JP3477067B2 - 金属部材の表面処理方法および金属部材 - Google Patents

金属部材の表面処理方法および金属部材

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JP3477067B2
JP3477067B2 JP05719798A JP5719798A JP3477067B2 JP 3477067 B2 JP3477067 B2 JP 3477067B2 JP 05719798 A JP05719798 A JP 05719798A JP 5719798 A JP5719798 A JP 5719798A JP 3477067 B2 JP3477067 B2 JP 3477067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、金属部材の表面処
理方法、とくに金属部材表面を蝕刻して所定のパターン
を形成する方法および表面処理が施された金属部材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、時計用外装部品のような金属部
材の表面に凹状のパターンを形成するには、めっき法
や、印刷法により行われていた。
【0003】例えば、めっき法の場合、目的とする模
様、文字、目盛等を印刷した後、電解めっき等によりマ
スクを形成し、次いで印刷部分を剥離してエッチングを
行い、凹状のパターンを形成していた。
【0004】印刷法の場合、目的のパターン部分を残し
てマスク印刷を行い、次いでエッチングした後、マスク
を除去して凹状のパターンを形成していた。
【0005】しかしこれらの方法によると、所望のパタ
ーンを印刷する際、金属部材の曲面部分や凹凸面上ある
いは側面にまわり込むようなデザインを印刷することは
非常に困難であり、かかる部分のマスク形成の際、人の
手作業によりマスク材料を塗布すること等が行われてい
た。
【0006】このように、手作業により形成されたマス
クはパターン境界がビレたり、膜厚が不均一で膜性状が
不良となる。パターン境界のビレはそのままエッチング
パターンのビレにつながってしまい、膜厚が不均一の場
合、膜厚の薄い部分は長時間のエッチングに耐えられ
ず、金属部材表面の肌荒れ等を生じて外観が悪く、膜厚
が厚い部分はマスク剥離時にマスク残りとなったり、マ
スク残りのないよう長時間の剥離を行うと、金属部材表
面の肌荒れ等を生じる等の問題があった。
【0007】一方、エキシマレーザー等の高エネルギー
レーザーを照射することにより金属部材に微細加工を施
すことが行われている。このようなレーザー加工によれ
ば、金属部材を直接加工することも可能であるため、工
程を簡略化することができる。また、レーザーの照射方
向を自由に変化させることができるため曲面上や側面に
まわり込むようなデザインも精度よくパターニングする
ことが可能である。
【0008】しかし、レーザー加工の場合、金属表面に
約10μm程度の溝を設けるにとどまり、それよりも深
い凹部(約20μm以上)を形成するべく強力なレーザ
ーを照射したり、照射時間を長くすると、照射部分の周
縁部に照射熱によるバリ・ビレ等が生じ、立体的で精巧
なデザインを設けることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
部材の表面形状を問わず、精緻で立体的パターンを形成
することができ、立体的外観を得ることができる金属部
材の表面処理方法、およびかかる表面処理が施された金
属部材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(24)の本発明により達成される。
【0011】(1)金属部材の表面に湿式めっきにより
保護層を形成する工程と、前記保護層の上に電着塗装に
よりマスキング被膜を形成する工程と、レーザー光を照
射して前記マスキング被膜と前記保護層と前記金属部材
の表面を部分的にパターニング除去して、前記金属部材
の表面に凹状のパターンを形成する工程と、パターニン
グされた前記マスキング被膜及び前記保護層とを用いて
前記金属部材の前記凹状のパターンをエッチングする工
程と、前記凹状のパターン内に金属被覆層を形成する工
程と、前記マスキング被膜を剥離する工程とを有するこ
とを特徴とする金属部材の表面処理方法。
【0012】(2)前記保護層は前記金属部材に少なく
とも耐食性を付与する耐食層である上記(1)に記載の
金属部材の表面処理方法。
【0013】(3)前記保護層は2以上の異なる薄膜か
ら構成されてなる上記(1)または(2)に記載の金属
部材の表面処理方法。
【0014】(4)前記保護層の膜厚は0.5〜30μ
mである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の金
属部材の表面処理方法。
【0015】(5)前記マスキング被膜の膜厚は10〜
30μmである上記(1)ないし(4)のいずれかに記
載の金属部材の表面処理方法。
【0016】(6)前記エッチングにより前記金属部材
に形成された凹部の深さが20μm以上である上記
(1)ないし(5)のいずれかに記載の金属部材の表面
処理方法。
【0017】(7)前記エッチングはウェットエッチン
