JP2014222709A - 量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法 - Google Patents

量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印加バイアス電圧の反転により検出波長を2波長間で切り替えることが可能な量子ドット型赤外線検出器において、一方の波長の赤外線を検出するモードにおいて他方の波長の赤外線を誤検知することを防止する。【解決手段】量子ドット型赤外線検出器は、半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する。量子ドット型赤外線検出器は、第1波長の赤外線を吸収する量子ドット層23と、第1波長と異なる第2波長の赤外線を吸収する量子ドット層25と、量子ドット層23と量子ドット層25とを隔てる中間層24とを具備する。中間層24のバンドギャップは、量子ドット層23側の端部(z=0)と量子ドット層25側の端部(z=L)の間のバンドギャップ最大位置(z=M)において最も広い。【選択図】図3

Description

本発明は量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法に関する。
波長が10 μm程度の遠赤外線は、室温付近の黒体輻射スペクトルのピークに相当するため、この波長帯における高性能な検出器が暗視装置やリモートセンシング応用の面から強く望まれている。冷却型赤外線検出器としては、HgCdTe系の材料を用いた直接遷移型赤外線検出装置が主に使われてきた。しかしながらその材料には、大面積基板の均質性が乏しく加工プロセスも困難であるという課題があり、それが赤外線検出器の価格を押し上げる要因となっていた。一方で、近年の半導体結晶成長技術の進展と成熟に伴い、特にGaAs等のIII−V族半導体では均質性の高い大面積基板が低価格で提供されるようになり、これを用いた赤外線検出器(例えば量子井戸型赤外線検出器)が開発されてきた。
このようなIII−V族半導体赤外線検出器の中でも、光吸収層として量子ドットを用いた量子ドット型赤外線検出器が近年頓に注目を集めている。以下に、量子ドットと、それを用いた量子ドット型赤外線検出器の動作原理について簡単に説明する。
量子ドットは、直径がナノメートルサイズの3次元的な微小構造であり、ここでは異なる組成の半導体結晶の接合界面における格子定数の違いによる歪みを解消するために自然に形成される(Stranski−Krastanov(S−K)モード)ものを指す。この様なS−Kモードで形成される半導体量子ドットはS−K量子ドットと呼ばれている。S−K量子ドットは、周囲の半導体材質のバンドギャップに比べて狭いバンドギャップを有する半導体材質で作製される。従って、そのヘテロ界面では伝導帯や荷電子帯に不連続で急峻なギャップが生じ、量子ドットにポテンシャルの井戸が形成される。そのため、量子ドット内には複数個の電子や正孔を保持することができる。量子ドット中の電子や正孔は、それらのド・ブロイ波長より小さな微小空間に3次元的に閉じ込められる。従って、量子ドット中の電子状態(および正孔状態)は、ちょうど水素原子の電子状態のように、離散化したエネルギー準位を持つ。量子ドットを含む量子ドット層に入射した赤外線は、基底準位(上記離散化エネルギー準位のうち、最もエネルギーの低い準位)に保持されていたキャリア(電子または正孔)を、量子ドット内の高次の離散化準位(励起準位)に励起する。ここで、基底準位は、基底状態に対応する。励起準位は、励起状態に対応する。この遷移はサブバンド間遷移又はサブバンド間励起と呼ばれる場合がある。量子ドット型赤外線検出器は、赤外線によりサブバンド間励起されたキャリア(光キャリア)を、何らかの形でコンタクト電極まで到達させて電気信号(光電流)として測定することで赤外線を検出することができる。
量子ドット型赤外線検出器は、前述した閉じ込めポテンシャル(ポテンシャルの井戸)と離散化エネルギー準位に起因してキャリアの熱励起が強く抑制されるために熱雑音特性に優れ、信号・雑音比の高い赤外線検出が可能である。更に、量子井戸型赤外線検出器ではキャリアが3次元的に閉じ込められていないが、量子ドット型赤外線検出器ではキャリアが3次元的に閉じ込められている。そのため、量子ドット型赤外線検出器では、基板に垂直方向の入射光に対しても感度を有するという利点もある。
上述したように、量子ドット型赤外線検出器は、量子ドット内の基底準位と励起準位のエネルギー差に対応する波長の赤外線を検出する。したがって、量子ドット型赤外線検出器は、検出波長特性が原理的に狭帯域であるという特徴がある。すわなち、分光器等の外部光学素子を用いなくても、ある波長の光のみを選択的に観測できるという利点がある。その反面、量子ドット型赤外線検出器の検出波長は、一般に量子ドット型赤外線検出器を製造するためのウエハプロセスで決まってしまい、後から調整することができない。ここで、量子ドット型赤外線検出器の応用分野の一つであるリモートセンシングにおいては、対象物を複数波長の赤外線により測定することが望まれている。その意味で、単一の検出器で複数波長の赤外線を検出可能な量子ドット型赤外線検出器が望まれている。
そこでこれまで、量子ドット型赤外線検出器において複数波長の赤外線の検出を可能にするためにいくつかの工夫がなされてきた。例えば、特許文献1乃至3は、量子ドットの形状異方性を利用して検出波長を切り替える量子ドット型赤外線検出器を開示している。更に、非特許文献1及び2は、印加バイアス電圧の向きを反転させることで予め決まった2波長間で検出波長を切り替える量子ドット型赤外線検出器を開示している。この印加バイアス反転型の赤外線検出器は、第1のバイアス電圧を印加したときに波長λの赤外線に対応した検出感度特性を持ち、第1のバイアス電圧の反対の向きの第2のバイアス電圧を印加したときに波長λの赤外線に対応した検出感度特性を持つ。
特許第4538516号公報 特許第4842291号公報 特許第4751926号公報
APPLIED PHYSICS LETTERS 95,123504(2009) APPLIED PHYSICS LETTERS 98,103501(2011)
しかしながら、量子ドットの形状異方性を利用して検出波長を切り替える量子ドット型赤外線検出器には、偏光子や回折格子のような外部光学素子が必要であるために検出器のサイズが増大し、コストが増加するという問題点がある。外部光学素子が偏光子の場合には、偏光子の向きを制御するための駆動部の機械的安定性を確保することが難しいという問題点がある。印加バイアス反転型の赤外線検出器にはこのような問題点はない。しかしながら、図14に示すように、印加バイアス反転型の赤外線検出器では、第1のバイアス電圧を印加したときの検出感度特性が、波長λに対応するピークの他に波長λに対応するサブピークを含んでいる。言い換えると、波長λの赤外線を検出するモード(バイアス電圧印加状態)において、波長λの赤外線を誤検知してしまうという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、印加バイアス電圧の反転により検出波長を2波長間で切り替えることが可能な量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法であって、一方の波長の赤外線を検出するモードにおいて他方の波長の赤外線を誤検知することが防止される量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる量子ドット型赤外線検出器は、半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する。量子ドット型赤外線検出器は、第1波長の赤外線を吸収する第1量子ドット層と、前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を吸収する第2量子ドット層と、前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層とを具備する。前記第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い。
本発明にかかる赤外線検出装置は、半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出器と、電圧源回路と、光電流検出回路とを具備する。前記電圧源回路は、前記量子ドット型赤外線検出器に第1バイアス電圧と前記第1バイアス電圧の反対の向きの第2バイアス電圧を印加する。前記光電流検出回路は、前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第1バイアス光電流と前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第2バイアス光電流を検出する。前記量子ドット型赤外線検出器は、第1波長の赤外線を吸収する第1量子ドット層と、前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を吸収する第2量子ドット層と、前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層とを備える。前記第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い。
