JP5222659B2 - 半導体デバイス及びその製造方法、光通信システム - Google Patents

半導体デバイス及びその製造方法、光通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP5222659B2
JP5222659B2 JP2008203486A JP2008203486A JP5222659B2 JP 5222659 B2 JP5222659 B2 JP 5222659B2 JP 2008203486 A JP2008203486 A JP 2008203486A JP 2008203486 A JP2008203486 A JP 2008203486A JP 5222659 B2 JP5222659 B2 JP 5222659B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
side barrier
band
energy level
wetting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008203486A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010040872A (ja
Inventor
奈美 安岡
広治 江部
泰彦 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
University of Tokyo NUC
Original Assignee
Fujitsu Ltd
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd, University of Tokyo NUC filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2008203486A priority Critical patent/JP5222659B2/ja
Publication of JP2010040872A publication Critical patent/JP2010040872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5222659B2 publication Critical patent/JP5222659B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

本発明は、半導体デバイス及びその製造方法、光モジュール、光通信システムに関し、特に量子ドットを用いて光信号を増幅する半導体光増幅器(SOA;Semiconductor Optical Amplifier)に用いて好適の半導体デバイス及びその製造方法、光モジュール、光通信システムに関する。
近年の通信需要の飛躍的な増大に伴い、加入者に身近なメトロ・アクセス系にも大容量で高速なフォトニックネットワークの適用範囲が広がっている。
特に、LANシステムのOTDM−NIC(光時分割多重−ネットワークインターフェースカード)への集積化に向けて、高効率で低消費電力のSOAが必要である。また、SOAには例えば50度以上での高温動作が要求されると考えられる。
N. Yasuoka, K. Kawaguchi, H. Ebe, T. Akiyama, M. Ekawa, S. Tanaka, K. Morito, M. Sugawara, and Y. Arakawa, "Demonstration of transverse-magnetic dominant gain in quantum dot semiconductor optical amplifiers", Appl. Phys. Lett. 92 101108 (2008) 特開2007−227568号公報
ところで、活性層に量子ドットを用いたSOA(量子ドットSOA)は、利得帯域が広く、その実用化が望まれる。
また、3次元ナノスケールでキャリアを閉じ込める量子ドットSOAは、状態数がエネルギに対して離散的に存在するため、高温で良好な温度特性が得られると期待される。
しかしながら、実際には、従来の量子ドットSOA(SCH層とサイドバリア層とが同一の材料・組成になっているもの)では、高温で十分な利得が得られないことが分かった。
そこで、量子ドットを用いた半導体デバイスにおいて、高温で十分な利得が得られるようにしたい。
このため、本半導体デバイスは、複数の量子ドットを積層させてなる複合量子ドットと、量子ドットのそれぞれに連なる複数のウェッティング層と、各ウェッティング層上に形成され、各量子ドットの側面に接する複数のサイドバリア層と、複合量子ドットを挟む光ガイド層とを備える。そして、ウェッティング層とサイドバリア層とを交互に積層した積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、光ガイド層の伝導帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高い、又は、積層部のバンド構造の価電子帯の基底準位が、光ガイド層の価電子帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高いことを要件とする。
本光通信システムは、上記半導体デバイスを含む光モジュールを備えることを要件とする。
本半導体デバイスの製造方法は、半導体基板上に、第1の光ガイド層を形成し、第1の光ガイド層上に量子ドット及び量子ドットに連なるウェッティング層を形成し、ウェッティング層上に量子ドットの側面に接するサイドバリア層を形成して、量子ドット、ウェッティング層及びサイドバリア層を含む一の量子ドット層を形成し、一の量子ドット層上に、少なくとも1層の他の量子ドット層を形成し、他の量子ドット層上に、第2の光ガイド層を形成することを含む。そして、サイドバリア層は、ウェッティング層とサイドバリア層とを交互に積層した積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、第1の又は第2の光ガイド層の伝導帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高くなるように、又は、積層部のバンド構造の価電子帯の基底準位が、第1の又は第2の光ガイド層の価電子帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高くなるように形成することを要件とする。
したがって、本半導体デバイス及びその製造方法、光通信システムによれば、量子ドットを用いた半導体デバイスにおいて、高温で十分な利得が得られるという利点がある。
以下、図面により、本実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法、光モジュール、光通信システムについて説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法について、図1〜図8を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる半導体デバイス(光半導体素子)は、量子ドットを用いて光信号を増幅する半導体光増幅器(SOA;Semiconductor Optical Amplifier;量子ドットSOA)であって、図2に示すように、半導体基板(ここではn−InP基板)1上に、下側クラッド層(ここではn−InP層)2、量子ドット活性層3、上側クラッド層(ここではp−InP層)4、電流狭窄層(ここでは半絶縁性InP埋込層;SI−InP埋込層)5、電極6、シリコン酸化膜7を備える埋込型量子ドットSOAとして構成される。
