JP2016107598A - 樹脂成形品および樹脂成形金型 - Google Patents

樹脂成形品および樹脂成形金型 Download PDF

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Abstract

【課題】低グロス化と耐傷付き性の向上とを可能にした樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法を提供する。【解決手段】樹脂成形品10は、複数の山部11と互いに隣接する山部11の間の谷部12とによって構成された凹凸模様を表面に有する基部13と、山部11に形成され、互いに離れているドット形状の第1微小凸部15と、谷部12に形成され、第1微小凸部15よりも容積が小さく、かつ、互いに離れているドット形状の第2微小凸部16とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、表面に凹凸模様を有する樹脂成形品、および、該樹脂成形品を成形する樹脂成形金型に関する。
従来から、例えば自動車等の内装部品には、複数の山部と互いに隣接する山部の間の谷部とによって構成される凹凸模様を表面に有する樹脂成形品が用いられている。こうした樹脂成形品には、表面の光沢度合いを示すグロス値が高いと高級感に欠けるため、グロス値を低くする低グロス化が求められている。例えば特許文献1には、谷部に微小凸部を形成することで低グロス化することが記載されている。
特開2013−139091号公報
一方、樹脂成形品には、低グロス化に加えて、傷の付きにくさである耐傷付き性の向上も求められている。耐傷付き性の低い樹脂成形品は、干渉物が接触したときに連続的な線状の傷が付きやすい。線状の傷が形成された部分は、表面が平らになることでグロス値が高くなり目立ってしまう。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低グロス化と耐傷付き性の向上とを可能にした樹脂成形品および樹脂成形金型を提供することにある。
上記課題を解決する樹脂成形品は、複数の山部と互いに隣接する前記山部の間の谷部とによって構成された凹凸模様を表面に有する基部と、
前記山部に形成され、互いに離れている複数の第1微小凸部と、
前記谷部に形成され、前記第1微小凸部よりも容積が小さく、かつ、互いに離れている複数の第2微小凸部とを備える。
上記構成によれば、第1微小凸部によって山部の表面に微小な凹凸が形成され、第2微小凸部によって谷部の表面に微小な凹凸が形成される。そのため、樹脂成形品には、山部と谷部とで構成される凹凸模様に加えて、該凹凸模様よりも細かい微小な凹凸が表面全体に形成される。その結果、任意の方向から樹脂成形品に入射した光が分散して反射されることから、樹脂成形品の低グロス化を図ることができる。また、第1微小凸部によって樹脂成形品の表面における摩擦抵抗が高められることで、樹脂成形品と干渉物とが接触したとしても、樹脂成形品に対する干渉物の付着と滑りとが繰り返されるスティック・スリップ現象が生じやすくなる。その結果、樹脂成形品の耐傷付き性が向上し、樹脂成形品に連続的な線状の傷が形成されにくくなる。
上記樹脂成形品において、前記第1微小凸部は、根元径が250μm以上300μm以下であり、かつ、高さが20μm以上40μm以下であることが好ましい。
上記構成のような第1微小凸部を山部に形成することにより、山部を低グロス化することができる。また、樹脂成形品の耐傷付き性を向上させることができる。
上記樹脂成形品において、前記第1微小凸部は、1mmあたりに4個以上8個以下で形成されていることが好ましい。
上記構成のように単位面積あたりの第1微小凸部の数が設定されることによって、樹脂成形品の表面の摩擦抵抗を高めつつ、干渉物と基部の山部との接触が抑えられる。
上記樹脂成形品において、前記第2微小凸部は、根元径が120μm以上180μm以下であり、かつ、高さが10μm以上20μm以下であることが好ましい。
上記構成のような第2微小凸部を谷部に形成することにより、谷部を低グロス化することができる。
