JPH04160179A - 装飾部材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は金、金合金又はステンレス素材を用いた装飾部
材表面を任意の文字及び模様状の凹部内を黒色に仕上げ
、他の部分を金色に仕上げた二色外観を呈する装飾部材
の製造方法に関する。

［発明の概要］ 本発明は、金、金合金又は予め表面に金メッキ層を被覆
したステンレス素材上にイオンプレーティング法により
Ｔｉ系の被膜を積層した後に、選択的所定部分にレーザ
ー加工により凹状の模様または文字を形成し、次いで電
気メッキ法により金ストライクメッキ層を被覆し、更に
黒色クロムメッキ層、黒色ルテニウムメッキ層、黒色口
ジウムメッキ層の内の１種を積層し、その後工・ンチン
グによりＴｉ系被膜を剥離除去することにより該部材表
面を金色と凹状の黒色模様または文字の二色に仕上げる
ことにより、装飾的価値の高１／１装飾部材を品質的に
安定で且つ安価に提供するところにある。

［従来の技術］ 従来の金、金合金又はステンレス材を用し）だ装飾部材
表面を金色と凹状の黒色模様または文字の二色に仕上げ
る方法には、 ■フォトエツチング法により所望のパターンにエツチン
グした後、ステンレス材のみ金メ・ンキ層を被覆し、さ
らに黒色クロムメッキ層等の黒色メッキ層を被覆積層し
た後に、印刷法により凹部にレジスト剤をマスキングし
、その後に黒色メ・ンキ層を剥離し、更にレジスト剤を
剥離除去する方ｌ去。

■印刷法によるパターニング後にＡｇメッキ層、金メッ
キ層等の耐食性被膜を被覆し、レジストを剥離除去した
後にエツチングを行い、続いてＡｇメッキ層、金メッキ
層等の耐食性被膜を剥離除去することにより凹状パター
ンを形成し、その後にステンレス材のみ金メッキ層を被
覆、さらに黒色クロムメッキ層等の黒色メッキ層を被覆
積層した後に、印刷法により凹部にレジスト剤をマスキ
ングし、その後に黒色メッキ層を剥離し、更にレジスト
剤を剥離除去する方法。

が知られている。

［発明が解決しようとする課題１ しかし、おおむね複雑な形状、多種多様な表面仕上げを
有する装飾部材表面を金色と凹状の黒色模様または文字
の二色に仕上げるには次の欠点がある。

■の方法では、予め表面全体にフォトレジストをコーテ
ィングする際、複雑形状であるために液たまり防止が不
可能であり膜厚のバラツキが発生してしまうため、露光
時の位置合せ用治具へのセットが困難である。またレジ
スト膜はピンホールが発生しやすく、ピンホール部はエ
ツチングされてしまうためピンホール修正が必要であり
作業効率が悪い、またエツチング工程においてレジスト
の薄い部分に浮きや剥離が発生し外し不良となってしま
う等の問題がある。更に黒色メッキの後の印刷法による
パターン印刷時に印刷のズレが発生しやすく、凹部以外
の部分に黒色被膜が残り、逆に凹部に黒色被膜が残らな
い部分が発生してしまう。

■の方法では印刷工程が２回有り、２回目の印刷は凹部
が形成されているため印刷のズレが発生しゃすく凹部以
外の部分に黒色メッキ層が残り、逆に凹部に黒色メッキ
層が残らない部分が発生する。また、加工工程が複雑で
長時間を要し、作業効率が悪くコストが高い等の問題が
ある。

本発明はこのような問題点を解決するもので、その目的
とするところは、品質的に安定で且つ効率良く装飾部材
表面を金色と凹状の黒色模様または文字の二色に仕上げ
、装飾的価値の高い装飾部材を安価に提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段１ 上記課題を解決するために本発明の装飾部材は、金、金
合金又は予め表面に金メッキ層を被覆したステンレス素
材上にイオンプレーティング法によりＴｌ系の被膜を積
層した後に、選択的所定部分にレーザー加工により凹状
の模様または文字を形成し、次いで電気メッキ法により
金ストライクメッキ層を被覆し、更に黒色クロムメッキ
層、黒色ルテニウムメッキ層、黒色ロジウムメッキ層の
内の１種を積層し、その後エツチングによりＴｉ系被膜
を剥離除去することにより該部材表面を金色と凹状の黒
色模様または文字の二色に仕上げることを特徴とする。

［作　用］ 本発明の上記方法によれば、ステンレス材を用いた装飾
部材表面全体については最終仕上げ層として残る金メッ
キ層を被覆したことにより一穀的に行われているステン
レス上への金メッキと同様で密着性の良い被膜被覆が可
能である６次に金、金合金又は金メッキ層上にイオンプ
レーティング法によりＴｌ系被膜を被覆したことにより
、該部材表面全体に硬質被膜が形成されているため次工
程のレーザー加工工程に於ける金、金合金又は金メッキ
層表面へのヤケの付着、傷を防止することが可能となる
。

