JP3477066B2 - 金属部材の表面処理方法および金属部材 - Google Patents
金属部材の表面処理方法および金属部材Info
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Description
理方法、とくに金属部材表面を蝕刻して所定のパターン
を形成する方法および表面処理が施された金属部材に関
するものである。
材の表面に凹状のパターンを形成するには、めっき法
や、印刷法により行われていた。
様、文字、目盛等を印刷した後、電解めっき等によりマ
スクを形成し、次いで印刷部分を剥離してエッチングを
行い、凹状のパターンを形成していた。
てマスク印刷を行い、次いでエッチングした後、マスク
を除去して凹状のパターンを形成していた。
ーンを印刷する際、金属部材の曲面部分や凹凸面上ある
いは側面にまわり込むようなデザインを印刷することは
非常に困難であり、かかる部分のマスク形成の際、人の
手作業によりマスク材料が塗布すること等が行われてい
た。
クはパターン境界がビレたり、膜厚が不均一で膜性状が
不良となる。パターン境界のビレはそのままエッチング
パターンのビレにつながってしまい、膜厚が不均一の場
合、膜厚の薄い部分は長時間のエッチングに耐えられ
ず、金属部材表面の肌荒れ等を生じて外観が悪く、膜厚
が厚い部分はマスク剥離時にマスク残りとなったり、マ
スク残りのないよう長時間の剥離を行うと、金属部材表
面の肌荒れ等を生じる等の問題があった。
レーザーを照射することにより金属部材に微細加工を施
す方法が知られている。このようなレーザー加工によれ
ば、金属部材を直接加工することも可能であるため工程
を簡略化することができ、また曲面上や側面にまわり込
むようなデザインを精度よくパターニングすることも可
能である。
約10μm程度の溝を設けるにとどまり、深い溝(約2
0μm以上)を形成するべく強いレーザーを照射した
り、照射時間を長くすると、照射部分の周縁部に熱によ
ってバリ・ビレ等が生じ、金属部材表面に立体的で精巧
なデザインを設けることは困難であった。
部材の表面形状を問わず、精緻で立体的パターンを形成
することができ、立体的外観を得ることができる金属部
材の表面処理方法、およびかかる表面処理が施された金
属部材を提供することにある。
(1)〜(12)の本発明により達成される。
湿式めっきにより金属膜の下地層を形成する工程と、前
記下地層の上に電着塗装によりマスキング被膜を形成す
る工程と、レーザー光を照射して前記マスキング被膜と
前記下地層と前記金属部材の表面を部分的にパターニン
グ除去して、前記金属部材の表面に凹状のパターンを形
成する工程と、パターニングされた前記マスキング被膜
及び前記下地層とを用いて前記金属部材の前記凹状のパ
ターンをエッチングする工程と、前記マスキング被膜を
剥離する工程と、前記下地層を剥離する工程とを有する
ことを特徴とする金属部材の表面処理方法。
性を向上させるための接着強化層である上記(1)に記
載の金属部材の表面処理方法。
合金薄膜からなる上記(2)に記載の金属部材の表面処
理方法。
である上記(2)ないし(3)のいずれかに記載の金属
部材の表面処理方法。
30μmである上記(1)ないし(4)のいずれかに記
載の金属部材の表面処理方法。
グである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の金
属部材の表面処理方法。
グである上記(6)に記載の金属部材の表面処理方法。
に形成された凹部の深さが20μm以上である上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載の金属部材の表面
処理方法。
前記金属部材の少なくとも一部に装飾用金属被覆層を形
成する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の金属
部材の表面処理方法。
記凹状のパターン内に着色層を形成する上記(1)ない
し(9)のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。
る上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の金属部材
の表面処理方法。
に記載の金属部材の表面処理方法によって作られたこと
を特徴とする金属部材。
