JP5222436B2 - 成形用金型及びその製造方法並びに光沢度を合致させる方法 - Google Patents

成形用金型及びその製造方法並びに光沢度を合致させる方法 Download PDF

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Description

この発明は、成形用金型及びその製造方法並びに成形品の光沢度を合致させる方法に関し、特に、例えば、製品意匠を向上させる為の成形面を整えるシボ模様(皮シボ模様、肌理模様や木目模様、梨地模様、葉脈模様、鱗模様、大理石模様、ヘアライン、幾何学模様、研磨模様、塗装模様など)を表面に有する樹脂成形品を作製する場合に用いられる、樹脂成形を行うための成形用金型及びその製造方法並びに成形品の光沢度を合致させる方法に関する。
従来は、エッチング加工による梨地シボやサンドブラスト加工によって、金型の型面を粗らすことでグロス低下処理を行っていた。また、それでも不足する場合には、従来は、外観不良の隠蔽も兼ねて成形品に塗装を行っていた。
特開2007−160637号公報
一般的に、合成樹脂成形品は、高級感があり外観不良が見えにくいものが望まれており、それに資するつやを落とした成形品を望まれている。又、自動車内装用合成樹脂成形品、特に窓回りのインパネなどは、つやを落として窓映りを防止できる合成樹脂成形品を望まれている。
又、異なる合成樹脂等の材料で成形した成形品の表面のグロスを合致させたいという要望もある。
それゆえに、この発明の目的は、つやを落とした成形品を成形できる成形用金型及びその製造方法を提供することである。
この発明の他の目的は、異なる合成樹脂等の材料で成形した成形品の表面のグロスを合致させることができる、成形品の光沢度を合致させる方法並びに成形用金型及びその製造方法を提供することである。
この発明の請求項1にかかる成形用金型は、沢調整粒状体が、金型の型面に、間隔をおいて付着され、前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加されて光沢調整凸部を形成され、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を型面における被覆率40〜80%の割合で形成され、前記光沢調整粒状体は、形状保持固着母材50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材30〜80重量部と、粗さ強調材5〜10重量部とを含み、前記形状保持固着母材は熱硬化性プラスチックであり、前記拡散反射面形成芯材はセラミック粉であり、前記粗さ強調材は無機繊維である、成形用金型である。
この発明の請求項2にかかる成形用金型は、沢調整粒状体が、金型の型面に、間隔をおいて付着され、前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加されて光沢調整凸部を形成され、前記光沢調整粒状体は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を構成され、前記光沢調整粒状体は、形状保持固着母材50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材30〜80重量部と、粗さ強調材5〜10重量部とを含み、前記形状保持固着母材は熱硬化性プラスチックであり、前記拡散反射面形成芯材はセラミック粉であり、前記粗さ強調材は無機繊維である、成形用金型である。
この発明の請求項3にかかる成形用金型においては、前記粗さ強調材は、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維のうちの1つで、繊維の長さが5〜20μmである、請求項1又は請求項2に記載の成形用金型である。
この発明の請求項4にかかる成形用金型においては、前記拡散反射面形成芯材は、粒径が0.1〜20μmである、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の成形用金型である。
この発明の請求項5にかかる成形用金型においては、前記光沢調整粒状体は、熱硬化性プラスチック50〜80重量部と、セラミック粉30〜80重量部と、無機繊維5〜10重量部とを、希釈溶剤30〜90重量部にて希釈された複合材料を、吹き付け固化されて形成された、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の成形用金型である。
この発明の請求項6にかかる成形用金型の製造方法は、
(1)成形用金型に凹凸状模様を形成する加工を行う、凹凸状模様加工ステップと、
(2)形状保持固着母材を50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材を30〜80重量部と、粗さ強調材を5〜10重量部と、溶剤を30〜90重量部とを混合する、複合材料混合ステップと、
(3)金型の型面に、圧縮空気により、前記複合材料を、型面における被覆率40〜80%の割合となるように霧状に吹き付ける、吹き付けステップと、
(4)金型の型面に吹き付けられた複合材料を100〜150℃で加熱固化させ、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整粒状体を、型面における被覆率40〜80%の割合で付加する、部分付着ステップとを含み、
前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を付加され、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を型面における被覆率40〜80%の割合で形成された、成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項7にかかる成形用金型の製造方法においては、形状保持固着母材は、熱硬化性プラスチックであり、拡散反射面形成芯材は、ランダムな形状を有するセラミック粉であり、粗さ強調材は、無機繊維である、請求項6に記載の成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項8にかかる成形用金型の製造方法においては、粗さ強調材は、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維のうちの1つで、繊維の長さが5〜20μmであり、拡散反射面形成芯材は、粒径が0.1〜20μmである、請求項6又は請求項7に記載の成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項9にかかる成形用金型の製造方法においては、光沢調整粒状体は、1.0〜100μmの粒径で、5〜30μmの高さである、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項10にかかる合成樹脂成形品は、形状保持固着母材50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材30〜80重量部と、粗さ強調材5〜10重量部とを含む、光沢調整粒状体が、金型の型面に、間隔をおいて付着され、前記形状保持固着母材は、熱硬化性プラスチックであり、前記拡散反射面形成芯材は、ランダムな形状を有するセラミック粉であり、前記粗さ強調材は、無機繊維であり、前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加されて、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を型面における被覆率40〜80%の割合で形成された、成形用金型により成形されて、前記成形用金型の微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を反転された微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凹部を形成され、前記光沢調整凹部は、略ベル状、略つりがね状、略円盤状及び略サイコロ状並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状、略半扁球状及び略半長球状、切頭立方体状、立方八面体状及びねじれ立方体状を含む多面体状で構成される、異形凹部を形成され、且つ、前記異形凹部の表面より凹んだ微細凹部を形成され、鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成された、合成樹脂成形品である。
この発明の請求項11にかかる合成樹脂成形品は、形状保持固着母材50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材30〜80重量部と、粗さ強調材5〜10重量部とを含む、光沢調整粒状体が、金型の型面に、間隔をおいて付着され、前記形状保持固着母材は、熱硬化性プラスチックであり、前記拡散反射面形成芯材は、ランダムな形状を有するセラミック粉であり、前記粗さ強調材は、無機繊維であり、前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加され、前記光沢調整粒状体は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を構成された、成形用金型で成形されて、前記成形用金型の微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を反転された微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凹部を形成され、前記光沢調整凹部は、略ベル状、略つりがね状、略円盤状及び略サイコロ状並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状、略半扁球状及び略半長球状、切頭立方体状、立方八面体状及びねじれ立方体状を含む多面体状で構成される、異形凹部を形成され、且つ、前記異形凹部の表面より凹んだ微細凹部を形成され、鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成された、合成樹脂成形品である。
この発明の請求項12にかかる成形用金型の製造方法は、
(1)成形用金型に凹凸状模様を形成する加工を行う、凹凸状模様加工ステップと、
(2)形状保持固着母材を50〜80重量部、拡散反射面形成芯材を30〜80重量部、粗さ強調材を5〜10重量部、溶剤を30〜90重量部を含む複合材料を混合する、複合材料混合ステップと、
(3)微細で不規則な凹凸を成形される第1の成形体の表面の光沢度を、対比する他の第2の成形体の表面の光沢度に合致及び/又は調和させるために、第1の成形体又は第2の成形体の一方又は双方の光沢度を低下させるように、金型の型面に、圧縮空気により、前記複合材料を、型面における被覆率40〜80%の割合となるように霧状に吹き付ける、吹き付けステップと、
(4)金型の型面に吹き付けられた複合材料を100〜150℃で加熱固化させ、型面における被覆率40〜80%の割合で光沢調整粒状体を付加する、付着ステップとを含み、
前記ステップにより形成された前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された第1の成形体の表面が隣接する他の第2の成形体の表面の光沢度と合致及び/又は調和するように、光沢調整粒状体を付加され、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を型面における被覆率40〜80%の割合で形成された、成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項13にかかる成形用金型の製造方法は、結晶性樹脂又は非結晶性樹脂で成形された第2の成形体の表面の光沢度と合致及び/又は調和するように、前記第2の成形体を構成する樹脂とは異種の非結晶性樹脂又は結晶性樹脂で成形される第1の成形体を成形するための金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面により構成された、請求項12に記載の成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項14にかかる成形用金型の製造方法においては、形状保持固着母材は、熱硬化性プラスチックであり、拡散反射面形成芯材は、ランダムな形状を有するセラミック粉であり、粗さ強調材は、無機繊維である、請求項12又は請求項13に記載の成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項15にかかる成形用金型の製造方法においては、粗さ強調材は、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維のうちの1つで、繊維の長さが5〜20μmであり、拡散反射面形成芯材は、粒径が0.1〜20μmである、請求項12ないし請求項14のいずれかに記載の成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項16にかかる成形用金型の製造方法においては、光沢調整粒状体は、1.0〜100μmの粒径で、5〜30μmの高さである、請求項12ないし請求項15のいずれかに記載の成形用金型の製造方法である。
この発明の請求項17にかかる成形品の光沢度を合致させる方法は、
(1)金型の型面に、圧縮空気により、形状保持固着母材を50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材を30〜80重量部と、粗さ強調材を5〜10重量部と、溶剤を30〜90重量部とを混合した複合材料を、型面における被覆率40〜80%の割合となるように霧状に吹き付ける、吹き付けステップと、
(2)微細で不規則な凹凸を成形される第1の成形体の表面の光沢度を、対比する異種の合成樹脂による別の成形体の表面の光沢度に合致及び/又は調和させるために、前記成形体の一方又は双方の光沢度を低下させるように、型面における被覆率40〜80%の割合で粒状体を型面に付加する、付着ステップとを含み、
更に、
粒状体の被覆割合を変化させた金型の型面について、光沢度を測定する被覆金型基礎データ取得ステップと、
粒状体の被覆割合を変化させた金型によって、異種の合成樹脂による成形をした成形品について、光沢度を測定する成形品基礎データ取得ステップと、
異種の合成樹脂により成形された成形品の光沢度が、目標とする光沢度であって、それぞれが調和しているか否かを確認する確認ステップと、を含む、成形品の光沢度を合致させる方法である。
請求項1ないし及び請求項の発明にかかる成形用金型は、成形樹脂の種類に因らず、グロス(光沢度)の低い成形品を成形することができる。
また、もとの成形用金型の型面のシボを損なうことが無い上、つや調整のための施工が容易である。
不要になった場合にも、成形用金型の型面に付着した粒状体の接着面積が少ないことから、サンドブラストで容易に剥離することが可能である。
成形用金型の型面に従来加工では得られなかった複雑な凹凸を得ることができる。
