JP6414425B2 - エンボス版の製造方法、レーザ彫刻用データの作成装置、レーザ彫刻用データの作成方法、プログラム - Google Patents
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Description
エンボス版の表面にエンボス形状を形成する方法としては、化学エッチングによる方法と、レーザ彫刻による方法を挙げることができる。
なお、本明細書においては、最終形態のエンボス版と区別する目的で、表面を加工する前のエンボス版を、適宜、版材と呼ぶことにする。
その後、版材101の表面に腐食液を作用させると、露出した版材面が腐食を受けて窪む(図24(d))。最後に洗浄処理等により、レジストパターンのマスク部102bの除去を行うと、表面に開口部102aに応じた窪み104が形成されたエンボス版105が得られる(図24(e))。
なお、上記はネガ型のレジストの場合である。ポジ型のレジストを用いる場合は露光部のレジストが軟化し、現像処理等により除去されることになる。
ただし、形成される窪みは、例えば、図24(d)に示すように、開口部102aに応じた単調な凹型の形態に限定され、例えば、底に向かって細くなっていく形態や、さらには非対称な形態(例えば底面の中心位置と開口面の中心位置がずれている形態)のような複雑なエンボス形状を、1回の化学エッチング工程で形成することは困難である。
例えば、図25に示すように、所望のエンボス形状112となるように、照射位置に応じて出力等を制御した彫刻用レーザ111を、版材101の表面に照射することにより(図25(a))、版材101を構成する金属等を所望量焼き飛ばして、エンボス版105の表面に直接、所望のエンボス形状112を形成する(図25(b))。
多段エッチングとは、開口部のサイズや形状が異なる複数のマスクデータを用いて、複数回のエッチングを行なうことで、エンボス版の表面に多段の窪みを形成する手法である。
例えば、図24(d)に示すように、腐食液を用いて化学エッチングを施した場合は、レジストパターンの開口部102aの下の部分のみならず、開口部102aとマスク部102bの境界近傍におけるマスク部102bの下の部分の金属等も、サイドエッチングにより除去されてしまう。
それゆえ、所望のエンボス形状を忠実に形成するためには、このサイドエッチングによる形状変化も考慮する必要がある。
本発明に係るエンボス版の製造方法は、化学エッチングを施して、エンボス版の表面に窪みを形成する第1の工程と、所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、前記第1の工程により得られる窪みの形状を前記第1の工程のエッチング条件と同一条件を用いてシミュレーションすることにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状を基に、前記第1の工程により窪みを形成したエンボス版にレーザ彫刻を施す第2の工程と、を備えるものである。
次に、マスクデータ22を用いてエッチング形状データ生成処理S2を行い、エンボス版製造工程3の化学エッチング工程32により得られるエンボス版の形状をシミュレーションにより生成したエッチング形状データ23を生成する。
その後、エンボス形状データ21とエッチング形状データ23を用いて差分形状データ生成処理S3を施すことにより、差分形状データ24を生成する。
ここで、本明細書においては、最終形態のエンボス版と区別する目的で、化学エッチング工程32を施した後であって、レーザ彫刻工程34を施す前のエンボス版を、適宜、エンボス中間体と呼ぶことにする。
図2に示すように、エンボス版製造システム1000は、データ処理部2000とエンボス版製造部3000を有している。そして、データ処理部2000は、マスクデータ生成処理部2100、エッチング形状データ生成処理部2200、差分形状データ生成処理部2300を有しており、エンボス版製造部3000は、化学エッチング工程部3100、レーザ彫刻工程部3200を有している。
(マスクデータ生成処理)
まず、図1に示すマスクデータ生成処理S1について説明する。
図3は、図2に示すマスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、マスクデータ生成処理部2100は、例えば、制御部2101、記憶部2102、メディア入出力部2103、周辺機器I/F(インタフェース)部2104、通信部2105、入力部2106、表示部2107等がバス2108を介して接続されて構成された一般的なコンピュータで実現できる。
CPUは、記憶部2102、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス2108を介して接続された各部を駆動制御する。ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部2101が各種処理を行うため使用するワークエリアを備える。
