JP4779758B2 - 形鋼のウェブ上面冷却装置およびその使用方法 - Google Patents

形鋼のウェブ上面冷却装置およびその使用方法 Download PDF

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本発明は、U字姿勢で冷却される鋼矢板やH形鋼などの形鋼のウェブ上面冷却装置およびその使用方法に係り、粗圧延と仕上圧延の間の冷却、仕上圧延後の冷却に用いて好適な形鋼のウェブ上面冷却装置およびその使用方法に関する。
U字姿勢で冷却される鋼矢板やH形鋼などの形鋼は、圧延された後、ホットソーで定尺切断され、冷却床で大気放冷され製造されている。近年、H形鋼に対して高強度・高靭性化が求められるようになり、このため、H形鋼を製造する際に制御圧延や制御冷却が行われている。例えば、H形鋼を圧延する場合、通常800℃以上の圧延直後のH形鋼に冷却流体として冷却水を供給し、600℃以下まで急冷することがある。その際、形鋼の場合、生産性の点からウェブが水平な状態(形鋼長手方向に直角な断面で見て上半分が略U字の樋状)で、冷却水を噴射するノズルを複数設けた通過型の冷却装置でウェブ上面を冷却する。このようにして製造される形鋼製品に対して、各部の材質が一定しており、強度が均一であることが求められているが、ウェブ上面を冷却した後の冷却水が乗り水となって流れることに起因して長手方向にわたり形状が良く、材質が均一な形鋼製品を得るのが難しいという問題がある。引張り強度や靭性などの機械的性質の変化が大きいと格落ちとなり、ウェブの波うち、フランジの反り、曲がり、ねじれなどの形状不良が大きいと冷却終了後形状修正工程に回すので、形鋼製品の歩留が低下して製造コストが高くなる。したがって、形鋼を製造する際、形鋼長手方向にわたり均一に冷却することが不可欠である。
例えばウェブ上面に滞留したロール冷却水を吸水装置で吸引することでフランジとの温度差を小さくするH形鋼のウェブ上面の水切り装置が提案されている(特許文献1)。
この特許文献1に記載のH形鋼のウェブ上面の水切り装置は大掛かりな装置であるが、構造が簡単な装置として、多数の孔あるいは多数の噴射ノズルを設けた函体を形鋼上部に設置し、函体を形鋼の上部内面内に挿入して使用する圧延材の冷却装置(特許文献2)や、形鋼の上部内面を冷却した冷却水を堰き止めるための流体噴射ノズルと、ウェブ上面に滞留した滞留冷却水を吸引する開口部を有する箱体を備えた冷却水堰き止め排水装置(特許文献3)も提案されている。
特開昭62−21414号公報 特公平5−73806号公報 特開平10−272509号公報
しかしながら、特許文献1に記載の水切り装置は、大掛かりな装置であるうえ、ウェブ上面に滞留したロール冷却水に更に加えてウェブ上面を冷却した後の冷却水を吸引するには吸水装置の設備費が膨大となり実用的ではない。
特許文献2に記載の圧延材の冷却装置は、ウェブ上面を冷却する時に、函体を形鋼の上部内面内に挿入して用いるため、形鋼と冷却装置との接触トラブルを防ぐことが難しいという問題がある。また特許文献2に記載の圧延材の冷却装置は、函体を形鋼の上部内面内に挿入し、ウェブ上面に層流の水ジェットを噴射しかつその間に水の層を維持する必要があり、水位が上がった場合、孔の隙間から内面を冷却した後の冷却水が洩れだし、冷却に使用した後の冷却水を堰き止める効果が発揮できないという問題もある。
特許文献3に記載の冷却水堰き止め排水装置は、冷却帯の入側および/または出側にそれを配置し、箱体を形鋼の上部内面内に挿入して、滞留冷却水を吸引する開口部をウェブ上面に近づけなければならず、形鋼と冷却装置との接触トラブルを防ぐことが難しいという問題がある。