本発明にかかる赤外線検出方法は、半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出器を用いた赤外線検出方法である。赤外線検出方法は、第1波長の赤外線を検出するステップと、前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を検出するステップとを具備する。前記第1波長の赤外線を検出するステップは、前記量子ドット型赤外線検出器に第1バイアス電圧を印加するステップと、前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器の第1量子ドット層が前記第1波長の赤外線を吸収するステップと、前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第1バイアス光電流を検出するステップとを備える。前記第2波長の赤外線を検出するステップは、前記量子ドット型赤外線検出器に前記第1バイアス電圧の反対の向きの第2バイアス電圧を印加するステップと、前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器の第2量子ドット層が前記第2波長の赤外線を吸収するステップと、前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第2バイアス光電流を検出するステップとを備える。前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い。
本発明により、印加バイアス電圧の反転により検出波長を2波長間で切り替えることが可能な量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法であって、一方の波長の赤外線を検出するモードにおいて他方の波長の赤外線を誤検知することが防止される量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法を提供することができる。
実施の形態1にかかる量子ドット型赤外線検出器の概略構造を示す断面模式図である。 実施の形態1にかかる赤外線検出装置の模式図である。 実施の形態1にかかる量子ドット型赤外線検出器において、バイアス電圧を印加しない状態における光吸収部の伝導帯模式図である。 実施の形態1にかかる量子ドット型赤外線検出器において、(a)バイアス電圧を印加した状態における光吸収部の伝導帯模式図、(b)逆向きのバイアス電圧を印加した状態における光吸収部の伝導帯模式図である。 実施の形態1にかかる量子ドット型赤外線検出器の検出感度特性の模式図である。 実施の形態1にかかる量子ドット型赤外線検出器の詳細構造を示す断面模式図である。 実施の形態1にかかる量子ドット型赤外線検出器において、(a)バイアス電圧を印加しない状態における光吸収部のモデル伝導帯模式図、(b)バイアス電圧を印加した状態における光吸収部のモデル伝導帯模式図である。 比較例にかかる量子ドット型赤外線検出器において、(a)バイアス電圧を印加しない状態における光吸収部のモデル伝導帯模式図、(b)バイアス電圧を印加した状態における光吸収部のモデル伝導帯模式図である。 実施の形態2にかかる量子ドット型赤外線検出器のバンドギャップ変調された中間層における(a)バンドギャップの分布を示す模式図、(b)バンドギャップの基板成長軸方向の座標に対する1次微分係数の分布を示す模式図、(c)バンドギャップの基板成長軸方向の座標に対する2次微分係数の分布を示す模式図である。 実施の形態3にかかる量子ドット型赤外線検出器の一例において、バイアス電圧を印加しない状態における光吸収部の伝導帯模式図である。 実施の形態3の効果を説明するための伝導帯模式図である。 実施の形態3にかかる量子ドット型赤外線検出器の他の例において、バイアス電圧を印加しない状態における光吸収部の伝導帯模式図である。 実施の形態4にかかる量子ドット型赤外線検出器において、(a)バイアス電圧を印加しない状態における光吸収部の伝導帯模式図、(b)バイアス電圧を印加した状態における光吸収部の伝導帯模式図、(c)逆向きのバイアス電圧を印加した状態における光吸収部の伝導帯模式図である。 関連する量子ドット型赤外線検出器の検出感度特性の模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態にかかる量子ドット型赤外線検出器において、赤外線による励起に用いられるキャリアは電子であっても正孔であっても構わないが、以下の説明ではキャリアが電子であるとして説明を行う。
(実施の形態1)
図1を参照して、実施の形態1にかかる量子ドット型赤外線検出器1の構成を説明する。量子ドット型赤外線検出器1は、半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する。量子ドット型赤外線検出器1は、バルク半導体としての半導体基板20と、下部コンタクト層21と、光吸収部と、上部コンタクト層27とを備える。光吸収部は、赤外線に応答する部位である。光吸収部は、二つの中間層22と、少なくとも一つの2波長吸収積層体28とを備える。2波長吸収積層体28が1つの場合、半導体基板20、下部コンタクト層21、中間層22、2波長吸収積層体28、中間層22、上部コンタクト層27の順番でz方向に配置される。2波長吸収積層体28が複数の場合、二つの中間層22の間に複数の2波長吸収積層体28が配置され、隣り合う2波長吸収積層体28の間に中間層26が配置される。2波長吸収積層体28は、下部コンタクト層21側に配置された量子ドット層23と、上部コンタクト層27側に配置された量子ドット層25と、量子ドット層23と量子ドット層25とを隔てる中間層24とを備える。すなわち、量子ドット層23、中間層24、及び量子ドット層25の順番でz方向に配置される。中間層26は、一の2波長吸収積層体28の量子ドット層25と他の2波長吸収積層体28の量子ドット層23とを隔てる。
量子ドット層23及び25の各々は、厚さ数モノレイヤのウエッティングレイヤと、ウエッティングレイヤ上に形成された複数の量子ドットを含む。以下において、量子ドット層23の量子ドットを量子ドット23と称し、量子ドット層25の量子ドットを量子ドット25と称する場合がある。量子ドット層23の検出感度ピークが波長λとなるように量子ドット23のサイズ及び組成が設計されている。量子ドット層25の検出感度ピークが波長λと異なる波長λとなるように量子ドット25のサイズ及び組成が設計されている。すなわち、量子ドット層23は波長λの赤外線を吸収し、量子ドット層25は波長λの赤外線を吸収する。
図1を参照して、光吸収部におけるバンドギャップEgを説明する。中間層24は、z方向の半導体組成変調によって、バンドギャップEgがz方向に変調されている。具体的には、中間層24は、量子ドット層23側(下部コンタクト層21側)の端部と量子ドット層25側(上部コンタクト層27側)の端部の間のバンドギャップ最大位置においてバンドギャップEgが最も広い。上記のようなバンドギャップEgの変調を実現するために、例えば、中間層24の材料組成がAlGa1−xAsで表されるとき、Al組成比xはバンドギャップ最大位置において最も大きい。したがって、中間層24の材料組成がAlGa1−xAsで表されるとき、バンドギャップ最大位置をAl組成比最大位置と称してもよい。尚、中間層24のバンドギャップEgのz方向の分布は、図1に示すような連続的な分布であってもよく、階段状の分布であってもよい。
一方、中間層22及び26は、組成変調されずにバンドギャップEgが一定である。下部コンタクト層21の隣の中間層22は、下部コンタクト層21側の端部から量子ドット層23側(上部コンタクト層27側)の端部にかけてバンドギャップEgが一定である。上部コンタクト層27の隣の中間層22は、量子ドット層25側(下部コンタクト層21側)の端部から上部コンタクト層27側の端部にかけてバンドギャップEgが一定である。中間層26は、下部コンタクト層21側の端部から上部コンタクト層27側の端部にかけてバンドギャップEgが一定である。尚、図1において、量子ドット層23及び25におけるバンドギャップは省略されている。
図2を参照して、実施の形態1にかかる赤外線検出装置100の構成を説明する。赤外線検出装置100は、上述した量子ドット型赤外線検出器1と、電圧源回路110と、光電流検出回路120とを備える。電圧源回路110は、量子ドット型赤外線検出器1に正バイアス電圧とその反対の負バイアス電圧を印加する。光電流検出回路120は、正バイアス電圧が印加されているときに量子ドット型赤外線検出器1が出力する光電流と負バイアス電圧が印加されているときに量子ドット型赤外線検出器1が出力する光電流を検出する。以下において、正バイアス電圧が印加されているときに量子ドット型赤外線検出器1が出力する光電流を正バイアス光電流と称し、負バイアス電圧が印加されているときに量子ドット型赤外線検出器1が出力する光電流を負バイアス光電流と称する場合がある。
図3を参照して、量子ドット型赤外線検出器1にバイアス電圧を印加しない状態における光吸収部の伝導帯を説明する。ここでは、2波長吸収積層体28とその両側に配置された中間層26について説明する。尚、最も端の2波長吸収積層体28の場合は両側に配置された中間層26の一方が中間層22で置き換えられる。量子ドット型赤外線検出器1が備える2波長吸収積層体28が一つの場合は両側に配置された中間層26の両方が中間層22で置き換えられる。
