JP4876783B2 - 鋼板の冷却設備および冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板の冷却設備および冷却方法に関するものである。
近年、鋼板の熱間圧延においては、強度や靭性の優れた鋼板の製造が求められており、その一例として、圧延材に制御圧延(Controlled Rolling;CR)を施すことにより、優れた材質の厚鋼板を造り込んでいる。すなわち、1000℃以上に加熱したスラブを一旦所定の板厚まで圧延し、その後、圧延材の温度が未再結晶温度域やその温度域に近い温度域にある状態で仕上板厚まで圧延を行うものである。たとえば、厚さ200〜300mmのスラブを1100〜1200℃程度まで加熱後、仕上板厚の1.5〜2倍程度まで圧延し、その後、温度が未再結晶域である850℃以下になった時点で制御圧延を開始し、仕上板厚(たとえば15mm)まで圧延するというものである。
その際に、制御圧延を行う温度(制御圧延開始温度)が低くかつ制御圧延を行う板厚(制御圧延開始板厚)が厚い場合には、圧延材が制御圧延開始温度になるまでにかなりの時間を要するため、圧延機(可逆式圧延機)近傍の圧延ライン上で制御圧延開始温度になるまで圧延材を放冷状態で待機させていた。その結果、その冷却待ちによって圧延機に空き時間が発生し、圧延能率が低下するという問題が生じていた。
このような冷却待ちによって圧延機に空き時間が発生し圧延能率が低下するのを解消するために、冷却待ちが必要となった鋼板を圧延ライン外に設けた待機位置に移動させて冷却し、その冷却を行っている間は他の鋼板の圧延を行い、待機位置で冷却していた鋼板が所定の制御圧延開始温度になれば、待機位置から圧延ラインに戻して制御圧延を行うという技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開昭53−146208号公報 特開昭60−180604号公報
しかし、特許文献1、2に記載の技術においては、圧延ライン外に待機位置を設けるためのスペースや、鋼板を圧延ラインと待機位置の間で移動させるための手段が必要となり、大掛かりな設備になってしまう。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、鋼板の制御圧延を行う場合等において、熱間圧延ライン上で鋼板をコンパクトな構造で適切に冷却することができる鋼板の冷却設備および冷却方法を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]鋼板を熱間圧延する間に、鋼板を通過させながら鋼板の上下面にそれぞれ4m /m min以上の水量密度の冷却水を供給する冷却設備であって、鋼板の上方から鋼板の上面に向けて斜めに棒状冷却水を供給するノズルを搬送方向に複数列有し、鋼板上で冷却水が鋼板の搬送方向に互いに対向するように前記ノズルを配列していることを特徴とする鋼板の冷却設備。
]棒状冷却水の噴射方向の速度成分の0〜35%が鋼板幅方向外側に向かう速度成分となるように、棒状冷却水の噴射方向が設定されていることを特徴とする前記[1]に記載の鋼板の冷却設備。
]鋼板の幅方向に配列する全ノズル数の40〜60%が、鋼板の搬送方向に直角な鋼板幅方向片方の外側に向う成分を持つ棒状冷却水を噴射するノズルであることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の鋼板の冷却設備。
]搬送方向に直角な鋼板幅方向の2方向の内、一方向に向かう成分を持つ棒状冷却水の数と他方に向かう成分を持つ棒状冷却水の数が、等しくなるように、前記棒状冷却水の噴射方向が設定されていることを特徴とする前記[1]乃至[3]のいずれかに鋼板の冷却設備。
]ノズルの設置位置が鋼板幅方向中央から外側に向かうにつれて、棒状冷却水の鋼板幅方向外側に向かう速度成分が順次大きくなるように、各ノズルが設置されていることを特徴とする前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の鋼板の冷却設備。
]棒状冷却水の鋼板幅方向外側に向かう速度成分が一定で、棒状冷却水が鋼板に衝突する位置が鋼板幅方向に等間隔となるように、各ノズルが設置されていることを特徴とする前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の鋼板の冷却設備。