グである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の金
属部材の表面処理方法。
【0018】(8)前記エッチングはシャワーエッチン
グである上記(7)に記載の金属部材の表面処理方法。
【0019】(9)前記金属被覆層を形成する工程の後
に、前記金属被覆層の上に着色層を形成する上記(1)
ないし(9)のいずれかに記載の金属部材の表面処理方
法。
【0020】(10)前記金属部材は時計用外装部品であ
る上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の金属部材
の表面処理方法。
【0021】(11)金属部材の表面に湿式めっきにより
保護層を形成する工程と、前記保護層の上に少なくとも
1層の下地層を形成する工程と、前記下地層の上に電着
塗装によりマスキング被膜を形成する工程と、レーザー
光を照射して前記マスキング被膜と前記下地層と前記保
護層と前記金属部材の表面を部分的にパターニング除去
して、前記金属部材の表面に凹状のパターンを形成する
工程と、パターニングされた前記マスキング被膜及び前
記下地層及び前記保護層とを用いて前記金属部材の前記
凹状のパターンをエッチングする工程と、前記凹状のパ
ターン内に金属被覆層を形成する工程と、前記マスキン
グ被膜を剥離する工程と、前記下地層を剥離する工程と
を有することを特徴とする金属部材の表面処理方法。
【0022】(12)前記保護層は前記金属部材に少なく
とも耐食性を付与する耐蝕層である上記(11)に記載の
金属部材の表面処理方法。
【0023】(13)前記保護層は2以上の異なる薄膜か
ら構成されてなる上記(11)または(12)に記載の金属
部材の表面処理方法。
【0024】(14)前記保護層の膜厚は0.5〜30μ
mである上記(11)ないし(13)のいずれかに記載の金
属部材の表面処理方法。
【0025】(15)前記下地層はマスキング被膜の接着
性を向上させるための接着強化層である上記(11)ない
し(14)のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。
【0026】(16)前記接着強化層はAuまたはAu系
合金薄膜からなる上記(15)に記載の金属部材の表面処
理方法。
【0027】(17)前記接着強化層の膜厚は1μm以下
である上記(15)または(16)に記載の金属部材の表面
処理方法。
【0028】(18)前記マスキング被膜の膜厚は10〜
30μmである上記(11)ないし(17)のいずれかに記
載の金属部材の表面処理方法。
【0029】(19)前記エッチングはウェットエッチン
グである上記(11)ないし(18)のいずれかに記載の金属
部材の表面処理方法。
【0030】(20)前記エッチングはシャワーエッチン
グである上記(19)に記載の金属部材の表面処理方法。
【0031】(21)前記エッチングにより前記金属部材
に形成された凹部の深さが20μm以上である上記(1
1)ないし(20)のいずれかに記載の金属部材の表面処
理方法。
【0032】(22)前記金属被覆層を形成する工程の後
に、前記金属被覆層の上に着色層を形成する上記(11)
ないし(21)のいずれかに記載の金属部材の表面処理方
法。
【0033】(23)前記金属部材は時計用外装部品であ
る上記(11)ないし(22)のいずれかに記載の金属部材の表
面処理方法。
【0034】(24)上記(1)ないし(23)のいずれか
に記載の金属部材の表面処理方法によって作られたこと
を特徴とする金属部材。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金属部材の表面処
理方法および金属部材を添付図面に示す好適実施例に基
づいて説明する。
【0052】図1(1a)〜(1g)は、本発明の金属
部材の表面処理方法の第1実施形態を示す断面図であ
る。
【0053】この図に示すように、本発明の金属部材の
表面処理方法は、金属部材1の表面に保護層2を形成す
る工程(1a、1b)と、保護層2の上にマスキング被
膜3を形成する工程(1c)と、レーザー光を照射する
ことにより少なくともマスキング被膜3をパターニング
する工程(1d)と、前記マスキング被膜3を用いて金
属部材1をエッチングする工程(1e)とを有する。
【0054】金属部材1としては、いかなる金属材料か
らなるものであってもよく、例えば腕時計のような時計
用外装部品の材料の場合、耐食性、強度、製造コスト等
との観点から選択され、例えば、ステンレス鋼(SU
S)、黄銅(Bs)、洋白(NS)等の合金、Tiおよ
びTi系合金、Au、Ag、Pt等の貴金属、またはこ
れらの貴金属を含む合金等の金属材料が挙げられる。
【0055】<保護層の形成>まず、上述のような金属
部材1の表面に保護層2を形成する(1b)。これによ
り、通常の使用環境、例えば水、空気、汗等の体液等に
触れることにより生じる金属部材の物理的および化学的
変化を防止することができる。また、後述するマスキン
グ被膜の密着性を向上させ、さらに下地層やマスキング
被膜とともに、マスク機能の強化を図ることも可能であ
る。
【0056】このような保護層2としては、例えば金属
部材に耐食性、耐候性、耐水性、耐油性、耐摩耗性、耐
変色性等を付与し、防錆、防汚、防曇、防傷等の効果を
