JPH0943810A - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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Publication number
JPH0943810A
JPH0943810A JP19653395A JP19653395A JPH0943810A JP H0943810 A JPH0943810 A JP H0943810A JP 19653395 A JP19653395 A JP 19653395A JP 19653395 A JP19653395 A JP 19653395A JP H0943810 A JPH0943810 A JP H0943810A
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JP
Japan
Prior art keywords
roller
photosensitive material
elastic body
diameter
processing
Prior art date
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Application number
JP19653395A
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English (en)
Inventor
Tadashi Tanaka
忠 田中
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光材料をニップする際に用いる付勢手段の
耐蝕性の問題を解決する。 【解決手段】 シャフト60の中間部に弾性体からなる
ローラー部材62を一体化させる。シャフト60には、
ローラー部材62の両端の半径方向内側にフランジ部6
4を設ける。小径ローラ34Bにフランジ部64を設け
ることにより、ニップ力によるニップ部62Aの潰れ量
(圧縮変形量)が抑えられ、大径ローラ34Aと小径ロ
ーラ34Bとの軸間寸法の変動を極めて少量に抑えるこ
とができる。この構成によりバネ72の変形量の変動が
抑えられるため、バネ72のばね定数が高くてもニップ
力の変動を抑えることができる。したがって、バネ72
を合成樹脂製とすることができ、処理液による耐蝕性の
問題を解決することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料の現像処
理等を行う感光材料処理装置に係り、特に、搬送ローラ
によって感光材料を搬送処理する感光材料処理装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】感光材料処理装置において、処理する感
光材料に搬送力を与えるために、図8及び図9に示すよ
うに、固定ローラ100とニップローラ102とからな
る搬送ローラ対が設けられており、ニップローラ102
が付勢手段としてのバネ108に付勢されて固定ローラ
100に押しつけられている。
【0003】なお、固定ローラ100は一定径の軸10
9に合成樹脂(またはゴム)のローラー部材111を一
体化したもであり、ニップローラ102は、同じく一定
径の軸109にゴムのローラー部材113を一体化した
ものであった。
【0004】このようにしてニップローラ102と固定
ローラ100で感光材料106をニップしようとする
と、ローラー部材111,113の硬度に応じて、ロー
ラー部材111,113が潰れた分だけ固定ローラ10
0とニップローラ102との軸間寸法が変動し、バネ1
08の撓み量が変化することによりニップ力が変動して
しまう。
【0005】そこで、従来は、その軸間寸法の変動に対
するニップ力の変化を極力小さくするために、バネ10
8にはバネ定数の低い金属製バネが使用されている。こ
の金属製バネは、ループ状に形成されたコイルバネが一
般的に使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属製バネは
処理液によって多少なりとも腐蝕するため、一定期間を
過ぎた時点で交換が必要になるという問題がある。
【0007】そこで、耐腐蝕性に優れた合成樹脂によっ
てバネを形成することが考えられるが、樹脂バネの場
合、金属製バネに比較して材料の物性上、バネの撓み量
を十分に確保し、バネ定数を低く抑えて軸間寸法の変動
に対する荷重変化を小さくすることが設計上困難であ
る。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、ニップ力の変
