JP3477066B2 - 金属部材の表面処理方法および金属部材 - Google Patents

金属部材の表面処理方法および金属部材

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JP3477066B2
JP3477066B2 JP05719698A JP5719698A JP3477066B2 JP 3477066 B2 JP3477066 B2 JP 3477066B2 JP 05719698 A JP05719698 A JP 05719698A JP 5719698 A JP5719698 A JP 5719698A JP 3477066 B2 JP3477066 B2 JP 3477066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、金属部材の表面処
理方法、とくに金属部材表面を蝕刻して所定のパターン
を形成する方法および表面処理が施された金属部材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、時計用外装部品のような金属部
材の表面に凹状のパターンを形成するには、めっき法
や、印刷法により行われていた。
【0003】例えば、めっき法の場合、目的とする模
様、文字、目盛等を印刷した後、電解めっき等によりマ
スクを形成し、次いで印刷部分を剥離してエッチングを
行い、凹状のパターンを形成していた。
【0004】印刷法の場合、目的のパターン部分を残し
てマスク印刷を行い、次いでエッチングした後、マスク
を除去して凹状のパターンを形成していた。
【0005】しかしこれらの方法によると、所望のパタ
ーンを印刷する際、金属部材の曲面部分や凹凸面上ある
いは側面にまわり込むようなデザインを印刷することは
非常に困難であり、かかる部分のマスク形成の際、人の
手作業によりマスク材料が塗布すること等が行われてい
た。
【0006】このように、手作業により形成されたマス
クはパターン境界がビレたり、膜厚が不均一で膜性状が
不良となる。パターン境界のビレはそのままエッチング
パターンのビレにつながってしまい、膜厚が不均一の場
合、膜厚の薄い部分は長時間のエッチングに耐えられ
ず、金属部材表面の肌荒れ等を生じて外観が悪く、膜厚
が厚い部分はマスク剥離時にマスク残りとなったり、マ
スク残りのないよう長時間の剥離を行うと、金属部材表
面の肌荒れ等を生じる等の問題があった。
【0007】一方、エキシマレーザー等の高エネルギー
レーザーを照射することにより金属部材に微細加工を施
す方法が知られている。このようなレーザー加工によれ
ば、金属部材を直接加工することも可能であるため工程
を簡略化することができ、また曲面上や側面にまわり込
むようなデザインを精度よくパターニングすることも可
能である。
【0008】しかし、レーザー加工の場合、金属表面に
約10μm程度の溝を設けるにとどまり、深い溝(約2
0μm以上)を形成するべく強いレーザーを照射した
り、照射時間を長くすると、照射部分の周縁部に熱によ
ってバリ・ビレ等が生じ、金属部材表面に立体的で精巧
なデザインを設けることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
部材の表面形状を問わず、精緻で立体的パターンを形成
することができ、立体的外観を得ることができる金属部
材の表面処理方法、およびかかる表面処理が施された金
属部材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0011】(1)金属部材の表面に少なくとも1層の
湿式めっきにより金属膜の下地層を形成する工程と、前
記下地層の上に電着塗装によりマスキング被膜を形成す
る工程と、レーザー光を照射して前記マスキング被膜と
前記下地層と前記金属部材の表面を部分的にパターニン
グ除去して、前記金属部材の表面に凹状のパターンを形
成する工程と、パターニングされた前記マスキング被膜
及び前記下地層とを用いて前記金属部材の前記凹状のパ
ターンをエッチングする工程と、前記マスキング被膜を
剥離する工程と、前記下地層を剥離する工程とを有する
ことを特徴とする金属部材の表面処理方法。
【0012】(2)前記下地層はマスキング被膜の接着
性を向上させるための接着強化層である上記(1)に記
載の金属部材の表面処理方法。
【0013】(3)前記接着強化層はAuまたはAu系