発揮するものが挙げられ、2以上の効果を発揮するもの
であってもよいが、少なくとも耐食性を付与する耐食層
であることが好ましい。
【0057】保護層2としては特に限定されず、例えば
樹脂等の有機化合物、AuまたはAu−Fe等のAu系
合金、PdまたはPd系合金、CrまたはCr合金等の
金属、または金属酸化物等の無機化合物を主とする薄膜
から構成されるもの等が挙げられ、金属表面に形成され
る不動態被膜等を含む。
【0058】保護層2は、少なくとも2以上の異なる薄
膜から構成されてなることが好ましい。これにより、各
薄膜の性質に基づき相乗的な保護効果を発揮させること
もできる。少なくとも2以上の異なる薄膜からなる保護
層としては、上記有機化合物または無機化合物を主とす
る薄膜および不動態被膜のうち、いかなる組み合わせに
より構成されていてもよい。
【0059】保護層2の膜厚は、0.5〜30μm程度
が好ましい。保護層2の膜厚が小さすぎる場合、耐食性
の付与等の効果が十分に得られない場合があり、膜厚が
大きすぎる場合、保護層2の密着性、耐クラック性が不
十分となるおそれがある。
【0060】保護膜2はめっきにより形成されることが
好ましい。これにより密着性、耐摩耗性等に優れた薄膜
を形成することができる。また、金属部材1の形状や大
きさを問わず、保護層2を形成することができ、膜厚の
調整も容易である。
【0061】保護層2として形成される薄膜としては、
例えばAuまたはAu合金、純PdまたはPd合金、P
tまたはPt合金、CuまたはCu合金、CrまたはC
r合金、RuまたはRu合金、Ti、Ti合金またはT
i化合物等から構成されるめっき層が挙げられる。さら
に、上記金属を構成材料としてIPにより保護層2が形
成されていてもよい。
【0062】保護層2が異なる2以上の薄膜から構成さ
れている場合、少なくとも1層がめっきにより形成され
ていることが好ましい。めっきによれば金属部材1の表
面形状に関わらず膜厚の均一な薄膜を形成することが容
易である。
【0063】保護層2の形成において用い得るめっき法
としては特に限定されず、電解めっきや無電解めっき等
の湿式めっきや、蒸着法、スパッタリング、イオンプレ
ーティング(IP)等の乾式めっき等が挙げられる。
【0064】以下、本実施形態において保護層2は耐食
層であることを想定して説明しているが、とくに耐食層
に限定されるものではない。
【0065】<マスキング被膜の形成>次に、上述した
保護層2にマスキング被膜3を形成する(1c)。この
マスキング被膜3は、後述するエッチング工程において
エッチングマスクとして機能する。
【0066】マスキング被膜3は、レーザー光が照射さ
れるとアブレーションする材料から構成される。これに
よりレーザー光によるマスクパターニングが可能とな
る。また、マスキング被膜3のアブレーションにより、
保護層2や金属部材1が露出し、レーザー光によりこれ
らの一部も除去されてマーキングが可能となる。
【0067】このようなマスキング被膜3を構成する材
料としては、レーザー光を吸収する材料であれば特に限
定されず、例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、
ポリスルホン系樹脂、エポキシ系、フッ素系等の樹脂材
料を用いることができる。さらに、Au、Ni、Pd、
Cu、Ag、Ti、Cr等の金属材料を用いることがで
きる。
【0068】また、マスキング被膜3は透明であること
が好ましい。これにより金属部材1との密着状態を外部
から視認することが可能となる。
【0069】マスキング被膜3の形成方法は特に限定さ
れず、噴霧塗装、静電塗装、電着塗装等の塗装、湿式め
っき、乾式めっき(蒸着、IP等)等が挙げられるが、
なかでも電着塗装が好ましい。電着塗装によればマスキ
ング被膜3の膜厚をより均一に形成することができる。
均一な膜厚に形成されたマスキング被膜3は、エッチン
グした後、例えば剥離液に浸漬して除去されるが、この
とき膜厚が大きい部分のマスキング被膜が残留したり、
膜厚が小さい部分が長時間剥離液に晒される等のために
生じる金属部材表面の荒れを招くおそれがない。
【0070】また、レーザーにてマスクを除去する際に
も膜厚が不均一であると、部分的にマスクが残ってしま
うこともあるが、膜厚が均一な電着塗装においては均一
なマスク除去が可能である。
【0071】電着塗装等により形成されるマスキング被
膜3の膜厚は、10〜30μm程度であることが好まし
い。膜厚が小さすぎるとマスキング被膜3にピンホール
が発生するおそれがあり、その箇所においてエッチング
不良が生じる場合がある。特に、エッチング時間を長く
する場合、エッチングマスクとしての機能を十分に発揮
し得ない場合がある。一方、膜厚が大きすぎると膜厚の
バラツキが大きくなるおそれがあり、このような場合、
マスキング被膜3を除去する際に上述したように剥離液
による金属部材1の表面の荒れを招くおそれがある。ま
た、膜厚が厚いと、被膜の内部応力が高くなり、密着性
が低下したりクラックが発生してエッチング時にマスク
部を荒らしてしまうことになる。
【0072】<レーザー加工>次に、レーザー光を照射
することにより、少なくとも上記マスキング被膜3をパ
ターニングし、エッチングマスクを形成する(1d)。
レーザー光によりマスクパターニングを行うことによっ
