JP2009202197A - 圧延鋼材の冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺の圧延鋼材表面における蒸気膜の形成を抑制して冷却速度を大幅に向上させるとともに、均一な加速冷却が可能な圧延鋼材の冷却方法を提供する。
【解決手段】チャンバー11、21の吹出口12、22に複数のノズル孔を有するノズルプレート14、24が配置され、冷却水を噴射する冷却水供給ノズル15、25がチャンバー11、21内に設置された冷却装置10、20の吹出口12、22がレール頭部に対向するように、冷却装置10、20をレール30の長手方向に沿ってレール30の全長に渡って連続して配置する。そして、チャンバー11、21の気体導入口13、23から空気を供給すると共に、冷却水供給ノズル15、25から冷却水を噴射して、空気と冷却水との混合体からなる冷却媒体をノズルプレート14、24からミスト噴射して、レール頭部を均一に冷却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱間圧延されたレール等の長尺圧延鋼材を冷却する冷却方法に関する。
重荷重鉄道や曲線区間に用いられる鉄道用レールは、通常のレール以上に耐摩耗性が要求される。このため、熱間圧延後に、オーステナイト域温度からパーライト変態が終了するまでの間、加速冷却によってレール頭部の強度を高める処理が行われている。近年では、さらなる耐摩耗性向上のため、過共析領域まで炭素量を増加させたパーライト系レールが開発され、実用化されている(特許文献1参照)。
しかし、耐摩耗性を向上させるために炭素量を増加させると、レール頭部に初析セメンタイトが生成し易くなり、レールの靭性及び延性が大きく低下するという問題点があった。
そこで、特許文献2では、レール柱部の初析セメンタイトの生成を抑制し、且つ、レール頭部においてセメンタイト比率が高く、高硬度のパーライト組織を安定的に生成させるため、レール頭部をオーステナイト域温度から700〜500℃までの間、1〜10℃/sで加速冷却し、さらにレール柱部をオーステナイト域温度から750〜600℃までの間、1〜10℃/sで加速冷却するパーライト系レールの製造法が開示されている。
他方、レールの加速冷却方法としては、冷却媒体の違いにより、(1)ミストを用いる方法(特許文献3〜5参照)、(2)空気等の気体を用いる方法(特許文献6、7参照)、(3)レール頭部を冷却液に浸漬する方法(特許文献8、9参照)が知られている。
特開平8−144016号公報 特開平9−137228号公報 特開昭47−7606号公報 特開昭54−147124号公報 特開平8−319515号公報 特開昭61−149436号公報 特開昭61−279626号公報 特開昭57−85929号公報 特開平8−170120号公報
高炭素レール鋼においてパーライト組織を安定的に生成させるには、加速冷却時における冷却速度を、より速くする必要がある。しかしながら、上述した従来の加速冷却方法によって、これを実現しようとした場合、以下のような課題がある。
液滴が高温物体と接触すると、液滴と高温物体との間に蒸気膜が形成され、液滴が高温物体上を浮遊するライデンフロスト現象が発生する。冷却媒体に液体を用いる(1)と(3)の方法の場合、レール表面に形成される蒸気膜によって、レールと冷却媒体との接触が阻害され、冷却速度にバラツキが生じる。その結果、レールに温度偏差が生じ、温度偏差が大きくなると、鋼組織にも偏差が生じるおそれがある。
また、気体を冷却媒体に用いる(2)の方法は、液体による冷却方法に比べて冷却速度が遅いという難点がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、長尺の圧延鋼材表面における蒸気膜の形成を抑制して冷却速度を大幅に向上させるとともに、均一な加速冷却が可能な圧延鋼材の冷却方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、熱間圧延された長尺の圧延鋼材を冷却する冷却方法であって、複数のノズル孔を有するノズルプレートが吹出口に配置され、冷却水を噴射する冷却水供給ノズルを内部に有するチャンバーを、該チャンバーの吹出口が前記圧延鋼材に対峙するように該圧延鋼材に沿って配置し、前記冷却水供給ノズルから冷却水を噴射すると共に、該冷却水を背後から押すように、前記チャンバーに設けた気体導入口から冷却用加圧気体を供給し、前記冷却用加圧気体と前記冷却水との混合体からなる冷却媒体を前記ノズルプレートから噴射して、前記圧延鋼材の均一冷却を行うことを特徴としている。
