JP4905051B2 - 鋼板の冷却設備および冷却方法 - Google Patents

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本発明は、鋼板の冷却設備および冷却方法に関するものである。
鋼板(特に厚鋼板)の熱間圧延ラインにおいては、合金元素の削減や材質の向上および生産能率の向上を目的に、加速冷却装置や制御冷却装置など種々の冷却装置が用いられている。これら厚鋼板の冷却方法は、厚鋼板を搬送ロール上を搬送させながら上下面に冷却水を供給するのが一般的であり、いずれの冷却装置においても板幅方向、搬送方向に均一な冷却を行うことが重要である。
そのために、例えば特許文献1に記載されたような冷却装置が提案されている。特許文献1に記載の冷却装置は、上下一対の鋼板拘束ロール二組からなる冷却ユニットを厚鋼板の搬送方向に複数配設した冷却装置において、出側拘束ロールや出側拘束ロールの出側に設けたエアースリットノズルだけではロールと鋼板の隙間から漏出する冷却水を完全に除去することができないので、出側拘束ロールの出側に板幅方向へ延びる冷却ヘッダを配設し、ヘッダに厚鋼板の搬送方向に相対向させ、かつ搬送方向に対し左右相反方向へ噴射口を向け冷却液噴射ノズルを傾斜配設した冷却装置である。
すなわち、特許文献1に記載の冷却装置では、出側拘束ロールの出側で完全な水切りを行うために板幅方向へ多数ノズルを配設し、噴出する冷却水によって漏出した冷却水を強制的に厚鋼板の板幅方向へ押し流し、さらにエアースリットノズルより圧縮エアーを噴射して厚鋼板上の残留水を皆無にしている。
しかし、その際に、冷却ユニットにおける水量密度を大きくすると十分に水が切れず、水切り能力を上げるためには設備を大きくしなければならず、また、厚鋼板の形状が悪い場合には、厚鋼板がノズルに衝突する危険性がある。
そこで、本出願人は、特願2006−227404(未公開出願1)において、新たな鋼板の冷却技術を提案している。
すなわち、図1に側面図、図2に平面図を示すように、鋼板10の上面に対して冷却水(棒状冷却水)23を所定の噴射角度(伏角)θで噴射する上ノズル群22を有する上ヘッダ21を鋼板搬送方向に一対配置し、それぞれの上ヘッダ21a、21bの上ノズル群22a、22bから噴射される冷却水23a、23bが鋼板搬送方向に鋼板上で所定の間隔を置いて互いに対向するようにするとともに、上方から見た噴射線が鋼板搬送方向となす角で定義される角度(外向き角)αを有するようにしている。
一例として、図2においては、冷却水23の外向き角αを一定とし、冷却水23が鋼板10に衝突する位置(衝突点)が鋼板幅方向に等間隔となるように各ノズルを設置している。その際、鋼板幅方向中央付近では、左右の両幅方向外側に傾けて噴射するノズルを設置しなくてはならないので、ノズルを取り付ける穴の加工が可能となるように、鋼板幅方向左端外側に傾けて噴射するノズル列(例えば、図2中の上ヘッダ21a、21bにおいて上方向に噴射速度成分をもつノズル列)と鋼板幅方向右端外側に傾けて噴射するノズル列(例えば、図2中の上ヘッダ21a、21bにおいて下方向に噴射速度成分をもつノズル列)を、鋼板搬送方向に交互に所定間隔ずらして設置している。ここで、鋼板幅方向中央部近傍では、鋼板幅方向左端外側に傾けて噴射するノズルからの冷却水の噴射線と鋼板幅方向右端外側に傾けて噴射するノズルからの冷却水の噴射線が交差している。
これにより、未公開出願1においては、供給された冷却水23自身が鋼板10上の滞留冷却水24を堰き止めて適切に水切りを行うことになり、安定した冷却領域が得られ、鋼板10を均一に冷却することができる。
特開昭60−206516号公報
ただし、前記未公開出願1において、上ノズル22を鋼板幅方向外側に向けて噴射することによって冷却水23に鋼板幅方向成分を持たせると、冷却水23の排水性はよくなるが、上反り等によって鋼板10の高さ位置が変わると、冷却水23の衝突点が鋼板幅方向に移動するという問題がある。
