JP4730650B2 - シートの処理装置およびそれを用いたシートの製造方法 - Google Patents

シートの処理装置およびそれを用いたシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続的に搬送されるシートに対し処理液を使用してシートを処理する装置およびそれを用いたシートの製造方法に関し、とくに、処理槽内の処理液に対し所望のシール性を維持しつつ、良好な処理品質を確保可能な、シートの処理装置およびそれを用いたシートの製造方法に関する。
連続的に搬送されるシートに対し処理液を使用してシートを処理する装置、例えば、連続的に搬送されるプラスチックフィルムの表面に、処理液としてのメッキ液を収容した複数のメッキ槽を順次通過させることにより所定のメッキ処理を施すようにしたシートの処理装置においては、各メッキ槽にシート走行のための、例えばスリット状の入口、出口が設けられるが、槽内のメッキ液が大量に外部に流出しないように、液シールを施すことが必要である。例えば、図1に、基材としてのプラスチックフィルム1(例えば、ポリイミドフィルム)に銅(Cu)メッキを施す装置の例を示すように、巻出工程2から基材走行方向に搬送されてきたフィルム1は、給電工程3で給電された後、メッキ槽4を備えたメッキ工程5でメッキ処理が施される。この給電工程3とメッキ工程5が、複数回順次繰り返され、目標とする厚みのメッキ層が形成され、所定のメッキ層が形成された後、巻取工程6で巻き取られる。給電工程3では、例えば図2に示すように、搬送ロール11(例えば、表面SUS製)と搬送ロール12(例えば、表面SUS製)の間に、給電ロール13(例えば、表面銅製)がフィルム1を押圧するように配置され、フィルム1のメッキ面に給電される。メッキ工程5では、例えば図3に示すように、メッキ液14(例えば、硫酸銅)および銅塊15を収容したメッキ槽4内にフィルム1が連続的に通されるが、通常、メッキ槽4内のメッキ液14の外部への流出量を抑えるために、メッキ槽4の入口、出口に液シール機構が設けられる。この液シール機構に、図示のような一対の液シールロールを用いることは知られている(例えば、特許文献1〜5)。なお、図1は、シートの処理装置を平面図として観た場合を示している。すなわち、フィルム1は、巻出工程2から巻取工程6まで、その幅方向が実質的に鉛直方向に保たれながら搬送され、これによって良好なハンドリング性とメッキの均一性を確保するようにしている。
上記処理槽としてのメッキ槽4の入口および/または出口における液シール性を確保するために、従来、代表例として、図4に示すような機構が使用されている。すなわち、メッキ液14が充満されたメッキ槽4の入口および/または出口に(場合によっては、図示の如く、入口および/または出口部に、小チャンバーを形成してその中に)、2個の(一対の)表面がスポンジのロール21が設けられ、両スポンジロール21が搬送される基材22をニップするとともに、スポンジロール21が壁面Aに近接するように配置されて、液シールが行われるようになっている(壁面Bとの間には、比較的大きな間隙が形成されている)。そしてこの場合、ロール21間のクリアランスは固定とされている。
しかしながら、このような液シール機構では、ロール21間のクリアランスは調整不可でロール21の位置精度のみに依存することになるが、ロール径の経時変化でクリアランスが変化し、所望の液シール性能を維持できなくなるおそれがある。また、ロール21のスポンジ表面は摩耗しやすいので、摩耗が生じると、クリアランスが変化し、ロール軸方向の均一シール性が損なわれて、やはり所望の液シール性能を維持できなくなるおそれがある。さらに、入口および/または出口部は液の流出により液圧が下がるため液圧差でロール21が壁面A方向(図4に矢印で図示)に撓むおそれがある。壁面A方向に撓むと、ロール21が壁面Aと強く接触することになり、ロール21の回転不良が発生してロール21の表面と基材22が擦れ、基材22や製品の傷発生の原因となるおそれがある。