冷却媒体に液体を使用すると、大きな冷却能力が確保できるが、圧延鋼材の表面に形成される蒸気膜により、冷却速度にバラツキが生じ、不均一な冷却となる。そこで、本発明では、複数のノズル孔を有するノズルプレートが配置された吹出口から圧延鋼材に向けて冷却用加圧気体を噴出するチャンバー内に、冷却水を噴射する冷却水供給ノズルを設置し、冷却用加圧気体と冷却水とを混合した冷却媒体をノズルプレートから圧延鋼材表面に対して垂直方向にミスト噴射することで水滴の衝突速度を高めて、圧延鋼材に付着する水滴を迅速に除去する。これにより、蒸気膜の形成が阻害され、冷却速度を変動させることなく、均一な冷却が可能となる。
なお、冷却水に対する冷却用加圧気体の比率を高めた高気水比のノズルの使用も考えられるが、長尺の圧延鋼材を一挙に均一に冷却しようとすると、多数のノズルが必要となるうえ、ノズルのメンテナンスが頻繁に発生するため、工業化設備としては現実的ではない。
また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、前記気体導入口から導入された冷却用加圧気体が前記ノズルプレートに直接当たらないように、前記気体導入口と前記冷却水供給ノズルとの間に整流板を配置することが好ましい。
ノズルプレートから噴出する冷却用加圧気体について、チャンバーの長手方向、即ち圧延鋼材の長手方向の吐出分布を見ると、気体導入口近傍が吐出量が最も多く、気体導入口から離れるにつれて吐出量は減少する。この状態で、冷却水供給ノズルからノズルプレートに向けて冷却水を噴射させた場合、冷却用加圧気体の流れが強い気体導入口近傍では、水滴が背後からの冷却用加圧気体に押され、ノズルプレートから噴射される水量が減少する。その結果、チャンバー全体で水量にバラツキが生じる。
そこで、本発明では、気体導入口と冷却水供給ノズルとの間に整流板を設置して、気体導入口から導入された冷却用加圧気体が整流板を介してチャンバー全体に流れるようにすることで、チャンバー全体の水量のバラツキを防止している。
また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用加圧気体の体積流量の比を1000〜50000とすることを好適とする。
前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用加圧気体の体積流量の比は、気水比と呼ばれる。
高気水比の場合、圧延鋼材の表面に形成された蒸気膜が冷却用加圧気体によって排除されるため、蒸気膜の形成が阻害され、安定した冷却が確保される。この際、気水比を1000未満とすると、冷却速度のバラツキが大きく、気水比が50000を超えると、冷却効果が飽和する。
また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、前記冷却水供給ノズルを前記ノズルプレートに指向させて前記冷却水を噴射することが好ましい。
また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、前記冷却用加圧気体は、空気又は窒素であることを好適とする。
本発明では冷却媒体の種類は問わないが、扱いやすさと経済性の点から、空気又は窒素が好ましい。
また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、前記冷却水を、前記冷却水供給ノズルからミスト状、シャワー状、又は流水状に噴射するようにしてもよい。
冷却水供給ノズルから噴射される水滴の粒径に依らず、ノズルプレートから噴射されるミストの粒径分布は、ほぼ同一傾向にあることが本発明者等の実験により確認された。この理由としては、チャンバー内で噴射された冷却水がノズルプレートで一旦合体し、合体した冷却水が冷却用加圧気体と一緒にノズルプレートのノズル孔から噴射される際に再分散されるからであろうと考えられる。
従って、噴射される冷却水は、ミスト状、シャワー状、流水状のいずれでも良く、冷却水供給ノズルから冷却水のみ噴射しても良いし、冷却水と冷却用加圧気体とを混合して噴射しても良い。要は、ノズルプレート上に所定の水量が供給されればよい。
また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、前記冷却媒体が前記圧延鋼材の表面に衝突する際の衝突速度を50〜200m/sとすることが好ましい。
衝突速度を速くするほど高い冷却速度が得られ、衝突速度を50m/s以上とすると、冷却速度のバラツキが±1.5℃程度まで低減されることが判明した。なお、衝突速度が200m/sを超えると、冷却効果が飽和する。
また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、熱間圧延後の前記圧延鋼材の冷却開始温度をオーステナイト域温度以上とすると共に、該圧延鋼材の冷却終了温度を450〜600℃とすることが好ましい。
冷却開始温度をオーステナイト域温度以上、且つ冷却終了温度を少なくとも600℃以下としなければ、焼き入れが生じず好ましくないからである。一方、450℃未満まで加速冷却を継続すると、レール頭部にマルテンサイト組織が生じるため、硬度は増すものの延靭性が低下するため好ましくない。