て、例えばフォトリソグラフィー等による場合に比べて
工程を簡略化することができる。また、レーザー光によ
ればバリのない微細精密パターンの形成も可能となる。
さらにレーザー光の照射位置や角度を任意に設定できる
ため、曲面や凹凸面上にパターンを形成する場合でも、
容易にかつ精度よく行うことができる。エッチング深さ
を深くする場合のサイドエッチングの補正もレーザー走
査プログラムにて容易に行うことができる。
【0073】レーザー光によりマスキング被膜3をパタ
ーニングする際、保護層2の少なくとも一部を除去する
ことが好ましく、金属部材1の一部まで除去することが
さらに好ましい。
【0074】これにより、少なくとも保護層2の一部、
または保護層2および金属部材1の表面にマスキング被
膜3に形成されたパターンと同形状のパターンがマーキ
ングされ、次工程のエッチングをより効率よく行うこと
ができる。すなわち、予めレーザーにより保護層2や金
属部材1に荒れた凹状のパターンが形成されることによ
り、当該凹状のパターン部分にエッチング液が侵入し、
金属部材の蝕刻が迅速に進行する。とくに耐食性等を有
する保護層2はエッチングが困難である場合があり、レ
ーザーで少なくとも一部が除去されていると、エッチン
グをより迅速に行うことができる。
【0075】さらに、金属部材1の一部をレーザーで除
去する場合には、シャープな加工端面が得られ、いわゆ
るバリ、ビレのない鮮明なパターンが得られる。
【0076】本発明の方法において使用されるレーザー
としては、例えばNe−Heレーザー、Arレーザー、
CO2 レーザー等の気体レーザーや、ルビーレーザー、
半導体レーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー等の
固体レーザーが挙げられる。なかでも、室温で連続発振
を容易に行うことができ、低い照射エネルギー領域にお
ける制御性の良さ等からYAGレーザーが好ましく用い
られる。
【0077】レーザー光の照射条件については、マスキ
ング被膜3、下地層2および金属部材1の材質や膜厚等
によって適宜選択されるが、例えばYAGレーザーの場
合、エネルギー強度は10〜50W程度とすることが好
ましい。
【0078】<エッチング工程>次に、レーザー光によ
りパターニングされた前記マスキング被膜3を用いてエ
ッチングを行う(1e)。
【0079】これによりマスキング被膜3に所定パター
ンの凹部5を形成することができる。また、エッチング
によれば、エッチング液、エッチング時間等の選択によ
り、凹部5の深さを任意に設定することができる。これ
によりレーザー光で金属部材1の表面を直接パターニン
グ(マーキング)する方法では困難な深さまで蝕刻する
ことも可能である。すなわち、レーザー光による金属表
面のパターニングでは、深く凹部を形成するためにレー
ザー強度を大きくしたり、照射時間を長くすることが行
われる。しかし、強度や照射時間を過剰にすると照射部
分の周縁部に熱溶融による焦げ、変形およびバリ、ビレ
を生じ、金属部材の表面外観が悪くなるうえに、深さの
コントロールが困難であり深さのバラツキも大きくなる
場合がある。
【0080】本発明において、エッチング方法としては
特に限定されないが、浸漬エッチングやシャワーエッチ
ング等のウェットエッチングが好ましく、なかでもシャ
ワーエッチングが好ましい。シャワーエッチングによれ
ば、より短時間に金属部材に所定パターンの深い凹部を
鮮明に形成することができる。
【0081】エッチングにより金属部材1に形成される
凹部5の深さは特に限定されないが、20μm以上であ
ることが好ましく、50μm以上がより好ましい。これ
により金属部材1の表面に形成された模様、文字等の所
定パターンの凹部5が、より立体的に現れ、視覚によっ
て鮮明に捉えることができる。
【0082】エッチングの後、凹部5内に被覆層7を設
けることが好ましい(1f)。これにより、保護層2が
形成されていない凹部5内に耐食性等を付与することが
できる。また、それと同時に被覆層7の選択によっては
凹部5の色調、質感等を調整することもできる。
【0083】被覆層7の構成材料としては上記の保護層
2と同様のものが挙げられるが、特にAuまたはAu合
金めっき、PdまたはPd合金めっき、PtまたはPt
合金めっき、CuまたはCu合金等からなるめっき層が
好ましい。
【0084】被覆層7の膜厚は、0.5〜10μm程度
が好ましい。被覆層7が薄すぎると耐食性等の付与・向
上が図れない場合がある。一方、厚過ぎる場合には被覆
層7にクラックが発生するおそれがあり、また被覆層7
の形成のために使用されるAu等の貴金属材料の量が増
加し製造コストが増大する。このような被覆層7は、保
護層2と同様に各種めっき法により形成することができ
る。
【0085】さらに、図2に示すように、凹部5内に被
覆層7を設けた後、着色層8を形成することが好まし
い。これにより金属部材1の表面に多色のデザインを施
すことができ、デザインのバリエーションが拡がる。例
えば、着色層8の色調と金属部材1自体の色調との組み
合わせによって立体感や豪華さ等の審美的外観を得るこ
とができる。
【0086】着色層8の形成方法は特に限定されず、例
えば、Auめっき、黒Crめっき、Agめっき、Pdめ
