JP5808688B2 - 樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
樹脂成形品の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5808688B2 JP5808688B2 JP2012025043A JP2012025043A JP5808688B2 JP 5808688 B2 JP5808688 B2 JP 5808688B2 JP 2012025043 A JP2012025043 A JP 2012025043A JP 2012025043 A JP2012025043 A JP 2012025043A JP 5808688 B2 JP5808688 B2 JP 5808688B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molded product
- texture
- resin
- mold
- polishing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
特許文献1に記載の樹脂成形品は、射出成形した樹脂成形品にクリア塗装をした後、そのクリア塗装の上にさらに文字などを印刷している。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡素な工程で艶のある凹凸模様を有する樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
シボ形成工程では、射出成形に用いる金型にシボを形成する。研磨工程では、シボが形成された金型の表面を研磨し、シボの表面を滑らかにする。
射出工程では、加熱溶融したメタクリル酸メチル樹脂(いわゆるアクリル樹脂)、スチレン系樹脂、AS樹脂(ABS、ASA、AES等)、または、ポリプロピレン系硬質樹脂からなる樹脂素材を金型に射出する。取出工程では、前記樹脂素材が冷却固化した後、シボが転写された成形品を金型から取り出す。
研磨工程により、シボの表面が滑らかになるので、シボが転写された成形品の表面が滑らかになり、シボが明確に転写される。さらに、射出成形に前記樹脂材料を使用するので、透明性が高い樹脂本来の性質が凹凸模様に明確に表現される。このため、樹脂成形品は、クリア塗装をした成形品と同じ程度の艶が得られるので、クリア塗装を廃止することができる。したがって、この製造方法により、簡素な工程で艶のある模様を有する樹脂成形品を製造することができる。
さらに、研磨工程は、シボ形成工程で形成されたシボの高さを6.8から19.5μm残し、1.8から10.8μm研磨する。
これにより、シボの表面が滑らかになり、成形品に明確に転写される。
また、成形品の凹凸模様が損なわれることがない。したがって、この製造方法は、簡素な工程で艶のある模様を有する樹脂成形品を製造することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による樹脂成形品の製造方法を図1〜図7に示す。
本実施形態では、図1に示すように、シボ形成工程10及び研磨工程11による金型製造と、射出工程12及び取出工程13による射出成形によって樹脂成形品を製造する。
まず、シボ形成工程では、射出成形に用いる金型1にシボを形成する。図2に示すように、シボ形成工程では、金型1の表面に耐酸性または耐アルカリ性の被膜2を形成する。被膜2は、例えばフォトエッチング工法によって形成される。
次に、酸性またはアルカリ性の溶液を用いて、金型1の表面を腐食させる。このとき、被膜2に覆われた箇所は腐食することなく、被膜2から露出している箇所が腐食する。図2では、金型1が腐食した個所3を斜線で示している。被膜2の形成と溶液による腐食を複数回繰り返すことで、凹部の深さが異なる模様が形成される。これにより、図3に示すように、金型1にシボ4が形成される。
図5に示すように、本実施形態では、金型1に対しシボ形成工程で形成されたシボ表面を凹部および平面部共に2〜10μm程度研磨する。これにより、シボ表面の細かな凹凸が滑らかになり、シボ4の凹部と平面部との境界の角が丸くなる。また、シボ4の凹部も浅くなる。
図7に示すように、取出工程では、樹脂が冷却、固化した後、金型1、6から樹脂成形品7を取り出す。この樹脂成形品7は、金型1から取り出された状態で、シボ4が明確に転写された艶のある凹凸模様8を有する。
(1)第1実施形態の製造方法によれば、研磨工程によりシボ4の表面が滑らかになるので、シボ4が転写された成形品の表面が滑らかになり、シボ4が明確に転写される。さらに、樹脂素材にPMMAまたはASAを使用するので、硬質樹脂本来の高流動性質により、成形品にシボが転写された凹凸模様が明確に表現され、光沢値の高い成形品が得られる。このため、樹脂成形品は、クリア塗装をした従来の成形品に近い艶が得られるので、クリア塗装を廃止することができる。
(2)第1実施形態の製造方法では、研磨工程において、シボ形成工程で形成されたシボ4を2〜10μm程度研磨する。これにより、シボ4の表面が滑らかになるとともに、シボ4が成形品に明確に転写されるので、成形品の凹凸模様が損なわれることがない。したがって、この製造方法により、簡素な工程で艶のある模様を有する樹脂成形品を製造することができる。
以下、第1実施形態による製造方法で製造した成形品と、従来の製造方法で製造した成形品とを比較して説明する。なお、以下に示す成形品は一例を示すものであり、成形品の模様、シボの深さ、ピッチ、線幅などは、本発明の製造方法を限定するものではない。
図8は、第1実施形態による製造方法で製造した実施例1、2の見栄えと、従来の製造方法で製造した比較例1〜3の見栄えを比較した表である。
実施例1及び2は、研磨工程を行った金型を使用して作られた成形品の拡大写真である。No4は素材にPMMAを使用したものであり、No5は素材にASAを使用したものである。