請求項12ないし請求項17の発明にかかる成形用金型は、成形樹脂の種類に因らず、グロス(光沢度)の低い成形品を成形することができ、該成形用金型により成形された成形品の表面のグロス(光沢度)が低く、異なる樹脂で成形した成形品のグロス(光沢度)を合致させることができる。
請求項10及び請求項11の発明にかかる合成樹脂成形品は、合成樹脂成形品の表面に光が入射すると、入射光が、光沢調整凹部の内表面の微細凹凸面に反射して拡散光となる。入射光は、乱反射するので、観察者の目に届く反射光は少なくなる。成形品の表面には、上述のような「内表面に微細凹凸面を有する光沢調整凹部」が多数形成されているため、合成樹脂成形品全体の光沢が低下する。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明における一実施の形態である成形用金型の断面図解図である。 金型の型面の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大断面図解図である。 粒状体の拡大斜視図解図である。 本発明にかかる金型により成形された成形品の拡大断面図解図である。 本発明にかかる金型及び該金型を用いて成形された成形品の断面図解図であり、(A)は金型の表面の図であり。(B)は成形品の表面の図である。
10 金型
12 型
20 粒状体
22 合成樹脂
24 セラミック粉
26 無機繊維
28 光沢調整凸部
110 合成樹脂成形品
112 光沢調整凹部
(金型及びその製造方法について)
図1は、本発明における一実施の形態である成形用金型10の断面図解図である。
この発明にかかる成形用金型10は、粒状体の形状を保持する形状保持固着母材である、例えば合成樹脂22を50〜80重量部と、拡散反射面を形成するための拡散反射面形成芯材である、例えばセラミック粉24を30〜80重量部と、粒の粗さを強調する粗さ強調材である、例えば無機繊維26を5〜10重量部とを含む、粒状体20が、間隔をおいて各々独立して金型10の型面12に、付着されている。
前記金型10の型面12は、前記粒状体20を付着された金型10の型面12において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、粒状体20を付加されており、該粒状体20からなる微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を型面12における被覆率40〜80%の割合で形成されている。
粒状体20は、合成樹脂22を50〜80重量部と、セラミック粉24を30〜80重量部と、無機繊維26を5〜10重量部とを、希釈溶剤30〜90重量部にて希釈された複合材料を、金型10の型面12に吹き付け固化されて形成されている。
光沢調整のための粒状体20は、形状保持固着母材により、略ベル状体(図3A参照)、略つりがね状体(図3B参照)、略円盤状体(図3C参照)及び略サイコロ状体(図3D参照)並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体(図3E参照)、略半扁球状体(図3F参照)及び略半長球状体(図3G参照)、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体(図3H参照)で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を構成する。
本発明にかかる成型用金型10は、基礎面(素地面)である型面12が、鏡面ではなく、凹凸状模様が形成されている。
例えば、成形用金型10の型面12に、エッチングにより、皮シボ、梨地シボ、幾何学シボ等の凹凸状模様を賦形されている。
凹凸状の型面12を有する金型10により、成形品の表面に、金型10の型面12に対応する表面形状が付与される。この凹凸面の形状により、皮シボ、梨地シボ、幾何学シボ等と称される。
皮シボとは、皮革表面に見られるしわ模様のことをいい、皮シボを施した製品としては、自動車の内装等、たとえば、ステアリングハンドル、コンソールボックス、メーターパネル、ダッシュボード、サイドモール等の成形品に賦形される。
梨地シボとは、梨の表面にみられるような微小な凹凸をいい、梨地シボを施した製品としては、家庭電化製品の外装等、たとえば、テレビ、クーラーパネルグリル、冷蔵庫パネル、洗濯機パネル等の成形品に賦形される。
金型10の型面12は、エッチング加工以外の方法により凹凸状模様が施されてもよく、例えば、彫刻や機械加工又は研磨目による、粗い磨面、平面研磨面、ヘアライン等を形成されてもよい。又、金型10の型面12は、部分的に凹凸状模様が施されていない、例えば鏡面が存在する場合もある。
金型10に使用される金属としては、プリハードン鋼、焼入鋼、析出硬化鋼、ステンレス鋼等の鋼材のみならず、亜鉛合金、アルミ合金、ベリリウム銅合金等の非鉄金属がある。また、カーボンやセラミックも用いられるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
金型10の型面12は、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボ等のシボ等の凹凸状模様を施す加工後に、サンドブラスト処理が施されている。シボは、皮シボ模様、肌理模様や木目模様、梨地模様、葉脈模様、鱗模様、大理石模様、ヘアライン、幾何学模様、研磨模様、塗装模様などが含まれる。
金型10の型面12は、サンドブラスト処理によって形成された凹凸形状によるアンカー効果により、複合材料の合成樹脂22の接着性は向上する。
なお、サンドブラスト処理を行うことで、残存する金型10の型面12の表面の酸化物を除去し、施工面の調整を行うことができる。
また、金型10の表面処理として、コロナ放電、紫外線照射、放射線照射等が成されていても良い。これらの処理により、接着性の向上等を図ることができる。
合成樹脂22は、光沢調整凸部28を構成する粒状体20を形づくり且つ金型10の型面12の表面に粒状体20を接着させるためのものであり、粒状体20の形状保持固着母材を構成する。
複合材料に用いられる合成樹脂22としては、耐熱性、離形性、金型10の型面12との接着性、耐磨耗性等が要求される。耐熱性としては、少なくとも150℃において溶融しないものが望ましい。耐磨耗性としては、射出成形時の樹脂、たとえばポリプロピレン樹脂やABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)等の溶融物の流れに対し、耐性が充分にあるものが望ましい。たとえば、合成樹脂による成形、例えば射出成形に際し、1000ショット以上の成形に耐え得るものが望ましい。成形品製造にあっては、同一金型10で数多くの成形品を製造することとなるからである。
合成樹脂22は、引っ張り強さが、成形時に溶融樹脂から受ける圧力に耐えるという観点から、30〜120MPaが好ましく、耐久性と不要になった場合のはく離の容易さの観点から、望ましくは50〜70MPaがより好ましい。
合成樹脂22は、硬化温度が、加温による金型10の変形を防止するという観点から、70〜200℃が好ましく、生産性の観点から、望ましくは80〜150℃がより好ましい。
合成樹脂22を硬化するために金型10を200℃以下の温度にて加熱することにより、金型10が変形する恐れをなくすことをできる。そのために、できるだけ硬化温度の低い合成樹脂を選択する必要がある。硬化温度が低い合成樹脂を選択すれば、低融点金属材料により形成された金型10に光沢調整のための粒状体20を付加することが可能となる。
これらに適した合成樹脂22としては、次のものがある。
熱可塑性プラスチックは、結晶性プラスチックである、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ふっ素樹脂がある。
熱可塑性プラスチックは、非結晶性プラスチックである、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂がある。
熱硬化性プラスチックは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂がある。
その他、ポリウレタン樹脂、けい素樹脂、フタル酸系樹脂、スチロール系樹脂、繊維素系樹脂、酢酸ビニル樹脂がある。
複合材料に用いられる樹脂は、これらの合成樹脂22から選択される1種又はこれらを組み合わせた樹脂が用いられる。
好ましくは、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッソ樹脂又はこれらの混合物である。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ノボラックを用いたもの、シクロペンタジエンやシクロヘキセン誘導体を用いたもの等がある。ポリイミド樹脂としては、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等がある。
ポリアミドイミド樹脂としては、トリメリット酸、ピロメリット酸から合成されるもの等がある。フッソ樹脂としては、ポリフルオロエチレン、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等がある。
セラミック粉24は、正反射ではなく、金型10を用いて成形された合成樹脂成形品110の表面に入射光が各方向に光を拡散する拡散反射面を形成するための拡散反射面形成芯材を構成する。セラミック粉24は、光沢調整凸部28を構成する粒状体20の表面を複雑にして、表面積を大きくし、表面の粗さを大きくし、表面凹凸を大きくするという機能を有する。
更に、セラミック粉24は、形状保持固着母材(合成樹脂22)の硬度をあげ、吹き付け時の粘度調整の役割もある。
セラミック粉24の材料としては、たとえばアランダム(アルミナ,Al23)、二酸化チタン(TiO2)などの粉粒体が用いられるが、さらに中空ガラスビーズを混合してもよい。
セラミック粉24は、粒径が、型面に加工済みであるシボ模様等の凹凸状模様に影響を与えない為に、0.1〜20μmが好ましく、望ましくは、10〜15μmがより好ましい。セラミック粉24は、混合割合が30重量部以下であると、合成樹脂22がたれてしまい、金型10の型面12に粒状体20を形成できない。
セラミック粉24は、均一な球形ではなくランダムな形状のものが用いられ、セラミック粉24を配合することにより、金型10を用いて合成樹脂22による成形をしたときに、セラミック粉24の表面形状が反転したランダムな形状の成形品の表面を形成することができる。
セラミック粉24は、吹き付けて複合材料を粒状にするための芯剤として、その粘度を上げて、金型10の型面12に対する粒状体20の接着性を上げる。
セラミック粉24は、形状保持固着母材を構成する合成樹脂22が透明な場合には、その合成樹脂22を着色し、粒状体20を形成する複合材料の吹き付け量を目視できるようにする機能も有している。
無機繊維26は、正反射ではなく、金型10を用いて成形された合成樹脂成形品110の表面に入射光が各方向に光を拡散する拡散反射面を形成するために、粒状体20の粗さを際立たせるために含有される。
粗さ強調材を構成する無機繊維26は、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維のうちの1つで、繊維の長さが5〜20μmである。
無機繊維26が配合されていることにより、形状保持固着母材を構成する合成樹脂22の強度が向上するだけではなく、光沢調整凸部28を構成する粒状体20がごつごつしたでこぼこの複雑な面を形成する。
無機繊維26は、配合されることにより、金型10を用いて合成樹脂による合成樹脂成形品110を成形をしたときに、粒状体20の表面形状が反転した光沢調整凹部112を形成された、でこぼこの複雑な面の合成樹脂成形品110の表面を形成することができる。
無機繊維26は、形状保持固着母材を構成する合成樹脂22の固化した部位から突き出た部位が、本金型10を用いて合成樹脂の成形加工を行うときに成形するための樹脂の流動によって殆ど折れ曲がることがないような耐折り曲げ性を有していることが必要である。
無機繊維26の平均繊維長は、高剛性、耐衝撃特性を保持する観点から、5〜20μmが好ましく、成形時に繊維がはがれるのを防ぐためには、10〜20μmがさらに好ましい。
ここで、無機繊維26としては、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素(SiC)繊維、チタン酸カリウム(K2O・8TiO2)などを例示できる。これら例示した無機繊維26を単体で使用してもよいし、一定の比率で複合して使用してもよい。
無機繊維26は、粒状体20を形成するための複合材料を混練する際と成形時に、折れにくい強度が必要である。無機繊維26は、合成樹脂22の補強材の役目もある。セラミック粉24と同様に合成樹脂22が透明な場合には、合成樹脂22を着色し、粒状体20を形成する複合材料の吹き付け量を目視できるようにする機能も有している。
このような成形用金型10の作製は、合成樹脂22、セラミック粉24、無機繊維26を含む材料を混ぜたものを、溶剤(30〜90重量部)により希釈した複合材料を、適度な粘度とした上で、吹き付け法により、当該金型10の型面12を複合材料からなる粒状体20で被覆することによりなされる。
溶剤により希釈した状態は、分散(コロイド状等)した状態又は溶けた状態がある。
合成樹脂22は、液状又は粘度の高いペースト状(パテ状)であり、希釈溶剤により吹き付けに適する状態に希釈される。
希釈溶剤は、揮発の遅い有機溶剤、例えばセロソルブ、シクロヘキサン等が用いられる。
複合材料の常温時の物性は、次のとおりである。
引っ張り強さ:40〜70MPa
圧縮強さ:140〜180MPa
曲げ強さ:100〜130MPa
衝撃強さ:4〜7KJ/m2
硬さ:90〜120HRM
なお、複合材料の引っ張り強さと硬さは、無機繊維26を混合した場合としない場合とを比較すると、混合した場合の方が概ね10%程度高くなっている。
複合材料で金型10の型面12を被覆する方法としては、複合材料を吹き付けする方法が適するが、これらに限定されるものではない。生産性の観点からは、吹き付け法が望ましい。それは、粒状体20の粒径等を最適にすることができるからである。
吹き付け法により霧状に吹き付けられる粒状体20は、希釈溶剤の表面張力で固まり、金型10の基礎面(素地面)に付着される。
吹き付け法により霧状に吹き付けられる粒状体20は、1.0〜100μmの粒径であり、好ましくは粒径10〜80μmである。
金型10の型面12への接地部分の粒径は、1.0〜100μmであり、粒状体20の高さより、長い方が接着強度を確保するために好ましい。
直径が1.0μm未満の場合は、接地面積が小さすぎて、粒状体20が成形に耐えることができない。
直径が100μmを超えると、シボ形状等の凹凸状模様に影響を及ぼす危険性がある。
粒径が1〜50μmであれば、シボ等の凹凸状模様の凹凸を完全にうめることはないからである。
粒状体20は、5μm〜30μmの高さを有するが、好ましくは、高さ5〜20μmである。
粒状体20の高さは、接地面積に比して低くすることにより、金型10による成形時に粒状体20にかかる剪断力を低減することができ、粒状体20を剥離しにくくできる上、高さが5〜20μmであれば、シボ形状等の凹凸状模様を完全にうめることはないからである。