っき、Rhめっき、Crめっき、Ruめっき、カラーめ
っき等の湿式めっきやイオンプレーティング等の乾式め
っきによる方法、塗装、塗料入れによる方法等が挙げら
れ、これらの方法を組み合わせてもよい。
【0087】めっきにより着色層8を形成する場合、エ
ッチングした後マスキング被膜3を除去する前に行うこ
とが好ましい。これにより容易に凹部5内にのみ着色層
8を形成することができる。着色層8をめっきにより形
成する場合、凹部の形状、大きさを問わず密着性、耐摩
耗性に優れた着色層8を形成することができる。また着
色層8の膜厚の制御も容易である。
【0088】着色層8を塗料入れにより形成する場合、
例えばマスキング被膜3を除去した後、塗料を塗布し、
金属部材1の表面に付着した塗料を払拭する。次に凹部
5内の塗料を加熱・乾燥する等により着色層8を形成す
る。
【0089】最後に、マスキング被膜3を除去し、図に
示すような金属部材が得られる(1g)。マスキング被
膜3の除去方法はいかなる方法であってもよく、例えば
溶剤、アルカリ溶液等からなる剥離液に浸漬して溶解除
去する方法等が挙げられる。
【0090】図3(3a)〜(3h)は、本発明の金属
部材の表面処理方法の第2実施形態を示す断面図であ
る。
【0091】この図に示すように、本実施例の金属部材
の表面処理方法は、金属部材の表面に保護層2を形成す
る工程(3a、3b)と、保護層2に少なくとも1層の
下地層9を形成する工程(3c)と、下地層9の上にマ
スキング被膜3を形成する工程(3d)と、レーザー光
を照射することにより少なくともマスキング被膜3をパ
ターニングする工程(3e)と、パターニングされたマ
スキング被膜3を用いて金属部材1をエッチングする工
程(3f)とを有する。
【0092】下地層9を形成する点以外は、上記第1実
施形態と同様である。以下、主に第1実施形態との相違
点について説明する。
【0093】本実施例の方法は、保護層2に少なくとも
1層の下地層9を形成する(3c)。下地層9としては
特に限定されないが、金属部材1とマスキング被膜3と
の接着性を向上させるための接着強化層であることが好
ましい。これにより、マスキング被膜3の接着性・密着
性がより向上し、しみ込み等のエッチング不良による凹
部周縁のバリ・ビレ等を有効に防止することができる。
【0094】このような接着強化層としては、例えばA
u、Ni、Pd、Crおよびそれらの合金等からなる薄
膜が挙げられ、AuまたはAu系合金薄膜からなるもの
が好ましい。これによりマスキング被膜の接着性、密着
性をより有効に向上させることができる。
【0095】接着強化層の形成方法は特に限定されない
が、湿式めっきまたは乾式めっきが好ましい。湿式めっ
きとしては電解めっき、無電解めっき等が挙げられ、乾
式めっきとしては例えば、蒸着、スパッタリング、IP
(イオンプレーティング)等が挙げられる。
【0096】接着強化層の膜厚は1μm以下が好まし
く、0.5μm以下のストライクめっき層であることが
より好ましい。これにより、密着性の向上を達成しつつ
膜厚のバラツキおよびクラックの発生防止を図り、製造
コストの増大を抑えることができる。
【0097】次に下地層9の上にマスキング被膜3を形
成する(3d)。マスキング被膜3の構成材料、膜性
状、形成方法は、上記第1実施形態の場合と同様のもの
が挙げられる。
【0098】さらに、レーザー光により少なくともマス
キング被膜3をパターニングし、エッチングマスクを形
成する(3e)。このとき、マスキング被膜3のみなら
ず、下地層9、保護層2の少なくとも一部をレーザーに
より除去することが好ましく、金属部材1の一部まで除
去することがさらに好ましい。これにより上記第1実施
形態の場合と同様、少なくとも保護層2、または保護層
2および金属部材1の表面にマスキング被膜3に形成さ
れたパターンと同形状のパターンが精密にマーキングさ
れ、次工程のエッチングをより効率よく行うことができ
る(3f)。エッチングは第1実施形態と同様の方法で
行うことができる。
【0099】凹部5には、第1実施形態の場合と同様の
理由により、被覆層7が形成されることが好ましい(3
g)。また、凹部5には図2に示すように着色層8が形
成されていてもよい。被覆層7および着色層8の構成材
料、膜性状、形成方法等については第1実施形態と同様
のものが挙げられる。
【0100】最後にマスキング被膜3および下地層9を
除去し本発明の金属部材が得られる(3h)。マスキン
グ被膜3および下地層9の除去方法としては、第1実施
形態の場合と同様である。
【0101】以上のような表面処理を行うことにより金
属部材の表面には保護層が形成されており、また金属部
材には所定パターンの凹部が形成され、該凹部はその一
部がレーザー光の照射により形成され、さらにエッチン
グにより完成された本発明の金属部材が作製される。
【0102】金属部材としては、例えば置物等のインテ
リア、エクステリア用品、時計ケース、時計バンド、文
字盤等の時計用外装部品、ネクタイピン、カフスボタ
ン、ブローチ、ライター、メガネ等の装飾品、ゴルフク
ラブ等のスポーツ用品、銘板、パネル、賞杯、その他ハ
ウジング等を含む各種機器部品、各種容器等が挙げられ
るが、なかでも時計用外装部品が好ましい。時計用外装
部品は、装飾品として外観の美しさが要求されるととも