中間層24の量子ドット層23側の端部、バンドギャップ最大位置、量子ドット層25側の端部のz方向の座標をそれぞれ0、M、Lとする。ここで、0<M<Lである。中間層24のバンドギャップEgはバンドギャップ最大位置において最も広いため、中間層24の伝導帯端のエネルギー準位はバンドギャップ最大位置において最も高い。中間層26のバンドギャップEgが一定であるため、中間層26の伝導帯端のエネルギー準位は一定である。量子ドット23内の離散化エネルギー準位は、相対的に低い基底準位30と、相対的に高い励起準位31とを含む。量子ドット25内の離散化エネルギー準位は、相対的に低い基底準位32と、相対的に高い励起準位33とを含む。基底準位30と励起準位31のエネルギー差は、基底準位32と励起準位33のエネルギー差と異なる。従って、上述したように、量子ドット層23の検出感度ピークの波長λと、量子ドット層25の検出感度ピークの波長λとが異なる。
次に、量子ドット型赤外線検出器1を用いた赤外線検出方法を説明する。赤外線検出方法は、波長λの赤外線を検出するステップと、波長λの赤外線を検出するステップとを備える。波長λの赤外線を検出するステップは、電圧源回路110が量子ドット型赤外線検出器1に負バイアス電圧を印加するステップと、負バイアス電圧が印加されているときに量子ドット層23が波長λの赤外線を吸収するステップと、負バイアス電圧が印加されているときに量子ドット型赤外線検出器1が出力する光電流(負バイアス光電流)を光電流検出回路120が検出するステップを備える。波長λの赤外線を検出するステップは、電圧源回路110が量子ドット型赤外線検出器1に正バイアス電圧を印加するステップと、正バイアス電圧が印加されているときに量子ドット層25が波長λの赤外線を吸収するステップと、正バイアス電圧が印加されているときに量子ドット型赤外線検出器1が出力する光電流(正バイアス光電流)を光電流検出回路120が検出するステップを備える。
図4(a)を参照して、波長λの赤外線を検出するステップを詳細に説明する。電圧源回路110が下部コンタクト層21をグラウンド電位に接続し、上部コンタクト層27を負電位に接続して量子ドット型赤外線検出器1(具体的には下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27)に負バイアス電圧を印加する。すると、下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27に挟まれた光吸収部の伝導帯端は、上部コンタクト層27側から下部コンタクト層21側に向かってエネルギー準位が低下するように傾斜する。このとき、中間層26におけるバンドギャップが一定であるため、量子ドット23と中間層26の間に形成されるポテンシャル障壁は三角ポテンシャル障壁42である。一方、中間層24のバンドギャップEgはバンドギャップ最大位置において最も広いため、量子ドット25と中間層24の間に形成されるポテンシャル障壁は、三角ポテンシャル障壁ではなく、分厚いポテンシャル障壁である。例えば、バンドギャップ最大位置が中間層24の中心(z方向の座標がL/2の位置)である場合、量子ドット層25と中間層24の間のポテンシャル障壁の厚さは、中間層24の厚さの略半分である。
波長λの成分と波長λの成分を含む赤外線が量子ドット型赤外線検出器1の光吸収部に入射すると、量子ドット23の基底準位30を占有していた電子が波長λの赤外線によって励起準位31にサブバンド間遷移し、量子ドット25の基底準位32を占有していた電子が波長λの赤外線によって励起準位33にサブバンド間遷移する。波長λの赤外線によって励起準位31にサブバンド間遷移した電子は、三角ポテンシャル障壁42をトンネル効果で透過して正バイアス側(下部コンタクト層21側)に移動することができる。したがって、負バイアス光電流を検出することで波長λの赤外線を検出することができる。一方、波長λの赤外線によって励起準位33にサブバンド間遷移した電子が量子ドット層25と中間層24の間の分厚いポテンシャル障壁をトンネル効果で透過して正バイアス側(下部コンタクト層21側)に移動する確率は非常に低い。
図4(b)を参照して、波長λの赤外線を検出するステップを詳細に説明する。電圧源回路110が下部コンタクト層21をグラウンド電位に接続し、上部コンタクト層27を正電位に接続して量子ドット型赤外線検出器1(具体的には下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27)に正バイアス電圧を印加する。すると、下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27に挟まれた光吸収部の伝導帯端は、下部コンタクト層21側から上部コンタクト層27側に向かってエネルギー準位が低下するように傾斜する。このとき、中間層26におけるバンドギャップが一定であるため、量子ドット25と中間層26の間に形成されるポテンシャル障壁は三角ポテンシャル障壁43である。一方、中間層24のバンドギャップEgはバンドギャップ最大位置において最も広いため、量子ドット23と中間層24の間に形成されるポテンシャル障壁は、三角ポテンシャル障壁ではなく、分厚いポテンシャル障壁である。例えば、バンドギャップ最大位置が中間層24の中心(z方向の座標がL/2の位置)である場合、量子ドット層23と中間層24の間のポテンシャル障壁の厚さは、中間層24の厚さの略半分である。
波長λの赤外線によって量子ドット25の励起準位33にサブバンド間遷移した電子は、三角ポテンシャル障壁43をトンネル効果で透過して正バイアス側(上部コンタクト層27側)に移動することができる。したがって、正バイアス光電流を検出することで波長λの赤外線を検出することができる。一方、波長λの赤外線によって量子ドット23の励起準位31にサブバンド間遷移した電子が量子ドット層23と中間層24の間の分厚いポテンシャル障壁をトンネル効果で透過して正バイアス側(上部コンタクト層27側)に移動する確率は非常に低い。
したがって、図5に示すように、負バイアス電圧を印加したときの量子ドット型赤外線検出器1の検出感度特性は、波長λに対応するピークを含むが、波長λに対応するサブピークを含まない。同様に、正バイアス電圧を印加したときの量子ドット型赤外線検出器1の検出感度特性は、波長λに対応するピークを含むが、波長λに対応するサブピークを含まない。本実施の形態によれば、波長λの赤外線を検出するモード(負バイアス電圧印加状態)において波長λの赤外線に対する検出感度が極めて低く、波長λの赤外線を検出するモード(正バイアス電圧印加状態)において波長λの赤外線に対する検出感度が極めて低い。本実施の形態によれば、印加バイアス電圧の反転により検出波長を2波長間で切り替えることが可能な量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法であって、一方の波長の赤外線を検出するモードにおいて他方の波長の赤外線を誤検知することが防止される量子ドット型赤外線検出器、赤外線検出装置、及び赤外線検出方法を提供することができる。
以下に、本実施の形態にかかる量子ドット型赤外線検出器1及び赤外線検出装置100の製造方法を説明する。
図1を参照して、量子ドット型赤外線検出器1に用いられる半導体ウエハの製造方法を説明する。半導体ウエハは、分子線エピタキシー法や有機金属気相成長法によって成長される。z方向は、半導体ウエハの成長方向と一致している。したがって、z方向は、ウエハ成長軸方向z又は基板成長軸方向zと称される場合がある。バルク半導体の材質としては、例えばIII−V族半導体のGaAsが好適である。したがって、GaAs半導体基板20の上に、厚さ数100 nmの下部コンタクト層21を成長する。上記説明のように赤外線によるサブバンド間励起に用いられるキャリアが電子の時、下部コンタクト層21はn型半導体である必要がある。例えば、GaAsにSi等のn型不純物を適当な濃度(例えば2×1018 cm−3)だけ添加することで下部コンタクト層21を形成する。その後、組成変調されない中間層22を形成する。中間層22の材質として、例えば半導体基板20の材質と同一のGaAsを用いる。
次に、量子ドット層23を成長する。量子ドット層23は、中間層22上に、中間層22よりも格子定数の大きな半導体(例えばInAsが好適)の厚さ数モノレイヤの薄い層(ウエッティングレイヤ)を積層することで形成される。量子ドット23のサブバンド間遷移エネルギー(基底準位30と励起準位31のエネルギー差)は、量子ドット23の組成及びサイズによって決まる。量子ドット23のサイズ及び密度は、成長温度や原料となるInあるいはAs原子ガスの圧力や成長時間等の様々なパラメータによって決まる。
次に、中間層24を成長する。中間層24においてバンドギャップ変調を実現するためには、例えばAlGa1−xAs等の3元系の材料を用いて中間層24を形成すればよい。具体的には、Al組成比xを0から0.1まで増加させながら中間層24の下側部分(量子ドット層23側の端部(z=0)からバンドギャップ最大位置(z=M)までの部分)を形成する。続いて、Al組成比xを0.1から0まで減少させながら中間層24の上側部分(バンドギャップ最大位置(z=M)から量子度ドット層25側の端部(z=L)までの部分)を形成する。したがって、中間層24の両端(z=0、L)における材料組成はGaAsであり、バンドギャップ最大位置(z=M)における材料組成はAl0.1Ga0.9Asである。中間層24の厚さは、典型的には50 nm程度である。