このような問題を含む従来一般の技術に対し、種々の改良が提案されている(例えば、特許文献1〜5)。特許文献1には、鉛直状態で条材が貫通する開口部が形成された側壁と、開口部近傍に鉛直に配置され、条材を挟み込むための一対の円柱状部材とを有する液シール装置が提案されており、開口部が形成された側壁と円柱状部材が接している(近接も含む)構成や、円柱状部材の上下端を大径とする構成、円柱状部材が回転可能かつ水平方向に移動可能な構成等も記載されている。この提案は、それ以前の条材水平搬送のではメッキ厚みが不均一になり、かつ、搬送工程で傷がつきやすいという欠点を改良しようとしたものである。円柱状部材(ロール)の表面には塩化ビニルや”テフロン”(登録商標)等の剛性体が使用されており、ロールは回転・水平移動可能だが、固定部にはガタがある構造となっている。また、ロールは液圧で基材や壁面に押し付けられるものであり、強制的に押し当てるとの記載はない。
特許文献2には、メッキ槽の両端壁にスリットを形成し、壁内側に2本のシールロールを配設し、シールロールはスリットを挟む状態で配列され、軸と直交する方向に移動自在、かつ周面が離接自在なことを特徴とする連続メッキ装置における液もれ防止装置が提案されている。この提案は、それ以前の、スリット形成されたスポンジ板によるシール、とくに擦れて傷が発生しやすく、液圧差により面圧が不均一になって液が漏れ易いという欠点を改良しようとしたものである。ロール表面には例えば軟質塩化ビニル+溝加工の構造が採用されている。ロールは槽壁面に対し離接可能であり、摩擦力で液処理条材に密着し、さらには液圧で壁面に密着するものであり、強制的に押し当てるとの記載はない。
特許文献3には、垂直な被処理板の通過する処理槽の入口と出口の少なくとも一方の槽外に互いに被処理板に向い開いたコの字形断面のシール用ハウジングを設け、各シール用ハウジングの中に被処理板に当接する駆動シールロールの被処理板と反対側に当接するシール板と、シール板を駆動シールロールに押圧する上下に長いエアバルーンを配置したことを特徴とするメッキ装置の液漏れ防止機構が提案されている。この提案は、それ以前の、槽壁とシールロールの隙間からの液漏れ量が大きいこと、摩耗で液漏れが悪化することを改良しようとしたものである。シールロールは駆動であり、ロール軸端位置を長穴で変更し、被処理板への圧接力を調整できるようにしている。ロール表面には、ネオプレンゴムや塩化ビニル、”テフロン”(登録商標)等を使用している。また、強制的な押圧力を用いないので、圧接力を一定に調整することはできない構成となっている。
特許文献4には、ワークを垂直に搬送・処理する装置であって、処理槽の端壁に設けられた垂直なスリットのシールがルーズに配置されたロッド又は管の対で形成されており、ロッドは液圧でワークに圧着されるようにした装置が提案されている。また、ロッドが円筒状断面を有する構成、シールは処理槽とは別の区画(スルース室)内に配置されている構成、シールがプラスチックから成る構成等も提案されている。この提案は、それ以前の、弾性的な圧着(ロール位置固定)+駆動方式では液の流出を十分に防止することができず、かつ装置が複雑になるという欠点を改良しようとしたものである。液圧でロール同士が密着され、かつスリットのある壁面へも密着するため、フリーロールでも良好なシール性が確保されると記載されている。
特許文献5には、処理槽側壁に垂直なスリットを設け、スリットに近接する処理槽内側にロール対を垂直に配置し、ロール対は磁力で相互に吸着するようにしたことを特徴とするメッキ装置の液漏れ防止機構が提案されている。また、ロールを処理槽内に別に設けた区画内に収容し、一方のロールには磁石、もう一方には磁性体を内蔵し、両ロールに内蔵した磁石の極性を逆にする構成等も提案されている。この提案は、それ以前の、ロールが液圧で相互に又は壁面に圧着するため、液圧変動でシール性能が変動し、シール性が不十分になるという欠点を改良しようとしたものである。ロールはワーク移送方向の壁面にも押し付けられるためシール性が維持されると記載されているが、壁面との接触による回転不良については記載されていない。