に、実用品として金属表面に形成されたパターンの視認
性、緻密性および耐食性等が要求されるが、本発明の金
属部材の表面処理方法によれば、これらの要件を全て満
足することができる。
【0103】以上、金属部材の表面処理方法および金属
部材を図示の各実施例について説明したが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。例えば着色層8は凹部
5に部分的に形成されていてもよい。
【0104】また、下地層9は複数の層からなるもので
もよい。さらにエッチングの後必ずしも除去されるもの
ではなく、保護層とともに金属部材表面に維持されてい
てもよい。
【0105】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0106】1.金属部材の表面処理 (実施例1)まず、Bs(黄銅)からなる金属部材1の
表面を研磨し、その表面に保護層2を形成した(1a、
1b)。
【0107】次に、保護層2として金属部材1に接する
側からCuめっき層(膜厚:3μm)、その上にAuめ
っき層(膜厚:3μm)を積層して構成した。
【0108】保護層2を構成するAuめっき層の上に、
アクリル系樹脂((株)シミズ製「「AM−2」)を用
い、電着塗装により膜厚20μmのマスキング被膜3を
形成した(1c)。電着塗装は、液温:25℃、電圧:
50V、処理時間:2分、焼付:180℃×40分の条
件で行った。
【0109】次に、YAGレーザーを用いてマスキング
被膜3を所定のパターンに加工し、エッチングマスクを
形成した。なお、このとき金属部材1の一部も除去さ
れ、深さ10〜20μmの凹状のパターンが形成された
(1d)。YAGレーザーによる加工条件は、エネルギ
ー強度:13W、周波数:4kHz、電流:13A、スキ
ャン速度:50m/s とした。
【0110】さらに、シャワーエッチングにより金属部
材1をエッチングし、所定のパターンの凹部5を形成し
た(1e)。エッチング条件は、エッチング液:塩化第
二鉄溶液、液温:30℃、処理時間:10分とし、金属
部材1の凹部5の深さは400μmであった。
【0111】エッチングにより形成された凹部5内に、
膜厚2μmのAuめっき層からなる被覆層7を形成した
(1f)。
【0112】さらに凹部5に、電解めっき法により、着
色層8として膜厚1μmの黒クロムめっきの被膜(黒
色)を形成した。めっき液として、((株)ジャパンメ
タルフィニッシング製「エコノクロムBK」)を用い
た。
【0113】めっき条件等を表2に示す。
【0114】最後に、金属部材1を剥離液に浸漬し、マ
スキング被膜3の除去を行った(1g)。剥離液とし
て、炭化水素溶液「ネオリバー635」を使用し、処理
条件は液温:20℃、浸漬時間:10分とした。
【0115】各工程における処理条件等について表1お
よび表2に示す。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】(実施例2)Bs(黄銅)からなる金属部
材1の表面を研磨し、その表面に保護層2を形成した
(3a、3b)。保護層2は金属部材1に接する側か
ら、Cuめっき層(膜厚:3μm)、Pdめっき層(膜
厚:3μm)の2層の薄膜を積層して構成した。
【0119】次に、下地層7(接着強化層)として、膜
厚0.1μmのAuストライクめっき層(Au St.)を
設けた(3c)。下地層7の形成条件を表1に示す。
【0120】この下地層9の上に実施例1と同様にして
マスキング被膜3(膜厚:20μm)を形成した(3
d)。
【0121】次に、YAGレーザーを用いてマスキング
被膜3を所定のパターンに加工し、エッチングマスクを
形成した。このとき、金属部材1の一部も除去され、深
さ10〜20μmの凹状パターンが形成された(3
e)。YAGレーザーによる加工の条件は実施例1と同
様である。
【0122】さらに、シャワーエッチングにより金属部
材1をエッチングし、所定のパターンの凹部5を形成し
た(3f)。エッチング条件は、表2に示すようにエッ
チング液:塩化第二鉄溶液、液温:30℃、処理時間:
10分とし、金属部材1の凹部5の深さは400μmで
あった。
【0123】凹部5内に膜厚2μmのPdめっき層から
なる被覆層7を形成した(3g)。さらに、実施例1と
同様にして着色層8として膜厚1μmの黒クロムめっき
の被膜(黒色)を形成した。
【0124】最後に、実施例1と同様にしてマスキング
被膜3を除去した後、下地層9を剥離液に浸漬すること
により除去した。下地層9の除去には浸漬液としてシア
ン系溶液(商品名:「エンストリップ浸漬液」)を用
い、液温:60℃、浸漬時間:2分とした。
【0125】その他の各工程の処理条件等を表1および
表2に示す。
【0126】(比較例1)まず、図4に示すようにBs
からなる金属部材の表面にパターン印刷12を設けた
(4a、4b)。次に、膜厚2μmのAuからなるマス
クめっき13を施した後(4c)、パターン印刷12を
剥離し(4d)、エッチングマスクを形成した。
【0127】さらに、シャワーエッチング法により金属
部材をエッチングし、凹部14からなるパターンを形成
した。エッチング条件は、エッチング液:塩化第二鉄溶
液、液温:30℃、処理時間:2分とし、金属部材に形