次に、量子ドット層25を成長する。量子ドット層25も、量子ドット層23と同様に、中間層24の量子ドット層25側の端部(z=L)の材質(上記説明の例ではx=0、すなわちGaAs)よりも格子定数の大きな半導体(例えばInAsが好適)の厚さ数モノレイヤの薄い層(ウエッティングレイヤ)を積層することで形成される。量子ドット25のサブバンド間遷移エネルギー(基底準位32と励起準位33のエネルギー差)は、量子ドット25の組成及びサイズによって決まる。量子ドット25のサイズ及び密度は、成長温度や原料となるInあるいはAs原子ガスの圧力や成長時間等の様々なパラメータによって決まる。2波長検出の目的から、量子ドット23のサブバンド間遷移エネルギーと量子ドット25のそれを異ならしめる必要がある。そのためには、量子ドット25の組成又はサイズを量子ドット23とは異なるものとすればよい。図1では、量子ドット層23と量子ドット層25とで量子ドットのサイズが異なる場合が示されている。
光検出効率向上のためには、量子ドット層23、中間層24、量子ドット層25を備える2波長吸収積層体28を複数積層することが有効である。この場合、隣り合う2波長吸収積層体28を隔てる中間層26は組成変調されない。中間層26の材質として、例えば、中間層22と同一のGaAsが好適である。中間層22及び26はバンドギャップ変調されない。
最後の2波長吸収積層体28を形成した後に、再び中間層22を形成する。続いて、上部コンタクト層27を成長する。上部コンタクト層27は、下部コンタクト層21と同様にn型の半導体である。例えば、GaAsにSi等のn型不純物を適当な濃度(例えば2×1018 cm−3)だけ添加することで上部コンタクト層27を形成する。上部コンタクト層27の表面酸化を避けるため、上部コンタクト層27の上に不純物添加されない薄い半導体層(図示せず)を形成してもよい。
上述したように製造した半導体ウエハに対して微細加工を施して、量子ドット型赤外線検出器1の構造を作製する。図6は、量子ドット型赤外線検出器1の詳細構造を示す。量子ドット型赤外線検出器1は、画素分離のためのメサ構造15と、上部コンタクト層27に接続された上部電極50と、下部コンタクト層21に接続された下部電極51とを備える。
図6を参照して、半導体ウエハから量子ドット型赤外線検出器1を製造する方法を説明する。紫外線または電子線リソグラフィーによってレジストパターンを形成する。その後、金属蒸着とリフトオフによるレジストパターンの除去により、上部電極50を形成する。上部電極50は、レジストパターンで覆われなかった部分に蒸着された金属のパターンである。上部コンタクト層27がn型コンタクトであるため、上部電極50の金属材料としては、例えばAuGe/Ni/Auが好適である。その後、リソグラフィーによってウエットエッチング用レジストパターンを形成する。ウエットエッチング用レジストパターンをマスクとして用いてウエットエッチングを行い、メサ構造15を形成する。ウエットエッチングは、下部コンタクト層21の上面が部分的に露出するまで行う。その後、上部電極50と同様にして下部電極51を形成する。上部電極50と上部コンタクト層27の間のオーミック接続及び下部電極51と下部コンタクト層21の間のオーミック接続を形成するため、水素ガスを流した還元雰囲気でアニール処理を行う。アニール温度は400℃程度である。最後に、複数のメサ構造15を含む半導体チップを半導体ウエハから切り出す。半導体チップは、量子ドット型赤外線検出器1を含んでいる。
次に、赤外線検出装置100の製造方法を説明する。量子ドット型赤外線検出器1を含む半導体チップを適当な支持基材上に銀ペースト等の導電性の接着剤を用いて固定する。支持基材としては、例えば導電性セラミックスパッケージを用いることができる。続いて、上部電極50と下部電極51に対してワイヤーボンディングにより電気配線(典型的には直径数10 μmの金線)を接続する。上部電極50及び下部電極51からの電気配線(金属配線)を電圧源回路110及び光電流検出回路120に接続する。光電流検出回路120は、例えばIC(Integrated Circuit)回路である。
以下、本実施の形態による効果を、簡単なモデルを用いて定量的に評価する。
図7(a)は、本実施の形態にかかる量子ドット型赤外線検出器1において、バイアス電圧を印加しない状態における光吸収部のモデル伝導帯模式図を示す。計算の簡略化のため、中間層24の伝導帯端のエネルギー準位が量子ドット層23側の端部(z=0)から中心(z=L/2)に向かって線形に増加し、中心(z=L/2)から量子ドット層25側の端部(z=L)に向かって線形に減少するように、中間層24がバンドギャップ変調されていると仮定する。したがって、バンドギャップ最大位置は中間層24の中心である(M=L/2)。中間層24の組成をAlGa1−xAsと仮定し、Al組成比xを両端(z=0、L)で0、中心(z=L/2)で0.1と仮定する。このとき、中間層24の伝導帯変調量ΔEを下記式で見積もった。
Figure 2014222709
ここで、E(Al0.1Ga0.9As)は中間層24の中心(z=L/2)におけるバンドギャップ、E(GaAs)は中間層24の両端(z=0、L)におけるバンドギャップである。
このような構造に対して、バイアス電圧を印加した際のトンネル確率を見積もる。計算の簡略化のため、図7(b)に示すように中間層24の左半分(量子ドット層23側の端部(z=0)から中心(z=L/2)までの部分)において伝導帯端がフラットになるようにバイアス電圧が印加された状態を仮定する。このとき、中間層24の層厚全体の電圧降下ΔVは、下記式で表される。
Figure 2014222709
励起準位31に励起された電子が中間層24のポテンシャル障壁をトンネル効果により透過する確率Tは、WKB(Wentzel−Kramers−Brillouin)近似法により下記式で表される。
Figure 2014222709
ここで、Tは励起準位31に励起された電子が中間層24の左半分をトンネル効果により透過する確率、Vは量子ドット23のポテンシャル障壁高さ、Eは量子ドット23の励起準位31に対応するエネルギー、Lは中間層24の層厚、zは中間層24の中心(z=L/2)から古典的折り返し点までの距離、mは電子の質量である。ただし、量子ドット23のポテンシャルの底をエネルギーの原点にとって計算を行った。距離zは下記式で表される。
Figure 2014222709
図8(a)は、比較例にかかる量子ドット型赤外線検出器において、バイアス電圧を印加しない状態における光吸収部のモデル伝導帯模式図を示す。比較例にかかる量子ドット型赤外線検出器は、実施の形態1にかかる量子ドット型赤外線検出器1において中間層24をバンドギャップ変調されていない中間層29で置き換えたものである。中間層29の伝導帯端のエネルギー準位は、量子ドット層23側の端部(z=0)から量子ドット層25側の端部(z=L)まで一定である。
このような構造に対して、バイアス電圧を印加した際のトンネル確率を見積もる。図8(b)は、比較例にかかる量子ドット型赤外線検出器において、図7(b)の場合と同じバイアス電圧を印加した状態における光吸収部のモデル伝導帯模式図を示す。励起準位31に励起された電子が中間層29のポテンシャル障壁をトンネル効果により透過する確率Tは下記式で表される。
Figure 2014222709
ここで、zは中間層29の量子ドット層23側の端部(z=0)から古典的折り返し点までの距離である。距離zは下記式で表される。
Figure 2014222709
とTの比を計算した結果を下記式に示す。
Figure 2014222709
ここで、Lを50 nmとして、量子ドット23のパラメータV及びEとしては発明者らの実験結果から推測した値(V=302.5 eV、E=271.9 eV)を用いた。尚、Tの計算方法は当業者にとって常識であるので説明を省略した。
したがって、励起状態31に励起された電子がバンドギャップ変調された中間層24を透過する確率は、励起状態31に励起された電子がバンドギャップ変調されない中間層29を透過する確率の2%程であると見積もられた。この結果から、波長λの赤外線を検出するモードにおいて波長λの赤外線に対する検出感度が波長λの赤外線に対する検出感度の50分の1程にまで低減され、波長λの赤外線を検出するモードにおいて波長λの赤外線に対する検出感度が波長λの赤外線に対する検出感度の50分の1程にまで低減されると考えられる。
図7(b)に示した状態を実現する量子ドット型赤外線検出器1の動作バイアス電圧Vは、2波長吸収積層体28の数をNとすれば、下記式で表される。
Figure 2014222709