]鋼板を熱間圧延する間に、鋼板を通過させながら鋼板の上下面にそれぞれ4m /m min以上の水量密度の冷却水を供給する冷却方法であって、鋼板上で冷却水が鋼板の搬送方向に互いに対向するように、鋼板の搬送方向に複数列配列されたノズルによって、鋼板の上方から鋼板の上面に向けて斜めに棒状冷却水を供給することを特徴とする鋼板の冷却方法。
]棒状冷却水の噴射方向の速度成分の0〜35%が鋼板幅方向外側に向かう速度成分となるように、棒状冷却水の噴射方向を設定することを特徴とする前記[7]に記載の鋼板の冷却方法。
]鋼板の幅方向に配列する全ノズル数の40〜60%が、鋼板の搬送方向に直角な鋼板幅方向片方の外側に向う成分を持つ棒状冷却水を噴射するノズルであることを特徴とする前記[7]または[8]に記載の鋼板の冷却方法。
10]搬送方向に直角な鋼板幅方向の2方向の内、一方向に向かう成分を持つ棒状冷却水の数と他方に向かう成分を持つ棒状冷却水の数が、等しくなるように、前記棒状冷却水の噴射方向が設定されていることを特徴とする前記[7]乃至[9]のいずれかに鋼板の冷却方法。
11]ノズルの設置位置が鋼板幅方向中央から外側に向かうにつれて、棒状冷却水の鋼板幅方向外側に向かう速度成分が順次大きくなるように、各ノズルを設置することを特徴とする前記[7]乃至[10]のいずれかに記載の鋼板の冷却方法。
12]棒状冷却水の鋼板幅方向外側に向かう速度成分を一定とし、棒状冷却水が鋼板に衝突する位置が鋼板幅方向に等間隔となるように、各ノズルを設置することを特徴とする前記[7]乃至[10]のいずれかに記載の鋼板の冷却方法。
なお、本発明において、鋼板を熱間圧延する間に、鋼板を通過させながら鋼板の上下面に冷却水を供給するとは、鋼板を通過させながら鋼板の上下面に冷却水を供給した後に、1回以上熱間圧延することをいう。
本発明においては、鋼板を通過させながら鋼板の上下面に冷却水を供給するようにしているので、設備長が短くてすむとともに、鋼板上で冷却水が搬送方向に互いに対向するようにノズルを配列しているので、供給された冷却水自身が鋼板上の滞留冷却水を堰き止めて水切りを行うことになり、水切りロール等の付帯装置がなくとも適切に水切りが行われる。その結果、鋼板の制御圧延を行う場合等において、熱間圧延ライン上で鋼板をコンパクトな構造で適切に冷却することができる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における鋼板の冷却設備の説明図である。
この実施形態に係る冷却設備は、鋼板の熱間圧延ライン上に設置される通過式の冷却設備であり、鋼板10の上面に向けて冷却水を供給するための上ヘッダユニット21と、鋼板10の下面に向けて冷却水を供給するための下ヘッダ31を備えている。なお、図1中、13はテーブルローラである。
上ヘッダユニット21は、一対の上ヘッダ21a、21bによって構成されており、ここでは、いずれか一方の上ヘッダを第1上ヘッダ21aと呼び、他の上ヘッダを第2上ヘッダ21bと呼ぶことにする。
そして、第1上ヘッダ21aと第2上ヘッダ21bのそれぞれに鋼板の幅方向に配列するとともに搬送方向に複数列設けた円管ノズル22a、22b(ここでは、鋼板10の搬送方向に6列)が取り付けられており、第1上ヘッダ21aの円管ノズル(第1上ノズル)22aと第2上ヘッダ21bの円管ノズル(第2上ノズル)22bとは、それぞれから供給する棒状の冷却水23a、23bが鋼板10の搬送方向に互いに対向するように配列されている。すなわち、第1上ノズル22aはθ1の伏角(噴射角度)で棒状冷却水23aを噴射し、第2上ノズル22bはθ2の伏角(噴射角度)で棒状冷却水23bを噴射するようになっている。
ちなみに、本発明の棒状冷却水とは、円形状(楕円や多角の形状も含む)のノズル噴出口から噴射される冷却水のことを指している。また、本発明の棒状冷却水は、スプレー状の噴流でなく、膜状のラミナーフローでなく、ノズル噴出口から鋼板に衝突するまでの水流の断面がほぼ円形に保たれ、連続性で直進性のある水流の冷却水をいう。
したがって、互いの上ヘッダから最も遠い側の列(最外側の列)の円管ノズルからの棒状冷却水が鋼板10に衝突する位置同士に挟まれた領域が冷却領域ということになる。
