JP4858139B2 - 鋼板の冷却設備および冷却方法 - Google Patents

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本発明は、鋼板の冷却設備および冷却方法に関するものである。
熱間圧延により鋼板を製造するプロセスでは、近年、冷却水を噴射し、高い冷却速度を得て組織を微細化し、鋼板の強度を上げる技術の開発が盛んである。
熱間圧延された高温の鋼板は、仕上圧延機よりも鋼板搬送方向の下流側に設けられている冷却装置によって冷却される。このような冷却装置は、鋼板の上面を冷却する上面冷却装置と鋼板の下面を冷却する下面冷却装置とから構成されており、それぞれの冷却装置は複数のバンクにより構成されている。
上述した上面冷却装置として、一般にラミナー方式やスプレー方式が採用されている。そして、これらの冷却装置により鋼板の上面を冷却するときには、板面が水平状態にあるため、鋼板上面の冷却水は幅方向だけでなく、長手方向すなわち移動方向又はその逆方向に滞留冷却水として流れ出る。
このような滞留冷却水は鋼板上面を過冷却するため、鋼板の冷却停止温度のばらつきや、面内温度差、そして上下面との温度差を発生させる。その結果、鋼板の材質がばらつき、品質の低下を招いていた。さらに、鋼板が厚鋼板(厚板)の場合には、この温度差に起因して鋼板の形状不良が発生するので、プレス等により形状を矯正する作業が必要となり、製造コストが高くなる。
そこで、鋼板上面の滞留冷却水を長手方向に流れ出ないように水切りを行うことことが重要な課題となる。
そのための技術として、例えば特許文献1に記載された技術がある。これは、スリット状のノズルを有するヘッダを傾斜対向させて膜状の冷却水を噴射させるとともに、仕切板を設けて冷却水を鋼板と仕切板の間に充満させることによって、高い冷却速度で均一な冷却を行うとするものである。
また、例えば特許文献2に記載されているように、上面冷却バンクから鋼板上面に注水された冷却水が下流側に運ばれようとするのを、鋼板の搬送ラインと直交する方向から高圧流体(高圧水、高圧空気)を鋼板上面に噴射して、ライン外に吹き飛ばすというものがある。
また、例えば特許文献3に記載されているように、鋼板搬送ラインの上方に配置したノズルから、搬送方向上流側に向けて高圧流体(高圧水、高圧空気)を噴射して、滞留冷却水を堰き止める方法がある。
また、鋼板を挟んで搬送ロ−ルに対向する位置に水切りロ−ルを配置し、水切りロ−ルと搬送ロ−ルとで鋼板を挟むことによって、滞留冷却水を堰き止めて水切りを行う方法もある。
特開昭59−144513号公報 特開昭53−089857号公報 特開昭58−177419号公報
しかしながら、上述した従来の技術は、冷却均一性の確保や設備コストなどに大きな問題点がある。
すなわち、特許文献1に記載の技術では、スリットノズルユニットを鋼板に近づけなければならず、先端や尾端が反った鋼板を冷却する場合は、鋼板がノズルユニットに衝突して、ノズルを破損させたり、鋼板が移動できなくなって製造ラインの停止や歩留の低下を招いたりすることがある。そこで、先端や尾端が通過する時に冷却装置を上方に退避させることも考えられるが、その場合は先尾端冷却の冷却が足りず、目的とする材質が得られなくなる。さらに、昇降機構を設けるための設備コストがかかるという問題もある。
また、特許文献2、3では水切りのみに注目しており、鋼板の冷却に関しては、詳細に説明されておらず、高い冷却速度で鋼を水冷する際の多量の冷却水は堰き止めることができない。