特開2003−147582号公報 特開平2−182895号公報 特開平8−239797号公報 特表平9−505638号公報 特開2002−275681号公報
上述の如く、縦型搬送メッキ工程におけるメッキ槽の液シール方法について、一対のロールを用いることについては公知である(特許文献1〜5)。しかし、ロール同士を液圧で密着させる方式では(特許文献1、2、4)、とくに液圧変動でシール性が安定しないため、十分なシール性を確保することができない。また、ロール同士を内部に埋め込まれた磁石で密着させる方式(特許文献5)には、次のような問題がある。(1)ロール径の経時変化やウェブの厚み変動で軸間距離が変化すると密着力も変化するため、シール性能が経時で安定しない。(2)ロール構造が複雑になりコスト高となる。電気的押圧手段でも同じことが言える。(3)密着力が強すぎると、シールロールの回転不良でウェブに傷が発生する。
また、ロールと壁面を接触させることでシール性を確保することも公知である(特許文献1〜5)。しかし、このようにロールと壁面を接触させると、ロール回転不良でウェブに傷が発生するおそれやロール表面が摩耗し、シール性が損なわれるおそれがある。また、スリットのある壁面とロールを近接させると(特許文献1、4、5)、ロールが液圧差で特にスリット方向に撓み壁面と強く接触するため、ロール回転不良による傷が発生するおそれややロール表面が摩耗し、シール性が損なわれるおそれがある。さらに、ロールを回転駆動することで回転不良は解消するものの(例えば、特許文献3)、そうすれば装置コストが高くなるため、図1に示したように多数のロールが必要なメッキ装置では致命的な欠点となる。
そこで本発明の課題は、安価かつ簡素な装置構成にて、液漏れに対する所望のシール性を維持しつつ、良好な処理品質を確保可能な、シートの処理装置およびそれを用いたシートの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るシートの処理装置は、処理液が収容され、シートの出口および入口が設けられた処理槽と、該処理槽の前記出口および入口の少なくとも一方の近傍に設けられた2個のロールと、該2個のロール間にシートのニップ部を形成するように前記2個のロールの少なくとも一方を押圧する押圧手段とを備えたシートの処理装置であって、前記2個のロールそれぞれの外周面と前記処理槽の壁面との間が非接触状態に保たれているとともに、該ロール外周面と処理槽壁面との間に、前記2個のロールのロール外径の2%以下0.1%以上の間隙を有するシール部が少なくとも1ヶ所形成されており、かつ、前記押圧手段が機械的押圧手段からなることを特徴とするものからなる。上記間隙がロール外径の2%を越えると、この間隙を通しての液漏れ量が多くなり、シール部としての機能が損なわれる。また、上記間隙がロール外径の0.1%未満であると、ゴムロールの場合の外径精度が高々0.05mm程度であることから、接触のおそれが生じる。
また、本発明に係るシートの処理装置は、処理液が収容され、シートの出口および入口が設けられた処理槽と、該処理槽の前記出口および入口の少なくとも一方の近傍に設けられた2個のロールと、該2個のロール間にシートのニップ部を形成するように前記2個のロールの少なくとも一方を押圧する押圧手段とを備えたシートの処理装置であって、前記2個のロールそれぞれの外周面と前記処理槽の壁面との間が非接触状態に保たれているとともに、前記2個のロールそれぞれの前記ニップ部とは反対側の外周面と前記処理槽の壁面との間に、前記2個のロールのロール外径の2%以下0.1%以上の間隙を有するシール部がそれぞれ形成されていることを特徴とするものからなる。このシートの処理装置においても、上記押圧手段が機械的押圧手段からなることが好ましい。
このような本発明に係るシートの処理装置においては、前記押圧手段が、前記2個のロールのうち少なくとも1本のロールの両側に(例えば、ロールの両側のベアリングハウジングに当接あるいは連結されるように)設けられている構成とすることができる。