レーザー加工後の電気メッキ法による金ストライクメッ
キ工程においては、レーザー加工による凹状の模様また
は文字部は金、金合金又はステンレス素地が露出してい
るため一般的に行われている金、金合金又はステンレス
上への金ストライクメッキ方法により密着性の良い金ス
トライクメッキ層の被覆が可能である。金ストライクメ
ッキ層は素地と上層の黒色クロムメッキ層、黒色ルテニ
ウムメッキ層、黒色ロジウムメッキ層との密着性を確保
するために被覆され、被膜厚みは０．０１μｍ以上で可
能となる。一方間部以外の部分はＴｌ系被膜が被】され
ているため不動態化被膜が生成しやすく、金ストライク
メッキ層は密着性が悪い。従って、後工程におけるエツ
チングによるＴｌ系被膜の剥離により凹部以外の部分の
金ストライクメッキ層および黒色クロムメッキ層、黒色
ルテニウムメッキ層、黒色ロジウムメンキ層はリフトア
ップし容易に剥離可能で、しかも前述のレーザー加工に
よるヤケも同時に除去することが可能である。

次に電気メッキ法による金メッキ層は、ＡｕまたはＡｕ
−Ｎｉ、Ａｕ−Ｃｏ、Ａｕ−Ｓｎ、Ａｕ−Ｐｄ合金が適
用でき得る。被膜厚みは生産性、密着性より０．１〜３
μｍが最適であるが１０μｍまでひろげても問題ない。

次に、イオンプレーティング法によるＴｉ系被膜は、Ｔ
ｉまたはＴｉと０．Ｃ，Ｎの内の少なくとも１種との化
合物が適用でき得る。被膜厚みは生産性、密着性より０
．２〜１５μｍが最適であるが、５μｍまでひろげても
問題ない。

黒色メッキ層は、黒色クロムメッキ層では０゜２〜２μ
ｍが最適であり、黒色ルテニウムメッキ層では０．２〜
０．５μｍ、黒色ロジウムメッキ層では０２〜０．５μ
ｍが最適である。

Ｔｌ系被膜のエツチング剥離除去は弗酸と硝酸の混合液
に浸漬してエツチングすることにより、ステンレス素地
、金メッキ層および黒色クロムメッキ層、黒色ルテニウ
ムメッキ層、黒色ロジウムメッキ層を傷めずに剥離除去
でき得る。

以下、本発明について実施例に基づいて説明する。

［実　　施　　例　　１］ 第１図（ａ）〜（ｆ）は本発明により作成した時計ケー
スの各製造工程での断面図である。

まず第１図（ａ）に示す予め電気メッキ法にてＡｕ−Ｎ
ｉ（８ｗｔ％）メッキ層２を２．ＯＬ１ｍ施したステン
レス上（ＳＬＪＳ３０４）により形成された時計ケース
１をイオンプレーティング装置の真空室内に取り付け、
真空室内を排し、ついで該時計ケースをイオンプレーテ
ィング処理する工程に先立ちＡｒガスを１０Ｐａ、基板
への印加電圧０．５ＫＶでイオンボンバードメントを行
い時計ケース表面のりυ−ニングを行った。次にＡｒガ
スを排出し真空室内を３ＸＩＯ−”Ｐａに戻した後、改
めて反応性ガスとしてＮ２ガス及びＣ１月２ガスを６ｘ
ｌＯ−２Ｐａまで導入し、基板電圧を０．ＩＫＶ印加し
プラズマを発生させ、同時に金属Ｔｉを電子ビーム加熱
方式により加熱蒸発させ、ＴｉとＮとＣとの化合物であ
る金色のＴｉＣＮ被膜３を１．０μｍ被覆した。第１図
（ｂ）は上記方法により形成した時計ケースの断面図で
ある。次に第１図（Ｃ）に示す様にレーザー加工により
所定部分において、ＴｉＮ被膜厚を越える深さに凹状の
文字をマーキングした。この為レーザー加工文字４の表
面は５ＵＳ３０４素材が露出している。該レーザー加工
においては市販のＮｄ　：　ＹＡＧレーザー装置（波長
１．０６ｕｍ）を用い、出力１００Ｗ、パルス幅１０ｍ
ｓの条件にて加工を行った９次に第１図（ｄ）に示す様
に全面に電気メッキにより２４にのＡｕストライクメッ
キ５を行い、ついで第１図（ｅ）に示す様に電気メッキ
により黒色クロムメッキ層６を全面に１、ｏｔｉｍ施し
た。次に第１図（ｅ）の状態のケースを沸酸　硝酸＝１
・１の混合液（常温）中に約１分浸漬し、ＴｉＣＮ層３
をエツチング除去したに のときＴｉＣＮ層３上のＡｕストライクメッキ層５およ
び黒色クロムメッキ層６も同時にリフトアップされ、き
れいに除去され最終的に第１図（ｆ）に示す様に、外観
的に凹部の文字形状が黒色で他が金色の二色外観を呈す
る５ＵＳ３０４製時計ケースが得られた。

