JP2006231361A - H形鋼の冷却ライン設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】 H型鋼を均一な加速冷却を行うための冷却装置を提供する。
【解決手段】 H型鋼のフランジ外面の加速冷却を行うライン設備を搬送方向に複数に分割し、該分割した部分の間に垂直に対向するガイドローラを格納するガイドローラーボックスを配設し、該ガイドローラーボックスの対向する面側に多孔噴流口を設け、且つガイドローラーボックス内部を冷却水供給ヘッダとして使用し、少なくとも該ガイドローラーボックスの配設された部分に対面するH型鋼表面を補足冷却するものであり、前記ガイドローラーボックスの対向する面側に設けられた多孔噴流口の内、ガイドローラの近傍に配列された多孔噴流口の冷却水噴出角度を他の部分より20゜以上内向きに配設し、また、前記多孔噴流口の内、ガイドローラの近傍に配列された多孔噴流口の密度を他の部分の密度の1.5〜2.5倍として配設したH型鋼を均一な加速冷却を行うための冷却装置。
【選択図】 図3

Description

この発明は、特に極厚H形鋼のフランジ面の均一な加速冷却を行うための冷却ライン設備に関するものである。
従来より、熱間粗、仕上げ圧延を行った後高温鋼材面に冷却媒体として冷却水を用いて冷却することは行われている。また、近年H形鋼における機械的性質、溶接性に対する要求が高くなってきており、このため鋼材の材料における合金成分の検討および加速冷却手段による材料組織の微細化が図られている。この合金成分による対応は、低コスト化の要求に必ずしも合致するものではなく、したがって、冷却速度が5℃/sec以上の加速冷却により組織の微細化を図ることが要求されている。
従来この加速冷却手段として、鋼材の長手方向に対する冷却の均一化を図るために、冷却装置における冷却ノズルのノズルピッチPをパラメータとした移動量をオシレーション冷却すること、および箱型に形成した冷却装置の冷却面側板に直径数ミリの孔を多数配列し、その箱型の冷却装置(以下、多孔噴射冷却装置という)に冷却水を流し込み多孔噴射すること等により均一冷却を図ることが実用化されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
特開2003−193126号公報 特開2001−191107号公報
一般的に高強度、高靱性なH形鋼の製造方法は、圧延素材からのブレークダウン圧延、粗圧延を経て仕上圧延を行い、仕上圧延後に加速冷却により、Ar3 温度以上から500〜650℃程度まで急冷し、組織の改質が図られている。
また、ライン設備として多孔噴射冷却装置による冷却ゾーンおよび鋸断による指定寸法長さに切断する鋸断ゾーンを効率よく駆動することにより、顧客の要求に合ったH形鋼を高効率で生産する努力がされている。
顧客の要求長さの変化に対応するために、長尺のH形鋼を適宜切断することが行われており、またライン設備は、H形鋼の断面サイズに対し速やかに対応できるライン設備であることが要求されている。特に、近年建物の超高層化などに伴い断面サイズの大きなH形鋼の需要が増加し、このため冷却設備の長大化で対処するのは、設備費の点から必ずしも適切とは言えない。
従って、必要最小長さの冷却ライン設備で対処することが望まれている。
また、冷却ライン設備は、前述の材料組織改善のために加速冷却するに十分な冷却能力をもつことが必須であり、これは冷却し難い断面の大きなH形鋼の場合であっても同様に要求される。これに対処するため、限られた長さの冷却ライン設備内では搬送速度を遅くしてこれに対策することが考えられるが、実作業上では搬送速度を1.0m/sec以下に落とすことは速度制御性が著しく悪化するため望めない。
一方、H形鋼の圧延は完璧に左右対称というわけではなく、僅かな左右アンバランスがあるとどちらかに偏るのでH形鋼の搬送ではライン中心線上を通るように所々でガイドする必要があった。