この押圧手段としては、例えば、バネや、ボールプランジャを用いることができる。
また、本発明においては、被処理基材としてのシートとして、特に限定されないが、例えば前述の如く、プラスチックフィルムを用いることができる。
また、本発明に係るシートの処理装置としては、被処理基材としてのシートに処理液、処理槽を用いて処理するものであれば特に限定されないが、本発明は、とくに、シートにメッキ処理するための装置に適用して好適なものである。
シートの搬送姿勢についても特に限定されないが、本発明は、前記シートが、該シートの幅方向が鉛直方向から±10度以内の方向に保たれながら前記処理槽を通過するシートの処理装置に適用できる。このようなシートの搬送姿勢では、ハンドリングの容易性が確保されるとともに、処理の均一性が容易に確保される。
また、本発明におけるロールの表面材質としては、加工精度や耐磨耗性等の面から、前述の如きスポンジよりも硬く、かつ、均一なニップ圧を得やすいエラストマーが好ましい。つまり、2個のロールのうち少なくとも一方のロールの表面が、エラストマーにより形成されていることが好ましい。エラストマーとしては、例えば、処理液によるロール表面の腐食を防止することができる、優れた耐薬品性を有するものが好ましく、例えばEPDM(エチレンプロピレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレン)、FKM(フッ素ゴム)等が使用できる。
また、本発明における2個のロールをフリーロールとすることで、駆動のための付帯設備を省略でき装置を簡素化できることもある。一方、駆動系の構成によれば、本発明における2個のロールのうち少なくとも一方のロールを駆動ロールとすれば、別途設ける必要があったシート搬送用の駆動ロールを削減でき、ひいては装置を簡素化できることもある。
本発明に係るシートの製造方法は、上記のようなシートの処理装置を用いてシートを処理することを特徴とする方法からなる。
本発明に係るシートの処理装置によれば、ロール外周面と処理槽壁面との間に、2個のロールのロール外径の2%以下0.1%以上の間隙を有するシール部が形成されるので、ロール外周面と処理槽壁面との間が非接触状態に保たれつつ、特定の狭い間隙により液漏れに対する良好なシール性が確保され、ロール接触によるロール回転不良に起因するシートへの傷の発生や、ロール表面の摩耗によるシール性の低下が防止されるとともに、シール性向上により、例えば処理液循環系が低コスト化される(例えば、ポンプ容量を小さくできる)。つまり、処理品質の確保とシール性向上を両立できる。とくにロールは液圧差でスリットを有する壁面A(図4)方向に撓みやすいため、ニップ側とは反対側の壁面B(図4)との間隙を上記特定の範囲内の間隙とすることにより、良好なシール性を確保しつつ、該シール性に対するロール撓みの影響を小さく抑えることができる。
また、ロール同士を機械的押圧手段で密着させることにより、経時的に安定したシール性(つまり、ロール径の経時変化や基材シートの厚み変動に因らないシール性)を維持することが可能になり、密着不足や強密着によるロール回転不良の解消(傷防止)をはかることができる。また、シール性が安定することで、壁面とロール外周面、ロール間からの液漏れを低減できるとともに、液の動圧による基材シートのバタツキ等も低減でき、基材シートを高品位を維持しつつ安定して搬送することができる。
また、ロールの押圧手段を機械的押圧手段から構成することにより、ロール径の経時変化等に対して所望のニップ部を形成できるように容易に調整できるようになり、機械的押圧手段をロール両軸端に設けることで、ニップ力のバランスを調整することも容易である。なお、機械的押圧手段としてもバネやボールプランジャ等の簡単なもので構成できる。