その際に、第1上ノズル22aからの棒状冷却水23aの噴射線と第2上ノズル22bからの棒状冷却水23bの噴射線が交差しないようにすれば、図1に示すような滞留冷却水24の水膜が安定して形成される。これによって、互いの上ヘッダに最も近い側の列(最内側の列)の円管ノズルからの棒状冷却水は滞留冷却水24の水膜に向かって噴射されることになり、お互いに他方の棒状冷却水を壊すことがないので好ましい。そして、最内側の列の円管ノズルからの棒状冷却水が鋼板10に衝突する位置同士の間隔を滞留域長さと呼ぶこととすると、滞留域長さを1.5m以内とすれば、滞留する冷却水が鋼板10を冷やす割合は比較的少ないので、鋼板10の最先端や最尾端が非定常な状態で通過する場合に冷え方が大きく変化することを防ぐことができる。
図2(a)、(b)は、上ヘッダ21a、21bに取り付けられている円管ノズル22a、22bの配置例を示したものである。前述したように、円管ノズル22a、22bが鋼板10の搬送方向に6列配置されている。搬送方向に複数列配置するのは、1列のノズルでは鋼板に衝突する冷却水と冷却水の間で滞留冷却水を堰き止める力が弱くなるからである。よって、搬送方向には3列以上配置するのが好ましい。より好ましくは5列以上配置する。また、板幅方向には、通過する鋼板10の全幅に冷却水を供給できるように取り付けられている。
一方、下ヘッダ31については、ここでは、2個の下ヘッダ31が配置されており、それぞれに円管ノズル32が取り付けられ、テーブルローラ13の隙間から棒状の冷却水33を噴射して、通過する鋼板10の全幅に冷却水を供給するようになっている。
そして、この冷却設備は、鋼板10の上面に向けて上ヘッダ21a、21bから鋼板面の水量密度が4m/mmin以上になるように冷却水を供給し、鋼板10の下面に向けて下ヘッダ31から同じく鋼板面の水量密度が4m/mmin以上となるように冷却水を供給している。
ここで、水量密度を4m/mmin以上としている理由について説明する。図1に示す滞留冷却水24は供給する棒状冷却水23a、23bによって堰き止められて形成される。このとき水量密度が小さいと堰き止めること自体ができず、水量密度がある量よりも大きくなると堰き止めることができる滞留冷却水24の量は増加し、板幅端部から排出される冷却水と供給される冷却水の量が釣り合って滞留冷却水24は一定に維持される。厚鋼板の場合、一般的な板幅は2〜5mであり、4m/mmin以上の水量密度で冷却すれば、これらの板幅において滞留冷却水を一定に維持できて、圧延中の鋼板10を通過させながら所望の温度降下量を得ることができる。
水量密度を4m/mmin以上大きくすればするほど冷却待ちを解消する制御圧延材が多くなる。例えば、水量密度が小さいと板厚が薄い圧延材でしか冷却待ちを解消できないが、水量密度を増やしていけば、ある程度板厚が厚い圧延材でも冷却待ちを解消できるようになる。しかし、水量を増やしたことに対する冷却待ち時間短縮の効果は、水量密度を増やしていくほど徐々に小さくなっていくので、水量密度は、冷却待ち時間などの短縮効果と設備コストを勘案して、決定することが好ましい。さらに好ましい水量密度は4〜10m/mminである。
そして、この冷却設備を熱間圧延ラインに配置するに際しては、冷却設備をコンパクトな大きさにするとともに可逆式圧延機に近い位置で鋼板を冷却できるようにするために、滞留域長さを1.5m以内、冷却領域を3m以内とし、その冷却領域が可逆式圧延機のワークロール中心から10m以内の範囲に位置するようにするのが好ましい。
そして、この冷却設備では、第1上ノズル22aから噴射される棒状冷却水23aと第2上ノズル22bから噴射される棒状冷却水23bが鋼板10の搬送方向に互いに対向するようにしているので、鋼板10上面の滞留冷却水24が鋼板10の搬送方向に移動しようとするのを、噴射された棒状冷却水23a、23b自身が堰き止める。これによって、4m/mmin以上の大きな水量密度の冷却水を供給しても、安定した冷却領域が得られ、均一な冷却を行うことができる。
なお、上ノズル22a、22bから噴射する冷却水を例えば膜状冷却水ではなく棒状冷却水としているのは、棒状冷却水の方が安定的に水流が形成され、滞留冷却水を堰き止める力が大きいからである。
その際に、第1上ノズル22aの噴射角度θ1と、第2上ノズル22bの噴射角度θ2は、30°〜60°とするのが好ましい。噴射角度θ1、θ2が30°より小さいと、棒状冷却水23a、23bの鉛直方向速度成分が小さくなって、鋼板10への衝突が弱くなり、冷却能力が低下するからであり、噴射角度θ1、θ2が60°より大きいと、棒状冷却水23a、23bの搬送方向速度成分が小さくなって、滞留冷却水24を堰き止める力が弱くなるからである。なお、噴射角度θ1と噴射角度θ2は必ずしも等しくする必要はない。さらに好ましい噴射角度θ1、θ2は40°〜50°である。
