JP5228449B2 - 重合性アビエチン酸誘導体 - Google Patents
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- 0 CC(*)c1ccc(C(CCC2)(C(CC3)C2(C)C(OC)=O)C=C)c3c1 Chemical compound CC(*)c1ccc(C(CCC2)(C(CC3)C2(C)C(OC)=O)C=C)c3c1 0.000 description 3
Description
Bull. Chem. Soc. Jpn., Vol. 80, No. 3, 589-593 (2007)(非特許文献1)には、ア
ビエチン酸誘導体をカイラル剤として用いることが記載されている。しかしながら、非特許文献1に記載のアビエチン酸誘導体は非重合性化合物であり、これまでに重合性のアビエチン酸誘導体は報告されていない。カイラル剤として、重合性の光学活性化合物を用いると、非重合性の光学活性化合物と比べて、液晶組成物重合体の硬度制御ができ、また成形体中からの光学活性化合物自体のしみ出しを防ぐことができる。
Bull. Chem. Soc. Jpn., Vol. 80, No. 3, 589-593 (2007)
なお、液晶材料は、液晶化合物および液晶組成物を含む総称である。
[1] 下記式(1)で表される化合物。
[式(1)中、
Rは、CH2=C(R1)−COO−、CH2=CH−または下記式(2−1)もしくは(
2−2)で表される基を示し、R1は水素またはメチルを示し、
Pは、単結合または炭素数1〜12のアルキレンを示し、該アルキレン中の任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CH=CH−、−CO−、−COO−または−OCO−で置
き換えられてもよく、
Xは、単結合、−O−、−S−、−COO−、−OCO−、−CON(R3)−、−N(
R3)CO−または−OCOO−を示し、R3は水素またはメチルを示し、
Aは、独立して芳香族環または脂肪族環を示し、これらの環において、任意の水素は炭素数1〜3のアルキルで置き換えられてもよく、
Zは、独立して単結合、−COO−、−OCO−または−CH2CH2−を示し、
mは0〜3の整数を示し、
Yは、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される基を示す。]
[3] 前記式(1)において、mが1であり、Aが下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される基であることを特徴とする項[1]に記載の化合物。
[5] 前記式(1)において、Pが炭素数2〜10のアルキレンであることを特徴とする項[3]に記載の化合物。
表される構造のいずれかであることを特徴とする項[1]に記載の化合物。
[8] 前記式(1)において、Pが炭素数2〜10のアルキレンであることを特徴とする項[6]に記載の化合物。
表される構造のいずれかであることを特徴とする項[1]に記載の化合物。
[11] 前記式(1)において、Pが炭素数2〜10のアルキレンであることを特徴とする項[9]に記載の化合物。
H2=C(CH3)−COO−であることを特徴とする項[1]に記載の化合物。
[13] 前記式(1)において、R−P−X−が、CH2=CH−CO−OCH2CH2OCH2CH2O−COO−またはCH2=CH−CO−OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2O−COO−であることを特徴とする項[1]に記載の化合物。
[16] 項[1]〜[15]のいずれかに記載の化合物と、液晶化合物とを含有することを特徴とする液晶組成物。
[18] 項[17]に記載の液晶組成物を重合させることによって得られる重合体。
[20] 液晶顔料、塗料、噴霧インク、印刷インク、化粧品、偽造防止用印刷物、装飾品および光学フィルムから選ばれる用途への、項[16]または[17]に記載の液晶組成物の使用。
なお、以下においては、式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と称することがある。また、化学式において、1つの化合物が複数のAを有するとき、任意の2つのAは同一でも異なってもよい。この規則は、Z等の記号などにも適用される。
本発明の化合物(1)は、上記式(1)に示すように、一方の末端に重合性基を有し、他方の末端に上記式(3−1)〜(3−3)のいずれかで表されるアビエチン酸残基を有することから、高い重合反応性、光学活性および良好な混和性等の特性を示す。
を示す。)、CH2=CH−または上記式(2−1)もしくは(2−2)で表される基を
示し、これらの中では、組成物中の他の成分との相溶性や溶媒への溶解性などが優れていることから、CH2=C(R1)−COO−およびCH2=CH−が好ましい。
−または−OCO−で置き換えられてもよい。
れてもよい」の句の意味を一例で示す。−C4H8−において任意の−CH2−が−O−ま
たは−CH=CH−で置き換えられた基は、たとえば、−C3H6O−、−CH2−O−(
CH2)2−、−CH2−O−CH2−O−、−HC=CH−(CH2)3−、−CH2−CH
=CH−(CH2)2−、−CH2−CH=CH−CH2−O−等である。このように「任意の」という語は、「区別なく選択された少なくとも1つの」を意味する。なお、化合物の安定性を考慮すれば、酸素と酸素とが隣接した−CH2−O−O−CH2−よりも、酸素と酸素とが隣接しない−CH2−O−CH2−O−の方が好ましい。
ルを示す。)、これらの中では、単結合および−COO−が好ましい。
(i)CH2=CH−COO−またはCH2=C(CH3)−COO−、
(ii)CH2=CH−CO−OCH2CH2OCH2CH2O−COO−またはCH2=CH−CO−OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2O−COO−、
