JP2007160637A - 樹脂成形品 - Google Patents

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剛 玉置
Hirotaka Imada
裕貴 今田
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Abstract

【課題】表面が傷つきにくくグロス値が低下した樹脂成形品を比較的簡便に提供する。
【解決手段】この樹脂成形品は、表面に天然の皮を模した皮絞パターン114の形状が施されており、更にその上からその皮絞パターン114に比べて微細で且つ滑らかな凹凸の絞パターン116を施したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、樹脂成形品に関し、特に、グロス値が低下した、いわゆる光沢を落とした艶消し樹脂成形品に関するものである。
従来、グロス値を低下させる技術として、サンドブラストといわれるブラスト処理法やイオン窒化処理法がある。
このブラスト処理法は、樹脂成形用金型の成形面に対し、砂や金属粗粒を投射し、成形面を削り、表面を粗化する。そして、このように成形面の表面が粗化された金型を用いることによって、光沢のない表面を有する樹脂成形品が成形される。
また、イオン窒化処理法は、たとえば、2つの金属製の分割型に形成された成形面の少なくとも一部に、イオン窒化処理により微細な凹凸を形成するとともに、表層部に窒化層が形成されてなる、成形用金型装置を用いて樹脂成形品を成形する方法である。
特開平9−57757号公報
従来のサンドブラスト処理法では、投射する砂等として最も粒径の小さいものを選択しても、金型の成形面の粗化を図るのには限界があり、低グロス値の樹脂成形品を得ることは困難であり、また、その表面には、ぎざぎざ面が形成されるために、そのような成形面表面が転写成形された樹脂成形品の表面にも、ぎざぎざが発生する問題もある。
また一方、イオン窒化処理法により処理された金型を用いて樹脂成形をした場合、グロス値が下がるが、形成された凹凸の深さが0.1以上0.3μm未満のため、その金型により成形された樹脂成形面は、凹凸が小さすぎて爪等で傷つき易いという問題がある。そして、イオン窒化処理法の場合、イオン窒化処理をするための炉内における加熱処理には長時間がかかり、また、シボ加工を行う装置とは別の窒化処理装置を必要とするため、金型の製作に時間を要し、低コスト化の障害となる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、表面が傷つきにくくグロス値が低下した樹脂成形品を比較的簡便に得ることを目的とする。
この発明の請求項1にかかる樹脂成形品は、表面に天然の皮を模した皮絞パターン(深さ60〜100μm、#540)の形状が施されており、更にその上からその皮絞パターンに比べて微細で且つ滑らかな凹凸の絞パターンを施したことを特徴とする、樹脂成形品である。
この発明の請求項2にかかる樹脂成形品は、微細な絞パターンは、深さが10〜20μm、大きさが直径35〜250μmであることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂成形品である。
この発明の請求項3にかかる樹脂成形品は、微細な絞パターンは、縦50mm、横50mmの繰り返しの基本パターンであるが、その基本パターン内での配列、大きさ、及び深さには規則性がないことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の樹脂成形品である。
この発明の請求項4にかかる樹脂成形品は、射出成形可能な熱可塑性樹脂を原料として得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の樹脂成形品である。
この発明の請求項5にかかる樹脂成形品は、前記熱可塑性樹脂は、PP、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、POM、PA,PC、PVC及びTPEのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項4に記載の樹脂成形品である。