理方法および金属部材を添付図面に示す好適実施例に基
づいて説明する。
部材の表面処理方法の第1実施形態を示す断面図であ
る。
表面処理方法は、金属部材1の表面(1a)にマスキン
グ被膜2を形成する工程(1b)と、レーザー光を照射
することにより少なくともマスキング被膜2をパターニ
ングする工程(1c)と、パターニングされたマスキン
グ被膜2を用いて金属部材1をエッチングする工程
((1d)とを有する。
らなるものであってもよく、例えば腕時計のような時計
用外装部品の材料の場合、耐食性、強度、製造コスト等
との観点から選択され、例えば、ステンレス鋼(SU
S)、黄銅(Bs)、洋白(NS)等の合金、Tiおよ
びTi系合金、Au、Ag、Pt等の貴金属、またはこ
れらの貴金属を含む合金等の金属材料が挙げられる。
部材1の表面に、図に示すようなマスキング被膜2を形
成する(1b)。このマスキング被膜2は、後述するエ
ッチング工程においてエッチングマスクとして機能す
る。
れるとアブレーションする材料から構成される。これに
よりレーザー光によるマスクパターニングが可能とな
る。また、マスキング被膜2のアブレーションにより金
属部材1が露出し、レーザー光により金属部材1の一部
も除去されてマーキングが可能となる。
れず、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、湿式め
っき、乾式めっき(蒸着、IP等)等が挙げられるが、
なかでも電着塗装が好ましい。電着塗装によればマスキ
ング被膜2の膜厚をより均一に形成することができる。
均一な膜厚に形成されたマスキング被膜2は、エッチン
グした後剥離液等により除去されるが、このとき均一に
溶解し除去されるため、膜厚が大きい部分のマスキング
被膜が残留したり、膜厚が小さい部分が長時間剥離液に
晒される等のために生じる金属部材表面の荒れを招くお
それがない。また、レーザーにてマスクを除去する際に
も膜厚が不均一であると、部分的にマスクが残ってしま
うこともあるが、膜厚が均一な電着塗装においては均一
なマスク除去が可能である。
膜2の膜厚は、10〜30μm程度が好ましい。膜厚が
小さすぎるとマスキング被膜2にピンホールが発生する
おそれがあり、その箇所においてエッチング不良が生じ
る場合がある。特に、エッチング時間を長くする場合、
エッチングマスクとしての機能を十分に発揮し得ない場
合がある。一方、膜厚が大きすぎると膜厚のバラツキが
大きくなるおそれがあり、このような場合マスキング被
膜2を除去する際に、剥離液による金属部材1の表面の
荒れを招くおそれがある。また膜厚が厚過ぎると、被膜
の内部応力が高くなり、密着性が低下したりクラックが
発生してエッチング時にマスク部を荒らしてしまうおそ
れがある。
料としては、レーザー光を吸収する材料であれば特に限
定されず、例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、
ポリスルホン系樹脂、エポキシ系、フッ素系等の樹脂材
料を用いることができる。さらに、Au、Ni、Pd、
Cu、Ag、Ti、Cr等の金属材料を用いて上記の湿
式めっき、乾式めっき(蒸着、IP)等によりマスキン
グ被膜2を形成することができる。
が好ましい。これにより金属部材1との密着状態を外部
から視認することが可能となる。
することにより少なくとも上記マスキング被膜2をパタ
ーニングし、エッチングマスクを形成する(1c)。レ
ーザー光によりマスクパターニングすることによって、
例えばフォトリソグラフィー等による場合に比べて工程
を簡略化することができる。また、レーザー光によれば
バリのない微細精密パターンの形成も可能となり、さら
にレーザー光の照射位置や角度を任意に設定できるた
め、曲面や凹凸面上にパターンを形成する場合でも、容
易にかつ精度よく行うことができる。エッチング深さを
深くする場合のサイドエッチングの補正もレーザー走査
プログラムにて容易に行うことができる。
膜2をパターニングする際、マスキング被膜2ととも
に、金属部材1の一部がレーザーによって除去されるこ
とが好ましい。これにより金属部材1の表面にマスキン
グ被膜2に形成されたパターンと同形状のパターンがマ
ーキングされ、次工程のエッチングをより効率よく行う
ことができる。すなわち、予めレーザーにより金属部材
1の表面に荒れた凹状のパターンが形成されることによ
り、当該凹状のパターン部分にエッチング液が侵入して