(iii)CH2=C(CH3)−CO−OCH2CH2OCH2CH2O−COO−またはCH2=C(CH3)−CO−OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2O−COO−
などが挙げられる。R−P−X−で表される部位が、上記(i)〜(iii)であることにより、他の成分との相溶性を向上させるとともに、HTPを出現させるのに効果的である。
上記式(1)において、mは0〜3の整数を示す。
表される構造のいずれかであることが好ましい。この場合、PおよびXが単結合であるか、あるいは、Pが炭素数5〜12のアルキレンであることがより好ましい。なお、Pの炭素数は4〜10であることが、さらに好ましい。
表される構造のいずれかであることが好ましい。この場合、PおよびXが単結合であるか、あるいは、Pが炭素数2〜10のアルキレンであることがより好ましい。なお、Pの炭素数は4〜10であることが、さらに好ましい。
(i)上記式(1)において、m=0であり、Pが炭素数1〜12のアルキレンである
化合物(1)は、以下の合成スキームに従って合成することができる。
−で表される部位が上記式(5−5)で表される構造である化合物(1)は、以下の合成スキームに従って合成することができる。
ロキノン[e]とをエステル化反応させて化合物[f]を得る。次いで、化合物[f]と(メタ)アクリル酸クロライド[g]とのエステル化反応により化合物[h]を得ることができる。なお、ヒドロキノン[e]の代わりにレゾルシノール、2,6−ナフタレンジオールまたは4−4’ビフェノールを用いることができる。また、(メタ)アクリル酸ク
ロライド[g]の代わりに、エチレングリコールモノアクリレートクロロホルメート、4-アクリロイルオキシブチルクロロホルメート、ジエチレングリコールアクリレートクロ
ロホルメートまたはトリエチレングリコールアクリレートクロロホルメートなどを用いることができる。
構造のいずれかである化合物(1)は、以下の合成スキームに従って合成することができる。
反応にはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの縮合剤を好適に用いることができる。なお、上記スキーム中のDMAPはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンの略語である。次に、アルカリ条件下でアセトキシ基の脱保護を行い化合物[j]を得る。さらに、化合物[j]と(メタ)アクリル酸クロライド[g]とのエステル化反応により化合物[k]を得ることができる。
メート、ジエチレングリコールアクリレートクロロホルメートまたはトリエチレングリコールアクリレートクロロホルメートなどを用いることができる。
本発明の液晶組成物は、上述した本発明の化合物(1)と液晶化合物とを含有する。化合物(1)は1種単独であっても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、液晶化合物も同様に、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、液晶化合物は非重合性であっても、重合性であってもよいが、少なくとも1種は重合性の液晶化合物であることが好ましい。
上記重合性の液晶化合物としては、たとえば、下記式(M1a)、(M1b)、(M1c)、(M2a)、(M2b)および(M2c)で表される化合物などが挙げられる。
P1は、独立して下記式(P1)〜(P8)のいずれかで表される基であり;
R1は、独立して水素、フッ素、塩素、−CNまたは炭素数1〜20のアルキルであり、
該アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−COO−または−OCO−で置き
換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
環A3は、独立して1,4−シクロへキシレンまたは1,4−フェニレンであり;
W1は、独立して水素、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキルまたは炭素数1〜3のハロゲ
ン化アルキルであり;
X1は、独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレン中の任
意の−CH2−は、−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく;
Z1は独立して−COO−、−OCO−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、
−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CHCOO−または−OCOCH=CH−であり;
pおよびqは独立して0または1であり、nは0から10の整数である。
本発明の液晶組成物は、室温付近(10〜40℃程度)で広いコレステリック液晶相域を有し、各構成成分の組成比や組成物を重合する際の温度を変えることで、コレステリック相が反射する光の波長領域を制御することができ、所望の色や目的に応じた波長の光を反射する重合体の形成が可能である。
本発明の重合体は、上述した本発明の液晶組成物を重合させることによって得られ、重合により組成物のコレステリック液晶相(螺旋構造)が固定化され、所望の色や目的に応じた波長の光を反射する。組成物の重合反応は、加熱による熱重合でもよく、光照射による光重合でもよく、両者を組み合わせた方法で行ってもよい。
W/cm2、より好ましくは1〜2000mW/cm2の範囲である。
本発明の液晶組成物および重合体の用途としては、色材一般、たとえば、液晶顔料、塗料、噴霧インク、印刷インクなどが挙げられる。また、化粧品、偽造防止用印刷物、装飾品および光学フィルムなどに使用することもできる。