合金薄膜からなる上記(2)に記載の金属部材の表面処
理方法。
【0014】(4)前記接着強化層の膜厚は1μm以下
である上記(2)ないし(3)のいずれかに記載の金属
部材の表面処理方法。
【0015】(5)前記マスキング被膜の膜厚は10〜
30μmである上記(1)ないし(4)のいずれかに記
載の金属部材の表面処理方法。
【0016】(6)前記エッチングはウェットエッチン
グである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の金
属部材の表面処理方法。
【0017】(7)前記エッチングはシャワーエッチン
グである上記(6)に記載の金属部材の表面処理方法。
【0018】(8)前記エッチングにより前記金属部材
に形成された凹部の深さが20μm以上である上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載の金属部材の表面
処理方法。
【0019】(9)前記下地層を剥離する工程の後に、
前記金属部材の少なくとも一部に装飾用金属被覆層を形
成する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の金属
部材の表面処理方法。
【0020】(10)前記エッチングする工程の後に、前
記凹状のパターン内に着色層を形成する上記(1)ない
し(9)のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。
【0021】(11)前記金属部材は時計用外装部品であ
る上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の金属部材
の表面処理方法。
【0022】(12)上記(1)ないし(11)のいずれか
に記載の金属部材の表面処理方法によって作られたこと
を特徴とする金属部材。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金属部材の表面処
理方法および金属部材を添付図面に示す好適実施例に基
づいて説明する。
【0041】図1(1a)〜(1e)は、本発明の金属
部材の表面処理方法の第1実施形態を示す断面図であ
る。
【0042】この図に示すように、本発明の金属部材の
表面処理方法は、金属部材1の表面(1a)にマスキン
グ被膜2を形成する工程(1b)と、レーザー光を照射
することにより少なくともマスキング被膜2をパターニ
ングする工程(1c)と、パターニングされたマスキン
グ被膜2を用いて金属部材1をエッチングする工程
((1d)とを有する。
【0043】金属部材1としては、いかなる金属材料か
らなるものであってもよく、例えば腕時計のような時計
用外装部品の材料の場合、耐食性、強度、製造コスト等
との観点から選択され、例えば、ステンレス鋼(SU
S)、黄銅(Bs)、洋白(NS)等の合金、Tiおよ
びTi系合金、Au、Ag、Pt等の貴金属、またはこ
れらの貴金属を含む合金等の金属材料が挙げられる。
【0044】<マスキング被膜の形成>このような金属
部材1の表面に、図に示すようなマスキング被膜2を形
成する(1b)。このマスキング被膜2は、後述するエ
ッチング工程においてエッチングマスクとして機能す
る。
【0045】マスキング被膜2は、レーザー光が照射さ
れるとアブレーションする材料から構成される。これに
よりレーザー光によるマスクパターニングが可能とな
る。また、マスキング被膜2のアブレーションにより金
属部材1が露出し、レーザー光により金属部材1の一部
も除去されてマーキングが可能となる。
【0046】マスキング被膜2の形成方法は特に限定さ
れず、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、湿式め
っき、乾式めっき(蒸着、IP等)等が挙げられるが、
なかでも電着塗装が好ましい。電着塗装によればマスキ
ング被膜2の膜厚をより均一に形成することができる。
均一な膜厚に形成されたマスキング被膜2は、エッチン
グした後剥離液等により除去されるが、このとき均一に
溶解し除去されるため、膜厚が大きい部分のマスキング
被膜が残留したり、膜厚が小さい部分が長時間剥離液に
晒される等のために生じる金属部材表面の荒れを招くお
それがない。また、レーザーにてマスクを除去する際に
も膜厚が不均一であると、部分的にマスクが残ってしま
うこともあるが、膜厚が均一な電着塗装においては均一