周辺機器I/F部2104は、周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部2104を介して周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
通信部2105は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワーク等との通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御を行う。
表示部2107は、例えば液晶パネルやCRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成され、制御部2101の制御により入力された表示情報をディスプレイ装置上に表示させる。
バス2108は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
次に、マスクデータ生成処理部2100の機能構成について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、マスクデータ生成処理部2100は、制御部2101によって実行されるマスクデータ生成処理S1の各要素として、エンボス形状データ取得手段2111、2値化処理手段2112、マスクデータ保存手段2113、終了判定手段2114等を有し、記憶部2102には、エンボス形状データ21、マスクデータ22等を記憶する。
上記のエンボス形状データ取得手段2111、2値化処理手段2112、マスクデータ保存手段2113、終了判定手段2114の各手段は、例えば、記憶部2102に記憶されている、上記の各手段の処理を実現する命令を記述したプログラムコードを、制御部2101が記憶部2102から取得して実行することにより機能する。
多段エッチングの場合は、段数に応じた数の異なるマスクデータが保存される。
次に、マスクデータ生成処理部2100の処理手順について、図5を用いて説明する。
なお、マスクデータ生成処理S1に際し、エンボス形状データ21は、マスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成要素であるメディア入出力部2103等を介して、予め記憶部2102に保存されているものとする。
図6(a)に示すように、マスクデータ22を生成する際は、エンボス形状データ21について、閾値21aによる2値化を行う。図6(b)は、このようにして生成されたマスクデータ22の例である。
例えば、図6(b)に示す、マスクデータ22の開口部22aは、エンボス形状データ21において閾値21aと同じ又は閾値21aよりも深度が大きな領域に相当し、マスクデータ22のマスク部22bは、エンボス形状データ21において閾値21aよりも深度が小さい領域に相当する。
多段エッチングのために複数の異なるマスクデータを生成する場合は、同様の処理を各段に応じた異なる閾値について行って、段数に応じた数のマスクデータを生成する。
次に、図1に示すエッチング形状データ生成処理S2について説明する。
なお、図2に示すエッチング形状データ生成処理部2200のハードウェア構成は、図3に示すマスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成と同様な構成を有する一般的なコンピュータで実現できることから、ここでの説明は省略する。
本発明において、マスクデータ生成処理S1とエッチング形状データ生成処理S2は、一のコンピュータで実行されても良く、それぞれが別のコンピュータで実行されてもよい。
図7は、図2に示すエッチング形状データ生成処理部2200の機能構成を示す図である。図7に示すように、エッチング形状データ生成処理部2200は、制御部2201によって実行されるエッチング形状データ生成処理S2の各要素として、マスクデータ取得手段2211、腐食深度データ取得手段2212、サイドエッチングプロファイル取得手段2213、エッチングシミュレーション手段2214、エッチング形状データ保存手段2215、終了判定手段2216等を有し、記憶部2202には、マスクデータ22、腐食深度データ2221、サイドエッチングプロファイル2222、エッチング形状データ23等を記憶する。
上記のマスクデータ取得手段2211、腐食深度データ取得手段2212、サイドエッチングプロファイル取得手段2213、エッチングシミュレーション手段2214、エッチング形状データ保存手段2215、終了判定手段2216の各手段は、例えば、記憶部2202に記憶されている、上記の各手段の処理を実現する命令を記述したプログラムコードを、制御部2201が記憶部2202から取得して実行することにより機能する。