また、水切りロ−ル滞留冷却水を堰き止めて水切りを行う方法では、冷却中に両板端部を上にして、または板中央部を上にして鋼板に幅方向の反りが発生した場合、鋼板に水切りロ−ルを完全に押しつけることができず、鋼板と水切りロ−ルの間に隙間ができるので、滞留冷却水がこの隙間から漏出する。また、搬送される鋼板が水切りロールに衝突する等の搬送トラブルの発生が懸念される。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、鋼板の熱間圧延ラインにおいて、鋼板を高冷却速度で均一にかつ安定して冷却することができる鋼板の冷却設備および冷却方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]鋼板の熱間圧延ラインにおいて用いる鋼板の冷却設備であって、鋼板の上面に棒状冷却水を噴射するノズル群を接続したヘッダが鋼板の搬送方向に互いに対向するように配置され、前記棒状冷却水と前記鋼板とのなす角が30°〜60°であり、かつ、全ての棒状冷却水の噴射方向が鋼板の搬送方向から同一の鋼板幅端部方向に向かって所定の角度傾いていることを特徴とする鋼板の冷却設備。
[2]前記棒状冷却水の噴射方向が鋼板の搬送方向から鋼板幅端部方向に向かって12°以上傾いていることを特徴とする前記[1]に記載の鋼板の冷却設備。
[3]鋼板の搬送方向に互いに対向するように配置されたヘッダが複数組設置されていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の鋼板の冷却設備。
[4]鋼板の熱間圧延ラインにおいて用いる鋼板の冷却方法であって、鋼板の上面に棒状冷却水を噴射するノズル群を接続したヘッダを鋼板の搬送方向に互いに対向するように配置し、前記棒状冷却水と前記鋼板とのなす角を30°〜60°とし、かつ、全ての棒状冷却水の噴射方向を鋼板搬送方向から同一の鋼板幅端部方向に向かって所定の角度傾けることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[5]前記棒状冷却水の噴射方向が鋼板の搬送方向から鋼板幅端部方向に向かって12°以上傾けることを特徴とする前記[4]に記載の鋼板の冷却方法。
[6]鋼板の搬送方向に互いに対向するように配置したヘッダを複数組設置することを特徴とする前記[4]または[5]に記載の鋼板の冷却方法。
本発明においては、搬送方向に互いに対向するように配置されたヘッダから噴射された棒状冷却水自身が、鋼板上の滞留冷却水を堰き止めて水切りを行うことになり、水切りロール等の付帯装置がなくとも適切に水切りが行われるとともに、鋼板幅端部方向に向けて所定角度傾けて噴射された棒状冷却水が、鋼板上の滞留冷却水を鋼板幅端部方向に向かわせて鋼板幅端部から速やかに排出させることとなり、鋼板を高冷却速度で均一にかつ安定して効率的に冷却することができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態に係る鋼板の冷却設備について、図1に側面図、図2に平面図を示す。
この実施形態に係る冷却設備20は、鋼板の熱間圧延ライン上に設置される通過式の冷却設備であり、鋼板10の上面に向けて棒状冷却水を供給するための上ヘッダユニット21と、鋼板10の下面に向けて冷却水を供給するための下ヘッダ31を備えている。なお、図中13はテーブルローラである。
上ヘッダユニット21は、鋼板10の搬送方向に互いに対向するように配置された一対の上ヘッダ(第1上ヘッダ21a、第2上ヘッダ21b)によって構成されており、第1上ヘッダ21aと第2上ヘッダ21bのそれぞれに鋼板幅方向へ所定の間隔(例えば、60mm間隔)で複数個取り付けられた円管ノズルが鋼板搬送方向に複数列(ここでは、鋼板の搬送方向に各6列)配置されている。そして、第1上ヘッダ21aの円管ノズル(第1上ノズル)22aから噴射される棒状の冷却水23aと第2上ヘッダ21bの円管ノズル(第2上ノズル)22bから噴射される棒状の冷却水23bが、鋼板10上面に対して所定の傾斜角を有しながら鋼板10の搬送方向に互いに対向するようになっているとともに、全ての棒状冷却水23a、23bの噴射方向が同一の鋼板幅端部方向(図2では矢印Aの方向)に向かって所定の角度傾くように設定されている。
上記のように設定することによって、第1上ノズル22aから噴射された棒状冷却水23aと第2上ノズル22bから噴射された棒状冷却水23bが、対向するノズルから噴射された後の冷却水(滞留冷却水)24が鋼板搬送方向に移動しようとするのを堰き止め、図2中の矢印Aで示すように、滞留冷却水24を鋼板幅端部に押し寄せさせて、速やかに鋼板幅端部から落下させる。これによって、安定した冷却領域が得られ、均一な冷却を行うことが可能になる。