なマスク除去が可能である。
【0047】電着塗装等により形成されるマスキング被
膜2の膜厚は、10〜30μm程度が好ましい。膜厚が
小さすぎるとマスキング被膜2にピンホールが発生する
おそれがあり、その箇所においてエッチング不良が生じ
る場合がある。特に、エッチング時間を長くする場合、
エッチングマスクとしての機能を十分に発揮し得ない場
合がある。一方、膜厚が大きすぎると膜厚のバラツキが
大きくなるおそれがあり、このような場合マスキング被
膜2を除去する際に、剥離液による金属部材1の表面の
荒れを招くおそれがある。また膜厚が厚過ぎると、被膜
の内部応力が高くなり、密着性が低下したりクラックが
発生してエッチング時にマスク部を荒らしてしまうおそ
れがある。
【0048】このようなマスキング被膜2を構成する材
料としては、レーザー光を吸収する材料であれば特に限
定されず、例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、
ポリスルホン系樹脂、エポキシ系、フッ素系等の樹脂材
料を用いることができる。さらに、Au、Ni、Pd、
Cu、Ag、Ti、Cr等の金属材料を用いて上記の湿
式めっき、乾式めっき(蒸着、IP)等によりマスキン
グ被膜2を形成することができる。
【0049】また、マスキング被膜2は透明であること
が好ましい。これにより金属部材1との密着状態を外部
から視認することが可能となる。
【0050】<レーザー加工>次に、レーザー光を照射
することにより少なくとも上記マスキング被膜2をパタ
ーニングし、エッチングマスクを形成する(1c)。レ
ーザー光によりマスクパターニングすることによって、
例えばフォトリソグラフィー等による場合に比べて工程
を簡略化することができる。また、レーザー光によれば
バリのない微細精密パターンの形成も可能となり、さら
にレーザー光の照射位置や角度を任意に設定できるた
め、曲面や凹凸面上にパターンを形成する場合でも、容
易にかつ精度よく行うことができる。エッチング深さを
深くする場合のサイドエッチングの補正もレーザー走査
プログラムにて容易に行うことができる。
【0051】レーザー光により少なくともマスキング被
膜2をパターニングする際、マスキング被膜2ととも
に、金属部材1の一部がレーザーによって除去されるこ
とが好ましい。これにより金属部材1の表面にマスキン
グ被膜2に形成されたパターンと同形状のパターンがマ
ーキングされ、次工程のエッチングをより効率よく行う
ことができる。すなわち、予めレーザーにより金属部材
1の表面に荒れた凹状のパターンが形成されることによ
り、当該凹状のパターン部分にエッチング液が侵入して
金属部材の蝕刻が迅速に進行する。さらに、金属部材1
の表面付近をレーザー加工するためシャープな加工端面
が得られ、いわゆるバリ、ビレのない鮮明なパターンが
形成される。
【0052】本発明の方法において使用されるレーザー
としては、例えばNe−Heレーザー、Arレーザー、
CO2 レーザー等の気体レーザーや、ルビーレーザー、
半導体レーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー等の
固体レーザーが挙げられる。なかでも、室温で連続発振
を容易に行うことができ、低い照射エネルギー領域にお
ける制御性の良さ等からYAGレーザーが好ましく用い
られる。
【0053】レーザー光の照射条件については、マスキ
ング被膜2の材質や膜厚、および金属部材1の材質等に
よって適宜選択されるが、例えばYAGレーザーの場
合、エネルギー強度は10〜50W程度であることが好
ましい。
【0054】<エッチング工程>次に、レーザー光によ
りパターニングされた前記マスキング被膜2を用いてエ
ッチングを行う(1d)。
【0055】これによりマスキング被膜2に所定パター
ンの凹部3を形成することができる。また、エッチング
によれば、エッチング液やエッチング時間等の選択によ
り、凹部3の深さを任意に設定することができる。した
がって、レーザー光により金属部材の表面を直接パター
ニング(マーキング)する方法では困難な深さまで蝕刻
することも可能である。
【0056】レーザー光による金属表面のパターニング
では、金属部材に深く凹状のパターンを形成するため
に、レーザー強度を大きくしたり照射時間を長くするこ
とが行われる。しかし、強度や照射時間を過剰にすると