ここで、量子ドット層23及び25の厚さを無視する近似を行った。したがって、量子ドット型赤外線検出器1の動作バイアス電圧Vを0.5〜2.0 (V)、2波長吸収積層体28の数Nを5〜20とすれば、中間層24の伝導帯変調量ΔEを6〜91 meV程度にすればよいことになる。以上より、中間層24の伝導帯変調量ΔEを5〜100 meVにすることが好ましい。中間層24の伝導帯変調量ΔEを5〜100 meVにするかわりに、中間層24の荷電子帯変調量を5〜100 meVにしてもよい。中間層24のバンドギャップ変調量(=バンドギャップ最大位置(z=M)におけるバンドギャップEgと両端(z=0、L)におけるバンドギャップEgの差)を7.5〜300 meVにしてもよい。尚、動作バイアス電圧Vを0.5〜2.0(V)にすることは、正バイアス電圧及び負バイアス電圧の絶対値を0.5〜2.0(V)にすることである。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2を説明する。以下において、実施の形態1と共通する事項及び実施の形態1から自明な事項の説明は省略される場合がある。
図9(a)は、中間層24のバンドギャップEgのz方向の分布を示している。中間層24のバンドギャップEgは、量子ドット層23側の端部(z=0)からバンドギャップ最大位置(z=M)に向かって連続的に広くなり、量子ドット層25側の端部(z=L)からバンドギャップ最大位置(z=M)に向かって連続的に広くなっている。このように、バンドギャップEgのz方向の分布が連続的な分布であると、階段状の分布である場合に比べてバイアス電圧印加時の光電子伝導における散乱が減少する。上記のようなバンドギャップEgの変調を実現するために、例えば、中間層24の材料組成がAlGa1−xAsで表されるとき、Al組成比xを0から0.1まで連続的に増加させながら中間層24の下側部分(z=0〜M)を形成し、Al組成比xを0.1から0まで連続的に減少させながら中間層24の上側部分(z=M〜L)を形成する。
図9(b)は、中間層24のバンドギャップEgのz方向の座標zに対する一次微分係数dEg/dzのz方向の分布を示している。dEg/dzは、バンドギャップ最大位置(z=M)より量子ドット層23側(0<z<M)において正、バンドギャップ最大位置(z=M)において0、バンドギャップ最大位置(z=M)より量子ドット層25側(M<z<L)において負である。
図9(c)は、中間層24のバンドギャップEgのz方向の座標zに対する二次微分係数dEg/dzのz方向の分布を示している。dEg/dzは、量子ドット層23側の端部(z=0)から量子ドット層25側の端部(z=L)まで常に負である。したがって、中間層24の伝導帯端のz方向の分布が上に凸の分布となり、中間層24の伝導帯端の両端(z=0、L)近傍における傾斜が急峻になる。その結果、波長λの赤外線を検出するモードにおいて波長λの赤外線によって量子ドット25の励起準位33に励起された電子が中間層24のポテンシャル障壁をトンネル効果により透過する確率が大きく低減され、波長λの赤外線を検出するモードにおいて波長λの赤外線によって量子ドット23の励起準位31に励起された電子が中間層24のポテンシャル障壁をトンネル効果により透過する確率が大きく低減される。上記のようなdEg/dzの分布は、例えば、中間層24のバンドギャップEgをz座標の2次関数にすることで実現できる。尚、z方向は、量子ドット層23、中間層24、及び量子ドット層25が積層されている積層方向に一致している。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3を説明する。以下において、実施の形態1又は2と共通する事項及び実施の形態1又は2から自明な事項の説明は省略される場合がある。
図10を参照して、本実施の形態では、量子ドット層23の中間層24側に量子井戸層70が設けられている。量子井戸層70は、量子ドット層23と中間層24の間に配置される。以下において、量子井戸層70の量子井戸を量子井戸70と称する場合がある。本実施の形態では、量子ドット23の基底準位30の電子が赤外線を吸収して量子井戸70のエネルギー準位75にサブバンド間遷移する。したがって、本実施の形態において、量子ドット23のサブバンド間遷移エネルギーは、基底準位30とエネルギー準位75のエネルギー差である。
実施の形態1では、量子ドット25の組成又はサイズを量子ドット23の組成又はサイズと異なるものとすることで、量子ドット23と量子ドット25のサブバンド間遷移エネルギー(すなわち検出感度ピークの波長)を異ならせた。一方、本実施の形態では、量子ドット25の組成及びサイズが量子ドット23の組成及びサイズと同一であっても、量子井戸層70の有無によって、量子ドット23と量子ドット25のサブバンド間遷移エネルギーを異ならせることができる。したがって、量子ドット23及び25の密度が高くなるように量子ドット23及び25の組成及びサイズを最適化して、量子ドット型赤外線検出器1の感度を高めることができる。
尚、量子ドットの密度を高密度に保ったまま量子ドットのサイズや組成を変調することよりも、高密度な量子ドットを形成してその上に形成する量子井戸層の組成又は層厚を変調する方が容易である。したがって、本実施の形態によれば、検出感度ピーク波長を変調することが容易である。
量子井戸層70を量子ドット層23の中間層24側に設けるかわりに量子ドット層23の中間層24の反対側(すなわち量子ドット層23と中間層26(22)の間)に設けてもよい。量子井戸層70を量子ドット層23の両側に設けてもよい。量子ドット層23の中間層24側、中間層24の反対側、又は両方に量子井戸層70を設けるかわりに、量子ドット層25の中間層24側(すなわち量子ドット層25と中間層24の間)、中間層24の反対側(すなわち量子ドット層25と中間層26(22)の間)、又は両方に量子井戸層を設けてもよい。量子ドット層の両側に量子井戸層が設けられた構造は、DWELL(Dot in WELL)構造と称される場合がある。量子ドット層23及び25の両方に量子井戸層を設けてもよい。
更に、本発明者らは、量子井戸層70を量子ドット層23の中間層24側のみに設けることで、一方の波長の赤外線を検出するモードにおいて他方の波長の赤外線を誤検知することが防止される効果が向上することに想到した。その理由を以下に説明する。
図11は、図10の中間層24がバンドギャップ変調されていない中間層29で置き換えられた構造の伝導帯模式図である。図11は、バイアス電圧が印加されない状態を示している。量子ドット23の基底準位30に対応する波動関数71及び量子井戸70のエネルギー準位75に対応する波動関数72が示されている。波動関数71は偶関数である。偶関数は、節の数が偶数である。波動関数71の節の数は0個である。一方、光学遷移則により、サブバンド間遷移の終状態のエネルギー準位に対応する波動関数は奇関数である。奇関数は、節の数が奇数である。エネルギー準位75が量子井戸70のエネルギー準位のうち最も低いエネルギー準位である場合、波動関数72の節の数は1個である。
図11に示すように、波動関数72は量子ドット23の領域と量子井戸70の領域に跨って存在する。ここで、量子ドット23の領域における波動関数72の波数は、量子井戸70の領域における波動関数72の波数よりも大きい。そのため、波動関数72の節は量子ドット23と量子井戸70の境界よりも量子ドット23側に存在し、波動関数72の中間層26(22)への染み出し距離zは波動関数72の中間層29への染み出し距離zよりも大きい。
したがって、負バイアス電圧が印加されている状態においてエネルギー準位75にサブバンド間遷移した電子が量子ドット23と中間層26(22)の間に形成される三角ポテンシャル障壁をトンネル効果で透過する確率は、負バイアス電圧と絶対値が等しい正バイアス電圧が印加されている状態においてエネルギー準位75にサブバンド間遷移した電子が量子ドット23と中間層29の間に形成される三角ポテンシャル障壁をトンネル効果で透過する確率より高い。
ここで、中間層29をバンドギャップ変調された中間層24で置き換えると、波長λの赤外線を検出するモード(正バイアス電圧印加状態)において、波長λの赤外線によってエネルギー準位75にサブバンド間遷移した電子が正バイアス側(上部コンタクト層27側)に移動する確率が更に低減される。換言すれば、波長λの赤外線を検出するモードにおいて波長λの赤外線を誤検知する確率が実施の形態1及び2よりも低減される。
以上の議論は、量子ドット層25についても当てはまる。すなわち、図12に示すように、量子ドット層23の中間層24側に量子井戸層70が設けられ、量子ドット層25の中間層24側に量子井戸層80が設けられる。2波長吸収積層体28において、量子ドット層23、量子井戸層70、中間層24、量子井戸層80、及び量子ドット層25の順番でz方向に配置される。量子ドット層23と中間層26(22)の間には量子井戸層が設けられず、量子ドット層25と中間層26(22)の間には量子井戸層が設けられない。
実施の形態1の場合と同様に、複数の2波長吸収積層体28を設けることで、量子ドット型赤外線検出器1の検出感度を向上することができる。この場合、隣り合う2波長吸収積層体28の間にバンドギャップ変調されない中間層26が配置されることは言うまでもない。