この方法にて製作したステンレス時計ケースは、人工汗
耐食試験（４０°ＣＸ湿度９０％×４８８ｒ）、人工海
水（４０°Ｃｘｉ度９０％ｘ４８Ｈｒ）、折り曲げ試験
（１８０°折り曲げ）、熱シヨツク試験（３００°Ｃ×
１０分加熱−水中急冷、５回繰り返し）、耐摩耗試験（
牛皮上にて５００ｇ荷重を時計ケースにかけ、５ｃｍス
トロークにて時計ケースの側面を３万回擦りつける）、
耐擦傷試験（ビニタイル上１ｍより２０回繰り返し落下
する）を行ない上記試験結果はすべて時計ケースとして
の耐食性、芭看性、耐摩耗性、耐擦傷性を十分満足する
ものであった。

［実施例２］ 第２図（ａ）〜（ｆ）は本発明実施例の各製造工程毎の
時計ケースの断面図である６まず第２図（ａ）に示した
Ａｕ−Ａｇ　１２．５　（ｗｔ％）−Ｃｕ１２．５　（
ｗｔ％）合金よりなる時計ケース７の表面全体にＴｉＮ
層８をイオンプレーティングにより０．５ｕｍ被覆した
。これを第２図（ｂ）に示す。次に第２図（ｃ）に示す
様にレーザー加工により時計ケースの所定部分に凹状の
模様９を形成した０次に第２図（ｄ）に示す様に全面に
電気メッキにより２４Ｋ　　Ａｕストライクメッキ層５
を施し、次いて第２図（ｅ）に示す様に全面に電気メッ
キにより黒色ロジウムメッキ層１０を０５μｍ施した。

最後に該時計ケースを沸酸　硝酸＝１１の混合液（常温
）中に約１分浸漬しＴｉＮ層２をエツチング除去した。

このときＴｉＮ層８上のＡｕストライクメッキ層５及び
黒色ロジウムメッキ層ｌＯも同時にリフトアップし、き
れいに除去され最終的に第２図（ｆ）に示す様に凹部の
模様のみが黒色で他が金合金の金色である二色外観を呈
する金合金製時計ケースが得られた。該時計ケースは［
実施例１１と同様の品質試験の結果、時計ケースとして
の耐食性、密着性、耐摩耗性および耐擦傷性を十分満足
するものであった。

［発明の効果］ 以上述べた如く本発明によれば、金、金合金又は予め表
面に金メッキ層を被覆したステンレス素材上にイオンプ
レーティング法によりＴｌ系の被膜を積層した後に、選
択的所定部分にレーザー加工により凹状の模様または文
字を形成し、次いで電気メッキ法により金ストライクメ
ッキ層を被覆し、更に黒色クロムメッキ層、黒色ルテニ
ウムメッキ層、黒色ロジウムメッキ層の内の１種を積層
し、その後エツチングによりＴｌ系被膜を剥離除去する
ことにより、従来法の大声、であった外し品質の劣化お
よびコストアップを改善し、装飾部材の表面に複雑形状
等の所望の黒色を有する凹状の文字または模様を形成し
、他の部分を金色に仕上げた品質的に安定で且つ効率良
く装飾部材表面を金色と凹状の黒色模様または文字の二
色に仕上げ、装飾的価値の高い装飾部材を安価に提供す
ることが可能となった。適用に当っては時計用文字板、
針、バンド等の時計用外装部品はもちろんメガネフレー
ム、ライター、ネクタイビン、装身具等の装飾部品すべ
てに適用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明による時計用外装部品の実
施例の各製造工程を示す断面図である。 １・・・５ＵＳ３０４ ２　・・Ａｕ−Ｎｉメッキ層 ３　・・ＴｉＣＮ層 ４・・・レーザー加工文字 ５・・　Ａｕストライクメッキ層 ６・・・黒色クロムメッキ層 ７　・・・Ａｕ−Ａｇ−Ｃｕ合金 ８・・・ＴｉＮ層 ９・・・レーザー加工模様 １０・・・黒色ロジウムメッキ屡 以上 第１図 （ａ） 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）金、金合金又は予め表面に金メッキ層を被覆した
   ステンレス素材上にイオンプレーティング法によりＴｉ
   系の被膜を積層した後に、選択的所定部分にレーザー加
   工により凹状の模様または文字を形成し、次いで電気メ
   ッキ法により金ストライクメッキ層を被覆し、更に黒色
   クロムメッキ層、黒色ルテニウムメッキ層、黒色ロジウ
   ムメッキ層の内の１種を積層し、その後エッチングによ
   りＴｉ系被膜を剥離除去することにより該部材表面を金
   色と凹状の黒色模様または文字の二色に仕上げることを
   特徴とする装飾部材の製造方法。（２）金合金がＡｕと
   Ａｇ、Ｃｕ、Ｚｎ、Ｐｄ、Ｎｉの内の１種以上との合金
   であり、金メッキ層がＡｕまたはＡｕ−Ｎｉ、Ａｕ−Ｃ
   ｏ、Ａｕ−Ｓｎ、Ａｕ−Ｐｄ合金であり、Ｔｉ系被膜が
   ＴｉまたはＴｉと、Ｏ、Ｃ、Ｎの内の少なくとも１種か
   ら成る化合物であり、金ストライクメッキ層がＡｕであ
   ることを特徴とする請求項１記載の装飾部材の製造方法
   。