上記課題を解決する樹脂成形金型は、複数の山部と互いに隣接する前記山部の間の谷部とで構成される凹凸模様を表面に有する樹脂成形品を成形する樹脂成形金型であって、前記樹脂成形金型は、前記樹脂成形品を成形する樹脂成形面に、前記山部を成形する凹状の山部成形部と、前記谷部を成形する凸状の谷部成形部と、前記山部成形部に形成され、互いに離れている複数の第1微小凹部と、前記谷部成形部に形成され、前記第1微小凹部よりも容積が小さく、かつ、互いに離れている複数の第2微小凹部とを備える。
上記構成の樹脂成形金型を用いて樹脂成形品を成形することにより、低グロス化と耐傷付き性の向上とが図られた樹脂成形品を成形することができる。
上記構成によれば、樹脂成形品の低グロス化と耐傷付き性の向上とが可能である。
一実施形態の樹脂成形品を示す図であって、(a)は樹脂成形品の表面を拡大して示す平面図であり、(b)は1b−1b線における端面構造を示す端面図である。 微小凸部の断面形状の一例を模式的に示す断面図である。 第1微小凸部を拡大して示す断面図であって、樹脂成形品に干渉物が接触しているときの様子の一例を模式的に示す図である。 樹脂成形品に干渉物が接触したあとの第1微小凸部の一例を拡大して示す断面図である。 樹脂成形金型の製造工程を示す図であり、(a)は被覆工程の一例を模式的に示す端面図であり、(b)は被膜除去工程の一例を模式的に示す端面図であってレーザ光による加工部分を拡大して示す図であり、(c)は腐食除去工程の一例を模式的に示す端面図であって腐食部分の1つを拡大して示す図であり、(d)は溶解除去工程の一例を模式的に示す端面図である。 第1微小凹部形成工程の一例を模式的に示す端面図であってレーザ光による加工部分を拡大して示す図である。 第2微小凹部形成工程の一例を模式的に示す端面図であってレーザ光による加工部分を拡大して示す図である。
図1〜図7を参照して樹脂成形品および樹脂成形金型の一実施形態について説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、樹脂成形品10は、例えばポリプロピレンといった合成樹脂を用いた射出成形により製造される。樹脂成形品10は、例えば自動車のインストルメントパネルやコンソール、ドアトリム、グローブボックス等に用いられる。
樹脂成形品10は、複数の山部11と、互いに隣接する山部11の間の谷部12とによって構成された凹凸模様を有する基部13を備えている。山部11には、ドット形状を有する複数の第1微小凸部15が一体的に形成されている。第1微小凸部15は、互いに離れた状態で分布している。谷部12には、ドット形状を有する複数の第2微小凸部16が一体的に形成されている。第2微小凸部16は、第1微小凸部15よりも小さな容積を有し、互いに離れた状態で分布している。このように樹脂成形品10では、第1微小凸部15によって構成される微小な凹凸が山部11に形成されることで、山部11の低グロス化が図られている。また、第2微小凸部16によって構成される微小な凹凸が谷部12に形成されることで、谷部12の低グロス化が図られている。
図2に示すように、第1微小凸部15は、山部11との境界部分における直径である根元径D1と、山部11からの突出長さである高さH1とを有する。同様に、第2微小凸部16は、谷部12との境界部分における直径である根元径D2と、谷部12からの突出長さである高さH2とを有する。
ここで、ドット形状を有する微小凸部は、容積が同じであれば、根元径Dに対する高さHの比率H/Dが小さいほど扁平な形状を有し、反対に、比率H/Dが大きいほど基部13に対する境界部分が小さく、かつ、高く突出する形状を有する。そのため、第1微小凸部15の比率H/Dが小さいほど山部11のグロス値が高くなるとともに樹脂成形品10の表面の摩擦抵抗が小さくなる。また、第1微小凸部15の比率H/Dが大きいほど第1微小凸部15そのものの機械的強度が弱くなり、樹脂成形品10に干渉物が接触したときに第1微小凸部15の大部分が削り取られたり、第1微小凸部15そのものが削り取られたりする可能性が高まる。