〔実施例1〕
(第1段階)
デヒドロアビエチン酸(15g)と塩化チオニル(30mL)とを混合し、少量のDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)を滴下した後、還流させながら2時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物にトルエン溶媒を加え、塩化チオニルおよびトルエン溶媒を減圧除去した。溶媒除去後の残留物(茶褐色液体)にTHF(テトラヒドロフラン、100mL)と約2等量のヒドロキノン(11g)とを加え、次にトリエチルアミン(7mL)
を滴下した後、室温下で8時間撹拌した。反応終了後、THFを一部留去し、酢酸エチル(300mL)および水(100mL)を加え、酢酸エチル層を分液した。この酢酸エチル層を、塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル=10/1(V/V))によって精製して黄褐色固形物の4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
得られた4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステル(1.8g)、アクリル酸クロライド(1g)、トリエチルアミン(0.7mL)およびTHF(50mL)を混合し、室温で5時間攪拌した。反応終了後、THFを一部留去し、酢酸エチル(300mL)および水(100mL)を加え、酢酸エチル層を分液した。この酢酸エチル層を、塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル=10/1(V/V))によって精製し、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表1に示す。
(第1段階)
実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
アクリル酸クロライドの代わりにエチレングリコールモノアクリレートクロロホルメートを用いたこと以外は、実施例1の第2段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表1に示す。
(第1段階)
実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の4−ヒドロキシフェニル デヒドロ
アビエチン酸エステルを得た。
アクリル酸クロライドの代わりに4-アクリロイルオキシブチルクロロホルメートを用
いたこと以外は、実施例1の第2段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表1に示す。
(第1段階)
実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
得られた4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステル(1.8g)、85%水酸化カリウム(3.3g)およびDMF(20mL)を混合し、30分間加熱撹拌した。その混合物を室温まで冷却した後、4−(p−トシルオキシ)ブチルアクリレート(2g)を添加した後、1時間加熱還流した。反応終了後、DMFを一部留去し、トルエン(100mL)および水(100mL)を加え、トルエン層を分液した。このトルエン層を、塩酸水、および水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル=10/1(V/V))によって精製し、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表1に示す。
(第1段階)
実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
得られた4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステル(1.8g)、4−アクリロイルオキシ安息香酸(1g)、DCC(1.2g)、DMAP(0.06g)および塩化メチレン(50mL)を混合し、室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別除去し、濾液に水(50mL)を加え、塩化メチレン溶媒を分液した後、塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル=10/1(V/V))によって精製して、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物のNMR分析値を以下に示し、構造を表1に示す。
(第1段階)
実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
得られた4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステル(1.8g)、4-
(6−アクリロイルヘキシルオキシ)安息香酸(1.3g)、DCC(1.2g)、DMAP(0.06g)および塩化メチレン(50mL)を混合し、室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別除去し、濾液に水(50mL)を加え、塩化メチレン溶媒を分液した後、塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル=10/1(V/V))によって精製して、黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表2に示す。
ヒドロキノンの代わりに2−ナフチル酸−6−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシブチルエステルを用いたこと以外は、実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物のデヒドロアビエチン酸エステルを得た。得られた化合物の構造を表2に示す。
実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
アクリル酸クロライドの代わりにジエチレングリコールアクリレートクロロホルメートを用いたこと以外は、実施例1の第2段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表2に示す。
(第1段階)
実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
得られた4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステル(1.8g)、4−アセトキシ安息香酸(0.9g)、DCC(1.2g)、DMAP(0.06g)および
塩化メチレン(50mL)を混合し、室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾別除去し、濾液に水(50mL)を加え、塩化メチレン溶媒を分液した後、塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル=10/1(V/V))によって精製して、黄褐色固形物を得た。
この固形物にメタノール(20mL)を加えた後、室温で30%アンモニア水(2mL)を滴下した。室温で2時間撹拌した後、6N塩酸(30mL)を加えて反応混合物を中和し、酢酸エチル(200mL)で抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去した。
得られた残留物にTHF(50mL)、トリエチルアミン3mLおよびジエチレングリコールアクリレートクロロホルメート(1.0g)を加え、室温で5時間攪拌した。反応終了後、THFを一部留去し、酢酸エチル(300mL)と水(100mL)を加え、酢酸エチル層を分液した後、塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル
=10/1(V/V))によって精製して、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表2に示す。
(第1段階)
ヒドロキノンの代わりにレゾルシノールを用いたこと以外は、実施例1の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
得られた3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステル(1.8g)、アクリル酸クロライド(1g)、トリエチルアミン(0.7mL)およびTHF(50mL)を混合し、室温で5時間攪拌した。反応終了後、THFを一部留去し、酢酸エチル(300mL)および水(100mL)を加え、酢酸エチル層を分液した。この酢酸エチル層を、塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル=10/1(V/V))によって精製し、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表2に示す。
(第1段階)
実施例10の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
アクリル酸クロライド(1g)の代わりにエチレングリコールモノアクリレートクロロホルメートを用いたこと以外は、実施例10の第2段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表3に示す。
(第1段階)
実施例10の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
アクリル酸クロライドの代わりに4−アクリロイルオキシブチルクロロホルメートを用いたこと以外は、実施例10の第2段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表3に示す。
(第1段階)
実施例10の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
アクリル酸クロライドの代わりに4−アクリロイルオキシ安息香酸を用いたこと以外は、実施例10の第2段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物のNMR分析値を以下に示し、構造を表3に示す。
H)、1.41(s,3H)、1.48−1.97(m,7H)、2.34−2.45(m,2H)、2.83−2.96(m,3H)、6.06(dd,2H)、6.34(dd,2H)、6.63(dd,2H)7.00−8.22(m,11H)。
(第1段階)
実施例10の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
アクリル酸クロライドの代わりに4−(6−アクリロイルヘキシルオキシ)安息香酸を用いたこと以外は、実施例10の第2段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表3に示す。
(第1段階)
実施例10の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルの代わりに得られた3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを用いたこと以外は、実施例9の第2段階〜第3段階と同様の操作を行った後、実施例4の第2段階と同様にして目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表4に示す。
