JP5226046B2 - 塗布装置及びノズルのメンテナンス方法 - Google Patents

塗布装置及びノズルのメンテナンス方法 Download PDF

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Description

本発明は、被処理基板に対して処理液を塗布する塗布装置、及びこれに搭載されたスリット状の吐出口を有するノズルのメンテナンス方法に関する。
例えば、FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造においては、いわゆるフォトリソグラフィ工程により回路パターンを形成することが行われている。
このフォトリソグラフィ工程では、ガラス基板等の被処理基板に所定の膜を成膜した後、処理液であるフォトレジスト(以下、レジストと呼ぶ)が塗布されレジスト膜(感光膜)が形成される。そして、回路パターンに対応して前記レジスト膜が露光され、これが現像処理され、パターン形成される。
このようなフォトリソグラフィ工程において、被処理基板にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成する方法として、スリット状のノズル吐出口からレジスト液を帯状に吐出し、レジストを基板上に塗布する方法がある。
この方法を用いた従来のレジスト塗布装置について、図12を用いて簡単に説明する。
図12に示すレジスト塗布装置200は、基板Gを載置するステージ201と、このステージ201の上方に配設されるレジスト供給ノズル202と、このノズル202を移動させるノズル移動手段203とを具備している。
レジスト供給ノズル202には、基板の幅方向に延びる微小隙間を有するスリット状の吐出口202aが設けられ、レジスト液供給源204から供給されたレジスト液Rを吐出口202aから吐出するようになされている。
ところで、スリット状の吐出口202aは、微小な隙間により形成されているため、ノズル待機時においてノズル先端のメンテナンス処理を施さなければ、レジスト液の乾燥等により目詰まりが生じる。このため、レジスト塗布装置200は、図12に示すようにノズル先端を洗浄するためのノズルメンテナンス手段208を具備している。
このノズルメンテナンス手段208は、例えば、ノズル吐出口202aに洗浄液(シンナー)を吹きつけてノズル先端を洗浄するノズル洗浄部208aと、待機時において吐出口202aが乾燥しないように吐出口202aを溶剤の蒸気雰囲気下で保持するためのノズルバス208bとを有する。更に、基板Gへの塗布処理前において、回転自在な円柱形状のプライミングローラの表面にレジスト液Rを吐出し、ノズル先端に付着したレジスト液Rを均一化(プライミング処理)するプライミング処理部208cを有している。
この構成において、基板Gへのレジスト塗布処理時にあっては、ノズル202をノズル移動手段203によって水平移動させながら、スリット状の吐出口202aからレジスト液Rを基板の表面全体に帯状に吐出することにより、レジスト液Rの塗布処理がなされる。
また、ノズル202の待機時にあっては、前記ノズルメンテナンス手段208によるノズルのメンテナンス処理が行われる。このメンテナンス処理では、先ずノズル202がノズル移動手段203によってノズル洗浄部208aに移動される。そして、ノズル洗浄部208aにおいてノズル先端に対する洗浄処理が施され、次いで、図13に示すようにノズルバス208bにおいてノズル吐出口202aが乾燥しないようにノズル202が保持される。
また、次の基板Gへの塗布処理を行う前には、ノズル202はプライミング処理部208cに移動され、プライミングローラへのレジスト液吐出が行われることによって、ノズル先端のプライミング処理が施される。
尚、このようなメンテナンス処理を行う装置構成については特許文献1に記載されている。
特許第4040025号公報
前記したように、ノズル待機期間におけるノズル202のメンテナンス処理にあっては、ノズル202は、その先端部(吐出口202a)がノズル洗浄部208aによって洗浄され、図13に示すようにノズルバス208bにおいてノズル吐出口202aが乾燥しないようにノズル202が保持される。
ここで、同一ロット内で連続的に処理される基板間の待機期間であれば、次の基板Gの塗布処理までに長時間空くことがないため、ノズル202内の流路202bには処理液であるレジスト液が充填されたままである。
一方、異なるロット間での待機期間では、長時間の待機となることもあり、ノズル202内の流路202bは、レジストの乾燥付着防止、流路洗浄等の目的により、レジスト液Rから溶剤T(シンナー)に置換されている。
しかしながら、ノズル流路202bが溶剤Tに置換された状態で長時間放置されると、待機中の時間経過に伴い、ノズル先端(吐出口202a)まで充填されていた溶剤Tの蒸発が進行し、図14に示すように溶剤Tに溶け出したレジスト成分が溶剤Tの界面T1付近において析出し、流路202b内において異物Dとなって固着するという課題があった。
また、そのように流路202bに異物Dが付着したままであると、吐出口202aからのレジスト吐出状態が不均一となり、基板Gへのレジスト液Rの塗布処理において塗布膜に筋斑が生じる虞があった。
また、流路202b内を傷つけることなく異物Dを除去するには、ノズル202を分解して洗浄する必要があり、手間と時間を要するという課題があった。
また、流路202b内を溶剤Tに置換後、吐出口202a付近の乾燥を防止するために溶剤Tを吐出する、所謂ダミーディスペンスを行う方法があるが、多量の溶剤Tを吐出し破棄する必要があるため、コストが嵩張るという課題があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、被処理基板に処理液を塗布する塗布装置において、ノズル内の流路における異物の付着を防止し、被処理基板に対する処理液の塗布の際に、スリット状のノズル吐出口から処理液を均一に吐出することのできる塗布装置及びノズルのメンテナンス方法を提供する。
前記した課題を解決するために、本発明に係る塗布装置は、被処理基板の幅方向に長いスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルと、前記ノズルの待機期間において前記ノズル内の流路が前記処理液から前記処理液の溶剤に置換された状態で保持するメンテナンス手段とを具備し、前記ノズルの吐出口から前記基板に処理液を吐出し塗布膜を形成する塗布装置であって、前記メンテナンス手段は、前記ノズルに前記溶剤を供給する溶剤供給手段と、前記ノズルの吐出口との間に所定の間隙を形成する液保持面とを有し、前記待機期間において、前記ノズルは、前記液保持面に対し所定量の溶剤を吐出した状態で保持され、前記溶剤の前記ノズルに対する界面は、前記ノズルの外面に形成されることに特徴を有する。
或いは、本発明に係る塗布装置は、被処理基板の幅方向に長いスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルと、前記ノズルの待機期間において前記ノズル内の流路が前記処理液から前記処理液の溶剤に置換された状態で保持するメンテナンス手段とを具備し、前記ノズルの吐出口から前記基板に処理液を吐出し塗布膜を形成する塗布装置であって、前記メンテナンス手段は、前記ノズルに前記溶剤を供給する溶剤供給手段と、少なくとも前記吐出口を浸漬可能な所定量の溶剤を貯留するための貯留容器とを有し、前記待機期間において、前記溶剤供給手段は前記ノズルに前記溶剤を供給し、前記ノズルは、その吐出口から前記貯留容器に溶剤を吐出して溜めると共に、前記貯留容器に貯留された溶剤に浸漬された状態で保持され、前記溶剤の前記ノズルに対する界面は、前記ノズルの外面に形成されることに特徴を有する。
このように構成することにより、溶剤に溶け出した処理液の成分が、溶剤の蒸発により界面付近で析出したとしても、析出した異物の流路内への付着を防止することができる。
即ち、流路内を清浄な状態とし、被処理基板に対する処理液の塗布の際に、スリット状のノズル吐出口から処理液を均一に吐出することができる。
また、溶剤から析出した処理液成分からなる異物は、ノズル外面に付着するため、ノズルを分解することなく、その除去作業を容易に行うことができる。
前記した課題を解決するために、本発明に係るノズルのメンテナンス方法は、被処理基板の幅方向に長いスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルにおいて、前記ノズルの待機期間に、前記ノズル内の流路を前記処理液から前記処理液の溶剤に置換し保持するノズルのメンテナンス方法であって、前記ノズルに対し前記処理液に換えて前記溶剤を供給するステップと、前記吐出口の下方に液保持面を配置し、前記吐出口と前記液保持面との間に所定の間隙を形成するステップと、前記ノズルを、前記吐出口から前記液保持面に対し所定量の溶剤を吐出した状態で保持し、前記溶剤の前記ノズルに対する界面を、前記ノズルの外面に形成するステップとを含むことに特徴を有する。
或いは、本発明に係るノズルのメンテナンス方法は、被処理基板の幅方向に長いスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルにおいて、前記ノズルの待機期間に、前記ノズル内の流路を前記処理液から前記処理液の溶剤に置換し保持するノズルのメンテナンス方法であって、前記ノズルに対し前記処理液に換えて前記溶剤を供給するステップと、少なくとも前記吐出口を浸漬可能な所定量の溶剤を前記ノズルから吐出し貯留容器に貯留するステップと、前記ノズルの吐出口を、前記貯留容器に貯留された溶剤に浸漬した状態で保持し、前記溶剤の前記ノズルに対する界面を、前記ノズルの外面に形成するステップとを含むことに特徴を有する。
このような方法によれば、溶剤に溶け出した処理液の成分が、溶剤の蒸発により界面付近で析出したとしても、析出した異物の流路内への付着を防止することができる。
即ち、流路内を清浄な状態とし、被処理基板に対する処理液の塗布の際に、スリット状のノズル吐出口から処理液を均一に吐出することができる。
また、溶剤から析出した処理液成分からなる異物は、ノズル外面に付着するため、ノズルを分解することなく、その除去作業を容易に行うことができる。
本発明によれば、被処理基板に処理液を塗布する塗布装置において、ノズル内の流路における異物の付着を防止し、被処理基板に対する処理液の塗布の際に、スリット状のノズル吐出口から処理液を均一に吐出することのできる塗布装置及びノズルのメンテナンス方法を得ることができる。
図1は、本発明にかかる一実施形態の全体概略構成を示す平面図である。 図2は、本発明にかかる一実施形態の全体概略構成を示す側面図である。 図3は、図1のA−A矢視断面図である。 図4は、本発明に係る塗布装置が具備する待機部の断面図である。 図5は、図4のB−B矢視断面図である。 図6は、図4の待機部が有するノズルバスの一部拡大断面図である。 図7は、本発明にかかる塗布装置の動作の流れを示すフロー図である。 図8(a),(b)は、本発明にかかる塗布装置の他の形態を示す断面図である。 図9は、本発明にかかる塗布装置の他の形態を示す断面図である。 図10は、本発明にかかる塗布装置の他の形態を示す断面図である。 図11(a),図11(b)は、本発明にかかる塗布装置の他の形態を示す断面図である。 図12は、従来の塗布処理ユニットの概略構成を説明するための斜視図である。 図13は、従来の塗布処理ユニットが具備するノズルバスの断面図である。 図14は、図13のノズルバスに配置されたノズルの先端部の状態を示す一部拡大断面図である。
以下、本発明の塗布装置及びノズルのメンテナンス方法にかかる一実施形態を、図面に基づき説明する。尚、この実施形態にあっては、塗布装置を、被処理基板であるガラス基板を浮上搬送しながら、前記基板に対し処理液であるレジスト液の塗布処理を行うレジスト塗布処理ユニットに適用した場合を例にとって説明する。
図1、図2に示すように、このレジスト塗布処理ユニット1は、ガラス基板Gを枚様式に一枚ずつ浮上搬送するための浮上搬送部2Aと、前記浮上搬送部2Aから基板Gを受け取り、コロ搬送するコロ搬送部2Bとを備え、基板Gが所謂平流し搬送されるように構成されている。
前記浮上搬送部2Aにおいては、基板搬送方向であるX方向に延長された浮上ステージ3が設けられている。浮上ステージ3の上面には、図示するように多数のガス噴出口3aとガス吸気口3bとがX方向とY方向に一定間隔で交互に設けられ、ガス噴出口3aからの不活性ガスの噴出量と、ガス吸気口3bからの吸気量との圧力負荷を一定とすることによって、ガラス基板Gを浮上させている。
尚、この実施形態では、ガスの噴出及び吸気により基板Gを浮上させるようにしたが、それに限定されず、ガス噴出のみの構成によって基板浮上させるようにしてもよい。
また、コロ搬送部2Bにおいては、ステージ3の後段に、コロ駆動部40によって回転駆動される複数本のコロ軸41が並列に設けられている。各コロ軸41には、複数の搬送コロ42が取り付けられ、これら搬送コロ42の回転によって基板Gを搬送する構成となされている。
浮上搬送部2Aにおける浮上ステージ3の幅方向(Y方向)の左右側方には、X方向に平行に延びる一対のガイドレール5が設けられている。この一対のガイドレール5には、ガラス基板Gの四隅の縁部を下方から吸着保持してガイドレール5上を移動する4つの基板キャリア6が設けられている。これら基板キャリア6により浮上ステージ3上に浮上したガラス基板Gを搬送方向(X方向)に沿って移動される。
尚、浮上搬送部2Aからコロ搬送部2Bへの基板引き渡しを円滑に行うために、ガイドレール5は、浮上ステージ3の左右側方だけでなく、コロ搬送部2Bの側方にまで延設されている。
各基板キャリア6は、図3(図1のA−A矢視断面)に示すように、ガイドレール5に沿って移動可能に設けられたスライド部材6aと、基板Gの下面に対し吸引・開放動作により吸着可能な吸着部材6bと、吸着部材6bを昇降移動させる昇降駆動部6cとを有する。
尚、吸着部材6bには、吸引ポンプ(図示せず)が接続され、基板Gとの接触領域の空気を吸引して真空状態に近づけることにより、基板Gに吸着するようになされている。
また、前記スライド部材6aと昇降駆動部6cと前記吸引ポンプとは、それぞれコンピュータからなる制御部50によって、その駆動が制御される。
また、図1、図2に示すように、浮上搬送部2Aの浮上ステージ3上には、ガラス基板Gにレジスト液を吐出するノズル16が設けられている。ノズル16は、Y方向に向けて例えば長い略直方体形状に形成され、ガラス基板GのY方向の幅よりも長く形成されている。図2、図3に示すようにノズル16の下端部には、浮上ステージ3の幅方向に長いスリット状の吐出口16aが形成されている。
また、このノズル16には、レジスト液供給源30から送出ポンプ31及び切換バルブ32を介してレジスト液が供給される。
一方、ノズル16のメンテナンス時(待機時)においては、溶剤供給部33から送出ポンプ34及び切換バルブ32を介してレジストの溶剤(シンナー液)が供給されるようになされている。即ち、溶剤供給部33及び送出ポンプ34により溶剤供給手段が構成される。
また、図1に示すようにノズル16の両側には、X方向に延びる一対のガイドレール10が設けられている。このガイドレール10に沿ってスライド移動可能な一対のスライド部材17が設けられ、図3に示すように各スライド部材17の上に垂直にシャフト18が立設されている。前記シャフト18には、このシャフト18に沿って昇降移動可能な昇降駆動部19が設けられ、Y方向に対向する一対の昇降駆動部19の間にノズル16を保持する直棒状のノズルアーム11が架設されている。
かかる構成によりノズル16は、昇降移動可能、且つガイドレール10に沿ってX方向に移動可能となされている。
また、ステージ3上方において、ノズル16よりも上流側には、ノズル16のメンテナンス手段として、ノズル先端(吐出口16a)を洗浄し、ノズル16を所定時間待機させる待機部14と、塗布処理前においてノズル先端に付着したレジスト液を均一化するためのプライミング処理部20とが設けられている。
待機部14は、ノズル16の吐出口16aに付着した余分なレジスト液を洗浄し除去するノズル洗浄部24と、待機時において吐出口16aが乾燥しないように吐出口16aを溶剤(シンナー)の蒸気雰囲気下で保持するためのノズルバス26とを有している。
また、プライミング処理部20は、基板幅方向(Y方向)に細長い上部開口21aを有する箱状のケーシング21と、ケーシング21内においてモータ等の回転駆動部22により軸周りに回転可能に設けられた円筒または円柱形状のプライミングローラ23とを備えている。図2に示すようにプライミングローラ23の上部は、ケーシング21の上部開口21aから突出した状態に設けられている。
前記のようにノズル16は、昇降移動可能、且つガイドレール10に沿ってX方向に移動可能となされており、ガラス基板Gにレジスト液を吐出する吐出位置と、それより上流側にあるプライミング処理部20及び待機部14との間を移動することができる。
即ち、ノズル待機時において、ノズル16は待機部14に移動されて、そこでノズル洗浄等が行われ、塗布処理前にはプライミング処理部20に移動されて、プライミング処理が施されるように構成されている。
前記待機部14について、更に詳しく説明する。
図4の断面図に示すようにノズル洗浄部24は、ノズル洗浄ヘッド25を備える。
ノズル洗浄ヘッド25は、ノズル吐出口16a近傍に向けてシンナー等の洗浄液を吐出するシンナー吐出ノズル25aと、洗浄使用後のシンナーを吸引回収するシンナー排出管25bと、ノズル吐出口16a近傍に向けて窒素ガス等の所定のガスを噴射するガス噴射ノズル25cとを有する
このノズル洗浄ヘッド25は、ヘッドスキャン機構(図示せず)によって、基板幅方向(Y方向)にスキャン移動し、これによりノズル吐出口16aの一端から他端まで洗浄可能となされている。
また、ノズルバス26は、基板幅方向(Y方向)に細長い上部開口27aを有する箱状のケーシング27を有し、このケーシング27内に所定量の溶剤T(シンナー)が貯留されている。ケーシング27の側部には排出管27bが設けられ、貯留された溶剤Tが所定の容量を越えないようになされている。
図4に示すように、ノズル待機時には、ノズル先端部(吐出口16a)が前記上部開口27aからケーシング27内に挿入された状態で保持される。
また、図4、図5(図4のB−B矢視断面)に示すように、ケーシング27内において、貯留されている溶剤Tの上方には、基板幅方向に延びる長方形板状の液保持板28(板部材)が、例えば棒状の支持部材36に下方から支持されて設けられている。この液保持板28の上面には面一の液保持面28aが形成され、この液保持面28aは耐薬品性(耐レジスト性、耐溶剤性)、低摩擦係数を有する材質からなる。
また、この液保持板28は、ロット間の待機期間において用いられるが、その待機期間では、制御部50の制御により、ノズル16内の流路16bが、レジスト液から溶剤T(シンナー)に置換される。更に、ノズル吐出口16aから液保持板28(液保持面28a)上に所定量の溶剤Tが吐出されるようになされている。
これにより、図6(ノズル先端部の拡大図)に示すように、ノズル吐出口16aと液保持板28との間には、溶剤Tが、その表面張力により形状維持された状態で保持される。そして、溶剤Tのノズル16に対する界面T1が、ノズル16の流路16b内ではなく、ノズル16の外面に形成されるようになされている。
続いて、このように構成されたレジスト塗布処理ユニット1において、基板Gへのレジスト液の塗布から待機時におけるノズルのプライミング処理を含む一連の流れについて、更に図7を用いて説明する。
レジスト塗布処理ユニット1において、浮上ステージ3上に新たにガラス基板Gが搬入されると、基板Gはステージ3上に形成された不活性ガスの気流によって下方から支持され、基板キャリア6により保持される(図7のステップS1)。
そして、制御部50の制御により基板キャリア6が駆動され、基板搬送方向に搬送開始される(図7のステップS2)。
また、レジストノズル16の吐出口16aから処理液であるレジスト液が吐出され、ノズル16の下方を通過する基板Gに対し塗布処理が施される(図7のステップS3)。
基板G上へのレジスト液の塗布処理が終了すると、ノズル16からのレジスト液の吐出が停止され、塗布処理が完了した基板Gは、浮上搬送部2Aからコロ搬送部2Bに引き渡され、コロ搬送によって後段の処理部へ搬出される(図7のステップS4)。
待機期間になると、制御部50は、ノズル16をレール10に沿って待機部14の上方へと移動させる(図7のステップS5)。
そして、先ず待機部14のノズル洗浄部24において、ノズル16の先端部に対しノズル洗浄ヘッド25がスキャンされ、洗浄液(シンナー)を用いた洗浄処理が行われる(図7のステップS6)。
次いで、ノズル16はノズルバス26に移動され、ノズル先端部がケーシング27の上部開口27aからケーシング27内に挿入された状態で保持される(図7のステップS7)。
ここで、ロット内の全ての基板Gに対する塗布処理が完了していない場合(図7のステップS8)、ノズル16はそのまま所定時間保持され、その間、吐出口16aは、乾燥しないように溶剤Tの蒸気に曝される(図7のステップS9)。
ノズルバス26における所定時間の待機後、ノズル16はプライミング処理部20の上方に移動される。そして、吐出口16aから所定量のレジスト液がプライミングローラ23の表面に吐出されると共に、プライミングローラ23が所定方向に回転することによってノズル先端のプライミング処理が施される(図7のステップS10)。
また、プライミング処理が施されたノズル16は、基板Gに対するレジスト液の塗布処理位置まで移動され、次の基板Gに対する塗布処理が行われる(図7のステップS3)。
一方、ステップS8において、ロット内の全ての基板Gに対する塗布処理が完了した場合、制御部50は切換バルブ32の切換制御を行い、ノズル16に対し溶剤供給部33から溶剤T(シンナー)を供給する。これにより、ノズル16内の流路16bは、レジスト液から溶剤Tに置換され、溶剤Tが充填された状態となされる(図7のステップS11)。また、更に、ノズル吐出口16aから液保持板28に対し、所定量の溶剤Tが吐出される(図7のステップS12)。これにより、図6に示すように吐出口16aと液保持板28(液保持面28a)との間には、溶剤Tが、その表面張力により形状維持した状態となされ、その状態で所定時間保持される(図7のステップS13)。
また、その状態において、ノズル16に対する溶剤Tの界面T1は、ノズル16の外面に形成される。このため、溶剤Tに溶け出したレジスト成分が、溶剤Tの蒸発により界面T1付近で析出したとしても、析出した異物の流路16b内への付着を防止することができる。
また、レジスト塗布処理ユニット1において新たに塗布処理を行うロットがある場合(図7のステップS14)、ノズル16はプライミング処理部20の上方に移動される。
そして、制御部50は切換バルブ32の切換制御を行い、ノズル16に対しレジスト供給部30からレジスト液を供給する。これにより、ノズル16内の流路16bは、溶剤Tから再びレジスト液に置換される(図7のステップS15)。
そして、吐出口16aから所定量のレジスト液がプライミングローラ23の表面に吐出されると共に、プライミングローラ23が所定方向に回転することによってプライミング処理が施される(図7のステップS10)。
また、プライミング処理が施されたノズル16は、基板Gに対するレジスト液の塗布処理位置まで移動され、次のロットの基板Gに対する塗布処理が行われることとなる(図7のステップS3)。
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、ノズル16を用いた塗布処理が実施されないロット間の待機期間において、ノズル内の流路16bがレジスト液から溶剤Tに置換されると共に、ノズル16に対する溶剤Tの界面T1がノズル16の外面に形成される状態で保持される。
これにより、溶剤Tに溶け出したレジスト成分が、溶剤Tの蒸発により界面T1付近で析出したとしても、析出した異物の流路16b内への付着を防止することができる。
即ち、流路16b内を清浄な状態とし、基板Gに対するレジスト液の塗布の際に、スリット状のノズル吐出口16aからレジスト液を均一に吐出することができる。
また、溶剤Tから析出したレジスト成分からなる異物は、ノズル外面に付着するため、ノズル16を分解することなく、その除去作業を容易に行うことができる。
尚、前記実施の形態においては、ノズルバス26のケーシング27内の所定位置に、液保持板28を常に配置した構成を示したが、その形態に限定されず、必要に応じてノズル16(吐出口16a)の下方に液保持板28を配置する構成としてもよい。
その場合、例えば図8(a)、図8(b)に示すようにケーシング27上に配置されたノズル16の下方位置に対し、液保持板28を側方から進退移動自在に設け、ボールねじ機構、ステッピングモータ等からなる進退移動手段29により液保持板28を進退移動させてもよい。
このように構成することにより、ロット内の待機期間においては図8(a)に示すようにノズル16下方から液保持板28を退避させておくことで、溶剤Tの蒸気を効率よくノズル16の吐出口16aに供給し、その乾燥を防止することができる。
また、ロット間の待機期間になるとノズル16内の流路16bが溶剤Tに置換されるが、置換完了までは図8(a)に示すようにノズル16下方から液保持板28を退避させておくことにより、液置換時に排出されるレジスト液を下方に貯留されている溶剤Tに直接排出することができる。即ち、ノズル16から排出されたレジスト液が液保持板28に付着しないため、液置換後に図8(b)に示すようにノズル16下方に液保持板28を配置することで、溶剤Tの表面張力により界面T1をより確実に形成することができる。
或いは、前記実施形態にように液保持板28を用いるのではなく、プライミングローラ23のローラ面を液保持面として用いてもよい。
その場合、ロット間の待機期間において、例えば、ノズル洗浄部24におけるノズル洗浄後、ノズル16がプライミング処理部20の上方に移動される。
そして、ノズル16の流路16b内が溶剤Tに置換され、プライミングローラ23の回転が停止された状態で、吐出口16aから所定量の溶剤Tがローラ面に吐出される。これにより吐出口16aとローラ面との間において、溶剤Tが、その表面張力により形状維持した状態となされ、溶剤Tのノズル16に対する界面がノズル外面に形成される。
したがって、次のロットの塗布処理前に行うプライミング処理までは、その状態を保持すればよい。
また、前記実施形態においては、液保持面28aは面一の状態としたが、図9に示すように、液保持面28aにおいて、吐出口16aの前後位置に、基板幅方向に延びる一対の溝部28bを設けてもよい。
この溝部28bを設けることによって、ノズル16から吐出された溶剤Tの液保持板28に対する界面の位置が強制的に決定され、それに伴い、液保持板28に所定量が吐出された溶剤Tのノズル16に対する界面T1をより確実にノズル16の外面に形成することができる。
また、前記した実施形態においては、ノズル16から液保持板28に対し所定量の溶剤Tを吐出することによって、溶剤Tのノズル16に対する界面T1をノズル16の外面に形成するようにした。
しかしながら、本発明にあっては、それに限定されず、貯留した溶剤Tの中にノズル先端を浸漬させることによって、溶剤Tのノズル16に対する界面T1をノズル外面に形成するようにしてもよい。
その場合、例えば、図10に示すように断面Y字形の貯留容器35に吐出口16aから溶剤Tを吐出して溜めると共に、ノズル先端を溶剤Tに浸漬させ、界面T1をノズル外面に形成するようにしてもよい。
或いは、図11(a)、図11(b)に示すように、ノズル先端がケーシング27(貯留容器)に貯留された溶剤Tに触れないように設けられた排出管27bと、それよりも上方に設けられた排出管27cとを有するノズルバス26の構成としてもよい。
その場合、バルブ切換により、ロット内の待機期間においては、図11(a)に示すように排出管27bのみを使用するものとし、ロット間の待機期間においては、図11(b)に示すように排出管27cのみを使用するものとなされる。また、排出管27cが設けられる高さは、図11(b)に示すように、少なくともノズル先端が溶剤Tに浸漬されるよう溶剤Tが貯留可能な高さとなされる。
このように構成することによっても、図11(b)に示すように溶剤Tのノズル16に対する界面T1をノズル外面に形成することができる。
1 レジスト塗布処理ユニット(塗布装置)
16 ノズル
16a 吐出口
16b 流路
26 ノズルバス(メンテナンス手段)
28a 液保持面
33 溶剤供給部(溶剤供給手段)
34 送出ポンプ(溶剤供給手段)
G ガラス基板(被処理基板)
T 溶剤
T1 界面

Claims (10)

  1. 被処理基板の幅方向に長いスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルと、前記ノズルの待機期間において前記ノズル内の流路が前記処理液から前記処理液の溶剤に置換された状態で保持するメンテナンス手段とを具備し、前記ノズルの吐出口から前記基板に処理液を吐出し塗布膜を形成する塗布装置であって、
    前記メンテナンス手段は、
    前記ノズルに前記溶剤を供給する溶剤供給手段と、前記ノズルの吐出口との間に所定の間隙を形成する液保持面とを有し、
    前記待機期間において、前記ノズルは、前記液保持面に対し所定量の溶剤を吐出した状態で保持され、前記溶剤の前記ノズルに対する界面は、前記ノズルの外面に形成されることを特徴とする塗布装置。
  2. 所定量の前記溶剤を貯留すると共に、少なくとも前記ノズルの吐出口を挿入可能な上部開口を有するケーシングを備え、
    前記液保持面は、前記ケーシング内に設けられ、
    前記ケーシングの上部開口に前記ノズルの吐出口が挿入された状態で、前記吐出口と前記液保持面との間に所定の間隙が形成されることを特徴とする請求項1に記載された塗布装置。
  3. 前記液保持面は、前記ケーシング内に設けられた板部材に形成されていることを特徴とする請求項2に記載された塗布装置。
  4. 前記ケーシングの上部開口に前記ノズルの吐出口が挿入された状態で、前記ノズルの下方位置に対し、前記液保持面を進退移動させる進退移動手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載された塗布装置。
  5. 前記液保持面には、前記ノズルの吐出口の前後位置に、前記吐出口の長手方向に延びる一対の溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された塗布装置。
  6. 被処理基板の幅方向に長いスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルと、前記ノズルの待機期間において前記ノズル内の流路が前記処理液から前記処理液の溶剤に置換された状態で保持するメンテナンス手段とを具備し、前記ノズルの吐出口から前記基板に処理液を吐出し塗布膜を形成する塗布装置であって、
    前記メンテナンス手段は、
    前記ノズルに前記溶剤を供給する溶剤供給手段と、少なくとも前記吐出口を浸漬可能な所定量の溶剤を貯留するための貯留容器とを有し、
    前記待機期間において、前記溶剤供給手段は前記ノズルに前記溶剤を供給し、前記ノズルは、その吐出口から前記貯留容器に溶剤を吐出して溜めると共に、前記貯留容器に貯留された溶剤に浸漬された状態で保持され、前記溶剤の前記ノズルに対する界面は、前記ノズルの外面に形成されることを特徴とする塗布装置。
  7. 所定量の前記溶剤を貯留すると共に、少なくとも前記ノズルの吐出口を挿入可能な上部開口を有するケーシングを備え、
    前記貯留容器は、前記ケーシング内に設けられ、
    前記ケーシングの上部開口に前記ノズルの吐出口が挿入された状態で、前記吐出口は前記貯留容器に貯留された溶剤に浸漬されることを特徴とする請求項6に記載された塗布装置。
  8. 前記貯留容器は、少なくとも前記ノズルの吐出口を挿入可能な上部開口を有し、
    前記貯留容器の上部開口に前記ノズルの吐出口が挿入された状態で、前記吐出口は貯留された溶剤に浸漬されることを特徴とする請求項6に記載された塗布装置。
  9. 被処理基板の幅方向に長いスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルにおいて、
    前記ノズルの待機期間に、前記ノズル内の流路を前記処理液から前記処理液の溶剤に置換し保持するノズルのメンテナンス方法であって、
    前記ノズルに対し前記処理液に換えて前記溶剤を供給するステップと、
    前記吐出口の下方に液保持面を配置し、前記吐出口と前記液保持面との間に所定の間隙を形成するステップと、
    前記ノズルを、前記吐出口から前記液保持面に対し所定量の溶剤を吐出した状態で保持し、前記溶剤の前記ノズルに対する界面を、前記ノズルの外面に形成するステップとを含むことを特徴とするノズルのメンテナンス方法。
  10. 被処理基板の幅方向に長いスリット状の吐出口から処理液を吐出するノズルにおいて、
    前記ノズルの待機期間に、前記ノズル内の流路を前記処理液から前記処理液の溶剤に置換し保持するノズルのメンテナンス方法であって、
    前記ノズルに対し前記処理液に換えて前記溶剤を供給するステップと、
    少なくとも前記吐出口を浸漬可能な所定量の溶剤を前記ノズルから吐出し貯留容器に貯留するステップと、
    前記ノズルの吐出口を、前記貯留容器に貯留された溶剤に浸漬した状態で保持し、前記溶剤の前記ノズルに対する界面を、前記ノズルの外面に形成するステップとを含むことを特徴とするノズルのメンテナンス方法。
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