次に、エッチング形状データ生成処理部2200の処理手順について、図8を用いて説明する。
なお、エッチング形状データ生成処理S2に際し、マスクデータ22、腐食深度データ2221、サイドエッチングプロファイル2222は、エッチング形状データ生成処理部2200のハードウェア構成要素であるメディア入出力部等を介して、予め記憶部2202に保存されているものとする。
なお、図8においては、便宜上、マスクデータ取得(S21)、腐食深度データ取得(S22)、サイドエッチングプロファイル取得(S23)の順の処理になっているが、本発明においては、エッチングシミュレーション(S24)の前に、記憶部2202からマスクデータ22、腐食深度データ2221、及びサイドエッチングプロファイル2222を取得してさえいればよく、上記の順番は特に制限はない。また、上記のステップS21〜S23の処理は、並行して進められても良い。
その後、制御部2201は、生成したエッチング形状データ23を記憶部2202に保存する(S25)。
例えば、生成したエッチング形状データ23の段数がマスクデータ22の数よりも少ない場合には、ステップS21に戻って、制御部2201はエッチング形状データ23の生成を継続する。一方、生成したエッチング形状データ23の段数がマスクデータ22の数に達した場合には、制御部2201はエッチング形状データ生成処理S2を終了する。
次に、上記のエッチングシミュレーション(S24)について、図9〜図12を用いて説明する。
図9は、エッチングシミュレーション(S24)における処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、エッチングシミュレーション(S24)では、まず、図8に示すステップS21で取得したマスクデータ22の各画素(セル)における、開口部22aとマスク部22bの境界からの距離を算出し、距離データ2223を作成する(S241)。
なお、図10(a)において白抜き数字の部分はマスクデータ22においてマスク部22bに当たるセルで、それ以外は開口部22aに当たるセルである。
図10(c)に示す距離データ2223cは、距離データ2223bの上から1行目のセルについて、左から右へと走査しながら上記の処理を行ったものである。
そして1行目のセルについて処理が終わった後は、2行目以降のセルについても、それぞれ左から右へと走査しながら、最終行まで上記の処理を行う。
最終行の右端のセルまで処理が終わった後は、今度は、最終行のセルについて、右から左へと走査しながら上記の処理を行う。最終行のセルについて処理が終わった後は、最終行から1行上のセルについて、右から左へと走査しながら上記の処理を行い、その後も同様に1行上のセルについてこの処理を繰り返し、最終的に1行目の左端のセルに到達するまでこの処理を行う。
この一連の処理により、図10(d)に示すようにマスクデータ22における開口部22aとマスク部22bの境界からの距離を示す距離データ2223が作成される。
以上のようにして、1回分の化学エッチングにおける、サイドエッチングの影響を考慮したエッチングデータ2224が得られる。なお、エッチングデータ2224は、マスクデータ22と同じセル配列を有する画像データである。
多段エッチングにおいては、この1段分のエッチング形状データ23は、マスクデータ22を変更して行う次のシミュレーションにおけるエッチング対象41の形状となる。そして、図8に示すように、制御部2201は、上記の処理(ステップS21〜S25)を取得した全てのマスクデータについて繰り返し、全てのマスクデータについて上記の処理を行った後、エッチング形状データ生成処理S2を終了する。
そのため、サイドエッチングプロファイル2222としては、上記の腐食液の種類・濃度・温度、エンボス版の金属の種類を含むエッチング環境ごとに、これに応じた異なるデータを定めて記憶部2202に記憶させておき、想定されるエッチング環境に応じたものを選択し用いることが好ましい。
次に、図1に示す差分形状データ生成処理S3について説明する。
なお、図2に示す差分形状データ生成処理部2300のハードウェア構成は、図3に示すマスクデータ生成処理部2100のハードウェア構成と同様な構成を有する一般的なコンピュータで実現できることから、ここでの説明は省略する。
本発明において、マスクデータ生成処理S1、エッチング形状データ生成処理S2、差分形状データ生成処理S3は、一のコンピュータで実行されても良く、それぞれが別のコンピュータで実行されてもよい。
図13は、図2に示す差分形状データ生成処理部2300の機能構成を示す図である。