照射部分の周縁部に熱溶融による焦げ、変形およびバ
リ、ビレを生じ金属部材の表面の外観が悪くなるうえに
深さのコントロールが困難であり深さのバラツキも大き
くなる場合がある。
【0057】エッチング方法としては特に限定されない
が、浸漬エッチングやシャワーエッチング等のウェット
エッチングが好ましく、なかでもシャワーエッチングが
好ましい。シャワーエッチングによれば、より短時間に
金属部材に所定パターンの深い凹部を鮮明に形成するこ
とができる。
【0058】エッチングにより金属部材1に形成される
凹部3の深さは任意に設定することができるが、20μ
m以上であることが好ましく、50μm以上がより好ま
しい。これにより金属部材1の表面に形成された模様、
文字等の所定パターンの凹部3がより立体的に現れ、視
覚によって鮮明に捉えることができる。
【0059】最後に、マスキング被膜2を除去し、図に
示すような金属部材が得られる(1e)。マスキング被
膜2の除去方法については、いかなる方法であってもよ
く、例えば溶剤、アルカリ溶液等からなる剥離液に浸漬
して溶解除去する方法等が挙げられる。
【0060】上記エッチングにより形成された凹部3内
には、図2に示すように着色層8を形成することが好ま
しい。このような表面処理により金属部材1の表面に多
色による種々のデザインを施すことができる。例えば、
着色層の色調と金属部材自体の色調との組み合わせによ
って立体感や豪華さ等の審美的外観を得ることができ
る。
【0061】着色層8の形成方法は特に限定されず、例
えば、Auめっき、黒Crめっき、Agめっき、Pdめ
っき、Rhめっき、Crめっき、Ruめっき、カラーめ
っき等の湿式めっきやイオンプレーティング等の乾式め
っきによる方法、塗装、塗料入れによる方法等が挙げら
れ、これらの方法を複合することも可能である。
【0062】めっきにより着色層を形成する場合、エッ
チングした後マスキング被膜2の除去前に行うことが好
ましい。これにより容易に凹部3内にのみ着色層8を形
成することができる。めっきにより着色層を形成する場
合、凹部の形状、大きさを問わず密着性、耐摩耗性に優
れた着色層8を形成することができる。また着色層8の
膜厚の制御も容易である。
【0063】着色層8を塗料入れにより形成する場合、
例えばマスキング被膜2を除去した後、塗料を塗布し金
属部材1の表面に付着した塗料を払拭する。次に凹部3
内の塗料を加熱・乾燥する等により着色層8を形成す
る。
【0064】また、図3に示すように金属部材1の少な
くとも一部に被覆層10を設けることが好ましい。これ
により金属部材表面の耐食性、耐擦傷性等をより向上さ
せることができる。また、金属部材表面の質感や色調を
調整することもできる。
【0065】さらに、図3(3b)に示すように凹部3
内に被覆層10を設け、その上に上記の着色層8を形成
することも可能である。
【0066】被覆層10としては、例えばAuまたはA
u合金めっき、PdまたはPd合金めっき、Ptまたは
Pt合金めっき、CuまたはCu合金めっき等が挙げら
れる。被覆層10の膜厚は、0.5〜10μm程度が好
ましい。被覆層10が薄すぎると耐食性等の向上を図る
ことが困難となり、一方、厚過ぎる場合には被覆層10
にクラックが発生するおそれがあり、また被覆層の形成
のために使用されるAu等の貴金属材料の量が増加し製
造コストが増大する。このような被覆層10は、例えば
上述の各種めっき法により形成することができる。
【0067】図4(4a)〜(4f)は、本発明の金属
部材の表面処理方法の第2実施形態を示す断面図であ
る。
【0068】この図に示すように、本実施形態の金属部
材の表面処理方法は、金属部材1の表面に少なくとも1
層の下地層7を形成する工程(4a、4b)と、下地層
7の上にマスキング被膜2を形成する工程(4c)と、
レーザー光を照射することにより少なくともマスキング
被膜2をパターニングする工程(4d)と、パターニン
グされた前記マスキング被膜2を用いて金属部材1をエ
ッチングする工程(4e)とを有する。
【0069】下地層7を形成する点以外は、上記第1実
施形態と同様である。以下、主に第1実施形態の場合と
の相違点について説明する。
【0070】本実施形態の方法は、金属部材1に少なく
とも1層の下地層7を形成する(4b)。下地層7とし
ては特に限定されないが、例えば金属部材1とマスキン
グ被膜2との接着性を向上させるための接着強化層であ