本実施形態では、量子ドット活性層3は、図3に示すように、複数の量子ドット(ここではInAs量子ドット)8を積層させてなるコラムナ量子ドット(ここではInAsコラムナ量子ドット;コラムナドット;複合量子ドット)9と、各量子ドット8のそれぞれに連なる複数のウェッティング層(ここではInAsウェッティング層)10と、各量子ドット8のそれぞれに連なる各ウェッティング層10上に形成され、各量子ドット8の側面に接する複数のサイドバリア層(ここではAlAsサイドバリア層)11と、コラムナドット9の上下に設けられたSCH層(Separate Confinement Heterostructure;分離閉じ込めヘテロ構造;ここではInGaAsP−SCH層;光ガイド層;光閉じ込め層;バリア層)12とを備えるものとして構成される。なお、図3では、1つのコラムナドット9及びその周辺を拡大して示している。
つまり、本実施形態では、量子ドット活性層3は、図2に示すように、複数(複数段;ここでは2段)のコラムナドット9を含む層14を備え、これらの層14がSCH層12を介して積層された構造になっている。
また、本実施形態では、図3に示すように、一つの量子ドット8、一層のウェッティング層10及び一層のサイドバリア層11によって一層の量子ドット層13が形成され、このような量子ドット層13を複数積層させたものとして、コラムナドット9を含む層14が構成される。なお、量子ドット層13の積層数、即ち、コラムナドット9を構成する量子ドット8の積層数は任意に設定すれば良い。
ここで、コラムナドット9は、図3に示すように、量子ドット8を近接積層させた構造になっている。このようなコラムナドット9を用いることによって、量子ドットSOAにおいて、利得特性の偏波無依存化を実現することができる。
また、ウェッティング層10とは、量子ドット8を形成するときに同時に形成される薄膜層である。つまり、ウェッティング層10は、量子ドット8と同一の材料・組成になっている。
また、サイドバリア層11には、歪みが導入されている。これにより、コラムナドット9に蓄積される歪みを緩和するようにしている。
ところで、従来の量子ドットSOA(SCH層とサイドバリア層とが同一の材料・組成になっているもの)の利得の温度依存性を解析した結果、コラムナドット9を形成する際に同時に形成される、ウェッティング層10とサイドバリア層11とが交互に積層されてなる積層部15(図3参照)のバンド構造(ミニバンド)が、高温動作を阻害する原因になっていることが分かってきた。つまり、SOA動作時のキャリアの注入による擬フェルミ準位の変化は、積層部15のバンド構造の影響を受けることが計算から分かってきた。
特に、高温動作させるためには、擬フェルミ準位が高エネルギレベルに存在していることが必要であるが、積層部15のバンド構造の基底準位によっては、キャリアを注入しても擬フェルミ準位を高エネルギレベルに位置させることができないことが分かってきた。つまり、積層部15(ミニバンド)の状態数がコラムナドット9の状態数と比較して大きいため、擬フェルミ準位がピンディングされ、これにより、高温動作時の利得が減少してしまうことが分かってきた。
このため、高温動作時に十分な利得が得られるようにするためには、状態数が大きいミニバンドの影響を抑える必要がある。
ここで、図4は、InP基板上にInAs量子ドットを積層させてコラムナドットを形成してなる従来の量子ドットSOA(SCH層とサイドバリア層とが同一の材料・組成になっているもの)において、ウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成される積層部のバンド構造を示している。
なお、ここでは、InAs量子ドットと同時に形成されるInAsウェッティング層の厚さを0.5nmとし、SCH層をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層とし、サイドバリア層をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層(厚さ1.0nm)としている。また、図4中、左側のバンド構造は、コラムナドット及びSCH層が形成するバンド構造であり、図4中、右側のバンド構造は、ウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成される積層部のバンド構造である。
図4に示すように、コラムナドット及びSCH層が形成するバンド構造のほかに、ウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成される積層部のバンド構造があり、この積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、SCH層の伝導帯のエネルギ準位よりも低く、かつ、その価電子帯の基底準位が、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも低くなっていると[即ち、積層部(ミニバンド)のバンドギャップEgがSCH層のバンドギャップEgSCHよりも狭くなっていると]、状態数が大きいミニバンドの影響を受け、キャリアを注入しても擬フェルミ準位を高エネルギレベルに位置させることができず、高温動作時の利得が減少してしまうことが分かってきた。
一方、ミニバンドの影響を受けない構造として、ウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成される積層部のバンド構造の基底準位を、SCH層のエネルギ準位まで広げることが有効であることが計算結果から分かった。
そこで、本実施形態では、図1に示すように、ウェッティング層10とサイドバリア層11とが交互に積層されて形成された積層部15のバンド構造の伝導帯の基底準位が、SCH層(光ガイド層)12の伝導帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなるようにしている。
また、本実施形態では、ウェッティング層10とサイドバリア層11とによって形成されるバンド構造の価電子帯の基底準位が、SCH層(光ガイド層)12の価電子帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなるようにしている。
ここで、図5(A),(B)は、従来の量子ドットSOAの伝導帯側の擬フェルミ準位及び状態数(状態密度)を示す図であり、図5(C),(D)は、本実施形態の構造の伝導帯側の擬フェルミ準位及び状態数(状態密度)を示す図である。
なお、図5(A),(B),(C),(D)中、濃い部分は温度が60℃の場合、薄い部分は温度が25℃の場合を示している。また、図5(A),(B)中、Ef25は25℃の場合の擬フェルミ準位であり、Ef60は60℃の場合の擬フェルミ準位である。
図5(A),(B)に示すように、従来の量子ドットSOAでは、伝導帯側の擬フェルミ準位(擬フェルミエネルギ)は、ウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成されるミニバンドのエネルギレベルの中のコラムナトッドのエネルギレベルに近い側に位置する。なお、価電子帯では、擬フェルミ準位(擬フェルミエネルギ)は、コラムナドットのエネルギレベルとミニバンドのエネルギレベルの境界あたりに位置する。また、ミニバンドの状態数(状態密度)は、コラムナドットの状態数(状態密度)よりも1桁高い。