粒状体20の高さが高い場合は、この金型10を開いた射出成形時の成形用合成樹脂の流動による負荷が大きくなる。意匠としても優れ、且つ成形時の負荷を極限まで抑えるためには、粒状体20の高さを30μm以下にする方がよい。
吹き付け法は、複合材料を混合した溶液を、吹き付け圧1〜7kg/cm2の範囲で、スプレーガンにてスプレーすることによりなされる。吹き付け面との距離は、約5〜40cmである。
吹き付けられた粒状の複合材料は、金型10の型面12を150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた粒を硬化させ、型面12に複合材料からなる粒状体20を付加させる。このとき、複合材料を構成する合成樹脂22に含まれる有機溶剤は、揮発して、粒状体20の高さは低くなる。
粒状体20は、固化した合成樹脂22の外表面より、セラミック粉24及び無機繊維26が突出して、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を構成する。
固化した粒状体20は、各々独立した構造物であり、隣り合う粒状体20の間には適宜な間隔を有し、斑点状にまだらに散らばっている。
なお、隣り合う粒状体20と粒状体20が、含まれている無機繊維26でつながれている場合もある。
吹き付けられた粒状の粒状体20は、金型10の型面12の型面積の40〜80%を占める割合で形成されることが好ましく、粒状体20を型面12に一様な状態で施工するという観点から、50〜70%がより好ましい。
粒状体20の占める割合が40%未満の場合は、グロス(光沢)の低下効果(グロスの値(光沢度)の低下効果)が低い。
粒状体20の占める割合が80%を越えると、金型10の型面12が粒状体20によって埋まってしまい、グロス(光沢)の低下効果(グロスの値(光沢度)の低下効果)を望むことができない。
独立した粒状体20の間の間隔は、0.1〜500μmである。独立した粒状体20の間の間隔は、金型10の型面12の接地部分の粒径と比して、狭い部分もあれば又広い部分もある。
粒状体20からなる光沢調整凸部28は、粒状であるために、金型10の型面12より剥離する心配がないだけではなく、露出された金型10の型面12の基礎面(素地面)の状態を反映した成形品を得ることができる。
金型10の型面12の基礎面(素地面)例えばサンドブラスト処理をされた基礎面の勾配がゆるいのに対し、粒状体20からなる光沢調整凸部28の表面が急勾配である。ところが、金型10の型面12の基礎面(素地面)は、凹凸状模様のうねり(表面のでこぼこ)の高さより、粒状体20からなる光沢調整凸部28の高さの方が低いために、粒状体20からなる光沢調整凸部28の凹凸よりも、金型10の型面12の凹凸状模様の方が成形品の外表面の成形時に与える影響が大きい。
これらの粒状体20は、コア型およびキャビティ型の両方の金型10に形成されるが、製品面の意匠を重視する場合には、キャビティ型の金型10の型面12にのみ粒状体20を形成してもよい。
次に、成形用金型10の製造方法について説明する。
この発明にかかる成形用金型10の製造方法は、次の工程を含む。
(1)成形用金型10に凹凸状模様を形成する加工を行う、凹凸状模様加工ステップ、
(2)サンドブラストで金型10の型面12の表面処理を行う表面処理ステップ、
(3)形状保持固着母材を構成する合成樹脂22を50〜80重量部、拡散反射面形成芯材を構成するセラミック粉24を30〜80重量部、粗さ強調材を構成する無機繊維26を5〜10重量部、溶剤を30〜90重量部を含む複合材料を混合して複合材料を撹拌する、複合材料混合ステップ、
(4)金型10の型面12に、スプレーガンによって圧縮空気により前記複合材料を霧状に吹き付ける、吹き付けステップ、
(5)金型10の型面12に吹き付けられた複合材料を100〜150℃で加熱固化させ、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整粒状体20を、型面12における被覆率40〜80%の割合で付加する、付着ステップ。
光沢調整粒状体20は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を構成する。
光沢調整凸部28は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する。
前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加されて光沢調整凸部を形成される。
この金型10の製造方法により形成された金型10の型面12は、前記粒状体20を付着された金型10の型面12において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、粒状体20を付加され、粒状体20で構成される微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を型面12における被覆率40〜80%の割合で形成されている。
このような粒状体20を金型10の型面12の表面に付着させて凹凸面を有する光沢調整凸部28を形成するために、まず、金型10の型面12の基礎面(素地面)に凹凸状模様を形成するために、型面12にシボ加工等の凹凸状模様を形成する加工を施す。
そして、成形型のシボ加工された型面12を脱脂・洗浄する。
皮シボ、幾何学シボ、梨地シボ等の凹凸状模様を形成する加工後に、サンドブラスト等で金型10の型面12の表面処理を行う。
使用するサンドブラストは、番手が、型面に加工されたシボの凹凸状模様をつぶさないためには、♯80〜220が好ましく、グロス(光沢)低下効果の観点から、望ましくは♯100〜150がより好ましい。
ガラスビーズは、番手が、型面に加工されたシボの凹凸をつぶさないためには、G♯80〜400が好ましく、望ましくはG♯80〜200がより好ましい。
投射する材料は、サンド・ガラスビーズそれぞれ単体の場合だけではなく、適宜混合して投射してもよい。
なお、サンドブラスト処理を行うことで、残存する金型10の型面12の型表面の酸化物を除去し、施工面の調整を行うことができる。
サンドブラスト加工は、サンドブラスト装置(図示せず)のノズルから投射材を射出させて、金型母材の表面に吹き付け、投射材が金型母材の表面に衝突することにより、該金型母材の表面に凹凸が形成される加工である。
サンドブラスト装置は、ノズルから投射材を空気、窒素などの加圧ガスで射出させて、ステージに置かれた金型母材の表面に吹き付けて、その表面加工を行う装置である。
投射材は、樹脂、ガラス、金属、セラミックなどからなる球形あるいは多角形などの角のある粒子が好ましく、とくに角のある粒子が好ましい。例えば、ガラスビーズ、ジルコニア粒子、スチールグリッド、アルミナ粒子、シリカ粒子などが挙げられる。
また、投射材の平均粒径は、1〜1000μmが好ましく、5〜600μmがより好ましい。さらに60〜80μmとするとなお好ましい。
投射材の粒子1個の重さは、0.002〜8mgが好ましい。
金型母材は、樹脂、セラミックあるいは金属、例えば、アルミニウム、銅、スチールなどがよい。
金型10の型面12の基礎面(素地面)に凹凸状模様を形成するために、金型10の素地にレーザー加工をしたり、又は精密鋳造加工をしてもよい。
形状保持固着母材を構成する合成樹脂22を50〜80重量部、拡散反射面形成芯材を構成するセラミック粉24を30〜80重量部、粗さ強調材を構成する無機繊維26を5〜10重量部、溶剤を30〜90重量部を含む複合材料を混合して複合材料を撹拌し、サンドブラスト加工された金型10の型面12に、粒の高さが5〜30μmとなるようにスプレーガンによりスプレー塗工する。そして、複合材料を吹き付けられてなる粒を固化するために、金型10を100〜150℃で2〜3時間焼成する。
スプレーガンから吹き出された複合材料は、型面12に付着する際には溶剤分が揮発し、非常に粘り気が高い状態になる為に、たれることなく金型10の型面12上に粒状に光沢調整凸部28を形成することができる。粒状体20により構成された光沢調整凸部28は、加熱硬化工程での昇温中に粘度が低下し、金型10の型面12の基礎面(素地面)の接着面の凹凸の細部に行き渡る。
粒状体20の凹凸よりも型面12の凹凸の影響が大きいというために、粒状体20は、次のように構成されている。
粒径:1.0〜100μm 望ましくは10〜80μm
高さ:5〜30μm 望ましくは5〜20μm
被覆率:40〜80% 望ましくは50〜70%
金型10の型面12の表面すなわち基礎面(素地面)の被加工面の凹凸状模様に更に粒状体20が存在し且つ、粒状体20と粒状体20の間に型面12の基礎面(素地面)の露出部分が存在することにより、金型10の型面12の基礎面(素地面)の凹凸状模様及び粒状体20によるでこぼこがグロスの値(光沢度)に大きな影響を与える。
このようにして成形された金型10の型面12は、前記粒状体20を付着された金型10の型面12において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、粒状体20を付加され、粒状体20で構成される微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を型面12における被覆率40〜80%の割合で形成されている。
特に、無機繊維26の端が、固化した合成樹脂22の表面より外方に向けて突出しているので、より不規則な凹凸面を形成している。
前記金型10の表面は、粒状体20で構成される微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28以外の領域に、形成されたシボ模様等の凹凸状模様が現れている。
(成形品及びその製造方法について)
次に、前記実施の形態である金型10を用いて、公知の射出成形法によって得られる合成樹脂材料によるつやが少ない成形品を製造する製造方法について説明する。
合成樹脂成形品を成形するための合成樹脂材料としては、例えば次のものがある。
熱可塑性プラスチックは、結晶性プラスチックである、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ふっ素樹脂等がある。
また熱可塑性プラスチックは、非結晶性プラスチックである、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等がある。
本発明に係る成形用金型10により成形された合成樹脂成形品110は、図5に示すように、金型10の型面12を反転した微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凹部112を形成され、鏡面反射の少ない表面を形成する。
前記光沢調整凹部112は、略ベル状、略つりがね状、略円盤状及び略サイコロ状並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状、略半扁球状及び略半長球状、切頭立方体状、立方八面体状及びねじれ立方体状を含む多面体状で構成される、異形凹部を形成され、且つ、前記異形凹部の表面より凹んだ微細凹部を形成されている。
まず、成形品を合成樹脂材料で成形するために用いる金型10及びその製造方法について説明する。
金型10の型面12は、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボ等のシボ加工後に、サンドブラスト処理を施すと、一般的には、金型10の型面12の表面は、一様な凹凸状模様が形成され、粗さも一様となる。そして、例えば、番手♯100の投射材を用いてサンドブラスト処理を施すと、グロス(Gs(60°))値は、0.2程度低下すると予測される。
しかしながら、サンドブラスト処理を施された金型10を用いて、合成樹脂材料により射出成形したときに、成形品のグロスの値は、必ずしも予測した値とはならない。おそらく、それは、金属製の金型10の表面に一様な凹凸状模様を形成されていると視感されても、その金型10を用いて成形するときにおける合成樹脂材料の流れが良くない等が原因であると考えられる。
本件発明にかかる成形品のグロス(光沢度)を低下させるためのこの金型10及びその製造方法は、特に、例えば自動車のコンソール、ドアパネル等の内装部品、電子機器ハウジング等の異種の合成樹脂で成形された複合部材を隣接して連接させて、1つの構造物を形成された複合構成体に用いられるに適する。
まず、成形品のグロス(光沢度)を目的とするグロス(光沢度)に調和させる方法について説明する。
まず、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボのシボ加工を施したテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)を準備し、それぞれのテスト板について、同一番手(例えば♯100〜150)の投射材をもって、同一条件でサンドブラスト加工を施す。
そして、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボのそれぞれのテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)の型面のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した(金型測定ステップ)。
前記金型測定ステップで得られたテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)のそれぞれのグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、基準データとする(金型基礎データ取得ステップ)。
次に、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボのシボ加工を施したテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)を準備し、それぞれのテスト板について同一番手(例えば♯100〜150)の投射材をもって、同一条件でサンドブラスト加工を施す。
そして、テスト板(d皮シボ金型、e幾何学シボ金型、f梨地シボ金型)に、合成樹脂22を50〜80重量部と、セラミック粉24を30〜80重量部と、無機繊維26を5〜10重量部とを含む複合材料を、吹き付けられてなる粒の高さが5〜30μmとなるようにスプレー塗工し、金型10を100〜150℃で2〜3時間焼成する。スプレー塗工された複合材料の粒からなる粒状体20を硬化されてなる光沢調整凸部28は、テスト板(d皮シボ金型、e幾何学シボ金型、f梨地シボ金型)の表面に、間隔をおいて各々独立して付着される。
粒状体20の被覆割合は、20%、60%、95%とし、粒状体20の粒径及び高さは、下記のとおりとして、下記のそれぞれのテスト板の型面12のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。
d−1:皮シボ,被覆率20%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
d−2:皮シボ,被覆率:60%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