ることが好ましい。これにより、マスキング被膜2の接
着性・密着性がより向上し、しみ込み等のエッチング不
良による凹部周縁のバリ・ビレ等を有効に防止すること
ができる。
【0071】接着強化層等の下地層を設ける場合として
は、例えばTiまたはTi合金からなる金属部材1のよ
うに、直接密着性の良いマスキング被覆2の形成が困難
である場合等が挙げられるが、特にこのような場合に限
られるものではない。
【0072】このような接着強化層としては、例えばA
u、Ni、Pd、Crおよびそれらの合金等からなる薄
膜が挙げられるが、AuまたはAu系合金薄膜からなる
ものが好ましい。これによりマスキング被膜の接着性、
密着性をより有効に向上させることができる。
【0073】接着強化層の形成方法は特に限定されない
が、湿式めっきまたは乾式めっきが好ましい。湿式めっ
きとしては電解めっき、無電解めっき等が挙げられ、乾
式めっきとしては例えば、蒸着、スパッタリング、IP
(イオンプレーティング)等が挙げられる。
【0074】接着強化層の膜厚は1μm以下が好まし
く、0.5μm以下のストライクめっき層がより好まし
い。これにより、密着性の向上を達成しつつ膜厚のバラ
ツキおよびクラックの発生防止を図りつつ製造コストの
増大を抑えることができる。
【0075】次に下地層7の上にマスキング被膜2を形
成する(4c)。マスキング被膜2の構成材料、膜性
状、形成方法は上記第1実施形態の場合と同様のものが
挙げられる。
【0076】さらに、レーザー光により少なくともマス
キング被膜2をパターニングし、エッチングマスクを形
成する(4d)。このとき、マスキング被膜2のみなら
ず、下地層7もレーザーにより除去されることが好まし
く、さらに金属部材1の一部が除去されることがさらに
好ましい。これにより上記第1実施形態の場合と同様、
金属部材1の表面にマスキング被膜2に形成されたパタ
ーンと同形状のパターンが精密にマーキングされ、次工
程のエッチングをより効率よく行うことができる。エッ
チングは、第1実施形態の場合と同様に行うことができ
る。
【0077】最後にマスキング被膜2および下地層7を
除去し、表面に所定パターンの凹部3が形成され、該凹
部3はその一部がレーザー光の照射により形成され、エ
ッチングにより完成された本発明の金属部材1が得られ
る。
【0078】また、金属部材1の少なくとも一部に図3
に示すように金属部材1に被覆層10を形成してもよ
い。被覆層10の構成材料、膜性状、形成方法等につい
ては第1実施形態と同様のものが挙げられる。
【0079】以上のような表面処理を行うことにより、
本発明の金属部材が得られる。
【0080】金属部材としては、例えば置物等のインテ
リア、エクステリア用品、時計ケース、時計バンド、文
字盤等の時計用外装部品、ネクタイピン、カフスボタ
ン、ブローチ、ライター、メガネ等の装飾品、ゴルフク
ラブ等のスポーツ用品、銘板、パネル、賞杯、その他ハ
ウジング等を含む各種機器部品、各種容器等が挙げられ
るが、なかでも時計用外装部品が好ましい。時計用外装
部品は、装飾品として外観の美しさが要求されるととも
に、実用品として金属表面に形成されたパターンの視認
性、緻密性および耐食性等が要求されるが、本発明の金
属部材の表面処理方法によればこれらの要件を全て満足
することができる。
【0081】本発明の金属部材の表面処理方法および金
属部材を図示の各実施形態について説明したが、これら
に限定されるものではなく、例えば下地層としては、接
着強化層のみならず金属部材の耐食性向上のためのコー
ティング層等を設けてもよく、また、機能の異なる層を
下地層として複数の層を設けてもよい。さらに下地層
は、エッチングの後必ずしも除去されるものではなく、
金属部材表面に維持されていてもよい。また、種々の目
的に応じて中間層を設けてもよい。
【0082】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0083】1.金属部材の表面処理 (実施例1)まず、SUS304(ステンレススチー
ル)からなる金属部材1の表面を研磨し、その表面にア
クリル系樹脂((株)シミズ製「AM−2」)を用い、
電着塗装により膜厚20μmのマスキング被膜2を形成
した(1a、1b)。
【0084】電着塗装は、液温:25℃、電圧:50
V、処理時間:2分、焼付:180℃×40分の条件で
行った。
【0085】次に、YAGレーザーを用いてマスキング