この発明によれば、金型成形面にエッチング加工で皮絞パターン(深さ60〜100μm)を施し、その上から皮絞パターンに比べて微細な絞パターンをエッチング加工で付与することにより得られた金型によって、元の皮絞パターンの形状(意匠)を損なうことなく、グロス値が低下した、いわゆる艶消しの光沢度の低い樹脂成形品を得ることができる。
請求項2の発明によれば、予め施された皮絞パターンは、微細な絞パターンと比較して平面部が多く、光を反射する為、光沢度が高くなってしまうが、十分に微細な絞パターンを付与し、表面を粗化されるので、光が乱反射し光沢度が低下する。
請求項3の発明によれば、微細な絞パターンに規則性が無いことで、予め施された皮絞パターンと干渉しない。そして、規則性のある微細なパターンを付与した場合と比較して、予め施された皮絞パターンの形状(意匠)を損なうことが無い。
請求項4及び5の発明によれば、本願発明にかかる金型を用いて射出成形をしたときに、グロス値の低下が見込まれる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1は、この発明の一実施の形態である皮絞パターンを300倍以上に拡大した図解図であり、図2は、皮絞パターンの施された樹脂成形品の断面図解図であり、図3は、この発明の一実施の形態である微細な絞パターンを300倍以上に拡大した図解図であり、図4は、微細な絞パターンが施された樹脂成形品の断面図解図である。
図5ないし図9は、金型の成形面に皮絞パターンに対応する第1パターンを施す方法を示す断面図解図である。
図10は、金型の成形面に微細な絞パターンに対応する第2パターンを施す方法を示す断面図解図である。
この発明にかかる樹脂成形品110は、射出成形可能な熱可塑性樹脂を原料として得られ、その表面に天然の皮を模した皮絞パターン114(深さ60〜100μm、#540)の形状が施されており、更にその上からその皮絞パターン114に比べて微細で且つ滑らかな凹凸の絞パターン116を施している。皮絞パターン114における深さは、触針式粗度計で測定して得られた波形における最も高い所と最も低い所との距離である。
予め施された皮絞パターン114は、その深さが60〜100μm以外であった場合、微細で且つ滑らかな凹凸の絞パターン116を施したとしても、目的とするほどグロス値の低下は見込めない。
この皮絞パターン114は、しわとしわの間の盛り上がった凸部分120(図1斜線部分)と、凸部分120以外の凹んだしわ状凹部分122と、凸部分120に形成された毛穴状有底微孔部分124及び凹部分122に形成された島状粒部分126とを有する。なお、この明細書で毛穴状有底微孔部分124と島状粒部分126をあわせて粒ということがある。
そして、一の凸部分1201とそれに隣接する他の凸部分1202との間の最も狭い間隔L1、すなわち線幅は、55μmである、また、一の凸部分1203とそれに隣接する他の凸部分1204との間の最も広い間隔L2、すなわち線幅は、2000μmである。
そして、粒部分126及び有底微孔部分124、すなわち表1中、粒及び有底微孔の大きさは、35〜250μmである。
粒の大きさが35μmに満たない場合には、皮絞パターンの意匠を構成できず、250μmを超える場合には、皮絞パターン114に比べて微細で且つ滑らかな凹凸の絞パターン116を施しても、グロス低下の効果は見込めない。
微細な絞パターン116は、大小の有底微孔が点在してなり、深さが10〜20μm、大きさが直径35〜250μmである。この絞パターン116は、縦50mm、横50mmの繰り返しの基本パターンであるが、その基本パターン内での配列、大きさ、及び深さには規則性がないことを特徴とする。
微細な絞パターン116の深さは、10〜20μmであり、予め施された皮絞パターン114の深さに比して非常に浅く、グロス低下の目的で付与された微細な絞パターン116だけが目立つことはない。絞パターン116として20μmを超える深さの凹凸を付与した場合、予め施された皮絞パターン114の意匠は崩れてしまい、また、10μmに満たない深さの凹凸を付与した場合、爪などで傷つきやすく、グロス低下の効果はすぐに失われてしまうおそれがある。
予め施された皮絞パターン114は、粒の大きさ、すなわち、有底微孔部分124及び粒部分126の大きさが35〜250μmであるが、微細な絞パターン116は、粒、すなわち有底微孔の大きさが35〜250μmであり、予め施された絞パターン116を構成する粒の最小の粒(35〜250μm)と大きさが同一である。このために、予め施された皮絞パターン114と後で付与する微細な絞パターン116との区別が難しく、グロスを低下させる目的で加工した微細な絞パターン116だけが極端に目立つことがない。絞パターン116の粒の大きさが250μmよりも大きな微細パターンを加工した場合、グロスの低下は見込めるが、予め施された皮絞パターン114の意匠が崩れる。一方、絞パターン116の粒の大きさが35μmより小さな微細な絞パターン116を加工した場合は、グロス値の低下は見込めるが、非常に傷つきやすくなる。
予め施された皮絞パターン114と微細な絞パターン116が、後記する表1と表2に記載された数値である場合において、グロス低下の効果を最も発揮できる。
微細な絞パターン116は、パターンに規則性がないことで、金型加工時の柄のつなぎ目が目立ちにくい効果がある。特に、複雑な3次元曲面で構成されている金型へ遮光フィルム24上の柄を加工する場合、柄のつなぎ目は絶対に生じるが、規則性がないことにより、目立ちにくくなる。
規則性があるパターンとは、例えば、ある一定の間隔(50mm以内等)で丸や四角が整然と並んでいるようなパターンをいうが、このように規則性があると、仮にその規則を乱す部分があった場合にその部分だけ非常に目立ってしまうという欠点がある。
前記熱可塑性樹脂は、PP(ポリプロピレン)、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、POM(ポリアセタール)、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、PVC(ポリ塩化ビニール)及びTPE(熱可塑性エラストマー)のうち少なくとも一つを含む。
次に、ポリプロピレン、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂による前記樹脂成形品を製造するための金型について説明する。
この金型10は、SC系鋼材、SCM系鋼材、SUS系鋼材からなり、そのキャビティの成形面12にエッチング加工により自動車内装用樹脂成形品を成形するためのパターンが施されている。
すなわち、樹脂成形品の表面に形成される天然の皮を模した皮絞パターン114(深さ60〜100μm)に対応する第1パターン14の形状が施されており、更に、その上から形成される微細な絞パターン116(その上からその皮絞パターンに対応する第1パターンに比べて微細で且つ滑らかな凹凸の絞パターン)に対応する第2パターン16が施されている。
この金型10の成形面12に施されたパターンは、エッチング加工により第1パターン14(深さ60〜100μm)が施され(第1段階)、さらにその上から、エッチング加工により前記第1パターン14に比べて十分小さい微細な凹凸の第2パターン16(深さが10〜20μm、大きさが直径35〜250μm)が施されている(第2段階)。第2パターンに対応した樹脂成形品の絞パターン116は、第1パターン14に対応した樹脂成形品の皮絞パターン114の形状を損なうことなく樹脂成形品のグロス値を低下させるよう構成されている。
予め施された第1パターン14は、微細な第2パターン16と比較して平面部が多く、第1パターン14のみが施された金型で成形された樹脂成形品(皮絞パターン114が施されている)では、光を反射する為、光沢度が高くなってしまうが、第2パターン16が施された金型10により成形された樹脂成形品では、十分に微細な絞パターン116が付与され、表面を粗化することができる。したがって、この金型10により射出成形された樹脂成形品は、光が乱反射し光沢度が低下する。
微細な絞パターン116に対応する第2パターン16は、整然と並んでいない幾何学模様で形成される。
もっとも、微細な絞パターン116は、縦50mm、横50mmの繰り返しの基本パターンであるが、その基本パターン内での配列、大きさおよび深さには規則性はなく、皮絞パターン114との関連性や樹脂成形品の表面形状などによって適宜採択される。