通常、熱間圧延ラインにおいては、圧延の上下アンバランス等によって、図3に示すように、鋼板10の先尾端に上反りが発生することが時々あり、その際には、上反りのない鋼板定常部と上反りが発生した反り発生部とでは鋼板10の高さ位置が変わることになる。
いま、図4に示すように、上ノズル22からの冷却水(噴射線)が鋼板10の定常部の上面に衝突する位置(衝突点)を衝突点Aとすると、反り発生部では、図5に示すように、上ノズル22からの冷却水の衝突点が衝突点Bに変わる。その際に、衝突点Bは、伏角θの影響で鋼板搬送方向に移動することになるが、それとともに、図6に示すように、外向き角αの影響で衝突点が鋼板幅方向中央部側に移動することになる。そのため、定常部に対して鋼板幅方向で冷却水の衝突点が等間隔となるように上ノズル22が設置されている場合には、反り発生部に対して一部で衝突点の間隔が等間隔でない個所が生じることになる。
具体的には、図6において、鋼板1に対する衝突点Aの間隔Wが等間隔となっているとすると、鋼板2に対する衝突点Bは、衝突点Aよりも鋼板幅方向中央側にΔWだけ移動することになり、その際に、鋼板幅方向中央部近傍以外では、同方向に噴射しているので、各衝突点が同方向にΔW移動することから、衝突点間隔はWを維持することになるが、鋼板幅方向中央部近傍では、異なる方向に噴射しているので、それらの衝突点が互いに接近する方向にΔWずつ移動し、衝突点間隔がW−2ΔWとなって狭くなることになる。
その結果、反り発生部に対しては、鋼板幅方向中央部上面の冷却水供給量が他の部分に比べて多くなり、鋼板幅方向中央部が過冷却となって、鋼板幅方向に不均一な温度分布となり、品質の高い鋼板を製造できなくなる可能性がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、鋼板の熱間圧延ラインにおいて、鋼板に反りが発生した場合でも冷却水を鋼板幅方向に均一に供給でき、鋼板全体を均一に冷却することができる鋼板の冷却設備および冷却設備方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、鋼板下面に対して冷却水を供給するノズルとして、鋼板上面に対して冷却水を供給するノズルと同様に、鋼板幅方向外側に傾けたノズルを用いればよいことに思い至った。すなわち、鋼板上下面ともに、鋼板幅方向外側に傾けたノズルを用いれば、反り発生部においては、鋼板上面は、鋼板幅方向中央部で衝突点間隔が狭くなって冷却水供給量が多くなるのに対して、逆に、鋼板下面は、鋼板幅方向中央部で衝突点間隔が広くなって冷却水供給量が少なくなるので、それらが相殺されて、鋼板を幅方向に均一に冷却することができるようになる。
本発明は、上記のような考え方に基づいており、以下のように特徴を有している。
[1]鋼板の熱間圧延ラインで使用する冷却設備であって、
鋼板の上面に対して冷却水を供給するノズルの少なくとも一部のノズルの噴射方向および鋼板の下面に対して冷却水を供給するノズルの少なくとも一部のノズルの噴射方向が、それぞれ鉛直線に対して鋼板幅方向外側に傾いているとともに、鋼板上面では搬送方向に垂直な面に投影した冷却水の噴射線が交差する領域ができていて、鋼板の反り発生部において、鋼板上面に対する冷却水の衝突点間隔が鋼板の定常部より狭くなる個所では、鋼板下面に対する冷却水の衝突点間隔が鋼板の定常部より広くなるようになっていることを特徴とする鋼板の冷却設備。
[2]鋼板の上面に対して冷却水を供給するノズルおよび鋼板の下面に対して冷却水を供給するノズルの内、噴射方向が鉛直線に対して鋼板幅方向外側に傾いているノズルについて、冷却水の噴射線を搬送方向に垂直な面に投影した直線と鉛直線がなす角をφとし、tanφ=0〜0.35(但し、0は除く)であることを特徴とする前記[1]に記載の鋼板の冷却設備。