これに対し、比較例1〜3は、研磨工程を行わない金型を使用して製造した成形品の拡大写真である。比較例1及び比較例2は素材にABSを使用したものであり、そのうち比較例2は、比較例1の成形品にカラークリア塗装をしたものである。比較例3は素材にPMMAを使用したものである。
比較例2の見栄え評価を◎として、◎→○→△→×→×× の順に実施例1,2及び比較例1,3の見栄え評価を行った。また、比較例2の光沢値を100%として、実施例1,2及び比較例1,3の光沢値の比率を算出した。
この結果、実施例1は、光沢樹脂素材であるPMMAと、研磨を行った金型とを組み合わせることで、クリア塗装をした比較例2に近い見栄え評価を得ることができた。実施例1は、クリア塗装を廃止するのに十分な見栄え評価である。
なお、実施例2は、素材にASAを使用したので、PMMAよりも光沢値が低く、見栄え評価も△であった。ただし、クリア塗装をしていない比較例1及び3よりも光沢値が高いものとなった。
第1実施形態の製造方法によって作られた実施例3の拡大写真を図9の(A)、(B)に示す。これに対し、研磨工程を行う前の金型を使用した射出成形によって作られた比較例4の拡大写真を図9の(C)、(D)に示す。
図9(A)、(C)は、成形品の表面を50倍に拡大した写真であり、図9(B)、(D)は、成形品の断面を200倍に拡大した写真である。
図9(A)および(C)に示されるように、実施例3は、比較例4と比較して、表面部分の細かな凹凸の量が減少している。また、溝部分の形状がより明確に転写されている。
また、図9(B)に示されるように、実施例3は、凹凸模様の高さが19.5μmである。これに対し、図9(D)に示されるように、比較例4は、凹凸模様の高さが21.3μmである。したがって、実施例3は、比較例4と比較して、凹凸模様の高さが1.8μm低い。実施例3と比較例4との凹凸模様の高さの違いは、開発品の射出成形に使用した金型のシボの研磨量に相当する。
第1実施形態の製造方法によって作られた実施例4の拡大写真を図10の(A)、(B)に示す。これに対し、研磨工程を行う前の金型を使用した射出成形によって作られた比較例5の拡大写真を図10の(C)、(D)に示す。
図10(A)、(C)は、成形品の表面を50倍に拡大した写真であり、図10(B)、(D)は、成形品の断面を200倍に拡大した写真である。
図10(A)および(C)に示されるように、実施例4は、比較例5と比較して、表面部分の細かな凹凸の量が減少している。また、溝部分の形状がより明確に転写されている。
また、図10(B)に示されるように、実施例4は、凹凸模様の高さが6.8μmである。これに対し、図10(D)に示されるように、比較例5は、凹凸模様の高さが17.6μmである。したがって、実施例4は、比較例5と比較して、凹凸模様の高さが10.8μm低い。すなわち、実施例4の金型のシボは、10.8μm研磨されている。
上述した実施形態では、シボ形成工程において、エッチング工法によりシボを形成した。これに対し、他の実施形態では、シボ形成工程において、金型表面に研磨材を噴射するブラスト法によりシボを形成してもよい。
上述した実施形態では、研磨工程において、サンドブラストまたはガラスビーズの噴きつけ、又は、超微粒子研磨材を用いたバフ研磨を行った。これに対し、他の実施形態では、薬剤研磨、又は樹脂コーティングによってシボ表面の細かな凹凸を滑らかにする工程を採用してもよい。また、金型のシボに光沢剤を含むめっき層を設けることで、シボ表面の細かな凹凸を滑らかにする工程を採用してもよい。
上述した実施形態では、射出工程において、樹脂素材にPMMAまたはASAを使用した。これに対し、他の実施形態では、樹脂素材は、メタクリル酸メチル樹脂(いわゆるアクリル樹脂)、スチレン系樹脂、AS樹脂(ABS、ASA、AES等)、又は、ポリプロピレン系硬質樹脂を使用してもよい。
このように本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
4・・・シボ
8・・・樹脂成形品
Claims (1)
- 射出成形に用いる金型にシボを形成するシボ形成工程と、
前記シボ形成工程により前記シボが形成された前記金型を研磨し、前記シボの表面を滑らかにする研磨工程と、
前記シボ形成工程および前記研磨工程により製造された前記金型に加熱溶融したメタクリル酸メチル樹脂、スチレン系樹脂、AS樹脂、又は、ポリプロピレン系硬質樹脂からなる樹脂素材を射出する射出工程と、
前記樹脂素材が冷却固化した後、前記シボが転写された成形品を前記金型から取り出す取出工程と、
を含み、
前記研磨工程は、前記シボ形成工程で形成された前記シボの高さを6.8から19.5μm残し、1.8から10.8μm研磨することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012025043A JP5808688B2 (ja) | 2012-02-08 | 2012-02-08 | 樹脂成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012025043A JP5808688B2 (ja) | 2012-02-08 | 2012-02-08 | 樹脂成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013159092A JP2013159092A (ja) | 2013-08-19 |
JP5808688B2 true JP5808688B2 (ja) | 2015-11-10 |
Family
ID=49171737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012025043A Expired - Fee Related JP5808688B2 (ja) | 2012-02-08 | 2012-02-08 | 樹脂成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5808688B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6870267B2 (ja) * | 2016-09-30 | 2021-05-12 | 大日本印刷株式会社 | 保護フィルム付き加飾樹脂成形品の製造方法、加飾樹脂成形品の製造方法、及び製造システム |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09141664A (ja) * | 1995-11-22 | 1997-06-03 | Sekisui Chem Co Ltd | 成形用金型 |