金属部材の蝕刻が迅速に進行する。さらに、金属部材1
の表面付近をレーザー加工するためシャープな加工端面
が得られ、いわゆるバリ、ビレのない鮮明なパターンが
形成される。
としては、例えばNe−Heレーザー、Arレーザー、
CO2 レーザー等の気体レーザーや、ルビーレーザー、
半導体レーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー等の
固体レーザーが挙げられる。なかでも、室温で連続発振
を容易に行うことができ、低い照射エネルギー領域にお
ける制御性の良さ等からYAGレーザーが好ましく用い
られる。
ング被膜2の材質や膜厚、および金属部材1の材質等に
よって適宜選択されるが、例えばYAGレーザーの場
合、エネルギー強度は10〜50W程度であることが好
ましい。
りパターニングされた前記マスキング被膜2を用いてエ
ッチングを行う(1d)。
ンの凹部3を形成することができる。また、エッチング
によれば、エッチング液やエッチング時間等の選択によ
り、凹部3の深さを任意に設定することができる。した
がって、レーザー光により金属部材の表面を直接パター
ニング(マーキング)する方法では困難な深さまで蝕刻
することも可能である。
では、金属部材に深く凹状のパターンを形成するため
に、レーザー強度を大きくしたり照射時間を長くするこ
とが行われる。しかし、強度や照射時間を過剰にすると
照射部分の周縁部に熱溶融による焦げ、変形およびバ
リ、ビレを生じ金属部材の表面の外観が悪くなるうえに
深さのコントロールが困難であり深さのバラツキも大き
くなる場合がある。
が、浸漬エッチングやシャワーエッチング等のウェット
エッチングが好ましく、なかでもシャワーエッチングが
好ましい。シャワーエッチングによれば、より短時間に
金属部材に所定パターンの深い凹部を鮮明に形成するこ
とができる。
凹部3の深さは任意に設定することができるが、20μ
m以上であることが好ましく、50μm以上がより好ま
しい。これにより金属部材1の表面に形成された模様、
文字等の所定パターンの凹部3がより立体的に現れ、視
覚によって鮮明に捉えることができる。
示すような金属部材が得られる(1e)。マスキング被
膜2の除去方法については、いかなる方法であってもよ
く、例えば溶剤、アルカリ溶液等からなる剥離液に浸漬
して溶解除去する方法等が挙げられる。
には、図2に示すように着色層8を形成することが好ま
しい。このような表面処理により金属部材1の表面に多
色による種々のデザインを施すことができる。例えば、
着色層の色調と金属部材自体の色調との組み合わせによ
って立体感や豪華さ等の審美的外観を得ることができ
る。
えば、Auめっき、黒Crめっき、Agめっき、Pdめ
っき、Rhめっき、Crめっき、Ruめっき、カラーめ
っき等の湿式めっきやイオンプレーティング等の乾式め
っきによる方法、塗装、塗料入れによる方法等が挙げら
れ、これらの方法を複合することも可能である。
チングした後マスキング被膜2の除去前に行うことが好
ましい。これにより容易に凹部3内にのみ着色層8を形
成することができる。めっきにより着色層を形成する場
合、凹部の形状、大きさを問わず密着性、耐摩耗性に優
れた着色層8を形成することができる。また着色層8の
膜厚の制御も容易である。
例えばマスキング被膜2を除去した後、塗料を塗布し金
属部材1の表面に付着した塗料を払拭する。次に凹部3
内の塗料を加熱・乾燥する等により着色層8を形成す
る。
くとも一部に被覆層10を設けることが好ましい。これ
により金属部材表面の耐食性、耐擦傷性等をより向上さ
せることができる。また、金属部材表面の質感や色調を
調整することもできる。
内に被覆層10を設け、その上に上記の着色層8を形成
することも可能である。
u合金めっき、PdまたはPd合金めっき、Ptまたは
Pt合金めっき、CuまたはCu合金めっき等が挙げら
れる。被覆層10の膜厚は、0.5〜10μm程度が好
ましい。被覆層10が薄すぎると耐食性等の向上を図る
ことが困難となり、一方、厚過ぎる場合には被覆層10
にクラックが発生するおそれがあり、また被覆層の形成
のために使用されるAu等の貴金属材料の量が増加し製
造コストが増大する。このような被覆層10は、例えば
上述の各種めっき法により形成することができる。
部材の表面処理方法の第2実施形態を示す断面図であ
る。
材の表面処理方法は、金属部材1の表面に少なくとも1