化を抑えて搬送ローラの搬送力を安定させ、搬送の信頼
性を確保すると共に、感光材料のニップに用いる付勢手
段の材質における耐蝕性の問題を解決することのできる
感光材料処理装置を提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、処理液の貯留された処理槽と、前記処理槽に設けら
れ第1のローラと前記第1のローラに対向する第2のロ
ーラとで感光材料を挟持して搬送する搬送ローラと、前
記第1のローラ及び前記第2のローラを回転自在に支持
する支持部材と、前記第1のローラ及び前記第2のロー
ラの少なくとも一方に前記感光材料を挟持するニップ力
を付与する付勢手段と、前記感光材料の幅方向両端部を
案内するガイド溝と、を有するラックを備え、前記搬送
ローラによって前記感光材料を前記処理液中で搬送する
感光材料処理装置であって、前記第1のローラと前記第
2のローラとの接触面積が350mm2 以下であり、前
記第1のローラと前記第2のローラの少なくとも一方は
硬質の軸部材の外周に弾性体を備え、前記弾性体を外周
に備えたローラは、前記弾性体の外径をa、前記軸部材
の外径をbとしたときに、b>a×0.5であることを
特徴としている。
【0010】請求項1に記載の感光材料処理装置によれ
ば、感光材料は、幅方向両端部がガイド溝によって案内
されつつ第1のローラと第2のローラとの間を挟持され
て処理槽内の処理液中を搬送され、処理液によって所定
の処理が行われる。
【0011】また、第1のローラ及び第2のローラの少
なくとも一方には、付勢手段により感光材料を挟持搬送
するためのニップ力が付与される。
【0012】第1のローラ及び第2のローラのうち、硬
質の軸部材の外周に弾性体を備えたローラは、弾性体の
外径をa、前記軸部材の外径をbとしたときに、b>a
×0.5であるため、ニップ力による弾性体の潰れ量
(圧縮変形量)が抑えられ、第1のローラと第2のロー
ラとの軸間寸法の変動を極めて少量に抑えることができ
る。
【0013】したがって、付勢手段の変形量の変動が抑
えられるため、付勢手段にばね定数が高く、撓み量が小
さい合成樹脂製のバネを用いることが可能となる。合成
樹脂製のバネは、金属製のバネに対して耐腐蝕性に優れ
るため、これによって処理液による付勢手段の腐蝕問題
を解決することができる。
【0014】また、付勢手段の変形量の変動が抑えられ
ることによりニップ力の変動も抑えられることになり、
搬送ローラの搬送力を安定させて、搬送の信頼性を向上
させることができる。
【0015】請求項2に記載の発明は、処理液の貯留さ
れた処理槽と、前記処理槽に設けられ第1のローラと前
記第1のローラに対向する第2のローラとで感光材料を
挟持して搬送する搬送ローラと、前記第1のローラ及び
前記第2のローラを回転自在に支持する支持部材と、前
記第1のローラ及び前記第2のローラの少なくとも一方
に前記感光材料を挟持するニップ力を付与する付勢手段
と、前記感光材料の幅方向両端部を案内するガイド溝
と、を有するラックを備え、前記搬送ローラによって前
記感光材料を前記処理液中で搬送する感光材料処理装置
であって、前記第1のローラと前記第2のローラの少な
くとも一方は硬質の軸部材の外周に弾性体を備え、前記
弾性体を外周に備えたローラの軸部材には、少なくとも
両端部に大径部が形成されていることを特徴としてい
る。
【0016】請求項2に記載の感光材料処理装置によれ
ば、感光材料は、幅方向両端部がガイド溝によって案内
されつつ第1のローラと第2のローラとの間を挟持され
て処理槽内の処理液中を搬送され、処理液によって所定
の処理が行われる。
【0017】また、第1のローラ及び第2のローラの少
なくとも一方には、付勢手段により感光材料を挟持搬送
するためのニップ力が付与される。
【0018】第1のローラ及び第2のローラのうち、硬
質の軸部材の外周に弾性体を備えたローラには、相手側
のローラと接触する弾性体部分の内側に大径部が形成さ
れているため、ニップ力による弾性体の潰れ量(圧縮変
形量)が抑えられ、第1のローラと第2のローラとの軸
間寸法の変動を極めて少量に抑えることができる。
【0019】したがって、付勢手段の変形量の変動が抑
えられるため、付勢手段にばね定数が高く、撓み量が小
さい合成樹脂製のバネを用いることが可能となる。合成
樹脂製のバネは、金属製のバネに対して耐腐蝕性に優れ
るため、これによって処理液による付勢手段の腐蝕問題
を解決することができる。
【0020】また、付勢手段の変形量の変動が抑えられ
ることによりニップ力の変動も抑えられることになり、