図13に示すように、差分形状データ生成処理部2300は、制御部2301によって実行される差分形状データ生成処理S3の各要素として、エンボス形状データ取得手段2311、エッチング形状データ取得手段2312、差分処理手段2313、差分形状データ保存手段2314等を有し、記憶部2302には、エンボス形状データ21、エッチング形状データ23、差分形状データ24等を記憶する。
上記のエンボス形状データ取得手段2311、エッチング形状データ取得手段2312、差分処理手段2313、差分形状データ保存手段2314の各手段は、例えば、記憶部2302に記憶されている、上記の各手段の処理を実現する命令を記述したプログラムコードを、制御部2301が記憶部2302から取得して実行することにより機能する。
次に、差分形状データ生成処理部2300の処理手順について、図14を用いて説明する。
なお、差分形状データ生成処理S3に際し、エンボス形状データ21とエッチング形状データ23は、差分形状データ生成処理部2300のハードウェア構成要素であるメディア入出力部等を介して、予め記憶部2302に保存されているものとする。
なお、図14においては、便宜上、エンボス形状データ取得(S31)、エッチング形状データ取得(S32)の順の処理になっているが、本発明においては、差分処理(S33)の前に、記憶部2302からエンボス形状データ21及びエッチング形状データ23を取得してさえいればよく、上記の順番は特に制限はない。また、上記のステップS31、S32の処理は、並行して進められても良い。
例えば、制御部2301は、位置が対応する画素(セル)ごとに、エンボス形状データ21が有する値とエッチング形状データ23が有する値との差分をとり、これを全ての画素(セル)に対して行って、差分形状データ24を算出する。
その後、制御部2301は、算出した差分形状データ24を記憶部2302に保存し(S34)、差分形状データ生成処理S3を終了する。
続いて以下、図1に示すエンボス版製造工程3における各工程について、詳しく説明する。
(化学エッチング工程)
図17においては省略するが、多段エッチングの場合には、図16に示すように、上記の工程32a〜32dを、段数に応じて繰り返す。
以上の工程により、表面に階段状の多段形状であるエッチング形状62が形成されたエンボス版中間体33が製造される。
なお、エンボス版中間体33の表面に形成されたエッチング形状62は、サイドエッチングの影響も受けているものである。
次に、図1に示すエンボス版製造工程3におけるレーザ彫刻工程34について、図18及び図19を用いて説明する。ここで、図18は、レーザ彫刻工程34について示すフローチャートであり、図19は、レーザ彫刻工程34について示す概略工程図である。
このレーザ彫刻工程34は、多段エッチングでエンボス版を製造していた従来の技術とは異なり、本発明の特徴的な技術である。
図20は、レーザ彫刻工程部3200の構成を示す図である。
図20に示すように、レーザ彫刻工程部3200は、レーザ彫刻用データ作成装置3300とレーザ彫刻装置3400を備えている。そして、レーザ彫刻装置3400は、走査部3401、レーザ照射部3402、回転駆動部3403、回転軸3404等を備えている。
このレーザ彫刻装置3400は、従来のレーザ彫刻装置と同様の構成とすることができる。ただし、本発明においては、このレーザ彫刻装置3400を用いて焼き飛ばす対象が、エンボス版中間体33における差分形状63の部分のみである点において、従来の技術と相違する。
以下、レーザ彫刻装置3400を構成する各部について説明する。
そして、レーザ彫刻用データ作成装置3300によって設定されるレーザ彫刻用データ3321に従って、レーザ照射部3402が照射する彫刻用レーザ52の出力を制御することで、エンボス版中間体33における差分形状63の部分のみを焼き飛ばすことができる。
例えば、彫刻用レーザ52の出力を制御する方法に替えて、彫刻用レーザ52の照射時間等を制御する方法を用いても良い。
次に、図20に示すレーザ彫刻用データ作成装置3300について、図21〜図23を用いて説明する。
図21は、図20に示すレーザ彫刻用データ作成装置3300のハードウェア構成を示す図である。図21に示すように、レーザ彫刻用データ作成装置3300は、上述のマスクデータ生成処理部2100等のハードウェア構成と同様に、例えば、制御部3301、記憶部3302、メディア入出力部3303、周辺機器I/F(インタフェース)部3304、通信部3305、入力部3306、表示部3307等がバス3308を介して接続されて構成された一般的なコンピュータで実現できる。
CPUは、記憶部3302、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス3308を介して接続された各部を駆動制御する。ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部3301が各種処理を行うため使用するワークエリアを備える。
