JP2007227744A - 量子ドット型光半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

量子ドット型光半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検出可能な赤外線の帯域が広い量子ドット型光半導体装置及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】GaAs半導体基板51の上に、バッファ層52、下部電極層53、第1の赤外線吸収層54a、第2の赤外線吸収層54b及び上部電極層55を形成する。第1及び第2の赤外線吸収層54a,54bはいずれも量子ドットと、量子ドットを覆うキャップ層と、量子ドットにより導入された歪みを回復させる中間層とを複数積層して形成されている。第1及び第2の赤外線吸収層54a,54bの量子ドットはいずれもInAsにより形成されており、中間層はいずれもAl0.5Ga0.5Asにより形成されている。また、第1の赤外線吸収層54aのキャップ層はAl0.15Ga0.85Asにより形成され、第2の赤外線吸収層54bのキャップ層はAl0.2Ga0.8Asにより形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は量子ドットを用いた構造を有する量子ドット型光半導体装置及びその製造方法に関し、特に赤外線検出器として好適な量子ドット型光半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、量子ドットの作成方法として、SK(Stranski−Krastanow )モードと呼ばれる量子ドット成長モードが注目されている。このSKモードでは、例えば、GaAs基板上に、InAs、GaInAs、GaInNAs及びGaSbなどを材料として量子ドットを成長させることができる。また、SKモードで作成した量子ドットを用いた半導体デバイスの開発も盛んに行われている。
非特許文献1には量子ドットを用いて赤外線を検出することが記載されている。赤外線吸収層に量子ドットを用いた量子ドット型赤外線検知器(QDIP:Quantum Dot Infrared Photodetector) )では、量子ドットによる電子の3次元閉じ込め効果により、3次元全ての方向で高感度特性が得られる。そのため、例えば量子井戸型赤外線検知器(QWIP:Quantum Well Infrared Photodetector )と異なり、光結合構造(例えば回折格子や反射ミラー)を用いなくても垂直方向(赤外線吸収層に垂直な方向)から入射する赤外線を検出することができるという利点がある。
また、量子ドット型赤外線検出器では、量子ドットにより離散的な準位が形成されるため、熱的励起により発生する暗電流が少ない。これにより、冷却温度が比較的高くてもよく、電子冷却で動作可能であるという利点もある。
量子ドット型赤外線検知器の構造は、例えば非特許文献2に記載されている。図1(a)は従来の量子ドット型赤外線検知器の一例を示す模式図、図1(b)は同じくその量子ドット型赤外線検知器の赤外線吸収層を拡大して示す模式図である。この図1(a)に示すように、量子ドット型赤外線検知器は、例えばGaAs半導体結晶からなる基板11の上に、GaAs又はAlGaAsからなるバッファ層12と、n型GaAsからなる下部電極層13と、赤外線吸収層14と、n型GaAsからなる上部電極層15とをこの順で積層した構造を有している。下部電極層13には電極13aが接続され、上部電極層15には電極15aが接続されている。
赤外線吸収層14は、図1(b)に示すように、複数の量子ドット層24を積層して形成されている。各量子ドット層24は、例えば2次元方向に分布する複数のInAs量子ドット21と、それらの量子ドット21を被覆するInGaAsキャップ層22と、量子ドット21によって結晶に導入される歪みを回復させる中間層23とにより構成されている。
図2は、上述した構造の従来の量子ドット型赤外線検知器の伝導帯側のバンド構造を示す図である。この図2に示すように、量子ドット21の伝導帯の基底準位からキャップ層22の基底準位までのエネルギー差に相当する波長λ1の赤外線が量子ドット型赤外線検知器の赤外線吸収層14に入射すると、量子ドット21の伝導帯の基底準位からキャップ層22の基底準位まで電子が遷移する。予め電極13a,15a間に所定の電圧を印加しておくと、波長λ1の赤外線が入射する毎にそれに応じた電気信号が電極13a,15aから出力される。
図3は、横軸に赤外線の波長をとり、縦軸に感度をとって、従来の量子ドット型赤外線検知器の感度特性を示す図である。この図3に示すように、従来の量子ドット型赤外線検知器は、量子ドット21の伝導帯の基底準位とキャップ層22の基底準位との差に対応するある特定の波長λ1の赤外線に対して良好な感度を示す。
その他、本発明に関係すると思われる従来技術として、特許文献1,2に記載されたものがある。特許文献1には、多重量子井戸構造を有する赤外線受光素子において、量子井戸層幅が異なる複数の量子井戸層を設けることにより、受光感度波長帯域を広げることが記載されている。また、特許文献2には、ネットワークに使用されるレーザダイオードや光増幅器等において、偏波依存性を除去することを目的とし、格子定数が相互に異なり、且つ基板の格子定数とも異なる複数種類のバリア層(キャップ層)を用いて量子ドットを形成することが記載されている。
K. W. Berryman, S. A. Lyon, and Mordechai Segev. Appl. Phys. Lett. 70, 1861(1997) Zhengmao Ye, Joe C. Campbell, Zhonghui Chen, Eui-Tae Kim, and Anupam Madhukar ; J. Appl. Phys. Vol.92. 7462(2002) 特開平10−65200号公報 特開2004−111710号公報
しかしながら、上述した従来の赤外線検知器では、図3に示すように特定の波長の赤外線に対しては良好な感度を示すものの、検出可能な赤外線の帯域が狭く、用途が限定されてしまうという欠点がある。
以上から、本発明の目的は、検出可能な赤外線の帯域が広い量子ドット型光半導体装置及びその製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、半導体基板と、第1の量子ドットと、該第1の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第1のキャップ層と、該第1のキャップ層の上に形成されて前記第1の量子ドットにより導入された歪みを回復させる第1の中間層とにより構成され、前記第1の半導体基板上に配置された第1の量子ドット層と、第2の量子ドットと、該第2の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第2のキャップ層と、該第2のキャップ層の上に形成されて前記第2の量子ドットにより導入された歪みを回復させる第2の中間層とにより構成され、前記第1の量子ドット層の上に配置された第2の量子ドット層とを有し、前記第1及び第2の量子ドットは同一の材料により形成され、前記第1及び第2のキャップ層は相互に異なる材料により形成され、前記第1及び第2の中間層は同一の材料により形成されていることを特徴とする量子ドット型光半導体装置が提供される。
本発明によれば、第1及び第2の量子ドット層を有し、それらの第1及び第2の量子ドット層は、量子ドットが同一材料により形成され、キャップ層が異なる材料により形成されている。従って、量子ドットの導電帯の基底順位からキャップ層の基底準位までのエネルギー差が、第1の量子ドット層と第2の量子ドット層とでは異なる。これにより、第1の量子ドット層で検出される光(赤外線)の波長と第2の量子ドット層で検出される光の波長とが異なる。第1の量子ドット層における感度特性と第2の量子ドット層における感度特性とを合成したものが本発明に係る量子ドット型光半導体装置の感度特性となるので、本発明に係る量子ドット型光半導体装置は、広い波長帯域において良好な感度が得られる。
本発明の他の観点によれば、基板上にSK(Stranski-Krastanow)モード成長により第1の量子ドットを形成する工程と、前記第1の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第1のキャップ層を形成する工程と、前記第1のキャップ層の上に前記第1のキャップ層よりもバンドギャップが大きい第1の中間層を形成する工程と、前記第1の中間層の上にSK(Stranski-Krastanow)モード成長により第2の量子ドットを形成する工程と、前記第1のキャップ層と異なる材料により、前記第2の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第2のキャップ層を形成する工程と、前記第2のキャップ層の上に前記第2のキャップ層よりもバンドギャップが大きい第2の中間層を形成する工程とを有し、前記第1及び第2の中間層の材料が同一であることを特徴とする量子ドット型光半導体装置の製造方法が提供される。
本発明の方法により、上述した構造を有し、広い波長帯域において良好な感度が得られる量子ドット型光半導体装置を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図4(a)は本発明の実施形態に係る量子ドット型光半導体装置(量子ドット型赤外線検知器)の構造を示す模式図、図4(b)は同じくその量子ドット型光半導体装置の赤外線吸収層の構造を示す模式図である。
本実施形態に係る量子ドット型赤外線検知器は、図4(a)に示すように、GaAs半導体結晶からなる基板51の上に、GaAs又はAlGaAsからなるバッファ層52と、n型GaAsからなる下部電極層53と、第1の赤外線吸収層54aと、第2の赤外線吸収層54bと、n型GaAsからなる上部電極層55とをこの順で積層した構造を有している。下部電極層53には電極53aが接続され、上部電極層55には電極55aが接続されている。
第1の赤外線吸収層54aは、図4(b)に示すように、複数の第1の量子ドット層65を積層した構造を有している。各第1の量子ドット層65は、それぞれ2次元方向に分布する複数のInAs量子ドット(第1の量子ドット)62と、それらの量子ドット62を被覆するAl0.15Ga0.85Asからなるキャップ層(第1のキャップ層)63と、量子ドット62によって結晶に導入された歪みを回復させるAl0.5Ga0.5Asからなる中間層64(第1の中間層)とにより構成されている。本実施形態において、第1の量子ドット層65の積層数は5層とする。
また、第2の赤外線吸収層34bは、複数の第2の量子ドット層67を積層した構造を有している。各第2の量子ドット層67は、それぞれ2次元方向に分布する複数のInAs量子ドット(第2の量子ドット)62と、それらの量子ドット62を被覆するAl0.2Ga0.8Asからなるキャップ層(第2のキャップ層)66と、量子ドット62によって結晶に導入された歪みを回復させるAl0.5Ga0.5Asからなる中間層(第2の中間層)64とにより構成されている。本実施形態においては、第2の量子ドット層67の積層数も5層とする。
図4(b)に示すように、第1の赤外線吸収層54aを構成する第1の量子ドット層65と、第2の赤外線吸収層54bを構成する第2の量子ドット層67とは、キャップ層63,66の組成(AlとGaとの割合)が異なること以外は同一である。このようにキャップ層63,66の組成を変えることにより、キャップ層63,66の基底準位が相互に異なるものとなる。
第1及び第2のキャップ層63,66は、基板51に対し無歪であるか、又は歪みが小さいことが好ましい、第1及び第2のキャップ層63,66の結晶格子定数と基板51の結晶格子定数との差が基板51の結晶格子定数の0.5%を超えると、中間層64による歪みの回復効果が十分でなくなる。このため、第1及び第2のキャップ層63,66は、その結晶格子定数と基板51の結晶格子定数との差が基板51の結晶格子定数の0.5%以下となるようにする。下記表1に、基板51を構成するGaAs、第1のキャップ層63を構成するAl0.15Ga0.85As、第2のキャップ層66を構成するAl0.2Ga0.8As及び中間層64を構成するAl0.5Ga0.5Asのそれぞれの結晶格子定数と歪率とを示す。
Figure 2007227744
図5は、本実施形態の量子ドット型赤外線検知器の伝導帯側のバンド構造を示す図である。この図5に示すように、本実施形態では、第1の赤外線吸収層54aの量子ドット62の基底準位と第2の赤外線吸収層54bの量子ドット62の基底準位は同じであるが、第1の赤外線吸収層54aのキャップ層(第1のキャップ層)63の基底準位と第2の赤外線吸収層54bのキャップ層(第2のキャップ層)66の基底準位とが異なる。従って、第1の赤外線吸収層54aで吸収する赤外線の波長帯域λ1と、第2の赤外線吸収層54bで吸収する赤外線の波長帯域λ2とは異なる。
図6は、横軸に赤外線の波長をとり、縦軸に感度をとって、本実施形態の量子ドット型赤外線検知器の感度特性を示す図である。この図6に示すように、本実施形態の量子ドット型赤外線検知器では、波長λ1,λ2に検出感度のピークを示し、それらの波長λ1,λ2の間及びその近傍の波長の赤外線を検出することが可能となる。すなわち、本実施形態に係る量子ドット型赤外線検知器は、広い波長帯域において良好な感度が得られる。
図7,図8は、上述した構造の本実施形態の量子ドット型赤外線検知器の製造方法を工程順に示す模式図である。
まず、図7(a)に示すように、GaAs基板51の上に、例えばMBE(分子線エピタキシャル)法又はMOCVD(有機金属気相成長)法により、GaAs又はAlGaAsからなるバッファ層52を、例えば50nmの厚さにエピタキシャル成長させる。その後、バッファ層52の上に、例えばMBE法又はMOCVD法により、キャリア濃度が例えば1018cm-3となるように不純物(例えばSi)が導入されたn型GaAsからなる下部電極層53を、約1μmの厚さに形成する。
次に、下部電極層53の上に第1の赤外線吸収層54aを形成する。すなわち、基板温度を例えば510℃とし、MBE法又はMOCVD法により、下部電極層53の上に例えば0.22ML(モノレイヤ)/secの成長速度で2.0MLのi型InAs層を形成する。そうすると、InAs結晶の格子定数が下部電極層53を構成するGaAs結晶の格子定数と若干異なるため、SKモード成長により、図7(b)に示すように下部電極層53の上にInAs島61が生成される。
次に、図7(c)に示すように、MBE法又はMOCVD法により、例えば20MLのAl0.15Ga0.85Asからなるキャップ層63を形成し、このキャップ層63によりInAs島61を被覆する。このようにしてInAs島61がバンドギャップの大きい結晶からなるキャップ層63に囲まれると、InAs島61はキャリアを3次元的に閉じ込める量子ドット(InAs量子ドット)62となる。以下、説明の便宜上、キャップ層に被覆される前のInAs島も量子ドットと呼ぶ。
次に、キャップ層63の上に、MBE法又はMOCVD法により、例えばAl0.5Ga0.5Asからなる中間層64を例えば60nmの厚さにエピタキシャル成長させる。この中間層64により、InAs量子ドット62によって結晶に導入された歪みが回復される。従って、中間層64は、結晶の格子定数が基板51の格子定数とほぼ同じになる材料により形成することが必要である。このようにして、InAs量子ドット62、Al0.15Ga0.85Asキャップ層63及びAl0.5Ga0.5As中間層64により構成される第1の量子ドット層65が形成される。
その後、量子ドット62の形成、Al0.15Ga0.85Asからなるキャップ層63の形成、及びAl0.5Ga0.5Asからなる中間層64の形成を繰り返して第1の量子ドット層65を5層に積層することにより、図7(d)に示すように第1の赤外線吸収層54aが形成される。
次に、図8(a)に示すように、MBE法又はMOCVD法により、第1の赤外線吸収層54aの上に例えば2.0MLのi型InAs層を堆積し、InAs量子ドット62を形成する。その後、例えば20MLのAl0.2Ga0.8Asからなるキャップ層66を形成し、更にその上にAl0.5Ga0.5Asからなる中間層64を例えば60nmの厚さに形成する。このようにして、InAs量子ドット62、Al0.2Ga0.8Asキャップ層66及びAl0.5Ga0.5As中間層64により構成される第2の量子ドット層67が形成される。第2の量子ドット層67の形成を繰り返して、図8(b)に示すように、第1の赤外線吸収層54aの上に、第2の量子ドット層67を5層に積層した構造の第2の赤外線吸収層54bを形成する。
なお、キャップ層63,66は、量子ドット62にキャリアを3次元的に閉じ込めることが必要なため、量子ドット62よりもバンドギャップが大きい材料により形成する必要がある。また、中間層64は、量子ドット62により導入された歪みを回復させる必要上、キャップ層63,66よりもバンドギャップが大きく、基板と略同じ結晶格子定数を有する材料により形成することが好ましい。
更に、キャップ層63,66は、半導体基板51に対し無歪みであるか、又は無視できる程度に歪みが小さいことが好ましい。これにより、結晶欠陥が少なく、結晶性が優れた量子ドット層65,67を形成することができる。また、これにより歪みの回復が早まり、容易に多重量子ドット構造が実現できる。
次に、第1の赤外線吸収層54a及び第2の赤外線吸収層54bを形成した後、図8(c)に示すように、MBE法又はMOCVD法により、第2の赤外線吸収層54bの上に、キャリア濃度が例えば1018cm-3となるように不純物が導入されたn型GaAsからなる上部電極層55を、例えば1μmの厚さに形成する。
次に、フォトリソグラフィ法により、上部電極層55の上に所定のパターンのエッチングマスクを形成した後、このマスクに覆われていない部分を、図8(d)に示すように、上部電極層55から下部電極層53の途中までドライエッチングする。
次に、電極用のレジストパターンをフォトリソグラフィ法により形成した後、真空金属蒸着により素子表面の全面を金属電極層で覆う。その後、リフトオフ法によりレジストパターンをその上の金属電極層とともに除去して、図4(a)に示すように、上部電極55aと下部電極53aとを形成する。このようにして、本実施形態に係る量子ドット型赤外線検知器が完成する。
なお、上記実施形態では基底準位が相互に異なる2種類のキャップ層を有する量子ドット型光半導体装置(赤外線検知器)について説明したが、基底準位が相互に異なる3種類以上のキャップ層を用いて量子ドット型光半導体装置を形成してもよいことは勿論である。また、それらのキャップ層は、例えば三元半導体混晶の組成や膜厚を変えることによって得ることができる。
更に、上記実施形態では複数の第1の量子ドット層65を積層した上に複数の第2の量子ドット層67を積層しているが、第1の量子ドット層65と第2の量子ドット層67とを交互に積層してもよい。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)半導体基板と、
第1の量子ドットと、該第1の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第1のキャップ層と、該第1のキャップ層の上に形成されて前記第1の量子ドットにより導入された歪みを回復させる第1の中間層とにより構成され、前記第1の半導体基板上に配置された第1の量子ドット層と、
第2の量子ドットと、該第2の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第2のキャップ層と、該第2のキャップ層の上に形成されて前記第2の量子ドットにより導入された歪みを回復させる第2の中間層とにより構成され、前記第1の量子ドット層の上に配置された第2の量子ドット層とを有し、
前記第1及び第2の量子ドットは同一の材料により形成され、前記第1及び第2のキャップ層は相互に異なる材料により形成され、前記第1及び第2の中間層は同一の材料により形成されていることを特徴とする量子ドット型光半導体装置。
(付記2)前記第1及び第2のキャップ層の結晶格子定数と前記半導体基板の結晶格子定数との差が、前記半導体基板の結晶格子定数に対し0.5%以下であることを特徴とする付記1に記載の量子ドット型光半導体装置。
(付記3)前記第2のキャップ層は、前記第1のキャップ層と成分が同一で組成が異なる材料により形成されていることを特徴とする付記1に記載の量子ドット型光半導体装置。
(付記4)前記第1のキャップ層がAlxGa1-xAs(但し、x<1)からなり、前記第2のキャップ層がAyGa1-yAs(但し、y<1、且つy≠x)からなり、前記第1及び第2の中間層をAlzGa1-zAs(但し、z<1、且つx≠z≠y)からなることを特徴とする付記1に記載の量子ドット型光半導体装置。
(付記5)前記第1及び第2の中間層は前記第1及び第2のキャップ層よりもバンドギャップが大きいことを特徴とする付記1に記載の量子ドット型光半導体装置。
(付記6)前記第1及び第2の量子ドットが、SK(Stranski-Krastanow)モードにより形成されてたものであることを特徴とする付記1に記載の量子ドット型光半導体装置。
(付記7)前記第1及び第2の量子ドット層の導電帯の基底順位と前記第1及び第2のキャップ層の基底準位との差に応じた赤外線を検知することを特徴とする付記1に記載の量子ドット型光半導体装置。
(付記8)基板上にSK(Stranski-Krastanow)モード成長により第1の量子ドットを形成する工程と、
前記第1の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第1のキャップ層を形成する工程と、
前記第1のキャップ層の上に前記第1のキャップ層よりもバンドギャップが大きい第1の中間層を形成する工程と、
前記第1の中間層の上にSK(Stranski-Krastanow)モード成長により第2の量子ドットを形成する工程と、
前記第1のキャップ層と異なる材料により、前記第2の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第2のキャップ層を形成する工程と、
前記第2のキャップ層の上に前記第2のキャップ層よりもバンドギャップが大きい第2の中間層を形成する工程とを有し、
前記第1及び第2の中間層の材料が同一であることを特徴とする量子ドット型光半導体装置の製造方法。
(付記9)前記第1及び第2の量子ドットを同一の材料により形成し、
前記第1のキャップ層をAlxGa1-xAs(但し、x<1)により形成し、
前記第2のキャップ層をAlyGa1-yAs(但し、y<1、且つy≠x)により形成し、
前記第1及び第2の中間層をAlzGa1-zAs(但し、z<1、且つx≠z≠y)により形成することを特徴とする付記8に記載の量子ドット型光半導体装置の製造方法。
図1(a)は従来の量子ドット型赤外線検知器の一例を示す模式図、図1(b)は同じくその量子ドット型赤外線検知器の赤外線吸収層を拡大して示す模式図である。 図2は、従来の量子ドット型赤外線検知器の伝導帯側のバンド構造を示す図である。 図3は、従来の量子ドット型赤外線検知器の感度特性を示す図である。 図4(a)は本発明の実施形態に係る量子ドット型赤外線検知器(光半導体装置)の構造を示す模式図、図4(b)は同じくその量子ドット型赤外線検知器の赤外線吸収層の構造を示す模式図である 図5は、実施形態の量子ドット型赤外線検知器の伝導帯側のバンド構造を示す図である。 図6は、実施形態の量子ドット型赤外線検知器の感度特性を示す図である。 図7は、実施形態の量子ドット型赤外線検知器の製造方法を示す模式図(その1)である。 図8は、実施形態の量子ドット型赤外線検知器の製造方法を示す模式図(その2)である。
符号の説明
11,51…基板、
12,52…バッファ層、
13,53…下部電極層、
14…赤外線吸収層、
15,55…上部電極層、
21,62…量子ドット、
22,63,66…キャップ層、
23,64…中間層、
24…量子ドット層、
54a…第1の赤外線吸収層、
54b…第2の赤外線吸収層、
61…InAs島、
65…第1の量子ドット層、
67…第2の量子ドット層。

Claims (4)

  1. 半導体基板と、
    第1の量子ドットと、該第1の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第1のキャップ層と、該第1のキャップ層の上に形成されて前記第1の量子ドットにより導入された歪みを回復させる第1の中間層とにより構成され、前記第1の半導体基板上に配置された第1の量子ドット層と、
    第2の量子ドットと、該第2の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第2のキャップ層と、該第2のキャップ層の上に形成されて前記第2の量子ドットにより導入された歪みを回復させる第2の中間層とにより構成され、前記第1の量子ドット層の上に配置された第2の量子ドット層とを有し、
    前記第1及び第2の量子ドットは同一の材料により形成され、前記第1及び第2のキャップ層は相互に異なる材料により形成され、前記第1及び第2の中間層は同一の材料により形成されていることを特徴とする量子ドット型光半導体装置。
  2. 前記第1及び第2のキャップ層の結晶格子定数と前記半導体基板の結晶格子定数との差が、前記半導体基板の結晶格子定数に対し0.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット型光半導体装置。
  3. 前記第2のキャップ層は、前記第1のキャップ層と成分が同一で組成が異なる材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット型光半導体装置。
  4. 基板上にSK(Stranski-Krastanow)モード成長により第1の量子ドットを形成する工程と、
    前記第1の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第1のキャップ層を形成する工程と、
    前記第1のキャップ層の上に前記第1のキャップ層よりもバンドギャップが大きい第1の中間層を形成する工程と、
    前記第1の中間層の上にSK(Stranski-Krastanow)モード成長により第2の量子ドットを形成する工程と、
    前記第1のキャップ層と異なる材料により、前記第2の量子ドットを被覆してキャリアを閉じ込める第2のキャップ層を形成する工程と、
    前記第2のキャップ層の上に前記第2のキャップ層よりもバンドギャップが大きい第2の中間層を形成する工程とを有し、
    前記第1及び第2の中間層の材料が同一であることを特徴とする量子ドット型光半導体装置の製造方法。
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