[3]前記冷却水が棒状冷却水であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の鋼板の冷却設備。
[4]鋼板の熱間圧延ラインで使用する冷却方法であって、
鋼板の上面に対して冷却水を供給するノズルの少なくとも一部のノズルの噴射方向および鋼板の下面に対して冷却水を供給するノズルの少なくとも一部のノズルの噴射方向を、それぞれ鉛直線に対して鋼板幅方向外側に傾けるとともに、鋼板上面では搬送方向に垂直な面に投影した冷却水の噴射線が交差する領域ができるようにし、鋼板の反り発生部において、鋼板上面に対する冷却水の衝突点間隔が鋼板の定常部より狭くなる個所では、鋼板下面に対する冷却水の衝突点間隔が鋼板の定常部より広くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
[5]鋼板の上面に対して冷却水を供給するノズルおよび鋼板の下面に対して冷却水を供給するノズルの内、噴射方向が鉛直線に対して鋼板幅方向外側に傾いているノズルについて、噴射線を搬送方向に垂直な面に投影した直線と鉛直線がなす角をφとし、tanφ=0〜0.35(但し、0は除く)とすることを特徴とする前記[1]に記載の鋼板の冷却方法。
[6]前記冷却水が棒状冷却水であることを特徴とする前記[4]または[5]に記載の鋼板の冷却方法。
本発明を用いることにより、反り等によって搬送中の鋼板の高さ位置が変わっても鋼板全体を均一に冷却することができる。その結果、品質の高い鋼板を製造することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態における鋼板の冷却設備の基本的構成は、図1に側面図、図2に平面図を示したものである。
すなわち、この実施形態に係る冷却設備は、鋼板の熱間圧延ライン上に設置される通過式の冷却設備であり、鋼板10の上面に向けて冷却水を供給するための一対の上ヘッダ21(第1上ヘッダ21a、第2上ヘッダ21b)と、鋼板10の下面に向けて冷却水を供給するための2個の下ヘッダ31を備えている。なお、図1中、13はテーブルローラである。
そして、それぞれの上ヘッダ21a、21bには複数列の円管ノズル22(第1上ノズル22a、第2上ノズル22b)が取り付けられており、第1上ノズル22aから噴射角度(伏角)θで供給される棒状の冷却水23aと第2上ノズル22bから噴射角度(伏角)θで供給される棒状の冷却水23bが鋼板搬送方向に鋼板上で所定の間隔を置いて互いに対向するようにするとともに、棒状冷却水23(23a、23b)が鋼板幅方向外側に向かう速度成分を持つように、鋼板幅方向両外側に向けて所定の噴射角度(外向き角)αを有するようにしている。
そして、その外向き角αを一定にし、棒状冷却水23が鋼板10に衝突する位置(衝突点)が鋼板幅方向に等間隔となるように各ノズル22を設置している。その際、鋼板幅方向中央付近では、左右の両幅方向外側に傾けて噴射するノズルを設置しなくてはならないので、ノズルを取り付ける穴の加工が可能となるように、鋼板幅方向左端外側に傾けて噴射するノズル列(例えば、図2中の上ヘッダ21a、21bにおいて上方向に噴射速度成分をもつノズル列)と鋼板幅方向右端外側に傾けて噴射するノズル列(例えば、図2中の上ヘッダ21a、21bにおいて下方向に噴射速度成分をもつノズル列)を、鋼板搬送方向に交互に所定間隔ずらして設置している。ここで、鋼板幅方向中央部近傍では、鋼板幅方向左端外側に傾けて噴射するノズルからの冷却水の噴射線と鋼板幅方向右端外側に傾けて噴射するノズルからの冷却水の噴射線が交差している。また、鋼板幅方向中央を境にして、供給した冷却水23が鋼板幅端へ流れ出る方向(矢印Z)が異なるようになっている。
一方、下ヘッダ31については、ここでは、2個の下ヘッダ31が配置されており、それぞれに円管ノズル群(下ノズル群)32が取り付けられ、テーブルローラ13の隙間から棒状の冷却水33を噴射して、通過する鋼板10の全幅に冷却水を供給するようになっている。その際、各下ノズル32は、それぞれの棒状冷却水33が鋼板10に衝突する位置(衝突点)が鋼板幅方向に等間隔となるように設置されている。