周辺機器I/F部3304は、周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部3304を介して周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
通信部3305は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワーク等との通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御を行う。
表示部3307は、例えば液晶パネルやCRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成され、制御部3301の制御により入力された表示情報をディスプレイ装置上に表示させる。
バス3308は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
次に、レーザ彫刻用データ作成装置3300の機能構成について、図22を用いて説明する。
図22に示すように、レーザ彫刻用データ作成装置3300は、制御部3301によって実行される各手段として、差分形状データ取得手段3311、データ変換手段3312、レーザ彫刻用データ保存手段3313、レーザ彫刻用データ設定手段3314等を有し、記憶部3302には、差分形状データ24、レーザ彫刻用データ3321等を記憶する。
上記の差分形状データ取得手段3311、データ変換手段3312、レーザ彫刻用データ保存手段3313、レーザ彫刻用データ設定手段3314の各手段は、例えば、記憶部3302に記憶されている、上記の各手段の処理を実現する命令を記述したプログラムコードを、制御部3301が記憶部3302から取得して実行することにより機能する。
次に、レーザ彫刻用データ作成装置3300の処理手順について、図23を用いて説明する。
なお、レーザ彫刻用データの作成処理に際し、差分形状データ24は、レーザ彫刻用データ作成装置3300のハードウェア構成要素であるメディア入出力部3303等を介して、予め記憶部3302に保存されているものとする。
即ち、制御部3301は、差分形状データ24の各画素(セル)が有する値(差分値)に応じて、レーザ照射部3402が照射する彫刻用レーザ52の出力を算出し、これを差分形状データ24の全ての画素(セル)に対して行う。
また、制御部3301は、エンボス版中間体33の表面に対して彫刻用レーザ52を照射する位置を、差分形状データ24の各画素(セル)の配置に応じて算出し、走査部3401および回転駆動部3403に指示する情報を作成する。
このようにして、制御部3301は、画像データである差分形状データ24を、レーザ彫刻装置3400を駆動させるためのレーザ彫刻用データ3321に変換する。
2 データ処理工程
3 エンボス版製造工程
21 エンボス形状データ
21a 閾値
22 マスクデータ
22a 開口部
22b マスク部
23 エッチング形状データ
24 差分形状データ
31 版材
32 化学エッチング工程
32a レジスト層形成
32b パターン露光
32c 化学エッチング
32d レジストパターン除去
33 エンボス版中間体
34 レーザ彫刻工程
34a レーザ彫刻
35 エンボス版
41 エッチング対象
51 レジスト層
51a 開口部
51b マスク部
52 彫刻用レーザ
61 エンボス形状
62 エッチング形状
63 差分形状
101 版材
102 レジスト層
102a 開口部
102b マスク部
103 露光用レーザ
104 窪み
105 エンボス版
106 エッチング形状
111 彫刻用レーザ
112 エンボス形状
1000 エンボス版製造システム
2000 データ処理部
2100 マスクデータ生成処理部
2101 制御部
2102 記憶部
2103 メディア入出力部
2104 周辺機器I/F(インタフェース)部
2105 通信部
2106 入力部
2107 表示部
2108 バス
2111 エンボス形状データ取得手段
2112 2値化処理手段
2113 マスクデータ保存手段
2114 終了判定手段
2200 エッチング形状データ生成処理部
2201 制御部
2202 記憶部
2211 マスクデータ取得手段
2212 腐食深度データ取得手段
2213 サイドエッチングプロファイル取得手段
2214 エッチングシミュレーション手段
2215 エッチング形状データ保存手段
2216 終了判定手段
2221 腐食深度データ
2222 サイドエッチングプロファイル
2223、2223a、2223b、2223c 距離データ
2224 エッチングデータ
2300 差分形状データ生成処理部
2301 制御部
2302 記憶部
2311 エンボス形状データ取得手段
2312 エッチング形状データ取得手段
2313 差分処理手段
2314 差分形状データ保存手段
