JP6038765B2 - 樹脂成形金型の加工方法 - Google Patents
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Description
工程1:樹脂成形面に付着している油、埃等が洗浄により除去される。
上記工程2において耐食皮膜を形成する方式の1つとして、転写式が知られている。この転写式では、例えば特許文献1に記載されているように、所定の溶剤に可溶な耐酸レジストが用いられて、紙、フィルム、布等によって形成された柔軟な転写シートに任意の模様のレジストパターンが印刷される。転写シートが樹脂成形金型の樹脂成形面に押付けられることにより、その転写シート上のレジストパターンが、樹脂成形面について凸凹模様の凸部が形成される予定の箇所に転写される。このレジストパターンが上記耐食皮膜となる。
ところで、樹脂成形品における凹凸模様の一形態として、その凹凸模様の特定部分に、山部及び谷部のいずれよりも微小な凹凸部(以下「微小凹凸部」という)が形成される場合がある。例えば、特許文献2では、光を散乱させて、光沢を抑えることで立体感や陰影感を表現するために、微小凹凸部が凹凸模様の谷部に設けられている。
最初に、本実施形態の樹脂成形金型によって成形される樹脂成形品について説明する。
本実施形態では、自動車のインストルメントパネル、コンソール、ドアトリム、グローブボックス、ピラーガーニッシュ等の各種自動車用内装品が、樹脂成形品の対象とされている。なお、本実施形態では説明の便宜上、樹脂成形品を単純な形状で例示する。
・表面に立体的な質感を付与する、
・表面に傷を付きにくくする、又は傷が付いても目立たなくする、
・表面を滑りにくくする、
等を目的として形成されている。
凹凸模様12の特定部分、ここでは各谷部14には、同谷部14及び山部13のいずれよりも微小な複数の凹凸部(以下「微小凹凸部15」)が形成されている。これらの微小凹凸部15は、0.02mm〜0.04mm程度の高低差を有するように形成されている。微小凹凸部15の高低差とは、同微小凹凸部15の最も高い箇所から最も低い箇所までの深さをいうものとする。この微小凹凸部15は、同微小凹凸部15が形成されていない箇所よりも多くの光を散乱させて、光沢を抑えることで立体感や陰影感を表現することを目的として形成されている。
この加工方法の実施に際しては、準備工程、被覆工程、皮膜除去工程、腐食除去工程、溶解除去工程、微小凸凹部形成工程及び仕上げ工程が順に行なわれる。以下に、図3及び図4を参照して、各工程について説明する。
準備工程では、樹脂成形金型20の樹脂成形面22に付着している油脂、塵埃等の汚れ成分が脱脂洗浄により除去される。この工程は、汚れ成分が原因で、被覆工程での耐食皮膜36の樹脂成形面22に対する密着性が低下するのを抑制するために行われる。この準備工程には、洗浄液による洗浄のほか、水洗、乾燥等の付帯した処理も含まれる。
図3(a)に示す被覆工程では、耐食皮膜形成用の液体が加圧されて、樹脂成形金型20の樹脂成形面22について凸凹模様23が形成される予定の箇所に向けて、スプレーノズルから吹付けられる。ここでは、凸凹模様23が形成される予定の箇所である樹脂成形面22の全面が耐食皮膜形成用液体の吹付けの対象とされている。耐食皮膜形成用の液体としては、例えばエッチング用腐食液に対する耐食性を有し、かつ洗浄液に可溶な液体が用いられる。この液体は、スプレーノズルから微粒化された状態で噴出され、上記箇所に付着する。表現を変えると、上記吹付けにより、耐食皮膜形成用の液体が樹脂成形面22の全面に塗布される。この塗布された液体が硬化することで、樹脂成形面22について凸凹模様23が形成される予定の箇所が耐食皮膜(レジスト)36によって被覆される。上記のように形成された耐食皮膜36は、エッチング用腐食液38に対する耐食性を有し、かつ洗浄液に可溶である。
図3(b)に示す皮膜除去工程では、耐食皮膜36について凸凹模様23の凹部25(図3(c)参照)が形成される予定の箇所にレーザ光L1が照射される。レーザ光L1が照射された箇所の耐食皮膜36が加熱、溶融又は蒸発させられて、その箇所の耐食皮膜36が除去される。
図3(c)に示す腐食除去工程は、樹脂成形面22について耐食皮膜36によって被覆されていない箇所を腐食液38によって腐食除去する工程であり、一般に、エッチングとも呼ばれる工程である。
溶解除去工程(図示略)では、上記腐食除去工程の実施後に、樹脂成形面22に残っている耐食皮膜36、この場合、凸部24の頂面に残っている耐食皮膜36が洗浄液によって溶解除去される。洗浄液としては、例えば、アセトン、ケトン、強アルカリ水溶液等が用いられる。
<微小凸凹部形成工程>
図4(a),(b)に示す微小凸凹部形成工程では、凸凹模様23の特定部分(本実施形態では各凸部24の頂面)にレーザ光L2が照射される。図4(c)に示すように、レーザ光L2が照射された上記特定部分が除去加工されて、同特定部分に微小凸凹部26が形成される。この際にも、上述した皮膜除去工程(図3(b))と同様に、レーザ加工機が用いられるため、凸凹模様23について狙った箇所(特定部分)に、レーザ光L2が精度よく照射されて微小凸凹部26が高い精度で形成される。