こうしたことを勘案して、第1微小凸部15は、根元径D1が250μm以上300μm以下、かつ、高さH1が20μm以上40μm以下で形成されている。根元径D1が250μm以上に設定されることにより、山部11と第1微小凸部15との境界部分における機械的強度が確保され、干渉物が接触した際に第1微小凸部15そのものが削り取られる可能性が低くなる。根元径D1が300μm以下に設定されることにより、複数の第1微小凸部15を互いに離れた状態で山部11に形成するうえで、山部11の形状が制約されることが抑えられる。また、高さH1が20μm以上に設定されることにより、樹脂成形品10の表面の摩擦抵抗を確実に高めることができる。高さH1が40μm以下に設定されることにより、樹脂成形品10を樹脂成形金型から離型する際に第1微小凸部15と樹脂成形金型との擦れを抑制することができる。
また、第1微小凸部15の数が少なくなるほど樹脂成形品10の表面の摩擦抵抗が小さくなるとともに干渉物が山部11の表面に接触する可能性が高まる。そのため、樹脂成形品10の表面の摩擦抵抗を高めつつ、干渉物と山部11の表面との接触を抑えるべく、第1微小凸部15は、1mmあたりに4個以上で形成されている。一方、第1微小凸部15の数が多くなるほど、第1微小凸部15の根元径D1が山部11の形状に基づく制約を受けやすい。そのため、第1微小凸部15の根元径の自由度を高めるべく、第1微小凸部15は、1mmあたりに8個以下で形成されている。
一方、第1微小凸部15によって山部11の低グロス化が図られていることから、山部11と谷部12とで構成される凹凸模様を明瞭にするうえでは山部11と谷部12とのコントラストが高い方が好ましい。すなわち、谷部12は、陰影感が高い方が好ましく、第2微小凸部16は、目立たないことが好ましい。また、第2微小凸部16は、山部11と谷部12とのコントラストを高めるうえでは単位面積あたりの数が第1微小凸部15と同程度、あるいは、第1微小凸部15よりも多い方が好ましい。
こうしたことを勘案して、第2微小凸部16は、根元径D2が120μm以上180μm以下、かつ、高さH2が10μm以上20μm以下で形成されている。根元径D2が120μm以上に設定されることにより、第2微小凸部16の形状の精度を高めることができる。根元径D2が180μm以下に設定されることにより、谷部12において第2微小凸部16が目立たなくなるとともに第2微小凸部16の形状に起因して谷部12の形状が制約されることも抑えられる。また、高さH2が10μm以上に設定されることにより、射出成形時における第2微小凸部16の形状不良が抑えられる。高さH2が20μm以下に設定されることにより、谷部12において第2微小凸部16が目立たなくなる。
次に、上述した樹脂成形品10の作用について説明する。
樹脂成形品10には、第1微小凸部15によって山部11に微小な凹凸が形成され、第2微小凸部16によって谷部12に微小な凹凸が形成される。そのため、樹脂成形品10には、山部11と谷部12とによって構成される凹凸模様に加えて、該凹凸模様よりも細かい凹凸が表面全体に形成される。その結果、樹脂成形品10全体の低グロス化を図ることができる。しかも、第2微小凸部16の容積が第1微小凸部15の容積よりも小さいことによって、元々山部11よりもグロス値が低い谷部12のさらなる低グロス化が図られる。その結果、樹脂成形品10全体の低グロス化を図りつつ、山部11と谷部12とで構成される凹凸模様のコントラストを高めることができる。
また、山部11に第1微小凸部15が一体的に形成されることによって、樹脂成形品10の表面における摩擦抵抗が高められる。そのため、樹脂成形品10に干渉物が接触したとしても、樹脂成形品10に対する干渉物の付着と滑りとが繰り返されるスティック・スリップ現象を生じさせることが可能である。これにより、樹脂成形品10に連続的な線状の傷が付きにくくなる。
例えば、図3に示すように、第1微小凸部15の第1の位置15aに接触した干渉物31は、第1の位置15aにて第1微小凸部15に食い込む。そして、樹脂成形品10に接触したまま矢印Aの方向へ移動しようとしても、干渉物31は、第1の位置15aにて第1微小凸部15に食い込んだ状態で樹脂成形品10に付着し、その後、第2の位置15bに向かって第1微小凸部15上を移動する。干渉物31は、第2の位置15bにおいて第1微小凸部15に食い込むことで樹脂成形品10に再び付着したのち、第3の位置15cに向かって第1微小凸部15上を移動する。第3の位置15cに移動した干渉物31は、第1微小凸部15に食い込むことで樹脂成形品10に再び付着したのち、矢印Aの方向に沿って移動して異なる第1微小凸部15に接触する。