微細な絞パターン116に規則性が無いことで、予め施された皮絞パターン114を干渉しない。そして、規則性のある微細なパターンを付与した場合と比較して、予め施された皮絞パターン114の形状(意匠)を損なうことが無い。
金型10によって成形される樹脂成形品の原料としては、たとえば、射出成形を行える熱可塑性樹脂たる、PP(ポリプロピレン)、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、POM(ポリアセタール)、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、PVC(ポリ塩化ビニール)及びTPE(熱可塑性エラストマー)が採択される。
特に、この金型により成形される樹脂は、汎用性があり、成形品になったときの光沢値が高いPP(ポリプロピレン)、ABS樹脂、AES樹脂およびPOM(ポリアセタール)である。
次に、この発明の樹脂成形品を製作するための金型の製作過程について、主として、図5ないし図10に基づいて説明する。
金型の成形面に皮絞パターン114に対応する第1パターン14を施す第1段階について、まず説明する。
まず、金型10となる鋼材20の成形面に、パークレン、メタノール、シンナーなどの有機溶剤にて、脱脂ならびに洗浄を施す。
次に、第1パターン14の加工を施さない不要部分を所定のマスキング材、たとえば、耐酸テープ(ガムテープ等)でマスキング処理をする。
次に、金型10となる鋼材20の成形面に、たとえば耐酸剤をスプレーガンで噴射して耐酸レジスト層22を形成する(図5参照)。
次に、目的とする皮絞パターン114に対応する第1パターン14(大きさ:35〜250μm)が描写された遮光フィルム24を準備し、前記耐酸レジスト層22の表面に遮光フィルム24を重ね合わせる。
そして、紫外線照射等によって遮光フィルム24の第1パターン14を感光処理し(図6参照)、更に現像を行い(図7参照)、光硬化による第1パターン14を残す。
しかる後、遮光フィルム24を取り除き、露光されていない耐酸レジスト層22を除去し、エッチング液に浸漬する(図8参照)。
エッチング液としては、硝酸に添加剤を加えたもの(硝酸1.4部に対し添加剤15部)で、金型10となる鋼材20の表面を腐蝕させる。
このようにして、まず金型10の成形面12に、第1パターン(皮絞パターン114に対応)が施される(図1および図2参照)。
その後、耐酸レジスト層22を取り除く。
この金型10によって射出形成された樹脂成形品の皮絞パターン114は、その深さ(触針式粗度計で測定して得られた波形における最も高い所と最も低い所との距離)が60〜100μmであり、次の表1に示すようなものである。
この皮絞パターン114は、しわとしわの間の盛り上がった凸部分120(図1斜線部分)と、凸部分120以外の凹んだしわ状凹部分122と、凸部分120に形成された毛穴状有底微孔部分124及び凹部分122に形成された島状粒部分126とを有する。
そして、一の凸部分1201とそれに隣接する他の凸部分1202との間の最も狭い間隔L1、すなわち線幅は、55μmである、また、一の凸部分1203とそれに隣接する他の凸部分1204との間の最も広い間隔L2、すなわち線幅は、2000μmである。
そして、粒部分126及び有底微孔部分124、すなわち表1中、粒及び有底微孔の大きさは、35〜250μmである。
Figure 2007160637
次に、金型10の成形面12に予め施された第1パターン14(皮絞パターン114に対応する)の上に、さらに微細な絞パターン116に対応する第2パターン16を施す、第2段階について説明する。
まず、第1パターン14を施された金型10を有機溶剤にて脱脂・洗浄(脱脂・洗浄工程)し、加工不要分を所定のマスキング材でマスキングする(マスキング工程)。
そして、金型10の成形面12に耐酸剤をスプレーガンで噴射して耐酸レジスト層を形成する(耐酸レジスト層形成工程)。
次に、微細な絞パターン116に対応する第2パターン16(大きさ:直径35〜250μm)が描写された遮光フィルム26を準備し、前記金型10の成形面12の耐酸レジスト層の表面に重ね合わせる。