本実施の形態にかかる量子ドット型赤外線検出器1に用いられる半導体ウエハの製造方法は、実施の形態1にかかる半導体ウエハの製造方法と基本的に同様である。ただし、量子井戸層を形成するプロセスが追加される。例えば、量子ドット層23を形成するプロセスと中間層24を形成するプロセスの間に量子井戸層70を形成するプロセスが追加され、中間層24を形成するプロセスと量子ドット層25を形成するプロセスの間に量子井戸層80を形成するプロセスが追加される。量子井戸層70は、中間層26(22)の半導体材質のバンドギャップと量子ドット層23の半導体材質のバンドギャップの間のバンドギャップを持つ半導体材質により形成される。量子井戸層80は、中間層26(22)の半導体材質のバンドギャップと量子ドット層25の半導体材質のバンドギャップの間のバンドギャップを持つ半導体材質により形成される。例えば、中間層26(22)の半導体材質がGaAs、量子ドット層23及び25の半導体材質がInAsの場合、量子井戸層70及び80の半導体材質としてはInGaAsが好適である。半導体ウエハから量子ドット型赤外線検出器1を製造する方法及び赤外線検出装置100の製造方法は実施の形態1及び2と同様である。
尚、図12に示されるように量子井戸層70及び80の両方が設けられてもよく、量子井戸層70及び80のいずれか一方だけが設けられてもよい。本実施の形態において、量子ドット23の組成及びサイズと量子ドット25の組成及びサイズは、同一であっても異なっていてもよい。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4を説明する。以下において、実施の形態1、2、又は3と共通する事項及び実施の形態1、2、又は3から自明な事項の説明は省略される場合がある。
実施の形態1乃至3においては、中間層24におけるバンドギャップ最大位置(z=M)は、両端(z=0、L)の間に配置されていればよく、中心(z=2/L)であってもなくてもよい。本実施の形態においては、バンドギャップ最大位置(z=M)が積極的に中心(z=2/L)からずらされる。
実施の形態1における計算から明らかなように、量子ドット23又は25から中間層24又は26(22)へのトンネル確率は、サブバンド間遷移の終状態である励起準位31又は33のエネルギー準位と印加されるバイアス電圧に依存する。また、実施の形態3で説明したように量子ドット層23に隣接して量子井戸層70が設けられる場合、量子ドット23の組成及びサイズと量子ドット25の組成及びサイズが同一であっても、量子井戸層70の組成又は層厚が異なるとサブバンド間遷移の終状態のエネルギー準位75が異なるため、結果として量子ドット23から中間層24又は26(22)へのトンネル確率が異なる。
したがって、下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27に負方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット23から中間層26(22)へのトンネル確率と、下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27に負方向バイアス電圧と絶対値が同じで向きが反対の正方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット25から中間層26(22)へのトンネル確率とが異なる場合がある。このような場合、中間層24におけるバンドギャップ最大位置を中心(z=2/L)からずらすことで、一方の波長の赤外線を検出するモードにおいて他方の波長の赤外線を誤検知することが防止される効果を向上させることができる。
以下、2波長吸収積層体28の両側に中間層26が配置される場合について説明する。2波長吸収積層体28の両側又はいずれか一方側に中間層22が配置される場合は、2波長吸収積層体28の両側に中間層26が配置される場合の説明から明らかである。
図13(a)は、量子ドット23の励起準位31と量子ドット25の励起準位33が異なる場合において、下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27にバイアス電圧を印加しない状態における伝導帯模式図を示す。図示したように励起準位31より励起準位33が中間層26の伝導帯端のエネルギー準位に近い場合、負方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット23から中間層26へのトンネル確率は、正方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット25から中間層26へのトンネル確率より小さい。量子ドット23から中間層26へのトンネル確率は、量子ドット23の励起準位31の光電子が中間層26のポテンシャル障壁をトンネル効果により透過する確率である。量子ドット25から中間層26へのトンネル確率は、量子ドット25の励起準位33の光電子が中間層26のポテンシャル障壁をトンネル効果により透過する確率である。
したがって、量子ドット型赤外線検出器1の光吸収部に単位時間に入射する波長λの光子の数と波長λの光子の数が等しい場合において、波長λの赤外線を検出するモードと波長λの赤外線を検出するモードで同程度の光電流を得ようとするならば、波長λの赤外線を検出するモードにおいて絶対値の大きい動作バイアス電圧を印加する必要がある。すなわち、波長λの赤外線を検出するモードにおいて下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27に印加される動作バイアス電圧(負バイアス電圧)の絶対値を波長λの赤外線を検出するモードにおいて下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27に印加される動作バイアス電圧(正バイアス電圧)の絶対値より大きくする必要がある。尚、負方向バイアス電圧と負バイアス電圧の向きが同じであり、正方向バイアス電圧と正バイアス電圧の向きが同じである。この場合、図13(a)に示すように中間層24のバンドギャップ最大位置(z=M)を中間層24の中心(z=L/2)から量子ドット層25側に寄せることが好ましい。その理由を以下に説明する。
図13(b)は、波長λの赤外線を検出するモードにおいて下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27に負バイアス電圧を印加した状態における伝導帯模式図を示す。中間層24のバンドギャップ最大位置(z=M)が量子ドット層25側に寄っているため、負バイアス電圧の絶対値が大きくても量子ドット25と中間層24の間に三角ポテンシャル障壁が形成されない。したがって、量子ドット25から中間層24へのトンネル確率が低い。
図13(c)は、波長λの赤外線を検出するモードにおいて下部コンタクト層21及び上部コンタクト層27に正バイアス電圧を印加した状態における伝導帯模式図を示す。波長λの赤外線を検出するモードにおいては、正バイアス電圧の絶対値が小さくても十分な光電流を得ることができる。正バイアス電圧の絶対値が小さいと、中間層24のバンドギャップ最大位置(z=M)が量子ドット層25側に寄っていても、量子ドット23と中間層24の間に三角ポテンシャル障壁が形成されない。したがって、量子ドット23から中間層24へのトンネル確率が低い。
以上のように、絶対値が同じで向きが異なるバイアス電圧を印加した際の量子ドット23の光電子のトンネル確率と量子ドット25の光電子のトンネル確率とに応じて、中間層24のバンドギャップ最大位置(z=M)を中間層24の中心(z=L/2)からずらすことで、波長λの赤外線と波長λの赤外線とで同程度の光電流を確保しつつ、一方の波長の赤外線を検出するモードにおいて他方の波長の赤外線を誤検知することが防止される効果を向上させることができる。
まとめると、正方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット25から中間層26へのトンネル確率が負方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット23から中間層26へのトンネル確率より高い場合、中間層24のバンドギャップ最大位置は中間層24の中心から量子ドット層25側に寄っており、波長λの赤外線を検出するモードで印加される負バイアス電圧の絶対値は波長λの赤外線を検出するモードで印加される正バイアス電圧の絶対値より大きい。負方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット23から中間層26へのトンネル確率が正方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット25から中間層26へのトンネル確率より高い場合、中間層24のバンドギャップ最大位置は中間層24の中心から量子ドット層23側に寄っており、波長λの赤外線を検出するモードで印加される正バイアス電圧の絶対値は波長λの赤外線を検出するモードで印加される負バイアス電圧の絶対値より大きい。
尚、正方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット25から中間層26へのトンネル確率と負方向バイアス電圧を印加した際の量子ドット23から中間層26へのトンネル確率が等しい場合、中間層24のバンドギャップ最大位置は中間層24の中心に配置され、正バイアス電圧の絶対値と負バイアス電圧の絶対値が等しいことが好ましい。