被膜2を所定のパターンに加工し、エッチングマスクを
形成した。なお、このとき、金属部材1にもレーザーが
照射され、深さ10〜20μmのパターンが形成された
(1c)。YAGレーザーによる加工条件は、エネルギ
ー強度:13W、周波数:4kHz 、電流:15A、スキ
ャン速度:50m/sとした。
【0086】さらに、シャワーエッチングにより金属部
材1をエッチングし、所定パターンの凹部3を形成した
(1d)。エッチング条件は、エッチング液:塩化第二
鉄溶液、液温:30℃、処理時間:5分とし、金属部材
1の蝕刻深さは100μmであった。
【0087】次に、金属部材1を剥離液に浸漬し、マス
キング被膜2の除去を行った(1e)。剥離液として、
炭化水素溶液「ネオリバー635」を使用し、処理条件
は液温:20℃、浸漬時間:10分とした。
【0088】最後に、図2に示すように凹部3に着色層
8を形成し、図2に示すような金属部材を作製した。着
色層8は、エポキシ系塗料を金属部材の表面に塗布し、
表面に付着する塗料を払き取った後、凹部3内の塗料を
120℃×30分で乾燥することにより形成した。
【0089】各工程における処理条件等を表1および表
2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】(実施例2)金属部材1の材質としてBs
(黄銅)を用いた以外は、実施例1と同様にして金属部
材1の表面に電着塗装により膜厚20μmのマスキング
被膜2を形成した。
【0093】次に、YAGレーザーを用いてマスキング
被膜2を所定のパターンに加工し、エッチングマスクを
形成した。なお、このとき、金属部材1にもレーザーが
照射され、深さ10〜20μmのパターンが形成され
た。YAGレーザーによる加工条件は、エネルギー強
度:13W、周波数:4kHz 、電流:13A、スキャン
速度:50m/s とした。
【0094】さらに、シャワーエッチング法により金属
部材1をエッチングし、凹部3からなるパターンを形成
した。エッチング条件は、エッチング液:塩化第二鉄溶
液、液温:30℃、処理時間:10分とし、金属部材1
の蝕刻深さは400μmであった。
【0095】次に、金属部材1を剥離液に浸漬し、実施
例1と同様にしてマスキング被膜2の除去を行った。
【0096】さらに、図3に示すように膜厚3μmの2
2KAuのめっき層からなる被覆層10を設け(3
a)、その後、実施例1と同様にして凹部3に着色層8
を形成し、図3(3b)に示すような金属部材を作製し
た。
【0097】各工程における処理条件等を表1および表
2に示す。
【0098】(実施例3)被覆層10として凹部3に膜
厚3μmの純Pdからなるめっき層(白銀色)を設けた
以外は実施例2と同様にして図3(b)に示すような金
属部材を作製した。
【0099】各工程における処理条件等を表1および表
2に示す。
【0100】(実施例4)まず、図4に示すようにSU
S304からなる金属部材1に下地層(接着強化層)7
として、Auからなる膜厚0.1μmのストライクめっ
き層(Au St.)を設けた(4a、4b)。この下地層
7の上に実施例1と同様にしてマスキング被膜2(膜
厚:20μm)を形成した(4c)。
【0101】次に、YAGレーザーを用いてマスキング
被膜2を所定のパターンに加工し、エッチングマスクを
形成した。なお、このとき、金属部材1の一部も除去さ
れ、深さ10〜20μmの凹状のパターンが形成された
(4d)。YAGレーザーによる加工条件は電流値を1
6Aとした以外は実施例1と同様とした。
【0102】さらに、シャワーエッチング法により金属
部材1をエッチングし、凹部3からなるパターンを形成
した(4e)。エッチング条件は、表3に示すようにエ
ッチング液:塩化第二鉄溶液、液温:30℃、処理時
間:5分とし、金属部材1の蝕刻深さは100μmであ
った。
【0103】
【表3】
【0104】パターン形成された凹部3の内部表面に電
解めっき法により、着色層8として膜厚1μmの黒クロ
ムめっきの被膜(黒色)を形成した(4f)。このと
き、めっき液として、(株)ジャパンメタルフィニッシ
ング製「エコノクロムBK」を用いた。めっき条件等を
表4に示す。
【0105】
【表4】
【0106】最後に、実施例1と同様にしてマスキング
被膜2を除去した後、下地層7を剥離液に浸漬すること
により除去し、図2に示すような金属部材を作製した。
なお、下地層7の除去には浸漬液としてシアン系溶液