ここで、棒状冷却水23a、23bの噴射方向(噴射角度)について詳説する。なお、図3は、棒状冷却水の噴射方向を示したものであり、棒状冷却水の噴射線の鋼板上面に対する角度をβ、鋼板搬送方向に対する伏角をθ、鋼板幅端部方向に向かう角度(外向き角)をαとして示している。
そして、この実施形態においては、棒状冷却水23aが鋼板10上面となす噴射角度β1および棒状冷却水23bが鋼板10上面となす噴射角度β2を30°〜60°としている。これは、冷却を確実に行うためには鋼板表面まで冷却水を確実に到達させ、衝突させる必要があるが、噴射角度β1、β2が30°より小さいと、棒状冷却水23a、23bの鉛直方向速度成分が小さくなって、滞流水24の水膜を破って新鮮な冷却水を到達させる能力が小さくなり、冷却能力が低下するからである。一方、噴射角度β1、β2が60°より大きいと、棒状冷却水23a、23bの搬送方向速度成分が小さくなって、滞留冷却水24を堰き止める力が弱くなるからである。なお、噴射角度β1、β2を40°〜50°とすればより好ましい。また、噴射角度β1と噴射角度β2は必ずしも等しくする必要はない。
また、外向き角αについては、外向き角αが90°越えになると、棒状冷却水23aと棒状冷却水23bが鋼板搬送方向に互いに対向しなくなるため、外向き角αは90°以下を満たす必要がある。それとともに、外向き角αは12°以上であることが好ましいことを実験により知見した。したがって、12°≦α≦90°とすることが好ましい。
だだし、噴射角度βと外向き角α、伏角θとの間は、幾何学的関係から、tanβ=cosα・tanθとなっているので、上述した噴射角度β=30°〜60°となるように、外向き角αおよび伏角θを決定する必要がある。
すなわち、30°≦β=tan−1(cosα・tanθ)≦60°を満たす必要がある。
例えば、伏角θを45°、50°とした場合、噴射角度β≧30°を満たす外向き角αはそれぞれ約55°以下、約60°以下となる。
ちなみに、本発明の棒状冷却水とは、円形状(楕円や多角の形状も含む)のノズル噴出口から噴射される冷却水のことを指している。また、本発明の棒状冷却水は、スプレー状の噴流でなく、膜状のラミナーフローでなく、ノズル噴出口から鋼板に衝突するまでの水流の断面がほぼ円形に保たれ、連続性で直進性のある水流の冷却水をいう。
なお、上ノズルから噴射する冷却水を例えば膜状冷却水ではなく棒状冷却水としているのは、棒状冷却水の方が安定的に水流が形成され、互いのヘッダから噴射された後の冷却水を堰き止める力が大きいからである。
また、図1に示すように、互いの上ヘッダから最も遠い側の列(最外側の列)の円管ノズルからの棒状冷却水が鋼板に衝突する位置同士に挟まれた領域が冷却領域ということになる。
その際に、第1上ノズル22aからの棒状冷却水23aの噴射線と第2上ノズル22bからの棒状冷却水23bの噴射線が交差しないようにすれば、お互いに他方の棒状冷却水を壊すことがないので好ましい。そして、図1に示すように、最内側の列の円管ノズルからの棒状冷却水が鋼板に衝突する位置同士の間隔を滞留域長さと呼ぶこととすると、滞留域長さを1.5m以内とすれば、滞留する冷却水(滞留冷却水)24が鋼板10を冷やす割合は比較的少ないので、鋼板10の最先端や最尾端が非定常な状態で通過する場合に冷え方が大きく変化することを防ぐことができる。
また、所望の冷却能力と水切り能力を得るために、上ノズル22a、22bの配置は鋼板搬送方向に5列以上とし、鋼板上面での水量密度を4m/mmin以上、上ノズル先端での棒状冷却水の噴射速度を8m/s以上とするのが好ましい。冷却を確実に行うためには鋼板上面まで冷却水を確実に到達させ、衝突させるためである。
そして、ノズルが詰まりにくく、かつ冷却水の噴射速度を確保するには、上ノズル22a、22bの内径は3〜8mmが好ましい。