この接触トラブルを防ぐためには、形鋼の先端や尾端が通過する際に箱体の昇降機構を作動させ、形鋼のフランジ上端よりも上方に箱体を退避させることも考えられるが、その場合には先尾端の形鋼の上部内面が冷却不足となり、全長にわたり均一な材質が得られなくなる。また装置自体の構造が複雑になるという問題もある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、形鋼と冷却装置との接触トラブルを防ぐことが可能であると共に、上面を冷却した後の冷却流体を堰き止める効果を発揮できる構造が簡単な形鋼のウェブ上面冷却装置及びその使用方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討し、ノズルから噴射される冷却水によってウェブ上面を冷却した後の冷却流体を堰き止める効果を発揮できることを知見して本発明を成した。
本発明は以下のとおりである。
1.ウェブ上面に向けて冷却流体を斜めに噴射するノズルと、該ノズルを複数設けた2のヘッダとで冷却ユニットを構成し、前記2のヘッダに冷却流体を供給した時に、一方側と他方側のヘッダに設けた複数のノズルから冷却水が噴射され、ウェブ上面を冷却した後の冷却流体が互いに対向するように前記2のヘッダを形鋼圧延ラインのパスラインの上方に形鋼搬送方向に隣接させて設置してなり、前記ノズルを棒状冷却流体を噴射する円管ノズルとし、該円管ノズルを形鋼搬送方向に沿って複数列、配列してなることを特徴とする形鋼のウェブ上面冷却装置。
2.前記管ノズルら噴射する棒状冷却流体とウェブ上面とのなす角を30〜45°としてなることを特徴とする上記1.に記載の形鋼のウェブ上面冷却装置。
3.前記円管ノズルの内径3〜8mmとし、前記形鋼搬送方向に直角な方向隣り合う前記円管ノズルの間隔を、前記円管ノズルの内径の10倍以内とすることを特徴とする上記1.または2.に記載の形鋼のウェブ上面冷却装置。
4.前記円管ノズルを形鋼搬送方向に沿って千鳥状に配列してなることを特徴とする上記3.に記載の形鋼のウェブ上面冷却装置。
5.上記1.〜4.のいずれかに記載の形鋼のウェブ上面冷却装置を用い、前記2のヘッダに冷却流体を供給し、それによって各円管ノズルからウェブ上面に向けて棒状冷却流体を噴射し、各円管ノズルから噴射される棒状冷却流体で前記ウェブ上面を冷却すると共に、一方側のヘッダの各円管ノズルから噴射される棒状冷却流体で他方側のヘッダの各円管ノズルから噴射され、前記ウェブ上面を冷却した後の冷却流体を堰き止めることを特徴とする形鋼のウェブ上面冷却装置の使用方法。
6.前記2のヘッダに冷却流体を供給し、各円管ノズルからウェブ上面に向けて10m/s以上の速度で棒状冷却流体を噴射することを特徴とする上記5.に記載の形鋼のウェブ上面冷却装置の使用方法。
本発明に係る形鋼のウェブ上面冷却装置は、ウェブ上面に向けて冷却流体を斜めに噴射するノズルと、該ノズルを複数設けた2のヘッダとで冷却ユニットを構成したので、構造が簡単である。また、ノズルを複数設けた2のヘッダを形鋼圧延ラインのパスラインの上方に形鋼搬送方向に隣接させて設置した形鋼のウェブ上面冷却装置であるので、形鋼と冷却装置との接触トラブルを防ぐことが可能である。
この形鋼のウェブ上面冷却装置は、2のヘッダに冷却流体を供給した時に、一方側と他方側のヘッダに設けた複数のノズルから冷却水が噴射され、ウェブ上面を冷却した後の冷却流体が互いに対向するように2のヘッダを形鋼搬送方向に隣接させて設置したから、一方側のヘッダの各ノズルから噴射される冷却流体によって他方側のヘッダの各ノズルから噴射され、前記ウェブ上面を冷却した後の冷却流体を堰き止める効果を発揮できる。その結果、形鋼の全長にわたり品質が均一で形状の良い形鋼を製造することができる。