(商品名:「エンストリップ浸漬液」)を用いた。
【0107】その他の各工程の処理条件等を表3および
表4に示す。
【0108】(実施例5)着色層8を実施例1と同様に
形成した以外は、実施例4と同様の方法により金属部材
の表面を処理し、図2に示すような金属部材を作製し
た。
【0109】各工程の条件等を表3および表4に示す。
【0110】(実施例6)金属部材の構成材料としてT
iを用いた以外は、実施例5と同様にして図2に示すよ
うな金属部材を作製した。
【0111】(比較例1)まず、図5に示すようにSU
S304からなる金属部材の表面にパターン印刷12を
設けた(5a、5b)。次に、膜厚2μmのAuからな
るマスクめっき13を施した後(5c)、パターン印刷
12を剥離し(5d)、エッチングマスクを形成した。
【0112】さらに、シャワーエッチング法により金属
部材をエッチングし、凹部14からなるパターンを形成
した(5e)。エッチング条件は、エッチング液:塩化
第二鉄溶液、液温:30℃、処理時間:2分とし、金属
部材に形成された凹部14の深さは30μmであった。
【0113】最後にマスクめっき13を除去し、金属部
材を作製した(5f)。
【0114】各工程の処理条件等を表5に示す。
【0115】
【表5】
【0116】(比較例2)SUS304からなる金属部
材1の表面に直接レーザー光を照射し、深さ50μmの
所定パターンの凹部を形成した。
【0117】レーザー加工の条件等は表5に示す。
【0118】2.品質評価 上記実施例1〜6および比較例1、2で作製された金属
部材(各50個)について、外観(表面および凹部の状
態)を目視および顕微鏡確認により評価した。評価項目
および評価結果を表6に示す。なお、各評価項目におい
て以下の状態を「良品」と判定し、3段階で表示するも
のとした。
【0119】 ○:良品率が90%を超える △:良品率が50〜90% ×:良品率が50%未満 立体感 全ての部分において凹凸が鮮明に現れている。
【0120】凹部の境界のビレ 凹部の周縁部にビレが見られない。
【0121】凹部以外の部分のエッチング 全くみられない。
【0122】マスク除去(剥離液)による表面の荒れ 全くみられない。
【0123】凹部の境界のバリ 全くみられない。
【0124】凹部のパターン精度 マスク形状と同一形状のパターンが形成されている。
【0125】
【表6】
【0126】実施例1〜6の金属部品はいずれも、表面
に精緻で立体感のあるパターンが形成された。また、パ
ターン(凹部)の周縁部にはビレやバリが全くみられ
ず、審美性の高い金属部材が得られた。
【0127】さらに、凹部以外の部分においてエッチン
グが見られないことからマスキング被膜が良好に密着し
ていることがわかった。一方、容易にかつ完全にマスキ
ング被膜が除去することができ、金属部材表面に荒れが
みられなかった。
【0128】これに対し、比較例1の金属部材はエッジ
部のマスクめっきが完全ではなく、凹部以外の部分のエ
ッチングがみられた。また、パターン印刷のビレによ
り、凹部周縁部にビレがみられ、パターニング精度に劣
るものであった。また、金属部材の表面にはエッチング
マスク除去による荒れが見られた。
【0129】比較例2の金属部材は凹部の深さが浅くて
立体感に乏しく、レーザー光の照射により発生する熱に
よりパターン周縁部にビレ、バリが生じ、外観が損なわ
れ、またスポット径のバラツキによってパターン精度に
劣るものであった。
【0130】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の金属部材の
表面処理方法によれば、バリやビレのない鮮明で立体感
のある凹状のパターンを簡単かつ迅速に形成することが
できる。また、レーザー光によるパターニングによりマ
スクを形成するため、複雑な形状の金属部材表面にも精
密にパターンを設けることができ、デザインの自由度が
大きい。さらに、工程を簡略化することができ、製造コ
ストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属部材の表面処理方法の第1実施形
態を示す断面図である。
【図2】本発明の金属部材に着色層を形成した場合の実
施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の金属部材に被覆層を設けた場合の実施
形態を示す断面図である。