続いて、遮光フィルム26の側より紫外線照射装置により紫外線照射することにより耐酸レジスト層を感光処理し、続いて現像して、微細な第2パターン16(絞パターン116に対応する)を形成する(図3及び図4参照)。
そして、遮光フィルム26を、金型10の成形面12より取り除き、露光されていない不要な耐酸レジスト層を洗い流す。
しかる後に、金型10の成形面12を、硝酸に添加剤を加えたエッチング液(硝酸1.3部に対し添加剤9部)に浸漬し、金型10の成形面12を腐蝕させ、耐酸レジスト層が積層されていない部分に微細な絞パターン116に対応する第2パターン16を形成する。
その後。耐酸レジスト層を取り除く。
この金型10で射出成形された樹脂成形品の第2パターン16に対応する微細な絞パターン116の構成は、表2に示すとおりである。
Figure 2007160637
このようにして形成された金型10の成形面12の第2パターン16(微細な絞パターン116に対応)は、表3(ブラスト法により成形された樹脂成形品の面と本実施の形態との比較表)に示すように、形成される。すなわち、その微細な絞パターン116の凹部の表面形状は、大きさが35〜250μmで、深さが10〜20μmの滑らかな凹凸模様が形成されており、金型10の成形面12に、第1パターン14(皮絞パターン114に対応)の形状(意匠)を損なうことなく、金型10の成形面12全体に第2パターン16(微細な絞パターン116に対応)の凹凸模様が形成されている。
Figure 2007160637
なお、エッチング、すなわち腐蝕の方法は、金型10にパターンを転写した後に、エッチング液に金型を浸漬し、エッチング液の撹拌を行いながらエッチングする。
エッチング速度は、3ないし20μm/secとし、エッチング温度は室温から35℃の範囲内で行うのがよい。
次に、このようにして得られた金型10の成形面12が形成されたキャビティ内に、ポリプロピレン樹脂またはABS樹脂を射出し成形して、自動車の内装品を成形する。
成形樹脂によって成形した樹脂成形品について、光沢度合いを光沢計(ミノルタ株式会社製のGM GLOSS 60)を使用し、JIS Z8741に従って測定したところ、表4に示すように皮絞パターン114(深さ60ないし100μm)に対応する第1パターン14のみが施された金型の成形面によって成形された比較例と比較して、皮絞パターンに比べて十分小さい微細な絞パターン116に対応する第2パターン16を施した金型の成形面によって成形された樹脂成形品のほうが、皮絞パターン114の形状(意匠)を損なうことなく、グロス値を低下させることができることがわかる。
Figure 2007160637
実施例1
有機溶剤(パークレン、メタノール、シンナー等)にて脱脂・洗浄し、加工不要部分に所定のマスキング材でマスキングし、スプレーガンで東京応化株式会社製耐酸剤(PMER HC−600)を噴射して耐酸レジスト層を形成した成形面に、第1パターン14が描写された遮光フィルム24(大日本インキ株式会社遮光フィルム(CA−4))を密着し、感光・現像処理して、不要な部分の耐酸レジスト層を取り除く。次に、硝酸に添加剤を加えたエッチング液(硝酸1.4部に対し添加剤15部)に浸漬し、金型を腐蝕させて天然の皮を模した皮絞パターンの形状に対応する第1パターン14の形状を施す。第1パターン14は、次の通りである。
線幅が55〜2000μmで粒の大きさが35〜250μm、Ra(JIS,82)が9.441〜12.226μm、Rmax(JIS,82)が75〜103μm、Rz(JIS,82)が51〜78.1μm
その後、耐酸レジスト層を取り除くことにより第1段階が終了する。
次に、前記表面に第1パターン14が施された金型10の表面を、有機溶剤(パークレン、メタノール、シンナー等)にて脱脂・洗浄し、加工不要部分を所定のマスキング材でマスキングし、スプレーガンで東京応化株式会社製耐酸剤(PMER HC−600)を噴射して耐酸レジスト層を形成した後、パターン透過濃度Dが0.68〜0.76、パターン、透過率Tが20.893〜17.378%、粒の大きさが、35〜250μmの微細な絞パターン116に対応する第2パターン16が描写された遮光フィルム26(大日本インキ株式会社遮光フィルム(CA−4))を密着し、紫外線照射装置により紫外線光を遮光フィルム26側より金型の成形面の耐酸レジスト層に向けて照射する。