ここで、レーザ光L2によって形成される微小凸凹部26の表面は、それぞれ微小な平らな多数の加工面によって構成される。隣合う加工面の境界部分にはスジが現われて微小凸凹部26ひいては凸凹模様23の見栄えを低下させるおそれがある。
(1)被覆工程(図3(a))において、樹脂成形金型20の樹脂成形面22について凸凹模様23が形成される予定の箇所(樹脂成形面22の全面)を、腐食液38に対する耐食性を有し、かつ洗浄液に可溶な耐食皮膜36によって被覆する。皮膜除去工程(図3(b))において、耐食皮膜36について凸凹模様23の凹部25が形成される予定の箇所にレーザ光L1を照射して、同箇所の耐食皮膜36を除去するようにしている。
また、上記微小凸凹部形成工程(図4(a),(b))を腐食除去工程(図3(c))の後に行なうようにしたことから、同微小凸凹部形成工程により形成した微小凸凹部26の尖った部分が溶解されて丸みを帯びることがない。その結果、樹脂成形金型20を用いて樹脂成形品10を成形することで、凹凸模様12を意図する形状に精度よく形成することができる。
そのため、凸部24に対し深く、しかも狭い幅で微小凸凹部26を加工することができる(図4(a),(b))。
そのため、耐食皮膜形成用の液体を塗布するという簡単な作業を行なうだけで、耐食皮膜36を形成することができる。従って、転写シートを樹脂成形面22に貼付ける場合のような位置合わせ作業を行なわなくてすむ。
(5)微小凸凹部形成工程(図4(a),(b))により微小凸凹部26を形成した後に、その微小凸凹部26に対しサンドブラスト加工を行なうようにしている。
(6)エッチングとレーザ加工とを比較した場合、エッチングには、レーザ加工よりも樹脂成形面22の広い領域を一括して腐食除去することができる特徴がある。これに対し、レーザ加工には、エッチングよりも精密な加工をすることができる特徴がある。
このように、エッチングの一括加工による生産性向上と、レーザ加工による精密性向上とを両立することができる。この点は、エッチングのみによって凸部24及び凹部25に加え、微小凸凹部26を形成する場合や、レーザ加工のみによって微小凸凹部26だけでなく凸部24及び凹部25を形成する場合にはなし得ない効果である。
ちなみに、上記実施形態では、樹脂成形品10の谷部14において山部13におけるよりも多く光を散乱させて、光沢を抑えることで立体感や陰影感を表現することを目的として、凸凹模様23の凸部24に微小凸凹部26を形成したが、これとは異なる目的で他の箇所に微小凸凹部26が形成されてもよい。
その他の例として、樹脂成形品10において自動車の窓ガラスに写りそうな箇所の光沢を抑えることを目的として、樹脂成形面22の上記箇所に微小凸凹部26が形成されてもよい。
・上記樹脂成形品10は、ポリプロピレンとは異なる樹脂材料によって形成されてもよい。
山部13に形成される場合、山部13の長さ方向についての複数箇所に凹部が設けられ、この凹部に微小凹凸部15が形成されてもよい。
(A)樹脂成形面に凸凹模様を有し、前記凸凹模様が、凸部及び凹部を備え、かつ前記凸部及び前記凹部のいずれよりも微小な微小凸凹部を前記凸凹模様の特定部分に有する樹脂成形金型であり、
前記凸部及び前記凹部がエッチングにより形成され、前記微小凸凹部がレーザ加工により形成されたものであることを特徴とする樹脂成形金型。
前記凸部により成形される谷部と、前記凹部により成形される山部と、前記微小凸凹部により成形され、かつ前記谷部及び前記山部のいずれよりも微小な微小凹凸部とを自身の表面に有することを特徴とする樹脂成形品。
Claims (3)
- 凸部及び凹部を備え、かつ前記凸部及び前記凹部のいずれよりも微小な微小凸凹部を自身の特定部分に有する凸凹模様を樹脂成形金型の樹脂成形面に加工する方法であって、
前記樹脂成形面について前記凸凹模様が形成される予定の箇所を、エッチング用腐食液に対する耐食性を有し、かつ洗浄液に可溶な耐食皮膜で被覆する被覆工程と、
前記耐食皮膜について前記凸凹模様の前記凹部が形成される予定の箇所をレーザ光により除去する皮膜除去工程と、
前記樹脂成形面について前記耐食皮膜により被覆されていない箇所を腐食液により腐食除去する腐食除去工程と、
前記腐食除去の後に前記樹脂成形面に残っている前記耐食皮膜を前記洗浄液により溶解除去する溶解除去工程と、
前記耐食皮膜の溶解除去により前記樹脂成形面に現れる前記凸凹模様の特定部分をレーザ光により加工して同特定部分に前記微小凸凹部を形成する微小凸凹部形成工程と
が行なわれることを特徴とする樹脂成形金型の加工方法。 - 前記被覆工程では、前記樹脂成形面について前記凸凹模様が形成される予定の箇所に耐食皮膜形成用の液体が塗布される請求項1に記載の樹脂成形金型の加工方法。
- 前記微小凸凹部形成工程により前記微小凸凹部が形成された後に、同微小凸凹部に対しサンドブラスト加工が行なわれる請求項1又は2に記載の樹脂成形金型の加工方法。
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