ちなみに、本発明の棒状冷却水とは、円形状(楕円や多角の形状も含む)のノズル噴出口から噴射される冷却水のことを指している。また、本発明の棒状冷却水は、スプレー状の噴流や膜状のラミナーフローでなく、ノズル噴出口から鋼板に衝突するまでの水流の断面がほぼ円形に保たれ、連続性で直進性のある水流の冷却水をいう。
そして、前述したように、鋼板10の定常部に対する衝突点Aの間隔が等間隔Wになっていても、鋼板10の反り発生部に対しては、その衝突点Bの間隔が鋼板幅方向中央部近傍でW−2ΔWと狭くなり、鋼板上面への冷却水供給量が鋼板幅方向で不均一になってしまう。
そこで、この実施形態においては、図7に正面図を示すように、上ノズル22と同様、下ノズル32も鋼板幅方向外側に傾けるようにしている。なお、ここで、搬送方向と垂直な面から見た噴射線が鉛直線となす角をφと定義し、上ノズル22側をφ1、下ノズル32側をφ2としている。
例えば、φ1=φ2の時は、図7に示すように、鋼板10(板厚h1)の定常部において、鋼板の上面および下面とも衝突点がWで等間隔になっていて、冷却水供給量が鋼板幅方向で均一である場合、図8に示すように、鋼板10の反り発生においては、鋼板上面は、鋼板幅方向中央部での衝突点間隔がW−2ΔWと狭くなって、冷却水供給量が多くなるのに対して、逆に、鋼板下面は、鋼板幅方向中央部での衝突点間隔がW+2ΔWと広くなって、冷却水供給量が少なくなるので、それらが相殺されて、鋼板10を幅方向に均一に冷却することができるようになる。
ちなみに、衝突点の鋼板幅方向移動量ΔWは、鋼板の高さ位置の変化量をΔHとすると、
ΔW=ΔH tanφ
で表される。
なお、ここでは、図7、図8に示したように、上ノズル22および下ノズル32の全てが鋼板幅方向外側に傾いているが、本発明はこれに限るものではなく、上ノズル22および下ノズル32において、多数配列するノズルの一部に、外向きに噴射するノズルが含まれてさえすればよい。例えば、鋼板幅方向中央部での噴射方向が上ノズル22および下ノズル32とも鉛直方向(φ=0)で、鋼板幅方向端部に向けて噴射角度φを徐々に大きくするような場合であってもよい。
そして、外向きの噴射角度φについては、tanφ=0〜0.35(望ましくは、tanφ=0.1〜0.35)となるようにしている。
ちなみに、この実施形態においては、棒状冷却水を外向きに噴射する場合を示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えばスプレーノズルなどの噴霧状冷却水を外向きに噴射する場合に用いてもよい。その場合には、ノズルをはめ込む配管の軸心を噴射方向と考えればよい。
また、ここでは、厚鋼板の冷却を行う場合を念頭において説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、薄鋼板(熱延鋼帯)のランアウト冷却で用いてもよく、鋼板の先端部が空中に浮き上がったり、巻取り開始時の張力付加の影響で部分的にループができたりしていても、鋼板幅方向で均一に冷却できる。また、搬送中の鋼板の高さ位置を意図的に変えるようなプロセスにおいて均一な冷却を行おうとする場合にも、極めて有効である。
さらに、上ヘッダ21を上下に移動できるようにすればなおよい。鋼板の板厚が大きく変化する場合は、鋼板の定常部においても、図5、図6に示したと同じように、鋼板上面に対する冷却水衝突点の間隔が鋼板幅方向中央部で不均一になるので、上ヘッダ21を上下させて、冷却水23の噴射距離を常に一定とすれば、定常部上面の冷却水衝突点を等間隔で並ぶようにすることができる。また、冷却を行わない時は、上ヘッダ21を上方に上げて退避させておくことができるので、反りが大きい鋼板が衝突して上ヘッダ21を破損させるなどの危険性を小さくすることができるし、鋼板からの輻射熱による上ヘッダ21の熱変形を防止することができるなど、設備保全上の効果も大きい。