搬送ローラの搬送力を安定させて、搬送の信頼性を向上
させることができる。
【0021】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の感光材料処理装置において、前記弾性体の外径をa、
前記ローラの軸部材の外径をbとしたときに、b>a×
0.5であることを特徴としている。
【0022】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の感光材料処理装置において、弾性体の外径をa、軸部
材の外径をbとしたときに、b>a×0.5としたの
で、ニップ力による弾性体の潰れ量(圧縮変形量)を効
果的に抑えることができる。これによりニップ力の変動
をより抑えることができ、搬送ローラの搬送力を更に安
定させて、搬送の信頼性を更に向上させることができ
る。
【0023】請求項4に記載の発明は、請求項1または
請求項3に記載の感光材料処理装置において、前記軸部
材の前記支持部材に支持される部位の外径をcとしたと
きに、b>cであり、かつ、前記軸部材が前記弾性体よ
りも軸方向外側へ0.1mm以上突出していることを特徴
としている。
【0024】請求項4に記載の感光材料処理装置によれ
ば、軸部材の支持部材に支持される部位の外径をcとし
たときに、b>cとし、軸部材が弾性体よりも軸方向外
側へ0.1mm以上突出しているので、弾性体の端部側面
が支持部材に接触することを防止でき、ローラ側面にお
ける摺動抵抗を低減することができる。
【0025】これにより、搬送ローラの搬送力をより一
層安定させて、搬送の信頼性をより一層向上させること
ができる。
【0026】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
乃至請求項4の何れか1項に記載の感光材料処理装置に
おいて、前記付勢手段が合成樹脂製のバネであり、前記
ニップ力が前記搬送ローラの軸方向に沿った感光材料の
単位幅当たり10〜150N/mであることを特徴とし
ている。
【0027】請求項5に記載の感光材料処理装置によれ
ば、合成樹脂製のバネは金属のバネに比較して耐腐蝕性
に優れるため、定期的に交換する必要もなく、また、長
期に亘って安定したニップ力を得ることができる。
【0028】また、合成樹脂製のバネは射出成形が可能
であるので、生産コストを低減することが可能となる。
【0029】なお、ニップ力が搬送ローラの軸方向に沿
った感光材料の単位幅当たり10〜150N/mとする
ことにより、合成樹脂製のバネの大型化を抑え、設計も
容易になる。なお、ニップ力が搬送ローラの軸方向に沿
った感光材料の単位幅当たり10N/m未満であると、
搬送力が不足して感光材料を搬送できなくなる虞れがあ
る。また、ニップ力が搬送ローラの軸方向に沿った感光
材料の単位幅当たり150N/mを越えるように設定す
ると、合成樹脂の物性の制約から合成樹脂製のバネが大
型化して好ましくない。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1乃至図
6にしたがって説明する。
【0031】図1には、本実施形態に適用した自動現像
装置10の処理部12が示されている。処理部12は箱
状のフレーム14を備えている。
【0032】フレーム14の底部からは複数の立壁16
が立設され、処理槽としての現像槽18、定着槽22、
水洗槽24,26,28が形成され、それぞれの槽に処
理液が貯留されている。
【0033】処理部12の矢印L方向側には、図示しな
いフィルム装填部が設けられている。
【0034】処理部12のそれぞれの処理槽内には、処
理ラック30が配置されている。この処理ラック30
は、それぞれ上方の一部分を除いて処理液に浸漬されて
いる。
【0035】これらの処理ラック30は、フィルム32
を処理液中で搬送するための搬送ローラ34、反転用ロ
ーラ36及び、処理液で処理されたフィルム(本実施形
態では135型フィルム)32の表面付着液をスクイズ
除去して隣接する処理槽へ送り出すスクイズローラ38
を備えている。
【0036】図1及び図2に示すように、処理ラック3
0は、支持部材の一部を構成する一対の側板40を備え
ており、側板40の内面にはフィルム32の幅方向の両
端部を案内するガイド溝42が形成されている。
【0037】次に、搬送ローラ34の詳細な構造を説明
する。搬送ローラ34は、大径ローラ34Aとこの大径
ローラ34Aの水平方向両側に配置される小径ローラ3
4Bから構成されている。
【0038】図2に示すように、大径ローラ34Aは、
一定径のシャフト46の中間部に円筒状のローラー部材
47を一体化させたものである。
【0039】シャフト46の両端は、合成樹脂製の支持
部材の一部を構成する軸受48に回転自在に挿入されて
いる。軸受48は、一定径の挿入部50及びプーリー部
52を備えており、挿入部50が側板40の丸孔54に
挿入され、プーリー部52が側板40の外面側に配置さ
れている。
【0040】シャフト46には、矢印B方向側の軸受4
8から突出した部分に溝55が形成されており、この溝
55には抜け止め用のEリング56が嵌め込まれてい
る。
【0041】このシャフト46には、矢印F方向側の軸
受48から突出した部分に大ギヤ58が取り付けられて
いる。なお、シャフト46の大ギヤ58の取り付けられ
る部分は、大ギヤ58の回り止めのために外周面の一部
が平面状に形成されている。シャフト46には、大ギヤ
58から突出した部分にも溝55が形成されており、こ
の溝55にもEリング56が嵌め込まれている。
【0042】一方、小径ローラ34Bは、軸部材として
のシャフト60の中間部に弾性体としてのローラー部材
62を一体化させたものである。
【0043】ローラー部材62は、両側の所定幅が一定
外径に形成されたニップ部62Aとされ、その内側が断
面円弧状に窪む凹部62Bとされている。
【0044】図6に示すように、小径ローラ34Bは、
凹部62Bがフィルム32の画像領域32Aに対向し、
ニップ部62Aがパーフォレーション32B付近の非画
像領域に接触するようになっている。このため、フィル
ム32の画像領域32Aは小径ローラ34Bに接触する
ことはない。
【0045】図2に示すように、シャフト60は、中央
の所定範囲が一定径とされ、その一定径とされた部分の
両側に大径部としてのフランジ部64が形成され、さら
にフランジ部64の両側には一定径の軸受挿入部66が
形成されている。
【0046】シャフト60の軸受挿入部66は、軸受4
8に回転自在に挿入されている。この小径ローラ34B
を支持する軸受48の挿入部50は、側板40の長孔6
8に挿入されている。長孔68は、大径ローラ34Aの
軸芯と小径ローラ34Bの軸芯とを結ぶ方向(図の矢印
L方向及び矢印R方向)に沿って長く形成されており、
軸受48の挿入部50は長孔68の内部で所定量スライ
ド自在となっている。
【0047】シャフト60には、矢印B方向側の軸受4
8から突出した部分に溝55が形成されており、この溝
55には抜け止め用のEリング56が嵌め込まれてい
る。
【0048】また、シャフト60には、矢印F方向側の
軸受48から突出した部分に小ギヤ70が取り付けられ
ている。この小ギヤ70は、大径ローラ34Aの大ギヤ
58に噛み合っている。なお、シャフト60の小ギヤ7
0の取り付けられる部分は、小ギヤ70の回り止めのた
めに外周面の一部が平面状に形成されている。シャフト
60には、小ギヤ70から突出した部分にも溝55が形
成されており、この溝55にもEリング56が嵌め込ま
れている。
【0049】フランジ部64は、ローラー部材62のニ
ップ部62Aの半径方向内側に設けられており、一部が
ローラー部材62の端部から軸方向外側へ突出してい
る。
【0050】ここで、フランジ部64のローラー部材6
2に埋設されている部分の幅は、ニップ部62Aの幅W
nの少なくとも20%以上であることが好ましい。
【0051】フランジ部64の一部を突出させた理由
は、摩擦抵抗の大きいローラー部材62をなるべく側板
40へ接触させたくないからである。
【0052】ここで、ローラー部材62の端部から突出
しているフランジ部64の突出寸法sは、フィルム32
のサイズが135型である場合に、0.1mm以上3mm未
満の範囲内の寸法が選択される。
【0053】突出寸法sの最小値を0.1mmとしたの
は、0.1mm未満ではローラー部材62の端部が側板4
0の内面に接触する虞れがあるからである。
【0054】また、突出寸法sの最大値を3mmとしたの
は、以下の理由による。即ち、ローラー部材62の全長
Lは、フィルム32のサイズが135型(フィルム幅は
35mm)の場合に最低26mm必要である。ローラー部材
62の全長Lが26mmのとき、ローラー部材62の端部
からガイド溝42の溝底までの寸法Aは(35mm−26
mm)×1/2=4.5mmとなる。一方、フィルム32の
両端をガイドするガイド溝42の深さBは、最低でも
1.5mmを必要とする(ガイド溝42の深さBを1.5
mm未満とすると、フィルム32の両端がガイド溝42か
ら外れる虞れがある)。したがって、突出寸法sの最大
値は3mm未満となる。
【0055】なお、ローラー部材62の全長L及びフラ
ンジ部64の突出寸法sは、フィルム32のサイズ
(幅)が変更されれば、それに応じて変更されるのは言
うまでもない。
【0056】また、小径ローラ34Bにおいては、ロー
ラー部材62のニップ部62Aの外径をa、シャフト6
0のフランジ部64の外径をbとしたときに、a及びb
の関係をb>a×0.5とすることが好ましい。これに
より、ニップ部62Aの半径方向内側において軸方向か
ら見たローラー部材62の占める比率が明らかに小さく
なり、ニップ部62Aの潰れ量を効果的に抑えることが
できる。
【0057】本実施形態では、ローラー部材62のニッ
プ部62Aの外径aが12mm、シャフト60のフランジ
部64の外径bが8mmに設定されている。
【0058】また、側板40の内面とフランジ部64の
側面との間には、小径ローラ34Bをスムーズに回転さ
せるために必要とされる最小限の隙間が設けられてい
る。
【0059】本実施形態では、ローラー部材62の全長
Lが30mm、ニップ部62Aの幅Wnが2mm、フランジ
部64の突出寸法sが0.5mm、側板40と側板40と
の間隔Wiが31mm、ガイド溝42の深さBが2.5m
m、ガイド溝42の幅tが2mmに設定されている。
【0060】また、フランジ部64の外径bよりも軸受
挿入部66の外径cは小さく設定されており、本実施形
態では、軸受挿入部66の外径cが5mmに設定されてい
る。
【0061】図3に示すように(なお、図3では、側板
40、大ギヤ58、小ギヤ70は省略されている。)、
小径ローラ34Bを支持する軸受48のプーリー部52
には、付勢手段としてのバネ72が引っ掛けられてい
る。本実施形態のバネ72は、プーリー部52の溝部に
係合する円弧部72Aと、この円弧部72Aに連続する
直線部72Bと、直線部72Bと直線部72Bとを連結
するU字状部72Cと、から構成され、小径ローラ34
Bを大径ローラ34Aへ向けて付勢している。これによ
り、小径ローラ34Bのニップ部62Aが所定の荷重で
大径ローラ34Aのローラー部材47に押圧されてい
る。
【0062】バネ72は、耐腐蝕性及び機械的強度に優
れた合成樹脂の射出成形品である。バネ72の材質とし
ては、例えば、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエ
ーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン(PS
F)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等を
用いることができる。なお、耐腐蝕性及び機械的強度に
優れた合成樹脂であればこれら以外の材質であっても良
いのは勿論である。
【0063】本実施形態の大径ローラ34Aのシャフト
46及び小径ローラ34Bのシャフト60は、耐腐蝕性
及び機械的強度に優れる熱可塑性樹脂の射出成形品であ
る。
【0064】また、本実施形態の大径ローラ34Aのロ
ーラー部材47及び小径ローラ34Bのローラー部材6
2は、その材質が熱可塑性エラストマーであり、シャフ
ト46及び小径ローラ34Bの外周部分に射出成形され
て一体化している。
【0065】なお、熱可塑性エラストマーとしては、例
えば、日本合成ゴム社製のサーモラン(商品名)、三井
石油化学製のミラストマー(商品名)、住友化学製のT
PE(商品名)、米国モンサント社製(輸入元:三菱化
成)のサントプレーン(商品名)等を使用することがで
きる。
【0066】なお、小径ローラ34Bのローラー部材6
2の硬度(JIS A型硬度)は、10°以上95°以
下の範囲内で選択され、かつ大径ローラ34Aのローラ
ー部材47の硬度よりも低く設定される。
【0067】また、大径ローラ34Aと小径ローラ34
Bとで挟持搬送されるフィルム32の幅方向の単位寸法
当たりのニップ力は、10N/m以上150N/m以下
の範囲内の値に設定することが好ましい。ここで、ニッ
プ力が10N/m未満になると、フィルム32を安定し
て搬送できなくなる虞れがあり、ニップ力が150N/
mを越える場合には、バネ72を形成する合成樹脂の物
性の関係でバネ72が大型化して好ましくない。
【0068】図1に示すように、反転用ローラ36は、
搬送ローラ34と同様に大径ローラ34Aとこの大径ロ
ーラ34Aの水平方向両側に配置される小径ローラ34
Bとを備えており、さらに、大径ローラ34Aの下側に
は一対の小径ローラ36Cを備えている。
【0069】図4に示すように、小径ローラ36Cを支
持する軸受48は、側板40の丸孔54に挿入されてお
り、バネ72とは係合していない。この小径ローラ36