また、本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、前記圧延鋼材がレールの場合、該レールの上方に前記チャンバーを隙間を有して配置し、前記レールの頭頂部に対向して配置した前記ノズルプレートから該頭頂部に向けて前記冷却媒体を噴射すると共に、前記レールの側方に前記チャンバーを隙間を有して配置し、該レールの頭側部に対向して配置した前記ノズルプレートから該頭側部に向けて前記冷却媒体を噴射することが好ましい。このようにすることで、レール頭部の表面に対して垂直方向にミスト噴射することができる。
本発明に係る圧延鋼材の冷却方法では、複数のノズル孔を有するノズルプレートが配置された吹出口から圧延鋼材に向けて冷却用加圧気体を噴出するチャンバー内に、冷却水を噴射する冷却水供給ノズルを設置し、冷却用加圧気体と冷却水とを混合した冷却媒体をノズルプレートから圧延鋼材表面に対して垂直方向にミスト噴射させることで水滴の衝突速度を高くして、圧延鋼材に付着する水滴を迅速に除去する。これにより、蒸気膜の形成が阻害され、冷却速度を変動させることなく、均一な冷却が可能となり、また安定した加速冷却も可能となる。
加えて、気体導入口と冷却水供給ノズルとの間に整流板を設置して、気体導入口から導入された冷却用加圧気体が、整流板を介してチャンバー全体に均整に流れるようにすることで、チャンバー内の全体での水量のバラツキを防止することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、以下では、長尺の圧延鋼材としてレールを例に採り説明する。
本発明の一実施の形態に係る圧延鋼材の冷却方法に使用する冷却装置10、20は、熱間圧延されたレール30を冷却する冷却装置であって、図1に示すように、レール30の頭頂部31に対向して冷却装置10が配置され、両頭側部32にそれぞれ対向して冷却装置20が配置される。冷却装置10とレール30の頭頂部31との距離、及び冷却装置20とレール30の頭側部32との距離は、それぞれ数mm〜数十mmのレベルとされる。
また、個々の冷却装置10、20は、平面視してレール30方向に細長い形状(長手方向の寸法は1000〜5000mm程度)とされ、レール30の長手方向に沿ってレール30の全長に渡って連続して配置される。
以下、個々の冷却装置10、20について詳細に説明する。
冷却装置10は、図示しないブロワーから送出される空気(冷却用加圧気体の一例)を導入する気体導入口13を上部に有し、下流側の端部が吹出口12とされた箱形のチャンバー11内に、配管17を介して供給される冷却水をレール30の頭頂部31に向けて噴射する冷却水供給ノズル15を設置し、冷却水を背後から前記気体によって押すように構成している。
チャンバー11は、気体導入口13が上部に設けられた拡幅部11aと、拡幅部11aにテーパー状の傾斜部11bを介して連結される縮幅部11cとを有し、縮幅部11cの下流側の端部に設けられた吹出口12には、複数のノズル孔14c(図2参照)を有するノズルプレート14が、レール30の頭頂部31と平行となるように装着されている。また、気体導入口13と冷却水供給ノズル15との間には、チャンバー11内の気体導入口13に相当する部位に、気体導入口13から導入された空気がノズルプレート14に直接当たらないように、整流板16が設置されている。
一方、冷却装置20も、図示しないブロワーから送出される空気を導入する気体導入口23を有し、一方の側端部が吹出口22とされた箱形のチャンバー21内に、配管27を介して供給される冷却水をレール30の頭側部32に向けて噴射する冷却水供給ノズル25を設置し、頭頂部31に対する冷却装置10と同様に、冷却水を前記気体によって背後から押すように構成している。
チャンバー21は、気体導入口23が側部に設けられた拡幅部21aと、拡幅部21aにテーパー状の傾斜部21bを介して連結される縮幅部21cとを有し、縮幅部21cの下流側の端部に設けられた吹出口22には、複数のノズル孔を有するノズルプレート24が、レール30の頭側部32と平行となるように装着されている。また、気体導入口23と冷却水供給ノズル25との間には、チャンバー21全体にバランス良く(均整に)気体が分散して流れるように整流板26が設置されている。
次に、冷却装置10を構成するノズルプレート14、冷却水供給ノズル15、及び整流板16について詳細に説明するが、冷却装置20のノズルプレート24、冷却水供給ノズル25、及び整流板26もほぼ同様である。
ノズルプレート14には、図2に示すように、例えば直径2〜10mm程度の多数のノズル孔14c…が所要の間隔(例えば2〜10mm程度の間隔)をおいて規則的に形成されている。また、ミストがレール30の頭頂部31全幅に垂直に当たるように、ノズル孔14cが形成されている領域の短手方向(レール30の幅方向)の幅Wは、レール30の頭頂部31の幅と略同一とされている。