【図4】本発明の金属部材の表面処理方法の第2実施形
態を示す断面図である。
【図5】金属部材の表面処理方法の比較例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 金属部材 2 マスキング被膜 3、14 凹部 7 下地層 8 着色層 10 被覆層 12 パターン印刷 13 マスクめっき
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−287499(JP,A) 特開 平9−296283(JP,A) 特開 平4−21790(JP,A) 特開 平7−20493(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/00 - 3/06 G04B 37/22

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部材の表面に少なくとも1層の湿式
    めっきにより金属膜の下地層を形成する工程と、 前記下地層の上に電着塗装によりマスキング被膜を形成
    する工程と、 レーザー光を照射して前記マスキング被膜と前記下地層
    と前記金属部材の表面を部分的にパターニング除去し
    て、前記金属部材の表面に凹状のパターンを形成する工
    程と、 パターニングされた前記マスキング被膜及び前記下地層
    とを用いて前記金属部材の前記凹状のパターンをエッチ
    ングする工程と、 前記マスキング被膜を剥離する工程と、 前記下地層を剥離する工程とを有することを特徴とする
    金属部材の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記下地層はマスキング被膜の接着性を
    向上させるための接着強化層である請求項1に記載の金
    属部材の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記接着強化層はAuまたはAu系合金
    薄膜からなる請求項2に記載の金属部材の表面処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記接着強化層の膜厚は1μm以下であ
    る請求項2ないし3のいずれかに記載の金属部材の表面
    処理方法。
  5. 【請求項5】 前記マスキング被膜の膜厚は10〜30
    μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の金属部
    材の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記エッチングはウェットエッチングで
    ある請求項1ないし5のいずれかに記載の金属部材の表
    面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチングはシャワーエッチングで
    ある請求項6に記載の金属部材の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 前記エッチングにより前記金属部材に形
    成された凹部の深さが20μm以上である請求項1ない
    し7のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。
  9. 【請求項9】 前記下地層を剥離する工程の後に、前記
    金属部材の少なくとも一部に装飾用金属被覆層を形成す
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の金属部材の表面
    処理方法。
  10. 【請求項10】 前記エッチングする工程の後に、前記
    凹状のパターン内に着色層を形成する請求項1ないし9
    のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。
  11. 【請求項11】 前記金属部材は時計用外装部品である
    請求項1ないし10のいずれかに記載の金属部材の表面
    処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の金属部材の表面処理方法によって作られたことを特徴
    とする金属部材。
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