次に、現像処理を施して、不要な部分の耐酸レジスト層を取り除き、硝酸に添加剤を加えたエッチング液(硝酸1.3部に対し添加剤9部)に浸漬し、金型を腐蝕させて微細な絞パターン116に対応する第2パターン16を形成した。
その後、耐酸レジスト層を取り除くことにより、第2段階が終了する。
第2パターン16は、次の通りである。
粒の大きさが35〜250μm、深さが10〜20μm
次に、PP、タルク、エラストマーの3元系PP材料(TX 2020B)を用い、微細な絞パターンに対応する第2パターンを施した前記金型により射出成形をして、比較例(皮絞パターンに対応する第1パターンは同一で、微細な絞パターンに対応する第2パターンが施されていない金型で同一樹脂により成形した樹脂成形品)と比較したところ、表4に示すように、比較例ではグロス値が3.3であったものが、本実施例ではグロス値が2.2に低下した。
実施例2
前記実施例1とは異なり、PP、エラストマーの2元系PP材料(インスト材)により射出成形し、比較例と実施例とを成形したところ、比較例ではグロス値が3.2であったものが、本実施例ではグロス値が2.2に低下した。
実施例3
前記実施例1とは異なり、PP、エラストマーの2元系PP材料(TP−315)により射出成形し、比較例と実施例とを成形したところ、比較例ではグロス値が3.1であったものが、本実施例ではグロス値が2.3に低下した。
実施例4
前記実施例1とは異なり、ABS樹脂により射出成形し、比較例と実施例とを成形したところ、比較例ではグロス値が4.1であったものが、本実施例ではグロス値が3.3に低下した。
この発明の一実施の形態である皮絞パターンの拡大図解図である。 皮絞パターンの施された樹脂成形品の断面図解図である。 この発明の一実施の形態である微細な絞パターンの拡大図解図である。 微細な絞パターンが施された樹脂成形品の断面図解図である。 金型の成形面に皮絞パターンに対応する第1パターンを施す方法を示す断面図解図である。 金型の成形面に皮絞パターンに対応する第1パターンを施す方法を示す断面図解図である。 金型の成形面に皮絞パターンに対応する第1パターンを施す方法を示す断面図解図である。 金型の成形面に皮絞パターンに対応する第1パターンを施す方法を示す断面図解図である。 金型の成形面に皮絞パターンに対応する第1パターンを施す方法を示す断面図解図である。 金型の成形面に微細な絞パターンに対応する第2パターンを施す方法を示す断面図解図である。
符号の説明
10 金型
12 成形面
14 第1パターン
16 第2パターン
20 鋼材
22 耐酸レジスト層
24 遮光フィルム
26 遮光フィルム
110 樹脂成形品
114 皮絞パターン
116 絞パターン

Claims (5)

  1. 表面に天然の皮を模した皮絞パターン(深さ60〜100μm、#540)の形状が施されており、更にその上からその皮絞パターンに比べて微細で且つ滑らかな凹凸の絞パターンを施したことを特徴とする、樹脂成形品。
  2. 微細な絞パターンは、深さが10〜20μm、大きさが直径35〜250μmであることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 微細な絞パターンは、縦50mm、横50mmの繰り返しの基本パターンであるが、その基本パターン内での配列、大きさ、及び深さには規則性がないことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の樹脂成形品。
  4. 射出成形可能な熱可塑性樹脂を原料として得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の樹脂成形品。
  5. 前記熱可塑性樹脂は、PP、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、POM、PA,PC、PVC及びTPEのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項4に記載の樹脂成形品。
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