図4に示すように、干渉物31が接触したあとの樹脂成形品10においては、干渉物31の食い込みにより第1微小凸部15の第1の位置15a、第2の位置15b、第3の位置15cの各々に傷付き部32a,32b,32cが形成される。これらの傷付き部32a,32b,32cは、矢印Aの方向に沿った連続的な線状の傷ではなく、矢印Aの方向に沿って並ぶ局所的な傷である。このように樹脂成形品10に干渉物31が接触しても局所的な傷が形成されるにとどまるため、樹脂成形品10に連続的な線状の傷が傷付きにくくなる。
上述した樹脂成形品10は、複数の樹脂成形金型を用いた射出成形により製造される。複数の樹脂成形金型の各々は、鋼材、亜鉛合金、アルミニウム合金等によって形成することが可能である。複数の樹脂成形金型のうち、上述した山部11、谷部12、第1微小凸部15、および、第2微小凸部16を成形する樹脂成形面を有する樹脂成形金型は、以下に示す(a)(b)(c)の工程を経て作製される。
(a)山部11と谷部12とで構成される凹凸模様を有する基部13を成形する基部成形部を樹脂成形金型に形成する基部成形部形成工程。
(b)山部11を成形する部位に対するレーザ加工により、第1微小凸部15を成形する第1微小凹部を形成する第1微小凹部形成工程。
(c)谷部12を成形する部位に対するレーザ加工により、第2微小凸部16を成形する第2微小凹部を形成する第2微小凹部形成工程。
基部成形部形成工程では、樹脂成形金型の基材に対するエッチング加工によって基部成形部が形成される。基部成形部形成工程は、被覆工程と、皮膜除去工程と、腐食除去工程と、溶解除去工程とを備える。
図5(a)に示すように、被覆工程では、樹脂成形金型20の樹脂成形面21に付着している油脂、塵埃等の汚れ成分が脱脂洗浄により除去されたのち、樹脂成形面21の全面に対して耐食皮膜形成用の液体が吹き付けられる。この耐食皮膜形成用の液体は、例えばエッチング用腐食液に対する耐食性を有し、かつ、後述する洗浄液に可溶な液体である。そして、この液体が硬化することによって樹脂成形面21は耐食皮膜22によって被覆される。
図5(b)に示すように、皮膜除去工程では、レーザ加工機を用いて、耐食皮膜22に対してレーザ光L1が照射される。このレーザ光L1は、基部13の山部11を成形する予定の箇所に照射される。レーザ光L1が照射された箇所の耐食皮膜22は、加熱、溶融または蒸発させられることにより除去される。これにより、基部13の谷部12を成形する予定の箇所のみが耐食皮膜22によって被覆される。
図5(c)に示すように、腐食除去工程は、樹脂成形面21について耐食皮膜22で被覆されていない箇所を腐食液25によって腐食除去するエッチング工程である。腐食除去工程では、腐食液25に樹脂成形金型20が浸漬される。これにより、樹脂成形金型20には、基部13の山部11を成形する予定の箇所に凹部26が形成される。腐食液としては、鉄鋼用化学研磨液や過塩化鉄液を単独で、または、水、硝酸、塩酸等を配合したものが用いられる。腐食液25の配合成分や配合割合は、エッチングの対象となる樹脂成形金型20の材質に応じて適宜決定される。
図5(d)に示すように、溶解除去工程では、樹脂成形面21に残っている耐食皮膜22が洗浄液によって溶解除去される。この洗浄液としては、例えば、アセトン、ケトン、強アルカリ水溶液等が挙げられる。
基部成形部形成工程では、上述した被覆工程、皮膜除去工程、腐食除去工程、溶解除去工程がこれらの順に繰り返される。2回目以降の被覆工程では、耐食皮膜形成用の液体が塗布されることで凹部26にも耐食皮膜22が形成され、2回目以降の腐食除去工程では、凹部26の部分がさらに腐食除去される。基部成形部形成工程が終了した樹脂成形金型20の樹脂成形面21には、図6および図7に示すように、山部11を成形する凹状の山部成形部27と谷部12を成形する凸状の谷部成形部28とで構成される基部成形部が形成される。
図6に示すように、第1微小凹部形成工程は、基部成形部形成工程の次に行われる。第1微小凹部形成工程では、上記皮膜除去工程においてレーザ光L1が照射された部分に位置する山部成形部27に対して、レーザ加工機を用いてレーザ光L2が照射されることにより、第1微小凸部15を成形するための第1微小凹部29が形成される。この第1微小凹部29は、レーザ光L2が照射された部分が除去加工されることにより形成される。