これに対し、本実施形態では、図5(C),(D)に示すように、ミニバンドが形成するエネルギ位置(基底準位)を高くすることで、擬フェルミ準位(フェルミエネルギ)を高エネルギレベルに位置させることができる。これにより、コラムナドットの基底準位と擬フェルミ準位(フェルミエネルギ)との差が大きくなり、高温での利得の減少率が小さくなる。
特に、本実施形態では、図1に示すように、サイドバリア層11のバンドギャップが、SCH層(光ガイド層)12のバンドギャップよりも広くなっている。つまり、サイドバリア層11は、SCH層12のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する材料及び組成によって形成されている。
このように、ウェッティング層10のバンドギャップがSCH層12のバンドギャップよりも狭い場合、サイドバリア層11の材料・組成によってサイドバリア層11のバンドギャップを制御することで、図1に示すように、ミニバンドのバンドギャップEgをSCH層12のバンドキャップEgSCHよりも広く設定することができる。
具体的には、SCH層12をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層とし、サイドバリア層11をAlAs層(厚さ1.0nm)とすれば良い。なお、ウェッティング層10はInAs層(厚さ0.5nm)であり、基板1はInP基板である。
この場合、図6に示すように、サイドバリア層11の伝導帯のエネルギ準位は、SCH層12の伝導帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔScは0.38eVとなる。
一方、ウェッティング層10の伝導帯のエネルギ準位は、SCH層12の伝導帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWcは0.37eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11とによって形成されるミニバンドの伝導帯の基底準位は、SCH層12の伝導帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔMbcは0.34eVとなる。
一方、AlAsサイドバリア層11には歪みが導入されているため、価電子帯のバンド構造は軽い正孔(ライトホール)と重い正孔(ヘビーホール)とで分離する。
サイドバリア層11の重い正孔のエネルギ準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔShhは0.42eVとなる。
一方、ウェッティング層10の重い正孔のエネルギ準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWhhは0.35eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11とによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔMbhhは0.25eVとなる。
また、サイドバリア層11の軽い正孔のエネルギ準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔSlhは0.16eVとなる。
一方、ウェッティング層10の軽い正孔のエネルギ準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWlhは0.20eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11とによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔMblhは0.09eVとなる。
なお、サイドバリア層11の構成はこれに限られるものではない。例えば、サイドバリア層をInAlAs層(厚さ1.0nm)としても良い。また、SCH層12は、AlGaInAsによって形成しても良い。これらの場合も、ミニバンドの伝導帯の基底準位が、SCH層12の伝導帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなり、かつ、ミニバンドの価電子帯の基底準位が、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなる。
これに対し、SCH層をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層(λg=1.1μm)とし、サイドバリア層をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層(厚さ1.0nm)とし、SCH層とサイドバリア層とを同一の材料・組成にした比較例の場合、バンド構造は図7に示すようになる。なお、ウェッティング層はInAs層(厚さ0.5nm)であり、基板はInP基板である。
まず、サイドバリア層の伝導帯のエネルギ準位は、SCH層の伝導帯のエネルギ準位と同じであり、その差ΔScは0.00eVとなる。
一方、ウェッティング層の伝導帯のエネルギ準位は、SCH層の伝導帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWcは0.37eVである。
したがって、ウェッティング層とサイドバリア層とによって形成されるミニバンドの伝導帯の基底準位は、SCH層の伝導帯のエネルギ準位よりも低くなり、その差ΔMbcは0.02eVとなる。
また、サイドバリア層の価電子帯のエネルギ準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位と同じであり、その差ΔShは0.00eVとなる。
一方、ウェッティング層の価電子帯のエネルギ準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWhは0.34eVである。
したがって、ウェッティング層とサイドバリア層とによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも低くなり、その差ΔMbhは0.02eVとなる。
なお、この比較例の構成は、ひずみ系ではないため、バンドはスプリットしない。
このような比較例の構造では、ミニバンドのバンドギャップEgがSCH層のバンドキャップEgSCHよりも狭くなる(Eg<EgSCH)。
これに対し、本実施形態のように、サイドバリア層11にAlAs層を用いることで、図6に示すように、ミニバンドのバンドギャップEgをSCH層12のバンドキャップEgSCHよりも広くすることができる(Eg>EgSCH)。
次に、本実施形態にかかる半導体デバイス(量子ドットSOA)の製造方法について、図8を参照しながら説明する。
まず、図8(A)に示すように、n−InP基板1上に、例えばMBE法やMOVPE法によって、n−InP下側クラッド層2を形成する。
次に、図8(A)に示すように、クラッド層2上に、InGaAsP−SCH層(光ガイド層)12、InAsコラムナドット9を含む層14、InGaAsP−SCH層(光ガイド層)12、InAsコラムナドット9を含む層14、InGaAsP−SCH層(光ガイド層)12を順に積層して量子ドット活性層3を形成する。
なお、ここでは、コラムナドット9を含む層14を2つ積層した構造にしているが、これに限られるものではなく、積層数は任意に設定すれば良い。