さらに、鋼板10の反り等によって上ノズル22a、22bが損傷するのを防止するために、上ノズル22a、22bの先端の高さ位置をパスラインから離すようにするのがよいが、あまり離すと棒状冷却水23a、23bが分散するので、上ノズル22a、22bの先端とパスラインの距離を500mm〜1800mmとするのが好ましい。
一方、鋼板10の下面に冷却水を供給する下ヘッダについては、図1、図2に示すように、ここでは、2個の下ヘッダ31が配置されており、それぞれに円管ノズル32が取り付けられ、テーブルローラ13の隙間から棒状の冷却水33を噴射して、鋼板10の全幅に冷却水を供給するようになっている。
なお、鋼板10の下面の冷却については、温度むらを生じさせないものであれば、スリットノズルやスプレーノズルによる冷却や、円管ノズルによる棒状冷却水など、どのような形態の冷却水であっても構わない。
そして、上記のような冷却設備20においては、鋼板幅端面に余分な冷却水がかからないように、例えば、ヘッダを鋼板幅方向にシフト可能とする機構を設けてもよい。また、鋼板の板幅に応じて噴射幅を変化させられるように、ヘッダ内部を分割してもよい。あるいは、鋼板幅方向でノズルを適宜ON-OFFできる機構を設けてもよい。これらによって、冷却に寄与しない無駄な冷却水の量を低減させることが可能である。
さらには、冷却設備20の周囲に、壁や排水口などを設けることが好ましい。冷却水が設備外に漏れたり、設備内で飛散して新たな滞留冷却水となったりすることを防ぐために有効であるからである。
このようにして、この実施形態においては、下記に示す有用な効果がもたらされる。
すなわち、鋼板を通過させながら鋼板の上下面に冷却水を供給するようにしているので、設備長が短くてすむとともに、鋼板上面で棒状冷却水が搬送方向に互いに対向するように上ノズルを配置しているので、供給された棒状冷却水自身が鋼板上の滞留冷却水を堰き止めて水切りを行うことになり、水切りロール等の付帯装置がなくとも適切に水切りが行われる。その結果、鋼板の熱間圧延を行う場合において、熱間圧延ライン上で鋼板をコンパクトな構造の設備で均一に冷却することができ、鋼板の材質のばらつきや鋼板の変形が少なくなり、鋼板の製品歩留りが向上するとともに、鋼板を矯正するための作業が低減し、製造コストを削減することができる。さらに、供給された棒状冷却水が所定の外向き角を有しているので、鋼板上面の滞留冷却水の運動方向を変えることとなり、棒状冷却水が外向き角を有していない場合に比べて、少ない水量によって滞留冷却水を排出することができ、設備費及び運転費を減少することができる。
なお、上記の実施形態においては、上ヘッダユニット21(第1上ヘッダ21a、第2上ヘッダ21b)が1組と、下ヘッダ31が2個の組み合わせによって冷却設備を構成しているが、上記の組み合わせを鋼板搬送方向に複数配置して冷却設備を構成してもよい。言い換えれば、図1、図2に示した冷却設備20を鋼板搬送方向に複数台配置するようにしてもよい。
本発明の実施例を以下に述べる。
図4は、この実施例において用いた厚鋼板の熱間圧延ラインを示す図であり、この厚鋼板の熱間圧延ラインは、加熱炉11、可逆式圧延機12、冷却設備14、ホットレベラ15を備えている。
そして、厚さ30mm、幅3000mmの鋼板について、搬送速度60mpmで冷却設備14を通過させながら冷却を行った。
その際、本発明例では、冷却設備14として、図1および2に示した冷却設備20を鋼板搬送方向に2台配置した冷却設備を用い、上ノズル22a、22bの内径を6mmとし、棒状冷却水23a、23bの噴射速度を8m/sとした。また、棒状冷却水23a、23bの噴射角度β=43°、伏角θ=45°、外向き角α=20°とするとともに、棒状冷却水23a、23bが鋼板上面に衝突する位置が鋼板幅方向に60mm間隔となるようにした。
一方、比較例1では、冷却設備14として、前述したような、冷却ヘッダの上流側および下流側に水切りロールを備えた冷却装置を用いた。
また、比較例2では、冷却設備14として、前記特許文献3に記載したような、水ノズルによる水噴射装置および空気ノズルによる空気噴射装置を備え、鋼板搬送方向から水切り流体(水と空気)を噴射して水切りを行う冷却装置を用いた。
