JP2018103248A - H形鋼の冷却装置および冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】H形鋼の仕上げ圧延後の焼入処理の際、フランジ部の均一強冷却とウェブ部の過冷却抑制とを両立できる冷却装置を提供する。【解決手段】熱間仕上げ圧延後のH形鋼10を冷却する装置であって、H形鋼10のフランジ部11の外面および内面を水量密度1.0m3/min/m2以上で冷却する水冷機構21と、水冷機構21が設けられた水冷帯20において、H形鋼10のウェブ上面12aに向けて圧縮空気を吹き付けるエアブロー機構22と、H形鋼10の搬送方向における水冷帯20の前後に、H形鋼10のウェブ上面12aの水をH形鋼10の外側に排出する水切機構部23と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、H形鋼を製造する際、仕上げ圧延後のH形鋼に焼入処理を行う冷却装置および冷却方法に関するものである。
建造物の梁や柱などに使用される大型H形鋼の製造において、近年、殊に超高層建造物向けとして、仕上げ圧延後に焼入処理を行うことにより合金コストを抑えて高強度なH形鋼を製造する方法が開発されている。
このようなH形鋼の焼入処理を行う冷却装置では、フランジ部の均一強冷却と、ウェブ部の過冷却抑制が要求される。従来、フランジ部の均一強冷却については、強水冷型の冷却装置を設けることで実現されているが、フランジ部を強冷却した場合にはウェブ部が過冷却されてしまい、フランジ部の均一強冷却とウェブ部の過冷却抑制とを両立させることは困難である。
H形鋼の製造設備において、冷却装置の下流側にホットソーによる鋸断部が設けられている場合、H形鋼の冷却停止温度を500℃以上、例えば550℃程度にする必要がある。ところが、フランジ部の強水冷時には、不可避的にウェブ部の上面に残留水が溜まり、この残留水によってウェブ部が過冷却される。殊に、大型H形鋼のウェブ厚はフランジ厚の2/3以下の薄いものが多く、このようなH形鋼では、ウェブ上面に溜まる水によって、ウェブ部がフランジ部に比べて過冷却されやすい。ウェブ部が過冷却されると、熱収縮の差によりウェブ部に波状の歪みが生じて製品の寸法精度が低下する。また、ウェブ部のみに強い焼き入れ効果が生じて硬くなると、鋸断不良等の問題が生じる。
そのため、フランジ部を強水冷しつつ、ウェブ上面の残留水を排出して、ウェブ部の過冷却を抑制することが必要になる。さらに、冷却工程区間の前段側への水の逆流も防ぐ必要がある。
H形鋼の冷却に関して、例えば特許文献1には、H形鋼のフランジ部の外側を冷却する第1噴射部、および、フランジの内側およびウェブ部を冷却する第2噴射部を有する冷却装置が開示されている。さらに、特許文献2には、H形鋼のウェブ部と2つのR部、および、フランジ部の外側に、それぞれ3組ずつのノズルを設けたH形鋼の冷却装置が開示されている。
また、特許文献3には、H形鋼のフランジ外面を水量密度1000L/min・m以上で強冷却し、ウェブ部を、上面は冷却用のスプレーノズルまたはミストノズルと空気噴射ノズル、下面はスプレーノズルまたはミストノズルで冷却し、ウェブ部への水量密度をフランジ部よりも低くする冷却方法が開示されている。
韓国特許公開2013−0034216号公報 中国特許公開第103357678号公報 特許第3546300号公報
上記特許文献1および2は、いずれも、H形鋼のフランジ部の外側および内側に対して、それぞれ、プレート等を有する噴射部、3組のノズルにより冷却するものであり、不可避的にウェブ部の上面に残留水が溜まり、この残留水によってウェブ部が過冷却されるという問題が生じるものである。
特許文献3の冷却方法では、ウェブ部に冷却水が滞留しないように空気噴射ノズルを設けているが、ウェブ上面を水冷しているため、ウェブ部が過冷却になる問題は依然解決されない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、H形鋼の仕上げ圧延後の焼入処理の際、フランジ部の均一強冷却とウェブ部の過冷却抑制とを両立できる冷却装置および冷却方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、熱間仕上げ圧延後のH形鋼を冷却する装置であって、前記H形鋼のフランジ部の外面および内面を水量密度1.0m/min/m以上で冷却する水冷機構と、前記水冷機構が設けられた水冷帯において、前記H形鋼のウェブ上面に向けて圧縮空気を吹き付けるエアブロー機構と、前記H形鋼の搬送方向における前記水冷帯の前後に、前記H形鋼のウェブ上面の水を前記H形鋼の外側に排出する水切機構部と、を有することを特徴とする、H形鋼の冷却装置を提供する。