層の下地層7を形成する工程(4a、4b)と、下地層
7の上にマスキング被膜2を形成する工程(4c)と、
レーザー光を照射することにより少なくともマスキング
被膜2をパターニングする工程(4d)と、パターニン
グされた前記マスキング被膜2を用いて金属部材1をエ
ッチングする工程(4e)とを有する。
施形態と同様である。以下、主に第1実施形態の場合と
の相違点について説明する。
とも1層の下地層7を形成する(4b)。下地層7とし
ては特に限定されないが、例えば金属部材1とマスキン
グ被膜2との接着性を向上させるための接着強化層であ
ることが好ましい。これにより、マスキング被膜2の接
着性・密着性がより向上し、しみ込み等のエッチング不
良による凹部周縁のバリ・ビレ等を有効に防止すること
ができる。
は、例えばTiまたはTi合金からなる金属部材1のよ
うに、直接密着性の良いマスキング被覆2の形成が困難
である場合等が挙げられるが、特にこのような場合に限
られるものではない。
u、Ni、Pd、Crおよびそれらの合金等からなる薄
膜が挙げられるが、AuまたはAu系合金薄膜からなる
ものが好ましい。これによりマスキング被膜の接着性、
密着性をより有効に向上させることができる。
が、湿式めっきまたは乾式めっきが好ましい。湿式めっ
きとしては電解めっき、無電解めっき等が挙げられ、乾
式めっきとしては例えば、蒸着、スパッタリング、IP
(イオンプレーティング)等が挙げられる。
く、0.5μm以下のストライクめっき層がより好まし
い。これにより、密着性の向上を達成しつつ膜厚のバラ
ツキおよびクラックの発生防止を図りつつ製造コストの
増大を抑えることができる。
成する(4c)。マスキング被膜2の構成材料、膜性
状、形成方法は上記第1実施形態の場合と同様のものが
挙げられる。
キング被膜2をパターニングし、エッチングマスクを形
成する(4d)。このとき、マスキング被膜2のみなら
ず、下地層7もレーザーにより除去されることが好まし
く、さらに金属部材1の一部が除去されることがさらに
好ましい。これにより上記第1実施形態の場合と同様、
金属部材1の表面にマスキング被膜2に形成されたパタ
ーンと同形状のパターンが精密にマーキングされ、次工
程のエッチングをより効率よく行うことができる。エッ
チングは、第1実施形態の場合と同様に行うことができ
る。
除去し、表面に所定パターンの凹部3が形成され、該凹
部3はその一部がレーザー光の照射により形成され、エ
ッチングにより完成された本発明の金属部材1が得られ
る。
に示すように金属部材1に被覆層10を形成してもよ
い。被覆層10の構成材料、膜性状、形成方法等につい
ては第1実施形態と同様のものが挙げられる。
本発明の金属部材が得られる。
リア、エクステリア用品、時計ケース、時計バンド、文
字盤等の時計用外装部品、ネクタイピン、カフスボタ
ン、ブローチ、ライター、メガネ等の装飾品、ゴルフク
ラブ等のスポーツ用品、銘板、パネル、賞杯、その他ハ
ウジング等を含む各種機器部品、各種容器等が挙げられ
るが、なかでも時計用外装部品が好ましい。時計用外装
部品は、装飾品として外観の美しさが要求されるととも
に、実用品として金属表面に形成されたパターンの視認
性、緻密性および耐食性等が要求されるが、本発明の金
属部材の表面処理方法によればこれらの要件を全て満足
することができる。
属部材を図示の各実施形態について説明したが、これら
に限定されるものではなく、例えば下地層としては、接
着強化層のみならず金属部材の耐食性向上のためのコー
ティング層等を設けてもよく、また、機能の異なる層を
下地層として複数の層を設けてもよい。さらに下地層
は、エッチングの後必ずしも除去されるものではなく、
金属部材表面に維持されていてもよい。また、種々の目
的に応じて中間層を設けてもよい。
る。
ル)からなる金属部材1の表面を研磨し、その表面にア
クリル系樹脂((株)シミズ製「AM−2」)を用い、
電着塗装により膜厚20μmのマスキング被膜2を形成
した(1a、1b)。
V、処理時間:2分、焼付:180℃×40分の条件で
行った。
被膜2を所定のパターンに加工し、エッチングマスクを
形成した。なお、このとき、金属部材1にもレーザーが
照射され、深さ10〜20μmのパターンが形成された
(1c)。YAGレーザーによる加工条件は、エネルギ
ー強度:13W、周波数:4kHz 、電流:15A、スキ
ャン速度:50m/sとした。