また、所望の冷却能力と水切り能力を得るために、上ノズル22a、22bの配置は搬送方向に5列以上とし、上ノズル22a、22bからの棒状冷却水23a、23bの噴射速度は8m/s以上とするのが好ましい。ノズル列数の上限は、冷却する鋼板のサイズ、搬送速度、目標とする温度降下量などによって適宜決定すればよい。また、噴射速度が30m/sを超えると、圧損が大きくなり、ノズル内面の磨耗が増加する問題が生じ、設備コストも増加するので、30m/s以下とするのは好ましい。
さらに、鋼板10の反り等によって上ノズル22a、22bが損傷するのを防止するために、上ノズル22a、22bの先端の位置をパスラインから離すようにするのがよいが、あまり離すと冷却水が分散するので、上ノズル22a、22bの先端とパスラインの距離を500mm〜1800mmとするのが好ましい。
そして、上記のように構成された冷却設備を厚鋼板の圧延ラインに配置して、鋼板の制御圧延を行う場合には、所定の制御圧延開始板厚(例えば、仕上板厚の1.5〜2倍)において所定の制御圧延開始温度(例えば、850℃以下)となるように、鋼板10を冷却設備で冷却しながら可逆式圧延機で圧延する。そして、所定の制御圧延開始板厚で所定の制御圧延開始温度になれば、それ以降は冷却設備での冷却は行わずに、仕上板厚(例えば、15mm)まで圧延する。
なお、制御圧延開始温度になるまですべての圧延パスで冷却設備によって冷却を行う必要はなく、所定の板厚で所定の温度になるように、冷却設備を適宜オン・オフすればよい。
このようにして、この実施形態においては、鋼板10を通過させながら鋼板10の上下面に冷却水を供給するようにしているので設備長が短くてすむ。そして、鋼板10上で冷却水が搬送方向に互いに対向するように上ノズル22a、22bを配列しているので、供給された棒状冷却水23a、23b自身が鋼板10上の滞留冷却水24を堰き止めて水切りを行うことになり、水切りロール等の付帯装置がなくとも適切に水切りが行われる。その結果、鋼板の制御圧延を行う場合等において、熱間圧延ライン上で鋼板をコンパクトな構造で適切に冷却することができる。
なお、上記の実施形態においては、鋼板の下面に対して、鋼板面の水量密度が4m/mmin以上になる棒状冷却水を供給しているが、本発明はそれに限定されるものではなく、鋼板面の水量密度が4m/mmin以上になる冷却水を供給できるものであれば、それ以外のスリットノズルによるスプレー状冷却水等、どのような形態の冷却水であっても構わない。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態における鋼板の冷却設備は、図1に示した第1の実施形態において、棒状冷却水23a、23bの噴射方向の速度成分の0〜35%が鋼板幅方向外側に向かう速度成分となるように、棒状冷却水23a、23bの噴射方向を設定したものである。
図3、図4に示すが、棒状冷却水23a、23bの噴射方向の速度成分の0〜35%が鋼板幅方向外側に向かう速度成分となるように、棒状冷却水23a、23bの噴射方向を設定すると、上ノズル22a、22bから鋼板10上面に噴射された冷却水は、図3、図4中の矢印Aに示すように、合流して速やかに鋼板10幅端から落下するようになり、鋼板幅方向外側に向かう速度成分がない場合に比べて少ない水量で滞留冷却水24を堰き止めて水切りができるようになるのでエネルギーコスト削減の面で好ましい。より好ましい範囲は10〜35%である。ちなみに、35%を超えると冷却水の飛散防止に設備コストがかかる上に、棒状冷却水の鉛直方向成分が小さくなって、冷却能力が低下する。
また、鋼板の幅方向に配列する全ノズル数の40〜60%が、鋼板の搬送方向成分に直角な鋼板幅方向片方の外側に向かう成分を持つ棒状冷却水を噴射するノズル数であることが好ましい。一方の外側に向いているノズル数が全体の60%以上であり、板端からの冷却水排出に偏りが生じれば、滞留冷却水の厚みが厚くなったところで棒状冷却水が滞留冷却水を堰き止められなくなり、幅方向の温度むらが発生する可能性があるからである。また、片方の外側で飛散水が極端に多くなると、これを防止するための設備コストが高くなるからでもある。
ところで、図3に示すように幅方向外側を向かずに噴射するノズルを板幅中央部に設置したとしても、その数を全体の20%以内とし、残りのうち両外側に向けるノズル数をほぼ等しくすれば、滞留冷却水の排出は円滑に行われる。滞留冷却水を堰き止めて水切りを行うのには、最も好適である。