本発明の実施例を以下に述べる。
ここでは、図1、図2に示す基本的構成を備えた冷却設備を用いて、板厚が20mmの鋼板に対して冷却を行った。
その際、上ノズル22の噴射角度θを45°、噴射高さ(テーブルローラ上端から上ノズル先端までの高さ)Hを1020mmとし、鋼板の定常部に対して、上面の冷却水衝突点および上面の冷却水衝突点がそれぞれ鋼板幅方向に60mmピッチで等間隔になるようにした。
そして、本発明例1として、上記の本発明の一実施形態に基づいて、図7で示す上ノズル22の噴射角度φ1と下ノズル31の噴射角度φ2を全て同じにして、tanφ1=tanφ2=0.2として冷却を行った。
また、本発明例2として、上記の本発明の一実施形態に基づいて、図7で示す上ノズル22の噴射角度φ1と下ノズル31の噴射角度φ2を全て同じにして、tanφ1=tanφ2=0.3として冷却を行った。
これに対して、比較例1として、図9に示すように、上ノズル22の噴射方向と下ノズル31の噴射方向を全て鉛直方向(すなわち、φ1=φ2=0)として冷却を行った。
また、比較例2として、図10に示すように、上ノズル22の噴射角度φ1を全てtanφ1=0.2とし、下ノズル31の噴射方向を全て鉛直方向(すなわち、φ2=0)として冷却を行った。
なお、冷却開始温度は800℃とし、冷却終了温度が目標の600℃となるように、冷却水量や冷却時間を調整した。また、鋼板の上反り量ΔHは、最大で200mmあった。
その結果を表1および図11に示す。
Figure 0004905051
まず、比較例1では、上ノズル22、下ノズル31とも鋼板幅方向外向きに傾けなかったため、鋼板上下面ともに冷却水供給量は鋼板幅方向で均一であった。しかし、滞留冷却水24の水位が高くなりすぎて、対向する棒状冷却水23の外側へ滞留冷却水24が漏れ出すことがあり、これが鋼板を部分的に冷却し、定常部での温度むらは60℃あった。さらに、反り発生部では、図3に示すように、高さ位置が低い方(図3では左側)に多量の滞留冷却水24が漏れ、温度むらは100℃になった。その結果、鋼板内の温度を均一にすることができず、目標とする材質が得られなかった部分が多く、歩留まりが大幅に低下した。
また、比較例2では、上ノズル22が鋼板幅方向外向きに傾いているので、鋼板上面の冷却水が鋼板幅方向外側に流出しやすくなり、滞留冷却水24の水位はそれほど高くならず、対向する棒状冷却水23の外側へ滞留冷却水24が漏れ出すことはなかった。そのため、定常部の温度むらは10℃であった。しかし、反り発生部では、上面で鋼板幅方向中央部への冷却水供給量が多くなったの対して、下ノズル32が鉛直方向を向いているので、下面では冷却水供給量が鋼板幅方向に均一であったため、上面と下面を合計した冷却水供給量は、鋼板幅方向中央部で多くなった。したがって、反り発生部での鋼板幅方向の温度分布は、図11(a)のようになり、鋼板幅方向中央部の2ΔWの幅が過冷却となり、80℃の温度むらが発生した。その結果、反り発生部では、鋼板幅方向温度を均一にすることができず、鋼板幅方向中央部で目標とする材質が得られなかった。そのため、比較例1よりは改善したものの、歩留まりはかなり低かった。
これに対して、本発明例1では、定常部については、比較例2と同様に、鋼板上面の冷却水が鋼板幅方向外側に流出しやすくなり、定常部の温度むらは10℃であった。一方、反り発生部については、鋼板幅方向中央部上面への冷却水供給量が定常部の2倍になったのに対して、鋼板幅方向中央部下面へは冷却水が供給されなくなった。それによって、鋼板幅方向中央部は、上面での冷却過多と下面での冷却不足が相殺されたので、反り発生部での鋼板幅方向の温度分布は、図11(b)のようになり、温度むらを15℃に抑えることができた。その結果、鋼板内の温度を均一にすることができ、目標とする材質が得られて、高い歩留まりを維持できた。