本発明は、シートがプラスチックフィルムである場合に好適なものであり、プラスチックフィルムではロール間密着力が強いとフィルムに過剰な負荷がかかりシワや傷発生の原因となるため弱いロール間密着力を維持する必要があり、上記のような本発明に係る装置構成の恩恵を最も得られることになる。また、本発明は処理装置がメッキ装置である場合に好適なものであり、例えば銅メッキに代表される表面が比較的軟かくキズが発生しやすいメッキ装置において好適である。なおメッキ装置では前述の如く処理槽が多数必要であるため、本発明による低コスト化の恩恵を最も得られることになる。とくに、シートが処理槽を縦に通過する場合に好適なものであり、処理槽のシート出口・入口に図3に示したようなスリットが不可避であることから、本発明による優れたシール性の効果の恩恵を最も得られることになる。
また、本発明における2個のロールをフリーロールとすることで、駆動のための付帯設備を設けることなく、ロールとフィルムを同期させることができるため、回転不良によるシートへのキズ発生を防止することができる。一方、本発明における2個のロールを駆動ロールとした場合でも、駆動系の構成によれば、処理槽内外でシートをバタツキなく安定して搬送できるためシートの高品位化を達成できるだけでなく、別途設置していたシート搬送用の駆動ロールを削減することもできるため、装置を安価にする効果もある。なお、ニップされた2個のロールを共に駆動させた場合、高精度に同期させるためには歯車やベルト等を設けるか、もしくは個別にモータ等の駆動源を設け、各々を高精度に同期させる制御装置が必要となるうえ、ロール系の微少な経時変化等で同期性が悪化しニップ部の速度差でシートにキズが発生する可能性も皆無ではないため、2個のロールのうち一方のみを駆動ロールとしてもよい。
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図5、図6は、本発明の一実施態様に係るシートの処理装置の処理槽の出口または入口における2個のロール設置部を示しており、本発明を、図1に示したようなメッキ処理装置、つまり、シートが縦型搬送、つまり、該シートの幅方向が鉛直方向から±10度以内の方向に保たれながら各処理槽を通過するメッキ処理装置に適用した場合を示している。メッキ処理装置全体の構成は、図1に示した構成に準じる。
図5において、31は処理液としてのメッキ液が供給され充満される処理槽(メッキ槽)を示しており、複数設けられた処理槽31の各処理槽31に、基材シートとしてのプラスチックフィルム32が順次通過される。例えば、前述の如く、ポリイミドフィルム(厚さ:例えば38μm程度)に例えば銅がメッキされる(最終メッキ厚:例えば8μm程度)。このフィルムは、ハンドリング性、メッキ処理の均一性、メンテナンス性等の面から、上記の如く縦型搬送される。したがって、図5は、ロール設置部を上方からみた概略透視平面図である。
処理槽31の出口または入口部には、処理槽本体33に対し、出口または入口チャンバ34が設けられており、チャンバ34内には、処理槽本体33内同様メッキ液が供給され充満される。処理槽本体33の出口または入口部およびチャンバ34の出口または入口部には、それぞれスリット35a、35bが設けられており、基材32はこれらスリット35a、35bを通過するように走行される。走行速度は、メッキ処理の場合、例えば1m/分程度と非常に遅い。チャンバ34の図5における上下面は、例えば図6に示すように、ロールの可動代を確保するための隙間36(例えば、長穴構成)以外、上下壁37a、37bによって封止されている。
上記チャンバ34は、スリット35a、35bを横断する横断面において、図5に示すように、壁面A(38)と壁面B(39)で囲まれており、これら壁面A(38)および壁面B(39)が、本発明で言う処理槽壁面を構成している。処理槽31の出口または入口部に、本実施態様では、チャンバ34内に、基材シート32に対しニップ部40を形成する2個のロール41、42が配置されている。本実施態様では、各ロール41、42の表面はゴム43(例えば、EPDM)で形成されている。また、本実施態様では、両ロール41、42は同一の外径を有する。これら2個のロール41、42の外周面とチャンバ34の内壁面、とくに壁面A(38)および壁面B(39)との間は、基本的に非接触状態に保たれている。そして、2個のロール41、42の外周面と処理槽壁面としてのチャンバ34の内壁面との間に、ロール外径の2%以下0.1%以上の間隙を有するシール部44が少なくとも1ヶ所形成されている。本実施態様では、ロール41、42のそれぞれについて、ニップ部40とは反対側のロール外周面と処理槽壁面(つまり、両側の壁面B(39))との間に、ロール外径の2%以下0.1%以上の間隙を有するシール部44がそれぞれ形成されている。