Cは、小径ローラ34Bと同一形状であるが、ローラー
部材62が硬質の合成樹脂で形成されている点が異なっ
ている。
【0070】この反転用ローラ36は、フィルム32を
大径ローラ34Aの周方向に沿って搬送させるガイドの
役目を有しており、実質的にはフィルム32に搬送力を
付与していない。
【0071】図1に示すように、各処理液の液面上方の
クロスオーバー部には、搬送ローラ34と同様の大径ロ
ーラ34Aが設けられており、大径ローラ34Aの周囲
には、フィルム32の搬送方向に沿ってスクイズローラ
38及び2個の小径ローラ36Cが配置されている。
【0072】図5に示すように、スクイズローラ38
は、大径ローラ34Aと同様の一定径のシャフト46を
備え、シャフト46の中間部に一定肉厚の円筒状のロー
ラー部材76を一体化させたものである。このスクイズ
ローラ38も軸受48を介して側板40に支持されてい
る。このスクイズローラ38も矢印F方向側の軸受48
から突出した部分に小ギヤ70が取り付けられており、
この小ギヤ70が大径ローラ34Aの大ギヤ58に噛み
合っている。
【0073】スクイズローラ38を支持する軸受48の
プーリー部52及び大径ローラ34Aを支持する軸受4
8のプーリー部52には、スクイズローラ38を大径ロ
ーラ34Aへ向けて付勢するバネ80が引っ掛けられて
いる。なお、このバネ80は、前述したバネ72の全長
が短くされた形状であり、バネ72と同一の材質で形成
されている。
【0074】これによって、スクイズローラ38のロー
ラー部材76と大径ローラ34Aのローラー部材47と
が全長に亘って線状に接触し、フィルム32が大径ロー
ラ34Aとスクイズローラ38との間を挟持搬送される
ことによりフィルム32の表面に付着している処理液が
スクイズされて槽内へ回収される。
【0075】なお、各大ギヤ58は、図示しないギヤ、
シャフト等を介してモータ等の回転駆動源に連結されて
回転される。
【0076】また、本実施形態の大ギヤ58及び小ギヤ
70は、耐腐蝕性及び機械的強度に優れた合成樹脂の射
出成形品である。
【0077】図1に示すように、フィルム32は、処理
ラック30によって各処理槽内及び隣接する処理槽の間
を湾曲されながら搬送されて、最終の安定槽28から排
出されると図示しない乾燥部へ受け渡されるようになっ
ている。
【0078】なお、乾燥部には、ヒータと送風機とによ
って構成される温風供給手段が設けられており、この温
風供給手段によって発生された温風が乾燥風として乾燥
部へ送り込まれ、乾燥部内を搬送されるフィルム32は
温風にさらされて乾燥されるようになっている。
【0079】上記構成の自動現像装置10は、所謂リー
ダレス搬送方式が適用された自動現像装置10であり、
フィルム32は、リーダがなくともガイド溝42に案内
されて確実に各処理槽内を通過するようになっている。
【0080】次に、本実施形態の作用を説明する。本実
施形態の自動現像装置10では、パトローネ装填部に装
填されたパトローネ内から露光済のフィルム32を引出
して、処理部12内へ送り込む。
【0081】処理部12では、それぞれの処理槽に配置
した処理ラック30によってフィルム32を湾曲させな
がら搬送して、順にフィルム32を処理液に浸漬して処
理する。このとき、フィルム32は、乳剤面を小径ロー
ラ34Bに対向するように搬送される。
【0082】また、次の槽へ搬送されるフィルム32
は、処理液の液面から出された際に、スクイズローラ3
8と大径ローラ34Aとの間を搬送されることによりフ
ィルム32の表面に付着している処理液がスクイズされ
て槽内へ回収される。
【0083】処理部12で処理されたフィルム32は、
乾燥部へ送りこまれ、乾燥部内で温風にされされて乾燥
処理され、自動現像装置10の機外へ排出される。
【0084】本実施形態では、フィルム32は、大径ロ
ーラ34Aと、大径ローラ34Aに押圧される小径ロー
ラ34Bとの間に挟持されることにより搬送力を得て搬
送される。
【0085】ここで、小径ローラ34Bには、相手側の
大径ローラ34Aと接触するニップ部62Aの内側にフ
ランジ部64が設けられているため、ニップ力によるニ
ップ部62Aの潰れ量(圧縮変形量)が抑えられ、大径
ローラ34Aと小径ローラ34Bとの軸間寸法の変動を
極めて少量に抑えることができる。即ち、この構成によ
りバネ72の変形量の変動が抑えられるため、バネ72
のばね定数が高くてもニップ力の変動を抑えることがで
き、搬送力を安定させてフィルム32の搬送の信頼性を
向上させることができる。
【0086】また、本実施形態ではバネ72が合成樹脂
製であり、金属製のバネに対して耐腐蝕性に優れるた
め、処理液による腐蝕問題が解決される。
【0087】さらに、フィルム32の乳剤面側と対向す
る小径ローラ34Bは、フィルム32の画像領域32A
に対向する部分に凹部62Bが形成されているため、フ
ィルム32の乳剤面に小径ローラ34Bが接触すること
が無く、フィルム32の画像領域32Aが高品質に保た
れる。
【0088】なお、前記実施形態では、小径ローラ34
Bのシャフト60にフランジ部64を設けたが、大径ロ
ーラ34Aのシャフト46にフランジ部64を設け、ロ
ーラー部材47の潰れ量を抑えても良い。また、シャフ
ト60とシャフト46の両方にフランジ部64を設けて
も良く、これにより大径ローラ34Aと小径ローラ34
Bとの軸間寸法の変動を更に抑えて、搬送力をより安定
させることもできる。
【0089】また、前記実施形態では、大径ローラ34
Aのローラー部材47を熱可塑性エラストマーとした
が、ローラー部材47は熱可塑性でない他のエラストマ
ーであっても良く、硬質の合成樹脂であっても良い。ロ
ーラー部材47を硬質の部材とすれば、大径ローラ34
Aと小径ローラ34Bとの軸間寸法の変動を更に小さく
することができる。
【0090】また、このバネ72は、ループ状となって
いないので、大ギヤ58等の他の部材に干渉せずに取り
付けることが可能である。このバネ72は、図3に示す
ように軸受48に取り付けられるが、取り付けに際して
は、両方の円弧部72Aを広げてプーリー部52の溝部
分に上から差し込むようにすれば容易に軸受48に取り
付けることができる。
【0091】また、バネ72の形状は、図3に示す形状
に限らず、他の形状であっても良いのは勿論であり、例
えば、図7に示すような形状であっても良い。
【0092】さらに、前記実施形態では、バネ72を合
成樹脂製としたが、バネ72は、処理液で腐蝕しない材
質であれば合成樹脂以外の材質であっても良い。バネ7
2に適用可能な材質としては、例えば、弾性を有するセ
ラミックス、炭素繊維等を上げることができる。
【0093】なお、前記実施形態で示した各部の寸法
は、フィルム32が135型の場合に付いての一例であ
って、フィルム32が135型以外の場合(例えば12
0型)においては、適宜変更されるものである。
【0094】また、小径ローラ34Bがフィルム32に
接触した際の、フィルム32の搬送方向に沿った方向の
接触長さは、一般に用いられる135型や120型のフ
ィルムの場合に最大で5mm程度とすることが好ましく、
120型のフィルムを考慮すると、小径ローラ34Bの
フィルム32に対する接触面積は最大で350mm2 以下
となる。
【0095】また、小径ローラ34Bのシャフト60
は、中央の所定範囲が一定径とされ、その一定径とされ
た部分の両側にフランジ部64が形成されていたが、図
10に示すように、ローラー部材62と対応している部
分全てを大径としても良い。この場合も、ローラー部材
62のニップ部62Aの外径をa、シャフト60の大径
部分の外径をbとしたときに、a及びbの関係をb>a
×0.5とすることが好ましい。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
感光材料処理装置は、上記の構成としたので、処理液に
よる付勢手段の材質における耐腐蝕性の問題を解決する
ことができ、また、搬送の信頼性を向上させることがで
きるという優れた効果を有する。
【0097】請求項2に記載の感光材料処理装置は、上
記の構成としたので、処理液による付勢手段の材質にお
ける耐腐蝕性の問題を解決することができ、また、搬送
の信頼性を向上させることができるという優れた効果を
有する。
【0098】請求項3に記載の感光材料処理装置は、上
記の構成としたので、搬送の信頼性を更に向上させるこ
とができる。
【0099】請求項4に記載の感光材料処理装置は、上
記の構成としたので、搬送の信頼性をより一層向上させ
ることができる。
【0100】また、請求項5に記載の感光材料処理装置
は、上記の構成としたので、感光材料処理装置の処理液
処理液による付勢手段の材質における耐腐蝕性の問題を
解決することができる。また、付勢手段を射出成形が可
能な合成樹脂製のバネとしたことにより、コストを低減
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用された自動現像装置の処理部の断
面図である。
【図2】搬送ローラの断面図である。
【図3】図2に示す搬送ローラの軸方向から見た側面図
である。
【図4】反転用ローラの断面図である。
【図5】フィルムをスクイズする搬送ローラの断面図で