図7に示すように、第2微小凹部形成工程は、第1微小凹部形成工程の次に行われる。第2微小凹部形成工程では、上記皮膜除去工程においてレーザ光L1が照射されなかった部分に位置する谷部成形部28に対して、レーザ加工機を用いてレーザ光L3が照射されることにより、第2微小凸部16を成形するための第2微小凹部30が形成される。この第2微小凹部30は、レーザ光L3が照射された部分が除去加工されることにより形成される。
なお、上記皮膜除去工程、第1微小凹部形成工程、および、第2微小凹部形成工程でのレーザ光L1,L2,L3の照射は、三次元レーザ加工機を用いて行なわれる。三次元レーザ加工機は、樹脂成形金型20が装着されるテーブルと、レーザ光L1,L2,L3を照射する照射装置とを備える。三次元レーザ加工機では、テーブルの回転と、照射装置の回転と、テーブル及び照射装置の相対位置の変化とを通じて、レーザ光L1,L2,L3の照射方向を適宜変化させつつ、照射装置からレーザ光L1,L2,L3を照射して、耐食皮膜22を部分的に除去したり、樹脂成形金型20を部分的に除去したりする。
このように基部成形部形成工程、第1微小凸部形成工程、および、第2微小凸部形成工程を経ることによって樹脂成形金型20は製造される。この樹脂成形金型20には、山部成形部27と谷部成形部28とで構成される基部成形部と、第1微小凹部29と、第2微小凹部30とが形成されている。
樹脂成形品10を製造する際には、樹脂成形金型20と他の樹脂成形金型とを組み合わせることにより樹脂成形品10を成形するためのキャビティが形成され、そのキャビティに対して原材料の樹脂材料が充填される。そして、充填された樹脂材料が固化したのち各樹脂成形金型が離型されることにより、樹脂成形品10が製造される。
上記実施形態の樹脂成形品10の効果について説明する。
(1)樹脂成形品10には、第1微小凸部15によって山部11に微小な凹凸が形成され、第2微小凸部16によって谷部12に微小な凹凸が形成される。そのため、樹脂成形品10全体の低グロス化を図ることができる。しかも、第1微小凸部15よりも第2微小凸部16の容積が小さいことによって、樹脂成形品10全体の低グロス化を図りつつ、山部11と谷部12とで構成される凹凸模様のコントラストを高めることができる。
(2)山部11に第1微小凸部15が形成されることによって、樹脂成形品10に連続的な線状の傷が付きにくくなる。
(3)上記(1)(2)により、樹脂成形品10の低グロス化と耐傷付き性の向上とを図ることができる。
(4)第1微小凸部15の容積よりも第2微小凸部16の容積が大きい場合には、その第2微小凸部16によって谷部12の形状が制約されてしまい、山部11と谷部12とで構成される凹凸模様の自由度が低下してしまうおそれがある。この点、上記樹脂成形品10では、第1微小凸部15よりも第2微小凸部16の容積が小さいため、第2微小凸部16によって谷部12の形状が制約されることも少ない。その結果、山部11と谷部12とで構成される凹凸模様についての自由度の低下も抑えられる。
(5)第1微小凸部15は、根元径D1が250μm以上300μm以下に設定され、かつ、高さH1が20μm以上40μm以下に設定される。これにより、山部11の低グロス化を図りつつ、樹脂成形品10に干渉物31が接触したとしても第1微小凸部15の大部分が削られたり、第1微小凸部15そのものが削り取られたりすることが抑えられる。その結果、樹脂成形品10の低グロス化と耐傷付き性の向上とを効率よく図ることができる。
(6)第1微小凸部15は、1mmあたりに4個以上8個以下で形成されている。これにより、基部13の山部11に対して干渉物31が接触することを抑えつつ、山部11の根元径の自由度を高めることができる。
(7)第2微小凸部16は、根元径D2が120μm以上180μm以下に設定され、かつ、高さH2が10μm以上20μm以下に設定される。これにより、谷部12の陰影感を高めつつ、第2微小凸部16を目立たなくすることができる。