そして、それぞれの場合において、冷却後(十分に復熟した後)に、放射温度計を用いて鋼板幅方向温度を連続的に測定して、鋼板上面の温度分布を調べ、最先端、最尾端、幅方向板端部を除く定常部での温度のばらつき(最高温度と最低温度の差)を温度むらとして定義し、これを比較した。温度むらの大小は引張強度など製品の機械的性質のばらつきとほぼ対応した。
比較例1では、水切りロールからの水漏れが多く、鋼板面内で130℃の温度むらが生じた。その結果、機械特性が鋼板幅方向で大きくばらついた。さらに、その温度むらのために、鋼板に大きな反りが発生し、プレスおよび加熱矯正等の工程を必要とした。
比較例2では、部分的に水切り不良であり滞留冷却水が残った。その結果、鋼板面内で120℃の温度むらが生じ、機械特性が板幅方向で大きくばらついた。さらに、その温度むらのために、鋼板に大きな反りが発生し、プレスおよび加熱矯正等の工程を必要とした。
これに対し、本発明例では、上ノズル22a、22bから鋼板上面に噴射された棒状冷却水23a、23bが、互いに堰き止め合うとともに、図2中の矢印Aに示すように、速やかに鋼板幅端部から落下し、適切に水切りを行うことができた。その結果、鋼板幅方向の温度むらを15℃程度と低い値に抑えることができ、機械特性も鋼板幅方向で良好であった。また鋼板の反りも発生しなかった。
なお、ここでは、厚鋼板の熱間圧延ラインに適用した実施例について説明したが、本発明は、これに限らず、薄鋼板の熱間圧延ライン等にも適用できることはいうまでもない。
本発明の一実施形態に係る鋼板の冷却設備の側面図である。 本発明の一実施形態に係る鋼板の冷却設備の平面図である。 棒状冷却水の噴射方向の説明図である。 本発明の実施例において用いた厚鋼板の熱間圧延ラインの説明図である。
符号の説明
10 鋼板
11 加熱炉
12 可逆式圧延機
13 テーブルローラ
14 冷却設備
15 ホットレベラ
20 冷却設備
21 上ヘッダユニット
21a 第1上ヘッダ
21b 第2上ヘッダ
22a 第1上ノズル
22b 第2上ノズル
23a 棒状冷却水
23b 棒状冷却水
24 滞留冷却水
31 下ヘッダ
32 下ノズル
33 棒状冷却水

Claims (6)

  1. 鋼板の熱間圧延ラインにおいて用いる鋼板の冷却設備であって、鋼板の上面に棒状冷却水を噴射するノズル群を接続したヘッダが鋼板の搬送方向に互いに対向するように配置され、前記棒状冷却水と前記鋼板とのなす角が30°〜60°であり、かつ、全ての棒状冷却水の噴射方向が鋼板の搬送方向から同一の鋼板幅端部方向に向かって所定の角度傾いていることを特徴とする鋼板の冷却設備。
  2. 前記棒状冷却水の噴射方向が鋼板の搬送方向から鋼板幅端部方向に向かって12°以上傾いていることを特徴とする請求項1に記載の鋼板の冷却設備。
  3. 鋼板の搬送方向に互いに対向するように配置されたヘッダが複数組設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼板の冷却設備。
  4. 鋼板の熱間圧延ラインにおいて用いる鋼板の冷却方法であって、鋼板の上面に棒状冷却水を噴射するノズル群を接続したヘッダを鋼板の搬送方向に互いに対向するように配置し、前記棒状冷却水と前記鋼板とのなす角を30°〜60°とし、かつ、全ての棒状冷却水の噴射方向を鋼板搬送方向から同一の鋼板幅端部方向に向かって所定の角度傾けることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  5. 前記棒状冷却水の噴射方向が鋼板の搬送方向から鋼板幅端部方向に向かって12°以上傾けることを特徴とする請求項4に記載の鋼板の冷却方法。
  6. 鋼板の搬送方向に互いに対向するように配置したヘッダを複数組設置することを特徴とする請求項4または5に記載の鋼板の冷却方法。
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