成された凹部14の深さは30μmであった。
【0128】凹部14に被覆層16として膜厚2μmの
Pdめっき層を形成した後(4e)、マスクめっき13
を除去し(4f)、金属部材を作製した。マスクめっき
の除去は、シアン系溶液に浸漬(60℃×10分)して
行った。
【0129】各工程の処理条件等について表3に示す。
【0130】
【表3】
【0131】(比較例2)Bsからなる金属部材の表面
に直接レーザー光を照射し、深さ50μmで所定パター
ンの凹部を形成した。凹部に比較例1と同様に膜厚2μ
mのPdめっき層を形成し、金属部材を作製した。
【0132】レーザー加工の条件等について表3に示
す。
【0133】2.品質評価 上記実施例1、2および比較例1、2で作製された各金
属部材(各50個)について、外観(表面および凹部の
状態)を目視および顕微鏡確認により評価した。評価項
目および評価結果を表4に示す。なお、各評価項目にお
いて以下の状態を「良品」と判定し、3段階で表示する
ものとした。
【0134】 ○:良品率が90%を超える △:良品率が50〜90% ×:良品率が50%未満 立体感 パターンの全てにおいて凹凸が鮮明に現れている。
【0135】凹部の境界のビレ 凹部の周縁部にビレが見られない。
【0136】凹部以外の部分のエッチング 全くみられない。
【0137】マスク除去(剥離液)による表面の荒れ 全くみられない。
【0138】凹部の境界のバリ 全くみられない。
【0139】凹部のパターン精度 マスク形状と同一形状のパターンが形成されている。
【0140】
【表4】
【0141】実施例1および2の金属部品はいずれも、
表面に精緻で立体感のあるパターンが形成された。ま
た、パターン(凹部)の周縁部にはビレやバリが全くみ
られず、審美性の高い金属部材が得られた。
【0142】さらに、凹部以外の部分においてエッチン
グが見られないことからマスキング被膜が良好に密着し
ていたことがわかった。一方、容易にかつ完全にマスキ
ング被膜が除去することができ、金属部材表面に荒れが
みられなかった。
【0143】これに対し、比較例1の金属部材はエッジ
部のマスクめっきが完全ではなく、凹部以外の部分のエ
ッチングがみられた。また、パターン印刷のビレによ
り、凹部周縁部にエッチング不良によるビレがみられ、
パターニング精度に劣るものであった。また、金属部材
の表面にはエッチングマスク除去による荒れが見られ
た。
【0144】比較例2の金属部材は凹部の深さが浅くて
立体感に乏しく、レーザー光の照射により発生する熱に
よりパターン周縁部にビレ、バリが生じ、外観が損なわ
れ、また熱によるスポット径のバラツキによってパター
ニング精度に劣るものであった。
【0145】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の金属部材の
表面処理方法によれば、バリやビレのない鮮明で立体感
のある凹状のパターンを簡単かつ迅速に形成することが
できる。また、レーザー光によるパターニングによりマ
スクを形成するため、複雑な形状の金属部材表面にも精
密にパターンを設けることができ、デザインの自由度が
大きい。さらに、工程を簡略化することができ、製造コ
ストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属部材の表面処理方法の第1実施形
態を示す断面図である。
【図2】本発明の金属部材に着色層を設けた場合の実施
形態を示す断面図である。
【図3】本発明の金属部材の表面処理方法の第2実施形
態を示す断面図である。
【図4】金属部材の表面処理方法の比較例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 金属部材 2 保護層 3 マスキング被膜 5、14 凹部 7 被覆層 8 着色層 9 下地層 12 パターン印刷 13 マスクめっき 16 被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−287499(JP,A) 特開 平9−296283(JP,A) 特開 平4−21790(JP,A) 特開 平7−20493(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/00 - 3/06 G04B 37/22

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部材の表面に湿式めっきにより保護
    層を形成する工程と、 前記保護層の上に電着塗装によりマスキング被膜を形成
    する工程と、 レーザー光を照射して前記マスキング被膜と前記保護層
    と前記金属部材の表面を部分的にパターニング除去し
    て、前記金属部材の表面に凹状のパターンを形成する工
    程と、 パターニングされた前記マスキング被膜及び前記保護層
    とを用いて前記金属部材の前記凹状のパターンをエッチ
    ングする工程と、 前記凹状のパターン内に金属被覆層を形成する工程と、 前記マスキング被膜を剥離する工程とを有することを特
    徴とする金属部材の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記保護層は前記金属部材に少なくとも
    耐食性を付与する耐食層である請求項1に記載の金属部
    材の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記保護層は2以上の異なる薄膜から構
    成されてなる請求項1または2に記載の金属部材の表面
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記保護層の膜厚は0.5〜30μmで
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載の金属部材の表
    面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記マスキング被膜の膜厚は10〜30
    μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の金属部
    材の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記エッチングにより前記金属部材に形
    成された凹部の深さが20μm以上である請求項1ない
    し5のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチングはウェットエッチングで
    ある請求項1ないし6のいずれかに記載の金属部材の表
    面処理方法。
  8. 【請求項8】 前記エッチングはシャワーエッチングで
    ある請求項7に記載の金属部材の表面処理方法。
  9. 【請求項9】 前記金属被覆層を形成する工程の後に、
    前記金属被覆層の上に着色層を形成する請求項1ないし
    9のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。
  10. 【請求項10】 前記金属部材は時計用外装部品である
    請求項1ないし9のいずれかに記載の金属部材の表面処
    理方法。
  11. 【請求項11】 金属部材の表面に湿式めっきにより保
    護層を形成する工程と、 前記保護層の上に少なくとも1層の下地層を形成する工
    程と、 前記下地層の上に電着塗装によりマスキング被膜を形成
    する工程と、 レーザー光を照射して前記マスキング被膜と前記下地層
    と前記保護層と前記金属部材の表面を部分的にパターニ
    ング除去して、前記金属部材の表面に凹状のパターンを
    形成する工程と、 パターニングされた前記マスキング被膜及び前記下地層
    及び前記保護層とを用いて前記金属部材の前記凹状のパ
    ターンをエッチングする工程と、 前記凹状のパターン内に金属被覆層を形成する工程と、 前記マスキング被膜を剥離する工程と、 前記下地層を剥離する工程とを有することを特徴とする
    金属部材の表面処理方法。
  12. 【請求項12】 前記保護層は前記金属部材に少なくと
    も耐食性を付与する耐蝕層である請求項11に記載の金
    属部材の表面処理方法。
  13. 【請求項13】 前記保護層は2以上の異なる薄膜から
    構成されてなる請求項11または12に記載の金属部材
    の表面処理方法。
  14. 【請求項14】 前記保護層の膜厚は0.5〜30μm
    である請求項11ないし13のいずれかに記載の金属部
    材の表面処理方法。
  15. 【請求項15】 前記下地層はマスキング被膜の接着性
    を向上させるための接着強化層である請求項11ないし
    14のいずれかに記載の金属部材の表面処理方法。
  16. 【請求項16】 前記接着強化層はAuまたはAu系合
    金薄膜からなる請求項15に記載の金属部材の表面処理
    方法。
  17. 【請求項17】 前記接着強化層の膜厚は1μm以下で
    ある請求項15または16に記載の金属部材の表面処理
    方法。
  18. 【請求項18】 前記マスキング被膜の膜厚は10〜3
    0μmである請求項11ないし17のいずれかに記載の
    金属部材の表面処理方法。
  19. 【請求項19】 前記エッチングはウェットエッチング
    である請求項11ないし18のいずれかに記載の金属部
    材の表面処理方法。
  20. 【請求項20】 前記エッチングはシャワーエッチング
    である請求項19に記載の金属部材の表面処理方法。
  21. 【請求項21】 前記エッチングにより前記金属部材に
    形成された凹部の深さが20μm以上である請求項11
    ないし20のいずれかに記載の金属部材の表面処理方
    法。
  22. 【請求項22】 前記金属被覆層を形成する工程の後
    に、前記金属被覆層の上に着色層を形成する請求項11
    ないし21のいずれかに記載の金属部材の表面処理方
    法。
  23. 【請求項23】 前記金属部材は時計用外装部品である
    請求項11ないし22のいずれかに記載の金属部材の表
    面処理方法。
  24. 【請求項24】 請求項1ないし23のいずれかに記載
    の金属部材の表面処理方法によって作られたことを特徴
    とする金属部材。
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