本実施の形態にかかる量子ドット型赤外線検出器1に用いられる半導体ウエハの製造方法、半導体ウエハから量子ドット型赤外線検出器1を製造する方法、及び赤外線検出相違100の製造方法は、実施の形態1乃至3と同様である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出器であって、第1波長の赤外線を吸収する第1量子ドット層と、前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を吸収する第2量子ドット層と、前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層とを具備する。前記第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い。
(付記2)付記1に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、前記第1中間層のバンドギャップは、前記第1端部から前記バンドギャップ最大位置に向かって連続的に広くなり、前記第2端部から前記バンドギャップ最大位置に向かって連続的に広くなる。
(付記3)付記2に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、前記第1量子ドット層、前記第1中間層、及び前記第2量子ドット層が積層されている積層方向が定義される。前記第1中間層のバンドギャップの前記積層方向の座標に対する2次微分係数は、前記第1端部から前記第2端部まで常に負である。
(付記4)付記1乃至3のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、前記第1中間層の伝導帯または荷電子帯の変調量が5〜100meVである。
(付記5)付記1乃至4のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、前記第1量子ドット層及び前記第2量子ドット層の少なくとも一方の前記第1中間層側、前記第1中間層の反対側、又は両方に設けられた量子井戸層を更に具備する。
(付記6)付記5に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、前記量子井戸層は、前記第1中間層側のみに設けられる。
(付記7)付記1乃至6のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、前記第1波長の赤外線を吸収する他の第1量子ドット層と、前記第2波長の赤外線を吸収する他の第2量子ドット層と、前記他の第1量子ドット層と前記他の第2量子ドット層とを隔てる他の第1中間層と、前記第2量子ドット層と前記他の第1量子ドット層とを隔てる第2中間層とを更に具備する。前記他の第1中間層のバンドギャップは、前記他の第1量子ドット層側の他の第1端部と前記他の第2量子ドット層側の他の第2端部の間の他のバンドギャップ最大位置において最も広い。前記第2中間層のバンドギャップは、前記第2量子ドット層側の端部から前記他の第1量子ドット層側の端部にかけて一定である。
(付記8)付記1乃至6のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、第1コンタクト層と、第2中間層と、他の第2中間層と、第2コンタクト層とを更に具備する。前記第1コンタクト層、前記第2中間層、前記第1量子ドット層、前記第1中間層、前記第2量子ドット層、前記他の第2中間層、及び前記第2コンタクト層の順番に配置される。前記第2中間層のバンドギャップは、前記第1コンタクト層側の端部から前記第2コンタクト層側の端部にかけて一定である。前記他の第2中間層のバンドギャップは、前記第1コンタクト層側の端部から前記第2コンタクト層側の端部にかけて一定である。前記第1コンタクト層及び前記第2コンタクト層に第1方向バイアス電圧を印加した際の前記第1量子ドット層の量子ドットから前記第2中間層への第1トンネル確率と前記第1コンタクト層及び前記第2コンタクト層に前記第1方向バイアス電圧と絶対値が同じで向きが反対の第2方向バイアス電圧を印加した際の前記第2量子ドット層の量子ドットから前記他の第2中間層への第2トンネル確率とが異なる。前記第1トンネル確率が前記第2トンネル確率より高い場合、前記バンドギャップ最大位置は前記第1中間層の中心から前記第1量子ドット層側に寄っている。前記第2トンネル確率が前記第1トンネル確率より高い場合、前記バンドギャップ最大位置は前記第1中間層の中心から前記第2量子ドット層側に寄っている。
(付記9)付記7に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、第1コンタクト層と、他の第2中間層と、更に他の第2中間層と、第2コンタクト層とを更に具備する。前記第1コンタクト層、前記他の第2中間層、前記第1量子ドット層、前記第1中間層、前記第2量子ドット層、前記第2中間層、前記他の第1量子ドット層、前記他の第1中間層、前記他の第2量子ドット層、前記更に他の第2中間層、及び前記第2コンタクト層の順番に配置される。前記他の第2中間層のバンドギャップは、前記第1コンタクト層側の端部から前記第2コンタクト層側の端部にかけて一定である。前記更に他の第2中間層のバンドギャップは、前記第1コンタクト層側の端部から前記第2コンタクト層側の端部にかけて一定である。前記第1コンタクト層及び前記第2コンタクト層に第1方向バイアス電圧を印加した際の前記第1量子ドット層の量子ドットから前記他の第2中間層への第1トンネル確率と前記第1コンタクト層及び前記第2コンタクト層に前記第1方向バイアス電圧と絶対値が同じで向きが反対の第2方向バイアス電圧を印加した際の前記第2量子ドット層の量子ドットから前記第2中間層への第2トンネル確率とが異なる。前記第1トンネル確率が前記第2トンネル確率より高い場合、前記バンドギャップ最大位置は前記第1中間層の中心から前記第1量子ドット層側に寄っている。前記第2トンネル確率が前記第1トンネル確率より高い場合、前記バンドギャップ最大位置は前記第1中間層の中心から前記第2量子ドット層側に寄っている。
(付記10)付記1乃至9のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、前記第1中間層の材料組成は、AlGa1−xAsで表される。前記Al組成比xは、前記バンドギャップ最大位置において最も大きい。
(付記11)半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出器と、電圧源回路と、光電流検出回路とを具備する赤外線検出装置。前記電圧源回路は、前記量子ドット型赤外線検出器に第1バイアス電圧と前記第1バイアス電圧の反対の向きの第2バイアス電圧を印加する。前記光電流検出回路は、前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第1バイアス光電流と前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第2バイアス光電流を検出する。前記量子ドット型赤外線検出器は、第1波長の赤外線を吸収する第1量子ドット層と、前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を吸収する第2量子ドット層と、前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層とを備える。前記第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い。
(付記12)付記11に記載の赤外線検出装置であって、前記量子ドット型赤外線検出器は、第1コンタクト層と、第2中間層と、他の第2中間層と、第2コンタクト層とを更に備える。前記第1コンタクト層、前記第2中間層、前記第1量子ドット層、前記第1中間層、前記第2量子ドット層、前記他の第2中間層、及び前記第2コンタクト層の順番に配置される。前記第2中間層のバンドギャップは、前記第1コンタクト層側の端部から前記第2コンタクト層側の端部にかけて一定である。前記他の第2中間層のバンドギャップは、前記第1コンタクト層側の端部から前記第2コンタクト層側の端部にかけて一定である。前記第1コンタクト層及び前記第2コンタクト層に前記第1バイアス電圧と同じ向きの第1方向バイアス電圧を印加した際の前記第1量子ドット層の量子ドットから前記第2中間層への第1トンネル確率と前記第1コンタクト層及び前記第2コンタクト層に前記第1方向バイアス電圧と絶対値が同じで向きが反対の第2方向バイアス電圧を印加した際の前記第2量子ドット層の量子ドットから前記他の第2中間層への第2トンネル確率とが異なる。前記第1トンネル確率が前記第2トンネル確率より高い場合、前記バンドギャップ最大位置は前記第1中間層の中心から前記第1量子ドット層側に寄っており、前記第2バイアス電圧の絶対値は前記第1バイアス電圧の絶対値より大きい。前記第2トンネル確率が前記第1トンネル確率より高い場合、前記バンドギャップ最大位置は前記第1中間層の中心から前記第2量子ドット側に寄っており、前記第1バイアス電圧の絶対値は前記第2バイアス電圧の絶対値より大きい。