前記H形鋼の冷却装置において、前記水切機構部は、前記H形鋼のウェブ上面にエアを吹き付けるエア−水切機構を備えていてもよい。また、前記水切機構部は、前記エア−水切機構よりも前記水冷帯に近い位置で、前記H形鋼のウェブ上面およびフランジ内面に水を吹き付ける水−水切機構を備えてもよい。さらに、前記水切機構部は、前記水冷帯と前記水−水切機構との間に堰き止め板を備えてもよい。
また、本発明は、熱間仕上げ圧延後のH形鋼を冷却する方法であって、前記H形鋼のフランジ部の外面および内面を、水冷機構により水量密度1.0m/min/m以上で冷却し、前記水冷機構が設けられた水冷帯において、エアブロー機構により前記H形鋼のウェブ上面に向けて圧縮空気を吹き付け、前記H形鋼の搬送方向における前記水冷帯の前後において、水切機構部により前記H形鋼のウェブ上面の水を前記H形鋼の外側に排出することを特徴とする、H形鋼の冷却方法を提供する。
本発明によれば、H形鋼の仕上げ圧延後の焼入処理において、フランジ部の均一強冷却とウェブ部の過冷却抑制とを両立することができる。
本発明の実施の形態にかかる冷却装置を備えた熱間圧延設備の構成の概略を示す図である。 本発明の実施の形態にかかる冷却装置の概略を示す側面図である。 図2のA−A線から見た水冷帯の断面図である。 図2のB−B線から見た水−水切機構の断面図である。 図2のC−C線から見たエア−水切機構の断面図である。 実施例における水切機構部の効果を示すグラフである。 実施例におけるエアブロー機構および水切機構部の効果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、H形鋼の圧延設備1の構成の概略を示す説明図である。圧延設備1は、搬送方向順に、スラブを加熱する加熱炉2、加熱炉2で加熱されたスラブを略H形状に圧延する粗圧延機3、さらに製品形状に近いH形状に圧延する中間圧延機4、製品形状に仕上げ圧延する仕上圧延機5、仕上圧延機5により仕上げ圧延されたH形鋼10を所定の温度まで冷却する冷却装置6、冷却装置6で冷却されたH形鋼10を所定の長さに鋸断する鋸断装置7を備えている。なお、上記の圧延設備1は一般的な設備構成であって、本発明が適用されるH形鋼の圧延設備はこれに限るものではない。本発明の冷却装置6が適用されるH形鋼は、例えばフランジ幅が概ね200mm以上、ウェブ高さが概ね400mm以上、さらにはウェブ高さが600mm以上の大型H形鋼を主な対象とする。
図2は、本発明の実施の形態に係る冷却装置6を示す側面図であり、図3は、図2のA−A線から見た断面図である。冷却装置6は、搬送ローラ8上を搬送されるH形鋼10が水冷帯20を通過する間、主にフランジ部11を水冷する水冷機構21と、水冷帯20を通過中のH形鋼10のウェブ上面12aに圧縮空気を吹き付けるエアブロー機構22を備えている。さらに、搬送方向における水冷帯20の前後に、水切機構部23を備えている。
水冷機構21は、図3に示すように、H形鋼10のフランジ部11の外面側、フランジ部11の内面側のうちウェブ部12の上側、フランジ部11の内面側のうちウェブ部12の下側に、それぞれ、冷却水噴射用ノズルを設けたノズルヘッダ31、32、33を備えている。各ノズルヘッダ31、32、33には、冷却水が供給される。
先ず、H形鋼10のフランジ部11の均一強冷却を実現するために必要な水量密度(水冷面における単位面積あたりの冷却水量;m/min/m)と材料性能(引張強度および靭性)との関係を小鋼片試験にて調査したところ、フランジ部11に十分な焼き入れ効果が得られる水量密度は1.0m/min/m以上であった。したがって、水冷帯20では、この水量密度を実現するように冷却水噴射用ノズルが配置される。なお、この水量密度は、H形鋼10の材質やサイズによって異なる。
本発明では、水冷機構21におけるフランジ部11を冷却するノズルの配置は限定しないが、所定量の十分な水量密度を実現して強冷却を行うために、冷却水噴射面の非衝突部面積が最小限となるように配置することが望ましい。具体的には、例えばノズルのタイプを楕円または正円のフルコーンノズルとし、搬送方向に隣接するノズルの上下方向の位置をずらして千鳥配置にし、水冷帯20を通過するH形鋼10のフランジ部11全体に隙間無く冷却水が届くようにすることが好ましい。さらに、噴射面が干渉し合わないようにノズルを配置して、フランジ部11が均一に冷却されるようにする。また、フランジ外面11aとフランジ内面11bとを同じ水量密度で冷却し、フランジ部11の厚さ方向で温度勾配が生じないようにすることが好ましい。また、フランジ外面11a側の側部ノズルヘッダ31は、H形鋼10の寸法の違いに対応できるように、H形鋼10のウェブ部12の高さ方向(図3の左右方向)に可動とするとともに、側部ノズルヘッダ31の各ノズル41のオンオフを、上下位置毎に制御できるようにすればよい。
フランジ部11の内面側のうちウェブ部12の上側には、図3に示すように、上部ノズルヘッダ32が配置される。上部ノズルヘッダ32のノズル42は、フランジ内面11bおよび、フランジ内面11bとウェブ上面12aとの境界のR部に向けて冷却水を噴射するように設けられる。フランジ部11の厚みが大きい大型のH形鋼10では、フランジ外面11aのみの冷却では十分な焼き入れが行われないため、内面側も外面側と同様に強冷却する。また、上部ノズルヘッダ32は、冷却するH形鋼10のフランジ部11の寸法の違いに対応できるように、各ノズル42のオンオフを上下位置毎に制御できるようにすればよい。
さらに、ウェブ部12の上側には、エアブロー機構22が設けられている。エアブロー機構22は、圧縮空気供給管36から供給された圧縮空気を水冷帯20全域のウェブ上面12aに向けて吹き付ける圧縮空気噴出板37および固定枠38を備えている。圧縮空気噴出板37および固定枠38は、圧縮空気噴出板37がウェブ上面12aから例えば20〜50mm程度上方に位置するように、水冷帯20の全長にわたってウェブ上面12aの上方に配置される。圧縮空気噴出板37には、全面にわたって適宜間隔で噴出口が開けられている。したがって、圧縮空気供給管36から固定枠38内に圧縮空気が供給されると、圧縮空気噴出板37の噴出口を介して、ウェブ上面12aに圧縮空気が吹き付けられる。圧縮空気供給管36は、固定枠38の中央部に一カ所、または、水冷帯20の長さ等に応じて適宜複数箇所に接続される。エアブロー機構22によるエアの噴出圧は、0.02〜0.3MPa程度とする。
エアブロー機構22により、ウェブ上面12aに向けて圧縮空気を吹き付けることで、フランジ内面11bの冷却水を図3の矢印DのようにH形鋼10の外側に逃がすことができる。これにより、冷却水がウェブ上面12aに流れてきたり滞留したりするのを抑制し、ウェブ上面12aの過冷却を防ぐ。
フランジ部11の内面側のうちウェブ部12の下側には、図3に示すように、下部ノズルヘッダ33が配置される。下部ノズルヘッダ33には、フランジ内面11b、フランジ内面11bとウェブ下面12bとの境界のR部、およびウェブ下面12bに向けてノズル43が設けられる。
本発明では、ウェブ上面12aには冷却水の噴射を行わないが、圧縮空気や、若干侵入してくるフランジ内面11bの冷却水および後述する水−水切機構24からの水により、ウェブ上面12aが若干冷却される。そのため、ウェブ部12の厚さ方向で温度勾配が生じて寸法の歪みが起こらないように、ウェブ下面12bに対して水冷を行う。下部ノズルヘッダ33のノズル43の配置の詳細は特に限定しないが、フランジ内面11bへの冷却水の噴射は、上部ノズルヘッダ32と同様に行い、ウェブ下面12bに対しては、ウェブ上面12aの温度低下と釣り合う程度の弱冷却として過冷却にならないようにする。ウェブ下面12bの冷却用のノズル43の配置としては、水冷帯20の前後両端に一カ所ずつ設置し、さらに、必要に応じて水冷帯20中に1〜3カ所程度追加する。
図3に示す実施の形態では、上部ノズルヘッダ32は、ウェブ部12の寸法毎に製作されたものを使用する。また、下部ノズルヘッダ33は、フランジ部11とウェブ部12の両方の寸法毎に製作されたものを使用する。あるいは、上部ノズルヘッダ32とエアブロー機構22とを分離し、さらにそれぞれの設置位置を可変とすることにより、任意の寸法のH形鋼10に対応させることもできる。また、下部ノズルヘッダ33も、フランジ内面11b用の冷却ノズルとウェブ下面12b用の冷却ノズルとを別配管に接続し、それぞれの設置位置を可変とすることにより、任意の寸法のH形鋼10に対応させることもできる。
また、本実施の形態では、冷却装置6の前後への水の流出を防ぎ、ウェブ上面12aの残留水を掃き出すために、図2に示すように、水冷帯20の前後両側に水切機構部23を設けている。水切機構部23は、水冷帯20の前後に設けられた水−水切機構24と、両側の水−水切機構24よりも水冷帯20から離れた位置に設けられたエア−水切機構25と、両側の水−水切機構24に近接し水−水切機構24よりも水冷帯20寄りの位置に設けられた堰き止め板26とを備えている。エア−水切機構25だけでも、十分な圧力と風量の圧搾空気を供給すれば残留水を掃き出すことが可能であるが、強水冷条件をはじめ大量の残留水を掃き出す場合には、水−水切機構24を併用することが好ましい。
水−水切機構24は、H形鋼10の上部の内面側全体、すなわち、ウェブ部12の上側のフランジ内面11bおよびウェブ上面12aに向けて水を吹き付けることにより、水冷機構21による冷却水が、水冷帯20を通過する前後のH形鋼10のウェブ上面12aに流入するのを抑制するものである。水−水切機構24は、図4に示すように、ウェブ部12の上方に配置された水切用ノズルヘッダ51を有している。水切用ノズルヘッダ51は、ウェブ上面12aに平行な水平ヘッダ52と、左右両側のフランジ部11に平行な2つの垂直ヘッダ53とからなり、それぞれに、例えば1列ずつ、ノズル61が配置されている。水切用ノズルヘッダ51には、給水ヘッダ(図示せず)から冷却水が供給される。各ノズル61からの水の噴射方向は、水冷帯20側に傾けることが好ましく、H形鋼10の内面側の上部全体に、隙間無く水が届くようにする。これにより、水冷帯20から流れてきた水は、H形鋼10の外側へ排出され、冷却装置6の前後のH形鋼10のウェブ上面12aに水が溜まって過冷却されるのを防ぐことができる。
堰き止め板26は、ウェブ上面12aよりも例えば20mm程度上方から、搬送されるH形鋼10の上端よりも高い位置まで、ほぼウェブ部12の高さ(搬送時の左右方向)全体にわたって設けられる。
エア−水切機構25は、ウェブ上面12aに向けて圧縮空気を噴射することにより、水冷機構21や水−水切機構24からウェブ上面12aに沿って流れる水をH形鋼10の外側へ排出し、冷却装置6の前後への水の流れを遮断するものである。エア−水切機構25は、図5に示すように、エアヘッダ(図示せず)に接続された水切用配管54を有している。水切用配管54は、ウェブ上面12aに平行な水平配管からなり、ウェブ上面12aに向けた圧縮空気の吹出口が、ウェブ部12の高さ方向(図5の左右方向)に複数箇所形成されている。なお、水切機構部23は、水−水切機構24のみでも構わないが、エア−水切機構25を併設することで、さらに水切能力が向上する。
水切機構部23の水またはエアの噴出圧は、H形鋼10の種類や焼き入れ条件等によっても異なるが、水−水切機構24とエア−水切機構25とを併用した場合、水−水切機構24の水の噴出圧は例えば0.1〜0.5MPa程度、エア−水切機構25のエアの噴出圧は例えば0.02〜0.3MPa程度が好ましい。噴出圧が大きいほど効果は高くなるが、発明者らの実験によると、これらの上限値以下の噴出圧により、完全に滞留水を掃き出せることがわかっている。また、水切機構部23を水−水切機構24のみとした場合には、水の噴出圧を0.2MPa以上程度とすることが好ましい。
前述の通り、大型H形鋼にはウェブ厚がフランジ厚よりも薄いものが多いうえ、ウェブ上面12aには冷却後の残留水が溜まりやすいため、従来のH形鋼の冷却方法では、ウェブ部12が過冷却されることが問題となっていた。本発明によれば、フランジ部11を内外両側から水量密度1.0m/min/m以上で強水冷しつつ、ウェブ部12の過冷却を抑制することができる。つまり、H形鋼10の焼き入れ時の冷却速度および水冷停止温度を制御して強冷却を実施することで材料性能を確保し、且つ、ウェブ部12の過冷却を防止することでウェブ波などの形状不良発生を抑制するとともに鋸断性を確保できる。したがって、大規模建造物の梁や柱などに使用される大型H形鋼製品として、合金コストを抑えつつ焼入処理によって高品質な製品を製造できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