まず、本発明の実施の形態に係る冷却装置について、図面に基づき詳細に説明する。図1(a)は本発明の実施の形態に係る形鋼のウェブ上面冷却装置の正面図、(b)はそのA−A断面図である。また図2はその上面図である。この実施の形態に係る形鋼の冷却装置を設置した場所は、H形鋼を製造する形鋼圧延ラインである。
本発明の実施の形態に係る形鋼の冷却装置は、ウェブ上面に向けて冷却流体を斜めに噴射するノズル3と、ノズル3を複数設けた2のヘッダ1,2とで冷却ユニットを構成し、このノズル3を複数設けた2のヘッダ1,2を形鋼の搬送方向に隣接させて形鋼圧延ラインのパスラインの上方に設置してなる。その際、2のヘッダ1,2に冷却水を供給した時に、一方側と他方側のヘッダに設けた複数のノズルから冷却水が噴射され、ウェブ上面WUを冷却した後の冷却水が互いに対向するように2のヘッダ1,2を形鋼搬送方向に隣接させて設置したことが特徴である。
図1(b)中の形鋼長手方向は形鋼搬送方向に平行な方向であり、P、Qは、最内側の列の円管ノズルからの冷却水が形鋼に衝突する位置を示す。6は、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止めて生じた滞留冷却水を示す。7は、フランジ上端FUから排水されるオーバーフロー水を示す。また図2中、4はテーブルローラを示し、5はエプロンを示す。
なお2のヘッダ1,2に冷却水を供給した場合、図1(a)、(b)に示すように、ノズル3から噴射する冷却水が互いに交差しないよう、2のヘッダ1,2にノズル3を複数配列することが、ノズル3から噴射される冷却水によってウェブ上面WUを冷却した後の冷却水を堰き止める効果を十分発揮させるうえで重要である。
このように、2のヘッダ1,2に冷却水を供給した時に、一方側と他方側のヘッダ1,2に設けた複数のノズル3から冷却水が噴射され、ウェブ上面WUを冷却した後の冷却水が互いに対向するように2のヘッダ1,2を形鋼搬送方向に隣接させて設置したので、一方側のヘッダの各ノズル3から噴射される冷却水によって他方側のヘッダの各ノズル3から噴射され、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止める効果を十分発揮できる。このため、ウェブ上面WU上の形鋼長手方向の位置P、Q間には、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水が溜まり、冷却水が衝突する噴射領域内の外側に滞留冷却水6が洩れ出すことを阻止できる。
ここで、形鋼の反り等によって各ノズル3と形鋼のフランジ上端FUとが接触しないように2のヘッダ1,2をパスラインから離して設置する。ただし、パスラインからノズル3までの高さを高くし過ぎると、ノズル3からウェブ上面WUまでの距離が遠くなってノズル3からウェブ上面WUに向けて斜めに噴射される冷却水がウェブ上面WUに衝突するまでの速度低下や冷却水の分散が生じるから、H形鋼の場合、形鋼圧延ラインのパスラインからノズル3までの距離を1200mm以下とすることが好ましい。
また、形鋼長手方向の位置PQの間隔を広くし過ぎると、形鋼の端部が通過するに際し、滞留冷却水6が溜まるまでの間、滞留冷却水6による冷却能が変化するため、ウェブ上面WU上での位置PQの間隔である滞留域長さを1.5m以内とするのが好ましい。
また、本発明ではノズル3を円管ノズルとし、該円管ノズルを形鋼の搬送方向に沿って複数列、配列してなるまた、ノズル3から噴射する棒状冷却流体とウェブ上面とのなす角を30〜45°としてなるのが好ましい。この理由は、一方側のヘッダに設けた複数のノズル3から噴射される冷却水によって他方側のヘッダの各ノズル3から噴射され、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止める水壁のような働きを十分発揮させ、かつウェブ上面WUの冷却能を高めるには、冷却水がウェブ上面WUに衝突する時の力を大きくし、かつノズル数が多い方が好ましいからである。