ここで、コラムナドット9を含む層14は、以下のようにして形成する。
まず、InAs量子ドット8を形成する(図3参照)。具体的には、例えばMBE法又はMOVPE法等によって、半導体基板1を構成するInPとの間における格子不整合に起因して、島状の量子ドット8が自己形成される。このようにして、SCH層12上にInAsからなる量子ドット8を形成する。この際、InAs量子ドット8と同時にInAsウェッティング層10も形成される(図3参照)。
次いで、AlAsサイドバリア層11を形成する(図3参照)。具体的には、例えばMBE法又はMOVPE法等によって、量子ドット8が埋設しない程度の膜厚のサイドバリア層11を形成する。
次に、このようにして形成された量子ドット8及びサイドバリア層11上に、同様の方法で、島状の量子ドット8を形成した後、サイドバリア層11を形成する(図3参照)。
以降、このような工程を所望の回数だけ繰り返し行なって、複数(図3では説明の便宜上、5つ積層したものを図示している)の量子ドット8を積層させてなるコラムナドット9が形成される(図3参照)。
ここで、量子ドット8及びサイドバリア層11上に次の量子ドット8を形成する場合、量子ドット8は量子ドット8の直上に形成されやすく、量子ドット8が上下で接合されることになる。このため、量子ドット8上に量子ドット8が形成され、量子ドット8が積み重ねられたコラムナドット9(量子ドット積層体)が形成されることになる(図3参照)。また、ウェッティング層10上にサイドバリア層11が形成され、ウェッティング層10とサイドバリア層11とが交互に積層された積層部15が形成されることになる。
このように、本実施形態では、まず、半導体基板1上に、下側の光ガイド層(SCH層)12を形成する(図3参照)。次いで、下側の光ガイド層12上に量子ドット8及び量子ドット8に連なるウェッティング層10を形成する(図3参照)。次に、ウェッティング層10上に量子ドット8の側面に接するサイドバリア層11を形成して、量子ドット8、ウェッティング層10及びサイドバリア層11を含む一の量子ドット層13を形成する(図3参照)。その後、一の量子ドット層13上に、少なくとも1層(ここでは5層)の他の量子ドット層13を形成する(図3参照)。そして、他の量子ドット層13上に、上側の光ガイド層(SCH層)12を形成する(図3参照)。
特に、本実施形態では、サイドバリア層11は、ウェッティング層10とサイドバリア層11とが交互に積層されて形成された積層部15のバンド構造の伝導帯の基底準位が、光ガイド層(SCH層)12の伝導帯のエネルギ準位と等しい又はそれよりも高くなり、かつ、積層部15のバンド構造の価電子帯の基底準位が、光ガイド層(SCH層)12の価電子帯のエネルギ準位と等しい又はそれよりも高くなるように、その材料、組成及び厚さを設定すべく、SCH層12をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層とし、サイドバリア層11をAlAs層(厚さ1.0nm)とし、ウェッティング層10をInAs層(厚さ0.5nm)としている。
ここでは、サイドバリア層11は、光ガイド層(SCH層)12のバンドギャップよりも広いバンドギャップとなる材料及び組成に設定されている。また、本実施形態では、サイドバリア層11は、歪みを生じる材料及び組成に設定されている。つまり、サイドバリア層11として、歪みを有するサイドバリア層を形成する。
次に、図8(B)に示すように、最も上側のSCH層12上に、p−InP上側クラッド層4を形成する。
続いて、図8(C)に示すように、例えばリソグラフィー及びエッチングによって、ストライプ形状のメサ構造を形成する。
次いで、図8(D)に示すように、ストライプ形状のメサ構造の両側を埋め込むように、半絶縁性InP埋込層5を形成する。
続いて、図8(E)に示すように、クラッド層4及び埋込層5上に、シリコン酸化膜7を成膜する。
次に、図8(E)に示すように、シリコン酸化膜7を、例えばリソグラフィー及びエッチングによって、クラッド層4上の一部を露出させ、例えば電子ビーム蒸着法によって、例えばチタン(Ti)膜と、プラチナ(Pt)膜とを堆積させ、さらに、チタン膜及びプラチナ膜をシードとして、メッキ法によって、プラチナ膜上に金(Au)膜を堆積させて、図8(F)に示すように、電極6を形成する。
このようにして、本半導体デバイス(量子ドットSOA)が完成する。
したがって、本実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法によれば、量子ドットを用いた半導体デバイス(量子ドットSOA)において、高温で十分な利得が得られるという利点がある。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法について、図9〜図11を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる半導体デバイスは、そのバンド構造において、上述の第1実施形態のものに対し、図9に示すように、ウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成された積層部のバンド構造の価電子帯の基底準位が、SCH層(光ガイド層)の価電子帯のエネルギ準位よりも低くなるのに対し、積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、SCH層(光ガイド層)の伝導帯のエネルギ準位と等しい又はそれよりも高くなるようにしている点が異なる。
このため、本実施形態では、図10に示すように、サイドバリア層11Aは、InGaP層である。なお、SCH層12は、上述の第1実施形態と同様に、InGaAsP層である。また、図10では、上述の第1実施形態のもの(図3参照)と同一のものには同一の符号を付している。
具体的には、SCH層12をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層とし、サイドバリア層11AをIn0.56Ga0.44P層(厚さ1.0nm)とすれば良い。なお、ウェッティング層10はInAs層(厚さ0.5nm)であり、基板1はInP基板である。
この場合、図9に示すように、サイドバリア層11Aの伝導帯のエネルギ準位は、SCH層12の伝導帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔScは0.24eVとなる。
一方、ウェッティング層10の伝導帯のエネルギ準位は、SCH層12の伝導帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWcは0.37eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11Aとによって形成されるミニバンドの伝導帯の基底準位は、SCH層12の伝導帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔMbcは0.22eVとなる。
このようにして、本実施形態では、図9に示すように、ミニバンドが形成するエネルギ位置(基底準位)を高くすることで、擬フェルミ準位(フェルミエネルギ)を高エネルギレベルに位置させることができる。これにより、コラムナドット9の基底準位と擬フェルミ準位(フェルミエネルギ)との差が大きくなり、高温での利得の減少率が小さくなる。
なお、In0.56Ga0.44Pサイドバリア層11Aに歪みが導入されているため、価電子帯のバンド構造は軽い正孔(ライトホール)と重い正孔(ヘビーホール)とで分離する。
サイドバリア層11Aの軽い正孔のエネルギ準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも低くなり、その差ΔSlhは0.005eVとなる。
一方、ウェッティング層10の軽い正孔のエネルギ準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWlhは0.34eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11Aとによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも低くなり、その差ΔMblhは0.04eVとなる。
また、サイドバリア層11Aの重い正孔のエネルギ準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔShhは0.28eVとなる。
一方、ウェッティング層10の重い正孔のエネルギ準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWhhは0.19eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11Aとによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔMbhhは0.16eVとなる。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態のものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、量子ドットを用いた半導体デバイス(量子ドットSOA)において、高温で十分な利得が得られるという利点がある。
ここで、図11は、本構造と従来構造とを比較するために材料利得の温度変化(活性層の温度依存性)を計算した結果を示している。
なお、図11では、60℃の材料利得をg60とし、25℃の材料利得をg25とした場合の材料利得変化率(g60−g25)/g25を示している。この材料利得変化率は、利得の温度依存性が小さく、25℃と60℃とで材料利得の差が小さいほど、0に近い値となる。また、図11中、実線Aは、本構造(SCH層をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層とし、サイドバリア層をIn0.56Ga0.44P層とした場合)の材料利得変化率を示しており、点線Bは、従来構造(SCH層をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層とし、サイドバリア層をIn0.85Ga0.15As0.3270.637層とした場合)の材料利得変化率を示している。
図11中、実線Aで示すように、本構造の場合、波長1.55μmよりも長波長側で材料利得変化率が−0.1よりも小さくなっており、図11中、点線Bで示す従来構造と比較して材料利得変化率を改善できることがわかる。
例えば、波長1.55μmにおける利得値は、従来構造では、温度が25℃から60℃に変化すると、18dBから14dBに減少するのに対し、本構造では、25℃で21dB、60℃で20dBであり、ほとんど変化せず、温度依存性が小さい。
なお、上述の実施形態において、サイドバリア層11Aの構成はこれに限られるものではない。例えば、サイドバリア層をIn0.33Ga0.77As0.4950.505層(厚さ1.0nm;InGaAsP層)としても良い。この場合も、ミニバンドの伝導帯の基底準位が、SCH層の伝導帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなり、かつ、ミニバンドの価電子帯の基底準位が、SCH層12の価電子帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも低くなる。
この場合、サイドバリア層の伝導帯のエネルギ準位は、SCH層の伝導帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔScは0.14eVとなる。
一方、ウェッティング層の伝導帯のエネルギ準位は、SCH層の伝導帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWcは0.37eVである。
したがって、ウェッティング層とサイドバリア層とによって形成されるミニバンドの伝導帯の基底準位は、SCH層の伝導帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔMbcは0.11eVとなる。
このようにして、本実施形態では、ミニバンドが形成するエネルギ位置(基底準位)を高くすることで(図9参照)、擬フェルミ準位(フェルミエネルギ)を高エネルギレベルに位置させることができる。これにより、コラムナドット9の基底準位と擬フェルミ準位(フェルミエネルギ)との差が大きくなり、高温での利得の減少率が小さくなる。
なお、In0.33Ga0.77As0.4950.505サイドバリア層11Aに歪みが導入されているため、価電子帯のバンド構造は軽い正孔(ライトホール)と重い正孔(ヘビーホール)とで分離する。
サイドバリア層の軽い正孔のエネルギ準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも低くなり、その差ΔSlhは0.15eVとなる。
一方、ウェッティング層の軽い正孔のエネルギ準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWlhは0.19eVである。
したがって、ウェッティング層とサイドバリア層とによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも低くなり、その差ΔMblhは0.13eVとなる。
また、サイドバリア層の重い正孔のエネルギ準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔShhは0.10eVとなる。
一方、ウェッティング層の重い正孔のエネルギ準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWhhは0.34eVである。
したがって、ウェッティング層とサイドバリア層とによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層の価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔMbhhは0.02eVとなる。
また、上述の実施形態において、SCH層は、AlGaInAsによって形成しても良い。また、上述の実施形態において、SCH層は、InAlGaAsSb(例えばIn0.36Al0.34Ga0.30As0.853Sb0.147)によって形成し、サイドバリア層は、InGaAsP層(例えばIn0.33Ga0.77As0.4950.505層)によって形成しても良い。これらの場合も、ミニバンドの伝導帯の基底準位が、SCH層の伝導帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなり、かつ、ミニバンドの価電子帯の基底準位が、SCH層の価電子帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも低くなる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法について、図12,図13を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる半導体デバイスは、そのバンド構造において、上述の第1実施形態のものに対し、図12に示すように、ウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成された積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、SCH層(光ガイド層)の伝導帯のエネルギ準位よりも低くなるのに対し、積層部のバンド構造の価電子帯の基底準位が、SCH層(光ガイド層)の価電子帯のエネルギ準位と等しい又はそれよりも高くなるようにしている点が異なる。
このため、本実施形態では、図13に示すように、SCH層12Aは、GaAs層であり、サイドバリア層11Bは、InP層である。なお、図13では、上述の第1実施形態のもの(図3参照)と同一のものには同一の符号を付している。
具体的には、SCH層12AをGaAs層とし、サイドバリア層11Bを歪InP層(厚さ1.0nm)とすれば良い。なお、ウェッティング層10はInAs層(厚さ0.5nm)であり、基板はGaAs基板であり、クラッド層はAl0.35Ga0.65As層である。
この場合、図12に示すように、InPサイドバリア層11Bに歪みが導入されているため、価電子帯のバンド構造は軽い正孔(ライトホール)と重い正孔(ヘビーホール)とで分離する。
サイドバリア層11Bの軽い正孔のエネルギ準位は、SCH層12Aの価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔSlhは0.09eVとなる。
一方、ウェッティング層10の軽い正孔のエネルギ準位は、SCH層12Aの価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWlhは0.35eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11Bとによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層12Aの価電子帯のエネルギ準位と等しくなり、その差ΔMblhは0.00eVとなる。
また、サイドバリア層11Bの重い正孔のエネルギ準位は、SCH層12Aの価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔShhは0.15eVとなる。
一方、ウェッティング層10の重い正孔のエネルギ準位は、SCH層12Aの価電子帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWhhは0.20eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11Bとによって形成されるミニバンドの価電子帯の基底準位は、SCH層12Aの価電子帯のエネルギ準位よりも高くなり、その差ΔMbhhは0.08eVとなる。
このようにして、本実施形態では、図12に示すように、ミニバンドが形成するエネルギ位置(基底準位)を高くすることで、擬フェルミ準位(フェルミエネルギ)を高エネルギレベルに位置させることができる。これにより、コラムナドット9の基底準位と擬フェルミ準位(フェルミエネルギ)との差が大きくなり、高温での利得の減少率が小さくなる。
なお、サイドバリア層11Bの伝導帯のエネルギ準位は、SCH層12Aの伝導帯のエネルギ準位よりも低くなり、その差ΔScは0.08eVとなる。
一方、ウェッティング層10の伝導帯のエネルギ準位は、SCH層12Aの伝導帯のエネルギ準位よりも低く、その差ΔWcは0.66eVである。
したがって、ウェッティング層10とサイドバリア層11Bとによって形成されるミニバンドの伝導帯の基底準位は、SCH層12Aの伝導帯のエネルギ準位よりも低くなり、その差ΔMbcは0.11eVとなる。
なお、その他の詳細は、上述の第1実施形態のものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
したがって、本実施形態にかかる半導体デバイス及びその製造方法によれば、上述の第1実施形態の場合と同様に、量子ドットを用いた半導体デバイス(量子ドットSOA)において、高温で十分な利得が得られるという利点がある。
なお、上述の実施形態の構成に限られるものではなく、例えば、サイドバリア層を、InGaP層(例えばIn0.56Ga0.44P層;歪みが導入されているInGaP層)としても良い。また、サイドバリア層を、歪みが導入されていないIn0.85Ga0.15As0.330.67層としても良い。また、サイドバリア層のバンドギャップが、SCH層(光ガイド層)のバンドギャップよりも広くなるようにすることもできる。つまり、サイドバリア層11Bは、SCH層12Aのバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する材料及び組成によって形成することもできる。このような場合も、ミニバンドの伝導帯の基底準位が、SCH層の伝導帯のエネルギ準位よりも低くなるのに対し、ミニバンドの価電子帯の基底準位が、SCH層の価電子帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなる。
[その他]
なお、上述の各実施形態及びその変形例におけるウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成される積層部は、混晶化していても良い。つまり、ウェッティング層を構成する材料とサイドバリア層を構成する材料とが例えば熱や応力等によって相互拡散して、混晶化していても良い。この場合も上述の各実施形態と同様の効果が得られる。
また、上述の各実施形態及びその変形例の半導体デバイスは、他の素子とともに実装されて光モジュールが構成される。また、このように構成される光モジュールは、光通信用の送信装置や受信装置に設けられ、光通信システム(光通信システム)が構成される。
例えば、図14に示すように、PLCプラットフォーム20上に、本構造を用いたSOAアレイ21、CMOSからなるマルチプレクサ/デマルチプレクサ(MUX/DEMUX)22、ドライバ/アンプ回路23、光クロック24、光源/PD25などを実装することによって、集積化モジュール(光モジュール)としての光ゲート26が構成される。
そして、このような光ゲート26は、例えば図15に示すように、OTDM送信器30のフォーマット変換器31やOTDM受信器32のデマルチプレクサ(DEMUX)33に設けられ、光通信システム34が構成される。
また、上述の各実施形態及びその変形例における半導体基板、量子ドット及びウェッティング層、SCH層、サイドバリア層、クラッド層を構成する各材料は、上述の各実施形態及びその変形例のものに限られるものではなく、ウェッティング層とサイドバリア層とが交互に積層されて形成された積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、SCH層(光ガイド層)の伝導帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなるか、又は、ウェッティング層とサイドバリア層とによって形成されるバンド構造の価電子帯の基底準位が、SCH層(光ガイド層)の価電子帯のエネルギ準位と等しいか又はそれよりも高くなっていれば良い。
また、上述の各実施形態では、本発明を埋込型量子ドットSOAに適用した場合を例に説明しているが、これに限られるものではなく、本発明はリッジ型量子ドットSOAに適用することもできる。
また、上述の各実施形態では、半導体デバイスとして量子ドットSOAを例に説明しているが、これに限られるものではなく、本発明は、半導体レーザなどの量子ドットを用いる光半導体素子(量子ドット光半導体素子)に広く適用できるものである。
また、上述の各実施形態では、埋込層をFe−InP層などの半絶縁性InP層(SI−InP層;高抵抗半導体層)としているが、これに限られるものではなく、埋込層を例えばp型InP層及びn型InP層としても良い。
また、本発明は、上述した各実施形態及びその変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
本発明の第1実施形態にかかる半導体デバイスのバンド構造を示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体デバイスの構成を示す模式的断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる半導体デバイスのコラムナドット部分を拡大して示す模式的断面図である。 従来の量子ドットSOA(SCH層とサイドバリア層とが同一の材料・組成になっているもの)のバンド構造を示す図である。 (A),(B)は、従来の量子ドットSOAの伝導帯側の擬フェルミ準位及び状態数(状態密度)を示す図であり、(C),(D)は、本実施形態の構造の伝導帯側の擬フェルミ準位及び状態数(状態密度)を示す図である。 本発明の第1実施形態の具体的な構成例[In0.85Ga0.15As0.3270.637−SCH層、AlAsサイドバリア層(厚さ1.0nm)を用いたもの]のバンド構造を示す図である。 本発明の第1実施形態の比較例[In0.85Ga0.15As0.3270.637−SCH層、In0.85Ga0.15As0.3270.637サイドバリア層(厚さ1.0nm)を用いたもの]のバンド構造を示す図である。 (A)〜(F)は、本発明の第1実施形態にかかる半導体デバイスの製造方法を説明するための模式的断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体デバイスのバンド構造を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体デバイスの構成を示す模式的断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体デバイスにおける効果を説明するための図である。 本発明の第3実施形態にかかる半導体デバイスのバンド構造を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる半導体デバイスの構成を示す模式的断面図である。 本発明の各実施形態にかかる半導体デバイスを備える光モジュールの構成を示す模式的斜視図である。 本発明の各実施形態にかかる半導体デバイスを備える光通信システムの構成を示す模式図である。
符号の説明
1 n−InP基板(半導体基板)
2 n−InP下側クラッド層
3 量子ドット活性層
4 p−InP上側クラッド層
5 半絶縁性InP埋込層(電流狭窄層)
6 電極
7 シリコン酸化膜
8 InAs量子ドット
9 コラムナ量子ドット
10 InAsウェッティング層
11 AlAsサイドバリア層
11A InGaPサイドバリア層(In0.56Ga0.44Pサイドバリア層)
11B InGaPサイドバリア層(In0.1Ga0.9Pサイドバリア層)
12 InGaAsP−SCH層(光ガイド層)
12A GaAs−SCH層
14 コラムナドットを含む層
15 積層部
20 PLCプラットフォーム
21 SOAアレイ
22 マルチプレクサ/デマルチプレクサ(MUX/DEMUX)
23 ドライバ/アンプ回路
24 光クロック
25 光源/PD
26 光ゲート
30 OTDM送信器
31 フォーマット変換器
32 OTDM受信器
33 デマルチプレクサ(DEMUX)
34 光通信システム

Claims (7)

  1. 複数の量子ドットを積層させてなる複合量子ドットと、
    前記量子ドットのそれぞれに連なる複数のウェッティング層と、
    前記各ウェッティング層上に形成され、前記各量子ドットの側面に接する複数のサイドバリア層と、
    前記複合量子ドットを挟む光ガイド層とを備え、
    前記ウェッティング層と前記サイドバリア層とを交互に積層した積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、前記光ガイド層の伝導帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高い、又は、前記積層部のバンド構造の価電子帯の基底準位が、前記光ガイド層の価電子帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高いことを特徴とする半導体デバイス。
  2. 前記サイドバリア層は、歪みが導入されていることを特徴とする、請求項1記載の半導体デバイス。
  3. 前記光ガイド層が、InGaAsP層又はAlGaInAs層であり、
    前記サイドバリア層が、AlAs層又はInAlAs層であることを特徴とする、請求項1又は2記載の半導体デバイス。
  4. 前記光ガイド層が、InGaAsP層、AlGaInAs層又はInAlGaAsSb層であり、
    前記サイドバリア層が、InGaP層又はInGaAsP層であることを特徴とする、請求項1又は2記載の半導体デバイス。
  5. 前記光ガイド層が、GaAs層であり、
    前記サイドバリア層が、InGaAsP層又はInGaP層であることを特徴とする、請求項1又は2記載の半導体デバイス。
  6. 半導体デバイスを含む光モジュールを備え、
    前記半導体デバイスが、
    複数の量子ドットを積層させてなる複合量子ドットと、
    前記量子ドットのそれぞれに連なる複数のウェッティング層と、
    前記各ウェッティング層上に形成され、前記各量子ドットの側面に接する複数のサイドバリア層と、
    前記複合量子ドットを挟む光ガイド層とを備え、
    前記ウェッティング層と前記サイドバリア層とを交互に積層した積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、前記光ガイド層の伝導帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高い、又は、前記積層部のバンド構造の価電子帯の基底準位が、前記光ガイド層の価電子帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高いことを特徴とする光通信システム。
  7. 半導体基板上に、第1の光ガイド層を形成し、
    前記第1の光ガイド層上に量子ドット及び前記量子ドットに連なるウェッティング層を形成し、前記ウェッティング層上に前記量子ドットの側面に接するサイドバリア層を形成して、前記量子ドット、前記ウェッティング層及び前記サイドバリア層を含む一の量子ドット層を形成し、
    前記一の量子ドット層上に、少なくとも1層の他の量子ドット層を形成し、
    前記他の量子ドット層上に、第2の光ガイド層を形成することを含み、
    前記サイドバリア層は、前記ウェッティング層と前記サイドバリア層とを交互に積層した積層部のバンド構造の伝導帯の基底準位が、前記第1の又は第2の光ガイド層の伝導帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高くなるように、又は、前記積層部のバンド構造の価電子帯の基底準位が、前記第1の又は第2の光ガイド層の価電子帯のエネルギ準位と等しい若しくはそれよりも高くなるように形成することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
JP2008203486A 2008-08-06 2008-08-06 半導体デバイス及びその製造方法、光通信システム Active JP5222659B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008203486A JP5222659B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 半導体デバイス及びその製造方法、光通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008203486A JP5222659B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 半導体デバイス及びその製造方法、光通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010040872A JP2010040872A (ja) 2010-02-18
JP5222659B2 true JP5222659B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=42013080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008203486A Active JP5222659B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 半導体デバイス及びその製造方法、光通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5222659B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013016539A (ja) * 2011-06-30 2013-01-24 Fujitsu Ltd 半導体光増幅器及び光通信システム
JP7050279B2 (ja) * 2017-12-08 2022-04-08 株式会社Qdレーザ 半導体レーザおよびその製造方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04112592A (ja) * 1990-09-03 1992-04-14 Hitachi Ltd 半導体レーザ
JPH04260377A (ja) * 1991-02-15 1992-09-16 Fujitsu Ltd 化合物光半導体装置
JP4139577B2 (ja) * 2001-05-11 2008-08-27 富士通株式会社 光信号処理方法及び光信号処理装置
JP4583726B2 (ja) * 2003-05-23 2010-11-17 富士通株式会社 量子半導体装置およびその作製方法
JP4737745B2 (ja) * 2005-03-04 2011-08-03 富士通株式会社 半導体装置
JP2006278860A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Advanced Telecommunication Research Institute International 半導体発光素子、その製造方法およびその半導体発光素子を用いた半導体レーザジャイロ
JP4795747B2 (ja) * 2005-08-03 2011-10-19 富士通株式会社 量子ドット光半導体素子の製造方法
JP4707580B2 (ja) * 2006-02-22 2011-06-22 富士通株式会社 光半導体装置及びその製造方法
JP4952005B2 (ja) * 2006-03-07 2012-06-13 富士通株式会社 半導体素子およびその製造方法
JP4849915B2 (ja) * 2006-03-15 2012-01-11 富士通株式会社 光集積素子及び光モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010040872A (ja) 2010-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4737745B2 (ja) 半導体装置
JP4526252B2 (ja) 光半導体装置及びその製造方法
JP4922036B2 (ja) 量子ドット半導体デバイス
JP3362356B2 (ja) 光半導体装置
JP4861112B2 (ja) 光半導体装置及びその製造方法
JP2015015396A (ja) 光半導体素子
JP5475398B2 (ja) 半導体発光素子
JP5207381B2 (ja) 結合量子井戸構造
JP2003031902A (ja) 半導体レーザ
JP4676068B2 (ja) 半導体光素子の作製方法
JP2007227744A (ja) 量子ドット型光半導体装置及びその製造方法
US20060209914A1 (en) Semiconductor device and manufacturing method thereof
JP4961735B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP5222659B2 (ja) 半導体デバイス及びその製造方法、光通信システム
JP2001235713A (ja) 光変調器、半導体光素子、及びそれらの作製方法
US20110140084A1 (en) Optical semiconductor device and method of manufacturing optical semiconductor device
JP2008091420A (ja) 量子ドット光半導体素子の製造方法
JP4072937B2 (ja) 半導体光素子
JP2007103581A (ja) 埋込型半導体レーザ
JP2009038120A (ja) 半導体光集積素子およびその製造方法
JP2003124574A (ja) 光半導体装置及びその製造方法
JP2019102581A (ja) 光半導体集積装置、光半導体集積装置の製造方法および光通信システム
JP2012009674A (ja) 半導体素子
JPH1197790A (ja) 半導体レーザ
US8654430B2 (en) Electro-absorption modulator and optical semiconductor device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130311

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160315

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5222659

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150