d−3:皮シボ,被覆率:95%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
e−1:幾何学シボ,被覆率:20%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
e−2:幾何学シボ,被覆率:60%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
e−3:幾何学シボ,被覆率:95%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
f−1:梨地シボ,被覆率:20%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
f−2:梨地シボ,被覆率:60%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
f−3:梨地シボ,被覆率:95%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
d−1〜3、e−1〜3、f−1〜3のテスト板のそれぞれのグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、基準データとする(部分塗工金型基礎データ取得ステップ)。
引き続き、前記テスト板a、b、c、d−1〜3、e−1〜3、f−1〜3を用いて、異種の合成樹脂材料、例えば、ポリプロピレン(PP)(X)、ABS樹脂(Y)、ポリスチレン(PS)(Z)により同一条件に基づいて射出成形する。
そして、各テスト板による各種合成樹脂の成形品をコニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。そして、前記測定結果に基づき、各種成形品のそれぞれのグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を基準データとする(成形品基礎データ取得ステップ)。
次に、テスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の金型基礎データ及びテスト板(d皮シボ金型、e幾何学シボ金型、f梨地シボ金型)のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の被覆金型基礎データと、成形品のグロスの値(Gs(60°))の成形品基礎データとを対比し、成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)がテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型、d皮シボ金型、e幾何学シボ金型、f梨地シボ金型)のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)から予測されたグロスの値(Gs(60°)の光沢度)に近い値になっているか否かを確認する(確認ステップ)。
この実施例においては、粒状体20を付着していない金型a、b、cにおいては、金型のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)と成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)とは隔たりのあるものが散見された。
一方、粒状体20を付着した金型d−1〜3、e−1〜3、f−1〜3においては、成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)と、金型のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)がほぼ同じ値、或いは、成形品のグロス(光沢)は、金型のグロス(光沢)に近い値を示すようになった。
粒状体20の被覆率が60%のテスト板(d−2、e−2、f−2)による成形品は、異種の合成樹脂材料(X)、(Y)、(Z)による成形品のいずれも、比較的近いグロスの値(Gs(60°))であることが判明した。
粒状体20の被覆率60%の前後において、目標とする成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)が存在するとき、例えば被覆率50%、70%における被覆率の方が目的とするグロスの値(Gs(60°)の光沢度)であるときには、実際の金型10の型面12に付着する粒状体20の被覆率を上下させるように複合材料の吹き付け量の補正をして、補正された複合材料の量分の複合材料の吹き付け加工をして、目的とするグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の成形品を得るようにすればよい(補正ステップ)。
このように、目標とするグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を基準として、複数の金型10の型面12に付着する粒状体20の被覆率を補正して、合成樹脂材料による成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を調和させる。
合成樹脂材料で成形した成形品のグロス(光沢)の値(光沢度)を低下させるために用いる金型10は、形状保持固着母材である合成樹脂22を50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材であるセラミック粉24を30〜80重量部と、粗さ強調材である無機繊維26を5〜10重量部とを含む、粒状体20が、金型10の型面12に、間隔をおいて付着され、前記金型10の型面12は、前記粒状体20を付着された金型10の型面12において成形された成形体の表面が低下及び/又は調和するように、粒状体20を付加され、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を型面12における被覆率40〜80%の割合で形成されている。
光沢調整凸部28は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する。
合成樹脂材料で成形した成形品のグロス(光沢度)を低下又は調和させる方法に用いられる成形用金型10は、次の工程を含む製造方法で形成される。
(1)成形用金型10にシボ加工等の凹凸状模様加工を行う、凹凸状模様加工ステップ、
(2)サンドブラスト等で金型10の型面12の表面処理を行う表面処理ステップ、
(3)形状保持固着母材である合成樹脂22を50〜80重量部、拡散反射面形成芯材であるセラミック粉24を30〜80重量部、粗さ強調材である無機繊維26を5〜10重量部、溶剤を30〜90重量部を含む複合材料を混合して複合材料を撹拌する、複合材料混合ステップ、
(4)微細で不規則な凹凸を成形される第1の成形体の表面の光沢度を、対比する他の第2の成形体の表面の光沢度に合致及び/又は調和させるために、第1の成形体又は第2の成形体の一方又は双方の光沢度を低下させるように、金型10の型面12に、圧縮空気により、型面における被覆率40〜80%の割合となるように前記複合材料を霧状に吹き付ける、吹き付けステップ、
(5)金型10の型面12に吹き付けられた複合材料を100〜150℃で加熱固化させ、型面10における被覆率40〜80%の割合で粒状体20を付加する、付着ステップ。
そして、該成形用金型10により、合成樹脂材料で、複数の成形体が連結されて一つの構造物を形成されるための複合部材である、第1の成形体及び第2の成形体を成形する。
第1の成形体及び第2の成形体は、金型10の型面12の微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を反転した微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凹部112により、グロス(光沢)の値(光沢度)が低下、グロス(光沢)の値(光沢度)が調和する。
前記光沢調整凹部112は、略ベル状、略つりがね状、略円盤状及び略サイコロ状並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状、略半扁球状及び略半長球状、切頭立方体状、立方八面体状及びねじれ立方体状を含む多面体状で構成される、異形凹部を形成され、且つ、前記異形凹部の表面より凹んだ微細凹部を形成されている。
而して、合成樹脂成形品110の表面に光が入射すると、入射光が、光沢調整凹部112の内表面の微細凹凸面に反射して、いろいろな方向に反射する拡散光となる。入射光は、乱反射するので、観察者の目に届く反射光は少なくなる。成形品の表面には、上述のような内表面に微細凹凸面を有する光沢調整凹部112が多数形成されているため、合成樹脂成形品110全体の光沢が低下する。
成形品の表面は、つやがない表面性状を示すことから、当該成形品につき、さらに塗装を行う必要がない。それゆえに、塗装を必要としないことから、本金型10により形成された成形品は、塗料成分等を含まず、リサイクルも容易である。
(金型の実施例について)
次に、本発明にかかる金型の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.サンドブラスト加工は、以下の2つの条件で行った。
[仕上げ1]
(1)金型母材:S50C(X200mm×Y100mm×Z10mm)
(2)サンドブラスト条件
・投射材:アランダム(番手#150、平均粒径:76μm)
・ノズルと金型母材との距離:50mm
・ノズルと金型母材との角度:8°
・圧縮空気圧:0.5MPa
(3)表面は、♯400研磨仕上げである。
[仕上げ2]
(1)金型母材:S50C(X200mm×Y100mm×Z10mm)
(2)サンドブラスト条件
・投射材:アランダム(番手#150と番手G200とを、2:1の割合で混合したもの、平均粒径:76μm)
・ノズルと金型母材との距離:50mm
・ノズルと金型母材との角度:8°
・圧縮空気圧:0.5MPa
(3)表面は、♯400研磨仕上げである。
2.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
実施例2〜4の複合材料は次のとおりである。
実施例2について
合成樹脂:ポリイミド樹脂60重量部、
セラミック粉:アルミナ55重量部、
無機繊維:炭化珪素9重量部、
溶剤:シクロヘキサノン30重量部
実施例3について
合成樹脂:フッ素樹脂60重量部、
セラミック粉:ジルコニア55重量部、
無機繊維:炭素9重量部、
溶剤:シクロヘキサノン30重量部
実施例4について
合成樹脂:ポリアミドイミド樹脂60重量部、
セラミック粉:ジルコニア55重量部、
無機繊維:炭素9重量部、
溶剤:シクロヘキサノン30重量部
[実施例5]
(1)実施例5:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.サンドブラスト加工の条件は、実施例1と同様である。
2.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を70重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を65重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)65重量部を、撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[実施例6]
実施例6:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を57.5重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を42.5重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を6.3重量部、
溶剤(セロソルブ)45重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[実施例7]
実施例7:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を50重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を80重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を10重量部、
溶剤(セロソルブ)90重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[実施例8]
実施例8:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を80重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を30重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を5重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[実施例9]
実施例9:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を72.5重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を67.5重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)75重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[実施例10]
実施例10:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を65重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を5重量部、
溶剤(セロソルブ)75重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[実施例11]
実施例11:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を75重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を65重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を10重量部、
溶剤(セロソルブ)85重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[実施例12]
実施例12:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を70重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を65重量部、
無機繊維(チタン酸カリウム繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[実施例13]
実施例13:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.複合材料:
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を70重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を65重量部、
無機繊維(チタン酸カリウム繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)80重量部を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
[比較例1]
比較例1:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に皮シボ加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
1.サンドブラスト加工の条件は、実施例1と同様である。
2.複合材料:
合成樹脂:エポキシ樹脂60重量部、
セラミック粉:アルミナ95重量部、
無機繊維:炭化珪素15重量部、
溶剤:セロソルブ10重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
比較例2〜8の複合材料は、次のとおりである。
比較例2について
合成樹脂:ポリイミド樹脂60重量部、
セラミック粉:アルミナ95重量部、
無機繊維:炭化珪素15重量部、
溶剤:シクロヘキサノン10重量部
比較例3について
合成樹脂:フッ素樹脂60重量部、
セラミック粉:ジルコニア95重量部、
無機繊維:炭素15重量部、
溶剤:シクロヘキサノン10重量部
比較例4について
合成樹脂:ポリアミドイミド樹脂60重量部、
セラミック粉:ジルコニア95重量部、
無機繊維:炭素15重量部、
溶剤:シクロヘキサノン10重量部
比較例5について
合成樹脂:エポキシ樹脂60重量部、
セラミック粉:アルミナ20重量部、
無機繊維:炭化珪素2重量部、
溶剤:シクロヘキサノン90重量部
比較例6について
合成樹脂:ポリイミド樹脂60重量部、
セラミック粉:アルミナ20重量部、
無機繊維:炭化珪素2重量部、
溶剤:シクロヘキサノン90重量部
比較例7について
合成樹脂:フッ素樹脂60重量部、
セラミック粉:ジルコニア20重量部、
無機繊維:炭素2重量部、
溶剤:シクロヘキサノン90重量部
比較例8について
合成樹脂:ポリアミドイミド樹脂60重量部、
セラミック粉:ジルコニア20重量部、
無機繊維:炭素2重量部、
溶剤:シクロヘキサノン90重量部
スプレーガンの調整:
吹き付けられた粒の粒径1.0〜100μm
吹き付け時のスプレーガンの位置:型面12(吹き付け面)との距離が10〜30cm
スプレーガンにより吹き付けられて型面に形成された粒は、希釈溶剤の表面張力により固まり、金型10の型面12の基礎面(素地面)に付着された。
スプレーガンにより吹き付けられて型面に形成された粒は、粒状体20及び光沢調整凸部28に近似した形状であって、次の形状であった。
粒径:1.0〜100μm
高さ:5〜30μm
望ましくは、粒径が10〜20μm、高さが10〜20μmである。
(1)複合材料による粒(粒状体20)の付着の状態の評価
吹き付けた複合材料による粒(粒状体20)の粒径が最大100μm程度になるように、スプレーガンを適宜調整して吹き付けて粒(粒状体20)の付着の状況を目視で評価した。各実施例においては、粒状体20を形成でき、ムラ無く吹き付けることができた。
比較例1〜8においては、粒状体20を形成できなかったり、ムラ無く吹き付けることができなかったりした。
複合材料の配合比と吹き付けの状態について
実施例1〜9,12:○
実施例10,11,13:◎
比較例1〜4:×
比較例5〜8:×
◎は付着状態が極めて良い。
○は付着状態が良い。
×は付着状態が悪い。
型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)による型面12における被覆割合は、40〜80%であった。
被覆割合は、吹き付けられた複合材料を硬化後、型面12を200倍に拡大して観察し、単位面積あたりの光沢調整凸部28の占める面積の割合を算出した。
次に、金型10の型面12を、150℃(加熱の温度条件)で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
加熱の温度条件
(i)複合材料(形状保持固着母材がエポキシ樹脂)
実施例1,5,6,7,8,9,10,11,12及び13,比較例1及び5
150℃
(ii)複合材料(形状保持固着母材がフッ素樹脂)
実施例3,比較例3及び7
200℃
(iii)複合材料(形状保持固着母材がポリアミドイミド樹脂)
実施例4,比較例2,4,6及び8
200℃
光沢調整粒状体20は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を構成する。
以上のようにして型面12に付着された粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)並びにこの金型10を用いて成形された成形品の評価を、次のように行った。
(2)複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)の付着の状態の評価
吹き付けた複合材料による粒(光沢調整凸部28)の粒径が最大100μm程度になるように、スプレーガンを適宜調整して吹き付け硬化してなる粒(光沢調整凸部28)の付着の状況を目視で評価した。各実施例においては、光沢調整凸部28を形成でき、ムラ無く吹き付けることができた。
比較例1〜8においては、光沢調整凸部28を形成できなかったり、ムラ無く吹き付けることができなかったりした。
複合材料の配合比と吹き付けの状態について
実施例1〜9,12:○
実施例10,11,13:◎
比較例1〜4:×
比較例5〜8:×
◎は付着状態が極めて良い。
○は付着状態が良い。
×は付着状態が悪い。
(3)吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化後、形成された光沢調整凸部28の直径と高さを測定した。測定は、東京精密製表面粗さ形状測定機Surfcom130A(JIS82)で行った。
光沢調整凸部28の直径と高さ
実施例1:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例2:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例3:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例4:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例5:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例6:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例7:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例8:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例9:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例10:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例11:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例12:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
実施例13:直径10〜80μm、高さ5〜20μm
(4)グロスの値(光沢度)の評価(その1)
この金型10を用いて、公知の射出成形法によって得られたポリプロピレン(PP)及びABS樹脂による成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z
8741に従い測定した。Gs(60°)は、測定角60度の鏡面光沢(度)の意味である。
鏡面光沢度は、JIS Z8741−1997「鏡面光沢度−測定方法」に規定された測定方法に準じて、下記の方法で測定される。すなわち、前記規格に準拠する鏡面光沢度測定装置を用いて入射角θ=60°の条件で、表面の反射率を測定する。次にこの測定値を、基準面の光沢度を100としたときの百分率数に換算して鏡面光沢度として表す。基準面としては、前記規格に規定された、屈折率が可視波長範囲全域にわたって一定値1.567である黒色ガラス基準面を用い、入射角θ=60°のときは、鏡面反射率10%を光沢度100と規定する。測定を行うと前記の換算を自動的に行って、鏡面光沢度を出力する機能を有する鏡面光沢度測定装置コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を用いて、入射角θ=60°の条件で、サンプル表面各部をN=5で測定し、その平均値をサンプル表面の鏡面光沢度とした。
結果を表1(グロス(Gs(60°)の値の比較)に示す。
その結果、グロス(Gs(60°)の値は、1.3であった。
本加工実施前の金型10を用いて成形した成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)は、1.8であった。
本加工を実施することで、成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)は、シボ模様の種類によらず約0.5低下したことがわかった。
Figure 0005222436
(5)グロスの値(光沢度)の評価(その2)
実施例1〜5の複合材料を、サイズが縦100mm、横150mmである金型10の型面12(S50Cのテスト板)に、スプレーガンにより吹き付けて光沢調整凸部28を形成した。
エアー圧は、約5気圧。スプレーガンと加工面(型面12)との距離は、約10〜30cm(多くは20cm)である。
吹き付けた複合材料の合成樹脂の最大粒径が約100μm程度になるようにスプレーガンを調整し、被覆割合を段階的に変化させた。実施前のテスト板を使用して成形した成形品と実施後に成形した成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を測定して、グロス(Gs(60°))値の変化を算出した。
グロスの値(Gs(60°)の光沢度)は、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。
成形は既存の射出成形方法で行い、成形樹脂はPP樹脂であった。
結果を表2(実施前後のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の変化)に示す。
被覆割合は40〜80%である場合にグロス(光沢)の低下効果(グロスの値(光沢度))の低下効果が顕著であった。被覆割合いが小さいと、金型面の凹凸が少なくなり、被覆割合が大きいと配合されたセラミック粉や無機繊維が合成樹脂に埋まってしまい、グロス(光沢)の低下(光沢度の低下)がしにくくなる。
Figure 0005222436
(6)強度の評価(その1)
形成された吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)の接着強度を検討するため、既存の射出成形方法でポリプロピレン(PP)樹脂を100ショット成形し、形成された粒からなる光沢調整凸部28の剥落の有無を観察した。いずれも光沢調整凸部28の剥落は見られなかった。
その結果を、表3(各複合材料で形成された光沢調整凸部28の大きさ(実施例1〜4))に示す。
Figure 0005222436
実施例1〜5について複合材料で、形成した光沢調整凸部28の大きさと被覆割合を段階的に変えて、既存の射出成形方法でPP樹脂を1万ショット成形し、形成された光沢調整凸部28の剥落の有無を観察した。結果を表4(形成された光沢調整凸部28の大きさと被覆割合による接着強度)に示す。形成された光沢調整凸部28が一定以上大きいと剥落しやすいことがわかった。
Figure 0005222436
(7)耐久性の評価
本加工によるグロス低下効果がどのくらい持続するかを確認するために、成形ショット数によるグロス(Gs(60°))値の変化を調べた。
グロス測定は、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定し、グロスの値(Gs(60°)の光沢度)の変化を調べた。
実施例1〜5の金型10を使用して、公知の射出成形を行い、実施作業前の成形品及び約1万、約2万、約3万、約4万、約5万ショット目の成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。
成形材料は、ポリプロピレン(PP)である。
測定結果を表5に示す。
実施作業前は、グロスの値(光沢度)が1.8であったが、本加工を実施するとグロスの値(光沢度)が1.3になった。
約5万ショット成形した後でも、約1万ショット後のグロスの値と変わらなかった。
従来のエッチング梨地やサンドブラストによるツヤ消し処理は数万ショット成形すると成形品の光沢が上昇し、ツヤ消し加工を再度行う必要があったが、本発明にかかる金型10の場合は、再加工の必要は無いことが判明した。
Figure 0005222436
(成形品の実施例について)
次に、前記成形用金型を用いて、つや及びグロス(光沢度)を低下及び/又は調整する成形品を製造する実施例について説明する。
[実施例14]
JIS Z 8741に従い測定されたグロスの値(Gs(60°)の光沢度)1.3を、隣接して連接される複合部材である第1の成形体と第2の成形体のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の基準値とする。
第1の成形体を成形するための金型を複合部材例1とし、第2の成形体を成形するための金型を複合部材例2とする。
複合部材例1:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に、公知のエッチング加工を利用して皮シボ、幾何学シボ、梨地シボの加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料(実施例1及び5乃至13の複合材料)を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
複合材料(実施例1の複合材料):
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
スプレーガンによる実施例1及び5乃至13の複合材料の吹き付けは、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%とになるように、粒状体を付着させる加工をした。
次に、金型10の型面12を、150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