ここで、上記の棒状冷却水の噴射方向の設定について、図5を用いて具体的に説明する。図5は、棒状冷却水の噴射方向を示したものであり、棒状冷却水の噴射線と鋼板とがなす角度(実質の伏角)をβ、搬送方向に対する伏角をθ、鋼板幅方向外側に向かう角度(外向き角)をαとして示している。そして、棒状冷却水の噴射速度0〜35%が鋼板幅方向外側に向かう成分となるようにするということは、冷却水の噴射長さLに対する鋼板幅方向成分Lwの比Lw/L(幅方向速度成分比率)が0〜35%となるようにすることを意味する。表1に、ノズルの噴射口高さhを900mm、搬送方向に対する伏角θを45°、50°とした場合の計算結果を示す。幅方向速度成分比率が0〜35%となるのは、搬送方向に対する伏角θが45°では外向き角αが0〜25°、搬送方向に対する伏角θが50°では外向き角αが0〜30°の場合である。
Figure 0004876783
そして、前述した図3は、上記に基づいて上ノズル22a、22bを設置した場合の一例を示す平面図である。ここでは、鋼板幅方向中央のノズルからの棒状冷却水は外向き角αが0°とし、ノズルの設置位置が鋼板幅方向外側に向かうにつれて外向き角αが順次大きくなるようにしている。また、棒状冷却水が鋼板に衝突する位置が鋼板幅方向に等間隔(例えば、60mmピッチ)となるように各ノズルを設置している。
また、前述した図4は、上記に基づいて上ノズル22a、22bを設置した場合の他の例を示す平面図である。ここでは、冷却水噴射の外向き角αを一定(例えば、20°)とし、棒状冷却水が鋼板に衝突する位置が鋼板幅方向に等間隔(例えば、60mmピッチ)となるように各ノズルを設置している。その際、鋼板幅方向中央付近では、左右の両外側に向けて噴射するノズルを設置しなくてはならないので、ノズルを取り付ける穴の加工が可能となるように、一方の鋼板幅方向外側に向けて噴射するノズル列(例えば、図4中の上方向に噴射成分をもつノズル列)と他方の鋼板幅方向外側に向けて噴射するノズル列(例えば、図4中の下方向に噴射成分をもつノズル列)を、搬送方向に交互に所定間隔(例えば、20mm)ずらして設置し、鋼板の搬送方向成分に直角な鋼板幅方向片方の外側に向う成分を持つ棒状冷却水を噴射するノズル数と、他の片方の外側に向う成分を持つ棒状冷却水を噴射するノズル数が等しくなるようにしている。
なお、外向き角αを大きくすれば、より少ない水量での水切りが可能となるが、図3に示すように、鋼板幅方向中央付近でノズル密度が大きくなる範囲が広がる。鋼板幅方向で均一な流量分布を得るように、そしてヘッダに送水するポンプの能力や配管の太さなどを考慮して、外向き角αを決定すればよい。
そして、上記のような冷却設備の両外側には、防水壁や排水口などを設けることが好ましい。冷却水が設備外に漏れたり、設備内で飛散して新たな滞留水となったりすることを防ぐために有効であるからである。
ただし、外向き角αが30°を超える場合、冷却水の飛散防止に設備コストがかかる上に、棒状冷却水の垂直方向成分が小さくなって、冷却能力が低下するので好ましくない。
本発明の実施例として、前述の第2の実施形態に基づいて、図3または図4に示した冷却設備を用いて、鋼板の冷却を行った。その際、棒状冷却水の搬送方向に対する伏角θを45°、噴射速度を8m/sとした。また、ノズル内径を6mmとした。
そして、本発明例1として、図3に示した冷却設備を用い、鋼板幅方向中央の棒状冷却水の外向き角αを0°、最外側の棒状冷却水の外向き角αを25°とするとともに、棒状冷却水が鋼板に衝突する位置が鋼板幅方向に60mmピッチとなるようにした。
また、本発明例2として、図4に示した冷却設備を用い、棒状冷却水の外向き角αを20°一定とするとともに、棒状冷却水が鋼板に衝突する位置が鋼板幅方向に60mmピッチとなるようにした。
その結果、本発明例1、2とも、上ノズル22a、22bから鋼板10上面に噴射された冷却水は、図3、4中の矢印Aに示すように、合流して速やかに鋼板10幅端から落下し、外向き角αがない場合に比べて少ない水量で滞留冷却水24を堰き止めて水切りを行うことができた。
本発明の第1の実施形態に係る鋼板の冷却設備の説明図である。 本発明の第1の実施形態における上ヘッダのノズル配置例を示した図である。 本発明の第2の実施形態に係る鋼板の冷却設備の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る他の鋼板の冷却設備の説明図である。 本発明の第2の実施形態における噴射方向の説明図である。