ある。
【図6】小径ローラとフィルムとの位置関係を示す側面
図である。
【図7】バネの他の実施形態である。
【図8】従来構造の搬送ローラの断面図である。
【図9】図8に示す搬送ローラの軸方向から見た側面図
である。
【図10】他の実施形態に係る搬送ローラの断面図であ
る。
【符号の説明】
10 感光材料処理装置 18 現像槽(処理槽) 22 定着槽(処理槽) 24 水洗槽(処理槽) 26 水洗槽(処理槽) 28 水洗槽(処理槽) 30 ラック 34 搬送ローラ 40 側板(支持部材) 48 軸受(支持部材) 60 シャフト(軸部材) 62 ローラー(弾性体) 64 フランジ部(大径部) 72 バネ(付勢手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液の貯留された処理槽と、前記処理
    槽に設けられ第1のローラと前記第1のローラに対向す
    る第2のローラとで感光材料を挟持して搬送する搬送ロ
    ーラと、前記第1のローラ及び前記第2のローラを回転
    自在に支持する支持部材と、前記第1のローラ及び前記
    第2のローラの少なくとも一方に前記感光材料を挟持す
    るニップ力を付与する付勢手段と、前記感光材料の幅方
    向両端部を案内するガイド溝と、を有するラックを備
    え、前記搬送ローラによって前記感光材料を前記処理液
    中で搬送する感光材料処理装置であって、 前記第1のローラと前記第2のローラとの接触面積が3
    50mm2 以下であり、 前記第1のローラと前記第2のローラの少なくとも一方
    は硬質の軸部材の外周に弾性体を備え、 前記弾性体を外周に備えたローラは、前記弾性体の外径
    をa、前記軸部材の外径をbとしたときに、b>a×
    0.5であることを特徴とした感光材料処理装置。
  2. 【請求項2】 処理液の貯留された処理槽と、前記処理
    槽に設けられ第1のローラと前記第1のローラに対向す
    る第2のローラとで感光材料を挟持して搬送する搬送ロ
    ーラと、前記第1のローラ及び前記第2のローラを回転
    自在に支持する支持部材と、前記第1のローラ及び前記
    第2のローラの少なくとも一方に前記感光材料を挟持す
    るニップ力を付与する付勢手段と、前記感光材料の幅方
    向両端部を案内するガイド溝と、を有するラックを備
    え、前記搬送ローラによって前記感光材料を前記処理液
    中で搬送する感光材料処理装置であって、 前記第1のローラと前記第2のローラの少なくとも一方
    は硬質の軸部材の外周に弾性体を備え、 前記弾性体を外周に備えたローラの軸部材には、少なく
    とも両端部に大径部が形成されていることを特徴とする
    感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性体の外径をa、前記ローラの軸
    部材の外径をbとしたときに、b>a×0.5であるこ
    とを特徴とした請求項2に記載の感光材料処理装置。
  4. 【請求項4】 前記軸部材の前記支持部材に支持される
    部位の外径をcとしたときに、b>cであり、かつ、前
    記軸部材が前記弾性体よりも軸方向外側へ0.1mm以上
    突出していることを特徴とする請求項1または請求項3
    に記載の感光材料処理装置。
  5. 【請求項5】 前記付勢手段が合成樹脂製のバネであ
    り、前記ニップ力が前記搬送ローラの軸方向に沿った感
    光材料の単位幅当たり10〜150N/mであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の
    感光材料処理装置。
JP19653395A 1995-08-01 1995-08-01 感光材料処理装置 Pending JPH0943810A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0987596A1 (de) * 1998-09-16 2000-03-22 Klaus Kümmerl Film-Entwicklungsmaschine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0987596A1 (de) * 1998-09-16 2000-03-22 Klaus Kümmerl Film-Entwicklungsmaschine

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