複合部材例2:合成樹脂(ABS樹脂)の射出成形用金型の型面に、公知のエッチング加工を利用して皮シボ、幾何学シボ、梨地シボの加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料(実施例1及び5乃至13の複合材料)を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
複合材料(実施例1の複合材料):
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
スプレーガンによる実施例1及び5乃至13の複合材料の吹き付けは、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%とになるように、粒状体を付着させる加工をした。
次に、金型10の型面12を、150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
それぞれの金型10から公知の射出成形法によって得られたPP及びABSの各成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を2箇所測定した。グロスの値(Gs(60°)の光沢度)は、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。
それぞれの測定結果を表6‐1(グロスの値(Gs(60°)の光沢度)の比較)に示す。実施前のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)によらず、本加工を実施することにより実施前の成形品グロスの値(Gs(60°)の光沢度)が約0.5〜1.0程度低下していた。
Figure 0005222436
[実施例15]
JIS Z 8741に従い測定されたグロスの値(Gs(60°)の光沢度)1.3を、隣接して連接される複合部材である第1の成形体と第2の成形体のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の基準値とする。
第1の成形体を成形するための金型を複合部材例3とし、第2の成形体を成形するための金型を複合部材例4とする。
複合部材例3:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に、公知のエッチング加工を利用して皮シボ、幾何学シボ、梨地シボの加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料(実施例1及び5乃至13の複合材料)を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
複合材料(実施例1の複合材料):
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
スプレーガンによる実施例1及び5乃至13の複合材料の吹き付けは、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%とになるように、粒状体を付着させる加工をした。
次に、金型10の型面12を、150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
複合部材例4:合成樹脂(ポリスチレン(PS))の射出成形用金型の型面に、公知のエッチング加工を利用して皮シボ、幾何学シボ、梨地シボの加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料(実施例1及び5乃至13の複合材料)を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
複合材料(実施例1の複合材料):
合成樹脂(エポキシ樹脂、液状又は粘度の高いペースト状)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
スプレーガンによる実施例1及び5乃至13の複合材料の吹き付けは、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%とになるように、粒状体を付着させる加工をした。
次に、金型10の型面12を、150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
それぞれの金型10から公知の射出成形法によって得られたPP及びPSの各成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を2箇所測定した。グロスの値(Gs(60°)の光沢度)は、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。
それぞれの測定結果を表6‐2(グロスの値(Gs(60°)の光沢度)の比較)に示す。実施前のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)によらず、本加工を実施することにより実施前の成形品グロスの値(Gs(60°)の光沢度)が約0.5〜1.0程度低下していた。
Figure 0005222436
(光沢度を合致させる方法について)
次に、異なる合成樹脂材料で成形した2種以上の成形品のグロス(光沢度)を合致させる方法並びに異なる合成樹脂材料で成形した成形品とグロス(光沢度)を合致させるために用いる金型10及びその製造方法について説明する。
金型10の型面12は、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボ等のシボ加工等の凹凸状模様を形成する加工後に、サンドブラスト処理を施すと、一般的には、金型10の型面12の表面は、一様な凹凸状模様が形成され、粗さも一様となる。そして、例えば、番手♯100の投射材を用いてサンドブラスト処理を施すと、グロス(Gs(60°))値は、0.2程度低下すると予測される。
しかしながら、サンドブラスト処理を施された金型10を用いて、合成樹脂材料により射出成形したときに、成形品のグロスの値は、必ずしも予測した値とはならない。おそらく、それは、金属製の金型10の表面に一様な凹凸を形成されていると視感されても、その金型10を用いて成形するときにおける合成樹脂材料の流れが良くない等が原因であると考えられる。
例えば、自動車の内装部品は、多くの合成樹脂材料の成形品を組み合わされて構成されているために、異種の合成樹脂材料の成形品が組み合わされても、統一された視感が得られることを望まれている。そして、合成樹脂材料の成形品を成形するための金型も、それに対応した金型が望まれている。
本件発明にかかる成形品のグロス(光沢度)を合致させる方法並びにこの金型10及びその製造方法は、特に、例えば自動車のコンソール、ドアパネル等の内装部品、電子機器ハウジング等の異種の合成樹脂で成形された複合部材を隣接して連接させて、1つの構造物を形成された複合構成体に用いられるに適する。
まず、成形品のグロス(光沢度)を合致させる方法について説明する。
まず、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボのシボ加工を施したテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)を準備し、それぞれのテスト板について、同一番手(例えば♯100〜150)の投射材をもって、同一条件でサンドブラスト加工を施す。
そして、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボのそれぞれのテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)の型面のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した(金型測定ステップ)。
前記金型測定ステップで得られたテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)のそれぞれのグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、基準データとする(金型基礎データ取得ステップ)。
次に、皮シボ、幾何学シボ、梨地シボのシボ加工を施したテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)を準備し、それぞれのテスト板について同一番手(例えば♯100〜150)の投射材をもって、同一条件でサンドブラスト加工を施す。
そして、テスト板(d皮シボ金型、e幾何学シボ金型、f梨地シボ金型)に、合成樹脂22を50〜80重量部と、セラミック粉24を30〜80重量部と、無機繊維26を5〜10重量部とを含む複合材料を、吹き付けられてなる粒の高さが5〜30μmとなるようにスプレー塗工し、金型10を100〜150℃で2〜3時間焼成する。スプレー塗工された複合材料の粒からなる粒状体20を硬化されてなる光沢調整凸部28は、テスト板(d皮シボ金型、e幾何学シボ金型、f梨地シボ金型)の表面に、間隔をおいて各々独立して付着される。
粒状体20の被覆割合は、20%、60%、95%とし、粒状体20の粒径及び高さは、下記のとおりとして、下記のそれぞれのテスト板の型面12のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。
d−1:皮シボ,被覆率20%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
d−2:皮シボ,被覆率:60%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
d−3:皮シボ,被覆率:95%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
e−1:幾何学シボ,被覆率:20%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
e−2:幾何学シボ,被覆率:60%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
e−3:幾何学シボ,被覆率:95%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
f−1:梨地シボ,被覆率:20%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
f−2:梨地シボ,被覆率:60%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
f−3:梨地シボ,被覆率:95%,粒径:1.0〜100μm,高さ5〜30μm
d−1〜3、e−1〜3、f−1〜3のテスト板のそれぞれのグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を、基準データとする(部分塗工金型基礎データ取得ステップ)。
引き続き、前記テスト板a、b、c、d−1〜3、e−1〜3、f−1〜3を用いて、異種の合成樹脂材料、例えば、ポリプロピレン(PP)(X)、ABS樹脂(Y)、ポリスチレン(PS)(Z)により同一条件に基づいて射出成形する。
そして、各テスト板による各種合成樹脂の成形品をコニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60 GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。そして、前記測定結果に基づき、各種成形品のそれぞれのグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を基準データとする(成形品基礎データ取得ステップ)。
次に、テスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型)のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の金型基礎データ及びテスト板(d皮シボ金型、e幾何学シボ金型、f梨地シボ金型)のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の被覆金型基礎データと、成形品のグロスの値(Gs(60°))の成形品基礎データとを対比し、成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)がテスト板(a皮シボ金型、b幾何学シボ金型、c梨地シボ金型、d皮シボ金型、e幾何学シボ金型、f梨地シボ金型)のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)から予測されたグロスの値(Gs(60°)の光沢度)に近い値になっているか否かを確認する(確認ステップ)。
この実施例においては、粒状体20を付着していない金型a、b、cにおいては、金型のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)と成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)とは隔たりのあるものが散見された。
一方、粒状体20を付着した金型d−1〜3、e−1〜3、f−1〜3においては、成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)と、金型のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)がほぼ同じ値、或いは、成形品のグロス(光沢)は、金型のグロス(光沢)に近い値を示すようになった。
粒状体20の被覆率が60%のテスト板(d−2、e−2、f−2)による成形品は、異種の合成樹脂材料(X)、(Y)、(Z)による成形品のいずれも、比較的近いグロスの値(Gs(60°))であることが判明した。
更に、異種の合成樹脂材料(X)、(Y)、(Z)による成形品を隣り合わせにして組み合わせ、視感による合致度を検証したところ、比較的近いつやを呈していることが判明した。
粒状体20の被覆率60%の前後において、目標とする成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)が存在するとき、例えば被覆率50%、70%における被覆率の方が目的とするグロスの値(Gs(60°)の光沢度)であるときには、実際の金型10の型面12に付着する粒状体20の被覆率を上下させるように複合材料の吹き付け量の補正をして、補正された複合材料の量分の複合材料の吹き付け加工をして、目的とするグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の成形品を得るようにすればよい(補正ステップ)。
異種の合成樹脂材料による成形のための異なる2種以上の金型10により成形される成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を目標となるグロスの値(Gs(60°)の光沢度)に合わせるために、2種の金型10もしくは一方の金型10における型面12の粒状体20の被覆率を補正して、目標とするグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を近づけるとよい(補正ステップ)。