具体的には、形鋼の搬送方向に沿って複数列、配列すれば、水壁のような働きを十分発揮させることができ、その効果をより高めるためには、ノズル3を形鋼の搬送方向に沿って千鳥状に配列してなるのが効率的である。ノズル3を円管ノズルとしてなることが好ましいのは、ノズル内圧力を高め、冷却水の流速を大きくしても膜状に拡がり難く、滞留冷却水6を噴射領域内(冷却領域内)に堰き止める効果が大きいからである。多孔ノズルもノズル3から噴射する冷却流体が棒状となるので好ましい。一方、膜状に拡がるノズルは、ウェブ上面WUを冷却する冷却能が小さく、また冷却水を堰き止める効果も小さい。
またさらに、ノズル3から噴射する冷却水とウェブ上面WUとのなす角は30°〜45°とするのが好ましい。その角が30°よりも過小であると、冷却水の鉛直方向速度成分が小さくなってウェブ上面WUを冷却する冷却能力が低下する。反対にその角が45°よりも過大となると、ウェブ上面WUに平行な冷却流体の搬送方向速度成分が小さくなって、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止める力が弱くなる。このため、ウェブ上面WUを冷却する冷却能と、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止める効果のバランス上、ノズル3から噴射する冷却流体とウェブ上面WUとのなす角は30°〜45°とするのが好ましい。
ノズル3から噴射する冷却水の流速が大きいほうがウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止める堰き止め効果が向上する。このため、ノズル3から噴射する冷却水の流速は10m/s以上とする。噴射する冷却水の流速を10m/s以上とすれば、各ノズル3からウェブ上面WUに向けて斜めに噴射される冷却水がウェブ上面WUに衝突する時の力が大きくなり、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止める力を十分とすることができる。
以上説明した本発明の実施の形態に係る形鋼の冷却装置によれば、形鋼が通過する際に、2のヘッダ1,2に冷却水を供給し、一方側のヘッダに設けた複数のノズル3から噴射される冷却水によって他方側のヘッダに設けた複数のノズル3から噴射され、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止めることができ、その後、増水した滞留冷却水6がフランジ上端FUからオーバーフロー水7となって排水される。
なお、ノズル3が詰まりにくくかつノズル3から噴射する冷却水の流速を確保するためには、ノズル内径は3〜8mm範囲内とするのが好ましい。スリットノズルの場合はスリット幅が3〜8mmの範囲内であればよい。ノズル3が詰まりにくくかつノズル3から噴射する冷却水の流速を確保するためには、形鋼の搬送方向に直角な方向に隣り合うノズル3の間隔をノズル内径の10倍以内とすることが好ましい。
冷却装置の幅、すなわち形鋼搬送方向に直角な方向のヘッダ幅(図1(b)で、形鋼長手方向に直角な方向)は、(一対のフランジの内面同士の距離−200)mm以上とすることが好ましい。これより狭くなるとフランジの内面とノズル3から噴射する冷却水の間隔が広くなり、ウェブ上面WUを冷却するのに寄与した後の冷却水を堰き止める水壁のような効果が減少する。
形鋼が通過する際に、図1(b)に示す滞留冷却水6が溜まるほど、フランジ上部内面は滞留冷却水6で冷却される。一方、H形鋼を製造する形鋼圧延ラインには、普通、フランジ上部内面、フランジ下部内面、フランジ上部・下部外面、またさらにウェブ上面と反対側のウェブ下面を冷却する冷却装置が設置されている(図1,2には図示せず)。
本発明の実施の形態に係る形鋼のウェブ上面冷却装置は、従来のウェブ上面を冷却する冷却装置に代えて設置するのが好ましい。形鋼圧延ラインに既に設置されている従来の冷却装置と協動して冷却制御を行うことで、H形鋼各部(フランジとウェブ、トップ部とテール部)で冷却終了温度が変わってしまうことを抑制でき、結果として、全長にわたり品質が均一で形状の良い形鋼を製造することができる。
以上説明した本発明の実施の形態に係る形鋼のウェブ上面冷却装置は、ウェブ上面に向けて冷却流体を斜めに噴射するノズル3と、ノズル3を複数設けた2のヘッダとで冷却ユニットを構成した構造が簡単なものであるから、粗圧延機と仕上圧延機の間の冷却ゾーンおよび/または仕上圧延機後の冷却ゾーンなどに簡単に設置することができる。
また、U字姿勢で冷却される鋼矢板などを製造する形鋼圧延ラインに適用し、ノズルを複数設けた2のヘッダをパスラインの上方に形鋼搬送方向に隣接させて設置することにより、形鋼と冷却装置との接触トラブルを防ぐことができ、かつウェブ上面を冷却した後の冷却流体を堰き止める効果を発揮できるから、形鋼の全長にわたり品質が均一で形状の良い形鋼を製造することができるようになる。
(発明例)
図1、2に示した本発明の実施の形態に係る形鋼のウェブ上面冷却装置を、H形鋼を製造する形鋼圧延ラインの冷却帯に設置し、形鋼長手方向にわたる温度変化、材質変化および形状変化を調査した。
(供試材の断面寸法)
フランジ厚み:60mm、フランジ高さ:500mm、ウェブ厚み:50mm、ウェブ幅=500mm。
(発明例の形鋼のウェブ上面冷却装置)
のヘッダ1,2で冷却ユニットを構成
ウェブ上面からノズル3までの距離:700mm、
形鋼長手方向に直角な方向のヘッダ幅:370mm、
位置PQの間の滞留域長さ:0.5m、
ノズル:孔径6mmの円管ノズル、
ノズル3から噴射する冷却流体とウェブ上面WUとのなす角:45度、
ノズル配列:形鋼長手方向に千鳥状に6列、
ノズルピッチ:55mm、
ノズルから噴射する冷却水量密度:6m/min・m
ノズルから噴射する冷却水の流速:10m/s。
形鋼の通板条件
H形鋼の搬送速度:2.5m/分、
形鋼の温度目標値
冷却帯の入り側でのフランジ内表面:800℃(赤外線放射温度計での測定値)、
冷却帯を出て復熱した後のH形鋼のフランジ内表面の温度:600℃(同上)。
ただし、発明例の形鋼のウェブ上面冷却装置は、従来のウェブ上面を冷却する冷却装置に代えて設置し、フランジ上部内面、フランジ下部内面、フランジ上部・下部外面、またさらにウェブ上面と反対側のウェブ下面を冷却する冷却装置を用い、ノズルから冷却水を噴射して各部を冷却した。
(発明例の結果)
・形鋼の長手方向にわたる温度変動:±20℃
・冷却後のH形鋼の形状:良好
・形鋼の長手方向のウェブの材質変化:17.6MPa(ウェブ中心点位置で形鋼長手方向に試験片の長さ方向を一致させて1m毎に形鋼の長手方向10mにわたり採取した試験片の引張強さの最大値と最小値の差で評価)
・形鋼の長手方向中央部における同一断面内での材質変化:34.3MPa(フィレット、フランジ、ウェブ間での引張強さの差で評価)
(比較例1)
上記発明例の形鋼のウェブ上面冷却装置を使用せず、形鋼圧延ラインの冷却帯を通過させた場合。
・形鋼の長手方向にわたる温度変動:±50℃
・冷却後のH形鋼の形状:形状不良(ウェブ過冷却によるウェブ波大、冷却終了後形状修正工程で矯正不可能)