また、本発明例2でも、本発明例1と同様であり、定常部の温度むらは10℃、反り発生部の温度むらは15℃であった。その結果、鋼板内の温度を均一にすることができ、目標とする材質が得られて、高い歩留まりを維持できた。
以上のことから、本発明の有効性を確認することができた。
本発明の一実施形態における冷却設備の構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態における冷却設備の構成を示す平面図である。 鋼板に上反りが発生した場合の状況を示す図である。 定常部での冷却水の衝突点を表す側面図である。 反り発生部での冷却水の衝突点を表す側面図である。 冷却水の衝突点を表す平面図である。 本発明の一実施形態における定常部の冷却状態を示す正面図である。 本発明の一実施形態における反り発生部の冷却状態を示す正面図である。 比較例1での冷却状態を示す正面図である。 比較例2での冷却状態を示す正面図である。 本発明の実施例における鋼板幅方向温度分布を示す図である。
符号の説明
10 鋼板
13 テーブルローラ
21 上ヘッダ
21a 第1上ヘッダ
21b 第2上ヘッダ
22 上ノズル
22a 第1上ノズル
22b 第2上ノズル
23 棒状冷却水
23a 棒状冷却水
23b 棒状冷却水
24 滞留冷却水
25 漏れ水
31 下ヘッダ
32 下ノズル
33 棒状冷却水

Claims (6)

  1. 鋼板の熱間圧延ラインで使用する冷却設備であって、
    鋼板の上面に対して冷却水を供給するノズルの少なくとも一部のノズルの噴射方向および鋼板の下面に対して冷却水を供給するノズルの少なくとも一部のノズルの噴射方向が、それぞれ鉛直線に対して鋼板幅方向外側に傾いているとともに、鋼板上面では搬送方向に垂直な面に投影した冷却水の噴射線が交差する領域ができていて、鋼板の反り発生部において、鋼板上面に対する冷却水の衝突点間隔が鋼板の定常部より狭くなる個所では、鋼板下面に対する冷却水の衝突点間隔が鋼板の定常部より広くなるようになっていることを特徴とする鋼板の冷却設備。
  2. 鋼板の上面に対して冷却水を供給するノズルおよび鋼板の下面に対して冷却水を供給するノズルの内、噴射方向が鉛直線に対して鋼板幅方向外側に傾いているノズルについて、冷却水の噴射線を搬送方向に垂直な面に投影した直線と鉛直線がなす角をφとし、tanφ=0〜0.35(但し、0は除く)であることを特徴とする請求項1に記載の鋼板の冷却設備。
  3. 前記冷却水が棒状冷却水であることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼板の冷却設備。
  4. 鋼板の熱間圧延ラインで使用する冷却方法であって、
    鋼板の上面に対して冷却水を供給するノズルの少なくとも一部のノズルの噴射方向および鋼板の下面に対して冷却水を供給するノズルの少なくとも一部のノズルの噴射方向を、それぞれ鉛直線に対して鋼板幅方向外側に傾けるとともに、鋼板上面では搬送方向に垂直な面に投影した冷却水の噴射線が交差する領域ができるようにし、鋼板の反り発生部において、鋼板上面に対する冷却水の衝突点間隔が鋼板の定常部より狭くなる個所では、鋼板下面に対する冷却水の衝突点間隔が鋼板の定常部より広くなるようにすることを特徴とする鋼板の冷却方法。
  5. 鋼板の上面に対して冷却水を供給するノズルおよび鋼板の下面に対して冷却水を供給するノズルの内、噴射方向が鉛直線に対して鋼板幅方向外側に傾いているノズルについて、噴射線を搬送方向に垂直な面に投影した直線と鉛直線がなす角をφとし、tanφ=0〜0.35(但し、0は除く)とすることを特徴とする請求項4に記載の鋼板の冷却方法。
  6. 前記冷却水が棒状冷却水であることを特徴とする請求項4または5に記載の鋼板の冷却方法。
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