材1をエッチングし、所定パターンの凹部3を形成した
(1d)。エッチング条件は、エッチング液:塩化第二
鉄溶液、液温:30℃、処理時間:5分とし、金属部材
1の蝕刻深さは100μmであった。
キング被膜2の除去を行った(1e)。剥離液として、
炭化水素溶液「ネオリバー635」を使用し、処理条件
は液温:20℃、浸漬時間:10分とした。
8を形成し、図2に示すような金属部材を作製した。着
色層8は、エポキシ系塗料を金属部材の表面に塗布し、
表面に付着する塗料を払き取った後、凹部3内の塗料を
120℃×30分で乾燥することにより形成した。
2に示す。
(黄銅)を用いた以外は、実施例1と同様にして金属部
材1の表面に電着塗装により膜厚20μmのマスキング
被膜2を形成した。
被膜2を所定のパターンに加工し、エッチングマスクを
形成した。なお、このとき、金属部材1にもレーザーが
照射され、深さ10〜20μmのパターンが形成され
た。YAGレーザーによる加工条件は、エネルギー強
度:13W、周波数:4kHz 、電流:13A、スキャン
速度:50m/s とした。
部材1をエッチングし、凹部3からなるパターンを形成
した。エッチング条件は、エッチング液:塩化第二鉄溶
液、液温:30℃、処理時間:10分とし、金属部材1
の蝕刻深さは400μmであった。
例1と同様にしてマスキング被膜2の除去を行った。
2KAuのめっき層からなる被覆層10を設け(3
a)、その後、実施例1と同様にして凹部3に着色層8
を形成し、図3(3b)に示すような金属部材を作製し
た。
2に示す。
厚3μmの純Pdからなるめっき層(白銀色)を設けた
以外は実施例2と同様にして図3(b)に示すような金
属部材を作製した。
2に示す。
S304からなる金属部材1に下地層(接着強化層)7
として、Auからなる膜厚0.1μmのストライクめっ
き層(Au St.)を設けた(4a、4b)。この下地層
7の上に実施例1と同様にしてマスキング被膜2(膜
厚:20μm)を形成した(4c)。
被膜2を所定のパターンに加工し、エッチングマスクを
形成した。なお、このとき、金属部材1の一部も除去さ
れ、深さ10〜20μmの凹状のパターンが形成された
(4d)。YAGレーザーによる加工条件は電流値を1
6Aとした以外は実施例1と同様とした。
部材1をエッチングし、凹部3からなるパターンを形成
した(4e)。エッチング条件は、表3に示すようにエ
ッチング液:塩化第二鉄溶液、液温:30℃、処理時
間:5分とし、金属部材1の蝕刻深さは100μmであ
った。
解めっき法により、着色層8として膜厚1μmの黒クロ
ムめっきの被膜(黒色)を形成した(4f)。このと
き、めっき液として、(株)ジャパンメタルフィニッシ
ング製「エコノクロムBK」を用いた。めっき条件等を
表4に示す。
被膜2を除去した後、下地層7を剥離液に浸漬すること
により除去し、図2に示すような金属部材を作製した。
なお、下地層7の除去には浸漬液としてシアン系溶液
(商品名:「エンストリップ浸漬液」)を用いた。
表4に示す。
形成した以外は、実施例4と同様の方法により金属部材
の表面を処理し、図2に示すような金属部材を作製し
た。
iを用いた以外は、実施例5と同様にして図2に示すよ
うな金属部材を作製した。
S304からなる金属部材の表面にパターン印刷12を
設けた(5a、5b)。次に、膜厚2μmのAuからな
るマスクめっき13を施した後(5c)、パターン印刷
12を剥離し(5d)、エッチングマスクを形成した。
部材をエッチングし、凹部14からなるパターンを形成
した(5e)。エッチング条件は、エッチング液:塩化
第二鉄溶液、液温:30℃、処理時間:2分とし、金属
部材に形成された凹部14の深さは30μmであった。
材を作製した(5f)。
材1の表面に直接レーザー光を照射し、深さ50μmの
所定パターンの凹部を形成した。
部材(各50個)について、外観(表面および凹部の状
態)を目視および顕微鏡確認により評価した。評価項目
および評価結果を表6に示す。なお、各評価項目におい
て以下の状態を「良品」と判定し、3段階で表示するも
のとした。
に精緻で立体感のあるパターンが形成された。また、パ
ターン(凹部)の周縁部にはビレやバリが全くみられ
ず、審美性の高い金属部材が得られた。
グが見られないことからマスキング被膜が良好に密着し
ていることがわかった。一方、容易にかつ完全にマスキ
ング被膜が除去することができ、金属部材表面に荒れが