・形鋼の長手方向のウェブの材質変化:73.5MPa(試験片条件は実施例1と同じ)
・形鋼の長手方向中央部における同一断面内での材質変化:137.2MPa(試験片条件は実施例1と同じ)
(比較例2)
上記発明例において円管ノズルから噴射する流体の噴射する冷却水の速度を1m/sとした場合。
・形鋼の長手方向にわたる温度変動:±30℃
・冷却後のH形鋼の形状:形状不良(ウェブ過冷却によるウェブ波中、冷却終了後形状修正工程で矯正可能)
・形鋼の長手方向のウェブ材質変化:50MPa
(従来例)
公知のウェブ上面を冷却する冷却装置(ヘッダ1,2のどちらか一方からなる装置)を用い、ウェブ上面を冷却し、その他の条件は発明例と同様とした場合。
・形鋼の長手方向にわたる温度変動:±60℃
・冷却後のH形鋼の形状:形状不良(ウェブ過冷却によるウェブ波大、冷却終了後の形状修正工程で矯正不可能)
・形鋼の長手方向のウェブの材質変化:85.5MPa(試験片条件は実施例1と同じ)
上記発明例の形鋼のウェブ上面冷却装置を用いた場合には、従来例、比較例に比べて、機械的特性のバラツキが減少し、また冷却後の形状不良(ウェブ波、フランジねじれ等)も減少した。その結果、製品直行率が改善され、製造コストが大幅に減少した。
(a)は本発明の実施の形態に係る形鋼のウェブ上面冷却装置の正面図、(b)はA−A断面図である。 図1に示す形鋼のウェブ上面冷却装置の上面図である。
符号の説明
WU ウェブ上面
FU フランジ上端
P、Q 最内側の列の円管ノズルからの冷却水がウェブ上面に衝突する位置
1、2 ヘッダ
3 ノズル
4 テーブルローラ
5 エプロン
6 滞留冷却水
7 オーバーフロー水

Claims (6)

  1. ウェブ上面に向けて冷却流体を斜めに噴射するノズルと、該ノズルを複数設けた2のヘッダとで冷却ユニットを構成し、前記2のヘッダに冷却流体を供給した時に、一方側と他方側のヘッダに設けた複数のノズルから冷却水が噴射され、ウェブ上面を冷却した後の冷却流体が互いに対向するように前記2のヘッダを形鋼圧延ラインのパスラインの上方に形鋼搬送方向に隣接させて設置してなり、前記ノズルを棒状冷却流体を噴射する円管ノズルとし、該円管ノズルを形鋼搬送方向に沿って複数列、配列してなることを特徴とする形鋼のウェブ上面冷却装置。
  2. 前記管ノズルら噴射する棒状冷却流体とウェブ上面とのなす角を30〜45°としてなることを特徴とする請求項1に記載の形鋼のウェブ上面冷却装置。
  3. 前記円管ノズルの内径3〜8mmとし、前記形鋼搬送方向に直角な方向隣り合う前記円管ノズルの間隔を、前記円管ノズルの内径の10倍以内とすることを特徴とする請求項1または2に記載の形鋼のウェブ上面冷却装置。
  4. 前記円管ノズルを形鋼搬送方向に沿って千鳥状に配列してなることを特徴とする請求項3に記載の形鋼のウェブ上面冷却装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の形鋼のウェブ上面冷却装置を用い、前記2のヘッダに冷却流体を供給し、それによって各円管ノズルからウェブ上面に向けて棒状冷却流体を噴射し、各円管ノズルから噴射される棒状冷却流体で前記ウェブ上面を冷却すると共に、一方側のヘッダの各円管ノズルから噴射される棒状冷却流体で他方側のヘッダの各円管ノズルから噴射され、前記ウェブ上面を冷却した後の冷却流体を堰き止めることを特徴とする形鋼のウェブ上面冷却装置の使用方法。
  6. 前記2のヘッダに冷却流体を供給し、各円管ノズルからウェブ上面に向けて10m/s以上の速度で棒状冷却流体を噴射することを特徴とする請求項5に記載の形鋼のウェブ上面冷却装置の使用方法。
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