このように、目標とするグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を基準として、複数の金型10の型面12に付着する粒状体20の被覆率を補正して、異種の合成樹脂材料による成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を合致又は調和させる。
異なる合成樹脂材料で成形した成形品とグロス(光沢)の値(光沢度)を合致させるために用いる金型10は、形状保持固着母材である合成樹脂22を50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材であるセラミック粉24を30〜80重量部と、粗さ強調材である無機繊維26を5〜10重量部とを含む、粒状体20が、金型10の型面12に、間隔をおいて付着され、前記金型10の型面12は、前記粒状体20を付着された金型10の型面12において成形された成形体の表面が他の成形体の表面の光沢度と合致及び/又は調和するように、粒状体20を付加され、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を型面12における被覆率40〜80%の割合で形成されている。
光沢調整凸部28は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する。
異なる材料で成形した成形品とグロス(光沢度)を合致させる又は調和させる方法に用いられる成形用金型10は、次の工程を含む製造方法で形成される。
(1)成形用金型10にシボ加工等の凹凸状模様を形成する、凹凸状模様加工ステップ、
(2)サンドブラスト等で金型10の型面12の表面処理を行う表面処理ステップ、
(3)形状保持固着母材である合成樹脂22を50〜80重量部、拡散反射面形成芯材であるセラミック粉24を30〜80重量部、粗さ強調材である無機繊維26を5〜10重量部、溶剤を30〜90重量部を含む複合材料を混合して複合材料を撹拌する、複合材料混合ステップ、
(4)微細で不規則な凹凸を成形される第1の成形体の表面の光沢度を、対比する他の第2の成形体の表面の光沢度に合致及び/又は調和させるために、第1の成形体又は第2の成形体の一方又は双方の光沢度を低下させるように、金型10の型面12に、圧縮空気により、型面における被覆率40〜80%の割合となるように前記複合材料を霧状に吹き付ける、吹き付けステップ、
(5)金型10の型面12に吹き付けられた複合材料を100〜150℃で加熱固化させ、型面10における被覆率40〜80%の割合で粒状体20を付加する、付着ステップ。
そして、隣接されて一つの構造物を形成されるための異種の合成樹脂材料で成形された、第1の成形体と第2の成形体を成形するための前記2又は複数の金型10の型面12は、前記粒状体20を付着された金型10の型面12において成形された第1の成形体の表面が、第1の成形体に隣接されて一つの構造物を形成されるための異種の合成樹脂材料で成形された、複合部材である第2の成形体の表面の光沢度と合致又は調和するように構成されている。
前記2又は複数の金型10の型面12は、型面12における被覆率40〜80%の割合で粒状体20を付加して、該粒状体20からなる微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を型面12における被覆率40〜80%の割合で形成されて、第1の成形体のグロス(光沢度)を第2の成形体のグロス(光沢度)とを合致又は調和させている。
例えば、前記第1の成形体を成形するための第1の金型10の型面12は、熱可塑性プラスチックの結晶性樹脂又は非結晶性樹脂で成形された第2の成形体の表面の光沢度と合致及び/又は調和するように、前記第2の成形体を構成する合成樹脂材料とは異種の熱可塑性プラスチックの非結晶性樹脂又は結晶性樹脂で成形される第1の成形体を成形するための金型10の型面12を構成し、前記粒状体20を付着された金型10の型面12により構成されている。
そして、該成形用第1の金型10により、第2の成形体を構成する合成樹脂材料とは異種の合成樹脂材料で、第2の成形体に隣接して連接されて、一つの構造物を形成されるための複合部材である第1の成形体を成形する。
一方、前記第2の成形体を成形するための第2の金型10の型面12は、熱可塑性プラスチックの結晶性樹脂又は非結晶性樹脂で成形された第1の成形体の表面の光沢度と合致及び/又は調和するように、前記第1の成形体を構成する合成樹脂材料とは異種の熱可塑性プラスチックの非結晶性樹脂又は結晶性樹脂で成形される第2の成形体を成形するための金型10の型面12を構成し、前記粒状体20を付着された金型10の型面12により構成されている。
そして、該成形用第2の金型10により、第1の成形体を構成する合成樹脂材料とは異種の合成樹脂材料で、第1の成形体に隣接して連接されて、一つの構造物を形成されるための複合部材である第2の成形体を成形する。
而して、第1の成形体は、金型10の型面12の微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部28を反転した微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凹部112により、グロス(光沢)の値(光沢度)が低下して、グロス(光沢)の値(光沢度)が低下した第2の成形体と、グロス(光沢)の値(光沢度)が合致又は調和する。
[実施例16]
JIS Z 8741に従い測定されたグロスの値(Gs(60°)の光沢度)値1.3を、隣接して連接される複合部材である第1の成形体と第2の成形体のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の基準値とする。
第1の成形体を成形するための金型を複合部材例1とし、第2の成形体を成形するための金型を複合部材例2とする。
複合部材例1:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に、公知のエッチング加工を利用して皮シボ、幾何学シボ、梨地シボの加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料(実施例1及び5乃至13の複合材料)を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
複合材料(実施例1の複合材料):
合成樹脂(エポキシ樹脂)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
スプレーガンによる実施例1及び5乃至13の複合材料の吹き付けは、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%とになるように、粒状体を付着させる加工をした。
次に、金型10の型面12を、150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
複合部材例2:合成樹脂(ABS樹脂)の射出成形用金型の型面に、公知のエッチング加工を利用して皮シボ、幾何学シボ、梨地シボの加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料(実施例1及び5乃至13の複合材料)を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
複合材料(実施例1の複合材料):
合成樹脂(エポキシ樹脂)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
スプレーガンによる実施例1及び5乃至13の複合材料の吹き付けは、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%とになるように、粒状体を付着させる加工をした。
次に、金型10の型面12を、150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
前記複合部材例1及び複合部材例2を用い、公知の射出成形法によって得られたポリプロピレン(PP)及びABS樹脂成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を測定した。それぞれの測定結果を表7(被覆割合とグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の比較)に示す。
公知のシボ加工の種類を問わず、複合材料の被覆割合が小さい場合は、ポリプロピレン(PP)とABS樹脂のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)には大きな隔たりがあるが、被覆割合が60%の場合には、両成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)は同じ値を示した。
Figure 0005222436
[実施例17]
JIS Z 8741に従い測定されたグロスの値(Gs(60°)の光沢度)1.3を、隣接して連接される複合部材である第1の成形体と第2の成形体のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の基準値とする。
第1の成形体を成形するための金型を複合部材例3とし、第2の成形体を成形するための金型を複合部材例4とする。
複合部材例3:合成樹脂(ポリプロピレン)の射出成形用金型の型面に、公知のエッチング加工を利用して皮シボ、幾何学シボ、梨地シボの加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料(実施例1及び5乃至13の複合材料)を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
複合材料(実施例1の複合材料):
合成樹脂(エポキシ樹脂)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
スプレーガンによる実施例1及び5乃至13の複合材料の吹き付けは、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%とになるように、粒状体を付着させる加工をした。
次に、金型10の型面12を、150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
複合部材例4:合成樹脂(ポリスチレン(PS))の射出成形用金型の型面に、公知のエッチング加工を利用して皮シボ、幾何学シボ、梨地シボの加工をした後、サンドブラスト加工を施した金型に対し、次の複合材料(実施例1及び5乃至13の複合材料)を、スプレーガンを使用し、エアー圧約5気圧、吹き付け面(型面)との距離約10〜30cm(多くは約20cm)で吹き付けた。
複合材料(実施例1の複合材料):
合成樹脂(エポキシ樹脂)を60重量部、
セラミック粉(アルミナ粉)を55重量部、
無機繊維(炭化ケイ素繊維)を9重量部、
溶剤(セロソルブ)30重量部、を撹拌して混合し、溶剤により希釈して分散した状態又は溶けた状態の複合材料
スプレーガンによる実施例1及び5乃至13の複合材料の吹き付けは、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%とになるように、粒状体を付着させる加工をした。
次に、金型10の型面12を、150℃で加熱した後、150℃で2時間保持し、型面12に吹き付けられた複合材料による粒(粒状体20及び光沢調整凸部28を形成する)を硬化させ、型面12に粒状体20を付着させた。
実施例1の複合材料を、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合20%と60%、95%になるように加工した金型10を用いて、公知の成形方法を用いてPP樹脂で第1成形体を成形し、別途、複合部材となる第2成形体を成形するために、ABS樹脂、ポリスチレン(PS)で第2成形体の成形を行い、得られた第1成形品(PP樹脂)と第2成形品(ABS樹脂、ポリスチレン(PS))とのグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を測定した結果を、表8(被覆割合とグロスの値(Gs(60°)の光沢度)の比較)に示す。被覆割合が60%のものは、グロスの値(Gs(60°)の光沢度)は同一の値を示した。被覆割合が大きいものや被覆割合が小さいものは、グロスの値(Gs(60°)の光沢度)は一致しなかった。
Figure 0005222436
公知のエッチング加工、サンドブラスト加工によるシボ加工済みの金型10に対して、実施例1及び5乃至13の複合材料を調整し、直径:1〜50μm、高さ:5〜20μmの光沢調整凸部28が被覆割合60%になるように吹き付け加工した。下地のシボは皮シボ、幾何学シボ、梨地シボであった。
それぞれの金型10から公知の射出成形法によって得られたPP、ABS及びPSの各成形品のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を2箇所測定した。グロスの値(Gs(60°)の光沢度)は、コニカミノルタ社製光沢計(商品名:UNI GLOSS 60
GM−60)を使用して、JIS Z 8741に従い測定した。
PP成形品及びABS成形品の測定結果を表9‐1(グロスの値(Gs(60°)の光沢度)の比較)に示す。
Figure 0005222436
PP成形品及びPS成形品の測定結果を表9‐2(グロスの値(Gs(60°)の光沢度)の比較)に示す。
Figure 0005222436
実施前のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)によらず、本加工を実施することにより実施前の成形品グロスの値(Gs(60°)の光沢度)が約0.5〜1.0程度低下していた。実施前のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を同程度に調整しておけば、実施後のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)は合致させることができる。
複合構成体を構成する異種の合成樹脂材料としては、例えば次のものがある。
第1成形体を成形する熱可塑性プラスチックは、結晶性プラスチックである、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ふっ素樹脂等がある。
第2成形体を成形する熱可塑性プラスチックは、非結晶性プラスチックである、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等がある。
自動車内装部品、特にダッシュボード(インパネ)並びにその部品及びピラー等の窓の周辺は、窓映りを防止しなければならず、JIS Z 8741に従い測定されたグロスの値(Gs(60°)の光沢度)が1.3以下程度である合成樹脂成形品110を求められている。
従来のエッチングシボによる梨地加工やサンドブラスト加工は、金型10の型面12の全面に亘り、求められるグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を実現しなければならず、且つそのグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を維持し続けることが非常に困難であった。