ウェブ高さ800mm×フランジ幅300mm×ウェブ厚19mm×フランジ厚40mm、全長2000mmのH形鋼を、電気炉で850℃に加熱均熱処理した後、炉から抽出し、搬送しながら冷却装置を通過させて、フランジ部11を水冷した。水量密度は一定(2.0m/min/m)とした。
上記の水冷試験に先行し、水切性能の評価として、水切機構部23から300mm背後への漏水量を冷間オフラインで計測し、漏水量が目標以下となる水切条件を調査した。また、水冷帯20でのウェブ上面12aへのエアブロー機構22を設け、さらに図2に示すように水冷帯20の前後に水切機構部23を設けた本発明例と、これらのいずれかまたは両方がない従来例について、ウェブ部12の過冷却抑制性能を評価した。試験結果を図6および図7に示す。
図6は水切機構部23の評価結果を示す。横軸は水またはエアの噴出圧、縦軸は水切機構部23の背後への漏水量を示す。図6より、目標漏水量を10L/min以下とすると、水−水切機構24のみの場合、水の噴出圧が0.2MPa以上であれば、十分に目標を達成できた。水の噴出圧が0.15MPaの場合には、水−水切機構24のみでは目標値に達しないが、エアの噴出圧が0.1MPaのエア−水切機構25を併用すると、漏水が観測されない程度まで水切りを行うことができた。
図7は、エアブロー機構22、水切機構部23を稼働または停止した場合の、水冷前から水冷後にかけてのフランジ部11およびウェブ部12の温度の経時変化を示す。図中の細い線がフランジ部11、太い線がウェブ部12のデータを示す。水切機構部23を稼働すると、水切機構部23が無い場合に比べて、ウェブ部12の過冷却が抑制され、冷却停止温度が高くなった。ただし、この場合はまだ、フランジ部11の冷却停止温度よりもウェブ部12の冷却停止温度の方が低かった。さらに、ウェブ上面12aにエアブロー機構22を稼働させると、ウェブ部12の過冷却の抑制効果が高くなり、フランジ部11よりも高い冷却停止温度になった。
本発明は、超高層建造物の梁や柱などに使用される大型H形鋼の製造において、仕上げ圧延後の焼入処理を行う冷却装置および冷却方法に適用できる。
1 圧延設備
2 加熱炉
3 粗圧延機
4 中間圧延機
5 仕上圧延機
6 冷却装置
7 鋸断装置
8 搬送ローラ
10 H形鋼
11 フランジ部
11a フランジ外面
11b フランジ内面
12 ウェブ部
12a ウェブ上面
12b ウェブ下面
20 水冷帯
21 水冷機構
22 エアブロー機構
23 水切機構部
24 水−水切機構
25 エア−水切機構
26 堰き止め板
31 側部ノズルヘッダ
32 上部ノズルヘッダ
33 下部ノズルヘッダ

Claims (5)

  1. 熱間仕上げ圧延後のH形鋼を冷却する装置であって、
    前記H形鋼のフランジ部の外面および内面を水量密度1.0m/min/m以上で冷却する水冷機構と、
    前記水冷機構が設けられた水冷帯において、前記H形鋼のウェブ上面に向けて圧縮空気を吹き付けるエアブロー機構と、
    前記H形鋼の搬送方向における前記水冷帯の前後に、前記H形鋼のウェブ上面の水を前記H形鋼の外側に排出する水切機構部と、
    を有することを特徴とする、H形鋼の冷却装置。
  2. 前記水切機構部は、前記H形鋼のウェブ上面にエアを吹き付けるエア−水切機構を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の冷却装置。
  3. 前記水切機構部は、前記エア−水切機構よりも前記水冷帯に近い位置で、前記H形鋼のウェブ上面およびフランジ内面に水を吹き付ける水−水切機構を備えていることを特徴とする、請求項2に記載のH形鋼の冷却装置。
  4. 前記水切機構部は、前記水冷帯と前記水−水切機構との間に堰き止め板を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のH形鋼の冷却装置。
  5. 熱間仕上げ圧延後のH形鋼を冷却する方法であって、
    前記H形鋼のフランジ部の外面および内面を、水冷機構により水量密度1.0m/min/m以上で冷却し、
    前記水冷機構が設けられた水冷帯において、エアブロー機構により前記H形鋼のウェブ上面に向けて圧縮空気を吹き付け、
    前記H形鋼の搬送方向における前記水冷帯の前後において、水切機構部により前記H形鋼のウェブ上面の水を前記H形鋼の外側に排出することを特徴とする、H形鋼の冷却方法。
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