従来の冷却ライン設備は、長いサイドガイドのようなものであり、あまり隙間を詰めると曲がったH形鋼材料が通らない。また、隙間をあけすぎると蛇行した時の噴射孔からの冷却水の噴射長さが変わり、左右の冷却むらが生じ、これが製品の強度のばらつきを増大させる。
H形鋼がラインの中心線上を通るようにするために、前記ライン設備の入出側やライン途中に垂直に対向するガイドローラユニットを配設することがおこなわれている。
このガイドローラは、H形鋼がある長さ進行するごとにセンタリングし直すようにするために、例えば15〜25m毎に一対設置することが好ましい。
しかしながら、このガイドローラユニット部は、加速冷却の観点からみれば、H形鋼に対する加速冷却の冷却状態が前記ガイドローラユニット部において搬送方向で非連続となり、従って、停止またはそれに近い状態のH形鋼の長手方向に対しては均一な冷却、均一な材料組織の微細化が得られないという課題を提起する。
従って、ガイドローラユニット部における冷却状態の非連続性を回避乃至補償することが試みられており、このガイドローラユニット部における冷却状態の非連続性を製品の品質に影響しない程度までに分散することが図られる。
本発明は、上記に鑑み、H形鋼の加速冷却において長手方向に均一で効率的な冷却を行うライン設備を提供することを目的としている。
本発明のH形鋼の冷却ライン設備は、
1) 多孔噴流方式によりH形鋼のフランジ外面の冷却を行う、ライン搬送方向に複数に分割されたH形鋼の冷却ライン設備において、該冷却ライン設備は、分割された第1段目の前記冷却ライン設備として、搬送ライン方向に沿って対面して設けられ、また、搬送ライン側に沿った側面に多数配列された冷却水の噴射孔を有する第1段目の多孔噴射冷却装置と、
該第1段目の多孔噴射冷却装置に相隣る第2段目の分割された冷却ライン設備として、搬送ライン方向に沿って対面して設けられ、また、搬送ライン側に沿った側面に多数配列された冷却水の噴射孔を有する第2段目の多孔噴射冷却装置と
該第1段目の多孔噴射冷却装置と第2段目の多孔噴射冷却装置との間にあって、前記搬送ラインを挟んで対向して、且つ垂直に配設された一対のガイドローラユニットとを備えており、
該ガイドローラユニットは、ガイドローラ軸により支えられたガイドローラと、該ローラ軸を支承する箱状形のガイドローラボックスとを有しており、
また、該箱状形のガイドローラボックスは、搬送ライン側の側面に前記ガイドローラの外周面の一部が突出する開放部を有し、且つ、内部に加圧冷却水を溜めるようにされた袋状の箱状形で構成されており、さらにまた、該箱状形のガイドローラーボックスの少なくとも前記開放部に隣接する搬送ライン側の側面のみに、H形鋼フランジ面を補足冷却するための多数配列された冷却水の噴射孔を配設したものである。
2)上述の1)において、前記箱状形のガイドローラボックスの搬送ライン側の側面のみに多数配列された冷却水の噴射孔の内、前記開放部の近傍に配列された数列の噴射孔32aの冷却水噴射方向Xaの角度θaが、開放部の近傍以外の中間部に多数配列されている中間部噴射孔32bにおける冷却水噴射方向Xbの角度θbより20゜〜60゜偏向させて、前記噴射孔32aの出口を前記開放部側に向かって傾けられて配設されており、また、最外側に配列された噴射孔32cは、噴射孔32cにおける冷却水噴射方向Xcの角度θcを、冷却水噴射方向Xbの角度θbより角度θaとは逆に外側へ20゜〜40゜偏向させて配設されているものであり、
3)上述の1)において、前記箱状形のガイドローラボックスの搬送ライン側の側面のみに多数配列された冷却水の噴射孔の内、前記開放部の近傍に配列された数列の噴射孔の密度を、開放部の近傍以外の中間部に多数配列されている冷却水の噴射孔の密度の1.5〜2.5倍として配設したものであり、
4)上述1)において、前記箱状形のガイドローラボックスは、搬送ライン側の側面に前記ガイドローラの外周面の一部が突出する開放部と、前記多数配列された噴射孔に替わりに付帯した冷却水のスプレー装置とを備えたものである。
また、本発明のH形鋼の冷却ライン設備は、
5)上述の1)〜4)における前記冷却ライン設備において、加速冷却されるH形鋼を、所定の搬送長さ正方向へ搬送の後、所定の距離正方向に対し逆方向に搬送し、再び正方向へ搬送するオシレーション手段を具備したものであり、
6)上述の1)〜5)における前記ガイドローラボックスの配設位置において、さらにH形鋼のウエブを含むフランジ内面部を冷却する別途冷却手段を備えたものである。
本発明のH形鋼の冷却ライン設備により、H形鋼を長手方向で均一に加速冷却することができ、高強度、高靱性で高品質のH形鋼を提供することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷却ライン設備の一例を示す説明図である。
図2は、本実施の形態1に係る多孔噴射冷却装置およびガイドローラーユニット部分の一例を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図3は、本実施の形態1に係るガイドローラユニットの冷却水の噴出孔の一例を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)におけるA−A矢視の部分断面図である。
図4は、本実施の形態1に係る多孔噴射冷却装置部の説明図である。
図1において、1はテーブルローラおよびエプロンによる搬送ラインと、搬送ラインを挟んで多孔噴射冷却装置が対面して配設された第1段目および第2段目の冷却ラインとを有する冷却ライン設備を示す。2はH形鋼をライン搬送するための冷却ライン設備内において並設されたモータ駆動(図示せず)による鋼製のテーブルローラ、3はガイドローラユニットであって、冷却ラインの始端部に設けられたものは、搬送されるH形鋼に対するライン内へのガイドの作用を、また第1段目の多孔噴射冷却装置11および第2段目の多孔噴射冷却装置12間にあっては搬送されるH形鋼に対するガイドの作用をするためのガイドローラを備えたものであり、また、4はテーブルローラ間に設けられた落下防止のための鋼板製のエプロン、10はH形鋼、10aはH形鋼のフランジ、10bはH形鋼のウェブを示す。
なお、第2段目の多孔噴射冷却装置12のH形鋼の搬送方向延長上には鋸断装置(図示せず)を備えている。
図1において、第1段目および第2段目の多孔噴射冷却装置間のガイドローラユニットは、第1段目側に設けてあるが、第2段目側に設けることや、冷却装置と独立させて設けることも可能である。
また、図2において、11は搬送ライン側の側面に多数の配列された冷却水の噴射孔11aを有し、冷却水を噴射する第1段目の箱状形の多孔噴射冷却装置である。11aは該多孔噴射冷却装置の搬送ライン側の側面に多数配設された直径数ミリメータ程度の噴射孔である。図4に示すように、前記多孔噴射冷却装置の多数配設された冷却水の噴射孔11aより冷却水の噴射流11bが噴射される。
さらに、図2において、12は前記第1段目の冷却ラインにおける第1段目の多孔噴射冷却装置にガイドローラユニットを介して連なる第2段目の多孔噴射冷却装置であり、31は前記ガイドローラユニット内に設けられた、駆動装置を有しない円筒状のガイドローラを示し、32は該ガイドローラを収納し支承するための、搬送ライン側面にガイドローラ外周面の一部が突出する開放部を有する箱状形のガイドローラボックスを示す。
以下、図により本実施の形態1の要旨であるガイドローラユニットの詳細を説明する。
図1において、粗鋼より熱間圧延工程を終わったフランジ部の平均温度が850〜900℃程度のH形鋼10は、並列された鋼製のテーブルローラ2と該テーブルローラー2間を遮蔽する落下防止用の鋼板製のエプロン4を搬送ラインとして搬送され、第1段目の冷却ラインの入り口側におけるガイドローラユニット3を介して、第1段目および第2段目の冷却ラインへと導入される。
導入された850〜900℃程度のH形鋼10は、入り口側のガイドローラユニット3に連なる搬送ラインに沿って対面して設けられた第1段目の多孔噴射冷却装置11間に導かれ、図4に示されるように多孔噴射冷却装置11において加速冷却される。
多孔噴射冷却装置11による加速冷却は、多孔噴射冷却装置11を構成する区分された箱状本体の搬送ライン側の側面に多数配列された直径約4mmφの噴射孔11aから加圧されて連続噴射される冷却水の噴射流11bによりH形鋼10のフランジ10aの外側面を加速冷却するものである。多孔噴射冷却装置12についても同様である。
この多孔噴射冷却装置11、12による加速冷却により、H形鋼10のフランジ部の平均温度は550〜650℃程度となり、これによりH形鋼断面のフェライト組織は微細化され強度アップが図られる。なお、加速冷却は、H形鋼10のフランジ厚およびその製品強度目標に基づき、第1段目の多孔噴射冷却装置間のみ、または第1段目および第2段目を併用した多孔噴射冷却装置間において行われる。
また、その加速冷却の時間は、使用する冷却装置の長さとH形鋼10の搬送速度によって調整される。
しかしながら、近年需要が増えつつある、特に、H形鋼10のフランジが40mm以上の厚みをもついわゆる極厚フランジ材の加速冷却においては、通常材と比較して、長い時間の冷却を行わなければならない。そのためには、冷却ライン設備内を通過させて冷却するのではなく、冷却ライン設備内で停止するか、より好適にはオシレーション(1〜3m程度の往復搬送)をしながら冷却することが必要となる。さらにこの場合、製品の長さを確保するために、第1段目および第2段目の冷却ラインの多孔噴射冷却装置11、12の両方の使用が必要となることが多い。この場合、解決されなければならないポイントがある。
そもそも、冷却ライン設備を第1段目および第2段目に分けて設置したのは、H形鋼がラインの中心線上を通らないと、左右の冷却むらが生じ、これが製品の強度のばらつきを増大させるので、これを防ぐために冷却ライン設備の中間にH形鋼をセンタリングし直すガイドローラを設置しなければならなかったからである。
ところが、極厚フランジ材を冷却ライン設備内でオシレーションしながら冷却する場合は、ガイドローラ部分の冷却が、多孔噴流の冷却よりも弱いので、このガイドローラ付近でオシレーションされる1〜3m程度の部分の冷却が不足して、他の部分よりも強度が低くなるという問題があった。
本発明は、冷却ラインの構成要素として存在する冷却ライン間のガイドローラユニット3の配設部分における、冷却能力の不足を補うものであって、且つ該ガイドローラユニット部そのものから冷却水を噴射するようにしたところに特徴がある。
図2、図3において、第1段目および第2段目の冷却ラインである多孔噴射冷却装置11、12の間に配設されたガイドローラユニット3は、中に前記ガイドローラ31を支承する箱状形のガイドローラボックス32を備えている。該箱状形のガイドローラボックス32は、内部に冷却水を溜めるようにされた袋状の箱状形で構成されており、その搬送ラインA側の側面には前記ガイドローラの外周面の一部が突出する開放部を有し、さらにまた、該箱状形のガイドローラーボックス32の少なくとも前記開放部に隣接する搬送ライン側の側面のみに、H形鋼フランジ面を補足冷却するために冷却水の噴射孔32a、32b、32cを多数配設したことを特徴としている。
袋状の箱状形で構成され、多数配列された冷却水の噴射孔32a、32b、32cから噴射される冷却水の噴射流による加速冷却作用は、該箱状形のガイドローラボックス32の前後に配設された第1段目および第2段目の冷却ラインの多孔噴射冷却装置11、12の間に非水冷領域を設けないようにされているものである。
基本的には、箱状形のガイドローラボックス32の袋状の箱状形による冷却水の蓄積状態および噴出孔32a、32b、32cからの噴出流の状態は第1段目および第2段目の冷却ラインの多孔噴射冷却装置11、12の場合に準じるものである。
しかしながら、ガイドローラボックス32のガイドローラ31による機能、作用から生じるH形鋼の被冷却面とガイドローラ外周面との位置関係は、多孔噴射冷却装置の噴射面とH形鋼の被冷却面との関係とは異なっており、この差異に対する冷却上の何らかの補償を必要とする。
本発明においては、連続平面に設けられた多孔噴射冷却装置11の噴射孔11aからは、冷却水をフランジ面に対して垂直に噴射させている。そして、本発明の箱状形のガイドローラボックス32の冷却ライン側面に多数配列された噴射孔32a、32b、32cは、特別な配設条件が加味されている。
すなわち、ガイドローラユニット3における冷却で多孔噴射冷却装置11間における冷却と同様にフランジ面に対して垂直な噴流で冷却を行うと、ガイドローラ31が存在するため、該ガイドローラ31の外周面とH形鋼のフランジ10aの外表面との間には楔状のスペースが存在し、そこの部分には冷却水が行き渡らず、温度も降下しない。また同様に、箱形のガイドローラボックス32の側板厚さ部分と、該側板と多孔噴射冷却装置11との取り付け間隙に、さらには多孔噴射冷却装置11、12の側板厚さ部分にも、非水冷領域が生じる。
非水冷領域を生じないようにするためには、本発明の実施の形態1においては、前記ガイドローラボックス32の噴射孔32a、32b、32cの各噴射角度θa、θbおよびθcを適正角度に特定したものである。
すなわち、図3において示されるように、32はガイドローラボックスであり、該ガイドローラボックス32に設けられた噴射孔の配列については、ガイドローラ31に近い位置から内側噴射孔32a、中間噴射孔32b、外側噴射孔32cと分別し、また、各分別配列位置における噴射孔に関しては、内側噴射孔の噴射方向Xa、中間噴射孔の噴射方向Xbおよび外側噴射孔の噴射方向Xcに対応する各々の噴射角度θa、θbおよびθcに差異を設けて特定し、これに非冷却領域が生じるのを回避し、オシレーションをした場合のH形鋼の搬送冷却の均一性を確保したものである。
本発明においては、上記の目的に合致させるために、ガイドローラボックスの噴出孔の配列、噴出方向角度および構成の特定は、多くの実体試験による試験結果から次のように設定されたものである。
すなわち、直径約4mmφの中間噴射孔32bがH形鋼のフランジ外表面に略直角(すなわちθb約0°)であるのに対して、直径約4mmφの内側噴射孔32aの角度θaを内側へ20〜60゜偏向すること、および直径約4mmφの外側噴射孔32cの角度θcを外側へ20〜40゜偏向することにより、冷却水がガイドローラとH形鋼のフランジ外表面との楔状の小スペース間に十分注入され、非水冷領域が生じないことの知見を得た。 なお、内側噴射孔32aは、複数列設け、そのうちの第1列(ガイドローラに一番近い列)の噴射方向は内側へ45〜60゜偏向させ、第2列以降の噴射方向はその偏向角を除々に小さくすれば、冷却の均一性がより向上するので好ましい。
内側噴射孔32aの噴射方向Xaの偏向角度は、20゜以下ではガイドローラとフランジ表面間の小スペースに冷却水が十分注入されず、非水冷領域が生じる。また60゜以上ではガイドローラ外周面で跳ね返り現象が生じるなどして、同様に該スペース部の冷却が円滑に行われない。より好ましくは45°付近である。
また、外側噴射孔32cの噴射方向Xcの角度θc20〜40゜偏向角度は、上述の箱形のガイドローラボックス32の側板厚さと、該側板と多孔噴射冷却装置11との取り付け間隙、さらには多孔噴射冷却装置11、12の側板厚さ部分に非水冷領域が生じないようにするための角度として設定される。
通常の取り付け間隙にあっては、偏向角度θcは20〜40゜、より好ましくは30゜付近である。これにより、ガイドローラユニット3の端部における非水冷領域が生じないようにすることができる。
更に、本実施の形態1においては、上述のガイドローラユニット3が取り付けられている部分での冷却が不足しないように、噴射孔の大きさおよびその配列が工夫されている。 数多くの実際作業による試験の結果により、前記ガイドローラーボックス32の冷却ライン側の側面に設けられた多孔噴流口の内、ガイドローラの近傍に配列された上述の1列もしくは複数列設けられた内側噴射孔32aの多孔噴流口の密度を、他の部分すなわち中間噴射孔32bの密度の1.5〜2.5倍として配設することにより、より効率よく均一冷却を図ることができることがわかった。これはガイドローラ外周面とH形鋼フランジ面との隙間スペースが極めて狭く、それによる冷却効率の悪さを冷却水の流量密度を上げてカバーしたものである。
また、上記密度は中間噴射孔32bの密度の2.5倍以上にしても、冷却効果は飽和しており、また1.5倍以下では中間噴射孔32bによる冷却部分に対する冷却不足が顕著になることがわかった。
すなわち、内側噴射孔32aの多孔噴流口の密度倍率は、1.5〜2.5倍とすることが好ましい。
これにより、熱間圧延工程を終わったフランジ平均温度が850〜900℃程度のH形鋼10は、入り口側ガイドローラ3に誘導されテーブルローラ上を搬送されて冷却ライン設備の第1段目および第2段目の冷却ラインである多孔噴射冷却装置11、12間に入り、オシレーションを行いながら550〜650℃程度までに長手方向で均一に加速冷却され、これによりH形鋼の、フランジ部のフェライト組織は均一に微細化され強度アップされる。
また、加速冷却による強度アップが可能なため、強化元素の添加量削減などのコストダウンを図ることができる。
なお本発明の実施例では、冷却ライン設備を2分割した設備について説明したが、より長い設備では3分割以上とすることも可能である。その場合も1〜3段目を多孔噴射冷却装置とし、それぞれの間に本発明のガイドローラユニットを設けることも可能である。
実施の形態2.
本実施の形態2においては、上述の実施の形態1のH形鋼の冷却ライン設備において、ガイドローラーボックス32の冷却ライン側の側面に配設された多数の噴射孔11aの替わりに、別仕様の冷却水のスプレー装置を配設し、非水冷領域を生じないようにするものである。スプレー装置による代替え部以外は、実施の形態1に準じるものである。
このスプレー装置により加圧冷却水を適宜選択された噴射方向および噴射量にてジェット噴射することにより実施の形態1に準じる安定した冷却効果を得ることができる。
前記ガイドローラーボックス32の冷却ライン側の側面に配設された多数の噴射孔11aに比べ、得られる冷却水量が少ないため、比較的高い圧力、例えば3kgf/cm2 以上の圧力で噴射することが望ましい。
実施の形態3.
本実施の形態3においては、上述の実施の形態1のH形鋼10の冷却装置に、さらに前記ガイドローラーボックス32の配設位置において、H形鋼のフランジ10aの外側面ばかりでなくウエブ10bを含むフランジ内面部を別途冷却手段により冷却を併用するものである。これにより、H形鋼10に対してより強い加速冷却を行うことができる。
またガイドローラユニット3部分における冷却能力の相対的な不足は、より回避され易くなり、H形鋼における、より均一性の高い加速冷却を期待することができる。この別途冷却手段は、例えば実施の形態2におけるスプレー装置に準じる装置をウェブ10bの上下に配置しウェブ10bの上下面およびフランジ10aの内面に噴流が当たるようにすることである。
本発明は、上述のごとくH形鋼の冷却ライン設備に関するものであるが、H形鋼に限らず加速冷却による強度向上を要求される丸形、角形、アングル等の型鋼にもこれを適用することができる。
本発明の実施の形態1に係る冷却ライン設備の1例を示す説明図である。 本実施の形態1におけるガイドローラ部分を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本実施の形態1に係る噴出孔を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)におけるA−A矢視の部分断面図である。 本実施の形態1に係る多孔噴射冷却装置部の説明図である。
符号の説明
1 冷却ライン設備、2 テーブルローラ、3 ガイドローラユニット、4 エプロン、10 H形鋼、10a フランジ、10b ウェブ、11 第1段目の多孔噴射冷却装置、11a 噴射孔、11b 噴射流、12 第2段目の多孔噴射冷却装置、31 ガイドローラ、32 ガイドローラボックス、32a 内側噴射孔、32b 中間噴射孔、32c 外側噴射孔、33 ガイドローラ軸、θa 内側噴射孔の噴射角度、θb 中間噴射孔の噴射角度、θc 外側噴射孔の噴射角度、Xa 第1列内側噴射孔の噴射方向、Xb 中間噴射孔の噴射方向、Xc 外側噴射孔の噴射方向。

Claims (6)

  1. 多孔噴流方式によりH形鋼のフランジ外面の冷却を行う、ライン搬送方向に複数に分割されたH形鋼の冷却ライン設備において、
    該冷却ライン設備は、分割された第1段目の前記冷却ライン設備として、搬送ライン方向に沿って対面して設けられ、また、搬送ライン側に沿った側面に多数配列された冷却水の噴射孔を有する第1段目の多孔噴射冷却装置と、
    該第1段目の多孔噴射冷却装置に相隣る第2段目の分割された冷却ライン設備として、搬送ライン方向に沿って対面して設けられ、また、搬送ライン側に沿った側面に多数配列された冷却水の噴射孔を有する第2段目の多孔噴射冷却装置と
    該第1段目の多孔噴射冷却装置と第2段目の多孔噴射冷却装置との間にあって、前記搬送ラインを挟んで対向して、且つ垂直に配設された一対のガイドローラユニットとを備えており、
    該ガイドローラユニットは、ガイドローラ軸により支えられたガイドローラと、該ローラ軸を支承する箱状形のガイドローラボックスとを有しており、
    また、該箱状形のガイドローラボックスは、搬送ライン側の側面に前記ガイドローラの外周面の一部が突出する開放部を有し、且つ、内部に加圧冷却水を溜めるようにされた袋状の箱状形で構成されており、さらにまた、該箱状形のガイドローラボックスの少なくとも前記開放部に隣接する搬送ライン側の側面のみに、H形鋼フランジ面を補足冷却するための多数配列された冷却水の噴射孔を配設したことを特徴とするH形鋼の冷却ライン設備。
  2. 前記箱状形のガイドローラボックスの搬送ライン側の側面のみに多数配列された冷却水の噴射孔の内、前記開放部の近傍に配列された数列の噴射孔32aの冷却水噴射方向Xaの角度θaが、開放部の近傍以外の中間部に多数配列されている中間部噴射孔32bにおける冷却水噴射方向Xbの角度θbより20゜〜60゜偏向させて、前記噴射孔32aの出口を前記開放部側に向かって傾けられて配設されており、また、最外側に配列された噴射孔32cは、噴射孔32cにおける冷却水噴射方向Xcの角度θcを、冷却水噴射方向Xbの角度θbより角度θaとは逆に外側へ20゜〜40゜偏向させて配設されていることを特徴とする請求項1に記載のH形鋼の冷却ライン設備。
  3. 前記箱状形のガイドローラボックスの搬送ライン側の側面のみに多数配列された冷却水の噴射孔の内、前記開放部の近傍に配列された数列の噴射孔の密度を、開放部の近傍以外の中間部に多数配列されている冷却水の噴射孔の密度の1.5〜2.5倍として配設したことを特徴とする請求項1に記載のH形鋼の冷却ライン設備。
  4. 前記箱状形のガイドローラボックスは、搬送ライン側の側面に前記ガイドローラの外周面の一部が突出する開放部と、前記多数配列された噴射孔に替わりに付帯した冷却水のスプレー装置とをそなえていることを特徴とする請求項1に記載のH形鋼の冷却ライン設備。
  5. 前記冷却ライン設備において、加速冷却されるH形鋼を、所定の搬送長さ正方向へ搬送の後、所定の距離正方向に対し逆方向に搬送し、再び正方向へ搬送するオシレーション手段を具備したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のH形鋼の冷却ライン設備。
  6. 前記ガイドローラボックスの配設位置において、さらにH形鋼のウエブを含むフランジ内面部を冷却する別途冷却手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のH形鋼の冷却ライン設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101388269B1 (ko) * 2012-04-30 2014-04-23 현대제철 주식회사 가속냉각용 소재 안내장치 및 이를 갖는 가속냉각설비
CN113334726A (zh) * 2021-07-02 2021-09-03 刘亮亮 一种新型聚乙烯pe管材的制备装置

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