冷却水供給ノズル15は、図3に示すように、チャンバー11の長手方向に配置された配管17から下方に分岐した複数の分岐管17a…の各先端に装着されている。冷却水供給ノズル15から噴射される冷却水は、ミスト状、シャワー状、流水状のいずれでも良い。また、冷却水供給ノズル15から冷却水のみ噴射しても良いし、冷却水と空気とを混合して噴射しても良い。
冷却水供給ノズル15から噴射される水滴がノズルプレート14に向けて噴射されるようにし、ノズルプレート14から噴射されるミストの水量密度は均一とする(図4(A)、(B)参照)。
整流板16は、図5に示すように、平面視してチャンバー11の少なくとも気体導入口13相当部の直下に配置される。これにより、気体導入口13から導入された空気は、整流板16を介してチャンバー11全体に分散して均整に流れ、チャンバー11の位置による水量のバラツキが防止される。
なお、図示しないが、整流板に多数の孔を形成し、さらに複数ある気体導入口の各直下に形成される孔の単位面積当たりの合計面積が、他の箇所に形成される孔の単位面積当たりの合計面積より小さくなるようにすることで、ノズルプレート14から噴射されるミストがチャンバー11の長手方向で均一となるようにしてもよい。
図6(A)は、チャンバー11内に整流板が無い状態(図6(B)参照)における空気の吐出分布及びミストの水量密度割合を示したグラフである。冷却水供給ノズル15とノズルプレート14との距離は100mm、隣接する冷却水供給ノズル15間の間隔は500mmとし、冷却水供給ノズル15間の中央に気体導入口13が位置している(距離及び間隔はいずれも試験例)。
チャンバー11内に整流板が無い場合、チャンバー11の長手方向に関する空気の吐出量は、気体導入口13直下が大きく、気体導入口13から離れるにつれて小さくなる。この状態で、冷却水供給ノズル15からミストを噴射した場合、空気の流れが強い気体導入口13直下ではミストが空気に押され、ノズルプレート14から噴射されるミストの量は減少する。このため、チャンバー11長手方向の水量は不均一となる。
図7(A)は、図6の条件下で、気体導入口13の直下に適切な形状の整流板16を設置した状態(図7(B)参照)における空気の吐出分布及びミストの水量密度割合を示したグラフである。整流板16とノズルプレート14との距離は185mm(試験例)である。
気体導入口13の直下に整流板16を設置した場合、気体導入口13からチャンバー11内に導入された空気は、整流板16に一旦衝突した後、チャンバー11全体に分散されるため、ノズルプレート14から噴出する空気の吐出量は、チャンバー11全体で均一となる。
そして、気体導入口13から導入された空気は整流板16を介してチャンバー11の長手方向にも流れるため、チャンバー11の長手方向の水量分布は均一となる。
上記構成を有する冷却装置10、20を用いてレール頭部を冷却する場合、ノズルプレート14、24から噴射される空気と冷却水との混合体からなる冷却媒体の気水比を1000〜50000、レール頭部へのミストの衝突速度を50〜200m/sとして、レール30の頭頂部31に対向して配置したノズルプレート14から該頭頂部31に向けて冷却媒体をミスト噴射すると共に、レール30の頭側部32に対向して配置したノズルプレート24から該頭側部32に向けて冷却媒体をミスト噴射し、オーステナイト域温度から450〜600℃までの間についてレール頭部を均一に冷却する。
図8は、実験によって得られた、ミストの衝突速度と冷却速度との関係をグラフ化したものである。
冷却水供給ノズルは、株式会社いけうち製のノズルBIM J 2015、供試体は、長さ100mmの141ポンドレールとし、供試体の頭頂部から深さ2mmの位置に熱電対を埋め込んだものを使用した。
供試体を加熱炉で820℃まで加熱した後、取り出して750℃から本冷却装置による冷却を開始し、500℃以下になるまで冷却した。冷却条件は、吐出冷却水量密度を70L(リットル)/m・min一定とし、空気の量を変化させてミストの衝突速度を10、20、50、150、200m/sの5条件に設定した。なお、この際の空気圧は、1.1〜1.2気圧とした。
ミストの衝突速度Vaは、吐出速度をVe、吹出口とレールとの間の距離をh、吹出口径をdとして、次式により算出した。
Va=6.39×Ve/(h/d+0.6)
各衝突速度について10回ずつ実験を行い、熱電対の指示値が750℃から500℃までに要した時間から冷却速度を求めた。その結果、衝突速度を速くするほど高い冷却速度が得られ、衝突速度を50m/s以上とすると、冷却速度のバラツキが±1.5℃程度まで低減し安定化することが判明した。なお、衝突速度が200m/sを超えると、設備の大型化やランニングコストの増大を伴い、現実的ではない。