(8)樹脂成形金型20を用いて樹脂成形品10を成形することにより、第1微小凸部15と第2微小凸部16とを有する樹脂成形品10を高い精度の下で成形することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・樹脂成形金型の製造工程において、第1および第2微小凹部形成工程のあとに圧縮空気により砂状の研磨材が吹き付けられるサンドブラスト加工が行われてもよい。こうした構成によれば、レーザ光L2,L3による加工部分と非加工部分との境界部分に研磨材があたることにより、該境界部分を目立たなくすることができる。
・樹脂成形金型の製造工程において、第1微小凹部形成工程の前に第2微小凹部形成工程が行われてもよい。
・第2微小凸部16の根元径D2および高さH2は、樹脂成形品10の材質や谷部12の形状に応じて適宜変更可能である。根元径D2は、第2微小凸部16が高い精度のもとで形成可能であれば120μm未満の値に設定されてもよいし、第2微小凸部16が目立たないのであれば180μmよりも大きい値に設定されてもよい。また、高さH2は、第2微小凸部16の形状不良が抑えられるのであれば10μm未満の値に設定されてもよいし、第2微小凸部16が目立たないのであれば20μmよりも大きい値に設定されてもよい。
・山部11には、複数の第1微小凸部15が形成されていればよい。そのため、単位面積あたりの第1微小凸部15の数は、山部11の形状に応じて適宜変更可能であり、1mmあたりに4個以上8個以下に限られるものではない。
・第1微小凸部15の根元径D1および高さH1は、樹脂成形品10の材質や山部11の形状に応じて適宜変更可能である。根元径D1は、第1微小凸部15との境界部分における機械的強度が確保されるのであれば250μm未満の値に設定されてもよいし、山部11の形状を制約しないのであれば300μmよりも大きい値に設定されてもよい。また、高さH1は、摩擦抵抗が十分に得られるのであれば20μm未満の値に設定されてもよいし、樹脂成形金型の離型時に樹脂成形金型との擦れが抑制されるのであれば40μmよりも大きい値に設定されてもよい。
・第1微小凸部15は、山部11に形成された微小凸部であればよく、その形状はドット形状に限らず、例えば山部11との境界部分が多角形状の微小凸部であってもよい。こうした場合、根元径は、多角形状の境界部分を取り囲むことが可能な円のうちで最も小さな円の直径である。
10…樹脂成形品、11…山部、12…谷部、13…基部、15…第1微小凸部、15a…第1の位置、15b…第2の位置、15c…第3の位置、16…第2微小凸部、20…樹脂成形金型、21…樹脂成形面、22…耐食皮膜、25…腐食液、26…凹部、27…山部成形部、28…谷部成形部、29…第1微小凹部、30…第2微小凹部、31…干渉物、32a,32b,32c…傷付き部。

Claims (5)

  1. 複数の山部と互いに隣接する前記山部の間の谷部とによって構成された凹凸模様を表面に有する基部と、
    前記山部に形成され、互いに離れている複数の第1微小凸部と、
    前記谷部に形成され、前記第1微小凸部よりも容積が小さく、かつ、互いに離れている複数の第2微小凸部とを備える樹脂成形品。
  2. 前記第1微小凸部は、根元径が250μm以上300μm以下であり、かつ、高さが20μm以上40μm以下である請求項1に記載の樹脂成形品。
  3. 前記第1微小凸部は、1mmあたりに4個以上8個以下で形成されている請求項1または2に記載の樹脂成形品。
  4. 前記第2微小凸部は、根元径が120μm以上180μm以下であり、かつ、高さが10μm以上20μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂成形品。
  5. 複数の山部と互いに隣接する前記山部の間の谷部とで構成される凹凸模様を表面に有する樹脂成形品を成形する樹脂成形金型であって、
    前記樹脂成形金型は、前記樹脂成形品を成形する樹脂成形面に、前記山部を成形する凹状の山部成形部と、前記谷部を成形する凸状の谷部成形部と、前記山部成形部に形成され、互いに離れている複数の第1微小凹部と、前記谷部成形部に形成され、前記第1微小凹部よりも容積が小さく、かつ、互いに離れている複数の第2微小凹部とを備える樹脂成形金型。
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