JP3372207B2 (ja) * | 1998-05-11 | 2003-01-27 | 東北ムネカタ株式会社 | シボ製品成形用金型の製法及びこの製法により製造されたシボ製品成形用金型 |
JP2002165743A (ja) * | 2000-12-01 | 2002-06-11 | Sanyo Electric Co Ltd | 食器洗い乾燥機、合成樹脂成形品、合成樹脂成形品の製造方法、及び該方法に用いられる成形金型 |
US6866802B2 (en) * | 2001-12-04 | 2005-03-15 | Acushnet Company | Method of forming golf balls from surface-roughened molds |
JP2006056008A (ja) * | 2004-08-17 | 2006-03-02 | Canon Inc | 発泡構造体および発泡構造体成形用金型 |
JP5669126B2 (ja) * | 2009-06-18 | 2015-02-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 光線反射防止用シボの形成方法および該方法によってシボが形成されたレンズ鏡筒 |
JP5421081B2 (ja) * | 2009-11-27 | 2014-02-19 | 株式会社小糸製作所 | 車輌用部品の射出成形用金型、車輌用部品及び車輌用部品の成形方法 |
-
2012
- 2012-02-08 JP JP2012025043A patent/JP5808688B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013159092A (ja) | 2013-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101405500B1 (ko) | 헤어 라인 가공 방법 | |
KR20140000549A (ko) | 하우징 가공 방법 및 장치 | |
JP7200316B2 (ja) | 金型の製造方法、樹脂成形品の製造方法 | |
JP2007160637A (ja) | 樹脂成形品 | |
JP5808688B2 (ja) | 樹脂成形品の製造方法 | |
WO2020170506A1 (ja) | 成形用金型、成形用金型の製造方法、射出成形装置及び成形品の製造方法 | |
TWI531430B (zh) | 三維圖案形成用成型模具及利用該成型模具的家電產品外板製造方法 | |
JP2010042232A (ja) | アルミ製調理器具の製造方法 | |
WO2017018007A1 (ja) | 樹脂成形用型 | |
KR101039438B1 (ko) | 배면 레이저 가공을 통한 금속 기재의 표면 무늬 형성방법 | |
JP6479420B2 (ja) | 樹脂成形品構造および樹脂成形用金型 | |
JP2023537737A (ja) | 射出金型 | |
TW201632360A (zh) | 具有圖案的物品的製法及具有圖案的物品 | |
KR200400382Y1 (ko) | 투명 또는 칼라투명 합성수지재 헤어라인 미러 | |
KR101131889B1 (ko) | 유브이에 의한 장식패턴을 갖는 데코 글라스의 제조방법, 이에 의해 제조된 데코 글라스 | |
JP2019098622A (ja) | 成形型の製造方法及び内装材の製造方法 | |
JP2015104817A (ja) | 樹脂成形金型の加工方法 | |
JP5903619B2 (ja) | 成形金型の製造方法および成形品の製造方法 | |
JP5635944B2 (ja) | 成形金型の製造方法およびその成形品 | |
KR101498789B1 (ko) | 마이크로 패턴의 곡면부를 가지는 케이스 및 그 제조방법 | |
KR20150029068A (ko) | 인써트 사출용 3차원 장식무늬 전사필름 | |
CN107214058A (zh) | 一种在非透明材质板材表面喷涂3d效果的工艺 | |
KR101353293B1 (ko) | 3차원 곡면 헤어라인 또는 평면 문양 헤어라인 금형 및 그 제조방법 | |
JP3217328U (ja) | 樹脂成形用型 | |
KR101479417B1 (ko) | Uv 경화 패턴층을 갖는 카드 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141104 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150608 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150611 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150708 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150901 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150909 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5808688 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |