JP5222675B2 - 車両の後部ドア構造 - Google Patents
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Description
この枠部は、インナパネルの表面(車体に対向する側の面)から車体側に膨出された部位である。膨出された枠部をインナパネルに備えることで、後部ドアを閉じた状態で枠部を車体のシール材に当接させることが可能である。
このインナパネルの裏面には溝状の凹部の開口部を跨いで補強部材が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
このオープンステーは、車体および後部ドア間に介装するために、オープンステーの一端部が車体に設けられ、他端部がインナパネルの取付部位に設けられている。
後部ドアが閉じてオープンステーが収縮されると、収縮されたオープンステーに伸張しようとする荷重が生じる。
よって、後部ドアを閉じた状態において、収縮されたオープンステーからインナパネルの取付部位に荷重(例えば、下向きの荷重)が作用する。
このため、オープンステーからの反力(荷重)がインナパネルの取付部位に作用する。
しかし、インナパネルの取付部位の剛性を確保するためには構成が複雑になり、この観点から改良の余地が残されていた。
これにより、溝状の凹部の開口部が広がることを補強部材の平坦部で効率よく抑えることができる。
このように、開状態保持機構の一端部を、第1締結部位および第2締結部位に締結(共締め)することで、開状態保持機構の一端部を強固に取り付けることができる。
これにより、開状態保持機構から作用する荷重を簡単な構成で確実に支えることができる。
加えて、開状態保持機構の一端部を、第1締結部位および第2締結部位に締結(共締め)することで、開状態保持機構の一端部を第1、第2の締結部位に個別に取り付ける場合と比較して部品点数を減らすことができる。
さらに、請求項1に係る発明では、インナパネルの外側部のうち、後部ドアの壁面方向外側に外周部を備えた。そして、この外周部を車体の内側に向けて折り曲げ、折り曲げた外周部に補強部材の外フランジを接合させた。
このように、インナパネルの外周部に補強部材の外フランジを接合させることで、インナパネルに作用する荷重で溝状の凹部の開口部が広がる方向に変形することを一層良好に防ぐことができる。
よって、内側部から外側部に向かう引張荷重に対して、平坦部の剛性を高めることができる。
これにより、インナパネルに作用する荷重で、溝状の凹部の開口部が広がる方向に変形することを一層良好に防ぐことができる。
よって、第2締結部位の剛性を補強用のビードで高めることができる。
これにより、開状態保持機構の一端部から第2締結部位に作用する荷重を第2締結部位で確実に支えることができ、補強部材の変形を抑えることができる。
よって、内側部から外側部に向かう引張荷重に対して、平坦部の剛性を一層高めることができる。
これにより、インナパネルに作用する荷重で補強部材が変形することを一層良好に抑えることができる。
よって、開状態保持機構をインナパネル側に近づけることが可能になり、開状態保持機構の一端部を第1締結部位に近づけた状態で締結することができる。
これにより、開状態保持機構の一端部から第1締結部位に作用する曲げモーメントを小さく抑えることができる。
したがって、開状態保持機構の一端部を第1締結部位で確実に支えることができる。
車両の後部ドア構造10は、車体11の後部12に開口部13が形成され、開口部13の上部にテールゲート(後部ドア)15の上端部15aがヒンジ部(図示せず)を介して回動自在に支持され、後部12およびテールゲート15に開状態保持機構16が設けられている。
ブラケット36は、車体11の開口部13に設けられている。
ねじ部45が、後述する第1締結部位41の取付孔41aおよび第2締結部位42の取付孔42aに差し込まれ、取付孔42aから突出したねじ部45が溶接ナット48にねじ結合されている。
球体47にピストンロッド37の端部37aが旋回(回動)自在に連結されている。
これにより、ピストンロッド37の端部37aがボールジョイント33を介して第1、第2の締結連結部位41,42に設けられている。
テールゲート15は、車体11の外側に配置されたアウタパネル21と、車体11の内側に配置されたインナパネル22と、インナパネル22の左・右側の中央角部23,24にそれぞれ設けられた左右の補強部材(補強部材)26,27と、アウタパネル21の開口部21aおよびインナパネル22の開口部22aを覆うリヤ窓ガラス29とを備えている。
テールゲート15をヒンジ部(図示せず)を軸にして上下方向にスイング移動(揺動)することで、車体11の開口部13(図1参照)が開閉される。
このインナパネル22は、アウタパネル21の外周部51に沿った外周部55を有する外側部50と、上半部に窓用の開口部22aを形成する環状の内周部56を有する内側部54と、外側部50および内側部54間に設けられた溝状の凹部66とを備えている。
具体的には、外側部50は、アウタパネル21の外周部51に沿った外周部55と、外周部55の内側に沿って設けられた収納凹部64とを備えている。
具体的には、外周部55は、枠部58の外側に沿って設けられ、車体11の内側(すなわち、車体前方向)に向けて折り曲げられた部位である。
この外周部55の外縁55aがアウタパネル21の外縁51aにヘミング加工で固定されている。
なお、収納凹部64については図4〜図6で詳しく説明する。
具体的には、内側部54は、上半部に窓用の開口部22aを形成する環状の内周部56と、内周部56の外側に沿って設けられた折曲部59とを備えている。
この内周部56がアウタパネル21の内周部56にスポット溶接で一体に接合されている。
折曲部59は、内周部56と溝状の凹部66との間に介在する部位である。
溝状の凹部66については図4〜図6で詳しく説明する。
外周部55および内周部56間の枠部58は、テールゲート15を閉じた状態で車体11のシール材61(図3参照)に当接可能な膨出部63と、オープンステー31を収容可能な収納凹部64とを備えている。
枠部58の前面58a側に膨出部63を設けることで、枠部58の後面(車体に対して反対側の面)58b側に溝状の凹部66が形成されている。
この収納凹部64は、溝状の凹部66および外周部55間において、車体外側に向けて凹むように形成されている。
第1締結部位41は、略矩形状に形成され、略中央にボールジョイント33を取り付けるための取付孔41aが形成されている。
第1締結部位41にボールジョイント33を取り付けた状態で、オープンステー31(具体的には、オープンステー31のチューブシリンダ35)が収納凹部64に収容されている。
オープンステー31のチューブシリンダ35を収納凹部64に収容することで、オープンステー31をインナパネル22側に近づけることができる。
オープンステー31をインナパネル22側に近づけることで、ピストンロッド37の端部37aを第1締結部位41に近づけた状態で締結することができる。
すなわち、ジョイントロッド44の六角フランジ部46から球体47までの距離Lを短く設定することができる。
これにより、ジョイントロッド44に作用した荷重F1を第1、第2の締結部位41,42で確実に支えることができる。
これにより、インナパネル22の第1締結部位41を補強するために、新たな補強部材を用意する必要がなく、構成が複雑になることを防ぐことができる。
この左補強部材26は、インナパネル22の外周部55に設けられた外フランジ71と、インナパネル22の内周部56に設けられた内フランジ72と、外フランジ71および内フランジ72間に介在された平坦部73とを備えている。
この外フランジ71は、図6に示すように、インナパネル22の外周部55に対して外方に配置されるように車体11内側に向けて折り曲げられて外周部55にスポット溶接で接合されている。
この内フランジ72は、上端部72aに上折曲部(上ビード)77が形成され、下端部72bに下折曲部(下ビード)78が形成されている。
内フランジ72に上下の折曲部77,78を形成することで、内フランジ72の剛性を高めることができる。
よって、内フランジ72、すなわち左補強部材26の加工を容易にすることができる。
接合部位79a,79bは、上折曲部77の両側に配置されている。
接合部位79d,79eは、下折曲部78の両側に配置されている。
溝状の凹部を跨ぐように平坦部73を外周部55および内周部56に架け渡すことで、溝状の凹部66の開口部67が広がることを平坦部73で効率よく抑えることができる。
このように、インナパネル22の外周部55に外フランジ71を接合させることで、インナパネル22に作用する荷重で溝状の凹部66の開口部67が広がる方向に変形することを一層良好に防ぐことができる。
段差部75は、主平坦部74に対して車体前方に向けて深さ寸法D1(図7も参照)だけ凹んだ状態に形成されている。
第2締結部位42に取付孔42aが形成されている。
また、第2締結部位42の後面42bに、取付孔42aに対して同軸上に溶接ナット48が溶接されている。
重ね合わせた第1締結部位41および第2締結部位42にボールジョイント33を締結(共締め)することで、ボールジョイント33を第1、第2の締結部位41,42に強固に取り付けることができる。
これにより、オープンステー31から第1、第2の締結部位41,42に作用する荷重を簡単な構成で確実に支えることができる。
加えて、第1締結部位41および第2締結部位42にボールジョイント33を一体に締結(共締め)することで、ボールジョイント33を第1、第2の締結部位41,42に個別に取り付ける場合と比較して部品点数を減らすことができる。
第2締結部位42上方に段部(折曲部)76を設けることで段部76近傍の部位の剛性が高められている。
上折曲部(上ビード)77の下端部近傍は、接合部位79bがスポット溶接で内周部56,52に接合されている。
よって、上折曲部(上ビード)77の下端部近傍は剛性が高められている。
よって、第1ビード81は、インナパネル22の外周部55近傍およびインナパネル22の内周部56に渡って延出されている。
さらに、第2ビード82は、内端部82bが内フランジ72の接合部位79d近傍まで延出されている。
よって、内フランジ72の接合部位79d近傍は剛性が高められている。
第2ビード82の内端部82bが剛性の高い内フランジ72の接合部位79d近傍まで延出されることで、左補強部材26の剛性を一層高めることができる。
よって、第2ビード82は、インナパネル22の外周部55近傍およびインナパネル22の内周部56に渡って延出されている。
下端部71bの接合部位86は、インナパネル22の外周部55にスポット溶接で接合されることで剛性が高められている。
下折曲部(下ビード)78の上端部近傍は、接合部位79dがスポット溶接で内周部56,52に接合されている。
よって、下折曲部(下ビード)78の上端部近傍は剛性が高められている。
よって、第3ビード83は、インナパネル22の外周部55およびインナパネル22の内周部56に渡って延出されている。
前述したように、下端部71bの接合部位86は、インナパネル22の外周部55にスポット溶接で接合されることで剛性が高められている。
下折曲部(下ビード)78の下端部近傍は、接合部位79eがスポット溶接で内周部56,52に接合されている。
よって、下折曲部(下ビード)78の下端部近傍は剛性が高められている。
よって、第4ビード84は、インナパネル22の外周部55およびインナパネル22の内周部56に渡って延出されている。
加えて、第3〜第4のビード83,84がインナパネル22の外周部55および内周部56に渡って延出されている。
インナパネル22の外周部55に作用する引張荷重F2とは、インナパネル22の内周部56から外周部55に向かう引張荷重である。
これにより、インナパネル22に作用する荷重で、溝状の凹部66の開口部67が広がる方向に変形することを一層良好に防ぐことができる。
よって、第2締結部位42の剛性を第1〜第2のビード81,82で高めることができる。
これにより、ボールジョイント33から第2締結部位42に作用する荷重を第2締結部位42で確実に支えることができる。
よって、前述したように、左補強部材26の剛性を一層高めることができる。
したがって、インナパネル22に作用する引張荷重で、溝状の凹部66の開口部67が広がる方向に変形することを一層良好に防ぐことができる。
このワイヤハーネスは、アウタパネル21(図1参照)、左補強部材26およびインナパネル22を組み付けた後、左補強部材26の上端部26a側から左補強部材26と溝状の凹部66との間の空間89に挿通される。
このため、ワイヤハーネスを引き出すための治具を、左補強部材26の下端部26b側から左補強部材26と溝状の凹部66との間の空間89に差し込む必要がある。
そこで、図4、図5に示すように、左補強部材26の下端部26aに、アウタパネル21(図1参照)に向けて折り曲げられた折曲片87を備えた。
これにより、左補強部材26と溝状の凹部66との間の空間89(図3参照)に、ワイヤハーネスを引き出すための治具を確実に差し込むことができる。
右補強部材27は、左補強部材26と同様に、図示しない右側のボールジョイント33(すなわち、ピストンロッド37の端部37a)が取り付けられる部材であり、左補強部材26と略左右対称の部材である。
Claims (6)
- 車体の開口部を開閉する後部ドアを備え、この後部ドアの壁部をインナパネルで形成し、このインナパネルに補強部材が設けられるとともに開状態保持機構の一端部が設けられ、この開状態保持機構の他端部が車体に設けられた車両の後部ドア構造であって、
前記インナパネルは、
前記車体の内側に向けて膨出することで前記車体に対して反対側の面に形成された溝状の凹部と、
前記開状態保持機構の一端部が締結される第1締結部位と、備え、
前記補強部材は、
前記後部ドアの壁面方向において前記溝状の凹部の外側に位置する外側部および内側に位置する内側部に架け渡されることにより、前記溝状の凹部を跨ぐように設けられた平坦部と、
前記開状態保持機構の一端部が前記第1締結部位とともに締結される第2締結部位と、を備え、
前記インナパネルは、
前記外側部のうち、前記後部ドアの壁面方向において、前記開状態保持機構より外側に位置しており、前記車体内側に向けて折り曲げられた外周部を備え、
前記補強部材は、
前記外周部に対して外方に配置されるように前記車体内側に向けて折り曲げられた外フランジを備え、
この外フランジが前記外周部に接合されたことを特徴とする車両の後部ドア構造。 - 前記補強部材は、
前記平坦部において、前記外側部および前記内側部に渡って延出された補強用のビードが設けられたことを特徴とする請求項1記載の車両の後部ドア構造。 - 前記補強用のビードは、
前記開状態保持機構の一端部が締結された前記第2締結部位の近傍まで延出されたことを特徴とする請求項2記載の車両の後部ドア構造。 - 前記補強用のビードは、
前記インナパネルと前記補強部材とを接合した接合部位または接合部位近傍まで延出されたことを特徴とする請求項2または請求項3記載の車両の後部ドア構造。 - 前記インナパネルは、
前記第1締結部位の近傍から前記開状態保持機構に沿って車体外側に向けて凹ませることで、前記開状態保持機構を収容可能な収容凹部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の後部ドア構造。 - 前記インナパネルに前記溝状の凹部を設けることで、前記溝状の凹部の反対側の面に膨出部が設けられ、
前記膨出部は、前記車体に設けられたシール材に当接可能に形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の後部ドア構造。
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