そして、成形ショット数が増えるに従いグロスの値(Gs(60°)の光沢度)が上昇してしまうことから、従来は成形品に塗装を行い、所望のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を実現していた。
また、エッチングシボによるグロス低下加工では、ABS樹脂とポリプロピレン(PP)で同程度のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を実現することは不可能であった。ところが、本金型10により成形すると、ポリプロピレン(PP)とABS樹脂及びポリスチレン(PS)で、同等のグロスの値(Gs(60°)の光沢度)を達成することができる。
光沢度を合致させる方法は、次のように優れた効果を奏する。
成形品の光沢は、成形品に形成された凹凸によって決定される。従って、金型に形成された複雑で微細な凹凸を成形品に反転成形することができるかどうかによって、得られる成形品の光沢が決定されることになる。
そこで、異種材料による成形品間において光沢を合致させるためには、成形材料によることなく同様に凹凸を反転成形が可能な最適材料・最適サイズ・最適間隔である光沢調整粒状体を形成することが必要である。光沢調整粒状体の粒の大きさは、材料の配合や吹き付け条件によって決まる。
従来のエッチング加工やサンドブラスト加工では、本件発明で規定しているような複雑で微細な凹凸面を形成することが困難であった。仮に形成できたとしても、成形材料が異なるとその凹凸を同様に反転成形(カジリが発生・白化)することができなかった。
さらに、この樹脂成形用型の内面における最表面は、微細凹凸形状となるように形成されているため、射出成形時に発生したガスや空気などを凹凸の間からエアベントまで誘導することができる。また、逃げ場を失ったガスや空気は、凹凸の空隙に誘導される。それにより、ガスや空気によって溶融樹脂の流動性が妨げられず、金型に形成された複雑で微細な凹凸を反転成形することができる。
粒状体20の微細凹凸により、樹脂表面に梨地状の模様が形成され、艶消し表面を有する樹脂成形品を得ることができる。このように、この樹脂成形用型を用いることにより、つやが乏しい表面を有する樹脂成形品を得ることができる。
一般的に、樹脂成形用金型を用いて射出成形を行ったとき、例えば、金型10の型面12にサンドブラスト等の加工を行ってつや消しをしていても、ガス等が金型10の型面12に付着して、つやが上がってくることが多い。しかしながら、この発明にかかる成形用金型10を用いて、射出成形等を行ったとき、長くつやが上がることなく、初期のグロスの値(光沢度)を維持した成形品を成形することができる。

Claims (17)

  1. 沢調整粒状体が、金型の型面に、間隔をおいて付着され、
    前記金型の型面は、
    前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加されて光沢調整凸部を形成され、
    微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を型面における被覆率40〜80%の割合で形成され
    前記光沢調整粒状体は、
    形状保持固着母材50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材30〜80重量部と、粗さ強調材5〜10重量部とを含み、
    前記形状保持固着母材は熱硬化性プラスチックであり、前記拡散反射面形成芯材はセラミック粉であり、前記粗さ強調材は無機繊維である、成形用金型。
  2. 沢調整粒状体が、金型の型面に、間隔をおいて付着され、
    前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加されて光沢調整凸部を形成され、
    前記光沢調整粒状体は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を構成され、
    前記光沢調整粒状体は、
    形状保持固着母材50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材30〜80重量部と、粗さ強調材5〜10重量部とを含み、
    前記形状保持固着母材は熱硬化性プラスチックであり、前記拡散反射面形成芯材はセラミック粉であり、前記粗さ強調材は無機繊維である、成形用金型。
  3. 前記粗さ強調材は、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維のうちの1つで、繊維の長さが5〜20μmである、請求項1又は請求項2に記載の成形用金型。
  4. 前記拡散反射面形成芯材は、粒径が0.1〜20μmである、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の成形用金型。
  5. 前記光沢調整粒状体は、熱硬化性プラスチック50〜80重量部と、セラミック粉30〜80重量部と、無機繊維5〜10重量部とを、希釈溶剤30〜90重量部にて希釈された複合材料を、吹き付け固化されて形成された、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の成形用金型。
  6. (1)成形用金型に凹凸状模様を形成する加工を行う、凹凸状模様加工ステップと、
    (2)形状保持固着母材を50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材を30〜80重量部と、粗さ強調材を5〜10重量部と、溶剤を30〜90重量部とを混合する、複合材料混合ステップと、
    (3)金型の型面に、圧縮空気により、前記複合材料を、型面における被覆率40〜80%の割合となるように霧状に吹き付ける、吹き付けステップと、
    (4)金型の型面に吹き付けられた複合材料を100〜150℃で加熱固化させ、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整粒状体を、型面における被覆率40〜80%の割合で付加する、部分付着ステップとを含み、
    前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を付加され、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を型面における被覆率40〜80%の割合で形成された、成形用金型の製造方法。
  7. 形状保持固着母材は、熱硬化性プラスチックであり、拡散反射面形成芯材は、ランダムな形状を有するセラミック粉であり、粗さ強調材は、無機繊維である、請求項6に記載の成形用金型の製造方法。
  8. 粗さ強調材は、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維のうちの1つで、繊維の長さが5〜20μmであり、拡散反射面形成芯材は、粒径が0.1〜20μmである、請求項6又は請求項7に記載の成形用金型の製造方法。
  9. 光沢調整粒状体は、1.0〜100μmの粒径で、5〜30μmの高さである、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の成形用金型の製造方法。
  10. 形状保持固着母材50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材30〜80重量部と、粗さ強調材5〜10重量部とを含む、光沢調整粒状体が、金型の型面に、間隔をおいて付着され、
    前記形状保持固着母材は、熱硬化性プラスチックであり、前記拡散反射面形成芯材は、ランダムな形状を有するセラミック粉であり、前記粗さ強調材は、無機繊維であり、
    前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加されて、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を型面における被覆率40〜80%の割合で形成された、成形用金型により成形されて、
    前記成形用金型の微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を反転された微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凹部を形成され、
    前記光沢調整凹部は、略ベル状、略つりがね状、略円盤状及び略サイコロ状並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状、略半扁球状及び略半長球状、切頭立方体状、立方八面体状及びねじれ立方体状を含む多面体状で構成される、異形凹部を形成され、且つ、前記異形凹部の表面より凹んだ微細凹部を形成され、
    鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成された、合成樹脂成形品。
  11. 形状保持固着母材50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材30〜80重量部と、粗さ強調材5〜10重量部とを含む、光沢調整粒状体が、金型の型面に、間隔をおいて付着され、
    前記形状保持固着母材は、熱硬化性プラスチックであり、前記拡散反射面形成芯材は、ランダムな形状を有するセラミック粉であり、前記粗さ強調材は、無機繊維であり、
    前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された成形体の表面が鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成するように、光沢調整粒状体を、間隔をおいて各々独立して付加され、
    前記光沢調整粒状体は、形状保持固着母材により、略ベル状体、略つりがね状体、略円盤状体及び略サイコロ状体並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状体、略半扁球状体及び略半長球状体、切頭立方体、立方八面体及びねじれ立方体を含む多面体で構成される異形体を形成され、且つ粗さ強調材及び/又は拡散反射面形成芯材により、前記異形体より突出した微細突部を形成された、成形に耐える強度を有する微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を構成された、成形用金型で成形されて、
    前記成形用金型の微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を反転された微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凹部を形成され、
    前記光沢調整凹部は、略ベル状、略つりがね状、略円盤状及び略サイコロ状並びに球体、楕円体、まゆ形の球面と交わる平面で切り取った略半球状、略半扁球状及び略半長球状、切頭立方体状、立方八面体状及びねじれ立方体状を含む多面体状で構成される、異形凹部を形成され、且つ、前記異形凹部の表面より凹んだ微細凹部を形成され、
    鏡面反射の少ないもしくは拡散反射となる表面を形成された、合成樹脂成形品。
  12. (1)成形用金型に凹凸状模様を形成する加工を行う、凹凸状模様加工ステップと、
    (2)形状保持固着母材を50〜80重量部、拡散反射面形成芯材を30〜80重量部、粗さ強調材を5〜10重量部、溶剤を30〜90重量部を含む複合材料を混合する、複合材料混合ステップと、
    (3)微細で不規則な凹凸を成形される第1の成形体の表面の光沢度を、対比する他の第2の成形体の表面の光沢度に合致及び/又は調和させるために、第1の成形体又は第2の成形体の一方又は双方の光沢度を低下させるように、金型の型面に、圧縮空気により、前記複合材料を、型面における被覆率40〜80%の割合となるように霧状に吹き付ける、吹き付けステップと、
    (4)金型の型面に吹き付けられた複合材料を100〜150℃で加熱固化させ、型面における被覆率40〜80%の割合で光沢調整粒状体を付加する、付着ステップとを含み、
    前記ステップにより形成された前記金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面において成形された第1の成形体の表面が隣接する他の第2の成形体の表面の光沢度と合致及び/又は調和するように、光沢調整粒状体を付加され、微細で不規則な凹凸面を有する光沢調整凸部を型面における被覆率40〜80%の割合で形成された、成形用金型の製造方法。
  13. 結晶性樹脂又は非結晶性樹脂で成形された第2の成形体の表面の光沢度と合致及び/又は調和するように、前記第2の成形体を構成する樹脂とは異種の非結晶性樹脂又は結晶性樹脂で成形される第1の成形体を成形するための金型の型面は、前記光沢調整粒状体を付着された金型の型面により構成された、請求項12に記載の成形用金型の製造方法。
  14. 形状保持固着母材は、熱硬化性プラスチックであり、拡散反射面形成芯材は、ランダムな形状を有するセラミック粉であり、粗さ強調材は、無機繊維である、請求項12又は請求項13に記載の成形用金型の製造方法。
  15. 粗さ強調材は、ガラス繊維、炭素繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維のうちの1つで、繊維の長さが5〜20μmであり、拡散反射面形成芯材は、粒径が0.1〜20μmである、請求項12ないし請求項14のいずれかに記載の成形用金型の製造方法。
  16. 光沢調整粒状体は、1.0〜100μmの粒径で、5〜30μmの高さである、請求項12ないし請求項15のいずれかに記載の成形用金型の製造方法。
  17. (1)金型の型面に、圧縮空気により、形状保持固着母材を50〜80重量部と、拡散反射面形成芯材を30〜80重量部と、粗さ強調材を5〜10重量部と、溶剤を30〜90重量部とを混合した複合材料を、型面における被覆率40〜80%の割合となるように霧状に吹き付ける、吹き付けステップと、
    (2)微細で不規則な凹凸を成形される第1の成形体の表面の光沢度を、対比する異種の合成樹脂による別の成形体の表面の光沢度に合致及び/又は調和させるために、前記成形体の一方又は双方の光沢度を低下させるように、型面における被覆率40〜80%の割合で粒状体を型面に付加する、付着ステップとを含み、
    更に、
    粒状体の被覆割合を変化させた金型の型面について、光沢度を測定する被覆金型基礎データ取得ステップと、
    粒状体の被覆割合を変化させた金型によって、異種の合成樹脂による成形をした成形品について、光沢度を測定する成形品基礎データ取得ステップと、
    異種の合成樹脂により成形された成形品の光沢度が、目標とする光沢度であって、それぞれが調和しているか否かを確認する確認ステップと、を含む、成形品の光沢度を合致させる方法。
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