また、表1は、気水比と冷却速度との関係を示したものである。同表より、気水比を1000以上とすると、冷却速度の標準偏差が2.2以下となり、気水比50000でその効果が飽和し、安定的な冷却が可能となることがわかる。なお、図9は、表1のデータをグラフ化したものである。
Figure 2009202197
なお、本冷却装置を用いてレールの柱部や足部を冷却する場合については、これらの部位の冷却速度が頭部より速くなるため、別途、冷却条件を設定する必要がある。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記の実施の形態では、チャンバーに導入される冷却用加圧気体は空気としたが、窒素でも良い。
本発明の一実施の形態に係る圧延鋼材の冷却方法に使用する冷却装置を示す模式図である。 同冷却装置のノズルプレートの平面図である。 冷却水を供給する配管と冷却水供給ノズル部分の斜視図である。 (A)は冷却水供給ノズルの噴射状況を示した模式図であり、(B)はその結果を示したグラフである。 整流板の斜視図である。 (A)は、チャンバー内に整流板が無い状態における空気の吐出分布及びミストの水量密度割合を示したグラフであり、(B)は、同状態におけるチャンバー内の空気の流れを示した模式図である。 (A)は、ブロワーの直下に整流板が設置された状態における空気の吐出分布及びミストの水量密度割合を示したグラフであり、(B)は、同状態におけるチャンバー内の空気の流れを示した模式図である。 ミストの衝突速度と冷却速度との関係を示したグラフである。 気水比と冷却速度のバラツキとの関係を示したグラフである。
符号の説明
10:冷却装置、11:チャンバー、11a:拡幅部、11b:傾斜部、11c:縮幅部、12:吹出口、13:気体導入口、14:ノズルプレート、14c:ノズル孔、15:冷却水供給ノズル、16:整流板、17:配管、17a:分岐管、20:冷却装置、21:チャンバー、21a:拡幅部、21b:傾斜部、21c:縮幅部、22:吹出口、23:気体導入口、24:ノズルプレート、25:冷却水供給ノズル、26:整流板、27:配管、30:レール(圧延鋼材)、31:頭頂部、32:頭側部

Claims (8)

  1. 熱間圧延された長尺の圧延鋼材を冷却する冷却方法であって、
    複数のノズル孔を有するノズルプレートが吹出口に配置され、冷却水を噴射する冷却水供給ノズルを内部に有するチャンバーを、該チャンバーの吹出口が前記圧延鋼材に対峙するように該圧延鋼材に沿って配置し、
    前記冷却水供給ノズルから冷却水を噴射すると共に、該冷却水を背後から押すように、前記チャンバーに設けた気体導入口から冷却用加圧気体を供給し、前記冷却用加圧気体と前記冷却水との混合体からなる冷却媒体を前記ノズルプレートから噴射して、前記圧延鋼材の均一冷却を行うことを特徴とする圧延鋼材の冷却方法。
  2. 請求項1記載の圧延鋼材の冷却方法において、前記気体導入口から導入された冷却用加圧気体が前記ノズルプレートに直接当たらないように、前記気体導入口と前記冷却水供給ノズルとの間に整流板を配置することを特徴とする圧延鋼材の冷却方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法において、前記冷却水の体積流量に対する前記冷却用加圧気体の体積流量の比を1000〜50000とすることを特徴とする圧延鋼材の冷却方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法において、前記冷却用加圧気体は、空気又は窒素であることを特徴とする圧延鋼材の冷却方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法において、前記冷却水供給ノズルから前記冷却水を、ミスト状、シャワー状、又は流水状に噴射することを特徴とする圧延鋼材の冷却方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法において、前記冷却媒体が前記圧延鋼材の表面に衝突する際の衝突速度を50〜200m/sとすることを特徴とする圧延鋼材の冷却方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法において、熱間圧延後の前記圧延鋼材の冷却開始温度をオーステナイト域温度以上とすると共に、該圧延鋼材の冷却終了温度を450〜600℃とすることを特徴とする圧延鋼材の冷却方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧延鋼材の冷却方法において、前記圧延鋼材がレールとされ、該レールの上方及び側方に前記チャンバーを隙間を有して配置し、前記レールの頭頂部及び頭側部に対向して配置された前記ノズルプレートから該頭頂部及び頭側部に向けて前記冷却媒体を噴射することを特徴とする圧延鋼材の冷却方法。
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