3000 エンボス版製造部
3100 化学エッチング工程部
3200 レーザ彫刻工程部
3300 レーザ彫刻用データ作成装置
3301 制御部
3302 記憶部
3303 メディア入出力部
3304 周辺機器I/F(インタフェース)部
3305 通信部
3306 入力部
3307 表示部
3308 バス
3311 差分形状データ取得手段
3312 データ変換手段
3313 レーザ彫刻用データ保存手段
3314 データ設定手段
3321 レーザ彫刻用データ
3400 レーザ彫刻装置
3401 走査部
3402 レーザ照射部
3403 回転駆動部
3404 回転軸
Claims (8)
- 化学エッチングを施して、エンボス版の表面に窪みを形成する第1の工程と、
所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、前記第1の工程により得られる窪みの形状を前記第1の工程のエッチング条件と同一条件を用いてシミュレーションすることにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状を基に、前記第1の工程により窪みを形成したエンボス版にレーザ彫刻を施す第2の工程と、
を備えることを特徴とするエンボス版の製造方法。 - 前記第1の工程が、
前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いたパターン露光により、表面にレジストパターンを形成した前記エンボス版に、腐食液を用いて前記化学エッチングを施して、前記窪みを形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載のエンボス版の製造方法。 - 前記シミュレーションが、
前記マスクデータを用いて、
前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、
前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、
前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項2に記載のエンボス版の製造方法。 - 所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、化学エッチングにより得られるエッチング形状をシミュレーションにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状データを取得する手段と、
前記取得した差分形状データを、レーザ彫刻を行う装置を駆動するレーザ彫刻用データに変換する手段と、
前記レーザ彫刻用データを、前記レーザ彫刻を行う装置に設定する手段と、
を備えることを特徴とするレーザ彫刻用データの作成装置。 - 前記シミュレーションが、
前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いて、
前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、
前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、
前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項4に記載のレーザ彫刻用データの作成装置。 - コンピュータが、
所望のエンボス形状を表すエンボス形状データと、化学エッチングにより得られるエッチング形状をシミュレーションにより生成したエッチング形状データと、の差分から得られる差分形状データを取得するステップと、
前記取得した差分形状データを、レーザ彫刻を行う装置を駆動するレーザ彫刻用データに変換するステップと、
前記レーザ彫刻用データを、レーザ彫刻を行う装置に設定するステップと、
を実行することを特徴とするレーザ彫刻用データの作成方法。 - 前記シミュレーションが、
前記エンボス形状データを閾値により2値化して生成した、開口部とマスク部を有するマスクデータを用いて、
前記マスクデータの開口部に対応する箇所では、所定の腐食深度を減算し、
前記マスクデータのマスク部に対応する箇所では、前記開口部と該マスク部の境界から該マスク部側に向かう距離と腐食深度との関係を表すサイドエッチングプロファイルに基づき、該境界から該マスク部側に向かう距離に応じた腐食深度を減算することにより、
前記エッチング形状データを生成するシミュレーションであることを特徴とする請求項6に記載のレーザ彫刻用データの作成方法。 - コンピュータを、請求項4または請求項5に記載のレーザ彫刻用データの作成装置として機能させるプログラム。
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