(付記13)半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出器を用いた赤外線検出方法であって、第1波長の赤外線を検出するステップと、前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を検出するステップとを具備する。前記第1波長の赤外線を検出するステップは、前記量子ドット型赤外線検出器に第1バイアス電圧を印加するステップと、前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器の第1量子ドット層が前記第1波長の赤外線を吸収するステップと、前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第1バイアス光電流を検出するステップとを備える。前記第2波長の赤外線を検出するステップは、前記量子ドット型赤外線検出器に前記第1バイアス電圧の反対の向きの第2バイアス電圧を印加するステップと、前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器の第2量子ドット層が前記第2波長の赤外線を吸収するステップと、前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第2バイアス光電流を検出するステップとを備える。前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い。
100 赤外線検出装置
110 電圧源回路
120 光電流検出回路
1 量子ドット型赤外線検出器
21 下部コンタクト層
22、24、26 中間層
23、25 量子ドット層(量子ドット)
27 上部コンタクト層
70 量子井戸層
80 量子井戸層

Claims (10)

  1. 半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出器であって、
    第1波長の赤外線を吸収する第1量子ドット層と、
    前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を吸収する第2量子ドット層と、
    前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層と
    を具備し、
    前記第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い
    量子ドット型赤外線検出器。
  2. 請求項1に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、
    前記第1中間層のバンドギャップは、前記第1端部から前記バンドギャップ最大位置に向かって連続的に広くなり、前記第2端部から前記バンドギャップ最大位置に向かって連続的に広くなる
    量子ドット型赤外線検出器。
  3. 請求項2に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、
    前記第1量子ドット層、前記第1中間層、及び前記第2量子ドット層が積層されている積層方向が定義され、
    前記第1中間層のバンドギャップの前記積層方向の座標に対する2次微分係数は、前記第1端部から前記第2端部まで常に負である
    量子ドット型赤外線検出器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、
    前記第1中間層の伝導帯または荷電子帯の変調量が5〜100meVである
    量子ドット型赤外線検出器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、
    前記第1量子ドット層及び前記第2量子ドット層の少なくとも一方の前記第1中間層側、前記第1中間層の反対側、又は両方に設けられた量子井戸層を更に具備する
    量子ドット型赤外線検出器。
  6. 請求項5に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、
    前記量子井戸層は、前記第1中間層側のみに設けられる
    量子ドット型赤外線検出器。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、
    前記第1波長の赤外線を吸収する他の第1量子ドット層と、
    前記第2波長の赤外線を吸収する他の第2量子ドット層と、
    前記他の第1量子ドット層と前記他の第2量子ドット層とを隔てる他の第1中間層と、
    前記第2量子ドット層と前記他の第1量子ドット層とを隔てる第2中間層と
    を更に具備し、
    前記他の第1中間層のバンドギャップは、前記他の第1量子ドット層側の他の第1端部と前記他の第2量子ドット層側の他の第2端部の間の他のバンドギャップ最大位置において最も広く、
    前記第2中間層のバンドギャップは、前記第2量子ドット層側の端部から前記他の第1量子ドット層側の端部にかけて一定である
    量子ドット型赤外線検出器。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の量子ドット型赤外線検出器であって、
    第1コンタクト層と、
    第2中間層と、
    他の第2中間層と、
    第2コンタクト層と
    を更に具備し、
    前記第1コンタクト層、前記第2中間層、前記第1量子ドット層、前記第1中間層、前記第2量子ドット層、前記他の第2中間層、及び前記第2コンタクト層の順番に配置され、
    前記第2中間層のバンドギャップは、前記第1コンタクト層側の端部から前記第2コンタクト層側の端部にかけて一定であり、
    前記他の第2中間層のバンドギャップは、前記第1コンタクト層側の端部から前記第2コンタクト層側の端部にかけて一定であり、
    前記第1コンタクト層及び前記第2コンタクト層に第1方向バイアス電圧を印加した際の前記第1量子ドット層の量子ドットから前記第2中間層への第1トンネル確率と前記第1コンタクト層及び前記第2コンタクト層に前記第1方向バイアス電圧と絶対値が同じで向きが反対の第2方向バイアス電圧を印加した際の前記第2量子ドット層の量子ドットから前記他の第2中間層への第2トンネル確率とが異なり、
    前記第1トンネル確率が前記第2トンネル確率より高い場合、前記バンドギャップ最大位置は前記第1中間層の中心から前記第1量子ドット層側に寄っており、
    前記第2トンネル確率が前記第1トンネル確率より高い場合、前記バンドギャップ最大位置は前記第1中間層の中心から前記第2量子ドット層側に寄っている
    量子ドット型赤外線検出器。
  9. 半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出器と、
    前記量子ドット型赤外線検出器に第1バイアス電圧と前記第1バイアス電圧の反対の向きの第2バイアス電圧を印加する電圧源回路と、
    前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第1バイアス光電流と前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第2バイアス光電流を検出する光電流検出回路と
    を具備し、
    前記量子ドット型赤外線検出器は、
    第1波長の赤外線を吸収する第1量子ドット層と、
    前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を吸収する第2量子ドット層と、
    前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層と
    を備え、
    前記第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い
    赤外線検出装置。
  10. 半導体量子ドットにおけるサブバンド間遷移によって赤外線を検出する量子ドット型赤外線検出器を用いた赤外線検出方法であって、
    第1波長の赤外線を検出するステップと、
    前記第1波長と異なる第2波長の赤外線を検出するステップと
    を具備し、
    前記第1波長の赤外線を検出するステップは、
    前記量子ドット型赤外線検出器に第1バイアス電圧を印加するステップと、
    前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器の第1量子ドット層が前記第1波長の赤外線を吸収するステップと、
    前記第1バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第1バイアス光電流を検出するステップと
    を備え、
    前記第2波長の赤外線を検出するステップは、
    前記量子ドット型赤外線検出器に前記第1バイアス電圧の反対の向きの第2バイアス電圧を印加するステップと、
    前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器の第2量子ドット層が前記第2波長の赤外線を吸収するステップと、
    前記第2バイアス電圧が印加されているときに前記量子ドット型赤外線検出器が出力する第2バイアス光電流を検出するステップと
    を備え、
    前記第1量子ドット層と前記第2量子ドット層とを隔てる第1中間層のバンドギャップは、前記第1量子ドット層側の第1端部と前記第2量子ドット層側の第2端部の間のバンドギャップ最大位置において最も広い
    赤外線検出方法。
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