符号の説明
10 鋼板
13 テーブルローラ
21 上ヘッダユニット
21a 第1上ヘッダ
21b 第2上ヘッダ
22a 第1上ノズル
22b 第2上ノズル
23a 棒状冷却水
23b 棒状冷却水
24 滞留冷却水
31 下ヘッダ
32 下ノズル
33 棒状冷却水

Claims (12)

  1. 鋼板を熱間圧延する間に、鋼板を通過させながら鋼板の上下面にそれぞれ4m /m min以上の水量密度の冷却水を供給する冷却設備であって、鋼板の上方から鋼板の上面に向けて斜めに棒状冷却水を供給するノズルを搬送方向に複数列有し、鋼板上で冷却水が鋼板の搬送方向に互いに対向するように前記ノズルを配列していることを特徴とする鋼板の冷却設備。
  2. 棒状冷却水の噴射方向の速度成分の0〜35%が鋼板幅方向外側に向かう速度成分となるように、棒状冷却水の噴射方向が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼板の冷却設備。
  3. 鋼板の幅方向に配列する全ノズル数の40〜60%が、鋼板の搬送方向に直角な鋼板幅方向片方の外側に向う成分を持つ棒状冷却水を噴射するノズルであることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼板の冷却設備。
  4. 搬送方向に直角な鋼板幅方向の2方向の内、一方向に向かう成分を持つ棒状冷却水の数と他方に向かう成分を持つ棒状冷却水の数が、等しくなるように、前記棒状冷却水の噴射方向が設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに鋼板の冷却設備。
  5. ノズルの設置位置が鋼板幅方向中央から外側に向かうにつれて、棒状冷却水の鋼板幅方向外側に向かう速度成分が順次大きくなるように、各ノズルが設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の鋼板の冷却設備。
  6. 棒状冷却水の鋼板幅方向外側に向かう速度成分が一定で、棒状冷却水が鋼板に衝突する位置が鋼板幅方向に等間隔となるように、各ノズルが設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の鋼板の冷却設備。
  7. 鋼板を熱間圧延する間に、鋼板を通過させながら鋼板の上下面にそれぞれ4m /m min以上の水量密度の冷却水を供給する冷却方法であって、鋼板上で冷却水が鋼板の搬送方向に互いに対向するように、鋼板の搬送方向に複数列配列されたノズルによって、鋼板の上方から鋼板の上面に向けて斜めに棒状冷却水を供給することを特徴とする鋼板の冷却方法。
  8. 棒状冷却水の噴射方向の速度成分の0〜35%が鋼板幅方向外側に向かう速度成分となるように、棒状冷却水の噴射方向を設定することを特徴とする請求項7に記載の鋼板の冷却方法。
  9. 鋼板の幅方向に配列する全ノズル数の40〜60%が、鋼板の搬送方向に直角な鋼板幅方向片方の外側に向う成分を持つ棒状冷却水を噴射するノズルであることを特徴とする請求項7または8に記載の鋼板の冷却方法。
  10. 搬送方向に直角な鋼板幅方向の2方向の内、一方向に向かう成分を持つ棒状冷却水の数と他方に向かう成分を持つ棒状冷却水の数が、等しくなるように、前記棒状冷却水の噴射方向が設定されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに鋼板の冷却方法。
  11. ノズルの設置位置が鋼板幅方向中央から外側に向かうにつれて、棒状冷却水の鋼板幅方向外側に向かう速度成分が順次大きくなるように、各ノズルを設置することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の鋼板の冷却方法。
  12. 棒状冷却水の鋼板幅方向外側に向かう速度成分を一定とし、棒状冷却水が鋼板に衝突する位置が鋼板幅方向に等間隔となるように、各ノズルを設置することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の鋼板の冷却方法。
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