上記ニップ部40を形成するために、本実施態様では、一方のロール41を他方のロール42に向けて押圧するための押圧手段として、機械的押圧手段が設けられており、この機械的押圧手段は、本実施態様では、先端のボール部を押し引き可能なボールプランジャ45からなる。ボールプランジャ45は、図6に示すように、ロール41の軸方向両端側に設けられており、先端のボール部45aでロール41の両端のベアリングハウジング46を押圧できるようになっており、それによってロール41を他方のロール42に向けて押圧できるようになっている。
このように構成されたシートの処理装置においては、ロール41、42の外周面と処理槽壁面との間が非接触状態に保たれつつ、上記のような特定の狭い間隙により液漏れに対する良好なシール性を有するシール部44が形成されているので、処理槽壁面とロール41、42との接触によるロール回転不良に起因するシートへの傷の発生が防止される。また、シール性向上により、例えば処理液循環系が低コスト化される(例えば、ポンプ容量を小さくできる)。つまり、処理品質の確保とシール性向上を両立できる。従来装置では、とくにロールは液圧(図5に矢印で表示)でスリット35bを有する壁面A(38)方向に撓みやすく、この部分での接触が生じやすかったが、上記実施態様では、この部分に十分な大きさの間隙を形成し、ニップ部40とは反対側の壁面B(39)との間隙を上記特定の範囲内の間隙とすることにより、この部分で良好なシール性を確保するようにしたので、ロールと処理槽壁面との接触を回避しつつ、シール性に対するロール撓みの影響を小さく抑えることができる。
また、ロール41、42同士は機械的押圧手段としてのボールプランジャ45で密着させることにより、極めて簡素な押圧機構でありながら、ロール径の経時変化や基材シートの厚み変動に因らない良好なシール性を維持でき、経時的に安定したシール性を維持することが可能になる。したがって、密着不足や強密着によるロール回転不良の解消(傷防止)をはかることができる。また、シール性が安定することで、壁面とロール外周面、ロール間からの液漏れを低減できるとともに、液の動圧による基材シート32のバタツキ等も低減でき、基材シートを高品位を維持しつつ安定して搬送することができる。
また、ロールの押圧手段を機械的押圧手段、とくにボールプランジャ45から構成することにより、ロール径の経時変化等に対しても所望の均一なニップ圧のニップ部40を容易に形成できるようにようになる。
したがって、このような良好なシール性を不都合なく実現できるシートの処理装置を使用することにより、処理品質のすぐれたシートを安定して製造することが可能になる。
本実施態様ではロール41、42はフリーロールであり、駆動のための付帯設備を設けることなく、ロールとフィルムを同期させることができるため、回転不良によるシートへのキズ発生を防止することができる。また、ロール41、42にモータ等の駆動装置を連結し、駆動ロールとして使用した場合でも、処理槽内外でシートをバタツキなく安定して搬送できるため、シートのメッキ品質を向上させることができるうえ、別途設置していたシート搬送用の駆動ロール(図省略)を削減することもできるため、装置を安価にする効果もある。なお、ロール41、42の一方のみにモータ等の駆動装置を連結した場合には、ロール間の同期を制御することなく、高品位なメッキシートを得ることができる。
本発明は、シートがプラスチックフィルムである場合に好適なものであり、とくにメッキ処理に好適なものである。
本発明が適用可能なシートのメッキ装置の概略平面図である。 図1の装置の給電工程部の拡大平面図である。 図1の装置のメッキ工程部の拡大概略横断面図である。 従来の液シール部の概略構成図である。 本発明の一実施態様に係るシートの処理装置の処理槽のロール設置部の概略部分横断面図である。 図5のロール設置部の概略部分縦断面図である。
符号の説明
31 処理槽(メッキ槽)
32 基材シートとしてのプラスチックフィルム
33 処理槽本体
34 チャンバ
35a、35b スリット
36 隙間
37a、37b 上下壁
38 処理槽壁面としての壁面A
39 処理槽壁面としての壁面B
40 ニップ部
41、42 ロール
43 ロール表面のゴム
44 シール部
45 機械的押圧手段としてのボールプランジャ
45a 先端のボール部
46 ベアリングハウジング

Claims (13)

  1. 処理液が収容され、シートの出口および入口が設けられた処理槽と、該処理槽の前記出口および入口の少なくとも一方の近傍に設けられた2個のロールと、該2個のロール間にシートのニップ部を形成するように前記2個のロールの少なくとも一方を押圧する押圧手段とを備えたシートの処理装置であって、前記2個のロールそれぞれの外周面と前記処理槽の壁面との間が非接触状態に保たれているとともに、該ロール外周面と処理槽壁面との間に、前記2個のロールのロール外径の2%以下0.1%以上の間隙を有するシール部が少なくとも1ヶ所形成されており、かつ、前記押圧手段が機械的押圧手段からなることを特徴とするシートの処理装置。
  2. 処理液が収容され、シートの出口および入口が設けられた処理槽と、該処理槽の前記出口および入口の少なくとも一方の近傍に設けられた2個のロールと、該2個のロール間にシートのニップ部を形成するように前記2個のロールの少なくとも一方を押圧する押圧手段とを備えたシートの処理装置であって、前記2個のロールそれぞれの外周面と前記処理槽の壁面との間が非接触状態に保たれているとともに、前記2個のロールそれぞれの前記ニップ部とは反対側の外周面と前記処理槽の壁面との間に、前記2個のロールのロール外径の2%以下0.1%以上の間隙を有するシール部がそれぞれ形成されていることを特徴とするシートの処理装置。
  3. 前記押圧手段が機械的押圧手段からなる、請求項2に記載のシートの処理装置。
  4. 前記押圧手段が、前記2個のロールのうち少なくとも1本のロールの両側に設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載のシートの処理装置。
  5. 前記押圧手段がバネからなる、請求項1〜4のいずれかに記載のシートの処理装置。
  6. 前記押圧手段がボールプランジャからなる、請求項1〜4のいずれかに記載のシートの処理装置。
  7. 前記シートがプラスチックフィルムからなる、請求項1〜6のいずれかに記載のシートの処理装置。
  8. 前記シートの処理装置が、シートにメッキ処理するための装置からなる、請求項1〜7のいずれかに記載のシートの処理装置。
  9. 前記シートが、該シートの幅方向が鉛直方向から±10度以内の方向に保たれながら前記処理槽を通過する、請求項1〜8のいずれかに記載のシートの処理装置。
  10. 前記2個のロールのうち少なくとも一方のロールの表面が、エラストマーにより形成されている、請求項1〜9のいずれかに記載のシートの処理装置。
  11. 前記2個のロールがフリーロールからなる、請求項1〜10のいずれかに記載のシートの処理装置。
  12. 前記2個のロールのうち少なくとも一方のロールが駆動ロールであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のシートの処理装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のシートの処理装置を用いてシートを処理することを特徴とする、シートの製造方法。
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