みられなかった。
部のマスクめっきが完全ではなく、凹部以外の部分のエ
ッチングがみられた。また、パターン印刷のビレによ
り、凹部周縁部にビレがみられ、パターニング精度に劣
るものであった。また、金属部材の表面にはエッチング
マスク除去による荒れが見られた。
立体感に乏しく、レーザー光の照射により発生する熱に
よりパターン周縁部にビレ、バリが生じ、外観が損なわ
れ、またスポット径のバラツキによってパターン精度に
劣るものであった。
表面処理方法によれば、バリやビレのない鮮明で立体感
のある凹状のパターンを簡単かつ迅速に形成することが
できる。また、レーザー光によるパターニングによりマ
スクを形成するため、複雑な形状の金属部材表面にも精
密にパターンを設けることができ、デザインの自由度が
大きい。さらに、工程を簡略化することができ、製造コ
ストの低減を図ることができる。
態を示す断面図である。
施形態を示す断面図である。
形態を示す断面図である。
態を示す断面図である。
である。
Claims (12)
- 【請求項1】 金属部材の表面に少なくとも1層の湿式
めっきにより金属膜の下地層を形成する工程と、 前記下地層の上に電着塗装によりマスキング被膜を形成
する工程と、 レーザー光を照射して前記マスキング被膜と前記下地層
と前記金属部材の表面を部分的にパターニング除去し
て、前記金属部材の表面に凹状のパターンを形成する工
程と、 パターニングされた前記マスキング被膜及び前記下地層
とを用いて前記金属部材の前記凹状のパターンをエッチ
ングする工程と、 前記マスキング被膜を剥離する工程と、 前記下地層を剥離する工程とを有することを特徴とする
金属部材の表面処理方法。 - 【請求項2】 前記下地層はマスキング被膜の接着性を
向上させるための接着強化層である請求項1に記載の金
属部材の表面処理方法。 - 【請求項3】 前記接着強化層はAuまたはAu系合金
薄膜からなる請求項2に記載の金属部材の表面処理方
法。 - 【請求項4】 前記接着強化層の膜厚は1μm以下であ
る請求項2ないし3のいずれかに記載の金属部材の表面
処理方法。 - 【請求項5】 前記マスキング被膜の膜厚は10〜30
μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の金属部
材の表面処理方法。 - 【請求項6】 前記エッチングはウェットエッチングで
ある請求項1ないし5のいずれかに記載の金属部材の表
面処理方法。 - 【請求項7】 前記エッチングはシャワーエッチングで
ある請求項6に記載の金属部材の表面処理方法。 - 【請求項8】 前記エッチングにより前記金属部材に形
成された凹部の深さが20μm以上である請求項1ない
し7のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。 - 【請求項9】 前記下地層を剥離する工程の後に、前記
金属部材の少なくとも一部に装飾用金属被覆層を形成す
る請求項1ないし8のいずれかに記載の金属部材の表面
処理方法。 - 【請求項10】 前記エッチングする工程の後に、前記
凹状のパターン内に着色層を形成する請求項1ないし9
のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。 - 【請求項11】 前記金属部材は時計用外装部品である
請求項1ないし10のいずれかに記載の金属部材の表面
処理方法。 - 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
の金属部材の表面処理方法によって作られたことを特徴
とする金属部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05719698A JP3477066B2 (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | 金属部材の表面処理方法および金属部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05719698A JP3477066B2 (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | 金属部材の表面処理方法および金属部材 |
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