(第1段階)
実施例10の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルの代わりに、得られた3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを用い、かつジエチレングリコールアクリレートクロロホルメートの代わりに4−アクリロイルオキシブチルクロロホルメートを用いたこと以外は、実施例9の第2段階〜第4段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物の構造を表4に示す。
(第1段階)
実施例10の第1段階と同様にして、黄褐色固形物の3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを得た。
4−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルの代わりに、得られた3−ヒドロキシフェニル デヒドロアビエチン酸エステルを用いたこと以外は、実施例9の第2段階〜第4段階と同様にして、目的の黄褐色固形物を得た。得られた化合物のNMR分析値を以下に示し、構造を表4に示す。
,8H)5.80(dd,2H)、6.16(dd,2H)、6.43(dd,2H)6.98−8.22(m,11H)。
ジヒドロアビエチン酸(1.5g)と塩化チオニル(3mL)とを混合し、少量のDMFを滴下した後、還流させながら2時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物にトルエン溶媒を加え、塩化チオニルおよびトルエン溶媒を減圧除去した。溶媒除去後の残留物(茶褐色液体)にTHF(20mL)と1等量の2-ヒドロキシエチルアクリレート(
0.6g)とを加え、次にトリエチルアミン1.5等量を滴下した後、室温下で8時間撹
拌した。反応終了後、THFを一部留去し、酢酸エチル(300mL)および水(100mL)を加え、酢酸エチル層を分液した。この酢酸エチル層を、塩酸水、飽和炭酸水素ナトリウムおよび水を順次用いて十分に洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この有機層から減圧下で溶剤を除去し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出液:トルエン/酢酸エチル=10/1(V/V))によって精製し、目的の黄褐色固形物(1.2g)を得た。得られた化合物の構造を表4に示す。
実施例3において、デヒドロアビエチン酸の代わりにジヒドロアビエチン酸を用いたこと以外は、実施例3の第1段階および第2段階と同様にして目的物を得た。得られた化合物の構造を表4に示す。
実施例12において、デヒドロアビエチン酸の代わりにジヒドロアビエチン酸を用いたこと以外は、実施例12の第1段階および第2段階と同様にして目的物を得た。得られた化合物の構造を表4に示す。
らせんピッチ(helical pitch)は、以下のようにして測定した。まず、上記実施例で
得られた化合物(約0.01g)をガラス製サンプル瓶にとり、ここに下記の組成物(M−1)を加えて、上記実施例で得られた化合物の含有量が約1重量%となるように混合した。次いで、この混合物を加熱し、混合物が溶解して完全な等方性液体になった後に静置、放冷した。このようにして得られた組成物の一部をくさび型セルに注入し、カノ(Cano)のくさび法(応用物理、1974, 43, 125)に準じ、25℃でピッチを測定した。HTP
は、得られたピッチを基に、式[HTP=p-1 ×c-1]から算出した。ここで、cは試
料化合物の重量%、pはピッチ(μm)である。上記実施例1〜20で得られた化合物(ただし、実施例7および12の化合物を除く。)のらせんピッチおよびHTPを下記表1〜4に示す。
Claims (15)
- 前記式(1)において、P、ZおよびXが単結合であることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
- 前記式(1)において、Pが炭素数2〜10のアルキレンであることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
- 前記式(1)において、PおよびXが単結合であることを特徴とする請求項5に記載の化合物。
- 前記式(1)において、Pが炭素数2〜10のアルキレンであることを特徴とする請求項5に記載の化合物。
- 前記式(1)において、R−P−X−が、
CH2=CH−COO−またはCH2=C(CH3)−COO−
であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。 - 前記式(1)において、Yが前記式(3−1)で表される基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の化合物と、液晶化合物とを含有することを特徴とする液晶組成物。
- 前記液晶化合物として、少なくとも1種の重合性液晶化合物を含むことを特徴とする請求項10に記載の液晶組成物。
- 請求項11に記載の液晶組成物を重合させることによって得られる重合体。
- コレステリック液晶相を呈することを特徴とする請求項12に記載の重合体。
- 液晶顔料、塗料、噴霧インク、印刷インク、化粧品、偽造防止用印刷物、装飾品および光学フィルムから選ばれる用途への、請求項10または11に記載の液晶組成物の使用。
- 液晶顔料、塗料、噴霧インク、印刷インク、化粧品、偽造防止用印刷物、装飾品および光学フィルムから選ばれる用途への、請求項12または13に記載の重合体の使用。
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