽4側の面より大きくならない範囲でスリットの形状より大きく形成されていてもよい。また、開口部の下端は整流部材29a,29bの下端に合うように形成されている。
整流部材29a,29bは、スリット内部と外部との圧力差を受けてたわむことが考えられるが、式1に示すとおり、スリットからの漏出量はスリット間隙の3乗に比例するため、小さな変位が大きな漏出量の差となる。このため部材の厚みtを大きくしてたわみを出来るだけ小さくすることが好ましい。また整流部材29a,29bのめっき槽内側端部のフィルム1側の角から5〜20mmの範囲には、槽内の液流によってフィルム1が大きくあおられても整流部材29a,29bに接触しないように少し広げておくことが好ましい。あまりに広すぎると流路抵抗が小さくなるため漏出量が増加し、また液流が不安定になるため、10mm〜100mmの曲面加工を施すことがより好ましい。なお、曲面加工を施した部分は厳密に言えばスリット間隙が広がることになるが、上記範囲内の曲面加工であれば、図6aに示すように曲面加工部分を含めた長さを壁面のフィルム搬送方向長さLとしてもかまわない。
本実施形態によるめっき槽を、プラスチックフィルムの連続電解めっき装置に用いれば、微小なキズやザラなどの発生を抑制することができ、またニップロール方式の接触回転シール方式に対してメンテナンスフリーで運用できるため、ランニングコストを削減することも可能となるので好ましい。フレキシブル回路基板用基材など、高品位と低コストを同時に強く要求されるような用途においては特に好適に用いることができる。
なお、本実施形態では、処理槽をポリイミドフィルムの縦型搬送式連続電解銅めっき装置に適用した場合を例にとって説明したが、処理槽はその他の用途、例えば、ウェブの洗浄槽や無電解めっき槽などのウェブのウェット処理槽全般に適用できる。
以下に具体的な実施例をもって本発明を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの具体的な実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
縦型搬送方式のめっき槽内側に図6a、図7に示すような構成の液シール部を設けた。すなわち、整流部材29a,29bの壁面が平行であり、また、整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLがスリット深さ方向に同じ長さである液シール部を設けている。整流部材29a,29bは硬質塩化ビニルにて製作した。整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2は2mmとした。整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLは75mmとした。整流部材29a,29bの部材の厚みtは30mmとした。スリット深さ方向長さは600mmとした(整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLは、スリット深さ方向長さの12.5%となる)。また、図6aに示すように、整流部材29a,29bのめっき槽内側端部には、図の横方向に関して整流部材のフィルム側表面から50mmだけ基材と反対方向、図の縦方向に関して整流部材下側端部から10mm上にオフセットした位置と中心とした半径50mmの円弧を描くような曲面加工を施した。
上記のように構成しためっき槽に市水を収容して液漏れ確認を行った。めっき槽内の液面を一定に保つために必要なポンプ吐出量を、循環系配管内に設置されたフロート式流量計にて測定した。液面から液面下にあるスリット上端部までの距離が50mm、液面からスリット下端部までの距離が650mmで、スリットの深さ方向の長さは700mmである。フィルムとして片面に銅を厚さ0.1μmスパッタリング法にて成膜した厚さ38μm、幅520mmのポリイミドフィルムを用いた。その結果、液シール部1箇所につき、約100L/minの漏出量であることを確認した。
上記構成を縦型搬送の連続電解銅めっき装置に適用して銅めっき膜付きポリイミドフィルムの製造実験を行った。めっき装置には10個のめっき槽があり、それぞれの入り口側および出口側に液シール部を設置した(合計20箇所)。原反には片面に厚さ0.1μmの銅膜をスパッタリング法にて成膜した厚さ38μm、幅520mmのポリイミドフィルムを使用した。張力は最初のめっき槽の入り口で40N/全幅、最後のめっき槽の出口側で190N/全幅となるよう漸増させる設定とした。電流密度は、最後のめっき槽を出たフィルムの銅膜厚が8.5μmとなるように適宜設定した。なおこれらの条件は、液シール部に従来技術であるニップロール方式の接触回転シールを用いるときと同じ条件である(比較例1参照)。このようにして銅めっき膜付きポリイミドフィルムを製造した結果、スリキズやザラの非常に少ない、高品位なめっき膜を得ることができた。
条件および結果をまとめたものを表1に示す。
Figure 0005238414
[実施例2]
実施例と同様のめっき槽にて、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を3mmとしたものを用いて実施例1と同様の実験を行った。
漏出量は液シール部1箇所につき約180L/minであった。
めっき実験も実施例1と同様の方法で実施し、スリキズやザラの非常に少ない、高品位なめっき膜を得ることができた。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
[実施例3]
実施例と同様のめっき槽にて、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を上側3mm、下側2mmとし、中間部は一定の勾配で変化するようにしたものを用いて実施例1と同様の実験を行った。
漏出量は液シール部1箇所につき約130L/minであった。
めっき実験も実施例1と同様の方法で実施し、スリキズやザラの非常に少ない、高品位なめっき膜を得ることができた。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
[実施例4]
実施例と同様のめっき槽にて、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を上側3mm、下側2mmとし、中間部は一定の勾配で変化するようにし、整流部材の搬送方向長さLを45mmとしたもの(整流部材のフィルム搬送方向長さLは、スリット深さ方向長さの7.5%となる)を用いて実施例1と同様の実験を行った。
漏出量は液シール部1箇所につき約170L/minであった。
めっき実験も実施例1と同様の方法で実施し、スリキズやザラの非常に少ない、高品位なめっき膜を得ることができた。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
[実施例5]
実施例1の構成のめっき槽において、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を20mmにしたところ、スリキズやザラの非常に少ない、高品位なめっき膜を得ることができたものの、スリットからの液漏れ量が多すぎて、ポンプ能力の大きい装置が必要となった。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
[実施例6]
実施例1の構成のめっき槽において、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を0.1mmにし、実施例1と同様の銅めっき膜付きポリイミドフィルムの製造実験を行ったところ、スリットからの液漏れ量は少なくなったものの、多少スリキズが発生した。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
[比較例1]
実施例1の構成のめっき槽において、液シール部を図4に示す構成とした。スポンジロール21の材質は塩化ビニルを用いた。ロール径は直径40mmとし、2つのロールの軸間距離を38mmとしてニップさせる構造とした。
上記構成を縦型搬送の連続電解銅めっき装置に適用して実施例1と同様の銅めっき膜付きポリイミドフィルムの製造実験を行った。その結果、表面に微小なスリキズが発生していることを確認した。またスポンジロール表面が汚れているものを使用した場合はさらにめっき膜への汚れの転写が発生し、さらに微小ザラやスリキズの発生も確認された。このように高品位のめっき膜を得ることは非常に難しかった。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
[比較例2]
実施例1の構成のめっき槽において、整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLを10mmにしたところ(整流部材のフィルム搬送方向長さLは、スリット深さ方向長さの約1.7%となる)、スリットからの漏出量が多すぎて、ポンプ能力の大きい装置が必要となった。また、スリットからの液漏れ量が多く、流速が高いため、めっき槽のすぐ外側でフィルムが大きくばたついていることが確認され、搬送が安定しないことがわかった。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
[比較例3]
実施例1の構成のめっき槽において、整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLを10mm、整流部材29aと整流部材29bとの間隙C1+C2を0.4mmに設定した。
上記のように構成しためっき槽に市水を収容して液漏れ確認を行った。めっき槽内の液面を一定に保つために必要なポンプ吐出量を、循環系配管内に設置されたフロート式流量計にて測定した。液面からスリット上端部までの距離が50mm、液面からスリット下端部までの距離が650mmで、フィルムとして片面に銅を厚さ0.1μmスパッタリング法にて成膜した厚さ38μm、幅520mmのポリイミドフィルムを用いた。その結果、液シール部1箇所につき、約180L/minの液漏れ量であることを確認した。
上記構成を縦型搬送の連続電解銅めっき装置に適用して実施例1と同様の銅めっき膜付きポリイミドフィルムの製造実験を行った。その結果、表面にスリキズが発生していることを確認した。まためっき槽のすぐ外側でフィルムがばたついていることが確認され、搬送が安定しないことがわかった。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
[比較例4]
実施例1の構成のめっき槽において、整流部材29a,29bに替えて直径30mmの丸棒を用い、その丸棒同士の隙間を2mmに設定した。この場合、整流部材29a,29bのフィルム搬送方向長さLに相当する長さはゼロである。
上記のように構成しためっき槽に市水を収容して液漏れ確認を行った。めっき槽内の液面を一定に保つために必要なポンプ吐出量を、循環系配管内に設置されたフロート式流量計にて測定した。液面からスリット上端部までの距離が50mm、液面からスリット下端部までの距離が650mmで、フィルムとして片面に銅を厚さ0.1μmスパッタリング法にて成膜した厚さ38μm、幅520mmのポリイミドフィルムを用いた。その結果、液シール部1箇所につき、約200L/minの液漏れ量であることを確認した。
上記構成を縦型搬送の連続電解銅めっき装置に適用して実施例1と同様の銅めっき膜付きポリイミドフィルムの製造実験を行った。その結果、表面にスリキズが発生していることを確認した。まためっき槽のすぐ外側でフィルムがばたついていることが確認され、搬送が安定しないことがわかった。条件および結果をまとめたものを表1に示す。
本発明は、ウェブに非接触で安定搬送可能な構造であるため、ウェブ自体が非常に柔軟で、かつ、非常に厳しい表面品位を要求されるフレキシブル回路基板用基材としてのプラスチックフィルムの連続電解めっき装置において好適であるが、プラスチックフィルムの連続電解めっき装置に限らず、その他のウェブの連続電解めっき装置や電解処理装置等、薬液を用いてウェブを処理する装置全般に応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
本発明が適用可能なフィルムのめっき装置の概略平面図である。 図1の装置の給電部の拡大平面図である。 図1の装置の従来のめっき部の拡大概略横断面図である。 従来の技術における液シール部の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るウェブのめっき装置のめっき部の拡大概略横断面図である。 図5の液シール部を拡大した概略構成図である。 壁面形状の一例(平行平面)の概念図である。 壁面形状の一例(曲面)の概念図である。 壁面形状の一例(円柱)の概念図である。 壁面曲線の接線とフィルム搬送方向とのなす角度の解説図である。 本発明の一実施形態による液シール部を縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの概略側面図である。 本発明の一実施形態による液シール部を縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの概略側面図である。 本発明の一実施形態による液シール部を縦型搬送方式のめっき槽に適用したときの概略正面図である。
符号の説明
1 フィルム
2 巻出部
3 給電部
4 処理槽としてのメッキ槽
5 メッキ部
6 巻取部
7 シールロール
10 メッキ面
11、12 搬送ロール
13 給電ロール
14 処理液としてのメッキ液
15 銅塊
16 回収ゾーン
21 スポンジロール
22 基材
24 小チャンバ
25 壁面A
26 壁面B
27 壁面C
28a,28b スリット
29a,29b 整流部材
30 液シール部から漏れる処理液
31 小チャンバ
32 開口部
θ 点Aにおける接線とフィルム搬送方向とのなす角度

Claims (9)

  1. 側壁にウェブの出入り口となる開口部および該開口部からの処理液の漏出を抑制するための液シール部が設けられた処理槽に入れられた前記処理液中を連続的に前記ウェブを通過させることによって前記ウェブに薬液処理を施す処理方法であって、前記液シール部として、所定の間隙をおいて隔てられ、通過する前記ウェブを挟んで対向している一対の壁面を備え、該一対の壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが15mm以上で、かつ前記一対の壁面で形成されるスリットの前記処理槽の深さ方向の長さの5%以上100%以下であり、かつ前記一対の壁面の間隙の前記ウェブ搬送方向の平均値が2mm以上10mm以下であるものを用いることを特徴とするウェブの処理方法。
  2. 前記液シール部から漏れ出す前記処理液の漏出量が、前記液シール部1個につき5L/min以上300L/min以下であることを特徴とする請求項1に記載のウェブの処理方法。
  3. 側壁に開口部および該開口部からの処理液の漏出を抑制するための液シール部が設けられたウェブの処理槽であって、前記液シール部として、所定の間隙を有し前記ウェブの搬送経路を挟んで対向している一対の壁面を備え、該一対の壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが15mm以上で、かつ前記一対の壁面で形成されるスリットの前記処理槽の深さ方向の長さの5%以上100%以下であり、かつ前記一対の壁面の間隙の前記ウェブ搬送方向の平均値が2mm以上10mm以下であることを特徴とするウェブの処理槽。
  4. 前記所定の間隙を有して配設された壁面が、前記ウェブの搬送経路を挟むようにして向かい合わせに配設された平面を有することを特徴とする請求項3に記載のウェブの処理槽。
  5. 前記液シール部から漏れ出す前記処理液の漏出量が、式1を満たすことを特徴とする請求項3または4に記載のウェブの処理槽。
    Figure 0005238414
  6. 前記壁面の間隙が、上側よりも下側の方を狭いことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のウェブの処理槽。
  7. 前記壁面の前記ウェブの搬送方向の長さが、上側よりも下側の方を長くしたことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のウェブの処理槽。
  8. あらかじめ導電性薄膜を片面または両面に成膜したプラスチックフィルムを連続的に複数のめっき処理槽に通して電解めっきを施す連続電解めっき装置において、少なくとも1箇所に請求項3〜7のいずれかに記載の処理槽を配設してなることを特徴とするウェブの連続電解めっき装置。
  9. ウェブとしてプラスチックフィルムを用い、製造工程の少なくとも一部に請求項1または2に記載の処理方法または請求項3〜7のいずれかに記載の処理槽を用いることを特徴とするめっき膜付きプラスチックフィルムの製造方法。
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